※ マニフェスト制度は、排出事業者が産業廃棄物の処理を委託する際に、受託者である 産業廃棄物処理業者に対して、マニフェストを交付し、処理終了後に受託者からその 旨を記載したマニフェストの写しの送付を受けることにより、委託契約どおりに産業 廃棄物が処理されたことを確認し、適正な処理を確保する制度です。 より一層理解を深めていただくため、(社)神奈川県産業廃棄物協会(第58号の「か ながわ産廃」においてこのQ&Aを特集されています)のご協力を得てQ&Aとして 紹介します。 2 マニフェスト発行適否関連事項 廃棄物の種類、車両の台数、テナント等との関連でどのような条件の場合、マニフェスト を発行したらよいかといった事例を集約したものです。 Q10:マニフェストは産業廃棄物の種類ごとに交付しないといけないのか。 A:マニフェストは、種類ごと、行き先(処分事業場)ごとに交付しないといけませ ん。ただし、シュレッダーダストのように、廃棄物の発生段階において何種類か の産業廃棄物の不可分の混合物ができた場合は、廃棄物の種類をシュレッダーダ ストと記入して交付することが可能です。 Q11:産業廃棄物をリサイクルするために再生業者に委託しているが、この場合でもマ ニフェストを使用しなければならないか。 A:たとえ、リサイクルされるものであっても、産業廃棄物に変わりはありませんの で、マニフェストを使用する必要があります。有価物あるいは、専ら再生利用の 目的となる産業廃棄物(古紙、くず鉄(古銅を含む) 、あきびん類、古繊維)を専 門に取り扱っている業者に引渡す場合は、マニフェストは必要ないとされていま す。 Q12:自社で中間処理し、最終処分だけを委託する場合、マニフェストを使用する必要 はあるか。 A:マニフェストを使用しなくてはなりません。マニフェストの排出業者欄に貴社を 記入し、最終処分を委託した産業廃棄物が最終的に適正に処理されたのかどうか を確認する義務があります。 Q13:ごく少量の、例えばプラスチック袋1枚程度の廃棄物であっても、マニフェスト を交付しなければならないのか。 A:たとえ、少量でもマニフェストが必要です。法では、量の如何にかかわらず、す べての産業廃棄物の処理を委託する際に交付することになっています。 Q14:排出事業場から処分場まで、同一の車両で何回も運搬する場合、マニフェストは、 まとめて一枚でよいか。 A:産業廃棄物を受託者に引渡す際に交付することとなっていますので、まとめて一 枚ではなく、種類ごとに回数分必要です。 Q15:排出事業場から処分場まで、複数の車両で同時に運搬する場合マニフェストは一 枚でよいか。 A:運搬受託者が複数の運搬車を用いて運搬する場合には、運搬車ごとにマニフェス トを交付することが必要となりますが、複数の運搬車に対して同時に同一産業廃 棄物が引渡され、かつ、運搬先が同一である場合には、これを1回の引渡しとし てマニフェストを交付して差し支えありません。 Q16:廃棄物を一旦自社の集積場まで排出事業者が運搬し、その後、収集運搬業者が運 搬する場合はマニフェストの種類は積替用になるか。 A:集積場が排出事業場となりますので、直行用となります。 Q17:産業廃棄物が2品目以上の場合、積替保管場所において選別し、それぞれの処分 業者へ運搬する場合のマニフェストの取扱いはどうすればよいか。 A:産業廃棄物の種類ごと、処分先ごとにマニフェストを交付してください。 Q18:収集・運搬車を使わずに、いきなり船に産業廃棄物を1,000トン積み、目的 港に着いて荷を下ろしてから、100台の車に積む予定であるが、この際マニフ ェストは何枚必要か。 A:産業廃棄物の排出源が1ヶ所で種類も一種類で排出も1回なのでマニフェストは 1枚使用して下さい。ただし、仮に1,000トンのうち500トン500トン を別の場所に運ぶ場合は2枚、1,000トンが1トンずつ別々のところに行く 場合は1,000枚使って下さい。今回は船の場合でしたが、排出事業者が車を 使って排出する場合は車の台数分お使い下さい。 (出典:INDUST) Q19:ビルの管理者(メンテナンス業者)等が当該ビルのテナントの産業廃棄物を集荷 し、収集運搬業に産業廃棄物を引き渡す場合、マニフェストは誰が交付するのか。 また、小規模の店舗が集合している繁華街等の産業廃棄物を収集運搬業者が収集 する場合にも、1店舗毎にマニフェストを交付しなければならないか。 A:産業廃棄物の管理や引渡しを行っているビルの管理者(メンテナンス業者)が交 付します。その場合、あらかじめ、ビルの管理者とテナントの間でそうしたルー ルや相互の関係を明記した規約等を定めておく必要があります。この場合でも、 あくまで排出事業者はテナントですから、処理業者との委託契約はテナントが自 分の名義で締結しておくことが必要です。 (委託契約は、排出事業者毎に締結せず、まとめて一本で行ってもよいです。一 個の契約であっても、排出事業者は一覧表で全て記載し、代表印を捺印しておく ものとします。 ) 参考:運用通知 環廃産第 116 号 第 1・2(1)② 例えば農業協同組合、農業用廃プラスチック類の適正な処理の確保を目的とした協議会又は当 協議会を構成する市町村が農業者の排出する廃プラスチック類の集荷場所を提供する場合、ビル の管理者等が当該ビルの賃借人の産業廃棄物の集荷場所を提供する場合、自動車のディーラーが 顧客である事業者の排出した使用済み自動車の集荷場所を提供する場合のように、産業廃棄物を 運搬受託者に引き渡すまでの集荷場所を事業者に提供しているという実態がある場合であって、 当該産業廃棄物が適正に回収・処理されるシステムが確立している場合には、事業者の依頼を受 けて、当該集荷場所の提供者が自らの名義において管理票の交付等の事務を行っても差し支えな いこと。 なお、この場合においても、処理責任は個々の事業者にあり、産業廃棄物の処理に係る委託 契約は、事業者の名義において別途行わなければならないこと。 (下線は事務局) Q20:一般廃棄物と産業廃棄物の区分の難しいものについてマニフェストの使用は必要 か。 A:事業者の排出した廃棄物が産業廃棄物として処理される場合には、マニフェスト を交付することとなります。 Q21:中間処理後の最終処分の場所が複数の場合に、排出事業者は最終処分地の数だけ マニフェストを作成するのか。 A:1枚のマニフェストに複数の最終処分地を記載して下さい。 排出事業者は、中間処理業者に処理を委託する場合には、委託する中間処理業者ごと、委託す る産業廃棄物の種類ごとにマニフェストを交付しなければなりません。中間処理後の最終処分地 が複数となる場合には、「最終処分の場所」欄に複数の最終処分地を記載したマニフェストを作 成することになります。この場合に、スペースの関係で記載しきれない場合には、「委託契約書 記載のとおり」とすることができますし、最終処分地ごとに分けてマニフェストを作成すること も可能です。 下図の例では、「排出事業者①」は「中間処理業者 a」に対して「最終処分の場所」欄に「最 終処分地ア・イ・ウ」と記載した 1 次マニフェストを交付することになります。 なお、 「中間処理業者 a」が「最終処分業者」に交付する 2 次マニフェストは、最終処分業者 ごとに 3 枚必要になります。 <1次マニフェスト> <2次マニフェスト> 排出元① 中間処理a 最終処分(埋立)ア 最終処分(埋立)イ 最終処分(埋立)ウ 記入方法 「最終処分の場所」欄 「中間処理産業廃棄物」欄 最終処分場ア 1次マニフェスト 最終処分場イ 最終処分場ウ 2次マニフェスト ア、イ、ウにそれぞれ発行 排出業者①の名称 マニフェスト番号 (出典 栃木県廃棄物対策室資料加筆) Q22:複数の排出事業者から受け入れた産業廃棄物を中間処理した後の産業廃棄物又は 再生品は、排出元が識別できない状態となるが、最終処分の確認とマニフェスト の取扱いはどのように行うのか。 A:帳簿、2次マニフェストヘの記載によって、確認して下さい。 中間処理業者は、中間処理後の産業廃棄物について最終処分が終了した旨の管理票2E 票の送 付を受けたときは、 排出事業者から交付された管理票1E票に最終処分が終了した旨を記載して 排出事業者に送付しなければなりません。 下の例では、 「中間処理業者a」は、 「最終処分業者ア・イ・ウ」の全てから2次マニフェスト の「D票(処分業者→排出事業者) 」及び「E票(処分業者→排出事業者)」の送付を受けた後に、 「排出事業者①・②・③」のそれぞれに 1 次マニフェストの「E票(処分業者→排出事業者)」 を送付することになります。 「中間処理業者 a」は、「最終処分業者ア・イ・ウ」に交付する2次マニフェストの中間処理 産業廃棄物」欄には、1次マニフェストの交付者「排出事業者①・②・③」の名称とマニフェス ト番号を記載しなければなりません。これによって、受け入れた産業廃棄物がどこに運ばれるの か、その流れを管理することになります。 保管施設で複数の排出事業者の廃棄物が混同してしまうような場合など、 「排出事業者」と「最 終処分の場所」との関係を明確に区分できない場合には、全ての「最終処分」が終了した後に「E 票」を戻すことになります。 <1次マニフェスト> <2次マニフェスト> 中間処理 a 排出元① 最終処分(埋立)ア 排出元② 最終処分(埋立)イ 排出元③ 最終処分(再生)ウ (出典:栃木県廃棄物対策室資料) Q23:複数の中間処理を経た後に最終処分されるような場合の取扱いはどうなるか。 A:最終処分の終了後に、マニフェストの「E票」を順次送付することによって、も ともとの排出事業者が最終処分の終了を確認できるようにします。 下図の例では、 「最終処分業者ア」から送付される 3 次マニフェストの「D・E票」によって、 「中間処理業者b」は最終処分の終了を確認し、その後、「中間処理業者 a」に 2 次マニフェス トの「E票」を送付します。 それを受けて、「中間処理業者 a」は 1 次マニフェストの「E票」に必要事項を記載して「排出 事業者①」に送付することになります。 この場合、1 次マニフェストの「最終処分の場所」欄には「中間処理施設 a」 と「最終処分 場ア」を記載し、2次マニフェストの「中間処理産業廃棄物」欄には「排出事業者①」の名称及 びマニフェスト番号、「最終処分の場所」欄には「最終処分場ア」を記載することになります。 さらに、3 次マニフェストの「中間処理産業廃棄物」欄には「中間処理業者 a」の名称およびマ ニフェスト番号、「最終処分の場所」欄には「最終処分場ア」を記載することになります。 <1 次マニフェスト> 排出元① <2 次マニフェスト> 中間処理(破砕)a <3 次マニフェスト> 中間処理(焼却)b 排出 50t 焼却 最終処分(埋立)ア 5t 再生 45t 記入方法 最終処分の場所」欄 1次マニフェスト 「中間処理産業廃棄物」欄 中間処理施設a 最終処分場ア 2次マニフェスト 最終処分場ア 排出事業者①の名称・マニフェスト番号 3次マニフェスト 最終処分場ア 中間処理事業aの名称・マニフェスト番号 (出典:栃木県廃棄物対策室資料引用加筆) Q24:排出事業者が直接処分業者へ産業廃棄物を持ち込む場合、マニフェストは必要か 必要であれば、収集運搬業者欄は誰の名称を記入すればよいか。 A:廃棄物の処分を委託することになるので、マニフェストは必要です。排出事業者 が自ら持ち込むので、排出事業者と同じということが分かるように記入します。
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