研究開発体制と知的財産への取り組み

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研究開発体制と知的財産への取り組み
経営企画部に「R&D 戦略室 」を設置し、経営戦略に沿ったテーマに経営資源を集中するとともに、将来を見据えた研究開発
を進めることで新たな事業の創出や収益の拡大の早期実現を目指しています。また、知的財産部を設置し、特許や商標等の出
願・権利化、維持・管理と活用に取り組んでいます。
研究開発体制と各研究拠点の活動概要
出光興産株式会社
経営企画部 R&D 戦略室
化学事業部
潤滑油一部
潤滑油二部
電子材料部
先進技術研究所
(コーポレート研究)
機能材料研究所
(機能化学品事業)
営業研究所
エンジニアリングプラスチックの研究開発を進めています。
1968 年の開設以来、お客さまと直結し、常に先進的な潤滑油および潤滑技術を研究・開発してきました。トライボロジー
(潤滑工学)研究の成果と膨大なノウハウの蓄積がお客さまとの信頼の証です。
日本で実践してきた「需要家と一体となった潤滑油開発モデル 」をグローバルに展開すべく、海外 R&D 機関の一つとして、
2016 年にデトロイト近郊に開設しました。
電子材料開発センター
無機材料開発グループ
機能材料開発グループ
電子材料開発センターは有機 EL 材料を、無機材料開発グループは有機 EL ディスプレイや液晶ディスプレイに使用される
酸化物半導体材料の開発を、機能材料開発グループは特殊ポリカーボネート樹脂や機能性コート剤の開発にそれぞれ
取り組んでいます。
(株)エス・ディーエス・
バイオテック つくば研究所
「食の安全・安心 」と「安定した農畜産物の生産 」をテーマに微生物や天然物に由来する環境調和型の病害虫防除剤、飼料添
加物などの開発を行っています。
農薬メーカーとして有機化学・生物学・分析化学・物理化学などのさまざまな技術力をベースに有用動植物保護と防疫を
目的に安全で有用な製・商品を提供すべく研究開発に取り組んでいます。
石炭・環境研究所
重要なエネルギー源である石炭に関し、鉱山での生産から輸送、利用、環境対策に至るバリューチェーンの全てに対して、
お客さまのニーズを先取りした技術提案やコンサルティングを実施しています。加えて、地球規模の環境問題や将来の資
源確保に向けた技術開発を推進しています。
製造技術部
生産技術センター
生産技術センターは、石油精製、石油化学プロセスの開発・設計・建設から運転・品質・保全まで、プロセス技術の総合
テクノロジー・エンジニアリングセンターとして出光グループの事業を支えています。また、新規機能材の製造プロセス
の開発などの技術立脚型の新規事業開発を支援するとともに、技術輸出(プロセス・触媒ライセンス供与)にも積極的に
取り組んでいます。
出光ユニテック株式会社
商品開発センター
石炭事業部
知的財産の戦略的な保護と活用を通じ、当社グループの製品・ブランドの価値を向上
当社グループの製品には他社が真似できない特許製品が
近年では、事業のグローバル化に伴い、無断で当社技術を
多数存在します。独自技術の保護のほか、顧客が当社製品を
使用し、ブランドロゴを類似の製品に付けるなど、侵害品・
安心して購入・使用できるよう、特許権によって製品を保護
模倣品の問題も発生していますので、JETRO(日本貿易振興
しています。当社グループは、国内・海外合わせて毎年平均
機構)の協力も得ながら対策を講じています。
約 400 件の特許出願を継続しており、2015 年度末の国内外
これら活動を通じ、当社の製品に対する信用や、ブランド
保有登録特許は 4,962 件を数えます。
価値の維持と向上を図っています。
また当社の技術を自社でも実施することを希望する他社に
は、特許や技術のライセンス(活用)
を行う場合もあります。
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基盤事業、資源事業に次ぐ出光の柱として期待される高機能材事業を支える研究所として、主に粘接着基材および
潤滑油開発センター
出光ルブリカンツアメリカ
アグリバイオ技術課
アグリバイオ事業部
将来のグローバルな成長分野に対し、市場ニーズを先取りし、社会の環境変化に素早く対応しながら、技術の革新と融合に
よる研究開発を推進しています。また、分析解析部門である解析技術センターと一体となって、技術基盤の整備、強化に
取り組んでいます。
高機能材事業の一翼を担う出光ユニテック(株)の商品開発センターとして、主にポリオレフィン樹脂を用い、お客さまに
「感動 」を与える商品の創出につながる技術開発をミッションとしています。
業界初、
「TOP100 グローバル・イノベーター賞 」を受賞
当社は、米国に本社を置く国際的な大手情報企業、トムソン・ロイター社が知財戦略に優れ
た世界 100 社を選出する「TOP100 グローバル・イノベーター賞 」を 2015 年度に初めて受賞
しました。同賞は、独創的な発明のアイデアを特許権により保護し、事業化に成功を収めた世
界のリーダー企業・機関を同社が顕彰する制度で 2011 年に創設されました。キヤノン、トヨ
タ自動車など日本企業40社が選ばれる中、日本の石油会社として初めての受賞となりました。
高機能材料事業で長年、グローバル市場に影響を与える革新技術を継続的に創出し、知的財産
活動を通じて特許権獲得を進めてきたことが評価されました。
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