日本学術振興会ワシントン研究連絡センター 米国科学工学医学アカデミー、遺伝子組み換え作物と従来の品種改良作物との 間でリスク・長所に関する顕著な違いはなしと結論(5 月 17 日) 米 国 科 学 工 学 医 学 ア カ デ ミ ー ( National Academies of Sciences, Engineering, and Medicine)遺伝子組み換え作物委員会(Committee on Genetically Engineered Crops)は遺伝子組み換え作物と従来の品種改良によ る作物とを比較した報告書「遺伝子組み換え作物 ~経験と展望~ (Genetically Engineered Crops: Experiences and Prospects)」を発表した。 これによると、遺伝子組み換え技術と従来の品種改良技術との間での違いが 不明瞭になりつつあることが明らかになったという。また、現在購入可能な遺 伝子組み換え作物と従来の品種改良による作物との間で、人体の健康に及ぼす リスクに関する違いの確固たる証拠や、遺伝子組み換え作物を原因とする環境 問題の因果関係を証明する結論は発見されなかったことも明らかにされた。同 委員会は、遺伝子組み換え作物による悪影響と言われている点と、長所と言わ れている点を評価するために、1980 年代から 20 年間に亘って蓄積された研究 結果約 900 件を検証したが、広く商業化されている遺伝子組み換え作物の特 性は、除草剤に対する耐性と害虫に対する毒性の 2 種類だけであることから、 同報告書では遺伝子組み換え作物の長所及びリスクに関する一般的な表現は 避けられている。 なお、本報告書は、<http://www.nap.edu/read/23395/chapter/1>から閲覧 可能。 National Academies of Sciences, Engineering, and Medicine, Distinction Between Genetic Engineering and Conventional Plant Breeding Becoming Less Clear, Says New Report on GE Crops http://www8.nationalacademies.org/onpinews/newsitem.aspx?RecordID=2 3395
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