文部科学省 先端研究施設共用促進事業 「高強度レーザーが拓く光科学新産業」 ILE Osaka 平成23年度事業報告 大阪大学 レーザーエネルギー学研究センター 産業連携推進室 村上博成 1 事業の趣旨 本研究センターが有する世界有数の高強度レーザー群と分 析・計測技術をあわせた先端研究施設を広く産業界に開放 し、光科学を基盤とした新産業創成を目指す。 開放研究施設 激光XII号レーザーシステム 小型データーベースシステム(DBS) • 極端紫外光DBS • レーザー損傷DBS • レーザーアブレーションDBS • テラヘルツDBS 産業共用施設の紹介 ILE OSAKA レーザー損傷DBS 極端紫外光DBS ■新奇高体力光学素子の開発・評価 ■次世代半導体用波長13.5nmの光源 激光XII号レーザーシステム ■世界最大級のパルスエネルギーレーザー レーザーアブレーションDBS テラヘルツDBS ■高汎用性レーザーアブレーション 光源:真空紫外から中赤外 ■高速・大面積テラヘルツ分光およ びイメージング 共用レーザー施設の特性 104 激光XII号 ILE OSAKA 放射粒子・電磁波エネルギー [J/pulse] 102 100 10-2 レーザー 損傷 10-4 極端紫外光 10-6 10-8 レーザー アブレーション テラヘルツ 10-10 10-2 10-3 THz波 10-4 10-5 10-6 赤外 10-7 可視光 紫外光 10-8 EUV光 10-9 軟X線 あらゆる種類の光を提供可能 10-10 10-11 硬X線 γ線 10-12 波長 [m] 施設利用の種別・各種利用負担料 (1日=8時間) トライアルユースは2回まで利用可能 ↓ 有償利用(成果公開および非公開):2010年度よりスタート 2009年(1件)、2010年(4件)、2011年(5件) 平成23年度 課題選定スケジュール 1.公募(年2回) ・上期公募期間:2011年1月24日~3月18日 ・下期公募期間:2011年7月21日~9月16日 各DBS担当者による技術相談等を実施 2. 課題選定委員会にて採否の決定 ・上期課題選定委員会:2011年4月8日 ・下期課題選定委員会:2011年9月29日 (兼:H22年度分事業の事後評価) プランの妥当性、社会的ニーズ、革新性などについて検討 3. 申請者へ採否の通知 4. 共用促進事業開始 5. 成果報告書提出(2012年4月) トライアルユースおよび有償利用(成果公開)分のみ 平成23年度 課題選定委員会メンバー 委嘱役名 氏名 所属機関名 部署 役職 委員長 佐々木 孝友 大阪大学 光科学センター 特任教授 外部委員 高尾 正敏 大阪大学大学院 外部委員 山崎 啓 外部委員 関西電力株式会社 基礎工学研究科 物質創成専攻 未来物質領域 研究開発室研究推進グループ チーフマネジャー 真柄 卓司 三菱電機先端技術総合研究所 加工制御システム技術部 部長 外部委員 土屋 昇 株式会社NHVコーポレーション エネルギー環境機器事業部 技師長 外部委員 川嶋 利幸 浜松ホトニクス株式会社 開発部 大出力レーザー開発部 主任部員 外部委員 山口 浩司 住友電気工業株式会社 自動車技術研究所 グループ長 内部委員 斗内 政吉 大阪大学 レーザー研 教授 内部委員 疇地 宏 大阪大学 レーザー研 センター長・教授 内部委員 西村 博明 大阪大学 レーザー研 教授 内部委員 實野 孝久 大阪大学 レーザー研 特任教授 内部委員 猿倉 信彦 大阪大学 レーザー研 教授 内部委員 村上 博成 大阪大学 レーザー研 准教授 内部委員 山本 卓 大阪大学 レーザー研 客員教授 外部委員7名+内部委員7名 特任教授 平成23年度共用促進課題 実施企業 研究課題名 ILE OSAKA 利用施設 利用形態 1 重工業 微小デブリ生成メカニズムに関する激光XII号を利用した研究 2 光科学機器会社 激光XII号を用いたCD固体の爆縮効率の評価 3 研究企業 PLD膜の成膜均一化技術の開発 4 研究企業 ピコ秒レーザーアブレーション技術の開発 5 産業機器製作所 レーザー生成6.7nm光源の高効率化に向けた基礎実験 有償利用 (成果非公開) 6 産業機器製作所 レーザープラズマEUV光源における変換効率の改善 有償利用 (成果非公開) 7 通信関連機器会社 KTP結晶を利用した非臨界疑似移送整合差周波発生によるTHz光源の設計 トライアルユース 8 通信機器会社 ZnO結晶を用いた中赤外画像計測技術の開発 トライアルユース 9 光学結晶会社 10 結晶技術研究会社 超高品質・高精度サファイアミラーの特性評価 11 光学薄膜加工 高耐力多膜開発 12 科学機器製造販売 光学多層膜のレーザー耐性評価と高耐力化 トライアルユース GXII トライアルユース 有償利用 (成果公開) EUV-DBS Nd3+:LuLiF4結晶を利用した真空紫外レーザー材料及び中性子シンチレータの光学特性評価 有償利用 (成果非公開) LA-DBS トライアルユース トライアルユース 有償利用 (成果公開) トライアルユース LD-DBS 13 通信電気機器会社 光学材料(スピネル)のレーザー耐久試験 トライアルユース 14 光学硝子会社 各種ガラスのレーザー損傷耐力の測定 トライアルユース 15 紡績関係会社 テラヘルツ分光測定に適してサンプル固定樹脂基板の選定 トライアルユース 16 科学機器製造会社 テラヘルツ2次標準開発のためのテラヘルツ時間領域分光法分解能の検討 17 印刷関連会社 テラヘルツ波の紙水分センサー応用に向けた基礎研究 THz-DBS トライアルユース トライアルユース 平成23年度 共用時間 激光XII号レーザーシステム 38ショット(計画38ショット) 極端紫外光DBS 242時間(計画240時間) レーザー損傷DBS 250時間(計画240時間) レーザーアブレーションDBS 240時間(計画240時間) テラヘルツDBS 240時間(計画240時間) 文部科学省 先端研究施設共用促進事業 先端研究施設共用促進事業・六大学連携シンポジウム ~復興と新生のための科学技術支援と産学官連携促進~ 開催日:平成24 年1 月18 日(水) 開催場所:名古屋大学(野依会館) 参加大学:名古屋大学、京都大学、東北大学、 名古屋工業大学、東京理科大学、大阪大学 基調講演: 文部科学省研究振興局基盤研究課 柿田 恭良課長 「科学技術イノベーション政策の展開と研究開発プラットフォームの形成について」 東北大学エネルギー安全科学国際センター 庄子 哲雄教授 「震災からの復興に向けて- 長期展望に立った東北地区の問題と産学連携-」 文科省研究振興局基盤研究課長 柿田 恭良氏 シンポジウム会場の様子 利用成果 成果例 ILE Osaka テラヘルツ時間領域分光装置の製品化への貢献 ○課題名 「テラヘルツ分光を用いた生体物質のスペクトル測定」 大塚電子(株) 先端研究施設における測定データと企業で開発中の小型テラヘルツ分光器 によるデータの比較評価を行い、開発中の分光器の性能妥当性を確認した。 その結果、高性能の小型テラヘルツ分光器の市場投入につながった。 成果例 テラヘルツ分光器 TR-1000 超大型回折格子の高耐力化技術の開発 ○課題名 「イオンアシスト蒸着偏光子薄膜の高耐力化」 ㈲ 岡本光学加工所 企業側が新規導入したイオンアシスト蒸着装置を用いて製作した多層誘電体薄 【期待される経済効果、雇用創出効果等の社会的インパクト】 膜のレーザー耐力を評価。最適成膜パラメータ、クリーニング法の効果、レーザー 利用成果例 中性子計測装置の製品化検討へ進展 コンディショニングによる損傷耐力回復効果を明らかにし、光学素子の製造と処 理技術に関わる重要な知見を得た。世界各国の大出力レーザー機関との商談、 ○課題名 「超高速飛翔流体加速の研究」 (浜松ホトニクス(株) ) 引合につながった。 ○課題名 「中性子高速シンチレータ材料の性能評価」 ((株)トクヤマ ) 写真、図等を添付 高精度誘電体回折格子 (世界最大) 利用成果 ILE Osaka 企業が事業上必要とする 基礎データの取得が成果の大部分 成果例 レチクル ステージ 新製品設計の基礎データ 照明光学系 課題名 「レーザープラズマEUV光源における変換効率の改善」 株式会社小松製作所 レーザー プラズマ @13.5nm 投影光学系 Siウェハ レーザープラズマ EUV光源 ウェハ ステージ 次世代半導体用光源 成果例 新素材シンチレーターを使用した中性子ディテクターの開発 課題名 「高速中性子ディテクターの開発」 波長13.5nmの次世代半導体用光源 浜松ホトニクス株式会社 散乱中性子計測は、世界のレーザー核融合研究や中性子の産業利用におけ る有用なモニター装置として、実現が期待されていた。散乱中性子の計測に 不可欠な高速応答かつ高感度なシンチレーター素材の開発に成功。 激光XII号を使った中性子生成実験において、新素材シンチレーターの 実特性評価を行い、その有用性が確認され、研究機関との商談につながった。 写真、図等を添付 新素材シンチレーターを用いた中性子検出器
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