2016年9月2日 為替市場 ドル円相場の見通しは? 日米実質金利差や購買力平価からみると、円高修正が期待できそうです。 ■円/ドルレートと日米実質金利差(左図注2)との関係 から2つのポイントが指摘できます。 ■一方、日米の物価の動きを調整した購買力平価か らは2つのポイントが指摘できます。 ①実質金利差が示唆する以上の円高水準 足元では円高となっていますが、実質金利差が示 唆する以上の水準となっている可能性があり、これ 以上の円高には一定の歯止めがかかりそうです。 ①企業物価指数ベースの購買力平価が歯止め 円/ドルレートは、貿易という観点から注目される企 業物価指数ベースの購買力平価の水準まで円高が 進みました。実際の相場が同水準に近づいたことで 更なる円高圧力は薄れると見られます。 ②実質金利差(米国-日本)が縮小する可能性 8月末の米国の2年債利回り(実質ベース)は ▲1.4%、日本は同▲0.5%です。日銀の追加緩 和や米国の利上げが行われれば、実質金利のマイ ナス幅が縮小し、円高修正が期待できそうです。 日米実質金利差(米国-日本)と円ドルレート (%ポイント) (円/ドル) 4 145 日米実質金利差(左軸) 円/ドルレート(右軸) 2 ②円高トレンドにも変化の兆し 企業物価指数ベースの購買力平価はここ数年緩や かに上昇しています。購買力平価の視点からは長く 続いてきた円高トレンドが弱まってきている点も注目 されます。 (円/ドル) 円/ドル 300 130 115 200 ▲2 100 150 円安・ドル高 ▲6 2000 85 06 消費者物価指数ベース 輸出物価ベース 100 50 円高・ドル安 03 企業物価指数ベース 250 0 ▲4 各種購買力平価と円ドルレート 350 70 09 12 15 (年) (注1)データ期間は2000年1月から2016年8月。月次ベース。 (注2)食品・エネルギー除く総合(米国コア、日本コアコア)ベースの 消費者物価上昇率の前年比を差し引くことで実質化。 (出所)米労働省、総務省統計局、IMFのデータを基に三井住友 アセットマネジメント作成 0 71 76 81 86 91 96 01 06 11 16 (年) (注)データ期間は1971年1月から2016年8月(購買 力平価は2016年7月)。 (出所)米労働省、商務省、FRB、日本銀行、総務省 統計局、IMFのデータを基に三井住友アセットマネ ジメント作成 ■当資料は、情報提供を目的として、三井住友アセットマネジメントが作成したものです。特定の投資信託、生命保険、株式、債券等の売買を推奨・勧誘 するものではありません。■当資料に基づいて取られた投資行動の結果については、当社は責任を負いません。■当資料の内容は作成基準日現在のもので あり、将来予告なく変更されることがあります。■当資料に市場環境等についてのデータ・分析等が含まれる場合、それらは過去の実績及び将来の予想であり、 今後の市場環境等を保証するものではありません。■当資料は当社が信頼性が高いと判断した情報等に基づき作成しておりますが、その正確性・完全性を 保証するものではありません。■当資料にインデックス・統計資料等が記載される場合、それらの知的所有権その他の一切の権利は、その発行者および許諾 者に帰属します。■当資料に掲載されている写真がある場合、写真はイメージであり、本文とは関係ない場合があります。
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