2013年12月10日 電話勧誘販売業者【(株

News Release 平成25年12月10日
特定商取引法違反の電話勧誘販売業者に対する
業務停止命令(3か月)について
○ 消費者庁は、電話勧誘販売を行っていた株式会社メディカルライフ(東京
都板橋区)に対し、本日、特定商取引法第23条第1項の規定に基づき、平
成25年12月11日から平成26年3月10日までの3か月間、電話勧誘
販売に関する業務の一部(新規勧誘、申込受付及び契約締結)を停止するよ
う命じました。
○
○
認定した違反行為は、勧誘目的不明示、再勧誘、契約書面記載不備及び不
実告知です。
処分の詳細は、別紙のとおりです。
1.株式会社メディカルライフ(以下「本件事業者」という。)は、インターネ
ットで購入した名簿を基に、以前に健康食品を購入していたか、健康食品の
サンプルを頼んでいたことのある消費者を選定し電話をかけ、
「メディカゴー
ルド」等と称する健康食品(以下「本件商品」という。)の電話勧誘販売を行
っていました。
2.認定した違反行為は以下のとおりです。
(1)本件事業者は、消費者に対し、「前に注文したものを送る準備ができた
のでお送りします。」などと電話をかけており、勧誘に先立って、健康食品
の売買契約の締結が勧誘目的であることを告げていませんでした。
(勧誘目的不明示)
(2)本件事業者は、消費者が「その商品はいりません。」、「送ってもらって
も困ります。」と断っているにもかかわらず、その電話で引き続き、あるい
は再度電話をかけるなどして勧誘を行っていました。
(再勧誘)
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(3)本件事業者は、電話で勧誘をし、本件商品の売買契約の締結をした際、
消費者に対し交付している当該売買契約の内容を明らかにする書面に、
「書
面の内容を十分に読むべき旨」を赤枠の中に赤字で記載していませんでし
た。また、クーリング・オフに関する記載事項(解除の効力発生時期及び
解除に伴う損害賠償又は違約金の支払いに関する事項等)など法令で定め
る事項を記載していませんでした。
(契約書面記載不備)
(4)本件事業者は、注文した覚えのない消費者に対して、「注文を受けた記
録もあります。勝手に注文を受けるということもありません。」、
「○○さん
に合わせて作った物です。」、
「おたくは頼んでいますよ。だから商品ができ
あがってきています。」などと、あたかも消費者から以前に商品の申込みを
受けていたかのように、あるいは受注を受けての生産販売であるかのよう
に勧誘し、購入者の判断に影響を及ぼすこととなる重要なものについて不
実のことを告げる行為をしていました。
(不実告知)
【本件に関する御相談窓口】
本件に関する御相談につきましては、消費者庁から権限委任を受けて消
費者庁とともに特定商取引法を担当している経済産業局の消費者相談室で
承ります。お近くの経済産業局まで御相談ください。
北海道経済産業局消費者相談室
電話 011-709-1785
東北経済産業局消費者相談室
022-261-3011
関東経済産業局消費者相談室
048-601-1239
中部経済産業局消費者相談室
052-951-2836
近畿経済産業局消費者相談室
06-6966-6028
中国経済産業局消費者相談室
082-224-5673
四国経済産業局消費者相談室
087-811-8527
九州経済産業局消費者相談室
092-482-5458
沖縄総合事務局経済産業部消費者相談室
098-862-4373
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(別紙)
株式会社メディカルライフに対する行政処分の概要
1.事業者の概要
(1)名
称:株式会社メディカルライフ
(2)代 表 者:代表取締役 横田 幸二郎(よこた こうじろう)
(3)所 在 地:東京都板橋区南町12番9号
(4)資 本 金:100万円
(5)設
立:平成22年10月28日
(6)取 引 類 型:電話勧誘販売
(7)取 扱 商 品:健康食品
商品名「メディカゴールド」、「メディカルテオ」
2.取引の概要
株式会社メディカルライフは、インターネットで購入した名簿を基に、以前
に健康食品を購入していたか、健康食品のサンプルを頼んでいたことのある消
費者を選定し電話をかけ、
「メディカゴールド」等と称する健康食品(以下「本
件商品」という。)の電話勧誘販売を行っていた。
3.行政処分(業務停止命令)の内容
(1)内容
特定商取引に関する法律(以下「法」という。)第2条第3項に規定す
る電話勧誘販売に関する業務のうち、次の業務を停止すること。
ア.電話勧誘販売に係る売買契約の締結について勧誘すること。
イ.電話勧誘販売に係る売買契約の申込みを受けること。
ウ.電話勧誘販売に係る売買契約を締結すること。
(2)停止命令の期間
平成25年12月11日から平成26年3月10日まで(3か月間)
4.命令の原因となる事実
同社は、以下のとおり、法に違反する行為を行っており、電話勧誘販売に係
る取引の公正及び購入者等の利益が著しく害されるおそれがあると認められ
た。
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(1)勧誘目的不明示(法第16条)
同社は、消費者に対し、「前に注文したものを送る準備ができたのでお
送りします。」などと電話をかけており、勧誘に先立って、健康食品の売買
契約の締結が勧誘目的であることを告げていなかった。
(2)再勧誘(法第17条)
同社は、消費者が「その商品はいりません。」、「送ってもらっても困り
ます。」と断っているにもかかわらず、その電話で引き続き、あるいは再度
電話をかけるなどして勧誘を行っていた。
(3)契約書面記載不備(法第19条第 1 項)
同社は、電話で勧誘をし、本件商品の売買契約の締結をした際、消費者
に対し交付している当該売買契約の内容を明らかにする書面に、
「書面の内
容を十分に読むべき旨」を赤枠の中に赤字で記載しておらず、また、クー
リング・オフに関する記載事項(解除の効力発生時期及び解除に伴う損害
賠償又は違約金の支払いに関する事項等)など法令で定める事項を記載し
ていなかった。
(4)不実告知(法第21条第1項第7号)
同社は、注文した覚えのない消費者に対して、「注文を受けた記録もあ
ります。勝手に注文を受けるということもありません。」、
「○○さんに合わ
せて作った物です。」、
「おたくは頼んでいますよ。だから商品ができあがっ
てきています。」などとあたかも消費者から以前に商品の申込みを受けてい
たかのように、あるいは受注を受けての生産販売であるかのように勧誘し、
購入者の判断に影響を及ぼすこととなる重要なものについて不実のことを
告げる行為をしていた。
5.勧誘事例
【事例1】
平成25年7月頃、同社の営業員Zから消費者Aの自宅に電話があり、Aが
電話に出ると、Zは「Aさんのお宅ですか。」と聞いてきた。Aが「はいそう
です。」と答えると、Zは「健康食品ができましたのでお送りします。」と言
った。Aは、健康食品を頼んだ覚えなどがなかったので、「そんなもの頼んで
ないのにどうして送るんですか。」とZに尋ねた。Zは「いや、おたくは頼ん
でいますよ。だから商品ができあがってきています。」、「名前もここにちゃ
んとあります。」と言った。
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また、ZはAの名前だけではなく、住所まで知っているようなことを言って
きた。Aは、「どうして私の名前とか住所が分かるんですか。おたくに教えた
覚えはないですよ。」と聞くと、Zは「5月に申込みがあったので、ここにち
ゃんと名前と住所があります。」と答えた。
さらに、Zは「あとの商品もありますので。」と言い、送られてくる商品が
一回だけではなく、その後何回も送られてくると説明した。Aは、本当にそん
な注文などした覚えがなかったので、何度も「買った覚えがない。」と言うと、
Zは「そしたら5万円のところ2万円引いてあげます。」と言った。Aは、急
に2万円も値引きすることからして話がおかしいと思った。
Zは、その後も注文があったこととして話を進め「いつごろ送ればいいでし
ょうか。」と聞いてきた。Aは、何度も「注文した覚えが全くない。まだ自分
はボケてないつもりなんだけど。」と答えたが、Zは「申込みされてるから商
品ができてます、住所も名前も私の手元にありますのでそれが確実な証拠で
す。」と何度も言ってきた。
Aは、Zが自分の名前や住所を既に知っており、またZが「注文を受けてい
る。」と何度も言ってきたので、もしかして本当に商品を頼んでしまったよう
な気がしてしまい、Zが「月曜日に商品を送ります。」と言ってきたことに、
Aは「とりあえず月曜日に送ってください。」と答えた。その後、Zは「宅配
便の荷物で届きます。」と言い電話を切った。商品は、Zから電話があった数
日後に届いた。
【事例2】
平成25年4月頃、同社の営業員Yから消費者Bの自宅に電話があり、Bが
電話に出ると、Yは「Bさんですか。」と聞いてきた。Bが「そうです。」と
答えると、Yは「Bさんはメディカルライフの商品を注文しております。私は
配送の係の者なので配送の確認をしております。」と言った。
Bは、そんな商品を頼んだ記憶は全くなかったが、過去に別の業者から他の
商品を購入したことがあったので、そのことかと思い「どんな商品ですか。」
と尋ねた。Yは「サプリメント、健康商品になります。」と答えた。Bが更に
「それは幾らですか。」と尋ねると、Yは「25,000円です。」と答えた。
Bは、「そんな高いものを注文したら覚えているはずだから私と違うんじゃな
いか。」と言った。しかし、Yは「注文を受けた記録もあります。勝手に注文
を受けるということもありません。今日は商品を発送する連絡の電話ですの
で。」と言った。
さらに、Yは「この電話は録音しているので、注文を受けてもいないのに送
るようなことは言えないですから。」と言った。Yは、「このサプリメントは
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自分の親類にも飲んでもらっているので悪いものではない。」、「Bさんに合
わせて作った物です。」と説明した。Bは、「そう言われても自分は体調が悪
いところがないから効いたかどうかわからない。ですからその商品はいりませ
ん。」と断ったが、Yは「Bさんは注文されているんです。」と繰り返し言っ
た。Yは「まあ、どなたが飲んでもいいので、例えばBさんの家族が飲んでも
いい。」と言った。Bは、それを聞き、自分に合わせて作ったという言葉と矛
盾していると思った。
Bは更に何度か「やっぱり注文した覚えはないです。」とYに言った。しか
しYは「前に電話したときに注文した。」という言葉を繰り返した。Bは「そ
れはいつだった。」とYに尋ねると、Yは「4月くらいに注文をもらった。」
と答えた。Yは、「この商品は注文を受けてから製造するので買ってもらわな
いと困る。」と言った。Bは、「こっちもそんな商品を注文した記憶もないの
に困る。」と答えたが、その後もYは「買ってもらわないと困る。」と何度も
言った。
そうしたやり取りを数回繰り返した後、Yは「僕ができる範囲で値引きをし
ますから。」と言った。Bは本当に頼んだ記憶はなかったが、押し切られるよ
うに、もう購入しないとどうしようもないと思い、「商品を送ってください。」
と言ってしまった。翌月、商品は着払いの宅配便で届いた。
【事例3】
平成25年6月頃、同社の営業員Xから消費者Cの自宅に電話があった。X
は、Cが電話に出るといきなり、「Cさんが前に注文したものを送る準備がで
きたので送ります。」とCに言った。しかし、Cは何も注文などした覚えがな
く、「注文なんかしていません。」と答えた。するとXは「3月ごろ、注文の
お話をしたじゃないですか。」と言った。Cは、3月は数日間入院しているよ
うな状態で、とても何かを注文するような状況ではなかった。
Cは、注文もしていないのに突然に注文したものを送ると言われ、いったい
それがどんな商品で、幾らのものなのかも分からなかったので「そもそも、そ
れは何ですか。」と尋ねた。Xは、「サプリメントです。」と答えた。さらに、
Cが「サプリメントとは何ですか。」と尋ねた。すると、Xは「体に良いもの
です。」と答えた。Cは、次に値段を尋ねると、Xは「3か月分で3万円ちょ
っとになるけど2万7千円にしますから。」と答えた。Cは、2万7千円は高
いと思い、また、最初からサプリメントなど全く信用していなかったので、ま
すます自分が注文などはしていないと思った。Xは、その後「この住所に商品
を送りますから。」と言ってCの住所を言い始めた。Xは、「これは○○町と
言うのですか。」と尋ねてきたので、Cは「○○町です。」と訂正した。それ
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を聞いてXは、「住所を教えたことは注文したことになります。」と言った。
Cは、Xに住所の読み方を教えただけで注文したことになると言われ、とても
驚き、Cは「送ってもらっても困ります。」と言い、その電話を切った。
その数日後、同社の従業員WからCの自宅に電話があった。Wは、「明日、
注文した商品が届きますから。」と言った。Cは、「本当に注文もしていない
し、必要ありませんので送ってもらっても困ります。」と答えた。すると、W
は「私は配送の者で、営業の担当ではないのだから、そんなこと言われても困
る。」と言った。Cは、Wが営業担当ではないと言ったことに混乱し、たしか
に担当が違うWに言っても駄目だと思い、
「失礼しました。すいませんでした。」
と謝った。そうして、もう商品を受け取ることを断り切れないと思い、商品が
送られてきたら購入することに決めた。翌日、商品が代金引換便で送られて来
た。
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