青島市の紹介 - 東アジア文化都市2015新潟市

チ ン タ オ
青島市(中国)
地 理
山東半島南部に位置し、東、南が黄海に面している海辺の丘陵都市です。北東は煙台市、西は濰坊市、
南西は日照市とそれぞれ接しています。夏の厳しい暑さも冬の厳しい寒さもなく、典型的な海洋性気候
の特徴をもっています。
歴 史
中国道教発祥の地とされています。19 世紀末までは小さな漁村にすぎませんでしたが、19 世紀末に清
国政府による軍事施設が建設されて町の発展が始まりました。その後、山東半島一帯がドイツの勢力下
に入り、青島はドイツのモデル植民地として町並みや街路樹、上下水道が整えられました。今なお残る
西洋風の町並みや青島ビールなどドイツがこの町に与えた影響は大きいとされています。1980 年代に対
外開放され、現在は近代的な港湾都市として発展しています。
産業・文化など
上海・天津・大連と並ぶ、中国を代表する貿易港を有し、中国経済の中心的都市となっています。
経済・財政・法制の面で省レベルの自主権をもつ「副省級都市」に指定されており、世界的にもその名
が知られている「青島ビール」や、家電メーカーの「海爾(ハイアール)集団」の本拠地でもあります。
美しい町並みや、美しい海岸線をもつことから、中国で最も美しい都市の一つとも呼ばれ、観光都市、
歴史・文化都市としても名高い町です。
2008 年の北京オリンピックの際はヨット競技の会場、2014 年には、国際的な園芸イベントであると同
時に、国際文化の融合と展示を実施する祭典でもある「2014 青島世界園芸博覧会」の会場となりました。
情報・データ
■ 位置 /北緯 35°35′∼37°09′
東経 119°30′∼121°00
茨城、石川とほぼ同じ緯度に位置します。
■ 日本との時差 /−1時間
■ 面積 /11,282 km²
■ 平均気温 /1月−0.5℃、7月+24℃
■ 年間降水量 /664mm
■ 人口 /769.6 万人
■ 市の花 /ツバキ、コウシンバラ
■ 市のシンボル /桟橋、五四広場「五月の風」
■ 友好都市 /山口県下関市
友好協力都市 /徳島県鳴門市、福岡県福岡市・北九州市
歴史文化
中国山東省の東端,黄海に面した風光明媚な港湾都市「青島」は道教の発祥の地として、歴史文化で
有名な都市です。ドイツと日本の統治時代を経て発展したことから,旧市街の各所には今なお多くの西
洋建築が残され,その街並の美しさから当時「東洋のベルリン」とまで讃えられました。特に夏には国
内外から多くの旅行客が訪れる観光都市です。現在では世界的に知られている青島ビールもドイツ統治
時代の産物です。
伝統行事
青島市には多くの伝統行事があります。
毎年旧暦 3 月には青島地区の漁民が海の神様に海上安全を祈る海祭
祀(うみさいし)が行われます。現代になって、海祭祀では青島市海
洋防衛部門が海上規約と安全知識を普及・宣伝し、各種伝統芸能が 3
日間昼夜問わずに盛大に披露され続けられます。
海雲庵(かいうんあん)飴玉祭は、旧暦の 1 月16日に行われている青
島三大伝統縁日の一つです。昔、海雲庵の縁日ではサンザシの飴玉を
売っている人が多かったことから、
「海雲庵飴玉祭」と名付けられまし
た。開催期間は 3 日間で、青島の伝統芸能の披露や伝統工芸大会など
多彩な催し物が行われます。
元の時代に建てられ、青島市市北区(しほくく)道口路に位置して
いた清渓庵(せいけいあん)では昔、玉皇大帝(ぎょくこうたいてい:
道教の最高神)の誕生日である旧暦 1 月9日に縁日が盛大に開催され
ていました。この縁日は現在、清渓庵大根・人参祭として青島三大伝
統縁日の一つになりました。また、青島地区では「旧暦 1 月9日に大
根・人参を食べると歯は痛くならなく、しかもすべての病気が治る」
という言い伝えがあることから、大根はこの縁日の主要商品になりました。これは「清渓庵大根・人参
祭」の名前の由来だとされています。現在、清渓庵大根祭では3日間の開催期間中に屋台や商品販売ブ
ースがずらりと並ぶ他に、大根・人参彫刻大会が大変人気で、毎年 100 万余の人が集まります。
伝統芸能
膠州(こうしゅう)ヤンコ
ヤンコとは中国北方の農村に広く伝わる田植え踊りのことです。230
年余の歴史を持つ膠州ヤンコは山東省三大ヤンコの一つでもあり、1957
年の北京公演で大変好評を受け、有名になりました。膠州ヤンコは 1764
年に膠州に住む趙氏と馬氏が大飢饉を逃れるために東北地方に生活の
手段を求めに行った途中に田植え踊りの披露でお金を稼いだと伝えら
れています。
龍灯舞(りゅうとうまい)(龍踊り(じゃおどり))
龍踊りは中国で五穀豊饒を祈る雨乞い神事に始まったといわれてお
り、中国の年中行事や記念祭などには欠くことの出来ない催物です。中
国道教の発祥地である青島嶗山区北宅鎮五龍村の龍灯舞は古くから有
名で、清時代・同治 9 年(1870 年)に始まり、
「龍」の体は濃い灰色で
9 段に分けられ、全長は 11mもあります。毎年春節の時、各村の他、必
ず即墨市街で披露されています。
伝統工芸
切り絵
切り絵は長い歴史と濃厚な地方色彩を持っている中国代表的な民族芸術の一つです。年間行事の時には、
よく切り絵を窓ガラスや扉に飾り付けます。青島地区では黄島区(こうとうく)の切り絵が最も有名で、
300 年余りの歴史を持ち、清の時代に皇帝への貢物でもありました。
青島草編み
草編みは、麦わらや党もトウモロコシの皮など植物の茎や皮でつくる青島地区の民間伝統工芸で、各
村に広がっています。手提げ籠、麦わら帽子、コースター、座具、カーテン、カーペットなど数百品種
があります。青島草編みは繊細で、美しい造型、調和的な色彩が特色で特に平度市の草編みが最も有名
です。
食文化
青島料理は、内陸部で発祥した「魯菜(山東料理)」の伝統的な味付けをもとに、沿岸部でとれた豊富
な海の幸を調理し、独自に発展したとされています。アサリ、シャコ、ガザミ(ワタリガニ)、ナマコな
どが代表的な海鮮食材で、海魚を多くもちいる青島海産料理には、魯菜の特徴である唐辛子、香辛料を
使ったものや、酒蒸しや塩だけで味付けしたスープなど、素材の旨味を活かした調理法があります。
「青島ビール」と言えば、世界 70 か国以上に出荷されている世界的ブランドです。
毎年青島市の観光シーズンである 8 月の第 1 土曜日に開幕される青島国際ビール祭は、1991 年に始ま
った会期が 16 日間のアジア最大級のビール祭りです。祭典では、観光、文化、スポーツ、経済貿易を一
体化した国家級規模の記念日慶祝活動が行われます。
祭りの期間中、青島のメインストリートや路地は華やかに飾られ、街を挙げてのお祭り騒ぎとなり、
400 近くの場所、30 近くの大規模な娯楽施設はビールの香りで満たされます。祭りは毎年 20 余の世界有
名ビールメーカーが参加し、300 万近くの国内外の観光客が訪れます。
青島ビール博物館は、1903 年にドイツ人が創立した中国で最も古いビール工場を博物館として改装し
たものです。博物館では、青島ビールの製造過程が見学できます。