愛知厚生連足助病院けすあいあ 1 2 月号第85号 2013年1月発行謹賀新年 ―夢へ、一歩一歩― 足助病院院長早川富博《今日は正月2日目、3人の孫にせがまれてモールに来た。すごい人ごみで喧騒すさまじい。何とか目的のゲーム機をゲットできた小学高学年の孫は大喜び。次はおもちゃだ、ガチャガチャだと、引き回され、お昼になった。ラーメン、ハンバーグ、おにぎりと雑多な要求をする孫に振り回され、やっと4人でテーブルにつけた。孫たちの残したものを食べ終わり、次はアイスクリームへと移動しようとしたとき、みぞおちの辺りがぐっと痛くなってきた。しばらく我慢できたが冷や汗が出てきた。めまいもする。その場にへたり込んだら、孫が「じいじ、どうしたの？えらいの？」。心窩部痛、既に胃切除をしている小生に胃潰瘍はありえない。心筋梗塞か？「救急車を呼んで！」10 分後にモールの一角で休む小生のところへ救急隊員が到着。「メディカカード持ってますか？」そうだ、財布にいつも携帯している。呼吸も苦しい中「財布の中」。救急隊員が財布に読み取り機をかざすと、小生の年齢、性、住所、病名、既往歴、現在の内服薬などが瞬時に現れ、「糖尿病をお持ちですね。胃の手術を10年前にしてみえますね」とてきぱきと小生に確認。こちらはうなずくだけで事足りた。モニターを装着され「心筋梗塞の疑いがあります。すぐ３次救急病院へ搬送します。」10分後には病院へ。病院ではメディカカードから、これまでの詳細な治療歴、検査データがクラウドサーバから読み取られ、的確な診断と治療が開始された。30分後には心カテが始まりステント挿入、無事治療は終了した。メディカカードを持っていた御蔭で、すばやく無駄のない医療で助かったのだ！》総務省が公募していた「ＩＣＴ街づくり推進事業」に対して、名古屋大学を代表とする共同提案により、豊田市が委託先候補として決定しました。「ＩＣＴ街づくり推進事業」は、ＩＣＴ（情報通信技術）を活用した新たな街づくりの在り方やその実現に向けた具体的な展開方策である「ＩＣＴスマートタウン」先行モデルの実現を、検証するための実証プロジェクトです。医療分野においては、足助地区を中心に、ICカードに医療情報を書き込むことによって、平時の医療情報の共有化と救急時に役立つ実験が始まります。私たちが生活する三河中山間地は、少子高齢化、過疎を特徴とし、小学校の閉鎖・合併、行政サービス、医療・保健・福祉サービスの不十分さ、移動手段の貧弱さなど、安心して暮らし続けるためには困った状況です。医療情報が書き込まれたICカードは、急変時に救急隊員が読み取ることによって、一刻を争う状況を改善する助けになると思います。足助病院では治療できない疾病（急性心筋梗塞など）と診断され豊田厚生病院、トヨタ記念病院へ搬送された場合、大変役に立つものと期待しております。田舎に居ても、すばやく個人の医療情報が収集できることは不平等性の解消に繋がるでしょう。当地区は少子高齢化の先進地区です。後続する人たちのために先進的な医療システムを提案しつづけたいと思います。引き続き倍増のご支援を心よりお願い申し上げますとともに、今年も皆様が健康で過ごされることを祈念します。足助病院改築工事本館棟西竣工 उੴैच 内覧会一般公開平成25年1月24日（木）午後1時00分∼午後4時30分入口は北西道路側よりお入りください。（2月1日より主玄関として使用します。）旧岩神の湯の駐車場をご利用下さい内覧会入口 1 糖尿病は早く見つけて早めに治療することが大切です ―こわがらないで、チームで支える糖尿病― 足助病院糖尿病研究会北村英子（糖尿病療養指導士）「糖尿病」という言葉を耳にしても、「自分とは関係ない」と思っていませんか？厚生労働省の「国民健康・栄養調査」（2007年右図）によりますと、糖尿病が強く疑われる人は約890万人、糖尿病の可能性が否定できない人は約 1,320万人と実に20代以上の約5人に1人が “糖尿病患者および予備軍”になっているのです。特に、40代から急速に増えており、「糖尿病」は今や特別な病気ではありません。糖尿病とは、高血糖の状態が続く病気です。高血糖は、インスリンが不足したり、うまく働かなくなったりして、ブドウ糖が血液のなかにたまってしまうために起こります。その原因（特に元々インスリンが出ていた糖尿病の方）として、食べ過ぎ・運動不足・ストレスなど現代社会の生活スタイル（生活習慣）が引き金となっていると言われています。この高血糖が持続すると、身体中の臓器に悪影響を与えます。特に網膜症・腎症・神経障害は、「糖尿病の三大合併症」と言われています。また、心筋梗塞や脳梗塞の原因となる動脈硬化は、軽度の糖尿病や糖尿病予備軍の段階から進行しています。糖尿病の治療目的は、合併症の発症・進行を防ぐことです。糖尿病治療の基本は、日常生活の改善、食事・運動療法、それでもなかなか改善しない場合に薬物療法を行います。薬が必要な場合でも、それによってよい血糖コントロールを保っているのなら、食事・運動療法だけでよいコントロールを続けている人と同じです。多くの場合、初期の段階では自覚症状があまりなく、健康診断などで指摘されてもそのままにしがちです。自覚症状が出た時には合併症が進行していることも少なくありません。しかし、早めに病気に気づき、ライフスタイルの見直しや適切な治療を行えば、糖尿病でない人と同じような生活を行い、同じような寿命を全うすることは十分可能です。糖尿病は上手に一生付き合う病気なのです。 40歳を過ぎたら健診を定期的に受け、糖尿病と指摘されたら医師の診断を受け、早期に適切な治療を開始することが肝心です。糖尿病についてお受けする質問より Q 健康診断で「血糖が正常だったら」大丈夫？ A もしかしたら食後に血糖が高い状態が続いて、隠れ糖尿病かも。過去１∼２か月の血糖を表す検査結果； HbA1ｃにも注意しましょう。健診の結果、受診が必要な場合もこわがらずに受けましょう。 Q 太ってないから大丈夫？ A 肥満は糖尿病への大きなリスクですが、肥満でなくても、内臓脂肪がたまっている場合もあり、糖尿病になる可能性はあります。また、急に痩せだした方も、糖尿病による影響も考えられるため注意が必要です。 Q 血糖値が高いと、いろいろな病気になる？ A 血糖が高い状態が続くと、そのダメージは全身に及び、様々な合併症を引き起こす可能性があります。その予防のためにも糖尿病の治療は大切です。糖尿病は医師の診察やお薬だけでは治せません。糖尿病を治していく主役は皆様ご自身なのです。さらにご家族のご協力も不可欠となるでしょう。当院では、医師の指示のもと、看護師・薬剤師・栄養士・理学療法士・臨床検査技師・保健師等医療スタッフが皆様のサポートさせていただきます。ご心配なことがおありでしたら、どうぞご相談ください。（H24.10.19 足助村塾より） 2 編集後記 2012年世相を現す漢字に、シドニー五輪があった2000年に引き続き「金」が選ばれました。金環日食のほか、ロンドン五輪での日本人選手の活躍、東京スカイツリーの開業、山中伸弥教授のノーベル賞受賞などで、「多くの金字塔が打ち立てられた」ことが理由に挙げられていました。いよいよ病院改築も完成を控えています。地域医療の拠点となるべく新たな気持ちで取り組んでいきたいと思います。今後とも皆様のお力をお寄せいただきたくどうぞ宜しくお願いいたします。（北村） 3 足助病院外来診察担当医表都合により医師が入れかわる場合があります。診察時間／午前9：00∼正午・午後3：00∼午後5：00 ※受付は終了30分前までです。（ただし、急患の方はこの限りではありません。）尚、午後は手術及び検査のない場合は受付いたします。電話にてご確認下さい。〔初診・予約外の再診の方は、予約者の間に随時入れておりますが、混雑時には長くお待たせすることもありますことをご承知下さい。〕午前内科月火水木金 Ⅰ診早川都筑早川小林早川都筑米田 Ⅱ診米田江﨑米田江﨑都筑小林 Ⅲ診小林鈴木（宣）井出鈴木（宣）井出鈴木（宣）井出井出小林米田鈴木（宣）交替交替米田都筑渡口江﨑初診都筑／鈴木（宣）午後中尾（3：00∼）神経内科第2火曜日安田（午後1：30∼）（要予約）大橋午後小児科（1：30∼）鈴木（一）伊藤／長屋三宅杉浦三宅杉浦（肛門外来）外科午前柏野柏野柏野（頭痛外来）柏野（ものわすれ外来）柏野午前余語余語松本余語／代務代務① 余語②④/松本③⑤ 代務交替 Ⅱ 松本石川石川石川／代務石川①③⑤/松本②④ （手術及び検査）午前武山菅（手術）午後（3：00∼）菅菅菅菅午前咽喉科柏野 Ⅰ 午後（検査）（手術）（コンタクト外来）第1・3火曜日午後2：00∼（要予約） Ⅰ 志賀志賀 Ⅱ 野々山岸本午後志賀耳鼻交替（手術及び検査）午後眼科三宅（手術及び検査）午後整形外科第3土健診のある8／20㈪・9／19㈬・10／17㈬は3：00∼になります午前脳神経外科第1土（3：00∼）婦人科午前尾崎泌尿器科午前橋本皮膚科午前志賀志賀谷川田中志賀・谷川志賀志賀（検査・手術）（検査・手術）志賀鈴森濱本神谷佐川西田（毎月保険証の確認にご協力ください。）外来診療カレンダー 2013. 1 2013. 2 2013. 日月火水木金土日月火水木金土日月火水木金土・・ ① ② ③ 4 5 ・・・・・ 1 2 ・・・・・ 1 2 3 ⑥ 7 8 9 10 11 ⑫ ③ 4 5 6 7 8 ⑨ ③ 4 5 6 7 8 ⑨ ⑬ ⑭ 15 16 17 18 19 ⑩ ⑪ 12 13 14 15 16 ⑩ 11 12 13 14 15 16 ⑳ 21 22 23 24 25 ⑰ 18 19 20 21 22 ⑰ 18 19 ⑳ 21 22 28 29 30 31 ・ 25 26 27 28 ・／ 25 26 27 28 29 ・・ 30 ※○印は休診日、第1・第3土曜日（青字）は午前のみの診察です。なお、急患の方は当直医が対応いたします愛知県豊田市岩神町仲田20番地ホームページhttp://www.jaaikosei.or.jp/asuke/ 愛知県厚生農業協同組合連合会 4 足助病院 ☎0565−62−1211 ●あすけあい第85号平成25年1月発行／足助病院文化実行委員会 ●印刷／三河印刷株式会社