表3-1-2 伊勢湾をめぐる主要な風水害、地震と津波(その2) 年 次 月 日 災 害 内 容 1802 年(享和2) 10月22日 地震と津波 尾張名古屋・海東郡で地震。名古屋城に被害。海東郡では地割れ・液状化現象も見られた。 1819 年(文政2) 6月12日 地震と津波 伊勢山田・桑名・四日市や尾張名古屋で町家・寺社が損壊、寺社参詣の人など圧死。立田輪中では 堤防決壊により損害約1万両。 1837 年(天保8) 8月14日 風水害 大風で名古屋の被害大。田畑の被害少、破損修理の需要増で世直し風・豊年風と呼ばれた。 1850 年(嘉永3) 7~8月 風水害 尾張・三河を中心に未曾有の大雨。二度の台風襲来。矢作川が氾濫、岡崎以南の東岸の村々は殆 んど浸水。 1854 年(安政1) 6月14日 地震と津波 伊賀を中心に畿内・伊勢に大地震。四日市・神戸などの被害甚大。四日市は家屋倒壊と火災で町の 半分以上が罹災、住民・旅人の死者・行方不明者多数。 1854 年(安政1) 11月4・5日 地震と津波 安政東南海地震。 1855 年(安政2) 8月20日 風水害 高潮で沿岸新田堤防91箇所決壊。 1860 年(万延1) 5月11日 風水害 伊勢湾内に高潮による被害が発生、輪中や衣浦湾沿岸の新田が決壊。四日市では建物被害が大き く、漁具・漁船も流失。 1870 年(明治3) 9月18日 風水害 暴風雨により志摩・渥美半島の漁船・漁具多数流失。新田被害甚大。 1889 年(明治22) 9月10・11日 風水害 高潮のため三河湾沿岸、特に一色・吉良周辺の被害甚大。愛知県の死者800人を超える。 1891 年(明治24) 10月28日 地震と津波 濃尾地震。 1896 年(明治29) 9月11日 風水害 濃尾平野は40日に及ぶ長雨のなかでの台風襲来。庄内川・新川・日光川など堤防決壊。 1912 年(大正1) 9月22日 風水害 伊勢湾沿岸高潮襲来、日光川の海岸堤防決壊、海東・海西郡は湖沼となり、衣浦湾沿岸の新田も決 壊。田畑の被害甚大。 1934 年(昭和9) 9月21日 風水害 室戸岬では観測史上最低の911hPaを記録。関西地方を中心に多数被害。愛知三重両県死者・行方 不明者6人。室戸台風。 1944 年(昭和19) 12月7日 地震と津波 東南海地震。 1945 年(昭和20) 1月13日 地震と津波 三河地震。 1946 年(昭和21) 12月21日 地震と津波 潮岬南西を震源地とし、東北南部から九州まで震動を感じるほど大規模で、伊勢南部・尾張西部地 方に家屋の全半壊などの被害があった。 1953 年(昭和28) 9月24日 風水害 潮岬から伊勢・知多半島・碧南を通過、幡豆・宝飯郡の被害甚大。愛知三重両県の死者・行方不明 者122人。13号台風 1959 年(昭和34) 9月26日 風水害 伊勢湾台風。 1960 年(昭和35) 5月24日 地震と津波 チリ津波。 1961 年(昭和36) 9月16日 風水害 暴風継続時間が長く飛散物・倒壊物の被害甚大、大府では竜巻で工場が倒壊。第二室戸台風。 1972 年(昭和47) 7月12~13日 風水害 愛知県西三河山間部で山崩れ、河川の氾濫。愛知県で死者・行方不明者68人。 1976 年(昭和51) 9月8~14日 風水害 台風第17号・前線による大雨により長良川が決壊。岐阜県で死者・行方不明者9人、家屋全壊19棟。 また、愛知県尾張、海部、知多地域で中小河川氾濫による浸水被害。愛知県で約116千世帯が被 災。 1982 年(昭和57) 8月1~3日 風水害 台風第10号が、志摩半島の先端をかすめ、渥美半島西部に上陸。中部地方に大雨が降った。三重 県で死者・行方不明者24人。 1991 年(平成3) 9月18~19日 風水害 庄内川支流の内津川の堤防が破堤するなど、愛知県内で死者2人、床上浸水3713棟などの被害。 1999 年(平成11) 9月14~24日 風水害 2000 年(平成12) 9月10~12日 風水害 2004 年(平成16) 9月28~30日 風水害 2007 年(平成19) 4月15日 地震と津波 通称三重県中部地震。三重県内各地で家屋の屋根が陥没したり、壁やガラスが破損したりする建物 被害が相次いだ。また、鈴鹿市では、断水や濁水が発生。約5万戸に影響が出た。 2008年(平成20) 9月28~30日 風水害 浸水等により岡崎市で2名が亡くなった。県内では住宅5棟が全壊し、床上浸水が2,477棟、床下 浸水が14,108棟に達した。また、農作物や道路・橋梁などにも大きな被害が出た 台風第16号、秋雨前線及び台風第18号により岐阜県恵南地域を中心に甚大な被害、死者・行方不 明者8人、家屋全壊10棟。また、台風第18号に伴う竜巻の発生により、愛知県東三河地域などで住家 の全壊41棟、半壊311棟、負傷者415人。 東海豪雨。日本に停滞していた秋雨前線は、台風第14号からの暖かく湿った気流の流れ込みにより 活発となり、東海地方は愛知県を中心に記録的な大雨となった。死者・行方不明者9人、負傷者109 人、床上浸水22497棟。 台風21号によって28日夜から激しい雨が降り出し、29日朝から昼過ぎにかけて紀勢・東紀州や中 部を中心に記録的な大雨となった。宮川村では大規模な斜面崩壊や土石流などがいたる所で発生 し、死者6人、行方不明1人、重傷者2人、海山町では町内を流れる船津川の氾濫により死者2人。 資料:運輸省第五港湾建設局「パンフレット 伊勢湾災害の歴史」地震津波編・台風高潮編等より作成 ○地盤沈下 過去、工業用水としての地下水の過剰揚水が主要因となり、地盤沈下による被害が伊勢湾地域の各 地で発生した。現在では、工業用水法や各県の公害防止条例等による地下水揚水量の監視、指導が行 われており、地盤沈下は沈静化する方向にある。 表3-1-3 地盤沈下面積の推移(三重県) 出典:三重県「平成22年版 環境白書」 表3-1-4 地盤沈下面積の推移(名古屋・尾張地域) 出典:愛知県「平成21年愛知県地盤沈下調査結果について」より 表3-1-6 地盤沈下面積の推移(西三河地域) 出典:愛知県「平成21年愛知県地盤沈下調査結果について」より 表3-1-7 地盤沈下面積の推移(岐阜県) 出典:岐阜県「平成22年 環境白書」
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