ニュースレター第6号(2016年1月発行)

Newsletter Date
2016.1 Vo.6
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News Letter 「Well-Being な社会」を目指して !
一般社団法人
メディエーターズ
〒105-0004 東京都港区新橋 1-18-2
DVD ある日のケアホームズむささび
「笑顔を取り戻す介護メディエーション」
販売開始しました!
当事者それぞれのエンパワメント
からスタートし、それぞれの決定
を大切にする。
編集・発行:株式会社 ビープロダクション
http://bepro-japan.com
脚本:安藤信明 田中圭子(一般社団法人メディエーターズ)
監督 アニメ制作 編集:高部優子
予告編:https://www.youtube.com/watch?v=4NUuLOzMaTw
ホームとしてどのように対応すればよいの
か、どのように話し合いを進めればよいのか。
日常のクレームを深刻化させ「より大きな事件
(訴訟など)にしないためにはどうしたらよい
のか。
お申込みなど詳細は以下へ
株式会社 ビープロダクション
http://runmiri3.wix.com/beproduct#!blank/aofsb
エクスターンシップ
明宏ビル別館7階
それが私たちメディエーターズの
メディエーションの理念
INSIDE THIS ISSUE
「笑顔を取り戻す介護メディエーション」
販売開始
エクスターンシップ
修了生から
メディエータートレーニング
参加者の感想
ピアメディエーション~まず先生から~
中学校での3年間の取り組み
更生保護にメディエーションを
今後の予定
修了生から
第1章
民事調停、家事調停とメディエーション
私は将来、紛争の予防的活動や訴訟前に紛争を解決する活動をしたいと考えています。そのため、時間に余裕のあ
第2章
調停者・メディエーターのための実践方法
る 2 年生のうちに交渉の実務を学んでおきたいと思い、メディエーターズ様の元で勉強させていただきました。期間
第3章
調停・メディエーションにおける代理人のあり方
中は、メディエーションや ADR の理念について講義をしていただいただけでなく、実際の相談対応を見学させていた
だいたり、実務家の方や、メディエーションの理念を実践されている方のお話を伺う場を設けていただいたりと、ロ
ースクールの授業だけでは得られない、様々な経験をさせていただきました。
また、期間中には安藤さんと田中さんがメディエーションの実践の場を広げるために活動されている姿を拝見するこ
とができました。それによって、どのように良いものであっても、その良さを知っている人が積極的に動いていかな
ければ社会に普及していかないのだということを実感しました。
お二人から、そしてお話を伺った方々から学んだことを、社会に出てから反映させることができれば、私の目指す法
曹の在り方が実現できると考えています。今後の活動にとって糧となる素晴らしい時間を過ごさせていただき、誠に
ありがとうございました。(藤本
知英美)
私は、昨夏、メディエーターズにエクスターンシップ生としてお世話になりました。エクスターンを志望した理由
としましては、裁判以外の紛争の解決方法に関心があり、メディエーションという手法に興味を抱いたためです。
私が特に学ばせていただいたことは、「誘導をしない」ということです。
話を聴くうえで、最初にいきなり全体像やポイント部分を把握しようとすると、こちら側が重要だと思うことにつ
いてのみ深く掘り下げていき、当事者が本当に伝えたいことが抜け落ちてしまうことがあり、解決方法を見誤る危険
というものに気付きました。
これを防止するためには、できる限り当事者に話をしてもらうことが必要不可欠であり、また当事者の本当に望む
解決を考えるうえで引き出さなくてはならないものだと感じました。
この経験を通じ、紛争を解決することができるのは、当事者のみであり、法律家は、そのお手伝いをしているので
あって、自分たちの解決方法が絶対に正しく、それを押し付けるようなことは危険だということに気付きました。
このようなことに気付くことができ、その機会をいただいた安藤さん、田中さんにはとても感謝しております。本当
にありがとうございました。 (美濃部 達也)
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「Well-Being な社会」を目指して !
メディエータートレーニング(東京)
「2015 年 9 月 5 日、6 日のトレーニングに参加して」
中村寛
今回が初めての参加でした。日頃から《暴力》を研究テーマにする僕は、それとあわせて非暴力や反
暴力の試みにも強い関心を寄せていました。特にここ数年は、非暴力コミュニケーションや非構成的エ
ンカウンターグループなどの試みに興味があったし、その流れで回復的司法と呼ばれる「犯罪」への触
れ方にも注目するようになったのです。
哲学や人類学のなかでは、法は暴力としてその効力を発揮することが議論の大前提にあります(たと
えば、ヴァルター・ベンヤミンやジャック・デリダ等)。でも、整備の進んだ現代社会では、特別なこ
とがないかぎりそのことを意識せずに済んでしまいます。だからこそ、法のあり方を少しずつ変えてゆ
こうとする試みに惹かれるのかもしれません。
メディエーションが仲裁とは異なる、ということは事前に本で読み、頭では理解していました。しか
し、今回のトレーニングが「トランスフォーマティヴ・モデル」に特化したものだったこともあって
か、予想以上に「介入」が少ないのには驚かされました。こう書くと語弊があるかもしれませんが、メ
ディエーターはここではひたすら待ち受けるのです。そして、当事者によって発せられた言葉を、表現
を変えずにそのまま反復し、「どうしますか?」とその先をゆるやかに促すのです。言葉を超える経験
をすくいとろうとしたことのある人ならわかると思いますが、言語は認識や伝達の道具ではないし、意
味内容でもありません。言葉は、認識や思考そのものであり感情そのものです。だから、表現を変えて
の要約は意味内容が同義に見えても、実は同じではありません。特にぎりぎりの瞬間に発せられた言葉
を言い換えてしまうと、それだけで発話者はなにかがこぼれて落ちてしまったような感覚にとらわれる
かもしれません。そういうことを踏まえての「サマリー」であり「リフレクション」なのだと思いまし
た。
「反復するだけなら簡単じゃないか」と思う人もいるかもしれません。「なにもしないで話を聞くだ
けなら、誰でもできるんじゃない」と。でも、やってみたら気が付くと思います。介入を待つこと、表
情や仕草を含めた声を聴くこと、言葉を反復することが、どれだけ能動的ないくつもの営みに支えられ
ているかを。当事者の感情や心や気持ちに向き合うことで、メディエーターがなにをなしているのか
を。
現場でなされていることは、「すでに起きてしまったこと」になるべく不均衡でない意味を、当事者
双方が構築していくことだったように思います。そして、それはメディエーターが傍らにいることで、
はじめて成り立つのだと思います。
ピアメディエーション
~まず、先生から~
木の香りがする落ち着いた雰囲気の校舎、臼田中学校で、地域の教師の方たちの勉強会に参加
し、メディエーションの紹介のお手伝いをしました。小諸養護学校の教師である依田さんは、以前
からメディエーションに興味を持っており、当法人のメディエータートレーニングも何度か受講
し、認定メディエーターとして活躍している方ですが、その依田さんがメディエーション特にピア
メディエーションの有用性について、講義をされました。その講義の最後の方で、実際にどんな感
じになるのかを参加者の方たちに知っていただくため、簡単なピアメディエーションのデモを行っ
てみました。
何か言い争っている友だちを見かけたら、どうしたらいいでしょうか。何と言って声を掛けたら
いいのでしょうか。「どうしたの?」「やめなさい」「話なら聞くよ」・・この最初の一言が結構
難しいのです。この言葉の掛け方によって、却って火に油を注ぐ形になったり、新たな対立を起こ
してしまったり、話し合いのきっかけを失ったり・・・。
しかし、友だちが何かもめているのに、知らん顔をする人間になって欲しくはありません。そん
なとき、どういう態度で、どんな言葉を掛けることができるのかを考えることだけでも、子どもに
は大きな意味があるのではないでしょうか。
対立を避けない。対立より迎合を選ばない。自分の意見ははっきり言う。相手の意見もしっかり
聴く。大人にはできないかもしれないけれども、子どもにはできるはず。(安藤信明)
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「Well-Being な社会」を目指して !
中学3年間の取り組み
東京の某公立中学での3年間の取り組みが 2015 年終了しました。このプロジェクトはすでにメディエータートレー
ニング受講の経験がある先生から「学校生活の中で子どもたちの対立へのかかわり方を見直す授業をしたい」「対立の
中で、自分がどうするのかといった気持ちとその次につながる行動を自分で決めていくことができるようになって欲し
い」というご希望をいただいたことから始まった授業でした。
多くの学校からのご依頼は「道徳」や「人権教育」など単発での授業が多いのですが、今回は同じ学生さんたちと3
年間(各年に 50 分2コマずつ)を通じてご一緒できたことで、スタッフである私たちが学生さんのみなさんの変化感
じ取る事ができる機会になりました。
先生方との打ち合わせを通して、学生のみなさんにとって今、そして将来にわたって何が必要なのかをゆっくりと議
論させていただきながらプログラムを作り上げていく中、「けんかしないで仲良くする」という事は言葉や知識として
はわかっているかもしれないけど、それが実生活の中ではどんなことなのか、そもそも「けんか」「対立」ってどのよ
うなことで、そこで人はどんな気持ちがしたり、どんなことをしてしまいがちになるのか等、自分の身の回りと結びつ
けて考えることから始めました。3 年間のプログラムやねらいは図表1になります。
1 年生時当初は、楽しいという感想が主な感想であり「対立」というある意味ネガティブなテーマの授業を前向きに
考えるインセンティブが学生たちに芽生えるところからスタートし、2 年時から、メディエーターの体験が導入される
形をとりました。3 年になると、メディエーターの役割の重要性を考え始めつつ、「自分ができなくても、何かあった
時には、同じこと学びあっている友達に頼む方法がある」という気づきにつながりました(図表2)。この「同じこと
を学びあっている友達に相談」という可能性を引出せていくことが、しいては、学級・学校運営につながり、大きな意
味でのいじめ防止につながるのかもしれません。
ロールプレイなどで利用した事例は、学校の希望で、「大人の社会で起こる事例」を取り入れ、それを身近に近づけ
ながら振り返るという方法を今回は採用しました。 学校で起こる事例を取り扱わなかった主な理由は、学生の発達過
程を考える場合、「ロール外し」つまり、子供たちがたとえ模擬とえいでも対立の場面を演じた場合、その役割がはず
しづらくなり、新たな葛藤を引き起こしてしまう可能性が高いという理由です。大人のトレーニングでもロール外しは
大きな課題です。模擬で体験したことを身近にひきつける振り返りをしつつ、「役」をはずして、「自分」に戻ってい
く大きな作業が必要になります。学校・子ども対象のプログラムの場合、子ども達の発達段階ということを考えること
もとても重要なことであることを、再認識する必要があります。
メディエーション教育は何をもって効果があったかを測定することも難しく、また速攻性があるものではあ
りません。将来、一緒に学びあったみなさんが、何かの時に思い出してくださり、元気や勇気の小さな種になって
くれればと考えています。(田中圭子)
図表1
図表2
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「Well-Being な社会」を目指して !
更生保護にメディエーションを
刑務所を仮出所したり、少年院を仮退院したけれども、家族などの引受先がない人た
ちが生活する場として更生保護施設があります。更生保護施設で生活する期間は、数か
月と短く、しかもその間にするべきこと(アパートを借りる資金を貯めるとか、パソコ
ンなどのスキルを身につけるとか、薬物療法をうけるとか)がたくさんあるので、入所
者は忙しい毎日を送っています。
家族との関係が切れってしまった人もいます。もともと、家族と呼べる人がいない人
もいます。職場などでも同僚などとの関係をうまく築いていけない人もいます。そんな
方たちには、メディエーションのトレーニングは、社会復帰するうえで、とても重要だ
と思いますし、家族との関係回復にはメディエーションは有効です。
更生保護のプログラムのどこかにメディエーション講座を加え、更生保護に関わるす
べての人がメディエーションに触れて欲しいと思っています。(安藤信明)
☆今後の予定☆
*変更する場合があります。詳細はホームページでご確認ください。
【トレーニング・講座】
・2月20日 学級運営と授業に役立つメディエーション講座
・3月26日 学級運営と授業に役立つメディエーション講座
・5月21日、22日 メディエータートレーニング 東京・目黒
・9月3日、4日
メディエータートレーニング 東京(予定)
・11月12日、13日 メディエータートレーニング 関西(予定)
(現在参加申込受付中)
(現在参加申込受付中)
(現在参加申込受付中)
【認定メディエーター・アセスメント】
7月10日(日)
賛助会員募集!
メディエーターズでは、活動に参加
していただける賛助会員を募集してい
ます。
賛助会員の会費は、個人会員は月に
1,000円で、団体会員は月に5,
000円です。
会員規則などの詳細は、ホームペー
ジをご覧ください。又は e-mail でご
連絡ください。
一般社団法人メディエーターズ
〒105-0004
東京都港区新橋 1-18-2 明宏ビル別館 7 階
Tel 03-6206-6885
Fax 020-4664-2714
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