東京・春・音楽祭 -東京のオペラの森 2013- 《午前 11 時》の音楽会 vol.3 金子亜未 オーボエ・リサイタル ~第 10 回 国際オーボエコンクール・軽井沢 奨励賞受賞記念 日時:2013 年 4 月 13 日(土)11:00 開演 会場:東京文化会館 小ホール ●テレマン: 《無伴奏オーボエのための 12 の幻想曲》より 第 1 番 イ長調 G.P.テレマンは、J.S.バッハ、ヘンデルと同時代に北ドイツのハンブルクを拠点に活躍し、 生前はバッハをしのぐ人気を得ていた(同時にバッハの功績をいち早く紹介したのもテレマン だった) 。本作《12 の幻想曲》は、もともとフラウト・トラヴェルソのために 1732 年頃に作 曲された無伴奏の作品。さまざまな楽器に堪能だったテレマンは、なかでもトラヴェルソの腕 に秀でていたと言われ、この作品も楽器の特性を活かした熟練の作法で書かれている。曲はヴ ィヴァーチェ/アレグロの 2 部構成。 ●J.S.バッハ:オーボエ・ソナタ ト短調 BWV1030b 原曲は、J.S.バッハがケーテンの宮廷楽長時代(1717〜23 年)に作曲した「フルート・ソ ナタ ロ短調」 。ケーテンの宮廷には優れた器楽合奏団があり、バッハはそのために多くの器楽 曲を作曲している。 「ブランデンブルク協奏曲」や「平均律クラヴィーア曲集(第 1 巻)」な ども同時代の作品である。バッハは通奏低音付きのフルート・ソナタを 6 曲残しているが(た だし作曲者をめぐる真偽問題がある) 、このソナタは、そのなかでも最も高雅な作品として知 られている。曲はアンダンテ/シチリアーノ/プレストの 3 楽章構成。 ●シューマン:アダージョとアレグロ 変イ長調 op.70 原曲は、シューマンが 1849 年に作曲したホルン独奏とピアノのための作品(作曲時のタイ トルは「ロマンスとアレグロ」 ) 。19 世紀は楽器の改良が進んだ時代であり、シューマンはこ の作品に半音を自由に吹けるようになったバルブ・ホルンの独奏楽器としての可能性を託した。 シューマンらしい抒情性と旋律美をたたえたアダージョ、技巧的で活気のある三部形式のアレ グロからなり、ホルン以外の独奏楽器でもしばしば演奏される。 ●ミヨー:組曲《ルネ王の暖炉》op.205 新古典主義の作風を示すフランス六人組の一人ミヨーが、R.ベルナールの映画『愛の騎馬行 列』のために作曲した映画音楽を 7 つの組曲に再編した、木管五重奏のための作品。映画音 楽のほうは、オネゲル、デゾルミエール、ミヨーの三者で分担され、ミヨーが担当したのは 15 世紀にプロヴァンスを統治した名君ルネ・ダンジューの場面だった。表題にある「暖炉」 とは、ダンジューが冬を過ごしたプロヴァンス地方のこと。ミヨーもまたプロヴァンスの生ま れだった。 ●プーランク:管楽器とピアノのための六重奏曲 オネゲル、ミヨーらとともにフランス六人組を代表するプーランクが、木管五重奏とピアノ のために 1932 年に作曲した作品(1937 年改訂) 。あらゆるジャンルに作品を残したプーラ ンクだが、室内楽では特に管楽器を好み、管楽器独奏のための音楽を数多く作曲している。こ の作品はそれぞれの楽器に精通したプーランクならではの曲想と技巧が光っており、管楽アン サンブルのための楽曲のなかでも非常に完成度の高い作品となっている。アレグロ・ヴィヴァ ーチェ/ディヴェルティスマン、アンダンティーノ/フィナーレ(プレスティッシモ)の 3 楽章構成。 © Spring Festival in Tokyo Excective Committee.
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