ヒューマンメディア工学 Human Media Engineering 感性 Kansei 感性の工学的なモデル化 物理・生理レベルの感性 時間数の関係で、 実験1~8の仕組みを詳しく説明できません。 次の「付録」を参考にしてください。 講義としては「画像処理システム論」で 詳しく学ぶ・演習します。 加藤 俊一 Toshi KATO 視覚のモデル(感性工学) 知覚過程での感性(認識・理解) 眼球 網膜 何をどのように表現するか 感性の各過程での階層性 階層間の対応関係と相互作用 視細胞の分布 何をどのように認識するか 創出過程での感性(表出・働き掛け) 視覚系の構造と機能 黄斑10°中心窩5°注視点1°20′ 視覚系の構造と機能 視野の中心、最も視力が高い 眼球 視神経(軸索) 視交叉 脳 外側膝状体LGN 視覚領 視覚野V1~V5 1 人間は何を感じているのか? 「光」の「明るさ」 「光」の「色」 光の3原色 [復習1] 感性と知覚 テストチャートを見て回答してください。 最も明るい帯は、左から何番目? ピンク色の影があるのは、左から何番目まで? 緑色の影があるのは、左から何番目まで? 色のない帯はある?(どれ?) Chro maticity Magenta gray Green Position [復習2] 明るさに関する錯視 テストパターンを見て回答してください。 どんな「模様」が見えますか? マッハバンド ハーマングリッド 2 明るさの知覚 人間の視覚系(感覚系)には わずかな刺激強度(明るさ)の変化を 強調して知覚するための仕組みがある。 (→側抑制 (詳しくは次回)) [参考] 明るさの知覚 Weberの法則 側抑制(明るさに対する対比) 側抑制 On-center型: 正刺激(明)に対する反応 Off-center型: 負刺激(暗)に対する反応 刺激の微小変化を検出する仕組み - + + - [復習3] 色彩の知覚 知覚できる刺激の変化量ΔIは 刺激の強さIに比例する。 ΔI = k I テストパターンを見て回答してください。 イラストがボケて見えるのは、どっち? Weber-Fechnerの法則 知覚される明るさの感覚量Eと 刺激の強さIは 対数に比例する。 E = K log I + C 色彩の知覚 桿体(杆体) 細胞 広い波長帯にわたって明るさに反応 細胞数が最も多い。 錐体細胞: L錐体、M錐体、S錐体 3つの波長域をカバー(重なり) 「光」(物理現象)と「色」(心理現象) 光の三原色 R(赤)、G(緑)、B(青) カラーテレビ 3 色彩の知覚 L, M, S錐体の 分布密度の違い 明度差・色差に対する感度の違い 40:20:1 (?) S(青)に対する 感度が弱いのは? 屈折率? 水中? 色彩の知覚 色彩の知覚 人間の視覚系(感覚系)には 色彩の対比を 強調して知覚するための仕組みがある。 わずかな色彩の違いを 同一化して知覚するための仕組みがある。 (→側抑制) 側抑制(色彩に対する対比) 色彩に対する側抑制 G- R- R+ G+ Y-B On-center G+ R+ R- G- B-Y Off-center [復習4] 色彩の知覚 赤と紫が「近い」のは? 黄色が「明るい」のは? 4 光と波長と色 光と波長(物理量) [復習5] 明るさに対する順応 テストパターンを見つめていると 何が見えてくるか? 光と波長と色 波長と3種類の錐体細胞 [復習5] 明るさに対する順応 このシーンでは? 1. 2. 3. 4. 5. オジサンが立っていたのは何の前? オジサンは何をしようとしている? オジサンの服装は? オジサンの帽子の模様は? オジサンのかけてたメガネは? 5 明暗順応 環境光(刺激強度)が急に変わると、 順応機構の必要性 →暗: 暗くて何も見えない。 →明: 明るすぎて何も見えない。 ある時間が経過すると、 知覚(=コントラストの違いを検出) できるようになる。 →暗: 数分~数十分 →明: 数秒~数分 順応(明暗順応) 刺激が弱い(暗い)ときには S字型の応答特性曲線を 左にシフトさせる。 ある定常状態では、 受容できる刺激強度 (ダイナミックレンジ)が 限られる。 Weber-Fechner則 「感度は刺激強度の 対数に比例」は、 中間のレンジに対して 成り立つ。 明暗順応 刺激が強い(明るい)ときには S字型の応答特性曲線を 右にシフトさせる。 V 傾きの大きなところで 識別能力が良い V= 暗さに目がなれる I src Isrc + σ 明るさに目がなれる i = log I src 刺激強度に対する 電位応答 [復習6] 色に対する順応 テストパターンを見つめていると それぞれの色は、どう感じられるか? [復習6] 色に対する順応 それぞれの「色」は? 1. 2. 3. 4. 5. 正面の壁 ダイニングテーブルのマット ダイニングチェアの背もたれ&座布団 カジュアルチェアの背もたれ 床(絨毯) 6 順応(色順応) 照明(環境光)の変化によって知覚される色が 大幅に変化しない(=色恒常性)ように、 色の感じ方を調節する仕組み。 白熱灯+昼光用フィルム [復習7 復習7] 感性のマルチモーダル性 テストパターンを 見て・聴いて、回答してください。 人間に知覚される色 [復習7 復習7] この人は何と言ってる? ヒアリングのテスト φ(?_?)e 最初のテストパターン よく見て よく聴いて 選択肢: /da/ /ba/ /ga/ /それ以外/ 7 [復習7 復習7] この人は何と言ってる? 2番目のテストパターン 目を閉じて よく聴いて 選択肢: /da/ /ba/ /ga/ /それ以外/ [補足] McGurk効果 聴覚刺激 /ba/ 視覚刺激 /ga/ 両者を同時に知覚すると 聞いていないはずの音 /da/ を感じる! (成人の98%以上) [復習7 復習7] この人は何と言ってる? 3番目のテストパターン よく見て 耳をふさいで 選択肢: /da/ /ba/ /ga/ /それ以外/ [復習8] 感性と知覚 テストチャートを凝視して回答してください。 どんなパターンが見えましたか? 8 本日の参考書 入力刺激 t = 1 長尾、安西、橋本 「マルチメディア情報学の基礎」〔岩波〕 t = 1.5 第1章 人間と情報 第2章 マルチメディアシステムの形成 第4章 マルチメディアと感性情報処理 (財)イメージ情報科学研究所 「ヒューマンメディアの調査研究報告書」 〔→非売品、加藤のところにあります〕 t = 4 t = 3 t = 2 [講義資料]ヒューマンメディア [講義資料]ヒューマンメディア (財)マルチメディア振興協会 「マルチメディア白書」 本年度の資料 http://www.indsys.chuo-u.ac.jp/~kato/HM06/ 昨年度までの資料 http://www.indsys.chuo-u.ac.jp/~kato/HM05/ http://www.indsys.chuo-u.ac.jp/~kato/HM04/ http://www.indsys.chuo-u.ac.jp/~kato/HM03/ http://www.indsys.chuo-u.ac.jp/~kato/HM02/ http://www.indsys.chuo-u.ac.jp/~kato/HM01/ http://www.indsys.chuo-u.ac.jp/~kato/HM00/ [講義資料]画像処理システム論 [講義資料]画像処理システム論 本年度の資料 http://www.indsys.chuo-u.ac.jp/~kato/IPS06/ 昨年度までの資料 http://www.indsys.chuo-u.ac.jp/~kato/IPS05/ http://www.indsys.chuo-u.ac.jp/~kato/IPS04/ など など 今年から、みなさんのレポートも アップ・公開しようかと考えています。。。 9
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