天気ハワイ

第 4 回 8月センター試験本番レベル模試[地学]講評
地 学
実験・実習,観察,探究活動もしっかりと学習しよう。
Ⅰ.全体講評
Ⅱ.大問別分析
2015 年度センター試験実施前のため,第 4 回 8
第 1 問 固体地球
月センター試験本番レベル模試は,大問数や難易
断層と地震について理解を深めよう。
度,大問ごとの出題分野について,東進独自の予想
A では地震の観測結果から初動の方向を読み取
のもとに出題している。大問数は 5 と想定し,設問
る問題を出題した。地震計の記録をもとに考察させ
形式などは,旧課程におけるセンター試験「地学 I」
る問題は,過去のセンター試験でも出題されてお
からは大きく変化させていない。
り,確実に得点できるようにしておきたい。
今回の受験者全体の得点分布は,次のようになっ
B ではホットスポットに関する知識を確認する問
ている。平均点は 37.9 点であった。「地学」は「地
題を出題した。ハワイ諸島から天皇海山列につなが
学基礎」に比べて学習項目が多いが,教科書をしっ
る火山島は,ホットスポットとプレートの移動に関
かりと理解することで高得点を狙える科目である。
する例として教科書でも取り上げられている。移動
着実に得点を伸ばしていくようにしよう。
距離と移動期間に関する計算問題として出題される
可能性もある。
第 2 問 岩石
火成岩の化学組成について知識を整理しよ
う。
得点分布 地学
40
A では火成岩の化学組成と火成岩の性質との関
平均 37.9%
35
係についての理解を確認した。火成岩の組成と性質
30
や分類などについて,図で一覧にしてあるものが教
受
験 25
者
数
の 20
割
合
15
(%)
科書や資料集にあるので,それらを利用して知識を
整理しておこう。
B ではマグマ中の揮発成分について揮発性成分の
溶解曲線を読み取る力と,揮発性成分の火山活動に
おけるはたらきについての理解を確認した。
10
5
0
第 3 問 地質図
10
20
0
第1問
第2問
第3問
第4問
第5問
30
40
50
60
得点率(%)
70
80
大問別得点率(%)
20
40
60
80
39.6
37.4
39.5
90
100
地質図の読み取りを訓練しよう。
今までのセンター試験では,地質図や地質断面
図,地質柱状図などの読み取り問題が必ず出題され
100
てきた。今回は,簡単な地質図について地質構造を
読み取る力や,地史と放射年代についての基礎的理
解を確認した。知識を得るだけではなく,自ら手を
動かして,地質図から断面図を描く練習を必ず行っ
てほしい。
35.5
37.6
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第 4 回 8月センター試験本番レベル模試[地学]講評
第 4 問 大気と海洋
ることが大事である。地学は地球物理,プレートテ
高層天気図を読み解こう。
クトニクス,岩石・鉱物,地質・地史,気象,天
A では高層天気図についての理解と,偏西風波
文,自然環境と範囲が多岐にわたっている。これら
動と温帯低気圧の関係についての理解を確認した。
についてどんなことを学ぶのか,どのような図表や
地上天気図では等圧線を描くが,高層天気図では等
グラフがあるのか,大体のイメージを最初に作って
圧面の高度分布が描かれている。高層天気図は,慣
おくことがその後の学習に役立つ。
れていないと戸惑う可能性がある。気象庁のホーム
ページには最新の高層天気図が公開されているの
◆これからの学習について。
で,参考として確認してみるのもよいだろう。
センター試験本番において「地学」を選択する受
B ではエルニーニョ現象とラニーニャ現象につい
験生には是非とも高得点を狙ってもらいたい。その
ての理解を確認した。各々の現象が発生していると
ために欠かせないことは,苦手分野や学習漏れをな
きの大気と海洋の状態を理解しておこう。また,エ
くすことである。ただし,
「地学」は教科書の内容
ルニーニョ現象が発生するのは,赤道太平洋である
も多く,
「地学基礎」に比べると全範囲の学習に時
が,中緯度地域の気象にも影響がおよぶ。空間的に
間がかかる。秋以降は,国公立二次試験や私大の過
離れた場所の気象が連動することがあるということ
去問演習に充てる時間が多くなるため,苦手分野の
を覚えておこう。
克服などは早急に対応しておこう。
第 5 問 宇宙
◆模試を活用しよう。
HR 図を描けるようにしよう。
「地学」にはセンター試験の過去問がなく,演習
A では太陽表面の様子についての理解と,シュ
量が不足しがちである。そのため,模試を演習の一
テファン・ボルツマンの法則についての理解と簡単
環として学習を進めていくことが重要となる。2 か
な計算力を確認した。太陽は,内部構造や表面の様
月ごとに実施される東進のセンター試験本番レベル
子,周期的な活動,地球への影響など,幅広い内容
模試は年 5 回で「地学」の出題範囲をすべてカバー
が問われる可能性がある。漏れの無いように学習し
するため,学習の進み方と学習の不足点を判定でき
ておこう。
るとてもよい機会である。今後も模試の受験を継続
B では恒星のデータから距離と半径を比較する力
し,着実に得点を伸ばしていこう。
を確認した。このような問題では,まず HR 図を描
くことがポイントである。地質図などと同様に,自
ら手を動かして HR 図を描き,考察する練習をして
おくことが重要である。
Ⅲ.学習アドバイス
◆センター試験の地学について。
センター試験の「地学」は新しい科目のため過去
問はなく,学習を進めるにあたって不安もあるだろ
う。しかし,センター試験の出題範囲は教科書に限
られている。センター試験で高得点を得るために
は,
「教科書」→「問題演習」→「教科書」という
流れの学習方法を反復し,教科書を徹底理解するこ
とが大切である。「地学」の学習は教科書の通読か
ら始めよう。すでに授業を受けている場合も,あら
ためて教科書を通読しよう。はじめは,理解しよう
とか暗記しようとか考えずに,地学の内容を概観す
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