外国人シェフグルメ(10) 平岩 堅太郎 15.アンバー(Amber) フレンチに余り馴染みのない街香港にあって異彩を放っているのがミシュラン二ツ星に 輝くアンバーです。場所はセントラル地区ランドマークの7階にあります。ドアを開ける と背の高い白人女性マネージャーが笑やかに迎えてくれました。入って右手に個室があり、 正面奥がワインセラー、左手がメインダイニングとなっています。アール・デコ調の調度 品と天井の3500本の銅色のチューブが我々を異空間へと誘いました。 メニューは複雑で何度読んでもわからないアラカルトは断念し、ロブスターのセットメ ニューにしました。 ワインはおすすめのドンペリニヨン95年とコルトンのル・ブレッサン2001年にし ました。料理とのマッチングは良い感じでしたが、高い買い物となりました。 ホールスタッフは数人で、サービスは悪くなかったのですが、残念な事にホンコン・イ ングリッシュの説明は十分理解出来ませんでした。 2009年9月21日のロブスター・セット・メニューは以下の如くでした。 1) プレ・アミューズブーシュ 一口パイ 2) アミューズブーシュ チーズボールの串刺し イベリアン・ポークボール 3) オードブル カニ肉ムース、ウニとゼリーのせ 4) ボイルされたはさみ肉3種 ①ラビオリよせ ②ワイン・リンゴのジュレよせ ③ハニー野菜巻き 5) ロブスターのムース、栗入りスープ 6)パイで密封されて蒸されたパスタ、ロブスターとマッシュルームのトマトソース和 え 7)メイン ロブスターと野菜のソテー、ビネガーソース スプーマ仕上げ 8)デセール アイスクリーム、イチジクとプディング 9)エスプレッソのダブル 10)ミニヤルディーズ ラズベリー・タルト、マカロン、マシュマロ、ピスタチオ、ショコラ 肉を使わずにロブスターだけでディネを完成させたシェフはリチャード・エッケバスと いう体格の良いオランダ人でした。目配り気配りの利く人でしょっ中ホールの方をのぞい ていました。このセットは使い慣れた海の素材を自由に料理した彼の自信作と感じました。 味付けは淡白で物足りなくならない様に濃厚に仕上げてあり、塩気もある力強い皿でした。 特に2)のカニ肉ムース、ウニとゼリーのせと、4)ロブスターのムースは絶品でした。 帰りがけに、先ほどの女性マネージャーが楽しげにダイニングルームの載った写真本を 見せてくれました。 香港へ行かれたらぜひ行ってみたいフレンチ・コンテンポラリー・レストランですが、 ドンペリの95年は避けた方が賢明です。 場所:ザ・ランドマーク・マンダリン・オリエンタル・ホテル7F 電話:2132-0066
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