草地の雑草防除

Ⅶ 草 地 の雑草防 除
草地 に繁 殖 す る雑 草には、 有毒 な成分 を含み 多量 に採食 した牛 が中毒症状 を示す もの、 し好性 が
低
く牧草の味 をわ る くする ものがあ ります (表 1)こ れ らの雑草 をで きるだけ少な い
状態 にす ることが
飼料の味 を改善 して 、採食量 を高め ることにな ります。 また有毒 な成分 を含む もの、 し好性 の い
低 雑
ー
を
は
草 牛 本能的 にさけ ます。 しか し乾草、サイ レ ジに混 っている、あ るいは空 腹時 には まちがって
食 べ る危険 もあ ります。 みつ け しだ ぃ刈 り払 う、 掘 り取 るな どの雑草の除去 と発生 を防 ぐ
草地管理 に
とりくむ こ とが し好性の 良 い飼料 づ くりの うえで もっ とも重要です。
表 ! 味 をわる くす る雑草 と多量採食による症状
味 をわ る くす る物 質
左 の物 質 が 含 まれて い る雑 草
多量採 食 に よる症 状
アル カ ロ イ ド
トリカプ ト、ュズ リハ、ホォズキ
け い れん 、 マ ヒ、呼吸障害
配 糖 体
スズ ラン、福寿草
下痢 、 胃腸 炎tマ ヒ
キキ ョウ、ナデシヨ、アヮダチソゥ
局所充 血 、神経障害
苦 味 質
ドクセ リ、 ウッギ
け い れん、体温上 昇、粘膜充血
シ ュウ酸
ダデ、ア ヵザ、ギシギシ、 ィ タ ドリ
よだれ、 胃腸炎、下 痢、 ふ るえ
青
※シ ロ ク ロバー 、アヵク ロバ ー、 ヒエ
下 痢、発汗、興 奮、け い れん
蛍光性物 質
タデ 、 ソバ
炎症
タンニ ン
ハヨ
ド
胃腸 炎、ぼ う こ う炎 、 マ ヒ
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酸
1 雑 草 の 侵 入 と対 策
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(1)採
草地
牧草が生育 して い る土壌 か ら養分 をよ こ どりして雑草は生育 してい ます。 したがって牧草の生育が
わ る くなる と雑 草 が優 占 します。 (図 1)雑 草の侵入 を防 ぐうえか らも適正 な施肥 を行 い、牧
草の生
育 を促進 す るこ とが大 切です。 刈遅 れの 草地 の場合、 ク ロバ ー の ような下 繁草が枯れた り倒伏 してム
レた りして、牧草の密度が少な くなる と好光性の雑草種子は発芽 しやす くな ります。
このほか、低 く刈 りす ぎる と牧草の再生点 (特にチ モ シー )を 切断するため、再生 繁茂 まで
時間 を
要 し、牧草 よ り早 く雑草が再生 します。
図 1 採 草地 の雑草 の 発生
章 ︲
肥料
雑草種子
刈遅 れ に よ る雑 草 の発 生
土壌養 分 の競 合
低 刈 りに よる生 長点 の切除
-37-
また雑 草が侵入 しやす い環境は収穫作業 中 もつ くられ ます。 ( 図 2 ) た とえば、整地不 良の草地は 凸
凹が 多いため突 き出 した部分がデスクモ ワー の回転歯 ( ナイフ) や テ ッター の タイン、 ハー ベ ス ター
の ビ ックア ップな どに よ り、牧草根 ご と上 がか き上げ られ草地 に裸地 をつ くります、す る と土 壌 中 に
休眠 していた雑草種子の発芽 を促 し、 しか も土が軟 くな るため雑草の根 が生長 しやす くな り雑 草の繁
茂の手助けをす るこ とにな ります。
そのほか車輪の跡、 ス リップの跡、傾斜地のスベ リの跡な ど土壌が露出 したすべての場所が雑草発
生の始発地です。 したがって整地、施肥、収穫作業機の使 い方など更新か ら利用までのあらゆる作業
をとお して雑草の防止に心掛けることが大切です。
図 2 雑 草が発生 しやすい場所
表 上の露 出
ロ
ー ルの 跡地
収穫残 草
J串 ■ 《満Ⅲ.密 t蹄 馳
■・雌
ぽ‐
車
輪 の跡
水
溜り
(2)放 牧地
排糞跡の牧 草が採食 されずに徒長 して い るのを不 食過繁草 といい ます。糞尿 に含 まれ る肥 料養分は
窒素 と加里 に片寄 っています。 そのため不 食過繁草の土壌 は酸性 にな りやす く、それ を好む雑 草 には
繁殖 の適地 にな ります。 また糞のかたま りは直径 30cal程
度 に広が り、その下 は窒 息状態のため長 く放
置す る と牧草 は枯死 して裸地 にな ります。 す る と糞 中やその他の雑草種子が発育 して不 食過繁草 と雑
草 の混生 状態 をつ くります。
これ らの不 食過繁草 と雑草 を防除す る方法は、 バ スチ ャー ハロー をかけて糞 のかた ま りを広 く散 ら
かす こ とです。 しか しパ スチ ャー ハ ロー は草丈が長 い と浮 き上が って効 果 が劣 ります。 まず掃除 ヌ1り
を行 い、雑草 を取 りだ してか らハ ロー をかけ る と均 一 な生育 とな り放牧草の利用率 を高め るこ とがで
きます。 また牛 は栄養価 の高 い短 い草 を好 んで採 食 します。 そのため放牧圧 が強す ぎる と短草の 根際
まで採 食 され、牧草の生育がわ る くな り雑 草 が侵入 しやす くな ります。牧草 の再生力に応 じた利用 間
隔、草量 に見合 う放牧頭数、掃除刈 りや糞ち らし、裸地化の防止な どが雑 草防除の うえで重要 です。
図 3 不 食過繁草
パ スチ ャー ハ ロー
掃除 刈前 にかけ る と浮 き上 が る
掃 除 刈後
ハ
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枯死 裸 地
窒素、加里、酸性土壌
-38-
一 地形による放牧草の生 と
育 雑草の繁殖、牛の行動 ―
放牧地にfll用
されている草地は起伏のある地形が多いため牧草の生育に差が生 じています (図4)
① のような丘地の平坦なところは、肥料が均一に散布されてお り牧草の生育は良好です。②は斜面の
ため肥料や土壌養分の流亡が多 く、生育不良の上に斜面なので土壌温度の差があるため、く ずれやす
い草地になっています。また蹄傷 もうけやす く、かつ掃除刈 りが しずらいため、雑草が繁殖 しやすい
場所 とな ります。③は、②から流亡 した肥料分がたまりやすい所です(斜 面②、緩斜面③、凸地⑤の
肥料分は降雨な どによって低地④に集積 します。
④ は湿性地にな りやす くかつ肥料分が濃すぎるため、雑草や肥料過剰草が生育 し、嗜好性 が劣 ります。
しか し、積雪は十分あるため越冬性がよ く、春一番 に青 々 と草が伸びてきます。⑤は凸地の頂で保月
巴
力がな く、裸地化 し雑草の侵入を許 します。 しかも暑 い 日な どは牛がたむろ し、ますます草地の荒廃
化を招 きます。放牧地 にはこのようにいろいろな特徴があ ります。各 々の場所に見合った管理 がおい
しい放牧草を十分 に牛 に供給 し、かつ雑草化を防 ぐコツ とな ります。
そのほか、牛の移動にともない糞中や牛体に付着 した雑草種子は草地全体 に散 らか ります。特 に牛
道 にそって雑草は繁殖 します。地形 と牧草の生育、牛の行動な どをよく観察 し牛群の構成、牧区の面
積の調整、給水施設の移動、入牧退牧 日の分散な どにより、牛道やたまり場をつ くらない放牧方法に
とりくむこと、また雑草種子は風や鳥、水、収穫物、機械 な どによって運ばれ遠 くの草地 に侵入 しま
す、草地の近 くを走 る道路、取付け道路の路肩や斜面に野放 しの状態の雑草を刈取 りや除草剤により
防除することが必要です。
図 4 地 形 と牧草 の生育
腐植層
-39-
(3)新 播草地
播種後条件がそろえば 2∼ 3日 で発芽 します。 しか し、播種床 は気 象の影響 を うけ水 分不足な どに
な りやすいため発芽が不揃 い になることが あ ります。雑草種子は地表 近 くの上 中 よ り
発芽す るので 気
象の影響が少な く、初期生育は雑草が良 くな ります。 (図6)こ れ らの雑草は、ア カザ 、 ハ コベ 、タ
デの ような 1年 生雑草です。種子 をつけ る前 にメ1取れば除 くことがで きます。 しか し、 こ
の掃除 刈 り
の時期 が遅 れ る と、雑 草 が遮光 してイネ科草ほ ど生 育不良にな ります。そ こで播種 40日頃に掃除
後
刈
りを行 い、す ぐに追肥 をす る と牧草は雑草 よ り再生力が強 いため雑 草 にまけ るこ とは あ りません
。
フキ、ギシギシ、ォニアザ ミ、ヤマガラシのような多年生雑草は大 い地下茎や根部が広 く張ってお
り掃除刈 りだけで絶す こ とはできません、掃除刈 り後再生 た雑草の小さい うちに除草剤を散 する
し
布
と根や地下茎を枯すことがで きます。 (除草剤の使用 P120)
掃除刈 りはやや高刈 りを行い、牧草の茎部、根部を痛めないように します。モーアで刈取 られた牧
草の多 くに、根が浮 き上がった り、茎や葉が引 き裂けたようにならている現象が見られます。回転歯
(ナイフ)の 切れがよくない もの と思われます。モーアの歯を研 いてよく切れるように して、適正な
スピ=ド で刈取ると根や茎を痛めることもな く、再生力 も高まり生育が良好にな ります。
そのほか、草地 に発生す る多 くの雑草は草地外か ら持ち込 まれた ものです。堆肥 中に雑草種 子 が混
入 して い る場合 にはで きるだけ腐熟 させ、発芽 力をな くしてか ら散 布 す るように しま しょう
。
図 6 発 芽 と生長条件
雑草
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:巴料
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γ
牧 草種子_
鎮圧
ヾ ぶ
ひ
掃除刈 りは播種後40日頃
…
種子深度
牧草
雑草種子
2雑 草 の 生 育 特 性 と 対 策
生育特性
―
―
対
策
一
1.発 芽、生育 には光線、酸素、温度、水分 が必 要 牧草 の 密度 を高めて地 表面 を牧草で覆 う
2.発 芽す る土壌深度は 5 cm程度 と浅 い ― ス リップ、土削 り、上のか き上 げな どで裸地 をつ くらない
3.酸 性土壌 を好む ―土壌診断 分析 による土 壌改 良
4.開 花後種子 が発芽力を もつ 日数は短 い (約20日)一 雑草が開花 す る前 にメ1取る
5.土 中の種子は休眠年数が長 い -1、 2の 対策 と同様、発芽 す るチ ャンスを与 えな い
6.数 種類の雑草が混生 して群 落 をつ くりやす い 一群落地 に肥 料 を散布 しな い、除草剤の使用
群落地 を簡 易更新す る。集 中的 に多回刈 りをす る
群落地 とな った地形や作業工程 を検討す る。
-40-
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∼確かな天気予測と調製技術を
駆使 して味のよい飼料を∼
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