腫茎□No.271平 成28(2016)年 9月 李 李 李 李 李 李 李 や や 李 ● 李李 今 李 李 李 李 李 今 や李 今 や ● ● ● 李 李 李今 李 李 今 李 李 李 今 李 李 李 金 李 李 李 ◆ 李 李今 李 李 李 李 李 ◆ ◆ 李 李 李金 李 金 李今 今 李 李 李 李 李 李 金 李 李 ◆◆ 李 李 今 李 今 金 も ◆ ムスク,ミ ント,ジ ャスミン系高級香料 の 実用的化学合成 grade musk,Ilint,and jasmine perfumes utilizing titanium口 mediated reactions. Ti Claisen condensations and Ti― direct aldol additions are successfully applied for a series of pracical stttheses of v智 10us perttmes.(1)Concise syntlaeses Of∽ )― c市 etone, and C)― muscone,tlle most important natural ma研 ocydic musks.(ii)Straightfonh7ard syntheses of(R)― ■lintlactone and(R)中 Inenthof■ lran,two representative natural lnint perful■ es,(ili)Expeditious synthesis of the lactone analogs of dihydrttasmOne and jasmone,with llmqlle odor for ttaBrance.(市 )A unique syntllesis Of lβ ― methylcarbapenem 李 李 李 ◆ 李 李 李 李 antibiotics such as lneropenem. 李◆ 李 李 李 李 李 李 李 李 李 李 ← ◆ 李 李 李 李 李 李 李 李 李 李 日辺 陽 Yoo′ ranabe 関西学院大学 理工学研究科化学専攻 今李 李 李 李 李 李 李 李 李 李 李 李 φ 李 李 李 李 李 李 李 李 李 李 李 李 李 李 や ◆ 李 李 李 李 李 李 李 李 李 李 金 李 李 李 李 今 金 李 李 李 李 李 李 ◆李 李 今 金 李李 李 李 李 李 李 李 PraCtical chetlnical syntheses of high口 ◇李 金 李 李 金 李 李 金 李 ◇ や◆ 李 李 李 李 李 李 李 李 李 李 ◆ 李 李 李 李 チタン反応を利用する 李 今 李 金李 李李 李 李 李 李 今 李 李 李 李 李 李 李 李 李李 李 李 李 李 李 李 李 李 李 李 李李 李 李 李 李 李 李 李 李 李 李今 今 李 李 李 今 李 李 李 李 李 李 李李 李 李 李 李 李 李 李 李 李 李 李李 李 ◆ 李 李 李 李 李 李 李李 李 李 1口 は じめ に Chemistryの 邦 訳 書籍 が上梓 され た のが 1999年 で D。 ある 日本 にお い て も例 えば ,野 依教 授 お よび 高 人類 の営 み を強力 に支 える有機合成化 学・プ ロセ 砂香 料 工 業 による不斉合 成反応 の 開発 が天然 香 料 ス化学 は,環 境 問題 を踏 まえた新 たな局面 を迎 えて 久 しい。香料科学 にお い て も当然 これが相 当する。 ゴーメントールの化学 工 業 生 産 に結 びつ き,天 然植 物 の 伐採 による環境破壊 を防 ぐことに成 功 した の。ま 今 回,「 香料」誌 へ の執筆依頼 を拝受 した。最近 ,香 た ,カ ルバ ペ ネ ム 抗 生 物 質 の生 産 にお い て は ,向 料科 学 か ら離 れてお り,正 直遊 巡 したが ,本 稿 が ア ー カイヴとして この分野 に 関 わ る有機合 成化学者 ヘ 山・野依 ・村橋 法 とい う純 国産 の独 自技術 が 医療 に 寄与 して い るの。 何 らかの参考 になれば と,回 顧 も含 め著述 す ること 昨今 で は ,ク ロス カップ リング反応 の進展 普及 が にした。 , 医農薬 品 の創 薬 お よびプ ロセス化 学 にお いて不 可 欠 なツール となったD。 いず れ にお いて も日本人 の寄 2.グ リーンケミス トリー とプロセス化学 与 が大 きく,ノ ーベル 賞 やそれ に相応 す る価 値 あ る 方 法論 として化 学・製 薬 産 業 に 占 め る位 置 が大 き い わゆ るグ リー ンケ ミストリー を考慮 した有 機 反 い ③これ らの事 実が喜 ば しい ことで あ ることは他 言 応 の 開発 と合成へ の適用が叫ばれてか ら久 しく約 20 をまたな い。今後 は有機触媒化学や C― H直 接活性化 年 とな る 。 P.Anastas教 授 が 提 唱 し た Green 有機化学 の実用化 時代が来 ると期待 され る。 29 Lactone analog Of oFs― 」asmone (Photottraph l) ジヤコウネ コ ハート 「基礎有横化学」ω(倍 風館)か ら転載 Scheme l. O miC「 Obial oxidat on Z― C02Me C° 2Me o e c acid n)MeoH,Hi 一 ゆOH りH十 TiCi4 Et3N わrg力 reacす o打 的 ros′ r/ 3日 )― C VetOne されて い る (9章 ,ア ルデ ヒトとケトン)(PhOtograph 研 究の経緯 きっか けは,「 香料 ・テルペ ンお よび精油化学 に関 ジョー ンズ の有機化学 "と い う定評 あ る教 科書 にもシベ トンのコラム記載があ る。 する討論会」であった。ここで ジャパ ンエ ナジ ー (当 ジャコウネ コを構 に幽 閉 し,香 の うか らシベ トンを l)。 時)の 研 究 者 か ら,私 た ち の チ タンを用 い る反応 搾 取す るとい う。 い ささか残 虐 な行為 で あ るが ,ワ クライゼ ン縮合 ,Ti― 直接 アル ドール付加反応 )を シントン条約 (CITES)に は抵 触 しな い らしい。目的 (Tト 利用 して ,シ ベ トンを合 成 で きな い か との 提案 で あ は香料 ,特 に珍 種 コーヒー の原料 とい う。 った。これ らの反応 をコスメトロジー の分 野 に適用 す べ く,ま ず ,香 料 業界 最大 の テ ーマ つで あ る天 然 は意外 と難航 して い た。 17員 環 とい う特殊 な構造 と シベ トン・像 )_ム ス コン)の (Z)二 重結合 の布在 に起 因する。ここで2つ の合成 大環状 ムス ク香料 ((Z)― 実用 的化学合成 に取 り組 んだ (Figure l)D。 加 えて , ジャスモ ンや ミント系 の香料 の短段 階実用合 成 へ の この ような有名 な化合 物 にも関 わ らず ,そ の合 成 法 を紹介する。いずれ も対称性 を活か した tan head to head tail type C― C結 合形成反応 を利用 す る⑥ 展 開 も行 った⑥ 4口 Ti由 30 ク ライゼ ン縮 含 を利用 す る シベ トンの化学合 成 (1)Tl― ディー クマ ン (分 子 内 クライゼ ン )縮 台 を 用いる (Z)‐ シベ トンの実用合成 働 セ )― オレイン酸 を出発 物質 とす る方法 で ある。ジ ャパ ンエ ナジー で確 立 されて い る長装 カルボ ン酸 の ハ ー トの「基 礎有機化学」の教科 書 °に “シベ トン" 末端酸化技術 9に よリジカルボン酸 とし.こ れ をメテル の構造 とそれ を産 出するジャコウネ コの 写真 が掲 載 エステル化 しジメテル エ ステル に導 (lScheme l)。 チタン反応を利用するムスク,ミ ン ト,ジ ャスミン系高級香料の実用的化学合成 Scheme 2. /\ ▼/へ ` /ハ \マ/C02Me ググ\ヤ TiCi4 Bu3N /toluene O-5° C14h 軸 調呂 畳 O りHO (Grubbsi catalyst) りH+ Civetone 84% /toluene l10° C,2h 95% EiZ=ca 3打 E:Z=ca 3:1 Grubbsi catalyst TiCi4 Bu3N C02Me r!!培 号 h 腎 _c02ド MeCI 培 后 h ll‖ ― 腎 CiVetOne ど 業ca al Scheme 3. O H2 Cat(S)― Ru― BINAP E:Z=9419 (R)一 MuscOne 54% TiC14 Bu3N― imidazole ジメチルエステル を分子 内Ti― ディー クマン結合 (分 ケトエ 子 内クライゼ ン縮合 )に よって,17員 環状 β― ステル に導 くことができた。引 き続 き加水分解・脱 (2)Ti白 クライゼン縮台およびメタセシス環化を利 用 したシベ トンの短段階製法 10 炭酸することで,天 然物 と同一 で あ るZ‐ 体 の シベ まず,末 端 に二重結合 を有す9-デ セノ酸 メチルを Tl― クライゼン縮合 によって,鎖 状 β― ケトエステルに トンを合成 す ることに成 功 した。 導 く(Scheme 2)。 この反応 も従来 の塩基法 に比べ この鍵段 階 で ある環化 の最大 の特徴 は,強 力 な 炭素 ―炭素結合 能 を有す反応 のため,類 型 の環化 ヽ 高速 ,高 収率 ,低 温 で進行する。続 くGrubbs触 媒 を 用 い るオレフィンメタセシス環化 により,17員 環状 β― 反応 に比 べ 高濃 度 ,短 時 間 で進行す る点 で ,い わ ゆるグリーンケミカルなもので ある。Tl― デイー クマ ケトエステル (E/Z tt ca.3:1)を 得 た。先述 と同様 に加水分 解・脱炭酸することにより,シ ベ トン● /Z= ン環化 とTiC13-Zn/Cuを 用 い るA/1cMurryカ ップ リ ca.3:1)を 合成することがで きた。3段 階の通算収率 ングを比 較 してみる。Tl― デイークマン環化 :0-5℃ が 74%で あり,こ れ までのシベ トン合成 の 中で最 も ∼ 100 , mM,lh.McMurryカ ップ リング :80℃ ,∼ 5 mM,∼ 50h。 安価 な原料 〔セ )― オレイン酸)・ 反応剤 (TiC14,Et3N等 )〕 を使用 してい るため工業的 に有望 な製法である。 高 い。しかも,こ れ ら一連 の反応がワンポットで進行 することを見出した。 すなわち,各 段 階が高J又 率 で進行するのは,同 じ トルエ ン溶媒 を使用 して い るため可能であり,脱 メ トキシカル ボエル化 まで反応が一気 に進行す るとい 31 Scheme 4. ド 一 O R Re Scheme 5= O Ph02C_ _ 人 OAc TiC 4 Bu3N う,こ れ までの合成法の中で最 もシンプルな製法 と なった。ただし,Grubbs触 媒が非常 に高価 で ある こと,環 化 の容積効率が Tiデ ィークマン縮合反応 に比べ ,約 30-100倍 の高希釈 を必要 とすることか ら 6口 Tト アル ドー ル縮含 を 用 いる三 置換 フラノンの一 段 階合成 と 天然 ミン トラク トンの合成 へ の 応用 , 大量合成 には不向きな実験室的な方法 である。 2(5rr)内 フラノンは天 然物 の基 本骨格 として ,ま た 合成 中間体 として基 本 的 に重要 な複素環 で あ るが ・交差型 Tト クライゼ 5.Tト アル ドール付カロ ン縮含を用 いる仔ムスコンの短段階合成 Tト アル ドール付加 を利用 して ,(R)― ムスコンの 短 段 階形式合 成 を行 ったい , 三置換体 の一般 的・実用 的合成法 は少 ない。筆者 ら は 向山アル ドール反応 を利用 す る段 階的な合成法 を い す で に報告 したが か,そ の後 ,Tl― 直接 アル ドール縮 合 を利用す る一 段 階法 を見 出 した (Scheme 4)。 そ (Scheme 3)⑥ 入手容易 な の応用 として ,闘 値が非常 に小 さい (香 気 が強 い)天 末端 ジメテルジケトンの アル ドール反応 は,従 来法 で は縮 合 まで進行 し,E,Z混 合 物 の α,β ― 不飽和 エ ノ 然 ミント香料 である 律 )― ミントラクトン・律 )_メ ントフ ランの短段 階合成 に適用 できた巧D。 ンを与 える。温和 で 強力 な Tl― アル ドール付 加 を利 これ まで ,ま た ,そ の後 の幾 つ かの既 存合 成法 は 用 し,初 めて付加体 を単離可 能 で ,引 き続 く立 体 選 多段 階 を要 す る。本方法 はす べ て市販 の原料 ・反応 択 的脱水 で,(E)― Achの α,β ― 不飽和 エ ノン (E/Z= 剤 を用 い る最 もシンプル な合 成 で あ る。しか も(R)― cat 9:1)を 得 ることが で きた。高砂 グル ー プに よる 体 の み ならず ,(S)一 体 も鏡像体 原料 が 容易 に合 成可 Ru BINAP不 斉 遇 元 りを想 定 す れ ば ,約 80%eeの は )_ム スコンの形式合成 に該 当す る。 また別 の 方 法 として ,入 手容易 な エ ステル と安価 な酸 クロ リドを用 い る交差型 Tlク ライゼ ン縮合 ・メ 能 で きる。興 味深 いの は ,こ の 報告後 に他 の3グ ル ープの合 成法 の報告 が あるが 15d D,私 たちの仕事 を 正 当に引用 して い な い。論文掲載 のため ,事 実 上 無 視 して い ることで あ ろうか⑥ タセ シス 環化 を利用 し,短 段 階 の (R)― ムスコンの合 今後 ,ア メニ ティー ライフの向上化 に際 し,ミ ントラ 成 を達成 した D。 さらに最 近 ,入 手容易 なラセ ミ体 クトンや ヮインラクトンに代 表 され るこの種 の香 料 の の ムスコンか ら特異 な高位 置選 択 的 Favorski型 転 利用 が増 す もの と予想 され る。なお ,こ れ らの 絶対 位反応 を利用す る (R)― ムスコンの短段 階形式合成 も 配置 と香気 の立 体構造活性相 間 に関 しては,後 に報 見 出した 141。 告 した い⑥ なお ,類 型 の 反応 を利 用 し,γ アル キ リデ ン_2 つん 2θ チタン反応を利用するムスク1ミ ン ト1ジ ヤスミン系高級香料の実用的化学合成 Table l. Results of odor evaluations of the synthetic compounds. Compound Compound Odor dcscriptlo■ Odor dcscription Floral,Green Fruity Floral,Grccn Tubcrosc,FruⅢ Tabac,Lactonic Floral,Grccn Floral,Grcen Fruly,Fa町 Fruiけ ,Jasmine Lactonic Lacto■ ic Jasmine,Spicy, lactone anatogue Scheme 6. Known Basic T′ 〃ettyrcarbape,o何 卜 河ethod 〃eroperPcm \ R=ぃ TiC 4 Bu3N フラノン構 造 を有 す種 子 発 芽促 進 天然 物 質 Karrikin-1い の 効 率 的全 合 成 に も適用 で きた め。 こ (5Fr)― れ らの化合 物 の (E)一 ,(Z)― 立 体 選択 的合 成 が 今後 の課題 であろう。 く [〈:需 Me2 :】 メチ 脱水型 Tト クライゼン縮含 lβ 由 ・ ペ ルカルパ ネムの短段階 実用合成 8口 香 料 分 野 とは 逸脱 す るが ,小 職 が住友化 学勤 務 時代 の最 大 の プ ロジェクトは ,メ ロペ ネ ムの企 業化 フロTiHア ル ドー ル型付加 を用 い る 天然 香料 o′ s‐ ジ ャスモ ンの ラ ク トンアナ ログ の創製 と合成 ジャスモンの ラクト 代表 的 ジャスミン天然香料 cお ― メチ で あ った。 最 も進化 した抗 生 物質 で あ る lβ ― ルカル バ ペ ネ ムの 実用合 成 法 の碓 立 ならびに合 理 化 は重 要 な課 題 で あ る。 2つ の 炭 素 骨格 形 成段 階 が あ るが ,特 に後段 の 5員 環 形 成 反 応 が鍵 で あ る (Scheme 6)。 ンアナ ログは ,合 成香 料 としての 期待 が あ るが ,こ ここで ,Tlク ライゼ ン縮合 は,従 来 の塩 基法 と異 れまで適 当な合成法が なかった。す なわち,環 状 ケ な り脱水 型 で 進行 す ることが分 か り,結 果 として従 トンの ラクトンヘ の等価 変換 は ,新 規香 料 を探索 す 来法 より短段 階 で ある。高活性 ,高 性 能 の メロペ ネ る一手 法 で あ り,事 実 ,デ ヒドロジャスモ ン (crs― ジ ム 中 間体 にも適用 で きた 20。 ところで ,TBS保 護基 ャスモ ンの二 重結合飽和 体 )の アナ ログは ジ・ボ ー ダン社 が合成 して い る。。 の 脱保 護 も重 要 な課題 で あ るが ,隣 接 基 関与 を利 実際 ,こ のテ ーマ は松井 正 直先 生の宿題 であった。 用す る TiC14-MeN02反 応剤 を用 い る脱 保 護法 も提 如 案 して い る )。 筆者 らは温 和 で 強力 な エ ステルの Ti― アル ドール型 注 目す べ き方法 として ,メ ルク・プ ロセス グループ 付加 を利用 して合 成 を可能 にした (Scheme 5)。 調 は 院 内感 染 予 防 lβ メチル カル バ ペ ネ ム抗 生 物 質 香評価 の 結 果 ,個 性 的 な メンズ フレグ ランス を有 す (2妃 か 香料 で あることが分か った (Table l)③ MRSA)の 5kgス ケ ールの プ ロセス合 成 を報 2)。 告 して い る Tl― 反応 が工 業 的 にも実施 可能 で あ る言 正左 といえる。 33 10.回 顧 私たちは,グ リーンケミストリーの考えに共鳴し チタン=ク ライゼン縮合・アル ドール付加 という独 自 , 反応 の 開発 と有用 ファインケミカルズ合 成 へ の応 用 (プ ロダクトアウト指 向)殉 さらには各種 エ ステル化 ・ アミド化 ・スル ホ エル化 ・シリル化 などの汎用反応 の 実用 的合 理化 (マ ー ケットイン指 向)を プ ロセス化学 的観点か ら行 ってきた。 この研 究 の 契機 は 向 山昭光先生 ,松 井 正 直先 生 , 森 謙 治先 生 に師 事 した稀 有 な人 間 で あ るため ,不 肖 なが らそ の 薫 陶 の た め と言 えるか もしれ な い 。 住 友化 学 にお け る創 薬 ・プ ロセス研 究 の 経験 も影 響 を受 け て い る。一 貫 して ,有 用 また は興 味深 い 構 造 を有 す化 合物 の 短段 階・最 高通算 収率 の合 成 法 を目指 して きた。十 分 に達 成 で きた とは い い 難 い が。 ところで,2013年 の 向山アル ドール反応記念 40周 年 シンポ ジウムが盛 大 に執 り行 われた力 (Photograph 2)。 (Photograph 2) 向 山アル ドール 反応記念 40周 年 シンポ ジウム ロポスター (2013) 的であった。言 わず もが な,四 塩化 チタン (TiC14)を 本格 的 に有機合 成 に利用 したのは,向 山アル ドール 反応 9口 Tl― 29で ぁる。TiC14は 湿気 と反応 して 白煙 を生 じ , 一 見使 いづ らそ うで あ るが ,実 はチタン産業 の基 幹 適用例 物質 で あ る。発 火性 もなく後処 理後 のチ タン塩 ,酸 クライゼン縮合 は,有 機合成上 の基盤物質 とい えるさまざまな β― ケトエステルやα_ホ ルミルエステ ルの合成が可能である。幾 つ かの適用例が あるが 野依先生 をはじめとする基 調講演 は非常 に印象 , 化 チタンの毒性 は非常 に低 く,設 備 さえあれ ば工 業 的にも本U用 し易 い。 シンポ ジウムで取 り上 げ られた話題 として ,有 機 Coreyら は,Omuralide(COrey教 授が大村智先生の 合 成上 ,補 完 的 な塩基法 で あ るリチ ウムジイソプ ロ ために命名 したとされる天然抗生物質)類 縁体 の合 成劾,Misttiら はα ホルミルエステルの不斉有機触 ピル アセトアミド(LDA)ア ル ドール反応 と全 く同時期 に 開発 された ことで あろう。マイルス トーンとなる研 媒による1,4-付 加反応 に応用 してい る。 ケトエステルやα_ホ ルミルエステルを出発物質 β― 坂先生が披露 した ,往 時 の苦労話 も鮮烈 な印象 を与 として ,エ ノール トシラー トやホスホナ ー トを (E)、 えた。 「当 時 NMRが 広 く普及 してお らず ,反 応 の 結 (Z)― 立体補完的にパ ラレル合成 し,鈴 木・宮浦 ,根 果 は生成 物 をレトロアル ドール 反応 に付 し,TLCで 岸 クロス カップ リング反応 を利用 す れ ば ,多 様 な (E)― ,(Z)― α,β ― 不飽和 エ ステルが合成できる点 で チ ェックす る」とい った手法 を採 ったとのことで ある。 2か も応用範囲は広 い とい える 2'。 究 の 逸話 として興 味深 い。また ,開 発者 で あ る奈 良 40年 前 で,ま さに隔世 の感がある。 最 後 に ,私 自身 ,新 規合 成香 料 の 実用 開発 の 難 しさを痛 感 した次 第 である。しか し,歴 史 を振 り返 れ ば ,技 術 の 向 上 が 科 学 の 成 果 を モ ノにす る例 は 34 チタン反応を利用するムスク,ミ ン ト,ジ ャスミン系高級香料の実用的化学合成 枚挙 に い とまが な い 。本 内容 が将 来 へ の一 助 とな 2002,9,25。 b)Tanabe,Yキ Makita,A=Funakoshi, ることを祈念 して い る。 Si Hamasaki,R=Kawakusu,TAど ァ SynL77 C2古 21 2002,344,507. 謝 辞 9) Okino,H,Taoka,Aキ Uemura,NI Prο cecaれ が が 山 eヱ θtt rr2控 rコ 2す 。naF Cttgrttsが EssenttaF Ofls, 本研 究 は 関西 学 院大 学 理 工 学 部化 学 専 攻 で 行 わ れ た もの で あ り,担 当 した学 生 諸 君 の 献 身 的 な努 力 Fragrances 2担 どF12vors 1988,753 The diester に まず深 く感 謝 の 意 を 表 した い ③次 に ,ジ ャパ ンエ was supplied on a pllot― plant scale ナ ジ ー (当 時 )の 牧 田博 士 ,高 砂 香 料 工 業 の 萩 原博 10) Hamasaki,Rキ Ftlnakoshi,S:い /1isaki,TI Tanabe, 士 ,野 崎博 士 ,山 本博 士 ,松 田博 士 な どの 有益 な議 Y Tetrahedron 2000,56,7423. 論 ・助言 によるところが大 きい 。 この場 を借 りて 改 め Tanabe,Y;い 71atsumoto N,;Higashi,TIい /1isakl,Tt て 感 謝 申 し上 げ た い 。また ,住 友化 学 (当 時)の 松 尾 ltoh T,Yamamoto,い 江 MIitarai,Kキ Nishii,Y. 博士 ,砂 川博 士 ,佐 々木 博 士 の 有益 な議論 に基 づ き Tetraね edron 2002,58,8269` 原論 文 の 共著 者 として 感謝 申 し上 げ たい。 Yamamoto,T,Ogura,単 ■ Kanisawa,T, , Teとraぬ edrθ 担 2002,58,9209 最 後 に ,本 研 究 に 関 し,各 種 科 研 費 ,各 種 公 的財 団 ,コ スメトロ ジ ー 財 団 ,住 友 化 学・高砂 香 料 工 業 を 卜 江isaki,Tキ Nagase,R,ヽ 江atsumoto,Kキ 始 め とす る企 業 の ご協力 に感 謝 申 し上 げ ます⑤ ユ _4m Cね em SOc.2005,ヱ 2Z2854 14) Tanabe,Y Ashida,YI Tanaka,Aキ Hosomi,K;Nakamura,AI 参考文献 い 71isaki, 1) 「グリーンケミストリーJ Anastas,P.著 ,日 本化学会 Ch例 お じ rySeFeす 訳編,丸 善 ,1999。 詳 細 は 省 か せ て 頂 い た が ,こ の 論 文 に て 過 去 の 2) Noyori,R.Aど 砿 SynFF2,C加 212003,34う 15(Novel T, Nakatsuji, H; Tanabe, Y. (open内 access)in press 今回 像 )_ム ス コン の 合 成 法 を引 用 させ て い た だ い た。 Lecture,2001). 特 に口 中和 彦 先 生 ,北 原 武 先 生 ,萩 原 九 大 先 生 ,松 3)a)Suzukl,A.Angett Cね er 12`め とEa 20111 5a 田博 士 (高 砂香 料 工 業 )の 優 れ た研 究 は重 要 で あ る。 6723(Novel Lectures,2010).b)Negishi,E Angett CF2er22 rr2と E注 ここで も日本 人研 究者 の 貢献 が垣 間見 える。 2011,5Q6738(Novel a)Tanabe,Y,N,Ohno,N.工 θ =ュ Chem 1988,5a 1560 b)Tanabe,Yキ Mitarai,KI Higashi,TI Lectures,2010) 4)a)Sack,H attemtter z 1915,32538 A4isaki,T,Nishil,Y.Chem,Cて r12口 盟 2002,2542. "コ b)Ruzicka,L rre7立 chem Ac物 1926,2230 c)Review oflnidactone and isomintlactOncメ For reviews c)Williams,A S Syコ 泣esお 1999, Ferraz,H`M.CI Long」 r.LS,Granini,M.V.A 170 d)Kraft,Pキ Bajgrowicz,」 A,Denis,CI Synttesお 2002,2155 d)Curini,Attti Epiね no,FI Frater,G_4ngei,l CF2em.rr2と Ea 2000,322980. Montanari,F助 切Feど を2004,36&51用 漏 れ。 5)For examplα Tanabe,Y.ACS sympθ 」uF22 e)Bates,RW,Scidhar Sュ θ43 Chem 2008,名 SereS, No1 892,American Chemical Society,2005,267 6)「 ハ ー ト基礎有機化学」三 訂版 ,Hard,Hi 良坂 ,山 本 ,中 村 8104引 用 漏 れ。f)Gao,P,Xu,PrFI Zhai,H`チ a bo cLθ m Crainet L EI Hart D」 "秋 葉 ,奥 訳,2002,倍 風館 ,t 7)「 ジ ヨー ンズ 有 機 化 学 J第 五 版 ,」 oneS,ヽ Fleming,SA,奈 16) Ii 監訳 ,2016 東京化学同人 8)a)田 辺 , a)Flematti,G.RI Ghisalberti,E.L.;Dixon,K WI Trengove,R D Screr2ce 2004す 」θ5,977. bi Flematti,G.R,Ghisalberti,E LI Dixon,K`ヽ VI Trengove,R D i Skelton,WV Bキ 陽 ,文 科省科研費特定領域研究 (A)第 2 「多元素環状化合物」(大 阪大学 回公開 シンポジウム 2009,そ 2592.正 当 な引用 で は な い。 ヽ Vhite,A.H、 「 ュ Cher22 2005,58505 _4と fぷ ) Nヱ gase Ri Katayama,い 71キ MIura,H=い 71atsuo,NI 35 Tanabe,Y.TcFr2neど r。 盟二eを よ2008,424509. Nakazawa,S,ヽ 空atsumoto,K=Nagase,RI Tanabe, 18)a)Tanabe,Yキ Matsumoto,Nギ Funakoshi,S, Y.Cと e2m.COmr22口 盟 2008,771.g)Nagase,Rギ Manta,N.sァ コFeむ 42001,1959.b)Nagase,Rぅ Oguni,Yキ Ureshino,S,WIura,H,MIisaki,T, Mattumoto,N:Hosomi,K=Higashi,T→ Tanabe,Y.Chem,Commun.2013,4,7001. ワr Oる Funakoshi,S,MIisaki,TI Tanabe,Y.0昭 翌 努θm航 CtterH.2007,あ 151, symposium 2013,8,31.(Tokyo,Shinjuku). 19)Mueller,P=MI Wild,H.」 .E複 二 P2と ん 9pl 1992, 28) 479222.Cね em,Abs歓 1992,Hz 150865j. 20)Tanabe,Yキ Attanta,Nキ a)Mukatyama,T→ Banno,Kキ Narasaka,K.α 始盟 二eを と,1973,1011`b)ヽ 江ukaiyama,Tギ Banno,Kキ Nagase,R,Misakl,Tぢ Narasaka,K.テ ム盟`Cher22.Sθ a 1974,θ o 7503 c) Nishit,Yギ SunagaM/a,酌 It Sasakl,A./1ど 立 当 駐rF2. Mukalyama,T,Org2担 た Re2cどθns Wiley:New C2協 12003,345,967. York,1982i Vol.28,p.203. 211 1ida,,Aキ okazakl,H,Misakl,T,Sunagawa,MI Sasaki,A.Tanabe,Y.チ Or3(挽 em.2006,れ , 5380. 22)Humphrey,G.Rキ ヽ江11ler,R.A,Pye,P・ 」 Rossen, .メ KI Reamer,Rt A,Maliakal,A=Ceglia,S.Sギ GrabOwskl,E.」 `J,V01ante,R.Pキ Reider,P・ J,チ Am ttemtSoc.1999,12ヱ ,11261. 23)Crane,St N=Coreyコ E.」 .0零 工cを よ2001,a1395` 24)Tatsumi,T,Misaki,T,Sugimura,T`Chtt Eど 二 ,2015,2ヱ ,18971. 25)For representative examples a)Nakatstti,Hキ Ueno,K,IMisaki,Tキ Tanabe,YO=3工 e枕 2008, Iα 2131.Selected in S予引FACTS,b)Nakatsuil, Hキ Nishikado,Hギ Ueno,K.Tanabe,Y`Org tteす ょ 2009,ヱ ヱ ,4258.c)Ashida,Yt Sato,Y:Suzuki,TI Ueno,K→ Kai,K,Nakatstlil,HI Tanabe,Y.働 em. E似 ニチ 2015,2,5934.d)Nakttsujl,Hキ Ashida, YI Hori,Hギ Sato,Y,Honda,AI Taira,M; Tanabe,YO=3五 どθmtt Chem.2015,Iユ 8205. 26)For representative examplesi a)Tanabe,Y.B口 2 0生 er22.Sθ c,sぃ.1988,621917.b)Yoshida,Y→ Hayashi,R,Sumihara,・ HI Tanabe,Y. Te″2娩 趣on tte枕 1997,3a8727,c)Yoshida,Yぢ MIatsumoto,NI Hamasakl,RI Tanabe,Y. Tettr2heJron ic比 ,1999,4α 4227.d)Tanabe,Y, Hamasakl,R.;Funakoshi,S.働 em.Cθ 加盟口m. 2001,1674・ e)Iida,A→ Nakazalva,Sギ Okabayashi,Tギ HOril,A→ WIisaki,T,Tanabe,Y. θ =3五 36 The WIukttyama Aldol Reaction,One― day eす と2006,a5215,O Funatomi,TI ,
© Copyright 2024 Paperzz