ネパール渡航まとめ 学部:外 国 語 学 部 専攻:国際交流・協力 学年: 氏名:櫛 山 1, ネパール渡航の経緯・目的 2, 現地での活動内容 3, 各メンバーの感想 3 万 葉 1, ネパール渡航の経緯・目的 麗澤大学に入学し、国際交流・協力専攻の学生となった直後に行なわれたオリエンテーシ ョンキャンプの中で、Japanesia(ミクロネシアにて環境教育プロジェクトに取り組む学生 主体のチーム)の活動内容についての発表を聞き「海外での活動に挑戦してみたい」という 思いを持った学生数名が集まる。どの国でどのような活動を展開するか幾度も議論を重ね、 最終的にアジア最貧国・ネパールを対象とすることを決定。梅田先生に自主企画ゼミナール の担当をしていただき、2015 年度の後期にネパールの政治や教育、宗教などテーマを決め てより深く学ぶ。チームとして初の渡航となった今回は、学生 4 名が 2016 年 2 月 17 日か ら 25 日まで現地に滞在した。 ネパールでは 2015 年 4 月 25 日に首都・カトマンズ西方約 77km に位置するガンダキ県ゴ ルカ郡を震源とした Mw7.8(アメリカ地質調査所による)と推定される大地震が発生。多くの 家屋・世界遺産が損壊し、中には全壊したものもある。今回、我々はカトマンズを中心に被 災地を視察。震災から約 1 年が経ち、どのような変化があったのか知るべく現地調査を行 う。また、NPO 法人や JICA 事務所、小学校も訪問。現地住民と積極的にコミュニケーショ ンを図ることで、今のネパールにおける課題・ニーズを知り、今後の活動に繋げる。 2, 現地での活動内容 17 日 現地入り。カトマンズ・タメル地区内の宿泊先周辺を散策し 都市部の被災状況を視察する。 18 日 午前:バグマティ県のシタパイラ村に位置する小学校にて 日本の生活や観光名所、食文化に折り紙や駒などの遊具についての授業を行う。 午後:空き教室の支えやドアを紙やすりで磨き、ペンキで塗る。 19 日 午前:同小学校に再度訪問。教職員や生徒達と共同でペンキ塗りを続ける。 午後:RODA(麗澤海外開発協会)に紹介していただいたネパール人の方にガイドを頼み カトマンズ周辺の被災状況を視察。世界遺産も見て回る。 20 日 オフ 21 日 午前…シタパイラ村の別の小学校に訪問。18 日と同様に授業を行う。 午後…古都・バクタプルに移動。19 日と同様に被災地を視察する。 22 日…NPO 法人・Transparency International(略:TI)のネパールオフィスを訪問。 ネパール国内における汚職・腐敗や TI のこれまでの活動等について説明を受け ディスカッションも行う。 23 日…JICA ネパール事務所を訪問。 これまでの JICA の活動と震災以降のネパールの状況等について ブリーフィングをしてもらう。 3, 各メンバーの感想 国際交流・協力専攻 3 年 大垣 直哉(おおがき なおや) 私は麗澤大学で国際協力を専攻し授業などで多くの国際協力に関することを学んできま した。普段の勉強や実際に国際協力に従事していた方々からお話を伺っていく中で、自分の 中で途上国に対する非常に漠然としたイメージが出来上がってきました。そして、ネパール 国をケーススタディとし自主企画ゼミなどで勉強し、実際今回の春休みに現地を訪れまし た。ネパールは世界でも最貧国と言われる国で、人々は一日一ドル以下の生活を強いられて いると聞きますが、実際それらの生活がどのようなものなのかは想像がつきませんでした。 住み慣れた東京では様々な問題はあれど人々の最低限のニーズ(BHN)は保たれています。 そして、そのネパールの現状を自分たちの目で確かめたいと思ったのが今回の渡航のきっ かけです。 私の特に印象に残る事は首都カトマンズから西に車に 30 分ほど離れた場所にあるシタパ イラ村を訪れたことです。村では二つの学校を訪問し授業を行ったり、生徒と交流をしたり しました。彼らと交流する中で靴を履いていない裸足の子や、鉛筆を持っていない子どもた ちを見かけました。勉強の道具である鉛筆やノートを持っていなければ学校の授業につい ていけなくなってしまいます。鉛筆やノートは日本円にして 30 円以下で買うことが出来ま すが、それらの日本人にとっては少額の金額でさえ買う余裕がない現状があります。また、 政府による復興はまだ始まっておらず、生徒たちは仮設校舎にすし詰めの状態で勉強して いますし、校庭もありません。復興が進まない中で人々は多くの問題を抱えることになりま した。このように普段から最貧国と言われる国で巨大地震が発生したことにより現在のネ パールの貧困層の人々の生活はさらに困難なものとなっています。 普段の勉強で途上国について知っているつもりでしたが、それは表面上だけで、実際現地 に行かなければ現状を見て感じる事が出来ません。今回は大変貴重な体験をすることが出 来ました。 国際交流・協力専攻 3 年 櫛山 万葉(くしやま かずは) 今回が私にとって初めての海外渡航で、その初めてが最貧国と言われるネパールだった のでフライト直前まで本当に不安な気持ちでいっぱいでした。しかし、ネパールには親日家 が多く、どこに行っても皆温かく接してくれたので安心して 1 週間を過ごすことが出来ま した。小学校では生徒達と交流を深め、英語を介して日本語とネパール語を教え合うなど、 楽しい思い出も出来ました。 震災によって多くの建物が倒壊し、瓦礫は複数個所にまとめられてはいるものの撤去さ れておらず、インフラ整備等の進捗も遅く復興には程遠いのが現状でした。また、ここ 20 年は内戦などが大きく影響し、政情が不安定で政府が全く機能していません。震災発生直後 に多くの国々から支援を受けたにもかかわらず、農村部への援助物資は全く行き渡ってい ないのです。学校や家屋の再建のために日本などが表明した復興資金も用途が明確でない ため、地方に住む人々の多くが避難民キャンプで過ごし、劣悪な環境下に留まることを余儀 なくされています。また、NPO・NGO が支援活動を行うにはネパール政府の承認が必要なの ですが、政府側から活動許可が下りるまで最短で半年近くかかるため活動に着手できてい ない団体も多いという話を JICA 事務所で聞きました。震災から約 1 年経った今もなお人道 支援が円滑に進んでいないことがショックで仕方がありません。今回は震源地であるゴル カ郡のような地域には行かずカトマンズ盆地周辺のみ視察したので、被害の大きい村落な どのイメージがはっきりしていません。もし可能であれば、次回は避難民キャンプ等にも訪 問したいです。 今回の渡航を通じて得たものは多く、今後の私達の動き方が少しずつ明確になってきま した。今年度も定期的にミーティングを行い、その中で積極的に意見を交わし、新たなプロ ジェクトを立案して次回の訪問で実践し、少しでもネパールという国に寄与できればと考 えています。 国際交流・協力専攻 3 年 黒田 蘭(くろだ らん) 今回はじめての現地視察で不安とドキドキでいっぱいでした。ネパールと聞いただけじ ゃピンとこなくて事前に人口やインターネットでわかる情報は調べていきましたが、数字 や改まった分だけではネパールがどんな国なのかわかりませんでした。しかし、実際行って みると人が多くて、車はひとたび乗ると何かのアトラクションに乗っているかのように激 しかったです。ネパールにはたくさんの世界遺産があり、個性的なものばかりでした。やは り、管理の仕方なども国柄が出ていて地震の後で崩れそうな建物があっても普通に人が立 ち入れるようになっていました。瓦礫がジェンガのように崩れてくるなと思いました。その 周りでは子供が走り回り、立ち入り禁止の柵などないに等しかったです。観光をしていて思 ったのが、ネパールの方は親日で知り合いが日本に住んでいるやネパールカレー屋さんを 開いている方が多いと思いました。しかし、道端には物乞いの子、人が多くいました。子ど もばかりではなく大人の方も多くいました。大体の人が手足がない人が多く、不思議に思い ました。現地のガイドさんに伺うと、手や足は売るとお金になるので売ってしまう人が多い そうです。街中より世界遺産にたくさん見受けられました。多くの観光客が集まるので世界 遺産に多いのかなと思いました。ネパールは車、バイク社会で道路は交通量が多く人が通る 場所が狭く交通的には危険でした。横断歩道はなく、みんな車の様子を見計らって渡ってい るので車を運転している人は気を付けながら運転をしていると言っていました。約1週間 滞在していて、第一印象の不安は全くなくなりました。むしろ、大好きになりました。今は、 地震や政治的影響もありインフラが整っていませんが、それ以上に得るものがある場所だ と感じました。 国際交流・協力専攻 3 年 長井 理緒(ながい りお) 今回のネパール渡航の目的の 1 つ目は現地視察であり、2 つ目は学生ができる国際協力の 可能性を探ることでした。調査、及び活動拠点をアジア最貧国のネパールに定め、事前に 我々はネパールの歴史や宗教、教育、芸術、観光、文化、政治について調べ議論を深めまし た。前半の滞在で我々は 2015 年 4 月に発生した地震の被害、復興状況などを視察すると共 に、シタパイラ村の小学校2件でボランティア活動を展開しました。後半には現地で活動す る国際 NGO『Transparency International 』のネパール支部と『独立行政法人国際協力機 構(JICA)』のネパール事務所を訪ねる計画を立てました。 異国での現地調査とボランティア活動は私にとって初めての経験だった為、不安や緊張 もありました。しかし実際に現地を訪れてみると、日本とは異なる文化は興味深いものばか りで充実した現地調査になりました。言語や宗教、価値観、景観、インフラの整備状況等、 様々な場面で異文化を体験する機会に恵まれました。今回の調査と活動で、私は『対話する こと』の面白さに気づくことができました。学校の校長先生や地域の活性を図る赤十字の責 任者から、学校に通う少女や世界遺産の敷地内で店を営む人まで、幅広い年代と職業の人か らネパールという国に対する様々な意見を聞くことができましたが、ボランティア活動や 観光など時には世間話をしながら談笑したことで、ネパールの価値観や生活をより身近に 感じることができました。紙の上の記号としての知識に、対話によって得たネパールの人の 温もりある情報が加えられ今後の活動意欲に繋がっています。 今回の現地調査とボランティア活動は企画段階から多くの方々に支えていただき、感謝 してもしきれません。渡航を共にした3人は、疑問や発見を共有し議論を深め合う良き研究 仲間で、今回の調査と活動をより充実したものにしてくれました。彼らとの議論から生まれ た『学生ができる国際協力の可能性』も私の今後の活動意欲に大きく影響しています。
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