ユニフォント デザインコンセプト ユニフォントは、 「テキストフォントは明朝体とゴシック体しかない」という概念を大きく変え、書体を二分 化することを避け、新しいスタイルを提案する書体です。そして、書体としてのデザイン性を全面に出して 主張することなく、自然で読みやすい「次世代フォント」を目指して開発いたしました。日本語組み版では 横組みが標準になりつつある現在、より横組みに適するように、ふところは広めにまた、若干、扁平にする ことによって横への方向性を強調しました。主なデザインコンセプトをまとめると次のようになります。 1. 従来の明朝体でもゴシック体でもない次世代フォント ユニフォントは、縦線・横線の太さの差があまりない等線体を基本思想として設計した、いわば「本文用新 書体」という位置づけです。これはドイツのヘルマン・ツアップ氏が提唱したローマン体の思想を色濃く残 したサンセリフ「オプティマ」や、アドリアン・フルティガー氏(仏)の本文用サンセリフ「フルティガー」、 同じくマシュー・カーター氏(米)の「バーダナ」のデザインに相通じるデザイン思想です。 2. 明るい横組み用のデザイン ふところは広めに、さらに検討を重ねた縦線・横線の太さの比率、そして横への視線の流れを妨げない控え めなセリフや垂直・水平を基本としたデザインなど、従来の縦組みを基準としてデザインされていた日本語 フォントのコンセプトを、180 度転換したデザイン思想です。もちろん縦組みにも十分使用できる書体です。 3. 印刷用と画面表示用の両面を考慮したデザイン 印刷用フォントとしてはもちろんのこと、表示用のビットマップフォントにラスタライズした場合の特性を 最大限に考慮し、シンプルで明快なデザインにしています。従って、従来のフォントのように、アウトライ ンフォント+ビットマップフォントを持つ必要がなく、アウトラインフォントのみで印刷用と画面表示用を カバーいたします。 4. 欧文の文字設計基準を取り入れてデザインされたフォント 文字は「四角の枠の中にデザインする」という従来の考えを排除し、センターラインではなくベースライン を基準に設計しました。言い換えれば、 「文字を字面の中心にデザインする」のではなく「仮想のベースライ ン上に文字をデザインする」という思想です。欧文は左右に来る文字に配慮して 1 つの文字をデザインしま す。しかし従来の日本語文字デザインは、1 文字ずつを四角の枠の中にデザインする、という方法のため 1 文字のデザインは良くても、組んだときに一体感がなく、ガタつき・バラつきが生じます。ユニフォントは 上記のように欧文のデザインの基本を取り入れ、全体の組み版として綺麗に見えることを前提にデザインし ました。結果として、欧文とのマッチングも良く、日本語と一体化した組み版を可能にいたしました。 このように、ユニフォントは新しい日本語組み版の将来を見据えた汎用フォント・次世代フォントと言うこ とができます。テキストフォントには明朝体とゴシック体の選択肢しかない日本のフォント環境に新しい提 案ができるフォントであると思います。また、従来からあるゴシック体や丸ゴシック体も新しいコンセプト で開発中です。 以上
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