スクウェア・エニックス・ホールディングス ( 9684 )

岡三レーティング情報
2015 年 6 月 22 日
スクウェア・エニックス・ホールディングス
( 9684 )
16/3 期は大型 IP 勝負へ、E3 で大型 IP を発表
レーティング
強 気
◆アナリストの視点
(前回:強気)
目標株価
3,800 円
2,753 円 (15/06/19)
3,040 円 (15/06/16)
1,721 円 (14/06/27)
1,631
株
価
52 週高値
52 週安値
T O P I X
P
E
(前回:3,300 円)
R
21.0 倍 (16/3 予)
18.7 倍 (17/3 予)
16.0 倍 (18/3 予)
P
R
B
O
R
E
2.2 倍 (15/3)
10.0% (16/3 予)
時価総額
発行済株式数
3,357億円
121,923千株
16/3 期は大型 IP の欧米向け HD ゲームが業績のカギを握る期になる
予定であり、業績面でのリスクとアップサイドの両面の可能性が高いと
考えていたが、E3 での発表で発売延期のリスクが軽減したと考える。
また、新たなタイトルの E3 での発表は、大型 IP を軸とした利益成長の
確度を高めるものと考える。中期的には、大型 IP の HD ゲームでの展
開とその IP を軸としたスマートデバイス向け展開、さらに世界的な展開
によって利益成長が加速すると予想している。
16/3 期は欧米向け大型 IP ゲームの発売が注目点へ
会社側は、E3(Electronic Entertainment Expo)において、今後
のソフトラインナップを発表した。内容に関しては、以下の点から
ポジティブに評価できよう。①発売予定日が明示された大型タイト
ルが多く、発売延期のリスクは軽減したと考える。②「ファイナル
ファンタジー(以下、FF)Ⅶ」のフルリメイク作品等、新たなタイ
トルも発表され、充実したパイプラインとなっていることを確認し
た。
16/3 期は 43%連結営業増益を予想する。今回の E3 での大型 IP の
ソフトラインナップの発表を受け、17/3 期以降の HD ゲームの見通
しを前回(5 月 13 日付け岡三レーティング情報)予想より上方修
正した。
目標株価算定根拠
企業調査部
森田 正司
担当セクター:
レジャー・アミューズメント
インターネット・ゲーム
放送・広告
大型 IP を軸としたマルチデバイス展開と海外展開が利益成長のけ
ん引役になると予想する。この世界的な展開による利益成長は株価
バリュエーション面ではプレミアムを付与することは妥当と考え
る。今回の E3 で大型 IP の充実したパイプラインを確認、17/3 期
以降の業績予想を前回から引き上げたため、17/3 期予想 PER25 倍
強となる 3,800 円に目標株価に引き上げる。
<連結業績>日本基準
決算期
14/3
15/3
16/3(予)
17/3(予)
18/3(予)
会 社
岡三前回
岡三今回
岡三前回
岡三今回
岡三前回
岡三今回
(単位:百万円、円)
売上高
155,023
167,891
210,000
238,000
238,000
236,000
253,500
251,000
297,000
営業利益
10,543
16,426
21,000
23,500
23,500
24,500
28,000
27,000
32,000
経常利益
12,534
16,984
21,000
23,500
23,500
24,500
28,000
27,000
32,000
当期利益
6,598
9,831
14,500
16,000
16,000
17,000
18,000
18,500
21,000
EPS
57.3
84.3
118.9
131.2
131.2
139.4
147.6
151.7
172.2
配 当
30.0
30.0
37.5
39.0
39.0
42.0
44.0
46.0
52.0
16/3 期会社計画はレンジ形式の開示のため、その中央値を記載。
OKASAN SECURITIES
巻末に記載した重要な注意事項と併せご参照下さい。
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岡三レーティング情報
E3 で大型タイトルのパイプラインを
発表
コード:9684
E3 において、以下の発表を行った。
「FFⅦ」のフルリメイク作品や
「WORLD OF FF」等の新規タイトルの発表もみられたことから、岡三
証券では 17/3 期以降の業績予想を前回から引き上げる。また、16/3
期の発売予定日が発表されたことから、延期リスクが軽減したと考
える。
E3で発表した主なタイトルと発売予定(出所:会社資料)
タイトル名
ハード
日本
北米
欧州
PS3/PS4/Windows PC/Mac
6月23日 6月23日 6月23日
ファイナルファンタジーXIV: 蒼天のイシュガルド
オープンベータ中
NOSGOTH
Steam/Windows PC
クローズドベータ中
TRIAD WARS
Windows PC
ドラゴンクエストヒーロズ 闇竜と世界樹の城
PS4/PS3*
発売済 10月13日 10月16日
RISE OF THE TOMB RAIDER
Xbox One/Xbox360
秋
11月10日 11月13日
JUST CAUSE 3
PS4/Xbox One/Windows PC
未定
12月1日 12月1日
HITMAN
PS4/Xbox One/Windows PC
未定
12月8日 12月8日
2016年初頭
DEUS EX: MANKIND DIVIDED
PS4/Xbox One/Windows PC
未定
2016年
スターオーシャン5 -Integrity and FaithlessnessPS4/PS3*
今冬
2016年
WORLD OF FINAL FANTASY
PS4/PS Vita
未定
KINGDOM HEARTS III
PS4/Xbox One
未定
NieR New Project(仮)
PS4
2016年
Project SETSUNA(仮)
未定
「FINAL FANTASY VII 」フルリメイク作品(仮)
PS4
未定
*日本のみ。北米、欧州はPS4
16/3 期連結営業利益は 43%増を
予想
16/3 期会社計画の連結業績は、売上高 2,000-2,200 億円、営業利
益 170-250 億円の予想。HD ゲームやスマートフォン向けネイティブ
アプリのリスクとアップサイドポテンシャルを織り込んだとみられ
る。特に、会社側は 16/3 期は欧米向け大型タイトルの発売を予定し
ており、その成否に関しては、やや保守的な前提を置いているとみ
られる。
岡三証券では、16/3 期連結業績について、売上高 2,380 億円(42%
増)
、営業利益 235 億円(43%増)を予想。たな卸資産評価損の発生
を予想に織り込んでいる。
大型 IP では、
「RISE OF THE TOMB RAIDER」、「JUST CAUSE 3」
、「HIT
MAN」等のホリデーシーズンでの発売や 3DS 向け「ドラゴンクエスト
Ⅷ 空と大地と呪われし姫君」
(8 月 27 日発売予定)
、
「ドラゴンクエ
ストヒーローズⅡ」
、「スターオーシャン 5」の発売を織り込んだが、
「FF XV」の発売は織り込んでいない。下期偏重のラインナップとな
ろう。
スマートフォン向けネイティブアプリでは、足元では、
「ドラクエ
モンスターズ スーパーライト」や「FF レコードキーパー」が好調
を持続、さらに、「メビウス FF」も好調な出足といえる。MMO では、
拡張ディスクの発売と韓国での新生「FF XIV」のサービス開始が注
目ポイントになろう。PC オンラインでは「ロード オブ ヴァーミリ
オン アリーナ」等が注目される。アミューズメント機器では「ディ
シディア FF」と「スクール オブ ラグナロク」が注目される。
なお、16/3 期 1Q 連結営業利益はスマートフォン向けネイティブア
プリの堅調や「FFXIV: 蒼天のイシュガルド」の発売を考慮し、51
億円(横ばい)を予想する。
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巻末に記載した重要な注意事項と併せご参照下さい。
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岡三レーティング情報
コード:9684
連結セグメント別業績推移とゲームソフトの数量推移
(出所:会社資料、ヒアリング、16/3期以降は予想、単位:億円、万本)
12/3期
売上高
デジタルエンタテインメント
アミューズメント
出版
ライツ・プロパティ等
消去又は全社
営業利益
デジタルエンタテインメント
アミューズメント
出版
ライツ・プロパティ等
調整額/消去又は全社
販売本数
日本
北米
欧州
アジア他
デジタルエンタテインメント売上高の内訳
スマートデバイス・PCブラウザゲーム等
MMO
HDゲーム
13/3期
14/3期
15/3期
1,279
719
419
113
28
-0
107
126
26
26
7
-78
1,766
558
674
511
23
1,480
895
443
111
33
-1
-61
0
-4
25
7
-89
1,900
574
609
691
26
1,550
946
470
102
38
-5
105
107
45
23
11
-81
1,723
460
820
408
34
1,679
1,119
407
115
40
-3
164
173
36
32
12
-89
1,796
476
759
505
56
160
67
490
227
111
556
272
200
473
442
233
444
16/3期
16/3期
17/3期
18/3期
会社
岡三
岡三
岡三
2,100
2,380
2,535
2,970
1,570
1,771
1,968
2,398
400
450
400
400
100
120
130
135
30
40
40
40
0
-1
-3
-3
210
235
280
320
235
240
291
328
40
50
40
40
20
25
29
32
5
10
10
10
-90
-90
-90
-90
2,260
2,630
2,880
3,600
480
480
500
800
1,020
1,300
1,300
1,500
740
800
1,000
1,200
20
50
80
100
600
250
921
700
260
1,008
750
280
1,368
*端数処理の関係で合計が一致しない場合がある。
*16/3期会社計画はレンジの中間値の数値。
*15/3期より販売本数はディスク販売本数+当期と前期に発売されたタイトルの当期ダウンロード本数。
好調続くスマートデバイス向けアプ
リの展開
スマートデバイス向けにおいては、
「ドラゴンクエストモンスター
ズ スーパーライト」や「FF レコードキーパー」等、すでにゲーム専
用機向けにおいて確立された IP が人気となっている。
「メビウス FF」
も好調な出足といえる。今後は「FF グランドマスターズ」やモバイ
ル向け「FF XI」も固定ファン層の存在を考慮すると、収益寄与する
可能性が高い。海外展開においても、「FF」や「ドラゴンクエスト」
といった IP の知名度を考慮すると、スマートフォン向けネイティブ
アプリが成功する可能性が高いと考える。今後もゲーム専用機向け
で IP を確立したものとして、スマートデバイス向けでマネタイズを
加速させる展開によりモバイル事業の拡大が予想される。
中期的な連結営業利益の見通し
会社側は中期的な連結営業利益に関して、「早期の過去最高更新」
を目指している。この達成のためには、大型 IP の HD ゲームの収益
性の向上やスマートデバイス向けビジネスの安定的な成長が必要と
なると考える。大型 IP の HD ゲームに関しては、発売の有無で業績
のボラティリティが生じることになるが、スマートデバイス向けビ
ジネスによって、そのボラティリティを緩和させることが可能にな
ると予想する。スマートデバイス向けでは、
「新しい遊び方」を提案
することに成功した場合、国内でも新たなヒットの可能性があり、
さらに、海外展開の利益寄与のポテンシャルも高いと考えられる。
出版事業に関しては、電子書籍の売上高が伸長しており、消費者
の新しい読書スタイルに対応した展開が期待される。また、アジア
を中心とした海外にも展開する予定。さらに、VR や AR との技術的な
融合も出版のあり方を変えることになる可能性がある点は継続的に
注目したい。
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巻末に記載した重要な注意事項と併せご参照下さい。
3−6
岡三レーティング情報
配当政策
コード:9684
16/3 期の配当方針としては、30 円を下限として、連結配当性向
30%としている。15/3 期末のネットキャッシュ(現預金+有価証券+
投資有価証券-有利子負債)は 977 億円であり、現状程度のコンテン
ツ開発投資であれば、十分なキャッシュ水準と考えられる。今後は
積極的な株主還元策に期待したい。
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巻末に記載した重要な注意事項と併せご参照下さい。
4−6
岡三レーティング情報
コード:9684
レーティングの基準など
強
中
弱
気:今後6ヵ月以内の目標株価が現在の株価を10%以上上回ると判断される銘柄
立:今後6ヵ月以内の目標株価と現在の株価の差が±10%未満と判断される銘柄
気:今後6ヵ月以内の目標株価が現在の株価を10%以上下回ると判断される銘柄
目標株価の定義と未達成リスクについて
目標株価は、アナリストによる当該企業の業績予想を基に、マルチプル法やDCF法等の岡三証券企業調査
部が妥当と考える方法により算出したもので、対象期間は 6 ヵ月以内です。目標株価達成を阻むリスク要因
としては、当該企業の主要市場における競合状況(企業買収・訴訟なども含む)、製品・商品・サービス需
要の変動、原材料及び燃料価格の変動のほか、当該企業を取り巻く経済状況、為替相場の変動、国内外の金
融・不動産市場の状況、各種規制変更、事故・災害(人災含む)、社会的責任などが考えられます。なお、
これらの要因以外にも、現時点で予想できないリスクが将来的に発生し、その結果として目標株価達成が妨
げられるおそれがあります。
本資料における個別銘柄に関する注記事項
・ 個別銘柄のレーティングについては、執筆アナリストの変更があった場合でも、岡三証券としての個別銘
柄のレーティングの継続性を保つため、前任者の付与したレーティングを「前回」レーティングとして記
載しています。
・ 株価は日付日の終値。52週高値・安値は権利落ち修正後で、各取引所の立会市場の売買立会時(前場・
後場)における約定値段を用いています。
・ 上場市場は東京証券取引所の場合、記載せず、複数市場上場の場合は売買高の多い市場を記載しています。
・ TOPIX、時価総額など、特に日付を記していない場合は、個別銘柄の株価日付に同じです。
・ PBR の根拠となる BPS は直近決算期末時点の会社公表数値を用いていますが、必要に応じて岡三証券が算出
しています。
・ ROE の根拠となる自己資本は必要に応じて純資産から新株予約権と少数株主持分の金額を控除した金額を
用いています。
・ 予想 EPS は当期利益(会社計画、前回予想を含む)を記載の発行済株式数で除して計算しています。なお、
払い込み前の公募、権利落ち前の株式分割等は考慮しておりません。
・ 時価総額は記載の株価と発行済株式数で計算しています。
・ 発行済株式数は自己株を含んでおりません。株式数は直近決算期末時点の会社公表数値を原則として用い
ておりますが、株式分割、公募増資、自己株買入れなど必要に応じて岡三証券の推定による試算値を用い
る場合があります。
・ 日本基準の連結当期利益は、親会社株主に帰属する当期純利益です(平成 27 年4月1日以後開始する連結
会計年度の期首から適用)
。
・ 米国会計基準の当期利益は、当社株主に帰属する当期純利益です。
・ 国際会計基準(IFRS)の当期利益は、親会社の所有者に帰属する当期利益です。
(平成 27 年 4 月改訂)
OKASAN SECURITIES
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岡三レーティング情報
コード:9684
手数料およびリスクについての重要な注意事項
・ この資料は、投資判断の参考となる情報提供のみを目的として作成されたものであり、個々の投資家の特
定の投資目的、または要望を考慮しているものではありません。また、過去の実績は必ずしも将来の成果
を示唆するものではありません。投資に関する最終決定は投資家ご自身の判断と責任でなされるようお願
いします。
・ 株式は、株式相場、金利水準、為替相場、不動産相場、商品相場等の変動による株価の変動によって損失
が生じるおそれがあります。また、発行体やその他の者の経営・財務状況の変化及びそれらに関する外部
評価の変化等により、株価が変動することによって損失が生じるおそれがあります。
・ 本資料は、岡三証券が信頼できると判断した情報源からの情報に基づいて作成されたものですが、その情
報の正確性、完全性を保証するものではありません。企業が過去の業績を訂正する等により、過去に言及
した数値等を修正することがありますが、その責を負うものではありません。また、本資料に記された意
見や予測等は、資料作成時点での岡三証券の判断であり、今後予告なしに変更されることがあります。な
お、本資料は、日本証券業協会「アナリスト・レポートの取扱い等に関する規則」のアナリスト・レポー
トとして審査されたものです。
・ 岡三証券およびその関係会社、役職員が、本資料に記載されている証券もしくは金融商品について、自己
売買または委託売買取引を行う場合があります。岡三証券の大量保有報告書の提出状況については、岡三
証券のホームページ(http://www.okasan.co.jp/)をご参照ください。
・ 自然災害等不測の事態により金融商品取引市場が取引を行えない場合は売買執行が行えないことがありま
す。
・ 金融商品取引のご契約にあたっては、あらかじめ当該契約の「契約締結前書面」
(もしくは目論見書及びそ
の補完書面)または「上場有価証券等書面」の内容を十分にお読みいただき、ご理解いただいたうえでご
契約ください。
・ 株式の売買取引には、約定代金(単価×数量)に対し、最大 1.242%(税込み)
(手数料金額が 2,700 円を下
回った場合は 2,700 円(税込み))の売買手数料をいただきます。ただし、株式累積投資は一律 1.242%(税
込み)の売買手数料となります。国内株式を募集等により購入いただく場合は、購入対価のみをお支払い
いただきます。
・ 本資料は岡三証券が発行するものです。本資料の著作権は岡三証券に帰属し、その目的のいかんを問わず
無断で本資料を複写、複製、配布することを禁じます。
岡三証券株式会社
金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第 53 号
加入協会:日本証券業協会、一般社団法人日本投資顧問業協会
(平成 26 年 4 月改訂)
OKASAN SECURITIES
6−6