松下悦子 - 同志社女子大学

The Dreams of DoRIS 2013
Doshisha Women's College of Liberal Arts
松下悦子
教 授
MATSUSHITA Etsuko
[現在の専門分野]
声楽
[現在の研究テーマ]
「歌うこと」における詩の表現方法
[学 位]修士(ドイツ国立カールスルーエ音楽大学)
[所属学会]日本シューベルト協会、関西二期会、日本演奏連盟
■ 主要研究実績
〈著書〉 音楽CD出版 ドイツ近代声楽曲集「ein Tag」
2008年
〈演奏活動〉オーケストラアンサンブル金沢定期演奏会
■ 研究・社会活動等
第39回オランダ・セルトーケンボス国際声楽コンクール 歌曲部門
第3位(1位無し)及び オランダ音楽賞
1992年
J. S. バッハ:マニフィカート 指揮 ロルフ・ベック
2004年
第63回日本音楽コンクール 声楽部門第2位及び松下賞 1994年
松下悦子ソプラノリサイタル「詩を歌う」
2005年
平成8年度大阪文化祭賞 本賞
1996年
松下悦子ソプラノリサイタル「詩う音」
2006年
第3回音楽クリティッククラブ奨励賞
2000年
藤堂音楽褒賞
2002年
オラトリオ定期シリーズ J. S. バッハ「ヨハネ受難曲」
2006年
オペラ「月の影」−源氏物語−紫上役
2009年
松下悦子ソプラノリサイタル「私の歌が鳴りひびく」
2009年
松下悦子ソプラノリサイタル「イタリアの歌の本」
2010年
松下悦子ソプラノリサイタル「月のある風景」 2011年
■ 主要な担当授業科目
[大 学]声楽研究Ⅲ・Ⅳ、第一実技声楽、第二実技声楽など
「歌」だけが持つ魅力を探す
「歌」は器楽曲とちがい、いつも旋律に歌詞
その力をより充実させるために、必ず必要な
が伴います。私はこの歌詞=言葉に着目し、
ことであると考えています。これは、
「歌」が
最近のリサイタルでは、作詞者に焦点をあて、
大きな喜びとして、演奏者や聴衆に受け入れ
地域や時代様式を限定せずにプログラミング
られるようになることへの、初めの一歩です。
し、演奏しています。
声楽教育においても同じことです。音楽基
この取り組みのきっかけとなったのは、ド
礎能力の個人差や、初歩段階の歌唱技術しか
イツ留学中に、J.Sバッハなどの宗教曲を演奏
身につけていない場合でも、その時点での技
する機会に恵まれ、それによって音と言葉の
術と情感との割合を、互いに補い合うようバ
関わりの深さを知りました。自然で柔軟な発
ランスよく指導していくと、
「歌」として立派
声法を身につけることは、旋律に言葉を乗せ
に表現できるものになります。その時々で、
て「歌」にするために、何よりも大切なこと
できることを最大限に生かす方法を身につけ
です。また、詩を理解し、身近な感情として
れば、やがて、それは必ず花開く時がやって
表現するためには、生活様式などの時代背景
くると、私は信じています。
も把握しておかなければなりません。
このようなあらゆる角度から「歌」を見つ
め直す作業は、
「歌」本来の効力を目覚めさせ、
8
同志社女子大学 教員研究活動紹介集