●研究テーマ 成器南小学校 6 年 松村隼生さん 池の植物の多さと水生動物の関係をさぐる 動機 4 年生の時から、 「どんな環境に生き物が多くいるか」というテーマで、池や草原を調査してき た。今年は、池にすむトンボとモリアオガエルにしぼり、植物の多さとの関係をより深く調べよう と思った。 内容 今年は、①池の中の水草をトンボの成虫とヤゴがどのように利用しているのか、②モリアオガ エルの多さと池の周囲の林の大きさに関係はあるのかということについて調べた。その結果、調 べた 2 つの池で、トンボの止まりや飛翔の 76.1% と 93.5% が水草の上で行われた。また、観察 された 81 件の産卵行動の内、1 件を除く 80 件が、水草のある所で行われた。ヤゴは、細かい水草 がある所には小さなイトトンボが、大きなすきまがある水草にはヤンマのような大きなヤゴが多 いというように、すみわけがみられた。 モリアオガエルは、池の周囲が林で囲まれ、中に多くの水草がある池を好むが、その林が 2400 ㎡より狭く、100mほどの幅で周囲の林と分断されている場合には、生息数に影響があると考え られた。 まとめや感想 これまでの僕の研究と参考図書から、生き物が多い池とは、①水草がいっぱい生えていること、 ②いろんな生活形の水草が生えていること、③そのためには、水が透明できれいであること、④周 囲の林が広くて分断されていないこと、⑤大きくなる魚がいないことだということがわかった。 今回の調査で、生き物が多い池はほとんど六呂師高原にあった。勝山市の平泉寺町にも池がた くさんあったが、魚が放され、水草も少なく、生き物はあまり見られなかった。しかも、大きな農 業用のため池が作られ、生き物が多かった小さな池は使われなくなって水がほとんどなくなっ ていた。 このように、気づかないうちに少しずつ、確実に生き物の姿は消えていっている。僕がこれまで 続けてきた研究の中で一番伝えたいことは、気づかないうちに自然を壊している人が多いという ことだ。少しでも早く生き物の悲しい叫びに気づいてほしい。 73 小学校の優秀賞・優良賞 優秀賞
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