京都大学経営管理大学院 導入講義「経営学」 マーケティング 京都大学経営管理大学院 京都大学大学院経済学研究科 教授 若林靖永 [email protected] Yasunaga Wakabayashi, 2006 1 若林靖永 プロフィール 京都大学経営管理大学院 教授 京都大学大学院経済学研究科 教授 マーケティング・流通・商業 顧客志向を実現するマーケティング組 織についての研究をすすめる 商業学会理事、流通学会理事、商品開 発・管理学会理事、広告学会、マーケティ ング協会、インストア・マーケティング協会、 NPO学会、CIEC副会長、American Marketing Association 京都市伝統産業活性化推進審議会計 画検討部会部会長(2005-)、京都市商業 ビジョン推進委員会委員長(2004-)、京都 府消費者保護審議会ほか メール [email protected] Yasunaga Wakabayashi, 2006 2 1 技術(ハード)とマーケティング(ソフト) 商品開発=価値の創造 使用価値 ︵ ソフト↓生活 情報 発 信 情報 発 信 ︶ TPO 品質価値︵ ハード↓品質・ 機能 売 場 ) •品質価値:商品を構成する原材料、素材、品質、機能などのハード面の価値 •使用価値:どのように商品を使用すればよいかというソフト面の価値 Yasunaga Wakabayashi, 2006 商品開発の実際 高谷和夫 日本経済新聞社 3 成功モデルが変わった • どうやってモノをつくるか – 高品質 Q • QCサークルをふくむ全社 的品質管理(TQC) – 低コスト C • 原価企画 – 短納期 D • どういうモノをつくる か – – – – 新商品開発 コミュニケーション 顧客との関係性 ブランド • トヨタ生産方式 Yasunaga Wakabayashi, 2006 4 2 マーケティングに近いもの • • • • • • • • 販売・営業 広告キャンペーン 販売促進 販売チャネル 価格設定 市場調査 製品開発 企画 マーケティング の一部であっ ても マーケティング そのものでは ない Yasunaga Wakabayashi, 2006 5 マーケティングの3課題 顧客志向=顧客満足=顧客ニーズ 収益志向=長期収益性・差別化=ブランド 統合・調整=職能・部門・企業間=全体最適化 Yasunaga Wakabayashi, 2006 6 3 ニーズ 欲求 需要 プロダクト 中心となるマーケティング・ コンセプト 市 場 交 換 取 引 リレーショシップ ネットワーク 顧客 価値 顧客 満足 『コトラーのマーケティング・マネジメント』 Yasunaga Wakabayashi, 2006 7 ニーズ・ウォンツ・プロダクト • ニーズ needs 欠乏状態 • ウォンツ 欲求 wants 特定のものへの欲求 • ディマンド 需要 購入可能 • プロダクトはニーズ・ウォンツを満足させる • プロダクトは属性の束である • さまざまなウォンツ・プロダクトが同一のニーズを基本的 に満たす – 「マーケティング近視眼」の教訓 – 模倣されない独自の技術が収益力の基礎 • 同一のプロダクトが複数のニーズを満たす – 人によって同じプロダクトであっても求めるものが異なる – 標準化・集中の利益を探求するのが収益力の基礎 Yasunaga Wakabayashi, 2006 8 4 マーケティングにとっての「プロダクト」 プロダクト:ニーズ・ウォンツを満足させる何か • 有形財 • サービス • 財とサービスの混合物 • 経験 • イベント • 人 • 場所 • 資産(不動産や金融資産 の所有権) • 組織 • 情報 • アイデア 9 Yasunaga Wakabayashi, 2006 マーケティングの定義 • 「マーケティングとは、製品と価値を生み出 して他者と交換することによって、個人や 団体が必要なものや欲しいものを手に入 れるために利用する社会上・経営上のプロ セスである」 • 社会的定義と経営的定義 『コトラーのマーケティング・マネジメント』 Yasunaga Wakabayashi, 2006 10 5 マーケティング・マネジメント理念 • 生産コンセプト – 効率志向 • 製品コンセプト – 品質・技術志向 「近視眼的マーケティング」 • 販売コンセプト – 売り込み・プロモーション • マーケティング・コンセプト – 標的市場 顧客ニーズ 統合型マーケティング 収益性 • ソサイエタル・マーケティング・コンセプト – 社会利益と買手と売手の利益のバランス 11 Yasunaga Wakabayashi, 2006 STP+4P • STP – 市場細分化(segmentation) – 標的市場の設定(targeting) – ポジショニング(positioning) • 4P – – – – 製品(product) 価格(price) コミュニケーション(promotion) 流通チャネル(place) Yasunaga Wakabayashi, 2006 12 6
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