週刊為替情報ハロンズ 第25号

FX Weekly Report
USD/JPY
1 Jul 2016
リスク回避はベースにあるが、⼀旦は⽶指標に注⽬か
■ 7/4 週のイベント
[重要度]
7/4 08:50 ⽇ 6 ⽉マネタリーベース
☆
7/5 23:00 ⽶ 5 ⽉製造業受注
☆
7/6 23:00 ⽶ 6 ⽉ ISM ⾮製造業景気指数
☆
7/7 03:00 ⽶ ⽶連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨
7/7 09:30 ⽇ ⿊⽥⽇銀総裁、⽇銀⽀店⻑会議で挨拶
7/7 21:15 ⽶ 6 ⽉ ADP 雇⽤統計
7/8 21:30 ⽶ 6 ⽉⾮農業部⾨雇⽤者数(NFP)
7/8 21:30 ⽶ 6 ⽉失業率
ドル円・⽇⾜
☆☆
☆
☆☆
☆☆☆
☆☆
■ 7/4 週の見通し ( ドル円予想レンジ :100.00-105.00 )
今週のドル円相場は、103 円前半まで反発。英国⺠投票で欧州連合(EU)離脱(Brexit)派が勝利した余韻は残った
が、結果を受けた初期反応は徐々に沈静化。株式市場から債券市場への資⾦シフトが後退する中で、ドル円も先週末に突っ
込み気味に 99 円付近までの下落を演じた反動から、103.20 円台まで切り返した。しかし英国の EU 離脱を巡っては、通商
協定の協議の開始はおろか EU への正式な通告もない状況で、プロセスは具体的に何も進んでいない。英国のリセッション
やそれを通じた世界経済への影響など、中⻑期での不安は払しょくされておらずドル円の反発⼒は限定された。
来週のドル円相場は、英国⺠投票の結果⾃体への反応は⼀服ししつつある中で、ファンダメンタルズを受けて振幅しそ
う。ただ、全般的なリスク回避傾向がベースに残るため、ドル円の上値は限定されるだろう。⽶経済の勢いはさほどでない
が、全体的に悲観的になるほど弱いわけでもない。1-3 ⽉期に減速したことが明らかになったが、4-6 ⽉期は緩やかにリバ
ウンドしており、慎重な楽観と⾔える。英国の EU 離脱によってこれまでの前提が崩れたのは間違いなく、当局が利上げを
急がず状況を注視する姿勢を取るとは思われるが、それが直ちにスタンスの変更につながるかは不明。どちらかと⾔えば、
当⾯は英国の影響を確認しながら⾟抱強く利上げ時期を⾒極めようとするのではないだろうか。
次回の利上げが 12 ⽉まで先送りされるとの⾒⽅からドルの上値は抑えられそうだが、英国・欧州が緩和スタンス強化を
⽰唆する中で相対的にドルは買われやすい通貨と⾔えそう。5 ⽉雇⽤統計の⾮農業部⾨雇⽤者数は予想以上に弱かったが、
8 ⽇の雇⽤統計がその不安を打ち消す結果となれば、ドルの底堅さは増すだろう。⼀⽅で、本邦サイドでもインフレ鈍化を
受けて⽇銀への追加緩和期待が醸成されやすい時期だけに、ドル円は 105 円付近への反発は期待できそう。とはいえ、EU
離脱の影響が⾒通しにくいほか、⽶⼤統領選挙に向けた不透明感もあって投資家のリスクセンチメントが前向きになりづら
い中で、105 円を上回った⽔準での定着は厳しいだろう。中国⼈⺠元の下落基調への警戒も燻り、ドル円の上昇はあくまで
も調整的な買い戻しの範ちゅうにとどまるだろう。また、四半期末を通過してドル資⾦需要の後退もドル円の戻りを鈍くさ
せそう。介⼊警戒感は⼀部にあるのだろうが、ドル円で 100 円を超える円安⽔準では⽶国の理解を得られるはずもなく、
現⾏の⽔準感ではサポート要因にならない。ストラテジーとしては、戻り売りが基本的な戦略となりそう。
来週のドル円予想レンジは、(95.00-105.00)からレンジ下限をいくらか上⽅修正。⽇⾜チャートではトレンドの⽅
向性を⽰す 21 ⽇移動平均線が急落しているほか、⼀⽬均衡表も強い売り⽰唆となる三役陰転が続いている。テクニカルが
⽰唆するトレンドは下向きのままである。下⽅向は⼼理的な節⽬の 100 円が短期に意識される⽔準だろう。かたや上値の
めどは、⽇⾜⼀⽬・基準線や 21 ⽇移動平均線が推移する 105 円付近が抵抗帯になる。
このレポートの記載事項はその内容を保証するものではありません。また、為替やその他いかなる商品について売買を推奨するも
のではございません。為替レートは参考値であり上⽥ハーロー株式会社の取引レートを保証するものではありません。このレポー
トの情報・分析・予測でいかなる損害が⽣じたとしてもその責を負いません。内容の無断転載・コピーを禁⽌します。
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E EU UR R, ,G GB BPP
18 Jul.
2016
May 2015
国⺠投票の衝撃は⼀旦収束も不透明感残る
■ 7/4 週のイベント
[重要度]
7/4 18:00 欧 5 ⽉卸売物価指数
☆
7/5 18:00 欧 5 ⽉⼩売売上⾼
☆
7/5 18:00 英 カーニーBoE 総裁発⾔
☆☆
7/7 15:00 独 5 ⽉鉱⼯業⽣産
☆
7/7 17:30 英 5 ⽉鉱⼯業⽣産
☆
7/7 20:30 欧 ECB 理事会議事要旨
☆
7/8 15:00 独 5 ⽉貿易収⽀
☆
7/8 17:30 英 5 ⽉貿易収⽀
☆
Source:VOXeurop
■ 7/4 週の見通し
EUR/USD
予想レンジ:1.0900-1.1200
英国⺠投票で離脱派が勝利した余波から週初のユーロは 1.10 ドル前半へギャップダウンしてのスタートとなり早々に 1.10 ドル
を割り込んだものの、フォロースルーは限定的。週末のスペイン総選挙で反 EU を掲げる急進左派政党が伸びを⽋いたことも安⼼
感を醸成し、その後は欧州債・欧州株と共にリスクオフポジションを巻き戻す動きが強まると、1.1150 台まで反発した。
EU ⾸脳会議は、英新政権が EU 離脱交渉を務めることとなったことから、具体的に離脱関連の話題が出ることはなく、EU27 カ国
の結束を確認すると共に、英国に早期の離脱交渉開始を求める「平穏な」結果。暫くの間は英離脱関連の新規材料を⽋く格好とな
ったことから、国⺠投票を受けてのファーストリアクションは⼀旦収束する形となっている。他⽅、ECB が債券購⼊ルールの緩和
検討との報道を受けてユーロ売りが強まる局⾯も⾒られたが、英・欧中銀の⾦融緩和は離脱派勝利後のシナリオとして⼗分に想像
できる範囲内の出来事でもあることから、特段のサプライズとも考え難く、流動性の回復が鈍い市場や思惑的な動きが作り出した
値動きと判断出来る。⽬先のユーロ売り材料は出尽くしたものの、中期的には英国の EU 離脱が EU にとって経済的・政治的にネ
ガティブに作⽤することは明らかであり、どの時点で、何を契機にユーロ売り(やポンド売り)が再開されるかは難しいものの、英
新政権の誕⽣を待たずしてセンチメントや思惑主体でユーロ売りが強まる可能性も⾼く、戻りは売りのスタンスが正解か。
GBP/USD
予想レンジ:1.3000-1.3500
週明けのポンドはギャップダウンの後 1.3110 台まで下値を拡⼤したものの、先週安値を回復した後はショートカバーも⾒られ、
1.32-1.35 ドルの揉み合い商状へと移⾏。株式市場の反発(FTSE は国⺠投票前の⽔準を回復)や⽬先更なる悪材料が出ないとの思
惑がショートカバーを呼ぶ形となる⼀⽅、カーニーBoE 総裁の今夏の緩和⽰唆を受けて戻りが押さえられる局⾯も⾒られた。
不透明感は晴れないものの、結果的に英政局が時間稼ぎの格好となり⼀旦ポンドショートが撤退を促される相場展開。BoE の緩和
⾃体は英国⺠投票後のポンド売りに織り込まれていると考えられるが、市場の⼤勢は 50bps の引き下げとなっていることから、
これを上回る(マイナス⾦利領域へと⼊る)決定となれば更なるポンド売りに繋がることとなろう。EU 離脱交渉は新政権誕⽣後の
展開となるが、既に国⺠投票の再開を求める声やスコットランド独⽴を懸念する声が出ている他、「元残留派」で次期⾸相の本命
とされるメイ内相は国⺠投票結果を尊重するものの、リスボン条約 50 条に基づく離脱の通知は年末まで送らない⽅針を明らかと
し、⼀⽅で次期⾸相が有⼒視されていた「離脱派」ジョンソン⽒が党⾸選への出⾺を⾒送る等、英政局は混迷の⾊を強め始めてい
る。政局の⾏⽅等、状況の⾒極めには時間が必要な状況ではあるが、EU 側の強硬な態度を⾒る限りは離脱派の「夢⾒た」将来は
望めないことは明らかで、⽬先の売り材料こそ⽋くものの、強い不透明感は再びポンドを⼤きく押し下げるトリガーを待つ状態と
も⾔え、ポンドは上値重く推移することを余儀なくされそうだ。1.35 ドル台はポンドショートの好機と考える。
このレポートの記載事項はその内容を保証するものではありません。また、為替やその他いかなる商品について売買を推奨するも
のではございません。為替レートは参考値であり上⽥ハーロー株式会社の取引レートを保証するものではありません。このレポー
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FX Weekly Report

AUD,NZD
1
Jul
2016
来週は RBA 理事会!!
豪ドル円予想レンジ
NZ ド ル 円 予 想 レ ン ジ
■7/4 週のイベント
72.00-78.00 円
68.00-76.00 円
[重要度]
7/05
10:30
豪
5 ⽉貿易収⽀
☆☆
7/05
10:45
中
6 ⽉ CAXIN ⾮製造業 PMI
☆☆
7/05
13:30
豪
RBA 理事会
☆☆☆
7/07
21:15
⽶
6 ⽉ ADP 雇⽤統計
☆☆☆
7/08
21:15
⽶
6 ⽉雇⽤統計
☆☆☆
■7/4 週の見通し
今週の豪ドルは底堅い展開。週初、欧米の株式市場が大幅に下落、さらに、原油価格も下落したために、豪ドルは
売りが先行し、AUDJPY は 74.51 円、AUDUSD は 0.7318 ドルまで下落。ただその後は、世界的に株式市場が反発した
ほか、原油価格も堅調に推移したことを受けて、為替市場においても、リスク回避の動きが弱まり、豪ドルは底堅
く推移した。途中、
「中国人民銀行(PBOC)は今年、対米ドルで 6.8 元程度までの人民元下落を容認する意向」との
報道をきっかけに一時 75.57 円まで下落したが、
、7/1 時点では AUDJPY も 76.58 円レベル、AUDUSD は 0.7450 ドルレ
ベルの推移となっている。(7/1 時点)
来週の豪ドルは、豪・米の経済指標や株式市場や金利市場を受けた対円や、対米ドルの相対的な動きを見ながらの
展開が予想される。注目される注目される原油先物市場は、週初、英国の欧州連合(EU)離脱を背景に英・欧州
経済の先行き不透明感が広がるなか、原油需要後退への思惑から売りが先行。ただその後は、ノルウェーの石油・
ガス業界で大規模ストの可能性が浮上し、供給過剰感が後退するとの思惑や米エネルギー省が発表した週間在庫統
計で原油在庫が大幅な取り崩しとなり、供給過剰懸念が後退したことで買いが優勢が優勢となり、一時 1 バレル=
49.88 ドルまで上昇した。
来週豪国内では、RBA 理事会が開催される。市場予想は金利・政策共に現行水準に据え置かれる見込みであるが、
英国の国民投票後のボラティリティの低下は世界的リスクとなりえるため「利下げ」の可能性にも注意が必要と考
えられる。ステーブンス RBA 総裁は「英国の離脱が、欧州市場の変化を引き起こし、そのことが豪を含も他市場へ
波及するリスクを生じさせるかもしれない」と注意喚起をしている。実際、英国ショックに端を発する世界的リス
クが豪の消費者と企業景況感に波及すれば、「利下げ」圧力は高まると考えられる。
外部要因では、7/7 に 6 月 ADP 雇用統計、7/8 に 6 月雇用統計が発表される。前回 5 月の雇用統計では、非農業部門
雇用者数の大幅悪化を受けて、ドル売り・円買いが急速に進行。クロス円も、つられ円買いが進行した。6 月の雇
用統計では、5 月分のリバイスアップは予想され、さらには、5 月分の反発の予想されるために、6 月の非農業部門
雇用者数は、18 万人前後と予想されている。個人的には 20 万人程度となると考えており、そうなった場合には円
売り、ドル買い、クロス円はドル円の上昇につられ、豪ドルも買いで反応すると考えている。
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