田 辺 製 会社概要2000 Focusing for Quality 薬 20 会社概要 2000 経営理念 田辺製薬は、医薬品およびその周辺事業を通じ、健康で豊かな 暮らしを願う世界の人々に貢献します 目 次 プロフィール 社長インタビュー Focusing for Quality 医療用医薬品事業 主力医薬品および市場動向 研究開発活動 R&Dパイプライン(国内) 事業部紹介 環境保全活動 財務および会社の概況 1 2 6 7 9 10 12 16 17 TANABE SEIYAKU プロフィール 「健康で豊かな暮らしを願う世界の人々に貢献する」。これが田辺製薬の経 営理念です。時代の変化とともに、人々の疾病構造が多様化・複雑化する中、 医薬品の担う役割はますます重要になってきています。当社は1678年の 創業以来、320余年にわたり日本の製薬業界をリードする企業の一つとし てさまざまな医薬品の研究開発・提供を通じて医療の進歩に貢献してきま した。今後さらに独創的医薬品の開発をスピードアップし、世界の医薬品市 場で大いに活躍できる企業として成長していきたいと考えています。 田辺製薬は、これまでの長い歴史の中で、特に循環器官系医薬品の分野 で豊富な実績により高い評価を得てきました。高齢化社会の進展に伴い、 高血圧症、心臓疾患、脳機能疾患など、循環器官系疾患向けの医薬品市場が 注目を集める中、当社は「ヘルベッサー」 「タナトリル」 「メインテート」な ど作用メカニズムの異なる高血圧症治療剤をラインアップし、さらには脳循 環・代謝改善剤の分野でも「サアミオン」を有するなど、市場で独自のポジ ションを築き上げています。また近年では、高コレステロール血症治療剤 「ローコール」を上市し、高い評価を受けています。 医薬品の世界でも、国際的規模での企業間競争がますます激化するな ど、製薬企業を取り巻く経営環境はいま大きく変わりつつあります。加えて、 科学技術の急速な進歩が創薬研究にも大きな変革を迫りつつあります。当 社ではこうした環境変化に対応し、 「研究開発型企業」として一層発展でき るよう、さまざまな経営革新を進めています。研究開発面では自社資源を 最大限に活用しつつ、外部の研究機関や企業との戦略提携を積極的に推進 することによって、新薬開発の効率化とスピードアップを図ることを戦略課 題にしています。田辺製薬はこれからも世界のマーケットを視野に入れな がら、患者さんのQOL(クオリティ・オブ・ライフ)向上に貢献する医薬品、 そして医療ニーズに合致した医薬品の開発に全力で取り組んでいきます。 21 1 2 会社概要 2000 “ 利益創出に向けたより効率的な経営体質への変革を進めるとともに、市場で高い 評価を受けている医薬品の販売強化に努めた結果、 当期の営業利益は過去10年で最 高を記録しました。” 社長インタビュー Focusing for Quality 田辺製薬では、この数年の厳しい経営環境を受けて、21世紀での飛躍に向けた「改革」に積極的に取り組んでいます。「選択」「決断」 「集中」をキーワードに、新しい時代に適合した企業構造や経営体質を早急に確立しようとするものです。これにより市場における 競争力を強化し、 画期的な新薬の開発を迅速に推進することを経営の最重要課題にしています。 当期は、引き続きその取り組みを強 化するとともに、改革の効果が着実に現れた1年でした。 当期の田辺製薬の業績は、 売上高が前期をわずかに下回ったものの、 営業利益は売上品目 構成の改善による売上原価率の低下などにより大幅な伸びを示し、 過去10年で最高益を 記録しました。経常利益および当期純利益も、同様に前期実績を大きく上回りました。 発売2年目の高コレステロール血症治療剤 「ローコール」 が売上を倍増させたのをはじめ、 重点品目として販売注力しているACE阻害剤 「タナトリル」 や脳循環・代謝改善剤 「サアミ オン」 など主力品の売上が順調に推移しました。 利益創造体質への転換を目指し、この数年積極的に取り組んでいる構造改革は着実な成 果を上げています。 早期退職優遇制度による人員削減も計画通りに進み、 期末時点の従業 員数(出向者を含む)は、2年間で約500人減少し、 4,439人になっています。 研究開発部門では、 これまでの組織改革の仕上げとして、 創薬研究所の組織を「基盤技術」 「薬効評価」など7つのユニットに再編成しました。 これにより、 新薬開発の効率化やスピー ドアップに向けた体制が整いました。 TANABE SEIYAKU 田辺製薬の成長戦略 当期の成果 1 2 徹底した集中化と 経営合理化による 利益創造体質への転換 4 付加価値の高い事業及び自社開発品を中心とした主力製品の育成に 注力した結果、 全社的な経営力が充実し、 利益を確実に創造できる経 営体質への転換が進みました。また、従業員数はこの2 年間で約 500人減少。 2000年3月末で4,500人体制とする計画が達成され ました。 2 営業重点品目に定めた「タナトリル」「ローコール」 「ガストローム」 「サアミオン」 のすべてが前期実績を上回る売上を達成。 これら4品目 の合計売上は、 前期比16%増の454億円にのぼり、 当期業績の牽引 力となりました。 中核事業としての 医療用医薬品事業の強化 3 1 研究開発体制の強化と 新薬パイプラインの拡充 成果主義の徹底と 人材育成の強化 3 研究開発部門の中核組織である創薬研究所において、抜本的な組織 改革を実施。研究開発のスピードアップが図れるフラットな組織体 制をとりました。 新薬パイプラインでは、 抗炎症剤が欧州で臨床試験 (フェーズⅠ)に入ったほか、ED治療剤、糖尿病治療剤がまもなく欧 米で臨床試験に入る予定です。 4 従業員一人ひとりが生み出す付加価値が、 企業発展の源泉であると の認識のもと、成果主義に基づく人事・給与制度を充実。 特に研究開 発部門では、大胆なインセンティブ制度の導入により研究者の意識 改革を進めました。さらに幹部職を対象にストックオプション制度 の導入も決定しました。 Q. 2000年3月期の業績を社長自身どのよ うに評価していますか。 決して楽観できる状態にあるとは考えていませんが、 当社としては従業員一人ひとりがベス トを尽くし、 それなりの成果を上げることができた1年であったと思います。 国内医療用医 薬品市場は引き続き政府による薬剤費抑制策の影響で低迷し、 新薬の上市なしには業績を大 きく伸ばせない状況にあります。 加えて国際的な規模での企業間競争が進んでおり、 製薬各 社は巨額の資金を投じた開発競争を余儀なくされています。 こうした状況の中で田辺製薬は、 利益創出に向けたより効率的な経営体質への変革を進め ると共に、 市場で高い評価を受けている医薬品の販売強化に努めました。 連結売上高は残念 ながら前期を3%程度下回り1,851億円にとどまりましたが、 「タナトリル」 「ガストローム」 「サアミオン」 などの重点品目がいずれも好調に推移し、 また発売2年目となった 「ローコー ル」 も軌道に乗り出しました。 利益面でも、 事業の効率化や人員削減効果などにより、 営業利 益は当社としては過去10年で最高の204億円を記録しました。 同様に、 経常利益、 当期純利 益も前期実績を上回る成果を残すことができました。 Q. 医療用医薬品事業における戦略を、 主力医 薬品の販売動向や今後の見通しと合わせ て教えてください。 先ほどお話しした通り、 当社には、 国内医療用医薬品市場の低迷という厳しい事業環境の中で、 毎年着実に売上を伸ばしている製品があります。 こうした成長力のある医薬品をターゲット市 場で重点的に販売し、 業績を伸ばしていくことが医療用医薬品事業における基本戦略です。 高血圧症治療剤 「タナトリル」 は、 新しいタイプの薬剤との競争が激化する中でも、 ACE阻 害剤市場で第2位の地位を確保し、 かつシェアを伸ばしています。 本剤は、 海外でも評価され ており、 販売国も着実に拡大しています。 加えて、 カルシウム拮抗剤「ヘルベッサー」、 選択的 3 4 会社概要 2000 “ 当社には、厳しい事業環境の中で着実に売上を伸ばしている製品があります。これ ら成長力のある医薬品をターゲット市場で重点的に販売していくことが医療用医薬 品事業の基本戦略です。” β1遮断剤「メインテート」など、 高血圧症治療剤で作用メカニズムの異なる1日1回投与型の 3製品をラインアップしている点に当社の大きな市場優位性があります。 「サアミオン」 は、 1998年に厚生省によって行われた同種同効薬剤5成分の有用性に関す る再評価で、 唯一その有用性が認められており、 市場における競争力を大きく高めています。 脳循環・代謝改善剤の市場そのものは厳しい状況にありますが、 脳循環と脳代謝の両方の作 用メカニズムを持つ「サアミオン」 の需要は今後も安定的に伸びるものと期待しています。 Q. これまで業績を牽引してきた「ヘルベッ サー」と、今後の新薬発売の見通しについ て教えて下さい。 当期売上高が237億円で、 当社トップ製品の 「ヘルベッサー」 は、 今年で発売26年目を迎え ています。 日本オリジンの狭心症・高血圧症治療剤としては、 現在に至るまで世界のマーケッ トで最も高い評価を受けている医薬品ですが、 昨今は米国におけるジェネリック品発売の影 響で、 原末輸出が大きく落ち込みました。 しかしこの落ち込みもここ1∼2年がほぼ底になる とみています。 国内では、 薬価引き下げの影響があるものの、 21世紀においても評価の高い 製品であると確信しています。 一方新薬については、 2000年7月に製造承認された 「セレジスト」 と 「タリオン」 の発売を この秋に予定しています。 自社開発品の 「セレジスト」 は、 難病に指定されている脊髄小脳変 性症の治療剤としては初めての経口剤で、 患者さんのQOL向上に貢献する医薬品として期 待されています。 もう一つの新薬である 「タリオン」 は、 宇部興産 (株) から導入したアレルギー 性鼻炎治療剤で、 特に鼻づまりに優れた改善効果を示します。 「タリオン」 については、 じんま しん等の皮膚科領域の効能追加を早急に行い、売上の拡大を図りたいと考えています。 Q. 研究開発活動における基本スタンスと、 最 近の新薬パイプラインの状況についてお 話しください。 創薬のターゲットを絞り込み、 そこに研究開発資源を重点投下する。 加えて、 国内外の研究機 関や企業との提携を積極的に推進し、 新薬開発の効率化とスピードアップを図る。 これが当 社の研究開発における基本的スタンスです。 今日、 科学技術の進歩は著しく、 基礎研究から開 発までを全て自社資源で行うことは、 コスト的にも時間的にも非効率的です。 開発方針や自 社の強みを明確化した上で、 国内外の研究機関や企業と協調して、 新薬開発を加速すること が求められる時代です。 今後は国内外の製薬メーカーとの戦略的提携なども視野に入れなが ら、 当社の研究開発力強化に向けた取り組みをさらに推進していく考えです。 新薬パイプラインについては、 現在承認申請中のものが3品目、 臨床試験中 (フェーズⅡ以 上) のものが5品目あります。 この内、 米セントコア社から導入した 「レミケード (TA-650) 」 は期待の新薬で、 クローン病治療剤として申請中です。 米国では、 セントコア社が既に慢性関 節リウマチの治療剤としての効能追加を取得しており、 日本でも米国での臨床データを利用 TANABE SEIYAKU “ 創薬のターゲットを絞り込み、そこに研究開発資源を重点投下する。加えて、国内外 の研究機関や企業との提携を積極的に推進することで、新薬開発の効率化とスピード アップに取り組んでいます。” したブリッジング試験を実施中です。 特に、 治療満足度が十分とは言えない、 慢性関節リウマ チの画期的な治療剤として、 日本での早期の上市が期待されています。 この他にも、 自社で合 成した開発候補品については、 欧米での臨床試験を先行させることにより、 新薬開発の効率 化とスピードアップを進めていく方針です。 現在、 3品目が欧米でのフェーズⅠ、 あるいは臨 床試験準備段階にあります。 Q. 最後に、 この数年進めてきた構造改革の成 果、 そして今後の業績見通しをお聞かせく ださい。 田辺製薬では、 厳しさを増す経営環境に適合できる企業体質の創造に向け、 この数年徹底し た改革を進めてきました。 収益性向上に向けた資源の重点化を目指した全社的組織改革、 人 事制度改革、 IT改革の推進、 人員削減、 生産拠点の統廃合などです。 これらの効果は、 最終的な 数字には未だ十分結びついていませんが、 従業員一人ひとりの改革に対する意識が大きく高 まったことは、 評価に値すると考えています。 当期業績が改善されたのは、 人員削減効果によ るところも大ですが、 それ以上に従業員の意識改革により業務の効率化が進んだ成果と言え ます。 これからも、 改革の手綱を緩めることなく、 業績および企業価値向上に努めていきたい と考えています。 次期の業績見通しにつきましては、この4月に薬価基準の引き下げが行われましたが、 「ローコール」 「タナトリル」 の伸長、 および抗アレルギー剤 「タリオン」 、 脊髄小脳変性症治療 剤「セレジスト」の新発売などにより、国内の医療用医薬品売上は堅調に推移すると思われ ます。しかし、「ヘルベッサー」の原末輸出は引き続き減少が見込まれることから、全体では 微増収にとどまると予想しています。営業利益は、 一層の売上原価の改善により、同様に微 増益を見込んでいます。 最終損益につきましては、 退職給付債務積み立て不足347億円の一 括償却を次期に計画しており、 若干の当期純損失になる見通しです。 一時的に利益は落ち込 みますが、 経営基盤は一層強固なものとなり、 今後の業績拡大につながるものと確信してい ます。 2000年7月 田中 登志於 代表取締役社長 5 6 会社概要 2000 医療用医薬品事業 Pharmaceuticals Marketing 田辺製薬では、 「経営資源の集中と重点化」 を基本戦略に、 スピーディーかつ組織的なマーケ ティング活動を展開しています。 成長力のある、 そして利益貢献度の高い医薬品を重点推進 品目に定め、 ターゲット市場に狙いを定めた効率的な医薬品事業の推進で、 業界における地 位向上と、着実な業績伸長を目指しています。 当社では昨年4月、 国内医療用医薬品事業を田辺製薬の中核事業として明確に位置付けて以来、 営業力 の強化を目的とした組織改革、 制度改革を強力に推し進めてきました。 営業第一線の課長―チームマ ネージャーによる多層体制を廃止して、 フラット化を進めることで、 チームマネージャーを中心に組 織的営業活動の活性化を図る一方、 本部・支店・営業所を再編するなどして各々の機能を発揮し、 成果 を高める体制を構築しました。 さらに、 MR活動の変革を目的に、 目標管理システムを導入し、 MRの意 識・行動改革を進めてきました。 国内の医療用医薬品市場は、 1995年をピークに市場成長率が鈍化しています。 しかし田辺製薬に は、 こうした厳しい市場環境の中で、 毎年着実に売上を伸ばしている医薬品が数多くあります。 当社 では、 これら成長力のある医薬品を重点推進品目に定め、 ターゲット市場に狙いを定めたマーケティ ング活動で成果を収めています。 2000年3月期は、 重点推進品目である高血圧症治療剤(ACE阻害 剤) 「タナトリル」 、 狭心症・高血圧治療剤 (カルシウム拮抗剤) 「ヘルベッサー」 、 高コレステロール血症 治療剤 「ローコール」 、 胃炎・胃潰瘍治療剤「ガストローム」、 脳循環・代謝改善剤 「サアミオン」 の5製品 に加え、選択的β1遮断剤「メインテート」そして非イオン性尿路・血管造影剤 「プロスコープ」 などの 主力製品が、 前期を上回る売上となりました。 中でも、 発売2年目を迎えた 「ローコール」 は、 市場競争 が極めて厳しい中で売上を大きく伸長させました。 「ローコール」 が動脈硬化の発生・進展に関わると 考えられるLDLの酸化を抑制する構造由来の抗酸化作用を有する点を生かし、 着実に大型商品に育 成していく方針であり、次期も売上増を見込んでいます。 次期の目標は、 自社製品の持つメリットや優位性を明確に市場にアピールすることで、 達成してい けるものと考えています。 さらに、 2000年7月に承認となった 「セレジスト」 と 「タリオン」 が今秋に も発売できる予定であるほか、 現在製造承認申請中の品目の中にも、 クローン病治療剤 「レミケード」 など有望な新薬が含まれています。 田辺製薬は、 集中と重点化を基本戦略に、 高度の情報提供力とスピーディーな「攻めの営業」で業界 における地位向上を図り、 21世紀への飛躍を確かなものにしていきます。 TANABE SEIYAKU 主力医薬品および市場動向 ヘルベッサー カルシウム拮抗剤 (狭心症/高血圧症治療剤) (年商は2000年3月期売上) 「ヘルベッサー」 は、 当社が世界に誇る独創的医薬品で、 狭心症や高血圧症 の治療薬として、 現在世界110カ国以上で販売されています。 1974年 の発売以来、 四半世紀にわたってカルシウム拮抗剤市場でトップブラン ドとしての地位を維持しています。 海外では、 後発品の影響で、 売上は漸 ● ● ● 上市: 1974年 オリジン: 自社 年商: 237億円 (内、輸出62億円) タナトリル ACE阻害剤 (高血圧症治療剤) 減傾向にあるものの、 現在でも世界市場で広く使われています。 ヘルベッサーに続く当社の国際戦略製品と位置付けられる「タナトリ ル」 は、 1993年の発売以来、 順調に売上を拡大しています。 「タナトリル」 はACE阻害剤としては、 国内で8番目に発売しましたが、 から咳の副作用 が少ないACE阻害剤として市場で高い評価を得ています。 海外では、 イ ● ● ● 上市: 1993年 オリジン: 自社 年商: 184億円 (内、輸出5億円) サアミオン 脳循環・代謝改善剤 ギリス、 フランスをはじめ、 欧州各国や中国、 韓国ほか、 アジア諸国でも上 市されています。 当社がファルマシア社から導入し、1988年から国内で販売している 「サアミオン」 は、 現在では世界50カ国以上で、 主に脳梗塞後遺症の治療 薬として販売されている国際的な医薬品です。 多彩な薬理作用が確認さ れている麦角アルカロイドの誘導体として、 特に脳循環と脳代謝の二つ ● ● ● 上市: 1988年 オリジン: ファルマシア社 年商: 120億円 の作用メカニズムで効果を発揮します。 1998年6月に厚生省によって 行われた同種薬剤5成分の有用性に関する再評価において、 唯一 「サアミ オン」 の有用性が確認されました。 これにより、 市場における認知度が大 きく高まりました。 メインテート 選択的β1遮断剤 (高血圧症治療剤) 「メインテート」 は、 当社がメルクKGaA社 (ドイツ) から導入した選択的 β1遮断剤で、 1990年の発売以降、 順調に売上を伸ばし、 β遮断剤市場で 第2位となっています。 本剤は世界60カ国以上で販売されており、 さら には海外での大規模臨床試験によって有用性が裏付けされています。 ● ● ● 上市: 1990年 オリジン: メルクKGaA社 年商: 98億円 1999年には、 慢性心不全の治療薬としての可能性を明らかにした大規 模臨床試験 「CIBIS-Ⅱ」 の成果が発表され、 今最も注目されているβ遮断 剤です。 7 8 会社概要 2000 ガストローム 胃炎・胃潰瘍治療剤 「ガストローム」 は、 1993年に胃潰瘍治療剤として発売となり、 1995 年に胃炎の効能追加と飲みやすい剤型への改良により、 売上を拡大して きました。 「ガストローム」 は、 胃炎・胃潰瘍の発症・再発に関与するといわ れるヘリコバクター・ピロリ菌に対する殺菌作用が試験管レベルで確認 ● ● ● 上市: 1993年 オリジン: 自社 年商: 83億円 されており、 従来品とは一線を画す薬剤として注目されています。 また、 同剤を、 H2ブロッカーと併用することで胃潰瘍の治癒率が大きく改善 されるというデータ (DUET = Dual Use of Ecabet and Cimetidine Trial) も出ており、 需要拡大の可能性が広がっています。 ローコール HMG-CoA還元酵素阻害剤 (高コレステロール血症治療剤) 「ローコール」は、ノバルティス・ファーマ(株)と共同開発したHMGCoA還元酵素阻害剤です。同剤は、 ドラッグデザインにより化学合成に よって創薬された薬剤で、抗酸化作用を発揮すると考えられる構造 (イ ンドール骨格) を有しています。その結果、総コレステロール、LDLの低 ● ● ● 上市: 1998年 オリジン: ノバルティス・ファーマ社 年商: 65億円 下に優れた効果を発揮するだけでなく、 動脈硬化の発症・進展に関与し ているといわれている酸化LDLの生成を抑制することにより、 トータル に冠動脈疾患の発症を抑制する効果が期待できます。 また、 同剤は既に 米国をはじめ世界約90カ国以上で発売され、豊富な臨床経験により効 果と安全性を両立した高コレステロール血症治療剤として広く処方さ れています。 TOPIC 世界市場への展開が進む高血圧症治療剤 「タナトリル」 田辺製薬は、 自社開発品の高血圧症治療剤「タナトリル」 (ACE阻害剤) を国際戦略製品 と位置付けて、 グローバルなマーケティングを展開しています。 同剤は、 他のACE阻害 剤に比べて 「から咳き」 の発現頻度が少ないことから市場で高く評価され、 184億円を 売り上げる大型医薬品に成長しています。 海外については、 1995年にパキスタンで発 売を開始したのを皮切りに、 2000年7月現在17の国および地域で販売されています。 2001年以降は発売地域をさらに拡大させ、 現在5億円程度の同剤の輸出高を、 数年以 内に20億円程度まで拡大させていきたいと考えています。 ● 既発売国 (地域) 日本、 パキスタン、 韓国、 インドネシア、 フィリピン、 ベトナム、 オーストリア、 英国、 シンガポール、 ドイツ、 中国、 香港、 フランス、 タイ、マカオ、 ミャンマー、アルゼンチン ● 発売予定国 (地域) イタリア、 ポルトガル、ルクセンブルグ、フィンランド、 ギリシャ、 ベルギー、 スペイン、 トルコ、イスラエル、 台湾、 マレーシア、 ブルネイ、 スリランカ、バングラデシュ、メキシコ、ブラジル、ベネズエラ、 ペルー、チリ、 コロンビア、 ドミニカ TANABE SEIYAKU 研究開発活動 Research and Development 田辺製薬は、 世界に通用する独創的新薬の早期上市に全力で取り組んでいます。 そのため期 中には、 創薬プロセスの抜本的見直しとともに、 創薬研究所の体制を一新しました。国内外 における研究機関・企業との戦略的提携を視野に入れ、 新薬パイプラインの充実にも注力し ています。 田辺製薬が、 今後も引き続き着実に成長していくためには、 世界市場に通用する革新的な創薬を進め、 新薬パイプラインを拡充していく必要があります。 科学技術が進歩する中で、 創薬技術の革新も目覚 しく、新薬開発は偶然から必然に変わりつつあります。今後は、ゲノム関連の技術をはじめ、ハイス ループットスクリーニングなど最先端の創薬にかかわる基盤技術を積極的に活用するとともに、 医 薬品としての価値を評価できる目を養っていく必要があります。 こうした環境変化を受けて当社では、 昨年10月に組織改革を含め創薬プロセスの大胆な見直しを 図りました。 その結果、 2000年4月までに創薬研究所の組織を 「基盤技術」 「薬効評価」「医薬化学」 「薬 物動態」 「探索毒性」 「DDS」 「先端医学」の7つのユニットに再編し、 より短期間で効率的な医薬品開発 を推進できる体制に一新しました。加えて、疾病への作用メカニズムの検証が可能で、 医療ニーズが 高いと思われる医薬品を中心に開発を進めるなど、 より厳しい選択基準に基づく創薬研究スタンス を確立しました。 新薬パイプラインの充実については、 自社開発品に加え、 内外の研究機関や企業との積極的な戦略 提携も視野に入れて有望新薬の早期上市を目指しています。 これを受け当社の創薬研究所では、 研究 テーマの充実、 シード・技術の受け入れ態勢の強化、 研究開発対象疾患の明確化、 研究開発情報の収集 力強化などを進めています。また、臨床の分野では、 自社化合物の海外での臨床試験を先行させると 同時に、導入品についても海外データの積極的な活用で、 早期承認取得に努めていく方針です。 現在、 当社のR&Dパイプラインは、 次ページのリストの通りですが、 この他にも近々に臨床試験を 開始できるリード化合物が数品目候補に上がっています。新規の作用メカニズムを有する抗炎症治 療剤、 副作用の少ないED治療剤(PDE-Ⅴ阻害剤)、 糖尿病治療剤などです。 これらの開発候補品につい ては、 欧米での臨床試験を先行させることにより、 新薬開発の効率化とスピードアップを進めていく 方針です。 9 10 会社概要 2000 主力医薬品および市場動向 R&Dパイプライン(国内) (2000年7月末現在) 発売準備中 セレジスト (TA-0910) 経口投与可能なTRH誘導体。視床下部ホルモンの一つであるTRHに比較し、 中枢神経系への作用が強く、 副作 用の原因となるホルモン作用は極めて弱い。 脊髄小脳変性症の治療剤として厚生省よりオーファン・ドラッグ に指定されており、2000年7月に承認された。 タリオン (TAU-284) 抗ヒスタミン作用、 好酸球浸潤抑制作用を有する抗アレルギー剤。 宇部興産 (株) との共同開発品。 眠気が少なく、 アレルギー性鼻炎治療剤として、2000年7月に承認された。 申請中 ペネマック (FC/TA-891) (米) ファルマシア社から導入した経口のペネム系抗生物質。 グラム陽性菌、 グラム陰性菌に対する広範囲の抗 菌作用を有する。1995年12月に申請した。 マグネスコープ (EK-5504) (独) シエーリングAG社から導入し、 栄研化学と共同開発を行ったMRI造影剤。 分子構造が安定していることに より、毒性が低いことが特色。シリンジ製剤であるため、 利便性も高い。栄研化学より申請中。 レミケード (TA-650) クローン病 (米) セントコア社から導入したキメラ型抗ヒトTNFαモノクローナル抗体。 米国 (セントコア社) では、 1998 年9月にクローン病の治療薬として発売済。 効果発現が早く、 1回の投与で効果が数週間持続する。 厚生省より クローン病の治療剤としてオーファン・ドラッグに指定されており、 1999年9月に申請した。 フェーズⅢ TA-2620 (英) アマリン社 (旧エチカル社)のマルチポア技術として知られる徐放性製剤技術を導入した1日1回投与の硫 酸モルヒネ錠。 1日1回投与により、 癌性疼痛の持続的なコントロールが可能。 フェーズⅡ/Ⅲ(ブリッジング試験) レミケード (TA-650) 慢性関節リウマチ 慢性関節リウマチを対象に臨床試験中。 米国 (セントコア社) では、 1999年11月にFDA,2000年6月にEMEA (欧州医薬品庁) より慢性関節リウマチの効能追加の承認を取得。 クローン病同様、 効果の発現が早く、 1回の投 与で効果が数週間持続する。 フェーズⅡ TA-993 末梢血流改善作用とともに抗血小板作用を示すベンゾチアゼピン誘導体。 末梢動脈閉塞症に対してフェーズⅡ を実施中。 TA-803 (伊) シグマ・タウ社より導入したアセチル-L-カルニチンは中枢神経系用剤。 急性期脳梗塞を対象にフェーズⅡ を実施中。 TA-2516 (英) ブリティシュ・バイオテック社から導入した細胞外マトリックス分解酵素 (MMP) 阻害剤。 MMP阻害によ り、 癌の増殖、 転移の抑制効果が期待される。従来の抗癌剤と異なり細胞毒性を示さないため、 全身性の副作用 が軽減。 肺癌、 胃癌を対象に臨床試験中。 効能追加 タナトリル タリオン (TAU-284) 日本シエーリング (株) と共同でインスリン依存性糖尿病性腎症を対象にフェーズⅢ実施。 プラセボに比べ有意 な有効性を確認。 じんましんを対象にフェーズⅢ実施中。 剤形追加 MH-200 高濃度の塩酸モルヒネ注射液。 武田薬品工業、 三共、 塩野義製薬、 大日本製薬との共同開発品。 2000年1月に申請。 TANABE SEIYAKU TOPIC 創薬研究所の体制一新で新薬開発の効率化とスピードアップを追及 2000年4月、 田辺製薬では新薬開発をさらに加速するため、 創薬研究所を7つのユニットからなるフラットな組織に再編しました。 テーマ別 「プロジェクト」 には、 各ユニットから担当スタッフが参加する、 マトリックス型の組織運営が図られています。 ここでは、 各 ユニットの役割をご紹介します。 1 基盤技術 ユニット 2 7 薬効評価 ユニット 先端医学 ユニット 1 6 3 DDS ユニット 医薬化学 ユニット 5 4 探索毒性 ユニット 薬物動態 ユニット 基盤技術ユニット 薬効評価ユニットの技術的支援を目的に、 遺伝子解析技術の強化によ るゲノム情報に基づく創薬のサポート、 ケミカルライブラリーなどの 充実による分子設計技術の確立、 情報技術の強化による創薬シード探 索の確率向上とリード発見の期間短縮に取り組んでいます。 2 薬効評価ユニット 広範な生物学的知識と手法を用いて、新規化合物の薬効を評価し、 開発候補品を創製する役割を担います。 また開発段階や市販後にお いても、 ヒトでの薬効や安全性を裏付けるための実験を行い、開発 支援と製品育成に貢献しています。 3 医薬化学ユニット 新薬のリード化合物の創製、 および最適化にかかわる合成研究を担 当します。 創薬化学手法においては、 ラショナルドラッグデザイン、 コンビケム、 自動合成機など、 最新の手法や技術の導入で、 研究活動 の効率化を図っています。 4 薬物動態ユニット 創薬の初期段階で重要な探索ADME試験、 製造承認申請に必要な非 臨床薬物動態試験、臨床試験時の薬物動態解析、安全性試験に重要 なトキシコキネティクス解析、製剤設計に不可欠な動態解析・探索 ADME試験を担当しています。 5 探索毒性ユニット 新薬のリード化合物について毒性面での特徴を明らかにし、 最適化 合物の効率的な選択と優先順位付けを主業務とします。また、血液 や尿を材料とする臨床検査など、 薬効評価に関連した病理的研究も 担当しています。 6 DDSユニット 薬物療法の最適化を図るために、 特別に製剤的工夫を施したDDS製 品の創製に係わる製剤学的及び生物学的研究を担当します。 DDS研 究の推進により、新薬開発の成功確率向上に努めています。また、 DDSの技術そのものを社外へライセンスアウトする方策も実施し ています。 7 先端医学ユニット 遺伝子情報に基づく新薬のリード化合物創製にかかわる生物学的 研究を担当しています。 また、 再生医療にかかわる生物学的研究も 進めています。 11 12 会社概要 2000 事業部紹介 ヘルスケア事業部 主要製品 ● 生薬製剤 ● アスパラ ドリンク剤 「ナンパオ」(医薬品) 「アスパラMAX」 (医薬品) 「アスパラドリンク」 (医薬部外品) 「アスパラドリンクX」 (医薬部外品) ミニドリンク剤 「アスパラエース」 (医薬品) ビタミン剤 「アスパラメガ」 (医薬品) 目薬 「アスパラ目薬クールIC」 (医薬品) 「アスパラ目薬L」 (医薬品) 「アスパラ目薬ソフト」 (医薬品) ● 胃腸薬・整腸剤 「タナベ胃腸薬〈調律〉 (医薬品) 」 「エビオス錠」 (医薬品) 「新ラクトーンA」 (医薬品) 「ラクトコート」 (医薬品) ● 皮膚疾患治療薬 「フルコートF」 (医薬品) 「ワーボンプラス軟膏」 (医薬品) ● かぜ薬関連 「ノバポン新感冒薬DX」 (医薬品) 「新ノバポン鼻炎カプセル」 (医薬品) ● スキンケア製品 「ユーナストレステラ」 (医薬部外品) ● キキメとカラダのグッドバランス 生薬31種配合「ナンパオ」 健康のためには日頃から体調 に気を配り、早めに手当するこ とが大切です。 多くの生薬には ジェントルファーマ 田辺製薬では2000年4月から、 一般用医薬品・医薬部外品を取り扱うヘルスケア事業部の事業ブ ランドに “Gentlepharma” (ジェントルファーマ) を導入しました。 “Gentle” は、 「礼儀正しい」 「紳 士的な」 という意味のほかに 「人への思いやり」 「道理をわきまえた」 などのニュアンスを持ちます。 “Gentlepharma” は、 「いつもGentleな視点を持った、 Pharmaceutical (薬) 」 という意味を表し ています。 “Gentlepharma” の基本となる考え方は、 「キキメがGentle」 、「使いやすさがGentle」 「コミュニケーションがGentle」 の3つのGentleです。 当社では今後、 研究開発から生産、 販売に至 るまで、 この3つの基本方針を指向したヘルスケア事業を展開していく方針です。 自然治癒力を高めるはたらき があり、 その生薬をうまく組み 合わせることによって、 より効 果が発揮されます。ナンパオは 31種類のからだに優しい生薬 を、 タナベ独自の技術で製品化 した、のみやすいカプセル剤で す。歳を重ねるにつれ腰痛・肩 こりを伴い、疲れ・だるさの抜 けない人にきめ細かな効果を もたらします。 TANABE SEIYAKU 社会の高齢化が進み、 健康保険財政の悪化に伴う医療費抑制策が強化されるにつれ、 「自分の健 康は自分で守る」 という考え方が社会に広がり、 日常的保健薬や軽治療を担う一般用医薬品の 果たす役割が高まってきています。 ヘルスケア事業部は、 高齢化社会に対応して 「“信頼薬”で一人ひとりの毎日の健康生活を守 る」 を合言葉に、 生活者の健康ニーズがどのように変化し、 製薬企業としてどうこたえるべきか を考えながら、 一般用医薬品の提供を通じて社会に貢献することを目指しています。 ヘルスケ ア事業部は、 「生活者の立場で健康を考える」 という事業方針のもと、 「人への思いやり」 を発想 の原点とする事業ブランド 「Gentlepharma」 (ジェントルファーマ) を導入し、 事業の発展に努 めています。 現在、田辺製薬では、 身体にやさしい生薬31種類配合の 「ナンパオ」をはじめ、滋養強壮保健 薬「アスパラ」 、胃腸運動調律剤「タナベ胃腸薬〈調律〉」、ビール酵母栄養剤 「エビオス」 を中心と して、 人々の 「セルフメディケーション」 志向に対応した製品を、 全国の薬局・薬店を通じて幅広 く提供しています。 また、 1999年3月に施行された医薬品販売規制緩和を受け、 滋養強壮ビタ ミン含有保健剤 「アスパラドリンク」 を医薬部外品として、 全国の薬局・薬店のほか、 コンビニエ ンスストアやスーパーマーケットにも提供できるようになり、 より多くの皆さまに当社製品を ご愛用いただけるようになりました。 ● アスパラ ● タナベ胃腸薬〈調律〉 アスパラドリンク アスパラメガ アスパラ目薬 アスパラドリンク(医薬部外 アスパラメガは、ビタミンB群 症状・使用感にあわせて3タイ 胃もたれ・むかつきの症状に 品)は、規制緩和を受けて従来 とEを基準量最大配合したビタ プ用意されています。目の疲 は、 胃腸をイキイキ動かす胃腸 の薬局・薬店に加え、コンビニ、 ミンB 1主薬製剤です。さらに、 れ・充血・かゆみには、7種の有 運動調律剤 (マレイン酸トリメ ブチン) を配合したタナベ胃腸 駅売店などで販売されるビタ ビタミンの働きを助け、代謝を 効成分を配合し、 冷たい刺激が ミン含有保健剤です。 アスパラ 活発にするアスパラギン酸カ 持続する 「アスパラ目薬クール 薬 〈調律〉が効果的です。 弱った ギン酸カリウム・マグネシウム リウム・マグネシウムも加え、 1 IC」 が効果を発揮します。 また、 胃に対して、胃の筋肉に直接働 に加え、 鉄分、 タウリン、ビタミ 日1回の服用で、 眼精疲労、 肩こ 爽やかなさし心地で目の疲れ・ きかける外からの効果 (胃腸運 ンなどをバランス良く配合し、 り、 手足のしびれなどを改善し かすみ・かゆみなどの不快な諸 動の調律)と、胃の内部環境を 肉体疲労時の栄養補給に役立 症状を改善する 「アスパラ目薬 整える内からの効果(制酸、消 ちます。 ユーザー味覚テストを L」 、 ドライアイ (目の乾き) を改 化、 粘膜修復) を併せもった「外 重ねユーザー嗜好にマッチし 善する涙液タイプの「アスパラ と内から効く」胃腸薬です。こ たアスパラドリンクは、男性に 目薬ソフト」があります。 のマレイン酸トリメブチンは ます。 はもちろん女性にも飲みやす 田辺製薬が開発した有効成分 い味です。 姉妹品には自動販売 です。 機で買えるアスパラドリンクX もあります。 13 14 会社概要 2000 フードケミカル事業部 主要製品 ● 食品添加物 調味料 (アミノ酸系配合調味料、 酵母エキス系調味料、エキス系 調味料など) 日持向上剤(ビタミンB1製剤、 リゾチーム製剤など) 着色料 (天然系着色料) 品質改良剤 (リン酸塩製剤、 アミノ 酸製剤など) 酵素製剤 ● サニテーション資材 洗浄剤、除菌剤、 防疫用薬剤など ● 健康食品素材 ビタミン、アミノ酸、酵母エキ ス、食物繊維、カルシウムなど ● 完成品 医薬部外品、 健康食品 ファインケミカル事業部 主要製品 ● ケミカル製品中間体 医薬品用 農薬用 電子材料など工業用 染料/香料用 化粧品/顔料用ほか ● バルク原料 医薬品 農薬 アミノ酸類 ビタミン類 食品添加物 アニマルヘルス事業部 主要製品 ● ● ● ● ● ● 合成抗菌剤 合成ペニシリン製剤 ニューキノロン飲水添加剤 トキソプラズマ病予防・治療剤 豚用鎮静剤 合成抗菌・抗原虫剤 「パラザン」 「タナロキシン注」 「ベテキノン可溶散25%」 「動物用フリートミン」 「マフロパン1%注射液」 「トリメノール」 提携品 ● ● ● ● ● ● 水産用注射ワクチン 持続性ペニシリン複合製剤 イリド不活化ワクチン「ビケン」 「ドウペン」 (シェリングプラウ アニマルヘルス社) セフェム系抗生物質製剤 泌乳期用「スペクトラゾール」 (同上) セファロスポリン系抗生物質製剤 乾乳期用「セプラビン」 (同上) 胆汁酸製剤 「ウルソ」 (三菱東京製薬) 乾燥酵母製剤 「動物用エビオス錠」 (アサヒビール薬品) TANABE SEIYAKU 食文化が時代とともに多様化し、 「食」 がわたしたちの暮らしを豊かにする重要なキーワードに なる中、 信頼のおける製品の提供を通して食文化の発展に貢献しているのがフードケミカル事 業部です。 各種の食品素材や食品添加物など食品加工原料を食品・飲料業界に送り出したり、 現 代の健康志向にマッチした健康食品素材を提供しています。 食品工場向けには、 洗浄・除菌剤や 防疫用薬剤などの各種サニテーション資材も取り揃えています。 豊かで魅力的な食生活をサポートするために、 バラエティーに富んだ製品ラインアップに努 めるとともに、 田辺製薬の医薬品製造で培った高度な技術力、 長年にわたり蓄積された研究開 発ノウハウを生かした信頼性の高い製品づくりを進めています。 営業面でも、 素材の厳選から 食品設計、 さらには食品製造における衛生管理まで、 お客様の立場に立った 「提案型営業」 で、 幅 広いご要望におこたえできる体制を築いています。 ファインケミカル事業部では、 医薬品、農薬、染料など各種ケミカル製品中間体をはじめ、 医薬 品原末、 アミノ酸類、 ビタミン類、 食品添加物などバルク原料を広く内外の関連業界に提供して います。医薬品会社が展開するファインケミカル事業としての特徴を生かし、 競合優位に立て る高付加価値品の開発・販売に努め、常に新たな市場開拓を図っています。 今日、 ファインケミカル事業は、 国際的な企業競争の中でグローバルな展開を見せています。 中国企業やインド企業による市場攻勢、 また、 欧米のファインケミカル業界では吸収・合併が進 むなど業界再編の嵐が吹き荒れています。 こうした状況の中、 ファインケミカル事業部では、 国 内・海外の壁をなくした営業活動の展開でシナジー効果を発揮するとともに、 開発営業に焦点 を合わせた自己完結型の事業体制をとっています。 加えて、 医薬品・農薬および工業用中間体事 業の拡充、そして健康食品分野への積極参入により、 マーケットにおける地位向上を目指して います。 畜産、 水産およびペット業界向けに、 動物薬や飼料添加物などを提供するのがアニマルヘルス事 業部です。 畜産業界、 養殖業界ではそこで飼われる動物や魚は大切な商品であり、 その健康管理 には最大の注意が払われています。 特に近年は大規模飼養者の飼養規模が拡大傾向にあり、 万一 に備えた治療薬や疾病予防ワクチンの重要性が高まってきています。 例えば水産養殖業界では、 薬剤の残留問題などを考慮し、 最近では抗菌剤に代わりワクチン による魚の疾病予防が主流になりつつあります。 こうした状況を受け当社では、 昨年日本初の 水産用注射ワクチン−イリド不活化ワクチン 「ビケン」 を上市しました。 イリドウイルスによる マダイやブリの被害は養殖業者には深刻で、 早急な対策が切望されていました。 現在、 本ワクチ ンに、 他の感染症ワクチンを加えた2種混合ワクチンの開発も進めるなど、 この分野で市場攻勢 を図っています。 今後、 本ワクチンを軸に、 機能性飼料、 豚肺炎対策薬剤および肝機能改善剤の3グループを集 中育成品目に定め、アニマルヘルス業界における存在価値の確立を目指していきます。 15 16 会社概要 2000 環境保全活動 田辺製薬では、 「恵まれた地球環境を次世代に継承するため、企業活動のあらゆる面で地球環境の保全・向上に積極的に取り組む」 を基本理念に、多面的な環境保全活動を展開しています。 「環境に関する行動指針」をベースとした「環境自主行動計画」では、省エ ネルギーや廃棄物削減などに関し数値目標を掲げて積極的な活動を推進し、着実な成果を収めています。 環境自主行動計画 「環境自主行動計画」 では、 以下の7つの環境保全活動において具体的 な数値目標を定め、 中長期的なスタンスで目標達成に努めています。 1.省エネルギー・地球温暖化防止 2.廃棄物の削減 3.大気汚染物質の排出抑制 4.環境を配慮した製品開発 5.環境情報の発信 6.グリーン購入の定着化 7.環境保全活動の推進 この中では、 全社のエネルギー消費量を、 2005年度までに1990年 度の92%以下に削減することや、 廃棄物の最終埋立処分量を2005 年までに1990年度の15%以下に削減すること、 さらには工場以外 の部門でもISO14000シリーズに準じた環境マネジメントシステ ムを導入することなどが謳われています。 1998年の策定以来、年々 着実な成果をあげています。 TOPICS ● 業界初−添付文書に再生紙利用 当社では環境保全活動の一環として、製品の紙製包装材の再生紙化に取り組んできましたが、添付文書についても再生紙への切り替えを 進めています。 従来の再生紙は、紙に異物が混入し表示内容を誤読する恐れがあったことから、 業界他社では導入が遅れていましたが、当 社ではいち早く添付文書に利用できる再生紙の採用を実現しました。 ● 危機管理訓練の徹底 工場廃水を処理する 「廃水処理システム」 が構築されている小野田工場 (山口県) では、 万一基準値を超える排水の流出が予測される場合に は、 24時間監視システムにより、 直ちに排水をカットする仕組みになっています。 さらに、 同工場では、 万一の緊急事態に誰でも即応でき るよう、 スイングゲートの開閉訓練を毎月実施し、対応能力を高めています。 ● リサイクル活動の推進で「厚生大臣賞」を受賞 当社は、1999年10月21日、1999年度リサイクル推進功労者表彰において、全社的なリサイクルの推進、小野田・大阪両工場での ISO14001の認証取得、グリーン購入等、全社での環境保全活動が評価され「厚生大臣賞」を受賞しました。 ● 廃棄物処理委託業務をシステム化 外部業者に廃棄物処理を委託する際には、国によって定められたマニフェスト (産業廃棄物管理票)を発行する必要がありますが、 大阪工 場では一連の委託業務をコンピュータ化しました。 これにより、 廃棄物処理に関わるデータの一元管理が可能になり、 廃棄物削減に向けた 管理業務の効率化が図られました。 TANABE SEIYAKU 財務および会社の概況 目 次 連結業績の推移 主要製品売上高 役 員 組 織 会社沿革 グループ会社 会社概要 事業所一覧 18 19 20 21 22 23 24 24 17 18 会社概要 2000 連結業績の推移 1996/3月期 1997/3月期 1998/3月期 1999/3月期 2000/3月期 売上高 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . ¥205,876 ¥218,543 ¥216,553 ¥190,559 ¥185,098 営業利益 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 10,991 16,980 17,953 17,478 20,354 経常利益 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 11,255 17,287 17,244 17,728 21,000 当期純利益 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 4,631 6,583 7,302 2,410 4,068 一株当り当期純利益 . . . . . . . . . . . . ¥ 19.14 ¥ 27.21 ¥ 30.18 9.96 ¥16.82 一株当り株主資本 . . . . . . . . . . . . . . 556.16 572.37 591.65 586.83 603.55 損益状況(百万円) 一株データ(円) ¥ 利益率(%) 総資本当期純利益率 . . . . . . . . . . . . 1.8% 2.5% 2.8% 0.9% 1.5% 株主資本当期純利益率 . . . . . . . . . . . 3.5 4.8 5.2 1.7 2.8 総資産 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . ¥261,760 ¥257,702 ¥263,072 ¥255,802 ¥275,891 株主資本 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 134,548 138,470 143,135 141,970 146,014 長期借入金・社債・転換社債 . . . . . . . 11,802 2,843 30,884 32,295 42,487 財務状態(百万円/%) 株主資本比率 . . . . . . . . . . . . . . . . . 51.4% 流動比率 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 53.7% 54.4% 55.5% 52.9% 142.2 138.5 192.0 193.5 237.3 ¥ 7,218 ¥ 7,160 ¥13,802 ¥ 8,672 ¥ 4,869 その他(百万円) 設備投資額 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 減価償却費(注). ................ 7,411 7,187 8,225 9,015 8,666 研究開発費 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 20,010 20,738 20,364 19,856 19,475 従業員数 (田辺単独) . . . . . . . . . . . . 4,496 4,375 4,421 4,138 4,019 従業員数 (含む、出向者). . . . . . . . . . 5,216 5,073 4,983 4,579 4,439 (注)有形固定資産、無形固定資産、 長期前払費用の償却費を含む。 売上高 2,500 (億円) 2,000 営業利益および経常利益 250 (億円) 当期純利益および 一株当り当期純利益 80 (億円) 総資本当期純利益率および 株主資本当期純利益率 (円) 40 6.0 (%) 200 60 30 4.0 1,500 150 1,000 100 40 20 20 10 2.0 50 500 0 0 ‘96/3 ‘97/3 ‘98/3 ‘99/3 ‘00/3 0 ‘96/3 ‘97/3 ‘98/3 ‘99/3 ‘00/3 ● 営業利益 ● 経常利益 0 ‘96/3 ‘97/3 ‘98/3 ‘99/3 ‘00/3 ● 当期純利益 一株当り当期純利益 0 ‘96/3 ‘97/3 ‘98/3 ‘99/3 ‘00/3 株主資本当期純利益率 総資本当期純利益率 TANABE SEIYAKU 主要製品売上高 (単位:億円) 製品名 ヘルベッサー (内、輸出) タナトリル (内、輸出) サアミオン メインテート ガストローム ローコール 薬 効 1998/3 月期 カルシウム拮抗剤 (狭心症・高血圧症治療剤) 1999/3 月期 330 302 (139) (123) 160 172 ACE 阻害剤 (高血圧症治療剤) (0) 脳循環・代謝改善剤 選択的β 1 遮断剤 (高血圧症治療剤) 胃炎・胃潰瘍治療剤 HMG-GoA 還元酵素阻害剤 2000/3 月期 237 (62) 184 (1) (5) 122 109 120 91 92 98 77 78 83 − 33 65 (高コレステロール血症治療剤) プロスコープ 非イオン性尿路・血管造影剤 40 43 49 モダシン セフェム系抗生物質製剤 52 52 48 セレキノン 消化管運動調律剤 53 46 44 ユニカリック 総合輸液製剤 35 45 44 アドナ AC-17 対血管薬剤(止血剤) 35 34 33 カルグート 心機能改善剤 34 29 25 タナドーパ 経口ドパミンプロドラッグ 18 19 19 総資産 3,000 (億円) 株主資本および 株主資本比率 1,500 (億円) 一株当り株主資本 (%) 75 800 (円) 研究開発費 250 (億円) 200 600 2,000 1,000 50 150 400 100 1,000 500 25 200 50 0 0 ‘96/3 ‘97/3 ‘98/3 ‘99/3 ‘00/3 0 ‘96/3 ‘97/3 ‘98/3 ‘99/3 ‘00/3 ● 株主資本 株主資本比率 0 0 ‘96/3 ‘97/3 ‘98/3 ‘99/3 ‘00/3 ‘96/3 ‘97/3 ‘98/3 ‘99/3 ‘00/3 19 20 会社概要 2000 役 員 (2000年6月29日現在) 代表取締役社長 専務取締役 (社長補佐) 常務取締役 (管理部門・環境担当) 常務取締役 (研究開発担当兼創薬研究所長) 常務取締役 (営業担当) 取締役(国際事業部長) 取締役(人事部長) 田 中 登志於 葉 山 夏 樹 畑 中 進 中 島 昭 英 谷 野 勝 則 中 村 正 敏 小 網 和 秀 常任監査役 (常勤) 監査役(常勤) 監査役(弁護士) 監査役(日本生命保険相互会社 代表取締役社長) 野 田 和 夫 吉 松 祥 三 家 近 正 直 宇 野 郁 夫 田 中 登志於 葉 山 夏 樹 畑 中 進 中 島 昭 英 谷 野 勝 則 中 村 正 敏 小 網 和 秀 1 2 3 4 5 6 7 5 7 6 3 2 1 4 TANABE SEIYAKU 組 織 (2000年7月1日現在) ● 取締役会 ● 医療情報部 ●社 ● 総務統括部 長 ● 経営会議 ● 財務経理部 ● 各委員会 ● 情報通信センター ● 環境管理部 ● 創薬研究所 ● 研究開発企画部 ● 安全性研究所 ● 研究開発管理部 ● 製品開発センター ● 知的財産・情報部 ● 製品技術研究所 ● 生産統括部 ● 大阪工場 ● 小野田工場 ● 秘書室 ● 医薬情報センター ● 経営企画部 ● 人事部 ● 法務部 ● 広報社会関係部 ● 監査部 ● 営業統括部 ● 医薬事業本部 ● 北海道支店 ● 医学情報部 ● 研修部 ● 業務部 ● 医薬企画部 ● 流通部 ● 東日本学術部 ● 西日本学術部 ● 東京営業部 ● 東北支店 ● 東京第一支店 ● 東京第二支店 ● ヘルスケア事業部 ● 東京第三支店 ● フードケミカル事業部 ● 東海支店 ● ファインケミカル事業部 ● 京都支店 ● アニマルヘルス事業部 ● 大阪支店 ● 国際事業部 ● 中四国支店 ● 監査役 ● 監査役会 ● 九州支店 21 22 会社概要 2000 会社沿革 1604年(慶長9年) ● 田邊屋又左衛門、 家康よりルソンへの渡 航朱印状を下付される 1974年(昭和49年) ● Ca拮抗剤ヘルベッサーを製造発売 1670年(寛文10年) ● 初代田邊屋五兵衛、分家する (ヘルベッサー) 1982年(昭和57年) ● Ca拮抗剤ジルチアゼム FDAで製造販売許可 1678年(延宝 6年) ● 初代田邊屋五兵衛、大坂土佐堀で「たな べや薬」を看板に独立開業(創業) 1987年(昭和62年) ● サンテラボ・タナベ シミイ株式会社(フ ランス)を設立 1688∼(元禄年間) ● 初代田邊屋五兵衛、 「黒川大和大掾藤原 1703年 金永」の称号を禁裏より授かる 1988年(昭和63年) ● エー・メルク社(ドイツ)と協業契約を締結 1791年(寛政3年) ● 六代田邊屋五兵衛、 薬種中買株仲間に正 式加入 1855年(安政2年) ● 十一代田邊屋五兵衛、道修町(現本社の 位置)に新店舗を構える 1870年(明治3年) ● 他社に先駆け洋薬取り扱いを始める 1882年(明治15年) ● 神戸アーレンス商会から独ハイデン社 製サリチル酸の一手販売権を得る 1990年(平成2年) ● サンテラボ・タナベ シミイ社ジルチアゼ ム原末工場生産開始 ● 米国開発事務所 (ニュージャージー州) を開設 ●タナベ リサーチ ラボラトリーズ U.S.A.株式会社を設立 1991年(平成3年) ● タナベファイナンス(オランダ)株式会 社を設立 ● シエーリングAG社 (ドイツ) と協業契約 を締結 1885年(明治18年) ● 大阪市北区南同心町に製薬場を建設 1916年(大正5年) ● 大阪市北区本庄川崎町に最新式製薬工 場を建設 1922年(大正11年) ● 自社新薬第1号・止瀉剤アヂナミンを製造 ● 新薬部門と貿易部門を設置 1925年(大正14年) ● 小野田工場(山口県)を建設 1930年(昭和5年) ● 本庄工場に研究室を独立設置 ● エビオスを販売 1993年(平成5年) ● タナベセイヤクシンガポール株式会社 を設立 ● サンド薬品株式会社と提携契約を締結 ● 天津田辺製薬有限会社 (中国)を設立 ● セントコア社 (米国)と提携契約を締結 ● ACE阻害剤タナトリルを製造発売 ● 胃潰瘍治療剤ガストロームを製造発売 1994年(平成6年) ● 天津田辺製薬有限会社工場でヘルベッ サーの生産開始 ● アップジョン社 (米国) と提携契約を締結 1933年(昭和8年) ● 田邊五兵衛商店を株式会社田邊五兵衛 商店に改組 1995年(平成7年) ● お客様相談窓口「製品情報センター」を 開設 1939年(昭和14年) ● 加島工場を建設(現:大阪工場) 1943年(昭和18年) ● 社名を田邊製薬株式会社と改称 1951年(昭和26年) ● 第1回デミング賞実施賞を受賞 1955年(昭和30年) ● C.H.ベーリンガーゾーン社 (西ドイツ) と 鎮痙剤ブスコパンの一手販売契約を締結 1996年(平成8年) ● サンテラボ社(フランス)と提携契約を 締結 ● エチカル社 (英国)と提携契約を締結 ● ブリティッシュ・バイオテック社 (英国) と提携契約を締結 ● タナベセイヤクマレーシア株式会社 (マ レーシア)を設立 1956年(昭和31年) ● 対血管剤アドナ(AC-17)を製造発売 1960年(昭和35年) ● シンテックス社と副腎皮質ホルモン剤 の一手販売契約を締結 ● (財)阪大微生物病研究会とワクチンの 販売契約を締結 ● 東京工場、 東京研究所を建設 1997年(平成9年) ● プロクター&ギャンブル社(米国)と提 携契約を締結 1998年(平成10年) ● ロンドン事務所(英国)を開設 ● 高コレステロール血症治療剤ローコー ルを発売 ● 小野田工場で 「ISO14001」認証取得 1962年(昭和37年) ● 台湾田辺製薬株式会社を設立 ● アスパラギン酸製剤アスパラを製造発売 1999年(平成11年) ● 執行役員制度を導入 ● 大阪工場で 「ISO14001」 認証取得 1970年(昭和45年) ● タナベU.S.A.株式会社(米国)を設立 ● OSI社 (米国)と提携契約を締結 ● タナベ・アバディ株式会社 (インドネシ ア) を設立 1972年(昭和47年) ● タナベヨーロッパ株式会社(ベルギー) を設立 2000年(平成12年) ● ストックオプション制度を導入 TANABE SEIYAKU グループ会社 (*連結子会社 **持分法適用関連会社) 国 内 設 立 資本金 議決権の 所有割合(注) 100.0% (20.0%) 事業内容 エースアート株式会社* 1955年 3月 40百万円 サンケミカル株式会社* 1970年 6月 342百万円 株式会社サン総合情報センター* 1984年 12月 10百万円 100.0% (50.0%) 医薬品の調剤・小売 株式会社サン臨床解析センター* 1988年 11月 20百万円 100.0% 医薬情報の調査分析サービス 株式会社田辺アールアンドディー・サービス* 1984年 8月 40百万円 100.0% 医薬品等の試験・検査業務、 翻訳及び科学技術情報の提供 田辺製薬エンジニアリング株式会社* 1991年 6月 30百万円 100.0% (35.0%) 生産設備等のエンジニアリング・ 保守管理 田辺製薬商事株式会社* 1995年 3月 350百万円 100.0% 医薬品等の販売 田辺総合サービス株式会社* 1964年 2月 60百万円 100.0% (50.0%) 不動産業 株式会社マルゴ物流サービス* 1986年 11月 30百万円 100.0% (20.0%) 倉庫業 八洲化工機株式会社* 1958年 7月 45百万円 99.8% (1.1%) 吉城薬品工業株式会社* 1964年 7月 400百万円 100.0% 栄研化学株式会社** 1939年 2月 4,462百万円 37.4% 小倉美術印刷株式会社** 1957年 2月 145百万円 30.8% 印刷業 興栄商事株式会社** 1954年 8月 10百万円 50.0% 損害保険代理 タマ化学工業株式会社** 1962年 12月 126百万円 22.2% 医薬品原料の製造 松村薬品工業株式会社** 1964年 9月 10百万円 30.0% 飼料添加物等の製造 1970年 1月 US$1,400,000 100.0% 医薬品の輸出入販売 1990年 11月 US$3,000,000 100.0% 医薬品等の研究開発 1991年 11月 US$7,000,000 100.0% 不動産賃貸、保守管理 1972年 12月 EUR260,000 100.0% 医薬品の輸出入販売 1987年 6月 FFR10,000,000 50.0% 1991年 3月 DGL400,000 100.0% 国際金融市場での資金の調達と 運用 1993年 1月 S$400,000 100.0% 医薬品の輸出入販売 1996年 8月 M$500,000 100.0% 医薬品の輸出入販売 1970年 7月 US$2,500,000 80.0% 医薬品の製造・販売 1962年 9月 NT$90,000,000 65.0% 医薬品等の製造 1987年 7月 NT$20,000,000 65.0% 医薬品の販売 1993年 10月 US$12,000,000 66.7% 医薬品等の製造・販売 64.2% 広告代理及びデザイン制作 医薬品・染料中間物の製造 一般機械器具・装置製造 医薬品の製造 臨床検査用試薬等の製造 海 外 米 国 タナベU.S.A.株式会社* Tanabe U.S.A., Inc. タナベリサーチラボラトリーズU.S.A.株式会社* Tanabe Research Laboratories U.S.A., Inc. タナベグループサービスU.S.A.株式会社* Tanabe Group Service U.S.A., Inc. 欧 州 タナベヨーロッパ株式会社* Tanabe Europe N.V. サンテラボ・タナベシミイ株式会社** 医薬品原末の製造・販売 Synthelabo-Tanabe Chimie S.A. タナベファイナンス(オランダ) 株式会社* Tanabe Finance(Holland)B.V. アジア タナベセイヤクシンガポール株式会社* Tanabe Seiyaku Singapore Pte. Ltd. タナベセイヤクマレーシア株式会社* Tanabe Seiyaku(Malaysia)Sdn. Bhd. タナベ・アバディ株式会社* P.T.Tanabe-Abadi 台湾田辺製薬株式会社* Taiwan Tanabe Seiyaku Co., Ltd. 台田薬品株式会社* Tai Tien Pharmaceuticals Co., Ltd. 天津田辺製薬有限会社** Tianjin Tanabe Seiyaku Co., Ltd. (注) 議決権の所有割合の( )内数字は、間接所有割合を示す。 23 24 会社概要 2000 会社概要 事業所一覧 (2000年3月末現在) 田辺製薬株式会社 本社所在地 〒541-8505 大阪市中央区道修町3丁目2番10号 TEL:(06) 6205-5555 FAX:(06) 6205-5262 東京事業所 〒102-8355 東京都千代田区三番町26番地 TEL:(03) 3230-6611 FAX:(03) 3230-6605 創業 1678年 (延宝6年) 株式会社設立 1933年 (昭和8年) 資本金 34,250百万円 株式上場 東京証券取引所1部 他、 大阪、名古屋、 福岡、札幌 決算期 3月 従業員数 4,019 名 (田辺単独) 国 内 北海道支店 〒060-0001 札幌市中央区北一条西7丁目4番地 (札幌エクセレントビル) TEL:(011) 214-3700 FAX:(011) 214-3898 東北支店 〒980-0801 仙台市青葉区木町通2丁目1番7号 TEL:(022) 275-9311 FAX:(022) 275-9347 東京第一支店 〒102-8355 東京都千代田区三番町26番地 TEL:(03)3230-6611 FAX:(03)3230-6609 東京第二支店 〒102-8355 東京都千代田区三番町26番地 TEL:(03)3230-6611 FAX:(03)3230-6960 東京第三支店 〒102-8355 東京都千代田区三番町26番地 TEL:(03)3230-6611 FAX:(03)3230-6847 東海支店 〒460-0002 名古屋市中区丸の内3丁目7番2号 TEL:(052) 963-8111 FAX:(052) 963-8175 京都支店 〒604-0845 京都市中京区烏丸通御池上ル二条殿町552 TEL:(075) 241-5500 FAX:(075) 241-5538 大阪支店 〒541-0046 大阪市中央区平野町2丁目6番6号 (田辺平野町ビル) TEL:(06)6205-5150 FAX:(06)6205-5616 中四国支店 〒730-0016 広島市中区幟町2番23号 TEL:(082) 222-5001 FAX:(082) 222-5204 九州支店 〒812-0035 福岡市博多区中呉服町3番15号 TEL:(092) 261-2511 FAX:(092) 261-2545 戸田事業所 (創薬研究所) 〒335-8505 埼玉県戸田市川岸2丁目2番50号 TEL:(048) 433-2503 FAX:(048) 433-2520 加島事業所 (創薬研究所、安全性研究所、 製品技術研究所、 大阪工場) 〒532-8505 大阪市淀川区加島3丁目16番89号 TEL:(06)6300-2525 FAX:(06)6300-2481 小野田事業所(小野田工場) 〒756-0054 山口県小野田市大字小野田7473番地2 TEL:(0836) 83-8900 FAX:(0836) 84-3170 海 外 米国事務所 (ニュージャージー州) 401 Hackensack Ave., 10th Floor, Hackensack, New Jersey 07601, U.S.A. TEL: 201-342-6002 FAX:201-342-6866 ロンドン事務所 (英国) CP House, 97-107 Uxbridge Road, Ealing, London, W5 5TL, U.K. TEL: 181-566-0356 FAX:181-566-0376 TANABE SEIYAKU 25 社章の由来 こんごうかい ご ち にょらい まん だ ら 社章は「金剛界五智如来の曼荼羅」の略 象図案化、 あわせて旧店じるし を意匠 化したものです。 その中には無限の真理 を探求し医薬業の正道を実践し一歩一 歩進んでいこうとする願いがこめられ ています。
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