光フィードバックリラクゼーション装置を用いた本態性振戦抑制の基礎研究

第 32 回
日本バイオフィードバック学術総会抄録集
会期:2004 年6月 19 日(土)
・20 日(日)
会長:ノートルダム清心女子大学 稲森義雄
会場:ノートルダム清心女子大学中央棟
10.光フィードバックリラクゼーション装置を用いた本態性振戦抑制の基礎研究
長岡技術科学大学工学部 ○松本 義伸
吉井 孝博
長岡西病院神経内科
田村 正人
長岡技術科学大学工学部
福本 一朗
パーキンソン病(PD)や本態性振戦疾患(ET)にみられる四肢の不随意な震え(振戦)を抑制する目的で,光
フィードバック方式のリラクゼーションシステムと加速度計,筋電計からなる生体情報評価システムを構築した.
本システムを用いて,健常学生16名を対象に生理振戦の計測及び評価を行った結果について報告する.
PDやETに現れる病的振戦は,病気の進行に伴い振幅が増大するため患者の社会生活に支障をきたすことから,
その抑制が必要とされている.しかしながら,現在主に用いられているドーパミン等の薬剤治療は,その副作用
が重篤なことから十分な治療法とはいえない.そこで我々は,パーキンソン病振戦及び本態性振戦をバイオフィ
ードバックを用いて抑制する目的で,被験者の振戦情報を評価するシステムを構築した.本システムを用いたPD
患者,ET患者の計測結果より,リラックスするよう指示することでET振戦強度が抑制される傾向が見られた.そ
こで,よりリラクゼーションの効率を上げるために,光フィードバックリラクゼーション装置(FUTEK製relacru)
を加えた振戦抑制・評価システムを構築した.本報告では,ET患者への訓練・計測実施を前に,健常学生16名を
対象としたリラクゼーション前後の生理振戦計測を行った結果について述べる.