平成25年度 社会福祉事業所従事者に関する調査報告書(概要版)

・離職理由
・待遇
・仕事の状況・体調
・人間関係
・継続の意志・条件等
・夜勤によるちがい
・問題点と要望
・
1.回答者の属性
(対象:県福祉カレッジ等研修受講者 856 人、回答 224 人、回答率 26.2%)
<平成 25 年度社会福祉事業所従事者に関する調査報告書(概要版)>
県内社会福祉事業所従事者 224 人に聞きました
福祉の従事者はどのような状況や思いで働いているのでしょうか。
調査票のデータ集計と抱えている問題や要望などから分析しました。
年代は 30~50 代がほぼ同数で、女性
○
が 9 割、正規がほぼ 8 割となっている。
○
規模は 50 人以上が 3 割を占めている。
○
種別は「特養」
「訪問」
「通所」が多く
なっている。
-1-
○ 職種は、
「介護職」が 55%、次いで「訪問介護員」がほぼ 18%を占めている。
○ 保有資格は、
「介護福祉士」
「ホームヘルパー」がほぼ 5 割と多くなっている。
○ 夜勤の有無は、
「あり」が 4 割、
「なし」が 5 割以上となっている。
○ 就職回数は、各区分が 2 割前後と、ほぼ均等になっている。
○ 経験年数は、
「10 年以上」で 4 割、
「5 年以上」でほほ 7 割を占めている。
○ 現職場の勤続年数は、ほぼ均等になっている。
-2-
2.離職
○ 直前の職場は、
「他分野または無職」が 5 割以上、ほか「福祉」は 3 割を占めている。
○ 上記の「福祉」の場合の雇用形態は、「正規」がほぼ 7 割を占めている。
○ 「福祉」の離職理由は、
「運営・指導」がほぼ 3 割と最も多く、次いで「処遇」
「条件」
「身体不良」となっている。
○ 現職場の決定理由は、
「通勤」が 4 割と最も多く、次いで「資格・技術」
「やりがい」
「紹
介」の順となっている。
-3-
3.待遇・勤務の状況
○ 平均給与月額は、正規が 18.6 万円、非正規が 11.4 万円となっており、希望とは 2~3
万円の差がある。
○ 平均手当月額 2.9 万円のうち、夜勤手当は正規が 2.1 万円、非正規が 1.5 万円と支給額
の 5~7 割を占めている。賞与は正規が 2.4 カ月、非正規が 0.9 カ月となっている。
○ 1 月あたりの平均勤務日数は、正規が 21 日、非正規が 19.5 日となっており、1 月あた
りの有給残業時間は正規が 2.3 時間、非正規が 1.3 時間となっており、ほかに無給残業は
正規 9.2 時間、非正規 6.1 時間となっている。
○ 1 月あたりの平均夜勤回数は、正規が 4.2 回、非正規が 2.0 日となっており、うち 1 回
あたりの時間数は、正規 14.6 時間、非正規 10.1 時間となっている。
-4-
○ 有給休暇の支給日数は、正規が 18.7 日、非正規が 12.9 日となっており、うち取得日
数は正規 5.0 日、非正規 4.6 日となっている。
○ 1 年間の研修参加日数は、正規が 4.3 日、非正規が 3.1 日となっており、うち有休の使
用日数は、正規 1.1 日、非正規 0.0 日となっている。
4.仕事の状況
○ 職員数の不足感は、
「不足」と「少し不足」で 75%となっている。
○ 業務量は、
「多い」と「やや多い」で 66%となっている。
○ 職務責任は、
「重い」と「やや重い」で 64%となっている。
○ 仕事の順応は、
「ついていけない」と「ついていけないときがある 」で 31%となっている。
-5-
○ 「ついていけない」の内容は、
「おぼえることが多い」が 31.6%と最も多く、次いで
「パソコン」
「自身の適性」の順となっている。
○ 全 12 項目中、10 項目で 20%を超えており、内容が多岐にわたっている。
5.体調等
○ 仕事の疲労度は、
「かなりある」が 3 割近くと多くなっており、
「少しある」を合わせ
ると 8 割を超える人が疲労を感じている。
○ 健康状態は、
「よくない」と「よくないときが多い」でおよそ 2 割となっている。
-6-
○ 腰痛予防の設備は、
「整っている」と「大体整っている」で 13%しかなく、「あまり整
っていない「全く整っていない」で 5 割を超えている。
○ 腰痛の有無は、
「かなりある」と「少しある」で 6 割を超えている。
○ 腰痛予防の設備の有無による腰痛の「かなりある」は、
「整っている」が「整っていな
い」の 3 分の 1 少なくなっている。逆に「まったくない」は、「整っている」が「整って
いない」の 1.2 倍多く、
「あまりない」は、1.3 倍多くなっている。
○ 同じく、仕事の疲労度の「かなりある」は、「整っている」が「整っていない」のほぼ
4 割少なくなっている。逆に「あまりない」は、「整っている」が「整っていない」の 2
倍多くなっている。
-7-
○
○ 仕事のストレスは、
「かなりある」が 3 割近くと多く、
「少しある」と合わせると 8 割
近くがストレスを感じている。
○
仕事の悩み・不安は、
「かなりある」が 25%と多く、「少しある」と合わせるとほぼ
76%近くが悩みや不安を抱えている。
6.人間関係
○ 相談する相手は、
「同僚」がほぼ 7 割と最も多く、次いで「責任者・主任」「現場の長」
の順となっている。
○ 関係がよくない人は、
「同僚」が 15.6%と最も多く、次いで「責任者・主任」
「事業所管
理者」の順となっている。
-8-
7.就業の継続
○ 現在の職場を、
「できる限り継続」と「当面継続」で 8 割近くを占めているが、
「すぐに
辞職」と「いずれ辞職」で 2 割近く存在している。
○ 辞意のある 42 人の次の職場について、67%の人が「福祉・介護以外」を検討している。
○ 仕事を継続する要件は、第 1 位で挙げた中では「賃金」が最も多く、次いで「人間関係」
「技術・知識」
「健康管理」の順となっている。
○ 第 1 位の上位の 4 項目は、第 1 位~第 3 位の合計の項目と同じとなっている。
-9-
8.夜勤の有無による比較
○ 業務量については、
「夜勤あり」が「多い」または「やや多い」と感じている割合が高
い。
○ 仕事への順応については、
「夜勤あり」の方が「ついていけないときがある」と 2 倍近
くの割合で感じている。
○ ついていけない内容は、「夜勤あり」は「長時間勤務」「指導方針」「おぼえることが多
い」の割合が高い。
○「夜勤なし」は「利用者対応」が最も多く、「長時間勤務」
「指導方針」の割合が低い。
- 10 -
○ 職務の責任では、
「やや重い」で「夜勤あり」の方が大きく上回っている。
○ 疲労度では、
「かなりある」で「夜勤あり」の方が 2 倍近く上回っている。
○ 腰痛の有無では、
「かなりある」
「少しある」で「夜勤あり」の方がやや上回っている。
○ ストレスの有無では、
「かなりある」で「夜勤あり」の方が 2 倍近く上回っている。
- 11 -
○ 悩みや不安では、
「かなりある」
「少しある」で「夜勤あり」の方がやや上回っている。
○ 仕事の継続では、
「できる限り継続」「当面は継続」で「夜勤なし」の方が上回ってお
り、
「いずれは辞めたい」で「夜勤あり」の方が上回っている。
○ 腰痛の有無では、
「かなりある」
「少しある」と感じる割合が「夜勤あり」がやや上回
っている。
○ 継続の要件の第 1 位では、
「夜勤あり」は「賃金」で大きく上回っており、
「夜勤なし」
は「健康管理」で大きく上回っており、
「人間関係」
「技術・知識」
「やりがい」でやや上
回っている。
- 12 -
9.働き続けていくうえでの問題点:自由記述(99 件)
○ 働き続けていくうえでの問題点の自由記述は、
「業務内容」がほぼ 2 割と最も多く、次
いで「処遇」
「職場環境」
「人員不足」について多くなっている。
「業務内容・負担」
(19 件)
・腰痛、人間関係、時間内に終わらない記録等、いつまで続けられるかと感じている。
・加算等のしばりがあり、加算ありきでの業務になりがち。自由な裁量が少なく、与えら
れた業務が過大かつ煩雑で業務改善に取り組む時間的余裕がない。
「処遇」
(12 件)
・賃金が上がらないと離職者は増える一方だと思う。仕事内容の割に合わないことから、
不満やストレスが増加すする人もいるのでは。
・職員の高齢化により給料が削減されてやる気が失せ、人材育成もままならない。
「職場環境」
(12 件)
・新卒者が減り、離職者が増えて転職組へは基礎から教える必要あり。出産した人は夜勤
ができなくて辞めざるを得ない。もっと働きやすい環境を。
・常勤の先輩方のサービス残業があまりに多く、見て見ぬふりしていると、やがて続かな
くなるのではないか。
「人員不足」
(10 件)
・人員不足のため利用者全員に目が届かないときがある。
・職員不足で月1回の有休申請が却下。新規開設の事業所が増加して待機者が減り経営が
不安。
・介護福祉士だが賃金と地位は低く責任は重い。時間外は事前の申請のみで、サービス残
業はあたり前。上からのパワハラのためによい人材が集まらない。
- 13 -
「人間関係」
(9 件)
・同僚との意見の食い違いがあり、なかなか解決しない。迷ったときに相談できる先輩が
現場に出てくれず自分で判断するしかない。
・人間関係のトラブル多く、短期間で辞めていく。人が次々と変わり、法人運営がうまく
いかず不安な日々。
「利用者」
(7 件)
・訪問介護業務は個人に合わせ、各家に合わせるので大変。利用者はサービスを使わなく
ては損と、ここまで本当に必要なのかと思う。ケアマネによってかなりサービス内容に
違いがある。
・最近の利用者は発達障害や精神等、多様化しているため研修や施設整備の充実を望む。
「上役」
(6 件)
・能力を見極められない人をリーダーにするなど人事考課が適正に行われておらず、それ
が原因で今年度だけで 3 人も辞めた。
・時代・法律が変化しているのに施設内は全く変わらない、古い考え方の人が多く時代と
逆行した支援が多く、職員主体の考えが根付いている。
「休日」
(6 件)
・ぎりぎりの人数のため、体調が悪くても休みにくい。休憩がなく、昼食時間も介助して
いる。抜き打ちで視察に来てほしい。仕事が好きだから勤めているが、年をとれば体力
的に続けられない。
「資質」
(6 件)
・サービスの質が職員ごとに違う。
・お互いが陰で悪口を言って雰囲気が暗くなる。業務の改善点をみんなで話し合う場が少
ない。
・福祉の仕事を理解していない人や土・日の定休等を希望している人をパート雇用しても
現場は困る。
「イメージ・地位」
(4 件)
・ヘルパーの仕事がよく理解されていない。予防の利用者が多く、せめて期間を限定して、
一度卒業してやってもらう方法はとれないかと思う。
・介護福祉士の地位向上、質の向上、世間の介護に対する考え方。
(お手伝いさんではない)
「経営」
(3 件)
・職員や利用者、施設の設備のことをもっと考えてから利用を増やしてほしい。
・事業者及び法人内で疑問に思うことが多く、利用者に迷惑と不利益となっており、転職
を考えている。
「健康」
(2 件)
・自分が健康でないと利用者さんとうまく接していけない。
「指導方法」
(2 件)
・20 代、30 代が多く 40 代がいないため、視点や観点にの相違によるトラブルが起きない
ように注意している。
- 14 -
・10 人ばかりだがマニュアルの不徹底など管理や部下への指導がむずかしい。
「介護保険」
(1 件)
・厚労省の老人福祉に対する理解不足。要介護 5 以上の認定も必要。国の施設人員配置に
も問題あり。
10.各方面への要望:自由記述(167 件)
○ 各方面への要望先は、
「国」が 3 割と最も多くを占めており、次いで「事業所」
「県」
「市
町村」の順となっている。
○ 要望の項目は、
「処遇」が 3 割近くと最も多くを占めており、次いで「施策・対策」
「利
用者・サービス」
「業務内容・負担」の順となっている。
○ 要望先別の内容については、
「国」と「事業所」への「処遇」が合わせて 2 割と特に多
くなっており、次いで「利用者の家族」への「利用者・サービス」、
「国」
「県」
「市町村」
への「施策・対策」の順となっている。
- 15 -
「国」
(50 件)
・業務の内容と賃金がつり合わず、他職種でパートをしていたときの方が賃金はよかった。
・介護改善交付金が、介護報酬改定に伴って支給されていない施設が多いのではないか。給
料が上がるような制度の見直し。
・もっと介護の現場に出向いて状況を知ってほしい。福祉に対する補助金を増大させてほし
い。
・高齢社会でありながら「在宅」を進めているのであれば、しっかりとした制度をのぞむ。
・介護員の地位が低すぎます。ヘルパーに関してはお手伝いさん以下の扱いです。教育だけ
でなく、賃金が安すぎるから、いい人材が集まりません。
・若い人たちが魅力ある職場であると感じて福祉分野に入って来られるような体制を作って
ください。
・社会保険のあり方として人的な補充には限りがあるので、道具を用いた取り組みも入れて
ほしい。
「県」
(27 件)
・看護職は守られていますが、介護職は重労働の割に賃金が安く、守られていない。
・抜き打ちで介護の実態を見てほしい。介護現場の声をもっと聞いてほしい。介護保険の現
状や声を聞いてほしい。
・小規模や富山型デイサービスなどの事業所が次々と作られて職員と利用者の確保で競合の
ように思う。事業所間の距離や各市にいくつとか決まっているのか。介護認定は現場の声
も聞いてほしい。
・もっと子供一人に対しての補助を考えてほしい。今のひとり親手当は少ない。働くより生
活保護のほうがよいのではと思う。
・賃金が安いと辞めるのは当然で、長く続ける人が上がるようにしてほしい。
・福祉職員の心や体のケアに力を入れてほしい。
・腰痛予防のモデル事業をもっと広めてほしい。
・認知症実践研修を個人でも受講できるようにしてほしい(順番が回ってこない)。
・医療面での研修の機会を増やしてほしい。
・調査するからには公表してほしい。
「市町村」
(24 件)
・富山型デイサービスは少ないスタッフでやっているので、休憩なしの9時間労働です。そ
のうえ、健康診断も受けさせてもらえません。
・地域密着型サービスの充実。市独自の補助等。要支援者を対象とした通所介護サービス的
な場の創設。
・事業所の長や管理体制を評価する手段。現場の職員のひとり一人の意見を取り上げる市町
村としての体制。苦しんでいる現場の職員は多い。
・事業所のすべての中味を調べてほしい(書類、定員オーバー、労働時間、休日、残業など)
。
夜勤をしても次の日の夕方から仕事または準夜勤となることが頻繁にある。
- 16 -
・介護や支援を必要とする人の早期発見と対応できる体制づくりにより一層努めてほしい。
「事業所」
(35 件)
・休憩、給料、健診、有休がほしい。重度の利用者ばかり受入れないで人員配置や職員を大
切にしてほしい。
・給料が少しでも上がれば意欲が出て、職場の雰囲気が向上する。無給残業が少なくなれば
よい。
・能力に合った賃金体系。職員教育に力を入れてほしい。退職年齢を明確にしてほしい。
・スタッフが揃っていないと、よい介護ができず、ボランティアなどをもっと活用してほし
い。
・若い人ばかりで教育が行き届いていないと他の人に負担がかかるので、もっと教育体制を
きちんとすべき。
・スタッフ間の知識やモチベーションの格差を無くす努力を(パートと正規での意識・知識
をどう向上させるか)
。事業主は職員の生の声を聞き、よりよい方向へと話し合う場を作る
べき。
「利用者」
(10 件)
・ヘルパーはお手伝いさんではありません。この勘違いに驚いています。
・無理なことを言わないでください。介護拒否をしないでください。職員に危害を加えない
でください。
・利用者の方からは苦情ではなく、要望やアドバイスをどんどん言ってもらいたい。
・ケアマネージャーと話ができる時間を多くとってほしい。
「利用者の家族」
(21 件)
・どうしたら自宅で介護できるかを考えてほしい。少しでも多く面会に来てほしい。
・特養に入居したとたんに家族との関わりが遠のき、受診の付き添い、判断が他人事のよう
に思われている家族がいる。
・家族の分も調理させる利用者の人がいます。
・クレーマーが増えており、対応方法の研修が必要。
- 17 -
平成25年度
社会福祉事業所従事者に関する調査
報告書(概要版)
発行日
平成26年6月
発行者
社会福祉法人 富山県社会福祉協議会
富山県健康・福祉人材センター
(無料職業紹介許可番号16-ムー010005)
〒930-0094 富山市安住町5番21号
富山県総合福祉会館(サンシップとやま)2階
TEL:076-432-6156 FAX:076-432-6532 - 18 -