6, 7 テイラーの定理,テイラー展開

微分積分 1 演習資料 No. 6
担当:松田 晴英
6, 7 テイラーの定理,テイラー展開
関数 f (x) が何回でも微分可能のとき,f (x) は無限回微分可能であるという.関数 f (x)
が 2 点 a,x を含む区間で無限回微分可能のとき,f (x) にテイラーの定理を用いると,次
式が得られる.
n
X
f (k) (a)
f (x) =
(x − a)k + Rn+1 (x)
k!
k=0
この式において,n → ∞ のとき,Rn+1 (x) → 0 であるならば,f (x) は下に述べるような
無限級数で表される.この無限級数を f (x) の a を中心としたテイラー展開という.
¶
³
テイラー展開
関数 f (x) が a を含むある区間で無限回微分可能とする. Rn+1 (x) → 0 となる x に対
して,f (x) は次のように無限級数で表すことができる.
f (x) =
∞
X
f (n) (a)
n!
n=0
(x − a)n
µ
´
特に a = 0 のとき, この無限級数をマクローリン展開という.
¶
³
マクローリン展開
関数 f (x) が 0 を含むある区間で無限回微分可能とする. Rn+1 (x) → 0 となる x に対
して,f (x) は次のように無限級数で表すことができる.
f (x) =
∞
X
f (n) (0)
n=0
µ
n!
xn
´
問 7.1 次の関数のマクローリン展開を求めよ.
(1) ex
(2) cos x
1
例 7.1 次の関数のマクローリン展開を求めよ.
1
(1) e2x
(2)
1 + x2
(解) (1) f (X) = eX , X = 2x とおき,f (X) のマクローリン展開を求めると,
∞
X
1 n
X X2 X3
Xn
X =1+
+
+
+ ··· +
+ ···
e =
n!
1!
2!
3!
n!
n=0
X
これに X = 2x を代入して,
e2x =
∞
X
1
2x
(2x)2 (2x)3
(2x)n
(2x)n = 1 + x +
+
+ ··· +
+ ···
n!
1!
2!
3!
n!
n=0
[別解] f (x) = e2x とおくと,f (n) (x) = 2n e2x , f (n) (0) = 2n だから,
e2x = 1 +
(2) f (X) =
2
22
23
2n
x + x2 + x3 + · · · + xn + · · ·
1!
2!
3!
n!
1
, X = x2 とおき,f (X) のマクローリン展開を求めると,
1+X
1
= 1 − X + X 2 − · · · + (−1)n X n + · · ·
1+X
(−1 < X < 1)
これに X = x2 を代入して,
1
= 1 − x2 + x4 − · · · + (−1)n x2n + · · ·
1 + x2
(−1 < x < 1)
問 7.2 次の関数のマクローリン展開を求めよ.
(1) cos 2x
(2) log(1 + 3x)
√
1 + x のマクローリン展開を求めよ.
1 · 3 · · · (2n − 3) n
x x2
−
+ · · · + (−1)n−1
x + · · · (|x| < 1)
2
8
2n n!
2
復習問題の答:1 +
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