防爆電気機器・設備に関連する主要な規定及び技術指針

防爆電気機器・設備に関連する主要な規定及び技術指針
1.労働安全衛生法及び同関係規則等
(1)労働安全衛生法(昭和4
7年法律第5
7号)
第2
0条(事業者の講ずべき措置等)
第4
2条(譲渡等の制限)
第4
4条の2(型式検定)
(2)労働安全衛生法施行令(昭和4
7年政令第3
1
8号)
第1
3条(労働大臣が定める規格又は安全装置を具備す
べき機械等)
第1
4条の2(型式検定を受けるべき機械等)
(3)労働安全衛生規則(昭和4
7年労働省令第3
2号)
第2
7条(規格に適合した機械等の使用)
第2
6
1条(通風等による爆発又は火災の防止)
第2
7
9条(危険物等がある場所における火気等の使用
禁止)
第2
8
0条(爆発性ガスのある場所で使用する電気機械
器具)
第2
8
1条(可燃性粉じんのある場所で使用する電気機
械器具)
第2
8
2条(爆燃性粉じんのある場所で使用する電気機
械器具)
第2
8
3条(修理作業等の適用除外)
第2
8
4条(点検)
(4)機械等検定規則(昭和4
7年労働省令第4
5号)
第6∼1
7条(型式検定)
(5)電気機械器具防爆構造規格
(昭和4
4年労働省告示第1
6号)
2.電気事業法及び同関係規則等
16
(1)電気事業法(昭和3
9年法律第1
7
0号)
第4
8条(基準に適合するよう維持すべき義務)
(2)電気設備技術基準(電気設備に関する技術基準を定める
省令)
(昭和4
0年通商産業省令第6
1号)
第1
9
2条 粉塵の多い場所における低圧の施設
第1
9
3条 可燃性のガス等の存在する場所の低圧の施設
第1
9
4条 危険物等の存在する場所における低圧の施設
第1
9
5条 火薬庫における電気設備の施設
(3)電気設備に関する技術基準の細目を定める告示
(昭和4
0年通商産業省告示第2
7
1号)
第3
1条(金属管の防爆型付属品の規則)
第3
3条(電気機械器具の防爆構造の規格)
(4)内線規定
第5章:特殊場所
第5
0
5節 ガス蒸気危険場所
第5
1
0節 粉じん危険場所
第5
2
5節 火薬庫等の危険場所
3.消防法
危険物の規則に関する政令
第3章第1節第9条∼第3節第1
9条
214
4.日本工業規格(JIS規格)
JIS
JIS
JIS
JIS
JIS
JIS
JIS
JIS
JIS
C6
0
0
7
9−0
C6
0
0
7
9−1
C6
0
0
7
9−2
C6
0
0
7
9−6
C6
0
0
7
9−7
C6
0
0
7
9−1
0
C6
0
0
7
9−1
1
C6
0
0
7
9−1
5
C6
0
0
7
9−1
8
第0部:一般要件
第1部:耐圧防爆構造“d”
第2部:内圧防爆構造“p”
第6部:油入防爆構造“o”
第7部:安全増防爆構造“e”
第1
0部:危険区域の分類
第1
1部:本質安全防爆構造“i”
第1
5部:タイプ“n”防爆構造
第1
8部:樹脂充てん防爆構造“m”
5.防爆指針 産業安全研究所技術指針
(1)工場電気設備防爆指針(ガス蒸気防爆 2
0
0
6)
1
0
0
0 電気設備防爆一般
2
0
0
0 電気配線の防爆
3
0
0
0 電気機器の防爆構造
4
0
0
0 防爆構造の電気機器の試験
5
0
0
0 防爆電気設備の保守
(2)工場電気設備防爆指針
(国際規格に整合した技術的基準対応 2
0
0
8)
第1章 総則
第2章 耐圧防爆構造
第3章 内圧防爆構造
第4章 安全増防爆構造
第5章 油入防爆構造
第6章 本質安全防爆構造
第S1章 樹脂充てん防爆構造
第S2章 非点火防爆構造
(3)工場電気設備防爆指針(粉じん防爆 1
9
8
2)
1
0
0
0 電気設備の粉じん防爆一般
2
0
0
0 電気配線の粉じん防爆
3
0
0
0 電気機器の粉じん防爆構造
4
0
0
0 粉じん防爆構造の電気機器の試験
5
0
0
0 粉じん防爆電気設備の保守
6.その他
(1)
「防爆構造電気機械器具型式検定ガイド」
公益社団法人 産業安全技術協会
(2)
「ユーザーのための工場防爆設備ガイド」
独立行政法人 労働安全衛生総合研究所
(3)
「防爆照明器具の保守基準作成ガイド」
「防爆照明器具の耐用年限」
一般社団法人 日本照明器具工業会
(4)
「防爆安全ガイドブック」
一般社団法人 日本電気制御機器工業会
防爆電気に表示される記号など
■ガス蒸気防爆構造
構造規格によるもの
区
分
技術的基準によるもの
記 号
表示項目
記 号
記号の意味
Ex
防爆構造
の種類
耐圧防爆構造
d
d
耐圧防爆構造
内圧防爆構造
f
p
内圧防爆構造
油入防爆構造
o
o
油入防爆構造
安全増防爆構造
e
e
安全増防爆構造
防爆構造の種類
本質安全防爆構造
ia又はib
ia又はib
本質安全防爆構造
樹脂充填防爆構造
(ma又はmb)
ma又はmb
樹脂充填防爆構造
(n)
n
非点火防爆構造
特殊防爆構造
s
s
特殊防爆構造
爆発等級 1
1
爆発等級 2
2
!
工場・事業場用の防爆電気機器
爆発等級 3
3a
非点火防爆構造
爆発等級
防爆構造であることを示す記号
防爆電気機器の
グループ
耐圧防爆構造及び本質
安全防爆構造の電気機
器の分類されたグループ
3b
3c
!A
分類Aの爆発性ガスに適用
!B
分類Bの爆発性ガスに適用
!C
分類Cの爆発性ガスに適用
T1
3
0
0を超え4
5
0°
C以下
最高表面温度の範囲
3n
発 火 度
発火度 G1
G1
発火度 G2
G2
発火度 G3
G3
発火度 G4
G4
発火度 G5
G5
防爆電気機器
の温度等級
T2
2
0
0を超え3
0
0°
C以下
T3
1
3
5を超え2
0
0°
C以下
T4
1
0
0を超え1
3
5°
C以下
T5
8
5を超え1
0
0°
C以下
T6
8
5°
C以下
構 造 規 格
防爆電気
機 器 の
温
度
技 術 的 基 準
発火度と温度上昇限度(℃)
温度等級と最高表面温度(℃)
発火度
G1
G2
G3
G4
G5
温度等級
T1
T2
T3
T4
T5
T6
温度上昇限度
3
2
0
2
0
0
1
2
0
7
0
4
0
最高表面温度
4
5
0
3
0
0
2
0
0
1
3
5
1
0
0
8
5
■粉じん防爆構造
●粉じん防爆構造の種類と粉じん危険場所への適用
防爆構造の種類
記 号
粉じん危険場所への適用
特殊防じん防爆構造
SDP
爆燃性粉じん危険場所、可燃性粉じん危険場所
普通防じん防爆構造
DP
可燃性粉じん危険場所
粉じん特殊防爆構造
XDP
16
−
●粉じんの発火度と分類例
粉じんの種類
発火度
物性による分類
爆燃性粉じん
マグネシウム、アルミニウム、
2
7
0℃超過 1
1
アルミニウムブロンズ
発火温
2
7
0℃以下
1
2 アルミニウム(含脂)
度によ
2
0
0℃超過
る分類
2
0
0℃以下
1
3
1
5
0℃超過
可燃性粉じん
導電性のもの
非導電性のもの
亜鉛、チタン、コークス、
カーボンブラック
小麦、とうもろこし、砂糖、ゴム、染料、
ポリエチレン、フェノール樹脂
鉄、石炭
ココア、リグニン、米ぬか
硫黄
215
危険場所の分類
ガス蒸気危険場所の種別
危険場所の種別
特別危険箇所(ゾーン0)
JISC6
0
0
7
9−1
0に定める
「危険度0区域(Zone0)
」
に相当
第一類危険箇所(ゾーン1)
JISC6
0
0
7
9−1
0に定める
「危険度1区域(Zone1)
」
に相当
第二類危険箇所(ゾーン2)
JISC6
0
0
7
9−1
0に定める
「危険度2区域(Zone2)
」
に相当
連続し、長時間にわたり、又
は頻繁に、ガス又は蒸気が爆
発の危険のある濃度に達する
ものをいう。
通常の状態において、特別危
険箇所及び第二類危険箇所に
該当しないものをいう。
通常の状態において、ガス又
は蒸気が爆発の危険のある濃
度に達するおそれが少なく、
又は達している時間が短いも
のをいう。
危険場所分類の概要
危険場所の分類は、可燃性物質の特性、爆発に至る過程及び電気機械器具に関する知識を持つ者が、安全、電気、機械そ
の他の関係技術者と適宜協議の上、実施する必要があります。
判定は以下の手順に基づいて行い、上記3種類の危険場所に分類します。また、JIS C 60
0
7
9−1
0「爆発性雰囲気で使用
する電気機械器具一第1
0部:危険区域の分類」に判定のための手順が記載されています。
連続等級
(1)放出等級の
決定
第一等級
ガス又は蒸気が連続的に放出、又 通常運転中に周期的、又はときど 通常運転中には発生せず、もし発
は高頻度で放出、あるいは長期間 き放出される放出源。
生しても低頻度で短時間だけ放出
にわたって放出される放出源。
される放出源。
高換気度
(2)換気度の
決定
中換気度
弱
高換気度
中換気度
低換気度
良
可
弱
良
可
弱
良、可
又は弱
連続等級
非危険箇所
ゾーン2
ゾーン1
ゾーン0
ゾーン0
ゾーン0
ゾーン0
第一等級
非危険箇所
ゾーン2
ゾーン2
ゾーン1
ゾーン1
ゾーン1
ゾーン1
第二等級
非危険箇所
非危険箇所
ゾーン2
ゾーン2
ゾーン2
ゾーン2
ゾーン1
換気の有効度
放
出
等
級
可
連続した換気が確保されている場 通常運転中は換気されているが、 良及び可のいずれでもないが、長
合。
低頻度で短時間の停止は許容され 時間にわたる停止はない場合。
る場合。
換気度
16
低換気度
放出源のガス又は蒸気の濃度を瞬 放出が継続してもその濃度の上昇 放出が継続した場合、濃度の上昇
時に低下させ、爆発下限界未満に を抑制し、又は低減することがで を抑制、あるいは低減することが
抑えることができる換気能力。
きる換気能力。
できない換気能力。
良
(3)換気の有効
度の決定
第二等級
注:条件により判定が変わる場合があります。また、ガス又は蒸気の放出率、爆発下限界、換気効果、ガス又は蒸気の比重、
気象条件等を考慮して爆発危険箇所の範囲を決定することになります。
216
爆発性ガスの分類
●構造規格[爆発性ガスの爆発等級と発火度]
発火度
発火温度による分類
4
5
0℃超過
G1
爆発等級
火
炎
逸
走
限
界
に
よ
る
分
類
0.
6mm超過
1
3
0
0℃超過
4
5
0℃以下
G2
2
0
0℃超過
3
0
0℃以下
G3
1
3
5℃超過
2
0
0℃以下
1
0
0℃超過
1
3
5℃以下
G4
G5
アセトン
エタノール
ガソリン
アセトアルデヒド
アンモニア
酢酸イソペンチル
ヘキサン
エチルエーテル
一酸化炭素
1−ブタノール
エタン
ブタン
酢酸
無水酢酸
酢酸エチル
トルエン
プロパン
ベンゼン
メタノール
メタン
0.
4mm超過
0.
6mm以下
2
石炭ガス
エチレン
エチレンオキシド
3a 水性ガス・水素
0.
4mm以下
3b
二硫化炭素
3c
アセチレン
●技術的基準[防爆電気機器のグループ及び温度等級と対応する爆発性ガス]
爆発性ガスの発火温度
4
5
0℃超過
3
0
0℃超過
4
5
0℃以下
2
0
0℃超過
3
0
0℃以下
1
3
5℃超過
2
0
0℃以下
1
0
0℃超過
1
3
5℃以下
8
5℃超過
1
0
0℃以下
温度等級
T1
T2
T3
T4
T5
T6
防
爆
電
気
機
器
の
グ
ル
ー
プ
エタノール
アセトン
エチルベンゼン
アンモニア
塩化アセチル
一酸化炭素
塩化ビニル
エタン
エチルメチルケトン 酢酸ビニル
0−キシレン
酢酸ブチル
クロロベンゼン 酢酸プロピル
酢酸
シクロペンタン
酢酸エチル
ジメチルアミン
スチレン
1−ブタノール
トルエン
ブタン
プロパン
プロピルアミン
ベンゼン
プロピレン
メタノール
メタクリル酸エチル
メタン
メタクリル酸メチル
エチルシクロヘキサン アセトアルデヒド
エチルシクロペンタン
塩化ブチル
オクタン
シクロヘキサノール
シクロヘキサン
デカン
ヘキサン
ヘプタン
ペンタン
メチルシクロヘキサン
ガソリン
ケロシン
石油ナフサ
テレピン油
!B
アクリロニトリル アクリル酸エチル
シアン化水素
アクリル酸メチル
シクロプロパン エチレン
コークス炉ガス エチレンオキシド
1、3−ブタジェン
フラン
クロトンアルデヒド ジエチルエーテル
ジメチルエーテル
ジブチルエーテル
テトラヒドロフラン 硝酸イソプロピル
テトラフロロエチレン
!C
水素
!A
!
アセチレン
アクリルアルデヒド
亜硝酸エチル
16
エチルメチルエーテル
二硫化炭素
硝酸エチル
217