すそ野広げる初の州・県提携 すそ野広げる初の州・県提携 日本庭園や

すそ野広げる初の州・県提携
日本庭園や花火大会が彩る 20 年の歩み
オーストラリアの各州のうち、タスマニアを除く5つの州は、いずれも日本の都府県
と姉妹提携を結んでいる。
ニューサウスウェールズ州は東京都、ビクトリア州は愛知県、クイーンズランド州は
大阪府と埼玉県、南オーストラリア州は 岡山県、西オーストラリア州は兵庫県がそれ
ぞれ提携先だ。
このうち最初に締結されたのが、ビクトリア州と愛知県との友好提携。今年はちょう
ど 20 周年の節目の年、県知事らが来豪し、多方面にわたる長年の交流の 成果を称え
る記念行事が行われた。
ビクトリア州のメルボルン動物園内には本格的な日本庭園があり、動物園を訪れた
人々の目を楽しませ、静寂な憩いの場を提供している。この庭園は1990年、愛知
県との友好提携 10 周年を記念し、同県の名勝をイメージしてビクトリア州政府が建造
したもので、両者間に培われた友好と相互理解の深い絆のシンボルになっている。
愛知県とビクトリア州との友好提携の調印式が行われたのは、今から 20 年前の 80 年 5
月 2 日。その前の年に当時の仲谷愛知県知事が豪州を訪問した際、ビクトリア州のト
ンプソン副首相との懇談の席上、友好提携が話題に上ったが、翌 80 年 2 月にはヘイマ
ン州首相から正式な申し入れがあり、これを県側も快諾して、わずか半年余りで調印
の運びとなった。
愛知県がビクトリア州に白羽の矢を立てた理由としては、ともに製造業の分野におい
て、それぞれの国で中心的役割を果していること、トヨタをはじめとする愛知県企業
数社が同州に進出していて経済交流があったことなどが挙げられる。
海外との友好提携は、これが愛知県にとって初めてのケースだったが、ビクトリア州
は既に中国の江蘇省と友好提携を結んでいた。その縁から、愛知県は同年 7 月、同省
とも友好提携を樹立、これにより愛知県・ビクトリア州・江蘇省の三角提携が実現し、
太平洋を南北に貫いて、交流のネットワークが大きく膨らんだ。青年親善使節団の派
遣などの交流事業は以前から行われていたが、州・県友好提携が調印されてからは、
州首相・県知事の相互訪問、職員や教員の相互派遣、行政課題に関する調査研究協力
など、多彩な交流が活発に展開されるようになった。
友好提携 5 年目の 85 年は、ビクトリア州への移民開始150周年に当たる年で、その
記念イベントの一つとして「三河花火大会」が盛大に催された。大音響とともにメル
ボルンの夜空に次々開く鮮やかな大輪の花火の迫力は、15 年経った今も人々の語り草
になっている。10 周年の際には、冒頭に述べた日本庭園の建設に当たり、愛知県から
県特産品である石燈籠が寄贈されたほか、州立図書館には日本文化理解のための図書
が贈られた。 一方、愛知県では、西加茂郡藤岡町の愛知県緑化センター内にオースト
ラリア庭園が完成し、州総督夫妻を迎えて開園式が行われた。
県と州との提携を軸に、交流の裾野も年々広がっている。これまでに愛知県下の市と
ビクトリア州内の自治体と間の提携が3件成立(大府市とポート・フィリップ、安城
市とホブソンズ・ベイ、知立市とウィンダム)、姉妹校提携は 25 件を数え、12 社の愛
知県企業がビクトリア州に進出している。愛知県の小学生がビクトリア州を訪問し、
ホームステイや現地校体験入学を経験する「国際親善子ども大使派遣プログラム」も
ある。小学生を対象とした海外派遣事業は珍しく、先駆的な試みだ。
20 周年を迎えた今年は、神田県知事夫妻、浜田県議会議長夫妻らが 8 月初めに来豪し、
ビクトリア州で温かい歓迎を受けた。ともに 40 歳代の若いリーダーであるブラックス
同州首相と神田知事は、長年にわたる交流の成果を称え合い、間近に迫った 21 世紀に
おいても、あらゆる分野を通じて、さらに活発な友好交流を展開していくことを約束
したところである。