医薬情報 188 ギャンブル依存(主にパスチロ)は 536 万人! 〞やめられない病気〞「ギャンブル依存症」は、学生であれば 勉強が手に付かず、社会人なら仕事そっちのけになり中途退学、失職、転職、 別居が待ち受けている。社会的信用を失い、家庭や親族から忌み嫌われ、借金 返済のために数千万円という甚大な出費をしてしまいます。当の本人はケロリ としていて、周囲の家族が心身の病気になってしまう・・・・。日本ほどギャ ンブル野放しの国は無いのです。 日本で戦後復興のもとに公営ギャンブルが花盛りとなり、競馬、競輪、競艇、 オートレース、宝くじなどの五つ、現在ではサッカーくじも加わりました。 これら公営ギャンブルは規制が掛けられていますから、設置場所も限定されま すし、TVや新聞広告も控えています。しかし、パチンコ+スロット(パチスロ) は単なる<遊戯>とみなされ、規制が有りません。某新聞社用「特集」の折り込 みには毎日のように新台入替の広告が出ています。そして、公営ギャンブルが 年商計 6 兆円に対して、パチスロ業界は 22 兆円です。だた、坐って眺めている だけでこれだけの金額です。自動車産業や国民総医療費が各々40 兆円ですし、 出版業界はたったの 2 兆円です。しかも、胴元は戦略上コンピューター操作で やりたい放題のために、顧客は 0 2 4 6 8 10 容易に依存症に陥ります。しか も、日本は世界における全台数 の半分に相当し、国民の 20 人 に 1 台です。 昨年の厚労省調査でギャンブ ル依存症数は 536 万人(男性 438 万人、女性 98 万人)と世界のトッ プです。国別依存症は日本男性が 9%で次が米国ラスベガス (男)3.5% です。続いて香港 2.2%です。日本 日本・ 男 ラスベガス・男 香港 シンガポール ノールウェイ マカオ 日本・ 女 南アフリカ スイス スウェーデン 英国・ 女 英国・ 男 カナダ 米国 3.5 9.06 2.2 2.1 1.9 1.8 1.6 1.4 0.8 国別ギャンブル依存症の 0.6 有病率(%) 0.6 0.5 日本:成人 20 人に 1 人 0.5 0.42 (女性)でも 1.6%で英国女性の 0.6%より高い。(図)。多くは借金まぐれで、6 割が 500 万円を超える額で、失 職、離婚話、家出・失踪、自殺・未遂、犯罪・・・に陥りやすくなっています。 業者はターゲットを高齢者に向けようとしています。他の依存症としてアルコ ールは 350 万人ですが減少傾向、覚せい剤は 200 万人と軽度上昇中です。 ギャンブル依存症対策として①借金の尻ぬぐいをしないで、本人自身が弁護 士や司法書士と相談して債務整理させることが大切です。②本人の収入は、家 族が一手に引き受けて管理すること。③本人に渡す小遣いは千円以下を渡して いくこと。④携帯電話で「何時ごろ家に帰る」等の連絡を取らせるなど。⑤や めようとする仲間の集いの会に出席するなどです。 さもなければ・・・ 藤田神経内科 理事長
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