SINAMICS

SINAMICS S120
ファンクションマニュアル · 01/2012
SINAMICS
s
ドライブ機能
___________________
はじめに
1
___________________
電源装置
2
___________________
拡張設定値チャンネル
SINAMICS
S120
ドライブ機能
3
___________________
サーボ制御
___________________
4
ベクトル制御
___________________
5
U/f 制御 (ベクトル制御)
機能マニュアル
___________________
6
基本機能
___________________
7
ファンクションモジュール
___________________
8
監視・保護機能
___________________
9
Safety Integrated の基本機能
___________________
10
通信
___________________
11
アプリケーション
ドライブシステムに関する
基礎知識
12
___________________
A
付録
有効:
ファームウェアバージョン 4.5
(FH1), 01/2012
6SL3074-2AB00-0TP5
法律上の注意
法律上の注意
警告事項
本書には、ユーザーの安全性を確保し製品の損傷を防止するうえ守るべき注意事項が記載されています。ユーザ
ーの安全性に関する注意事項は、安全警告サインで強調表示されています。このサインは、物的損傷に関する注
意事項には表示されません。
危険
回避しなければ、直接的な死または重傷に至る危険状態を示します。
警告
回避しなければ、死または重傷に至るおそれのある危険な状況を示します。
注意
回避しなければ、軽度または中度の人身傷害を引き起こすおそれのある危険な状況を示します(安全警告サイ
ン付き)。
注意
回避しなければ、物的損傷を引き起こすおそれのある危険な状況を示します(安全警告サインなし)。
通知
回避しなければ、望ましくない結果や状態が生じ得る状況を示します(安全警告サインなし)。
複数の危険レベルに相当する場合は、通常、最も危険度の高い(番号の低い)事項が表示されることになってい
ます。安全警告サイン付きの人身傷害に関する注意事項があれば、物的損傷に関する警告が付加されます。
有資格者
本書が対象とする製品 / システムは必ず有資格者が取り扱うものとし、各操作内容に関連するドキュメント、特
に安全上の注意及び警告が遵守されなければなりません。有資格者とは、訓練内容及び経験に基づきながら当該
製品 / システムの取り扱いに伴う危険性を認識し、発生し得る危害を事前に回避できる者をいいます。
シーメンス製品を正しくお使いいただくために
以下の事項に注意してください。
警告
シーメンス製品は、カタログおよび付属の技術説明書の指示に従ってお使いください。他社の製品または部品
との併用は、弊社の推奨もしくは許可がある場合に限ります。製品を正しく安全にご使用いただくには、適切
な運搬、保管、組み立て、据え付け、配線、始動、操作、保守を行ってください。ご使用になる場所は、許容
された範囲を必ず守ってください。付属の技術説明書に記述されている指示を遵守してください。
商標
®マークのついた称号はすべて Siemens AG の商標です。本書に記載するその他の称号は商標であり、第三者が
自己の目的において使用した場合、所有者の権利を侵害することになります。
免責事項
本書のハードウェアおよびソフトウェアに関する記述と、実際の製品内容との一致については検証済みです。 し
かしなお、本書の記述が実際の製品内容と異なる可能性もあり、完全な一致が保証されているわけではありませ
ん。 記載内容については定期的に検証し、訂正が必要な場合は次の版て更新いたします。
Siemens AG
Industry Sector
Postfach 48 48
90026 NÜRNBERG
ドイツ
注文番号: 6SL3074-2AB00-0TP5
Ⓟ 07/2012 変更する権利を留保
Copyright © Siemens AG
2012.
無断複写・転載を禁じます
はじめに
SINAMICS の説明書について
SINAMICS の説明書は、以下のカテゴリーに分類されます。
●
製品の取扱説明書/カタログ
●
ユーザ向け説明書
●
機械製造メーカ/サービス向け説明書
関連情報
以下のリンクでは、このトピックに関する情報を提供しています:
●
取扱説明書の注文/取扱説明書の概要
●
説明書をダウンロードするためのその他のリンク
●
オンラインでの文書の使用 (説明書/情報での検索および閲覧)
http://www.siemens.com/motioncontrol/docu
本書に関する質問 (例 : 改善要求や訂正) は、下記 e-mail アドレスまでお問い合わせく
ださい。
[email protected]
My Documentation Manager
以下のリンクには、シーメンスのコンテンツに基づいてお客さま自身の文書を作成し、
お客さまの機械装置の取扱説明書にご利用していただく方法についての説明があります。
http://www.siemens.com/mdm
トレーニング
以下のリンクには、SITRAIN (製品、システム、およびオートメーションエンジニアリ
ングソリューション用のシーメンスのトレーニング) についての情報があります。
http://www.siemens.com/sitrain
ドライブ機能
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3
はじめに
FAQ
よくある質問 (FAQ) は、「製品サポート」の「サービス&サポート」ページを参照し
てください:
http://support.automation.siemens.com
SINAMICS
SINAMICS についての情報は以下を参照してください:
http://www.siemens.com/sinamics
作業段階と該当する説明書/ツール (例として)
表1
作業段階と該当する説明書/ツール
作業段階
説明書/ツール
オリエンテーション
SINAMICS S チラシ・カタログ
計画/機器選定
• コンフィグレーションツール SIZER
• コンフィグレーションマニュアル、モータ
製品の選定/注文
SINAMICS S カタログ
機器の据え付け/取り付け
• 『SINAMICS S120 コントロールユニットおよび
オプションコンポーネント用製品マニュアル』
• SINAMICS S120 ブックサイズパワーユニット用
製品マニュアル
• SINAMICS S120 シャーシパワーユニット用製品
マニュアル
• SINAMICS S120 AC ドライブ用製品マニュアル
• SINAMICS S120M 分散型ドライブテクノロジー用
製品マニュアル
試運転
• 試運転ツール STARTER
• SINAMICS S120 Getting Started
• 『SINAMICS S120 試運転マニュアル』
• SINAMICS S120 CANopen 試運転マニュアル
• SINAMICS S120 ファンクションマニュアル
• 『SINAMICS S120/S150 リストマニュアル』
4
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
はじめに
作業段階
使用/操作
説明書/ツール
• 『SINAMICS S120 試運転マニュアル』
• 『SINAMICS S120/S150 リストマニュアル』
メンテナンス/サービス
• 『SINAMICS S120 試運転マニュアル』
• 『SINAMICS S120/S150 リストマニュアル』
リファレンス
• 『SINAMICS S120/S150 リストマニュアル』
対象
本書は、SINAMICS ドライブシステムをご使用いただく機械製造メーカ、試運転技術者、
およびサービス担当者を対象とするものです。
本書の目的
このマニュアルには SINAMICS S120 の試運転と点検に必要な全ての情報、手順および
操作方法が説明されています。
記述の範囲
本書に記載された機能は、実際のドライブシステムの機能と異なることがあります。
●
本書に記述されていない機能をドライブシステムがサポートしていることがありま
す。 しかしながら、それらの機能の提供を、新規納入時やサービス時に要求するこ
とはできません。
●
ドライブシステムの特定の製品バージョンでは利用できない機能が、本書に記載さ
れていることがあります。 納品されたドライブシステムの機能については、注文書
を参照してください。
●
機械製造メーカにより拡張または変更された箇所については、機械製造メーカが文
書を作成しなければなりません。
明瞭化のために、本書では全ての製品タイプの詳細を記載しているわけではありません。
本書は、据え付け、運転およびサービス/メンテナンスで想定されるあらゆるケースを
考慮したものではありません。
ドライブ機能
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はじめに
技術サポート
各国のテクニカルサポートの電話番号は、以下のインターネットサイトの [Contact] (お
問合せ先) に掲載されています:
http://www.siemens.com/automation/service&support
CE 適合宣言書
EMC 指令に関する CE 適合宣言書は、以下のインターネットサイトで検索することが
できます。
http://support.automation.siemens.com
ここに、検索用語として、数字 15257461 を入力するか、お近くのシーメンスまでお問
い合わせください。
構成
ファンクションマニュアルは、以下のように構成されています。
第1章
電源装置 (ページ 23)
第2章
拡張設定値チャンネル (ページ 51)
第3章
サーボ制御 (ページ 73)
第4章
ベクトル制御 (ページ 153)
第5章
U/f 制御 (ベクトル制御) (ページ 241)
第6章
基本機能 (ページ 257)
第7章
ファンクションモジュール (ページ 353)
第8章
監視・保護機能 (ページ 483)
第9章
Safety Integratedの基本機能 (ページ 513)
第 10 章
通信 (ページ 571)
第 11 章
アプリケーション (ページ 805)
第 12 章
ドライブシステムに関する基礎知識 (ページ 825)
初めてお使いいただく皆様へ :
最初に ドライブシステムに関する基礎知識 (ページ 825) を一読していただいた後、特
殊な要件に応じて該当する章をお読みください。
6
ドライブ機能
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はじめに
検索ガイド
以下のヘルプは更なるオリエンテーションのためにご利用ください。
●
目次
●
略称一覧
●
インデックス
表記
本書では、以下の表記および略称を採用しています。
パラメータの表記例:
●
p0918 設定パラメータ 918
●
r1024 表示パラメータ 1024
●
p1070[1] 設定パラメータ 1070、インデックス 1
●
p2098[1].3 設定パラメータ 2098、インデックス 1、ビット 3
●
p0099[0...3] 設定パラメータ 99、インデックス 0~3
●
r0945[2](3) 表示パラメータ 945、ドライブオブジェクト 3 のインデックス 2
●
p0795.4 設定パラメータ 795、ビット 4
故障とアラームの表記例:
●
F12345 故障 12345
●
A67890 アラーム 67890
ドライブ機能
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はじめに
ESD に関する注記
注意
静電放電 (ESD) により破損する恐れのある部品とは、静電界または静電放電により破
損する可能性のある各種デバイス、IC、基板などです。
ESD 取扱規定:
電子部品を取り扱う際は、作業者、作業場および梱包材の接地に十分注意すること!
以下の場合を除き、電子部品に触れないようにしてください。
• 作業者が ESD 対策ブレスレットを使用して接地している場合、または、
• 導電性フローリング床の ESD エリアで、作業者が ESD 対策靴または ESD 接地ス
トラップを着用している場合。
止むを得ない場合以外、電子部品に触れないこと。 触れる際はフロントパネルまた
は回路基盤の端を持つこと。
電子部品はプラスチック製品や化学繊維の衣服と接触させないこと。
電子部品は必ず導電性の表面に置くこと (ESD コーティングを施した台、導電性 ESD
発砲材料、ESD 包装袋、ESD 運搬容器)。
電子部品をディスプレイ、モニタ、TV などの近くに置かないこと (画面からの最小距
離 > 10 cm)。
基板の測定を行う場合は必ず、使用する計測機器を接地し (接地導線などの施工)、絶
縁された計測装置で計測する際は測定プローブを一時的に放電すること (被覆がされ
ていない金属性ハウジングなどに触れる)。
8
ドライブ機能
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はじめに
安全に関する情報
危険
• ここに記載されるコンポーネントの機械が EC 機械指令の要件に完全に適合するこ
とをすべて確認するまで、試運転は固く禁止されています。
• SINAMICS の機器と AC モータの試運転は、有資格者のみが実施するようにしてく
ださい。
• 有資格者は、製品の取扱説明書に記載されている情報を考慮し、記載されている危
険や安全に関する情報について熟知し、遵守しなければなりません。
• 電気機器およびモータを運転する場合、必然的に電気回路には危険レベルの電圧が
伝導されます。
• 機械装置やシステムの運転中は、危険な軸動作が発生することがあります。
• 電気機器やシステムでの全ての作業は、無電圧状態で実施してください。
• 3 相モータを駆動する SINAMICS の機器は、IEC 61800-5-1 に適合した漏洩電流検
出器と SINAMICS の機器が併用可能であることが確認された場合にのみ、選択ス
イッチ付きの交流 / 直流漏洩電流検出器を介して電源系統に接続することができま
す。
警告
• この機器およびモータを正しく安全にご使用頂くために、正しい運搬、適切な保
管、据え付け・取り付けおよび慎重な操作、サービスおよびメンテナンスを行って
ください。
• 特殊仕様のドライブ装置およびモータの場合、カタログおよび見積書の情報やデー
タが追加で適用されます。
• 取扱説明書に記載された危険と警告に関する情報に加えて、適用される国と地域の
法規、およびプラント固有の規則および要求を考慮してください。
• 0 ~ 48 V の任意の接続部や端子には EN 60204-1 に適合した保護超低電圧
(PELV) のみを配線することができます。
ドライブ機能
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はじめに
注意
• モータの表面温度は +80°C を超えることがあります。
• そのため、 例えば、ケーブルや電子部品などの温度感受性が高い部品を、モータ
に接触させたり取り付けたりしないでください。
• 接続ケーブルを取り付ける際には、以下の注意事項を確認してください。
- ケーブルが断線していない
- ケーブルが張力を受けていない
- ケーブルが回転部分に接触しない
注意
• ルーチンテストの一部として、3 相モータと SINAMICS の機器は EN 61800-5-1 に
準拠した耐圧試験を受けています。産業用機械の電気機器の耐圧試験は、EN
60204-1、セクション 18.4 に従い、機器が損傷しないように SINAMICS 機器のす
べての接続部を外して実施しなければなりません。
• モータは付属の回路図に従って接続してください。そうしなければ、モータが破損
することがあります。
注記
乾燥した環境で運転する場合、SINAMICS の機器と 3 相モータは低電圧指令
2006/95/EC に適合します。
10
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
目次
はじめに ...........................................................................................................................................3
1
2
3
電源装置 .........................................................................................................................................23
1.1
1.1.1
1.1.2
1.1.3
1.1.4
1.1.5
1.1.6
1.1.7
アクティブ電源装置 ........................................................................................................... 23
アクティブ電源装置閉ループ制御、ブックサイズ............................................................. 24
アクティブ電源装置閉ループ制御、シャーシ.................................................................... 26
ファンクションダイアグラムおよびパラメータ ................................................................ 27
電源とDCリンクのオートチューニング............................................................................. 29
アクティブ電源装置開ループ制御...................................................................................... 30
無効電流制御...................................................................................................................... 33
高調波コントローラ ........................................................................................................... 34
1.2
1.2.1
1.2.2
スマート電源装置............................................................................................................... 35
スマート電源装置(ブックサイズ)の電源電圧とDCリンクのオートチューニング.............. 37
スマート電源装置の開ループ制御...................................................................................... 38
1.3
1.3.1
1.3.2
ベーシック電源装置 ........................................................................................................... 41
ファンクションダイアグラムおよびパラメータ ................................................................ 44
ベーシック電源装置開ループ制御...................................................................................... 44
1.4
電磁接触器制御 .................................................................................................................. 47
1.5
予備充電とバイパス接触器のシャーシ .............................................................................. 49
拡張設定値チャンネル ....................................................................................................................51
2.1
サーボ制御モードでの「拡張設定値チャンネル」ファンクションモジュールの有効
化........................................................................................................................................ 51
2.2
説明 .................................................................................................................................... 52
2.3
固定速度設定値 .................................................................................................................. 53
2.4
電動ポテンショメータ ....................................................................................................... 54
2.5
JOG.................................................................................................................................... 57
2.6
メイン/補助設定値、および設定値の修正.......................................................................... 61
2.7
回転方向の制限と回転切換の方向...................................................................................... 63
2.8
帯域抑制と設定値制限 ....................................................................................................... 64
2.9
ランプ関数発生器............................................................................................................... 66
サーボ制御......................................................................................................................................73
3.1
速度コントローラ............................................................................................................... 76
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
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目次
4
12
3.2
速度設定値フィルタ............................................................................................................77
3.3
速度コントローラアダプション ..........................................................................................79
3.4
トルク制御運転 ...................................................................................................................81
3.5
トルク指令の設定値の制限 .................................................................................................84
3.6
電流コントローラ ...............................................................................................................89
3.7
電流設定値フィルタ............................................................................................................91
3.8
電子モータモデルに関する注記 ..........................................................................................98
3.9
V/f 制御 ...............................................................................................................................98
3.10
電流/速度コントローラの最適化 .......................................................................................102
3.11
センサなし運転(エンコーダなし)......................................................................................104
3.12
3.12.1
3.12.2
モータ定数測定 .................................................................................................................108
モータデータ定数測定 インダクションモータ..................................................................112
モータデータ定数測定 同期モータ ...................................................................................114
3.13
極位置オートチューニング ...............................................................................................117
3.14
Vdc制御.............................................................................................................................125
3.15
ダイナミックサーボ制御(DSC).........................................................................................129
3.16
固定停止位置への移動 ......................................................................................................134
3.17
垂直軸 ...............................................................................................................................139
3.18
変数シグナル機能 .............................................................................................................140
3.19
3.19.1
セントラルプローブ評価...................................................................................................142
セントラル方式のプローブ評価の例.................................................................................149
ベクトル制御................................................................................................................................ 153
4.1
センサなしベクトル制御(SLVC) .......................................................................................157
4.2
エンコーダ付きのベクトル制御 ........................................................................................165
4.3
速度コントローラ .............................................................................................................166
4.4
速度コントローラ補正 ......................................................................................................168
4.5
速度コントローラプリコントロールと参照モデル ...........................................................172
4.6
ドループ............................................................................................................................176
4.7
オープンな速度実績値 ......................................................................................................177
4.8
トルク制御 ........................................................................................................................179
4.9
トルク制限 ........................................................................................................................182
4.10
Vdc 制御............................................................................................................................184
ドライブ機能
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目次
5
6
4.11
電流設定値フィルタ ......................................................................................................... 188
4.12
速度実績値フィルタ ......................................................................................................... 189
4.13
電流コントローラ補正 ..................................................................................................... 190
4.14
モータ定数測定と回転測定 .............................................................................................. 192
4.15
効率オートチューニング.................................................................................................. 200
4.16
インダクションモータのためのクイック励磁.................................................................. 201
4.17
誘導電動機(ASM)の試運転説明........................................................................................ 205
4.18
4.18.1
4.18.2
4.18.3
4.18.4
永久磁石同期電動機の試運転説明.................................................................................... 208
運転中のエンコーダ調整.................................................................................................. 212
自動エンコーダ調整 ......................................................................................................... 214
極位置オートチューニング .............................................................................................. 216
ファンクションダイアグラムおよびパラメータ .............................................................. 217
4.19
他励式同期電動機を試運転するための指示 ..................................................................... 218
4.20
フライング再起動............................................................................................................. 218
4.21
同期制御........................................................................................................................... 221
4.22
電圧検出モジュール ......................................................................................................... 222
4.23
4.23.1
4.23.2
4.23.3
シミュレーションモード.................................................................................................. 225
説明 .................................................................................................................................. 225
機能 .................................................................................................................................. 225
試運転 .............................................................................................................................. 226
4.24
冗長構成運転パワーモジュール ....................................................................................... 226
4.25
4.25.1
4.25.2
4.25.3
バイパス........................................................................................................................... 227
オーバーラップを伴う同期によるバイパス ..................................................................... 229
オーバーラップを伴わない同期によるバイパス .............................................................. 232
同期を伴わないバイパス.................................................................................................. 233
4.26
4.26.1
4.26.2
非同期パルス周波数 ......................................................................................................... 237
非同期パルス周波数 ......................................................................................................... 237
非同期パルス周波数のための境界条件 ............................................................................ 238
U/f 制御 (ベクトル制御)............................................................................................................241
5.1
電圧ブースト.................................................................................................................... 244
5.2
すべり補正 ....................................................................................................................... 248
5.3
共振抑制........................................................................................................................... 249
5.4
Vdc 制御........................................................................................................................... 250
基本機能 .......................................................................................................................................257
6.1
単位の切り替え ................................................................................................................ 257
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
13
目次
14
6.2
基準パラメータ/スケーリング...........................................................................................259
6.3
モジュールマシンコンセプト............................................................................................263
6.4
サインフィルタ .................................................................................................................266
6.5
dv/dtフィルタプラスVPL ..................................................................................................267
6.6
dv/dt フィルタコンパクトプラス電圧ピークリミッタ ......................................................268
6.7
パルス周波数ワブリング...................................................................................................270
6.8
設定値変更なしの方向反転 ...............................................................................................271
6.9
自動再起動(ベクトル、サーボ、電源装置) .......................................................................272
6.10
6.10.1
6.10.1.1
6.10.1.2
6.10.2
6.10.2.1
6.10.2.2
6.10.2.3
6.10.2.4
6.10.3
6.10.4
電機子短絡ブレーキ、DC ブレーキ..................................................................................276
電機子短絡ブレーキ、永久磁石式同期モータ...................................................................277
内部電機子短絡ブレーキ...................................................................................................277
外部電機子短絡ブレーキ...................................................................................................278
DC ブレーキ......................................................................................................................281
パラメータを介した有効化 ...............................................................................................281
故障応答を介した有効化...................................................................................................282
OFF コマンドを介した有効化...........................................................................................283
速度スレッシホールドを介した有効化 .............................................................................283
故障応答のコンフィグレーション ....................................................................................284
ファンクションダイアグラムおよびパラメータ ...............................................................284
6.11
6.11.1
6.11.2
6.11.3
6.11.4
6.11.5
ブレーキモジュールとしてのモータモジュール ...............................................................285
特徴...................................................................................................................................286
抵抗器のコンフィグレーション ........................................................................................286
機能の有効化.....................................................................................................................292
保護機器............................................................................................................................293
ファンクションダイアグラムおよびパラメータ ...............................................................294
6.12
OFF3 トルク制限値 ..........................................................................................................295
6.13
テクノロジーファンクション: 摩擦特性 ...........................................................................295
6.14
簡易ブレーキ制御 .............................................................................................................297
6.15
実行時間(運転時間カウンタ).............................................................................................300
6.16
省エネ表示 ........................................................................................................................301
6.17
6.17.1
6.17.2
エンコーダ診断 .................................................................................................................304
データロガー.....................................................................................................................304
エンコーダダーティ信号...................................................................................................305
6.18
6.18.1
6.18.2
6.18.3
許容エンコーダ監視..........................................................................................................306
エンコーダトラック監視...................................................................................................308
ゼロマーク許容範囲..........................................................................................................309
未処理の速度値をフリーズ ...............................................................................................309
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
目次
7
6.18.4
6.18.5
6.18.6
6.18.7
6.18.8
6.18.9
6.18.10
6.18.11
6.18.12
6.18.13
6.18.14
6.18.15
調整可能なハードウェアフィルタ.................................................................................... 310
ゼロマークのエッジ評価.................................................................................................. 311
磁極位置補正.................................................................................................................... 312
故障時のパルス数補正 ..................................................................................................... 313
「許容帯域パルス数」監視 .............................................................................................. 314
信号エッジ評価 (1x、4x).................................................................................................. 315
速度「0」を評価するための測定時間の設定 ..................................................................... 316
速度実績値のスライド平均化........................................................................................... 316
トラブルシューティング.................................................................................................. 317
許容ウィンドウと補正 ..................................................................................................... 319
依存関係........................................................................................................................... 319
重要なパラメータの一覧.................................................................................................. 322
6.19
軸のパーキングとエンコーダのパーキング ..................................................................... 323
6.20
6.20.1
6.20.2
位置の追跡 ....................................................................................................................... 326
一般情報........................................................................................................................... 326
測定ギア........................................................................................................................... 327
6.21
6.21.1
6.21.2
ドライブオブジェクトとしての ENCODER .................................................................... 332
STARTER を使用した ENCODER ドライブオブジェクト作成の前提条件 ..................... 332
STARTER での ENCODER ドライブオブジェクトの作成、オフライン......................... 333
6.22
6.22.1
6.22.2
6.22.3
6.22.4
6.22.5
6.22.6
6.22.7
増設 I/O モジュール 41 .................................................................................................... 334
SIMOTION モード............................................................................................................ 335
SINAMICS モード ............................................................................................................ 336
ゼロマークエミュレーション........................................................................................... 337
ゼロマーク同期 ................................................................................................................ 340
TM41 のカットオフ周波数............................................................................................... 342
SINAMICS モードの例 ..................................................................................................... 343
ファンクションダイアグラムおよびパラメータ .............................................................. 344
6.23
6.23.1
6.23.2
ファームウェアとプロジェクトのアップグレード........................................................... 345
STARTER を使用したファームウェア/プロジェクトのアップグレード.......................... 347
ダウングレードロック ..................................................................................................... 348
6.24
パルス/方向インターフェース.......................................................................................... 349
6.25
シャーシユニットの出力低減機能.................................................................................... 351
ファンクションモジュール ...........................................................................................................353
7.1
テクノロジコントローラ.................................................................................................. 354
7.2
拡張監視機能.................................................................................................................... 358
7.3
拡張ブレーキ制御............................................................................................................. 360
7.4
ブレーキモジュール ......................................................................................................... 366
7.5
冷却ユニット.................................................................................................................... 368
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
15
目次
16
7.6
拡張トルク制御 (kT 推定器、サーボ)................................................................................370
7.7
7.7.1
7.7.2
7.7.2.1
7.7.2.2
7.7.2.3
7.7.2.4
7.7.2.5
7.7.2.6
7.7.3
7.7.4
7.7.5
7.7.6
閉ループ位置制御 .............................................................................................................372
一般的な特徴.....................................................................................................................372
位置現在値の処理 .............................................................................................................372
機能...................................................................................................................................372
説明...................................................................................................................................373
インデックス付き現在値の取得 ........................................................................................376
負荷側ギア 位置の追跡 .....................................................................................................377
STARTER を使用した負荷ギア位置トラッキングの試運転 .............................................388
ファンクションダイアグラムおよびパラメータ ...............................................................389
位置コントローラ .............................................................................................................390
監視機能............................................................................................................................391
測定プローブの評価と基準マーク探索 .............................................................................393
試運転 ...............................................................................................................................395
7.8
7.8.1
7.8.2
7.8.3
7.8.4
7.8.5
7.8.6
7.8.7
7.8.8
7.8.9
7.8.10
7.8.11
簡易位置決め.....................................................................................................................396
機械システム.....................................................................................................................399
制限値 ...............................................................................................................................401
EPOS および安全な設定値速度リミット .........................................................................406
基準設定............................................................................................................................407
一回転あたりの複数のゼロマークによる原点セット........................................................418
EPOS 使用時の安全な原点セット ....................................................................................421
横送りブロック .................................................................................................................424
固定停止位置への移動 ......................................................................................................431
直接設定値入力(MDI) ........................................................................................................434
JOG...................................................................................................................................438
ステータス信号 .................................................................................................................439
7.9
7.9.1
7.9.2
7.9.3
7.9.4
7.9.5
7.9.6
アクティブ電源装置のマスタ/スレーブ ............................................................................442
動作原理............................................................................................................................442
基本構成............................................................................................................................442
通信タイプ ........................................................................................................................445
機能の説明 ........................................................................................................................447
試運転 ...............................................................................................................................450
ファンクションダイアグラムおよびパラメータ ...............................................................451
7.10
並列のモータ接続 .............................................................................................................452
7.11
7.11.1
7.11.1.1
7.11.1.2
7.11.1.3
7.11.1.4
7.11.2
7.11.3
パワーユニットの並列接続 ...............................................................................................455
並列接続のアプリケーション............................................................................................457
ベーシックラインモジュールの並列接続..........................................................................460
スマートラインモジュールの並列接続 .............................................................................462
アクティブラインモジュールの並列接続..........................................................................464
モータモジュールの並列接続............................................................................................465
試運転 ...............................................................................................................................468
並列接続に加えて追加のドライブ ....................................................................................468
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
目次
8
7.12
7.12.1
7.12.2
7.12.3
7.12.4
7.12.5
7.12.5.1
7.12.5.2
7.12.5.3
7.12.6
7.12.7
7.12.8
拡張停止および退避 ......................................................................................................... 471
拡張停止および退避の前提条件 ....................................................................................... 472
ESR 機能の有効化およびイネーブル............................................................................... 473
ESR 機能をトリガするための有効なソース .................................................................... 473
無効なソース.................................................................................................................... 474
ESR 応答.......................................................................................................................... 475
拡張停止........................................................................................................................... 475
拡張退避........................................................................................................................... 475
回生運転........................................................................................................................... 476
ESR の制限 ...................................................................................................................... 477
ESR のための PROFIdrive テレグラム ............................................................................ 478
ファンクションダイアグラムおよびパラメータ .............................................................. 478
7.13
慣性モーメント推定器 ..................................................................................................... 479
監視・保護機能 ..............................................................................................................................483
8.1
パワーモジュール保護、概要........................................................................................... 483
8.2
温度監視と過負荷時の応答 .............................................................................................. 484
8.3
ロック保護 ....................................................................................................................... 486
8.4
ストール保護(ベクトル制御の場合のみ) .......................................................................... 487
8.5
8.5.1
8.5.1.1
8.5.1.2
8.5.1.3
8.5.2
8.5.3
8.5.4
8.5.5
8.5.6
8.5.7
8.5.8
8.5.9
8.5.10
8.5.11
8.5.11.1
8.5.11.2
8.5.11.3
8.5.11.4
8.5.12
8.5.13
8.5.14
8.5.15
モータ温度保護 ................................................................................................................ 488
モータ熱モデル ................................................................................................................ 488
モータ熱モデル 1 ............................................................................................................. 489
モータ熱モデル 2 ............................................................................................................. 490
モータ熱モデル 3 ............................................................................................................. 490
モータ温度検出 ................................................................................................................ 492
センサモジュール............................................................................................................. 494
制御盤取り付け型のセンサモジュール ............................................................................ 495
外部センサモジュール ..................................................................................................... 495
センサモジュール SME 20/25 .......................................................................................... 495
外部センサモジュール SME 120/125............................................................................... 495
増設 I/O モジュール ......................................................................................................... 497
増設 I/O モジュール 31 .................................................................................................... 498
増設 I/O モジュール 120 .................................................................................................. 499
増設 I/O モジュール 150 .................................................................................................. 501
最大 6 つのチャンネルで測定: ......................................................................................... 503
最大 12 つのチャンネルで測定: ....................................................................................... 503
温度センサのグループ形成 .............................................................................................. 504
温度チャンネルを評価 ..................................................................................................... 505
モータモジュール/パワーモジュール シャーシ ............................................................. 506
CU310-2/CUA31/CUA32.................................................................................................. 507
DRIVE-CLiQ 付きモータ .................................................................................................. 508
温度センサの評価............................................................................................................. 509
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
17
目次
8.5.16
9
ファンクションダイアグラムおよびパラメータ ...............................................................510
Safety Integratedの基本機能......................................................................................................... 513
9.1
最新情報............................................................................................................................513
9.2
9.2.1
9.2.2
9.2.3
9.2.4
9.2.5
一般情報............................................................................................................................514
説明、規格、用語 .............................................................................................................514
サポートされている機能...................................................................................................517
Safety Integrated 機能の制御 ............................................................................................519
パラメータ、チェックサム、バージョン、パスワード ....................................................519
強制休止エラー検出..........................................................................................................522
9.3
安全に関する注意事項 ......................................................................................................523
9.4
Safe Torque Off / STO (安全トルクオフ)..........................................................................524
9.5
9.5.1
9.5.2
9.5.3
Safe Stop 1 (SS1、時間制御) ...........................................................................................528
OFF3 を伴う SS1 (時間制御)............................................................................................528
OFF3 なしの SS1 (時間制御)............................................................................................530
ファンクションダイアグラムおよびパラメータ ...............................................................531
9.6
Safe Brake Control (SBC) .................................................................................................532
9.7
応答時間............................................................................................................................534
9.8
9.8.1
9.8.2
コントロールユニットおよびモータ/パワーモジュール上の端子を介した制御................536
2 つの監視チャンネルの同時性および許容時間................................................................540
ビットパターンテスト ......................................................................................................540
9.9
9.9.1
9.9.2
9.9.3
「STO」機能、「SBC」機能、「SS1」機能の試運転 ....................................................541
安全機能の試運転の概要...................................................................................................541
"STO"、"SBC" および "SS1" の試運転手順 ......................................................................544
セーフティ故障 .................................................................................................................549
9.10
9.10.1
9.10.1.1
9.10.1.2
9.10.1.3
9.10.2
9.10.3
9.10.4
9.10.4.1
9.10.4.2
9.10.4.3
9.10.4.4
9.10.5
出荷試験および証明書 ......................................................................................................551
検収試験の構成 .................................................................................................................552
完全な検収試験の内容 ......................................................................................................554
部分的な検収試験の内容...................................................................................................555
特定の測定のための試験範囲............................................................................................556
セーフティログブック ......................................................................................................558
関連マニュアル .................................................................................................................558
検収試験............................................................................................................................560
検収試験に関する一般情報 ...............................................................................................560
「安全トルクオフ」(STO) の出荷試験 .............................................................................561
安全停止 1、時間制御(SS1)の出荷試験 ............................................................................562
「安全ブレーキ制御」(SBC)の出荷試験...........................................................................564
検査証完成 ........................................................................................................................566
9.11
パラメータとファンクションダイアグラムの概要 ...........................................................568
10
通信 .............................................................................................................................................. 571
18
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
目次
10.1
10.1.1
10.1.2
10.1.2.1
10.1.2.2
10.1.2.3
10.1.2.4
10.1.2.5
10.1.2.6
10.1.2.7
10.1.2.8
10.1.2.9
10.1.3
10.1.4
10.1.4.1
10.1.4.2
10.1.4.3
10.1.4.4
10.1.4.5
PROFIdrive に準拠した通信 ............................................................................................ 571
アプリケーションクラス.................................................................................................. 574
サイクリック伝送............................................................................................................. 580
電文およびプロセスデータ .............................................................................................. 580
コントロールワードと設定値の説明 ................................................................................ 588
MOMRED......................................................................................................................... 604
ステータスワードおよび現在値の説明 ............................................................................ 616
エンコーダ用のコントロールワード/ステータスワード .................................................. 647
拡張エンコーダ評価 ......................................................................................................... 658
中央コントロールワード/ステータスワード .................................................................... 659
PROFIdrive経由のモーションコントロール .................................................................... 673
サイクリック通信のための診断チャンネル ..................................................................... 676
通信インターフェースの並列運転.................................................................................... 678
非サイクリック伝送 ......................................................................................................... 683
非サイクリック伝送の概要 .............................................................................................. 683
命令と応答の構造............................................................................................................. 685
ドライブオブジェクト番号の設定.................................................................................... 693
例 1: パラメータの読出し................................................................................................. 694
例 2: パラメータの書込み(マルチパラメータタスク)....................................................... 697
10.2
10.2.1
10.2.1.1
10.2.1.2
10.2.2
10.2.2.1
10.2.2.2
10.2.2.3
10.2.2.4
10.2.2.5
10.2.2.6
10.2.3
10.2.4
10.2.4.1
10.2.4.2
10.2.4.3
10.2.4.4
10.2.4.5
PROFIBUS DP経由の通信 ............................................................................................... 701
PROFIBUSの概要 ............................................................................................................ 701
SINAMICSで使用するPROFIBUSの概要 ......................................................................... 701
例: サイクリック伝送の電文構造 ..................................................................................... 704
PROFIBUSのスタートアップ .......................................................................................... 708
PROFIBUS インターフェースの設定............................................................................... 708
運転中の PROFIBUS インターフェース .......................................................................... 711
PROFIBUS の試運転........................................................................................................ 713
診断オプション ................................................................................................................ 713
SIMATIC HMI アドレス指定............................................................................................. 714
監視: 伝送エラー .............................................................................................................. 716
PROFIBUS経由のモーションコントロール..................................................................... 718
スレーブ間通信 ................................................................................................................ 723
サブスクライバにおける設定値の割付け......................................................................... 725
スレーブ・スレーブ間通信を有効化/無効化 .................................................................... 726
PROFIBUSスレーブ間通信の試運転................................................................................ 728
運転中の GSD .................................................................................................................. 738
STARTER での PROFIBUS スレーブ・スレーブ通信の診断 .......................................... 740
10.3
10.3.1
10.3.1.1
10.3.1.2
10.3.1.3
10.3.1.4
PROFINET IO通信 ........................................................................................................... 741
PROFINET IOの概要........................................................................................................ 741
リアルタイム通信(RT) およびアイソクロノスリアルタイム通信(IRT) ............................ 743
アドレス........................................................................................................................... 744
データ転送 ....................................................................................................................... 746
PROFINET の通信チャンネル ......................................................................................... 748
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
19
目次
11
12
20
10.3.2
10.3.2.1
10.3.3
10.3.4
10.3.5
10.3.6
10.3.6.1
10.3.7
10.3.7.1
10.3.7.2
10.3.8
10.3.8.1
10.3.8.2
10.3.8.3
10.3.9
10.3.9.1
PROFINET でのドライブ制御 ..........................................................................................750
メディア冗長性 .................................................................................................................753
PROFINET IO の RT クラス .............................................................................................754
PROFINET GSDML ..........................................................................................................760
PROFINET経由のモーションコントロール ......................................................................763
CBE20 での通信 ...............................................................................................................766
EtherNet/IP .......................................................................................................................767
PN Gate ............................................................................................................................768
PN Gate から伝送された機能 ...........................................................................................768
PN Gate のための前提条件...............................................................................................770
2 つのコントローラを備えた PROFINET .........................................................................772
コントロールユニットの設定............................................................................................772
シェアドデバイスのコンフィグレーション ......................................................................774
重要なパラメータの一覧...................................................................................................783
PROFIenergy ....................................................................................................................783
ファンクションダイアグラムおよびパラメータ ...............................................................785
10.4
10.4.1
10.4.2
10.4.3
10.4.4
10.4.5
SINAMICS リンク経由の通信 ...........................................................................................786
SINAMICS リンクの基本原理 ...........................................................................................786
トポロジー ........................................................................................................................788
コンフィグレーションおよび試運転.................................................................................789
例 ......................................................................................................................................794
起動時またはサイクリック運転時の通信エラー ...............................................................803
アプリケーション......................................................................................................................... 805
11.1
VECTOR ドライブオブジェクトを使用したドライブオブジェクト X_INF の切り替え ...805
11.2
説明...................................................................................................................................806
11.3
DMC20 を含むアプリケーション例 ..................................................................................813
11.4
DCC軸巻上げ機 ................................................................................................................816
11.5
電源装置制御のないコントロールユニット ......................................................................821
11.6
用途: 電源の故障による緊急停止および/または緊急停止(サーボ) ....................................823
ドライブシステムに関する基礎知識............................................................................................. 825
12.1
パラメータ ........................................................................................................................825
12.2
12.2.1
12.2.2
12.2.3
12.2.4
12.2.5
データセット.....................................................................................................................828
CDS:コマンドデータセット..............................................................................................828
DDS:ドライブデータセット..............................................................................................829
EDS:エンコーダデータセット ..........................................................................................831
MDS:モータデータセット .................................................................................................832
ファンクションダイアグラムおよびパラメータ ...............................................................834
12.3
ドライブオブジェクト ......................................................................................................835
12.4
BICOテクノロジ: 信号の内部接続 ....................................................................................838
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
目次
12.4.1
12.4.2
12.4.3
12.4.4
12.4.5
12.4.6
12.4.7
バイネクタ、コネクタ ..................................................................................................... 838
BICOテクノロジーを使用した信号の内部接続 ................................................................ 839
バイネクタ/コネクタ出力パラメータの内部コーディング............................................... 841
内部接続の例.................................................................................................................... 841
BICOテクノロジ:.............................................................................................................. 842
スケーリング.................................................................................................................... 844
故障の伝搬 ....................................................................................................................... 845
12.5
12.5.1
12.5.2
12.5.3
12.5.4
入/出力 ............................................................................................................................. 846
デジタル入/出力 ............................................................................................................... 847
CU の双方向デジタル入/出力の使用 ................................................................................ 850
アナログ入力.................................................................................................................... 852
アナログ出力.................................................................................................................... 854
12.6
不揮発性メモリをバックアップ ....................................................................................... 854
12.7
12.7.1
12.7.2
12.7.3
12.7.4
ベーシック操作パネル: BOP20 を使用した定数設定....................................................... 857
BOP20 の概要 .................................................................................................................. 857
BOP20 の表示と操作 ....................................................................................................... 861
故障とアラームの表示 ..................................................................................................... 866
BOP20 によるドライブの制御 ......................................................................................... 867
12.8
モジュール交換例............................................................................................................. 868
12.9
DRIVE–CLiQトポロジー .................................................................................................. 872
12.10
12.10.1
12.10.2
12.10.3
12.10.4
12.10.5
12.10.6
12.10.7
12.10.8
DRIVE–CLiQの配線ルール............................................................................................... 874
STARTERオフラインでのトポロジーの変更................................................................... 875
拘束力がある DRIVE-CLiQ 規則 ...................................................................................... 876
推奨される DRIVE-CLiQ 規則.......................................................................................... 883
ベクトル制御モードでのドライブの配線例 ..................................................................... 887
ベクトル制御モードでのモータモジュールの並列接続の配線例 ..................................... 889
配線例:パワーモジュール................................................................................................. 891
サーボドライブの配線例.................................................................................................. 893
ベクトル V/f ドライブの配線例 ........................................................................................ 894
12.11
DRIVE-CLiQ コンポーネントの非常運転モード .............................................................. 894
12.12
12.12.1
12.12.2
12.12.3
12.12.4
12.12.5
12.12.6
システムサンプリング時間および制御可能なドライブ数................................................ 897
制御可能なドライブ数についての注意 ............................................................................ 897
サンプリング時間の設定.................................................................................................. 902
サンプリング時間を設定するときのルール ..................................................................... 904
サンプリング時間のデフォルト設定 ................................................................................ 906
サンプリング時間/パルス周波数の変更例........................................................................ 908
主要なパラメータの一覧 (「SINAMICS S120 / S150 リストマニュアル」を参照) ......... 909
12.13
ライセンス ....................................................................................................................... 910
書き込みおよびノウハウ保護........................................................................................... 915
12.14
12.14.1 書き込み保護.................................................................................................................... 915
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
21
目次
12.14.2 ノウハウ保護.....................................................................................................................917
12.14.2.1 コピー保護 ...................................................................................................................920
12.14.2.2 ノウハウ保護の使用 .....................................................................................................920
12.14.2.3 コピー保護でノウハウ保護されたデバイスの交換.......................................................923
12.14.3 重要なパラメータの一覧...................................................................................................926
A
付録 .............................................................................................................................................. 927
A.1
使用可能なハードウェアモジュール.................................................................................927
A.2
SW 機能の可用性..............................................................................................................932
A.3
SINAMICS S120 Combi の機能 ........................................................................................944
A.4
SINAMICS S120 機能 .......................................................................................................947
A.5
略称一覧............................................................................................................................950
インデックス................................................................................................................................ 961
22
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
1
電源装置
1.1
アクティブ電源装置
特徴
●
電圧レベルを調整できる制御 DC リンク電圧 (電源電圧の変動に依存しません)
●
電源回生機能
●
特定無効電流の設定
●
低い電源高調波、正弦波電流 (cosφ = 1)
●
並列接続された複数のアクティブラインモジュール
●
複数のアクティブラインモジュールのマスタ / スレーブ運転
説明
アクティブ電源装置閉ループ制御は、ステップアップコントローラとして、AC リアク
トルまたはアクティブインターフェースモジュールとアクティブラインモジュールとの
組み合わせで動作します。 DC リンク電圧レベルはパラメータで定義することができま
す。制御することで、電圧レベルは電源電圧変動に依存しなくなります。
アクティブラインモジュールの開ループ制御および閉ループ制御ファームウェアは、割
り付けられたコントロールユニット上で実行されます。 アクティブラインモジュール
とコントロールユニットは DRIVE-CLiQ 経由で通信します。
パワーユニットの運転モード「並列接続」および「マスタ/スレーブ回路」は、このマ
ニュアルの ファンクションモジュール (ページ 353) 章で説明されています。
「電圧検出モジュール」 (VSM) は「ベクトル制御」章で説明されています。
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
23
電源装置
1.1 アクティブ電源装置
1.1.1
アクティブ電源装置閉ループ制御、ブックサイズ
概略構造
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アクティブ電源装置ブックサイズの概念構造
ブックサイズのアクティブラインモジュール用のアクティブ電源装置閉ループ制御
アクティブラインモジュールは、パラメータ設定された電源電圧に依存して、2 つの異
なる方法で作動させることができます (p0210)。
●
アクティブモード
アクティブモードでは、DC リンク電圧は調整可能な値に制御され (p3510)、結果と
して正弦波電流 (cos φ = 1) となります。 無効電流のレベルも制御され、個別に定義
できます。
●
スマートモード
スマートモードでは電源回生機能が維持されますが、アクティブモードに比べて DC
リンク電圧は低くなります。 DC リンク電圧は、電源電圧に依存します。
DC リンク電圧設定値 (p3510) および制御方式は、電源電圧 (p0210) での試運転時に以
下のようにプリセットされます:
24
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
電源装置
1.1 アクティブ電源装置
表 1- 1
制御方式および DC リンク電圧のプリセット、ブックサイズ
電源電圧 p0210 [V]
制御方式 p3400.0
Vdc_setp p3510 [V]
1)
380-400
401-415
「0」 = アクティブモード
600
625
416-440
460
480
「1」 = スマートモード
562-5941)
6211)
6481)
スマートモードに指定される電圧は、整流された電源電圧から得られます。 DC リンク電圧設定値
(p3510) は、この制御方法では有効ではありません。
S120 アクティブラインモジュールと共に使用される電源検出モジュール (VSM10)
電源電圧の検出に電圧検出モジュール (VSM10) を使用すると、一定の追加条件を満た
す場合、IEC 61000-2-4 で規定された周波数変動の範囲を大きく超えるシステムでも、
ドライブを動作させることができます。 欧州電力網のような大規模な電力網ではなく、
(単独の) ディーゼルによる電源システムなどでは、重大な周波数変動が生じる場合があ
ります。
欧州以外の国々、つまり、広範な地域に電力供給を行う国々 (オーストラリア、米国、
中国などの面積が大きな国々) では、
電源電圧低下がより頻繁に生じ、とりわけ、電圧低下が幾分低く、最大で数秒という長
時間に渡って生じる場合があります。 このような電源系統では、電圧検出モジュール
の使用が強く推奨されます。
試運転
試運転中に、機器の電源電圧 (p0210) およびオプションの EMC 指令適合フィルタの選
択 (p0220) をパラメータ設定してください。
自動試運転では、適合するアクティブインターフェースモジュールに適したフィルタが
EMC 指令適合フィルタとしてプリセットされます。 複数ドライブを個別に構築する場
合、EMC 指令適合フィルタのタイプは p0220 を使用して調整してください。
新規 / 変更したネットワークでの初回電源投入時には、電源/DC リンクの定数測定ルー
チン (p3410) を使用し、自動コントローラ設定を実行してください。
注記
回生機能がない電源系統 (例: 発電機) では、バイネクタ入力 p3533 で回生運転を禁止し
てください。
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
25
電源装置
1.1 アクティブ電源装置
注意
広帯域 EMC 指令適合フィルタを接続している場合、それを p0220 = 1 ... 5 でパラメ
ータ設定してください。温度センサはアクティブラインモジュールの端子 X21 に接続
してください。
DC リンク電圧 (p3510) は、以下のリミット内で設定できます:
●
上限:
– 最大 DC リンク電圧 (p0280)
– 電源電圧 (p0210) と最大ステップアップ係数 (r3508) の積
●
1.1.2
下限: 電源電圧 (p0210) x 1.42
アクティブ電源装置閉ループ制御、シャーシ
概略構造
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図 1-2
アクティブ電源装置シャーシの概略構造
シャーシのアクティブラインモジュール用のアクティブ電源装置閉ループ制御の運転モード
シャーシのアクティブラインモジュールは、アクティブモードでのみ機能します。
アクティブモードでは、DC リンク電圧は調整可能な値に制御され (p3510)、結果とし
て正弦波電流 (cos φ = 1) となります。
DC リンク電圧設定値 (p3510) は、p3510 = 1.5 * p0210 の式を使用して、電源電圧
(p0210) に応じてプリセットされます。
26
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
電源装置
1.1 アクティブ電源装置
試運転
機器の電源電圧 (p0210) は、試運転中にパラメータ設定を行わなければなりません。
必要な EMC 指令適合フィルタ (p0220) がプリセットされます。
新規 / 変更したネットワークでの初回電源投入時には、電源 / DC リンクの定数測定ル
ーチン (p3410) を使用し、自動コントローラ設定を実行してください。
注記
回生機能がない電源 (例 : 発電機) では、バイネクタ入力 p3533 で回生運転を禁止して
ください。
DC リンク電圧 (p3510) は、以下のリミット内で設定できます。
●
上限 :
– 最大 DC リンク電圧 (p0280)
– 電源電圧 (p0210) とステップアップ係数 (最大 p3508 = 2.00) の積
●
下限 : 電源電圧 (p0210) x 1.42
注意
アクティブラインモジュール、シャーシタイプのステップアップ係数
熱的理由により、ステップアップ係数は最大で 2.00 に設定できます。
1.1.3
ファンクションダイアグラムおよびパラメータ
ファンクションダイアグラム (『SINAMICS S120/S150 リストマニュアル』を参照)
●
1774 概要 - アクティブ電源装置
●
8920 コントロールワード
●
...
●
8964 メッセージと監視、電源周波数と Vdc 監視
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
シーケンス制御
電源装置
27
電源装置
1.1 アクティブ電源装置
主要パラメータ一覧 (『SINAMICS S120/S150 リストマニュアル』を参照)
28
●
r0002 電源装置運転表示
●
r0046 CO/BO :不足イネーブル信号
●
p0210 機器の電源電圧
●
p0220 電源装置 EMC 指令適合フィルタタイプ
●
p0280 DC リンク電圧の最大定常状態
●
p0840 BI : ON/OFF1
●
p0844 BI : 1. OFF2
●
p0852 BI : 運転イネーブル
●
r0898 CO/BO : コントロールワード
●
r0899 CO/BO : ステータスワード
●
r2138 CO/BO : コントロールワード、故障 / アラーム
●
r2139 CO/BO : ステータスワード、故障 / アラーム 1
●
p3400 電源装置コンフィグレーションワード
●
r3405 CO/BO : ステータスワード
●
p3410 電源装置 定数測定方法
●
p3508 電源装置最大ステップアップ係数
●
p3510 入力 DC リンク電圧設定値
●
p3533 BI : 電源装置、回生運転禁止
●
p3610 電源装置
●
p3611 CI : 電源装置
シーケンス制御
シーケンス制御
電源装置
電源装置
電源装置
無効電流固定設定値
無効電流補助設定値
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
電源装置
1.1 アクティブ電源装置
1.1.4
電源と DC リンクのオートチューニング
電源電圧特性および DC リンク量は、自動パラメータ定数測定ルーチンを使用して決定
されます。 これにより、ラインモジュールのコントローラを最適に設定する基盤が提
供されます。
電流と電圧制御の最適化設定は、電源および DC リンク定数測定ルーチンで実行するこ
とができます。 電流制御のダイナミック応答は、p3560 で調整することができます。
注記
電源環境が変わったり、DC リンクに接続されたコンポーネントが代わる場合 (例 : 設
置場所での機器取り付け後またはドライブシリーズの拡張後) 、電源/DC リンク定数測
定ルーチンを p3410 = 5 で繰り返してください。これを実行する場合のみ、電源装置が
最適にオートチューニングされ、動作が保証されます。
定数測定機能が有効になると、アラーム A06400 が出力されます。
定数測定方法
追加の定数測定方法については、『SINAMICS S120/S150 リストマニュアル』を参照
してください。
●
p3410 = 4: 次回パルスが有効になると、インダクタンスおよび DC リンク静電容量
全体の定数測定が開始されます (異なる大きさの電流での二度の定数測定ルーチン)。
定数測定中に決定されたデータ (r3411 および r3412) は p3421 および p3422 に入
力され、コントローラが再計算されます。 同時に、電流コントローラ補正のための
パラメータが決定されます (p3620、p3622)。 全ての電源装置のパラメータは自動
的に不揮発性メモリに保存されます。
電源装置は、新しいコントローラパラメータなしに間断なく運転を続けます。
●
p3410 = 5: 同一の測定および書き込み操作が常に p3410 = 4 で行われます。但し、
初回の定数計測を実行する前に、電源インダクタンスと DC リンク静電容量のパラ
メータ値がリセットされます (p3421 = p0223 および p3422 = p0227)。
二度の定数測定ルーチンのいずれか (p3410 = 4 または p3410 = 5) が正常に終了すると、
p3410 は自動的に 0 に設定されます。
注記
なるべく定数測定 p3410 = 5 を使用して下さい。
例えば、定数測定が正常に終了しない場合、閉ループコントローラを出荷時設定値にリ
セットする必要がある場合があります。
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
29
電源装置
1.1 アクティブ電源装置
主要パラメータ一覧 (『SINAMICS S120/S150 リストマニュアル』を参照)
1.1.5
●
p3410 電源装置 定数測定方法
●
r3411 電源装置 インダクタンス定数測定済
●
r3412 電源装置 DC リンク静電容量定数測定済
●
p3560 電源装置 Vdc コントローラ比例ゲイン
アクティブ電源装置開ループ制御
説明
アクティブラインモジュールは、端子またはフィールドバスを使用して、BICO 接続経
由で制御できます。 運転ステータスは操作ディスプレイ r0002 に表示されます。 運転
のための不足イネーブル信号 (r0002 =00) は、パラメータ r0046 にマッピングされます。
EP 端子 (パルスイネーブル) は、対応する電源ユニットのマニュアルに準拠して接続さ
れなければなりません。 このドライブ装置は、初回の試運転調整が行われていなけれ
ばなりません。
故障を確認
存在する故障で、その原因が修正されたものは、「1. 故障確認」信号 (p2103) の 0/1 エ
ッジを使用して確認することができます。
30
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
電源装置
1.1 アクティブ電源装置
アクティブラインモジュールの電源投入
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図 1-3
アクティブ電源装置の起動
注記
ドライブシステムが STARTER で試運転され、PROFIdrive テレグラムが有効になって
いないという条件で、 EP 端子にイネーブル信号と OFF1 (p0840) に正の信号エッジを
発行することで、電源装置にスイッチ「入」することができます。
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
31
電源装置
1.1 アクティブ電源装置
アクティブラインモジュールのスイッチ「切」
アクティブラインモジュールのスイッチ「切」は、スイッチ「入」の手順を逆に実施し
てください。 但し、スイッチ「切」時には予備充電されません。
OFF1 信号でのコントローラスイッチ「切」は、p3490 に入力された時間だけ遅延しま
す。 この遅延により、取り付けられたドライブを制御された方法で制動することがで
きます。 電源装置のスイッチ「切」を行う前に、DC リンクに接続されているドライブ
をパルスブロックモードにしてください。
コントロールおよびステータスメッセージ
表 1- 2
アクティブ電源装置開ループ制御
信号名
内部コントロール
ワード
バイネクタ入力
内部コントロール
ワードの表示
PROFIdrive テレグ
ラム 370
ON/OFF1
STWAE.0
p0840 ON/OFF1
r0898.0
A_STW1.0
OFF2
STWAE.1
p0844 1 OFF2 およ r0898.1
A_STW1.1
び p0845 2 OFF2
運転をイネーブル
STWAE.3
p0852 運転をイネ
r0898.3
A_STW1.3
r0898.5
A_STW1.5
r0898.6
A_STW1.6
r2138.7
A_STW1.7
r0898.10
A_STW1.10
ーブル
モータ運転を無効
STWAE.5
化
回生を禁止
p3532 モータ運転
を無効化
STWAE.6
p3533 電源回生禁
止
故障を確認
STWAE.7
p2103 1 確認、
p2104 2 確認また
は p2105 3 確認
PLC によるマスタ
制御
32
STWAE.10
p0854 PLC による
マスタ制御
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
電源装置
1.1 アクティブ電源装置
表 1- 3
アクティブ電源装置ステータスメッセージ
信号名
内部ステータ
スワード
パラメータ
PROFIdrive テレグラム 370
開始準備完了
ZSWAE.0
r0899.0
A_ZSW1.0
準備完了
ZSWAE.1
r0899.1
A_ZSW1.1
運転イネーブル済
ZSWAE.2
r0899.2
A_ZSW1.2
故障有効
ZSWAE.3
r2139.3
A_ZSW1.3
OFF2 無効
ZSWAE.4
r0899.4
A_ZSW1.4
スイッチ「入」禁止
ZSWAE.6
r0899.6
A_ZSW1.6
アラーム有効
ZSWAE.7
r2139.7
A_ZSW1.7
PLC によるマスタ制御
ZSWAE.9
r0899.9
A_ZSW1.9
予備充電完了
ZSWAE.11
r0899.11
A_ZSW1.11
ZSWAE.12
r0899.12
A_ZSW1.12
ラインコンタクタ
通電フィードバッ
ク信号
1.1.6
無効電流制御
無効電流を補償するために、またはインフィードモードで電源電圧を安定させるために、
無効電流設定値を設定することができます。 合計設定値は、固定設定値 p3610 および
コネクタ入力 p3611 からのダイナミック設定値の合計です。
●
電源の回転方向は、無効電流制御で自動的に補償されます。
– 負の無効電流設定値により、誘導性無効電流が生成されます。
– 正の無効電流設定値により、容量性無効電流が生成されます。
●
閉ループ制御では、有効電流設定値と無効電流設定値の合計が最大装置電流を超え
ないように、無効電流設定値をダイナミックに制限します。
●
コンフィグレーションウィザードで選択された EMC 指令適合フィルタの無効消費
電流要求は、アクティブ電源装置で自動的に供給されます。 これは、実際の無効電
流設定値の表示値 (r0075) がパラメータ設定された無効電流設定値の合計と、もは
や一致しないという意味です。
●
電源に関するアクティブインフィードモジュールの無効電力設定値は、パラメータ
設定された無効電流設定値の合計に 1.73 x 定格電源電圧を掛けることで導くことが
できます。
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
33
電源装置
1.1 アクティブ電源装置
ファンクションダイアグラム (『SINAMICS S120/S150 リストマニュアル』を参照)
●
1774 概要 - アクティブ電源装置
●
8946 電流プリコントロール / 電流コントローラ / ゲートユニット (p3400.0 = 0)
主要パラメータ一覧 (『SINAMICS S120/S150 リストマニュアル』を参照)
1.1.7
●
p3610 電源装置
●
p3611 CI: 電源装置
無効電流固定設定値
無効電流補助設定値
高調波コントローラ
説明
電源電圧の高調波によって、入力電流に高調波が生じます。 電流高調波は、高調波コ
ントローラを有効にすることで低減することができます。
例 : 高調波コントローラの設定
5 次および 7 次高調波は補償されます。
表 1- 4
高調波コントローラのパラメータ例
インデ
ックス
p3624
p3625
[0]
5
100 %
[1]
7
100 %
パラメータ p0069[0..2] (U、V、W) の相電流は、STARTER トレース機能を使用して
確認することができます。
主要パラメータ一覧 (『SINAMICS S120/S150 リストマニュアル』を参照)
34
●
3624[0...1] 電源装置
●
p3625[0...1] 電源装置
●
3626[0...1] 電源装置
●
r0069 [0..6] 相電流、実績値
高調波コントローラ順番
高調波コントローラ
高調波コントローラ
スケーリング
出力
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
電源装置
1.2 スマート電源装置
1.2
スマート電源装置
特徴
●
定格容量が 16 kW 以上のスマートラインモジュールの場合
●
非制御の DC リンク電圧
●
電源回生機能
説明
スマートラインモジュール用ファームウェアは、それが割り付けられたコントロールユ
ニットにあります。 スマートラインモジュールとコントロールユニットは DRIVECLiQ 経由で通信します。
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図 1-4
スマート電源装置ブックサイズの概略構造
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
35
電源装置
1.2 スマート電源装置
榊䄟
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図 1-5
シャーシのスマート電源装置の概略構造
試運転
機器の接続電圧 (p0210) は、試運転中にパラメータ設定を行わなければなりません。
注記
回生機能がない電源 (例 : 発電機) では、バイネクタ入力 p3533 で回生運転を禁止して
ください。
スマートラインモジュールは、回生運転モードでのキネティックバッファリングをサポ
ートしていません。
ファンクションダイアグラム (『SINAMICS S120/S150 リストマニュアル』を参照)
36
●
1775 概要 - スマート電源装置
●
8820 コントロールワード
●
8826 ステータスワード
シーケンス制御
●
8828 ステータスワード
電源装置
●
8832 プロセッサ
●
8834 不足イネーブル、ラインコンタクタ制御
●
8850 スマート電源装置とのインターフェース (制御信号、実績値)
●
8860 電源電圧監視
●
8864 出力周波数と Vdc 監視
シーケンス制御
電源装置
電源装置
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
電源装置
1.2 スマート電源装置
主要パラメータ一覧 (『SINAMICS S120/S150 リストマニュアル』を参照)
1.2.1
●
r0002 電源装置運転表示
●
r0046 CO/BO :不足イネーブル信号
●
p0210 機器の電源電圧
●
p0840 BI : ON/OFF1
●
p0844 BI :1. OFF2
●
p0852 BI :運転イネーブル
●
r0898 CO/BO : コントロールワード
●
r0899 CO/BO : ステータスワード
●
r2138 CO/BO :コントロールワード、故障 / アラーム
●
r2139 CO/BO : ステータスワード、故障 / アラーム 1
●
r3405 CO/BO :ステータスワード
●
p3533 BI : 電源装置、回生運転禁止
シーケンス制御
シーケンス制御
電源装置
電源装置
電源装置
スマート電源装置(ブックサイズ)の電源電圧と DC リンクのオートチューニン
グ
電源電圧特性および DC リンク量は、自動パラメータ定数測定ルーチンを使用して決定
されます。 これにより、ラインモジュールのコントローラを最適に設定する基盤が提
供されます。
注記
電源環境が変化したり、DC リンクに接続されたコンポーネントが変更される場合 (例:
設置場所での機器取り付け後またはドライブシリーズの拡張後) 、電源/DC リンク定数
測定ルーチンを p3410 = 5 で繰り返してください。これを実行する場合のみ、電源装置
が最適にオートチューニングされ、動作が保証されます。
定数測定機能が有効になると、アラーム A06400 が出力されます。
注意
電源電圧および DC リンク定数測定ルーチンは、シャーシタイプのスマートラインモ
ジュールでは使用できません。
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
37
電源装置
1.2 スマート電源装置
定数測定方法
追加の定数測定方法については、『SINAMICS S120/S150 リストマニュアル』を参照
してください。
●
p3410 = 4: 次回パルスが有効になると、インダクタンスおよび DC リンク静電容量
全体の定数測定が開始されます (異なる大きさの電流での二度の定数測定ルーチン)。
定数測定中に決定されたデータ (r3411 および r3412) は p3421 および p3422 に入
力され、コントローラが再計算されます。 同時に、電流コントローラ補正のための
パラメータが決定されます (p6320、p6322)。 全ての電源装置のパラメータは自動
的に不揮発性メモリに保存されます。
電源装置は、新しいコントローラパラメータなしに間断なく運転を続けます。
●
p3410 = 5: 同一の測定および書き込み操作が常に p3410 = 4 で行われます。但し、
初回の定数計測を実行する前に、電源インダクタンスと DC リンク静電容量のパラ
メータ値がリセットされ (p3421 = p0223 および p3422 = p0227)、コントローラ用
に概略値が設定されます。
二度の定数測定ルーチンのいずれか (p3410 = 4 または p3410 = 5) が正常に終了すると、
p3410 は自動的に 0 に設定されます。
注記
なるべく定数測定 p3410 = 5 を使用して下さい。
例えば、定数測定が正常に終了しない場合、閉ループコントローラを出荷時設定値にリ
セットする必要がある場合があります。
主要パラメータ一覧 (『SINAMICS S120/S150 リストマニュアル』を参照)
1.2.2
●
p3410 電源装置 定数測定方法
●
p3421 電源装置 インダクタンス
●
p3422 電源装置 DC リンク静電容量
スマート電源装置の開ループ制御
スマートラインモジュールは、例えば、端子またはフィールドバスを使用して、BICO
接続経由で制御できます。 運転ステータスは操作ディスプレイ r0002 に表示されます。
運転のための不足イネーブル信号 (r0002 =00) は、パラメータ r0046 にマッピングされ
ます。 EP 端子 (パルスイネーブル) は、対応する電源ユニットのマニュアルに準拠して
接続されなければなりません。 このドライブ装置は、初回の試運転調整が行われてい
なければなりません。
38
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
電源装置
1.2 スマート電源装置
故障を確認
存在する故障で、その原因が修正されたものは、「1. 故障確認」信号 (p2103) の 0/1 エ
ッジを使用して確認することができます。
スマートラインモジュールのスイッチ「入」
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図 1-6
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スマート電源装置の起動
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
39
電源装置
1.2 スマート電源装置
注記
ドライブシステムが STARTER で試運転され、PROFIdrive テレグラムが有効になって
いないという条件で、 EP 端子にイネーブル信号と OFF1 (p0840) に正の信号エッジを
発行することで、電源装置に電源投入することができます。
スマートラインモジュールのスイッチ「切」
スマートラインモジュールのスイッチ「切」は、スイッチ「入」の手順を逆に実施して
ください。
但し、モジュールのスイッチ「切」時には、DC リンクは予備充電されません。
OFF1 信号でのコントローラスイッチ「切」は、p3490 に入力された時間だけ遅延しま
す。 この遅延により、取り付けられたドライブを制御された方法で制動することがで
きます。
コントロールおよびステータスメッセージ
表 1- 5
スマート電源装置 開ループ制御
信号名
バイネクタ入力
内部
コントロー
ルワード
内部コントロー PROFIdrive
ルワードの表示 テレグラム 370
ON/OFF1
STWAE.0
p0840 BI: ON/OFF1
r0898.0
A_STW1.0
OFF2
STWAE.1
p0844 BI: 1. OFF2 および
r0898.1
A_STW1.1
p0845 BI: 2. OFF2
運転をイネーブル
STWAE.3
p0852 BI: 運転をイネーブル
r0898.3
A_STW1.3
回生を禁止
STWAE.6
p3533 BI: 電源装置、回生運転
r0898.6
A_STW1.6
r2138.7
A_STW1.7
r0898.10
A_STW1.10
禁止
故障を確認
STWAE.7
p2103 BI: 1. 故障確認または
p2104 BI: 2. 故障確認または
p2105 BI: 3. 故障確認
PLC によるマスタ
制御
40
STWAE.10 p0854 BI: PLC によるマスタ制
御
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
電源装置
1.3 ベーシック電源装置
表 1- 6
スマート電源装置 ステータスワード
信号名
内部ステータ
スワード
パラメータ
PROFIdrive テレグラム 370
開始準備完了
ZSWAE.0
r0899.0
A_ZSW1.0
準備完了
ZSWAE.1
r0899.1
A_ZSW1.1
運転イネーブル済
ZSWAE.2
r0899.2
A_ZSW1.2
故障有効
ZSWAE.3
r2139.3
A_ZSW1.3
OFF2 無効
ZSWAE.4
r0899.4
A_ZSW1.4
スイッチ「入」禁止
ZSWAE.6
r0899.6
A_ZSW1.6
アラーム有効
ZSWAE.7
r2139.7
A_ZSW1.7
PLC によるマスタ制御
ZSWAE.9
r0899.9
A_ZSW1.9
予備充電完了
ZSWAE.11
r0899.11
A_ZSW1.11
通電フィードバック ZSWAE.12
r0899.12
A_ZSW1.12
ラインコンタクタ
信号
1.3
ベーシック電源装置
特徴
●
シャーシおよびブックサイズのベーシックラインモジュールの場合
●
非制御の DC リンク電圧
●
20 kW および 40 kW のベーシックラインモジュール (温度監視付き) での外部制動
抵抗器の統合制御
説明
ベーシックラインモジュールのスイッチ「入」/「切」に、ベーシック電源装置開ルー
プ制御を使用することができます。 ベーシックラインモジュールは、回生能力がない
非制御方式の整流コンバータです。
ベーシックモジュール開ループ制御ファームウェアは、割り付けられたコントロールユ
ニット上で実行されます。 ベーシックラインモジュールとコントロールユニットは
DRIVE-CLiQ を介して通信します。
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
41
電源装置
1.3 ベーシック電源装置
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図 1-7
ブックサイズのベーシック電源装置の概略構造
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図 1-8
42
シャーシ用のベーシック電源装置の概略構造
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
電源装置
1.3 ベーシック電源装置
試運転
定格電源電圧 (p0210) は、試運転中にパラメータ設定を行わなけれななりません。
20 kW および 40 kW のブックサイズのベーシックラインモジュールの場合、外部制動
抵抗器の温度スイッチをベーシックラインモジュールの X21 端子に接続しなければな
りません。
20 kW および 40 kW のブックサイズのベーシックラインモジュールに制動抵抗器が接
続されていない場合、p3680 = 1 でブレーキチョッパを無効にしなければなりません。
オプションのブレーキチョッパは、シャーシのベーシックラインモジュールの外部に取
り付けることができます。 この場合、ブレーキチョッパに制動抵抗器を接続しなけれ
ばなりません。
危険
ベーシックラインモジュールでの Vdc 制御
複数のモータモジュールが非電源回生電源装置 (例: ベーシックラインモジュール) か
ら給電される場合、Vdc_max コントローラは、接続された全てのドライブの最大の公
称慣性モーメントを有するモータモジュールに対してのみ、有効化することができま
す。
その他のモータモジュールに対しては、この機能が無効化されるか、モニタが設定さ
れなければなりません。
Vdc_max コントローラが複数のモータモジュールに対して有効である場合、好ましく
ないパラメータ設定により、コントローラが相互に悪影響を及ぼす場合があります。
ドライブが不安定にあり、それぞれのドライブが不意に加速する場合があります。
• Vdc_max コントロールの有効化:
– ベクトル制御: p1240 = 1 (出荷時設定)
– サーボ制御: p1240 = 1
– U/f 制御: p1280 = 1 (出荷時設定)
• Vdc_max コントロールの禁止:
– ベクトル制御: p1240 = 0
– サーボ制御: p1240 = 0 (出荷時設定)
– U/f 制御: p1280 = 0
• Vdc_max コントロール機能の有効化:
– ベクトル制御: p1240 = 4 または 6:
– サーボ制御: p1240 = 4 または 6:
– U/f 制御: p1280 = 4 または 6:
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
43
電源装置
1.3 ベーシック電源装置
1.3.1
ファンクションダイアグラムおよびパラメータ
ファンクションダイアグラム (『SINAMICS S120/S150 リストマニュアル』を参照)
●
8720 コントロールワード
●
8726 ステータスワード
●
8732 シーケンサ
●
8734 不足イネーブル信号、ラインコンタクタ制御
●
8750 ベーシック電源装置パワーユニットへのインターフェース (制御信号、実績値)
●
8760 信号および監視機能 (p3400.0 = 0)
シーケンス制御
シーケンス制御
電源装置
電源装置
主要パラメータ一覧 (『SINAMICS S120/S150 リストマニュアル』を参照)
1.3.2
●
r0002 電源装置運転表示
●
r0046 CO/BO: 不足イネーブル信号
●
p0210 機器の電源電圧
●
p0840 BI: ON/OFF1
●
p0844 BI: 1. OFF2
●
r0898 CO/BO: コントロールワード
●
r0899 CO/BO: ステータスワード
●
p1240[0...n] Vdc コントローラまたは Vdc 監視コンフィグレーション
●
p1280[0...n] Vdc コントローラまたは Vdc 監視コンフィグレーション (U/f)
●
r2138 CO/BO: コントロールワード、故障/アラーム
●
r2139 CO/BO: ステータスワード、故障/アラーム 1
●
p3680 BI: 内部的にブレーキモジュールを禁止
シーケンス制御
シーケンス制御
電源装置
電源装置
ベーシック電源装置開ループ制御
説明
ベーシックラインモジュールは、例えば、端子またはフィールドバスを使用して、
BICO 接続を介して制御できます。 運転ステータスは操作ディスプレイ r0002 に表示さ
44
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
電源装置
1.3 ベーシック電源装置
れます。 運転のための不足イネーブル信号 (r0002 =00) は、パラメータ r0046 にマッピ
ングされます。 EP 端子 (パルスイネーブル) は、対応する電源ユニットのマニュアルに
準拠して接続されなければなりません。
故障を確認
存在する故障で、その原因が修正されたものは、「1. 故障確認」信号 (p2103) の 0/1 エ
ッジを使用して確認することができます。
ベーシックラインモジュールのスイッチ「入」
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ベーシック電源装置の起動
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
45
電源装置
1.3 ベーシック電源装置
注記
ドライブシステムが STARTER で試運転され、PROFIdrive テレグラムが有効になって
いないという条件で、 EP 端子にイネーブル信号と OFF1 (p0840) に正の信号エッジを
発行することで、電源装置に電源投入することができます。
ベーシックラインモジュールのスイッチ「切」
スイッチ「切」の場合、スイッチ「入」の手順を逆に実施してください。 但し、スイ
ッチ「切」時には予備充電されません。
コントロールおよびステータスメッセージ
表 1- 7
ベーシック電源装置 開ループ制御
信号名
内部コント バイネクタ入力
ロールワー
ド
内部コントロー PROFIdrive テレ
ルワードの表示 グラム 370
ON/OFF1
STWAE.0
p0840 BI:ON/OFF1
r0898.0
A_STW1.0
OFF2
STWAE.1
p0844 BI: 1. OFF2 および
r0898.1
A_STW1.1
r2138.7
A_STW1.7
r0898.10
A_STW1.10
p0845 BI: 2. OFF2
故障を確認
STWAE.7
p2103 BI: 1. 故障確認または
p2104 BI: 2. 故障確認または
p2105 BI : 3 故障確認
PLC によるマスタ STWAE.10 p0854 BI: PLC によるマスタ制御
制御
46
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
電源装置
1.4 電磁接触器制御
表 1- 8
ベーシック電源装置 ステータスメッセージ
信号名
内部ステータスワード
パラメータ
PROFIdrive テレグラム 370
開始準備完了
ZSWAE.0
r0899.0
A_ZSW1.0
準備完了
ZSWAE.1
r0899.1
A_ZSW1.1
運転イネーブル済
ZSWAE.2
r0899.2
A_ZSW1.2
故障有効
ZSWAE.3
r2139.3
A_ZSW1.3
OFF2 無効
ZSWAE.4
r0899.4
A_ZSW1.4
スイッチ「入」禁止
ZSWAE.6
r0899.6
A_ZSW1.6
アラーム有効
ZSWAE.7
r2139.7
A_ZSW1.7
PLC によるマスタ制御
ZSWAE.9
r0899.9
A_ZSW1.9
予備充電完了
ZSWAE.11
r0899.11
A_ZSW1.11
ZSWAE.12
r0899.12
A_ZSW1.12
ラインコンタクタ
通
電フィードバック信号
1.4
電磁接触器制御
説明
この機能は、外部ラインコンタクタを制御するために使用することができます。 電源
コンタクタの開閉は、電源コンタクタのフィードバック接点を確認することで監視する
ことができます。
ラインコンタクタは以下のドライブオブジェクトで制御することができます :
●
ドライブオブジェクト INFEED のビット r0863.1 経由
●
ドライブオブジェクト SERVO/VECTOR のビット r0863.1 経由
注記
電源接続部に関する詳細は、『製品マニュアル』を参照してください。
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
47
電源装置
1.4 電磁接触器制御
ラインコンタクタ制御の試運転例
前提条件 :
●
コントロールユニット (DI/DO 8) のデジタル出力経由でのラインコンタクタ制御
●
コントロールユニット (DI/DO 9) のデジタル入力経由でのラインコンタクタフィー
ドバック
●
100 ms 未満のラインコンタクタ切り替え時間
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図 1-10
ラインコンタクタ制御
試運転のステップ :
●
ラインコンタクタ制御接点を DI/DO 8 に接続。
注記
デジタル出力の最大電流を守ってください (『コントロールユニットとオプションコン
ポーネントの製品マニュアル』を参照)。 ラインコンタクタを使用しなければならない
ことがあります。
48
●
DI/DO 8 を出力 (p0728.8 = 1) としてパラメータ設定を行います。
●
パラメータ p0738 にラインコンタクタ制御信号 r0863.1 を割り付けます。
●
ラインコンタクタフィードバック接点を DI/DO 9 に接続します。
●
パラメータ p0860 に反転入力信号 r0723.9 を割り付けます。
●
ラインコンタクタの監視時間 (100 ms) を p0861 に入力します。
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
電源装置
1.5 予備充電とバイパス接触器のシャーシ
ファンクションダイアグラム (『SINAMICS S120/S150 リストマニュアル』を参照)
●
8934 不足イネーブル、ラインコンタクタ制御
主要パラメータ一覧 (『SINAMICS S120/S150 リストマニュアル』を参照)
1.5
●
p0860 BI : ラインコンタクタ、フィードバック信号
●
r0863.1 CO/BO : ドライブカップリングのステータスワード / コントロールワード
予備充電とバイパス接触器のシャーシ
説明
予備充電は、DC リンクキャパシタを抵抗器を経由して充電するための手順です。 予備
充電は通常電源系統から行いますが、予備充電した DC リンクからも行うことができま
す。 予備充電入力回路では、DC リンクキャパシタの充電電流が制限されます。
シャーシタイプのアクティブ電源装置およびスマート電源装置の予備充電入力回路は、
予備充電抵抗器とバイパスコンタクタを伴う予備充電コンタクタで構成されます。 ア
クティブラインモジュールは、アクティブインターフェースモジュール内の予備充電入
力回路を端子を介して制御します。
モジュールタイプ FX と GX のアクティブインターフェースモジュールにある予備充電
入力回路には、バイパスコンタクタが含まれます。 フレームサイズ HX および JX では、
バイパスコンタクタ回路が個別に取り付けられなければなりません。
スマートラインモジュールでは、スマートラインモジュール自体に予備充電が内蔵され
ていますが、バイパスコンタクタを外部的に設置しなければなりません。
詳細情報 : シャーシのパワーユニットのマニュアルを参照してください。
電源 ON/OFF の手順
電源 ON:
●
予備充電コンタクタが閉ざされ、DC リンクが予備充電抵抗器を介して充電されま
す。
●
予備充電が完了すると、バイパスコンタクタが閉ざされ、予備充電コンタクタが開
かれます。 DC リンクが予備充電され、運転準備完了です。 予備充電が完了してい
ない場合、故障 F06000 が出力されます。
電源 OFF:
●
パルスがブロックされ、その後、バイパスコンタクタが開かれます。
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
49
電源装置
1.5 予備充電とバイパス接触器のシャーシ
50
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
拡張設定値チャンネル
2
説明
サーボ制御モードでは、拡張設定値チャンネルがデフォルトで無効です。 拡張設定値
チャンネルが必要な場合は、有効にしなければなりません。 ベクトル制御モードでは、
拡張設定値チャンネルは常に有効です。
「拡張設定値チャンネル」ファンクションモジュールのないサーボ制御モードの特徴
●
この設定値は p1155[D] に直接接続されます (例: 上位コントローラまたはテクノロ
ジーコントローラから)。
●
ダイナミックサーボ制御 (Dynamic Servo Control (DSC)) のみ
DSC を使用する場合、「拡張設定値チャンネル」は使用されません。 これは、コン
トロールユニットの計算時間を無駄に使用します。サーボモードでは、この機能を
無効にすることができます。
●
p1121[D] による減速ランプ OFF1
「拡張設定値チャンネル」が無効な場合、p1121 の減速ランプも有効です。
2.1
●
p1135[D] による減速ランプ OFF3
●
PROFIdrive テレグラムでは 2 ~ 103 および 999 のみ (自由な割り付け)
●
STW 1 ビット 5 (ランプファンクションジェネレータを停止)、機能なし
サーボ制御モードでの「拡張設定値チャンネル」ファンクションモ
ジュールの有効化
サーボモードでは、「拡張設定値チャンネル」機能は、試運転ウィザードまたはドライ
ブコンフィグレーション (DDS コンフィグレーション) により有効化できます。
パラメータ r0108.8 で現在のコンフィグレーションを確認することができます。コンフ
ィグレーションを設定すると、それをコントロールユニットにダウンロードしなければ
なりません。設定はそこで不揮発性メモリに保存されます (『SINAMICS S120 試運転
マニュアル』を参照)。
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
51
拡張設定値チャンネル
2.2 説明
注記
サーボ用の「拡張設定値チャンネル」ファンクションモジュールが特定の状況下で有効
にされると、コントロールユニットから制御できる多軸グループのドライブ数が減少し
ます。
2.2
説明
拡張設定値チャンネルでは、設定値ソースからの設定値がモータ制御の条件になります。
モータ制御用設定値は、テクノロジーコントローラの設定値を使用することができます。
テクノロジコントローラ (ページ 354) の章を参照。
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図 2-1
拡張設定値チャンネル
拡張設定値チャンネルの特徴
52
●
メイン/補助設定値、設定値スケーリング
●
方向制限および方向反転
●
抑制帯域幅および設定値リミット
●
ランプファンクションジェネレータ
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
拡張設定値チャンネル
2.3 固定速度設定値
設定値ソース
閉ループ制御設定値は、BICO テクノロジーを使用して様々なソースから内部接続する
ことができます。例: p1070 Cl: メイン設定値 (ファンクションダイアグラム 3030 を参
照)。
設定値入力にはさまざまなオプションがあります:
●
固定速度設定値
●
電動ポテンショメータ
●
ジョグ
●
フィールドバス
– PROFIBUS 経由で設定値、例えば、
●
以下の代表的な機器のアナログ入力:
– 例 : 増設 I/O カード 30 (TB30)
– 例: 増設 I/O モジュール 31 (TM31)
– 例: 増設 I/O モジュール 41 (TM41)
2.3
固定速度設定値
説明
この機能は、プリセットされた速度設定値を指定するために使用することができます。
固定設定値はパラメータで定義され、バイネクタ入力により選択されます。 個別固定
設定値と有効固定設定値は、コネクタ出力による更なる接続に使用することができます
(例: コネクタ入力 p1070 - Cl: メイン設定値)。
特徴
●
固定設定値数: 固定設定値 1 ~ 15
●
固定設定値の選択: バイネクタ入力ビット 0 ~ 3
– バイネクタ入力ビット 0、1、2 および 3 = 0 -> setpoint = 0 active
– 未使用のバイネクタ入力には「0」信号と同じ効果があります
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
53
拡張設定値チャンネル
2.4 電動ポテンショメータ
ファンクションダイアグラム (『SINAMICS S120/S150 リストマニュアル』を参照)
●
1550 概要 - 設定値チャンネル
●
3010 固定速度設定値
主要パラメータ一覧 (『SINAMICS S120/S150 リストマニュアル』を参照)
●
p1001[0...n] CO: 固定速度設定値 1
●
...
●
p1015[0...n] CO: 固定速度設定値 15
●
p1020[0...n] BI: 固定速度設定値選択ビット 0
●
p1021[0...n] BI: 固定速度設定値選択ビット 1
●
p1022[0...n] BI: 固定速度設定値選択ビット 2
●
p1023[0...n] BI: 固定速度設定値選択ビット 3
●
r1024 CO : 固定速度設定値有効
●
r1197 固定速度設定値
現在の数
STARTER でのパラメータ設定
試運転ツール STARTER で、関連ドライブのプロジェクトナビゲータにあるパラメー
タ画面 [Fixed setpoints] は Setpoint channel → Fixed setpoints をダブルクリックして呼
び出します。
2.4
電動ポテンショメータ
説明
この機能は、設定値入力の電動ポテンショメータをシミュレーションするために使用し
ます。
設定値入力のための手動モードと自動モードを切り替えることができます。 指定され
た設定値は、内部ランプファンクションジェネレータに転送されます。 設定値、開始
値および OFF1 での制動に、電動ポテンショメータのランプファンクションジェネレー
タは必要ありません。
電動ポテンショメータ用のランプファンクションジェネレータの出力は、コネクタ出力
を介した内部接続に使用できます (例: コネクタ入力 p1070 - CI への内部接続: メイン設
定値。この時、追加ランプファンクションジェネレータは有効です)。
54
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
拡張設定値チャンネル
2.4 電動ポテンショメータ
手動モードの特徴 (p1041 = 「0」)
●
増減用の個別のバイネクタ入力は、入力設定値を調整するために使用されます:
– p1035 BI : 電動ポテンショメータ、設定値、増
– p1036 BI: 電動ポテンショメータ、設定値、減
●
設定値反転 (p1039)
●
コンフィグレーション可能なランプファンクションジェネレータ、例:
– p1082 を基準にした立ち上がり/立ち下がり時間 (p1047/p1048)
– 設定値 (p1043/p1044)
– 初期丸み付けを有効化/無効化 (p1030.2 = 1/0)
●
p1030.3 = 1 での設定値の不揮発性媒体への保存
●
電源 ON のためのコンフィグレーション可能な設定値 (p1030.0)
– 開始値は p1040 の値 (p1030.0 = 0) です
– 開始値は保存値 (p1030.0 = 1) です
自動モードの特徴 (p1041 = 「1」)
●
入力設定値はコネクタ入力 (p1042) で指定します。
●
電動ポテンショメータは、「標準の」ランプファンクションジェネレータのように
動作します。
●
コンフィグレーション可能なランプファンクションジェネレータ、例:
– 有効化/無効化 (p1030.1 = 1/0)
– 立ち上がり/立ち下がり時間 (p1047/p1048)
– 設定値 (p1043/p1044)
– 初期丸み付けを有効化/無効化 (p1030.2 = 1/0)
●
p1030.3 = 1 での設定値の不揮発性媒体への保存
●
電源 ON のためのコンフィグレーション可能な設定値 (p1030.0)
– 開始値は p1040 の値 (p1030.0 = 0) です
– 開始値は保存値 (p1030.0 = 1) です
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
55
拡張設定値チャンネル
2.4 電動ポテンショメータ
ファンクションダイアグラム (『SINAMICS S120/S150 リストマニュアル』を参照)
●
1550 設定値チャンネル
●
2501 コントロールワード
●
3020 電動ポテンショメータ
シーケンス制御
主要パラメータ一覧 (『SINAMICS S120/S150 リストマニュアル』を参照)
●
p1030[0...n] 電動ポテンショメータコンフィグレーション
●
p1035[0...n] BI: 電動ポテンショメータ、設定値、増
●
p1036[0...n] BI: 電動ポテンショメータ、設定値、減
●
p1037[0...n] 電動ポテンショメータ最大速度
●
p1038[0...n] 電動ポテンショメータ最小速度
●
p1039[0...n] BI: 電動ポテンショメータ、反転
●
p1040[0...n] 電動ポテンショメータ初期値
●
p1041[0...n] BI: 電動ポテンショメータ、手動/自動
●
p1042[0...n] CI: 電動ポテンショメータ、自動設定値
●
p1043[0...n] BI: 電動ポテンショメータ、設定値受け入れ
●
p1044[0...n] CI: 電動ポテンショメータ、設定値
●
r1045 CO: 電動ポテンショメータ、ランプファンクションジェネレータ前段の速度
設定値
●
p1047[0...n] 電動ポテンショメータ
立ち上がり時間
●
p1048[0...n] 電動ポテンショメータ
立ち下がり時間
●
r1050 CO: 電動ポテンショメータ、ランプファンクションジェネレータ後段の速度
設定値
●
p1082[0...n] 最大速度
STARTER でのパラメータ設定
試運転ツール STARTER で、関連ドライブのプロジェクトナビゲータにあるパラメー
タ画面 [Motorized potentiometer] は、[Setpoint channel] → Motorized potentiometer を
ダブルクリックして有効にします。
56
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
拡張設定値チャンネル
2.5 JOG
2.5
JOG
説明
この機能は、デジタル入力またはフィールドバスにより選択することができます (例:
PROFIBUS)。 これは、設定値が p1058[0...n] および p1059[0...n] を介して指定される
という意味です。
ジョグ信号の実行中、モータはランプファンクションジェネレータの加速ランプでジョ
グ設定値まで加速されます (最大速度 p1082 参照。「ファンクションチャート: ジョグ
1 およびジョグ 2」表参照)。 ジョグ信号の選択解除後、モータはランプファンクショ
ンジェネレータの設定ランプを介して減速されます。
注意
「ジョグ」機能は PROFIdrive に適合していません!
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図 2-2
ファンクションチャート: ジョグおよび OFF1
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
57
拡張設定値チャンネル
2.5 JOG
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図 2-3
S
S
S
S
S
S
W
ファンクションチャート: ジョグ 1 およびジョグ 2
ジョグの特徴
●
両方のジョグ信号が同時に発行される場合、現在の速度が維持されます (定速度位
相)。
●
ジョグ設定値までの立ち上がり、ジョグ設定値からの立ち下がりは、ランプファン
クションジェネレータを介して実行されます。
●
ジョグ機能は、「電源投入準備完了」ステータスおよび OFF1 減速ランプから有効
にできます。
●
On/OFF1 = 「1」とジョグが同時に選択されている場合、ON/OFF1 が優先されます。
●
OFF2 および OFF3 はジョグよりも優先されます。
●
「ジョグモード」で:
– メイン速度設定値 (r1078) および
– 追加設定値 1 (p1155) はブロックされます。
– 追加設定値 2 (p1160) が転送され、現在の速度に追加されます。
●
設定値チャンネルでの抑制帯域幅 (p1091 ... p1094) および最小リミット (p1080) も
ジョグモードで有効です。
●
ジョグモード (r0046.31 = 1) で、ランプファンクションジェネレータは (p1141 を
介して) 停止できません。
58
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
拡張設定値チャンネル
2.5 JOG
ジョグシーケンス
32:(521
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図 2-4
ジョグシーケンス
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
59
拡張設定値チャンネル
2.5 JOG
コントロールおよびステータスメッセージ
表 2- 1
ジョグ制御
信号名
内部コントロー バイネクタ入力
ルワード
PROFIdrive/シーメンス
テレグラム 1 ~ 352
0 = OFF1
STWA.0
p0840 BI: ON/OFF1
STW1.0
0 = OFF2
STWA.1
p0844 BI: 1. OFF2
STW1.1
p0845 BI: 2. OFF2
0 = OFF3
STWA.2
p0848 BI: 1. OFF3
STW1.2
p0849 BI: 2. OFF3
運転をイネーブ STWA.3
p0852 BI: 運転をイネーブル
STW1.3
ル
ジョグ 1
STWA.8
p1055 BI: ジョグビット 0
STW1.8 1)
ジョグ 2
STWA.9
p1056 BI : ジョグビット 1
STW1.9 1)
1)
表 2- 2
自動的にテレグラム 7、9、110 および 111 のみで接続
ジョグ ステータスワード
信号名
内部ステータスワード
パラメータ
PROFIdrive/シーメンス
テレグラム 1 ~ 352
開始準備完了
ZSWA.0
r0899.0
ZSW1.0
準備完了
ZSWA.1
r0899.1
ZSW1.1
運転イネーブル済
ZSWA.2
r0899.2
ZSW1.2
スイッチ「入」禁止
ZSWA.6
r0899.6
ZSW1.6
パルスイネーブル済
ZSWA.11
r0899.11
ZSW2.10 2)
2)
60
インターフェースモード p2038 = 0 でのみ使用可能。
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
拡張設定値チャンネル
2.6 メイン/補助設定値、および設定値の修正
ファンクションダイアグラム (『SINAMICS S120/S150 リストマニュアル』を参照)
●
2610 実行制御 - プロセッサ
●
3030 設定値チャンネル - メイン/補助設定値、設定値スケーリング、ジョグ
主要パラメータ一覧 (『SINAMICS S120/S150 リストマニュアル』を参照)
●
p1055[0...n] BI: ジョグビット 0
●
p1056[0...n] BI: ジョグビット 1
●
p1058[0...n] ジョグ 1 速度設定値
●
p1059[0...n] ジョグ 2 速度設定値
●
p1082[0...n] 最大速度
●
p1120[0...n] ランプファンクションジェネレータ 立ち上がり時間
●
p1121[0...n] ランプファンクションジェネレータ 立ち下がり時間
STARTER でのパラメータ設定
パラメータ画面 [speed setpoint jog] (速度設定値ジョグ) は、試運転ツール STARTER
のツールバーにある以下のアイコンで選択します。
図 2-5
2.6
[speed setpoint jog] (速度設定値ジョグ) の STARTER アイコン
メイン/補助設定値、および設定値の修正
説明
補助設定値を使用して、下位コントローラから補正値を取り込むことができます。 こ
れは、設定値チャンネルのメイン / 補助設定値のための追加点を使用すると、容易に実
行することができます。 この両方の変数は 2 つの個別の設定値ソースまたは 1 つの設
定値ソースから同時にインポートされ、設定値チャンネルに追加されます。
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
61
拡張設定値チャンネル
2.6 メイン/補助設定値、および設定値の修正
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図 2-6
設定値追加、設定値スケーリング
ファンクションダイアグラム (『SINAMICS S120/S150 リストマニュアル』を参照)
●
1550 設定値チャンネル
●
3030 メイン / 補助設定値、設定値スケーリング、ジョグ
主要パラメータ一覧 (『SINAMICS S120/S150 リストマニュアル』を参照)
●
p1070[C] CI : メイン設定値
●
p1071[C] CI : メイン設定値スケーリング
●
r1073[C] CO : メイン設定値有効
●
p1075[C] CI : 補助設定値
●
p1076[C] CI : 補助設定値スケーリング
●
r1077[C] CO : 補助設定値有効
●
r1078[C] CO : 合計設定値有効
STARTER でのパラメータ設定
パラメータ画面「speed setpoint (速度設定値)」は、試運転ツール STARTER のツール
バーにある以下のアイコンで選択します。
図 2-7
62
「speed setpoint (速度設定値)」用の STARTER 記号
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
拡張設定値チャンネル
2.7 回転方向の制限と回転切換の方向
2.7
回転方向の制限と回転切換の方向
説明
反転運転は回転方向反転を含みます。 設定値反転 p1113[C] を選択することで、設定値
チャンネルで回転方向を反転させることができます。
パラメータ p1110[C] または p1111[C] は、設定値チャンネルを介して負または正の方
向設定値入力を防止するために設定することができます。 但し、設定値チャンネルで
の最小速度 (p1080) 用の以下の設定は、この時も運転可能です。 最小速度では、p1110
= 1 が設定されていても、モータを逆方向に回転させることができます。
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図 2-8
回転方向制限および回転方向反転
ファンクションダイアグラム (『SINAMICS S120/S150 リストマニュアル』を参照)
●
1550 設定値チャンネル
●
3040 方向制限と方向反転
主要パラメータ一覧 (『SINAMICS S120/S150 リストマニュアル』を参照)
●
p1110[C] BI: 負方向を禁止
●
p1111[C] BI: 正方向を禁止
●
p1113[C] BI: 設定値反転
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
63
拡張設定値チャンネル
2.8 帯域抑制と設定値制限
STARTER でのパラメータ設定
パラメータ画面 [speed setpoint] (速度設定値) は、試運転ツール STARTER のツールバ
ーにある以下のアイコンで選択します。
図 2-9
2.8
[speed setpoint] (速度設定値) 用の STARTER 記号
帯域抑制と設定値制限
説明
0 U/min から速度設定値までの範囲では、ドライブトレイン (例: モータ、カップリング、
軸、マシン) に 1 つ以上の共振点が存在する可能性があり、このために振動が発生する
場合があります。 抑制帯域幅は、共振周波数幅での運転を防止するために使用するこ
とができます。
制限周波数は p1080[D] および p1082[D] で設定することができます。 更に、コネクタ
p1085[C] および p1088[C] を使用して、運転時にこれらのリミットに影響することがで
きます。
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図 2-10
64
スキップ周波数帯域、設定値リミット、最小速度
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
拡張設定値チャンネル
2.8 帯域抑制と設定値制限
最小速度
パラメータ p1106[0...n] を使用して、BICO を介して配線される最小速度 n_min s_src
または最小速度が設定できます。
ファンクションダイアグラム (『SINAMICS S120/S150 リストマニュアル』を参照)
●
1550 設定値チャンネル
●
3050 抑制帯域幅および速度リミット
主要パラメータ一覧 (『SINAMICS S120/S150 リストマニュアル』を参照)
設定値リミット
●
p1080[D] 最小速度
●
p1082[D] 最大速度
●
p1083[D] CO : 正回転方向の速度リミット
●
r1084 CO : 速度リミット
●
p1085[C] CI : 正回転方向の速度リミット
●
p1086[D] CO : 負回転方向の速度リミット
●
r1087 CO : 速度リミット
●
p1088[C] CI : 負回転方向の速度リミット
●
p1106[0...n] CI: 最小速度
●
r1119 CO: 入力時のランプファンクションジェネレータ設定値
正側
負側
有効
有効
スキップ周波数帯域
●
p1091[D] 抑制速度 1
●
...
●
p1094[D] 抑制速度 4
●
p1101[D] 抑制速度帯域幅
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
65
拡張設定値チャンネル
2.9 ランプ関数発生器
STARTER でのパラメータ設定
パラメータ画面 [speed limitation] (速度リミット) は、試運転ツール STARTER のツー
ルバーにある以下のアイコンを有効にして選択します。
図 2-11
2.9
[speed limitation] (速度リミット) の STARTER アイコン
ランプ関数発生器
説明
ランプファンクションジェネレータは、急な設定値変更が行われた場合に予期しない加
速を制限するために使用されます。これにより、ドライブトレイン全体の負荷の急激な
変動が防止されます。 立ち上がり時間 p1120[0...n] と立ち下がり時間 p1121[0...n] は、
それぞれに独立した立ち上がりランプと立ち下がりランプを設定するために使用するこ
とができます。 これにより、設定値が変更された場合、制御された移行を行うことが
できます。
最大速度 p1082[0...n] は、立ち上がり時間および立ち下がり時間からランプを計算する
ための基準値として使用されます。 急停止 (OFF3) の場合、特殊な調整可能なランプは、
立ち下がり時間 p1135[0...n] (例: EMERGENCY OFF ボタンが押された後の迅速で制御
された停止) を介して利用可能です。
2 種類のランプファンクションジェネレータがあります:
●
以下の機能を備えるベーシックランプファンクションジェネレータ
– 加速ランプおよび減速ランプ
– 急停止用立ち下がりランプ (OFF3)
– パラメータ p1145 でのコンフィグレーション可能なトラッキング
– ランプファンクションジェネレータの設定値
●
拡張ランプファンクションジェネレータには、
– 初回および最終丸み付けも含まれます
注記
ジョグモード (r0046.31 = 1) で、ランプファンクションジェネレータは (p1141 を介し
て) 停止できません。
66
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
拡張設定値チャンネル
2.9 ランプ関数発生器
ベーシックランプファンクションジェネレータの特徴
[
7XS
7GQ
S
W
S
\
S
W
S
7XS
図 2-12
7GQ
ベーシックランプファンクションジェネレータによる立ち上がりおよび立ち下
がり
●
立ち上がり時間 Tup p1120[0...n]
●
立ち下がり時間 Tdn p1121[0...n]
●
OFF 3 立ち下がりランプ:
– OFF 3 立ち下がり時間 p1135[0...n]
●
ランプファンクションジェネレータを設定
– ランプファンクションジェネレータ信号を設定 p1144[0...n]
– 信号、ランプファンクションジェネレータ信号を設定 p1143[0...n]
●
p1141 を使用したランプファンクションジェネレータの停止 (ジョグモード
r0046.31 = 1 以外)
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
67
拡張設定値チャンネル
2.9 ランプ関数発生器
拡張ランプファンクションジェネレータの特徴
\
S
7XS
7GQ
[
\
S
G\GW ,5
)5
,5
)5 ,5
)5
,5
)5
W
7XSBHII
図 2-13
7GQBHII
拡張ランプファンクションジェネレータ
●
立ち上がり時間 Tup p1120[0...n]
●
立ち下がり時間 Tdn p1121[0...n]
●
初回の丸み付け IR p1130[0...n]
●
最終の丸み付け FR p1131[0...n]
●
有効立ち上がり時間
Tup_eff = Tup + (IR/2 + FR/2)
●
有効立ち下がり時間
Tdn_eff = Tdn + (IR/2 + FR/2)
– OFF3 減速ランプ
– OFF 3 立ち下がり時間 p1135[0...n]
– OFF 3 立ち下がり時間 p1136[0...n]
– OFF 3 立ち下がり時間 p1137[0...n]
●
ランプファンクションジェネレータを設定
– ランプファンクションジェネレータ信号を設定 p1144[0...n]
– 信号、ランプファンクションジェネレータ信号を設定 p1143[0...n]
68
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
拡張設定値チャンネル
2.9 ランプ関数発生器
●
ランプファンクションジェネレータ丸み付けのタイプ p1134[0...n] の選択
– p1134 = 「0」: 連続平滑; 丸み付けは常に有効です。 オーバーシュートが生じる
ことがあります。 設定値が変化すると、最終の丸み付けが実行され、新しい設定
値の方向が採用されます。
– p1134 = 「1」: 断続平滑処理; 設定値が変化すると、直ちに新しい設定値の方向
に変更されます。
●
ランプファンクションジェネレータのコンフィグレーション、ゼロポイントでの丸
み付けを無効化 p1151[0...n]
●
p1141 を使用したランプファンクションジェネレータの停止 (ジョグモード
r0046.31 = 1 以外)
立ち上がりランプおよび立ち下がりランプのスケーリング
サイクリックな PROFIdrive テレグラムに合わせて p1120 および p1121 の立ち上がり
時間用のパラメータを入力できるように、それらはスケーラブルです。
●
p1138[0...n] を使用して、ランプファンクションジェネレータの立ち上がり時間
p1120[0...n] をスケーリングするための信号ソース
●
p1139[0...n] を使用して、ランプファンクションジェネレータの立ち下がり時間
p1121[0...n] をスケーリングするための信号ソース
ランプ時間は、サイクリックな PROFIdrive テレグラムとは無関係に変更可能です。 立
ち上がり時間と立ち下がり時間が一緒に変更される場合、PROFIdrive テレグラムで伝
送されたスケーリング係数は両方のコネクタに接続されます。
ランプファンクションジェネレータのオーバーライド
●
Safety Integrated 機能用の立ち下がり:
Safety Integrated 機能が有効化され、立ち下がりランプが監視されている場合、
p1135 に準拠した OFF3 のみが有効です。 速度設定値リミットは、p1051/p1052
を使用して選択されます。
●
ESR の立ち下がりランプ:
ESR が有効な場合、ランプファンクションジェネレータの最終速度設定値を入力す
るために p0893 を使用します。 ランプファンクションジェネレータのランプ時間
の代わりに、立ち下がりランプが OFF3 ランプを使用して制御されます。
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
69
拡張設定値チャンネル
2.9 ランプ関数発生器
ランプファンクションジェネレータのトラッキング
ドライブがトルクリミットにある場合、速度実績値は速度設定値から除かれます。 ラ
ンプファンクションジェネレータのトラッキングは、速度実績値に合わせて速度設定値
を更新し、そのランプを平坦にします。 p1145 = 0 を使用して、ランプファンクション
ジェネレータのトラッキングを無効化、または p1145 > 1 を使用して、許容追従誤差を
設定することができます。 許容追従誤差に到達すると、ランプファンクションジェネ
レータ出力の速度設定値は、速度設定値に比例して更に増加します。
ランプファンクションジェネレータのトラッキングは、ベーシックおよび拡張ランプフ
ァンクションジェネレータ用に有効化できます。
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S
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抮ㄵ⸮働⊳
W
図 2-14
W
W W
ランプファンクションジェネレータのトラッキング
ランプファンクションジェネレータのトラッキングなし
●
p1145 = 0
●
設定値 < 実績値でも、ドライブは t2 まで加速します。
ランプファンクションジェネレータのトラッキングあり
●
p1145 > 1 (値が 0 ~ 1 の場合には適用不可) の場合で、トルクリミットに接近して
いる時、ランプファンクションジェネレータのトラッキングは有効になります。 こ
れにより、ランプファンクションジェネレータの出力は、p1145 で定義できる偏差
値だけ速度実績値を上回ります。
●
70
t1 および t2 はほぼ同一です。
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
拡張設定値チャンネル
2.9 ランプ関数発生器
ファンクションダイアグラム (『SINAMICS S120/S150 リストマニュアル』を参照)
●
1550 設定値チャンネル
●
3060 ベーシックランプファンクションジェネレータ
●
3070 拡張ランプファンクションジェネレータ
●
3080 ランプファンクションジェネレータの選択、ステータスワード、トラッキング
信号の概要 (『SINAMICS S120/S150 リストマニュアル』を参照)
●
制御信号 STW1.2 OFF3
●
制御信号 STW1.4 ランプファンクションジェネレータイネーブル
●
制御信号 STW1.5 ランプファンクションジェネレータ起動 / 停止
●
制御信号 STW1.6 設定値イネーブル
●
制御信号 STW2.1 ランプファンクションジェネレータをバイパス
主要パラメータ一覧 (『SINAMICS S120/S150 リストマニュアル』を参照)
●
p0893 ESR 速度
●
p1051 [0...n] CI:RFG での速度リミット、正側の回転方向
●
p1052 [0...n] CI: 速度リミット RFG 負方向回転
●
p1083[0...n] CO:正回転方向の速度リミット
●
p1115 ランプファンクションジェネレータの選択
●
r1119 CO: 入力時のランプファンクションジェネレータ設定値
●
p1120[0...n] ランプファンクションジェネレータ 立ち上がり時間
●
p1121[0...n] ランプファンクションジェネレータ 立ち下がり時間
●
p1122[0...n] BI: ランプファンクションジェネレータをバイパス
●
p1130[0...n] ランプファンクションジェネレータ 初期丸み付け時間
●
p1131[0...n] ランプファンクションジェネレータ 初期丸み付け時間
●
p1134[0...n] ランプファンクションジェネレータ 丸み付けのタイプ
●
p1135[0...n] OFF3 立ち下がり時間
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
71
拡張設定値チャンネル
2.9 ランプ関数発生器
●
p1136[0...n] OFF3 初期丸み付け時間
●
p1137[0...n] OFF3 最終丸み付け時間
●
p1138[0...n] CI: 立ち上がりランプスケーリング
●
p1139[0...n] CI: 立ち下がりランプスケーリング
●
p1140[0...n] BI: ランプファンクションジェネレータをイネーブル
●
p1141[0...n] BI: ランプファンクションジェネレータを継続
●
p1143[0...n] BI: ランプファンクションジェネレータ、設定値を受け入れ
●
p1144[0...n C] CI: ランプファンクションジェネレータ設定値
●
p1145[0...n] ランプファンクションジェネレータのトラッキング、強度
●
p1148 [0...n] 立ち上がりおよび立ち下がり有効のためのランプファンクションジェ
ネレータ許容値 有効
●
r1149 CO: ランプファンクションジェネレータ加速
●
r1150 CO: 出力時のランプファンクションジェネレータ速度設定値
●
p1151[0...n] ランプファンクションジェネレータ コンフィグレーション
STARTER でのパラメータ設定
パラメータ画面 [ramp-function generator] (ランプファンクションジェネレータ) は、 試
運転ツール STARTER のツールバーにある以下のアイコンで選択します。
図 2-15
[ramp-function generator] (ランプファンクションジェネレータ) の STARTER
アイコン
72
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
3
サーボ制御
このタイプの閉ループ制御を使用すると、モータエンコーダを備えたモータについて、
動的応答と精度が高い運転が可能になります。
サーボ制御とベクトル制御との比較
以下の表は、サーボ制御とベクトル制御の特性を比較したものです。
表 3- 1
サーボ制御とベクトル制御との比較
項目
サーボ制御
ベクトル制御
主な用途
• ハイダイナミックなモーショ
• 特にエンコーダなしの運転 (セン
ン制御用のドライブ
• 高速かつ高精度トルクドライ
ブ
サレス運転) で高速かつ高精度ト
ルクを備える速度およびトルク制
御ドライブ
(同期サーボモータ)
• アイソクロノス PROFIdrive で
の位相同期制御
• 工作機械やクロック同期制御
が要求される製造機械
1 台のコントロールユニット
• 1 x 電源装置 + 6 x ドライブ
• 1 x 電源装置 + 3 x ドライブ
で制御できるドライブの最大
(電流コントローラサンプリン
(電流コントローラサンプリング
数
グレート 125 μs または速度コ
時間 250 μs または速度コントロ
考慮されるべき項目:
ントローラ 125 μs の場合)
ーラ 1 ms の場合)
本説明書の「DRIVE-CLiQ で
の配線規則」章
• 1 x 電源装置 + 3 x ドライブ
• 1 x 電源装置 + 6 x ドライブ
(電流コントローラサンプリン
(電流コントローラサンプリング
グレート 62.5 μs または速度コ
時間 400 μs/500 μs または速度コ
ントローラ 62.5 μs の場合)
ントローラ 1.6 ms/2 ms の場合)
• 1 x 電源装置 + 1 x ドライブ
• V/f 制御 :
(電流コントローラサンプリン
1 x 電源装置 + 12 x ドライブ
グレート 31.25 μs または速度
(電流コントローラサンプリング
コントローラ 62.5 μs の場合)
時間 500 μs または速度コントロ
• 混在運転、U/f でのサーボ制御
125 μs、最大 11 x ドライブ
ーラ 2000 μs の場合)
• 混在運転、U/f でのベクトル制御
500 μs、最大 11 x ドライブ
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
73
サーボ制御
項目
サーボ制御
ベクトル制御
ダイナミック応答性
High
Medium (平均的)
サンプリング時間、電流コン
• ブックサイズ:
• ブックサイズ:
トローラ / サンプリング時
31.25 μs / 31.25 μs / ≧ 8 kHz
250 μs / 1000 μs / ≧ 2 kHz
間、速度コントローラ / パル
(出荷時設定、8 kHz)
(出荷時設定、4 kHz)
ス周波数
500 μs / 2000 μs / ≧ 2 kHz
• ブロックサイズ :
(出荷時設定、4 kHz)
31.25 μs / 31.25 μs / ≧ 8 kHz
(出荷時設定、8 kHz)
• ブロックサイズ :
250 μs / 1000 μs / ≧ 2 kHz
• シャーシ:
(出荷時設定、4 kHz)
フレームサイズ Fx :
500 μs / 2000 μs / ≧ 2 kHz
250 μs / 250 μs / ≧ 2 kHz
(出荷時設定、2 kHz)
(出荷時設定、4 kHz)
• シャーシ:
フレームサイズ Gx :
≦ 250 kW :
125 μs / 125 μs / ≧ 4 kHz
250 μs / 1000 μs / ≧ 2 kHz
> 250 kW :
400 μs / 1600 μs / ≧ 1.25 kHz
690 V:
400 μs / 1600 μs / ≧ 1.25 kHz
注:
サンプリング条件の詳細については、本マニュアルの「サンプリング時間設定の規則」のサブセクショ
ンを参照してください。
接続可能なモータ
• 同期サーボモータ
• 同期モータ (トルクモータを含む)
• 永久磁石式同期モータ
• 永久磁石式同期モータ
• インダクションモータ
• インダクションモータ
• トルクモータ
• リラクタンスモータ (V/f 制御専
用)
• 他励式同期モータ
注:
1FT6、1FK6 および 1FK7 シリーズ
の同期モータは接続することができ
ません。
上位モーションコントロール
可
可
用 PROFIdrive による位置イ
ンターフェース
74
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
サーボ制御
項目
サーボ制御
ベクトル制御
エンコーダレス速度制御
可、定格モータ速度から 10%、
可 (静止状態から ASM および PEM
これより下では開ループ制御運転 の場合)
モータ定数測定
可
可
速度コントローラ最適化
可
可
U/f 制御
可
可 (様々な特性)
エンコーダレス
不可
可、定格モータ速度から 10%、これ
(他社製モータ)
閉ループトルク制御
より下では開ループ制御運転
インダクションモータの弱め
≦ 16 弱め界磁スレッシホールド
界磁領域
速度 (エンコーダ付き)
≦ 5 · 定格モータ速度
≦ 5 弱め界磁スレッシホールド速
度 (エンコーダなし)
閉ループ制御での最大出力周
• 1300 Hz、62.5 μs / 8 kHz で
波数
• 650 Hz、125 μs / 4 kHz で
または 400 μs / 5 kHz で
• 300 Hz、250 μs / 2 kHz で
• 240 Hz、500 μs / 4 kHz で
• 300 Hz、250 μs / 4 kHz で
注:
SINAMICS S は最適化せずに指定
地を実現することができます。
以下の二次的条件下で追加の最適
化を実行する場合、より高い周波
数を設定することができます。
• 最大 1500 Hz
– エンコーダレス運転
– 制御電源装置と組み合わせ
て
• 最大 1600 Hz
– エンコーダ付き運転
– 制御電源装置と組み合わせ
て
• 絶対的な上限 1600 Hz
注:
様々なマニュアルに記載されているディレーティング特性を必ず遵守しなければなりません!
dv/dt およびサインフィルタ使用時の最大出力周波数: 150 Hz
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
75
サーボ制御
3.1 速度コントローラ
項目
サーボ制御
ベクトル制御
モータの熱的リミットでの運
電流設定値の低減または電源遮断 パルス周波数および / または電流設
定値の低減または電源遮断 (並列接
転時の応答
続 / サインフィルタ付きには適用さ
れません)
速度設定値
オプション
チャンネル (ランプファンク
(電流コントローラサンプリング
ションジェネレータ)
時間 125 μs - または速度コントロ
標準
ーラサンプリング時間 125 μs の
場合、ドライブ数を 6 から 5 x モ
ータモジュールに低減します)
パワーユニットの並列接続
不可
• ブックサイズ:不可
• シャーシ:可
3.1
速度コントローラ
速度コントローラは、エンコーダからの実績値を使用して (エンコーダ付き運転)、また
は、計算された速度実績値を使用して (エンコーダなし運転)、モータ速度を制御します。
特徴
●
速度設定値フィルタ
●
速度コントローラ補正
注記
速度とトルクを同時に制御することはできません。 速度制御が有効な場合、トルク制
御よりも優先されます。
76
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
サーボ制御
3.2 速度設定値フィルタ
リミット
最大速度 p1082[D] は、選択されたモータのデフォルト値で定義され、試運転中に有効
になります。 ランプファンクションジェネレータはこの値を基準にします。
S>&@
S
S
0LQ
S
図 3-1
3.2
S>&@
S
S
0D[
速度コントローラ制限
速度設定値フィルタ
パラメータ p1414[0...n] を介して 2 つの速度設定値フィルタを有効化できます。 これ
らの速度設定値フィルタは構造的に同一であり、パラメータ p1415[0...n] (フィルタ 1)
および p1421[0...n] (フィルタ 2) を介して、以下のように設定できます:
●
帯域除去
●
一次ローパス指令 (PT1)
●
二次ローパス指令 (PT2)
ゾ⩮棳♊
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S[[[[
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ዊዙኮኖ37
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S[[[[
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S[[[[
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IV
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⒕㹜⦉㦘⛷㽱㟿
図 3-2
\
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W
₏㶰拔ㆅ尐侯
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[
\
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S[[[[
'BQ
䂪嫿ᇬ⒕㹜
I
S[[[[ 㣑⸩㟿
速度設定値フィルタ用フィルタ一覧
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
77
サーボ制御
3.2 速度設定値フィルタ
ファンクションダイアグラム (『SINAMICS S120/S150 リストマニュアル』を参照)
●
5020 速度設定値フィルタと速度プリコントロール
主要パラメータ一覧 (『SINAMICS S120/S150 リストマニュアル』を参照)
●
p1414[D] 速度設定値フィルタ有効
●
p1415[D] 速度設定値フィルタ 1 タイプ
●
p1416[D] 速度設定値フィルタ 1 時定数
●
p1417[D] 速度設定値フィルタ 1 分母振動周波数
●
p1418[D] 速度設定値フィルタ 1 分母ダンピング
●
p1419[D] 速度設定値フィルタ 1 分子振動周波数
●
p1420[D] 速度設定値フィルタ 1 分子ダンピング
●
p1421[D] 速度設定値フィルタ 2 タイプ
●
p1422[D] 速度設定値フィルタ 2 時定数
●
p1423[D] 速度設定値フィルタ 2 分母振動周波数
●
p1424[D] 速度設定値フィルタ 2 分母ダンピング
●
p1425[D] 速度設定値フィルタ 2 分子振動周波数
●
p1426[D] 速度設定値フィルタ 2 分子ダンピング
STARTER でのパラメータ設定
パラメータ画面 [speed setpoint filter] (速度設定値フィルタ) は、試運転ツール
STARTER のツールバーにある以下のアイコンで選択します。
図 3-3
78
[speed setpoint filter] (速度設定値フィルタ) 用の STARTER アイコン
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
サーボ制御
3.3 速度コントローラアダプション
3.3
速度コントローラアダプション
説明
2 種類の調整可能箇所があります : 任意の Kp_n 補正および速度に依存した Kp_n/Tn_n
補正です。
フリーの Kp_n 補正は「エンコーダなしの運転」モードでも有効にすることができます。
これは、「エンコーダ付きの運転」モードでは速度に依存した Kp_n 補正の追加係数と
して使用されます。
速度に依存した Kp_n/Tn_n 補正は「エンコーダ付きの運転」モードでのみ有効で、
Tn_n 値にも影響します。
S>'@
S>'@
孫㷲≰⚆
S>'@
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S>&@
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ⅴₚት⪉䄥቎
S[ቡቂቒS[
孫㷲≰⚆
[
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S>'@
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ቤ䟛䭐
7QBQBEDVLFS
S>'@
抮ㄵ቎∬ⷧሺቂ.QBS孫
㷲
S>'@
ኅዐነዙኝⅧሰ抮
ㄵነዐእዊዙ዆ቛ
抮ㄵ቎∬ⷧሺቂ7QBS孫
㷲
図 3-4
任意の Kp_n 補正
速度に依存した補正例
注記
この補正方法は、「エンコーダ付き運転」モードでのみ有効です!
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
79
サーボ制御
3.3 速度コントローラアダプション
.SBQ
7QBQ
㹣√኏ኁዐ
䳜⒕㣑栢
S[S
S
.SBQ
孫㷲Ⅷሰ
S[S
S
7QBQ
孫㷲ቍሺ
Q
S
S
ₚ⌃ቑ⸩抮ㄵ乓⦁
QS
孫㷲乓⦁
SQS
ₙ⌃ቑ⸩抮ㄵ乓⦁
Q!S
図 3-5
速度コントローラ Kp_n/Tn_n 補正
ファンクションダイアグラム (『SINAMICS S120/S150 リストマニュアル』を参照)
●
5050 Kp_n および Tn_n 補正
主要パラメータ一覧 (『SINAMICS S120/S150 リストマニュアル』を参照)
任意の Kp_n 補正
●
p1455[0...n] CI : 速度コントローラ、P ゲイン補正信号
●
p1456[0...n] 速度コントローラ P ゲイン補正下側開始点
●
p1457[0...n] 速度コントローラ P ゲイン補正上側開始点
●
p1458[0...n] 下側補正係数
●
p1459[0...n] 上側補正係数
速度に依存した Kp_n/Tn_n 補正
80
●
p1460[0...n] 速度コントローラ P ゲイン下側補正速度
●
p1461[0...n] 速度コントローラ Kp 補正速度上側スケーリング
●
p1462[0...n] 速度コントローラ
●
p1463[0...n] 速度 Tn 補正速度 上側スケーリング
●
p1464[0...n] 速度コントローラ 下側補正速度
●
p1465[0...n] 速度コントローラ 上側補正速度
●
p1466[0...n] CI : 速度コントローラ P ゲインスケーリング
積分時間下側補正速度
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
サーボ制御
3.4 トルク制御運転
STARTER でのパラメータ設定
パラメータ画面「speed controller (速度コントローラ)」は、試運転ツール STARTER
のツールバーにある以下のアイコンで選択します。
図 3-6
3.4
「speed controller (速度コントローラ)」の STARTER アイコン
トルク制御運転
説明
速度モードからトルク制御モードに切り替えるには、動作モード切り替え (p1300) また
はバイネクタ入力 (p1501) を使用することができます。 速度制御システムからのトル
ク設定値は全て無効になります。 トルク制御モードの設定値はパラメータ設定により
設定されます。
特徴
●
以下によるトルク制御モードへの切り替え :
– 運転モードの選択
– バイネクタ入力
●
トルク設定値を指定することができます :
– トルク設定値ソースを選択することができます
– トルク設定値をスケーリングすることができます
– 追加のトルク設定値を入力することができます
●
トルク全体の表示
トルク制御モードの試運転
1. トルク制御モードを設定します (p1300 = 23 ; p1501 = "1" 信号)
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
81
サーボ制御
3.4 トルク制御運転
2. トルク設定値を指定
– ソースを選択 (p1511)
– 設定値をスケーリング (p1512)
– 補助設定値を選択 (1513)
U
S>&@
√S
>@
S>&@
S>&@
図 3-7
トルク設定値
3. 有効化イネーブル信号
OFF 応答
●
OFF1 および p1300 = 23
– OFF2 と同様の応答
●
OFF1、p1501 = "1" 信号および p1300 ≠ 23
– 個別の制動応答なし、制動応答はトルクを特定するドライブにより行われます。
– ブレーキ作動時間 (p1217) が経過すると、パルスが禁止されます。 速度実績値が
p1226 のスレッシホールドを下回った場合、または速度設定値 ≦ 速度スレッシホ
ールド (p1226) 時に開始した監視時間 (p1227) を経過すると、ゼロ速を検出しま
す。
– 電源投入禁止が有効になります。
●
OFF2
– 直ちにパルスが禁止され、ドライブはフリーラン停止します。
– モータブレーキ (パラメータ設定されている場合) は直ちに閉じられます。
– 電源投入禁止が有効になります。
82
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
サーボ制御
3.4 トルク制御運転
●
OFF3
– 速度制御運転への切り替え
– n_set = 0 が直ちに入力され、OFF3 の減速ランプに沿ってドライブが制動されま
す (p1135)。
– ゼロ速を検出すると、モータブレーキが閉じます (パラメータ設定されている場
合)。
– ブレーキ作動時間 (p1217) が経過すると、パルスが禁止されます。 速度実績値が
p1226 のスレッシホールドを下回った場合、または速度設定値 ≦ 速度スレッシホ
ールド (p1226) 時に開始した監視時間 (p1227) を経過すると、ゼロ速を検出しま
す。
– 電源投入禁止が有効になります。
ファンクションダイアグラム (『SINAMICS S120/S150 リストマニュアル』を参照)
●
5060 トルク設定値、制御タイプの切り替え
●
5610 トルクリミット / 低減 / インタポレータ
主要パラメータ一覧 (『SINAMICS S120/S150 リストマニュアル』を参照)
●
p1300 開ループ / 閉ループ制御運転モード
●
r1406.12 トルク制御有効
●
p1501[C] BI : 閉ループ速度 / トルク制御の切り替え
●
p1511[C] CI : 補助トルク 1
●
p1512[C] CI : 補助トルク 1 スケーリング
●
p1513[C] CI : 補助トルク 2
●
r1515 補助トルク合計
STARTER でのパラメータ設定
パラメータ画面「torque setpoint (トルク設定値)」は、試運転ツール STARTER のツー
ルバーにある以下のアイコンで選択します。
図 3-8
「torque setpoint (トルク設定値)」の STARTER アイコン
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
83
サーボ制御
3.5 トルク指令の設定値の制限
3.5
トルク指令の設定値の制限
説明
トルク設定値を制限するための手順は以下の通りです。
1. トルク設定値とオプションのトルク設定値を定義
2. トルクリミットを生成
トルク設定値は 4 象限全てで最大許容値に制限することができます。 力行モードおよ
び回生モードに異なるリミットをパラメータ設定することができます。
LTⓅ棟ኲኀወኜቑኇዙክዙኔዂዙእ
ቑ⒖ቭ㗷቉
\
እወኌ䞮㒟榊㿐ቑ岼⸩⊳
LTBVHWB
LTBVROOB
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㦘╈እወኌⓅ棟⊳>1P@
U
>@
U
>@
0
廰棟
投㡈⚠ᇬ 檕㡈⚠ᇬ
䥲尥
䞮㒟
ದ
Q
投㡈⚠ᇬ 檕㡈⚠ᇬ
䞮㒟
䥲尥
እወኌ≑㟿0LT
>@
U
[
>@
ದ
図 3-9
電流 / トルク設定値制限
注記
この機能は、設定不要で直ちに有効になります。 ユーザはトルクを制限するために更
なる設定も行うことができます。
84
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
サーボ制御
3.5 トルク指令の設定値の制限
特徴
この機能のコネクタ入力は、固定トルクリミットで初期化されます。 必要な場合、ト
ルクリミットをダイナミックに (運転中に) 定義することもできます。
●
制御ビットは、トルクリミットモードを選択するために使用することができます。
以下の選択肢が使用可能です。
– トルク上側リミット / 下側リミット
– 力行運転および回生トルクリミット
●
コンフィグレーション可能な追加出力リミット
– 力行運転モード出力リミット
– 回生モード出力リミット
●
以下の係数は電流コントローラにより監視され、常にトルクリミットに加えて適用
されます。
– ストール出力
– 最大トルク生成電流
●
設定値のオフセットも可能です (「例 : オフセット付きまたはオフセットなしのトル
クリミット」を参照)。
●
以下のトルクリミットがパラメータで表示されます。
– オフセット付きおよびオフセットなしの全てのトルク上側リミットの最小値
– オフセット付きおよびオフセットなしの全てのトルク下側リミットの最大値
固定トルクリミットおよび可変トルクリミットの設定
表 3- 2
固定トルクリミットおよび可変トルクリミットの設定
選択
モード
固定トルクリミット
トルクリミットモード
最大トルク上側リミットまたはトル
最大力行運転または回生モードトルクリ
ク下側リミット p1400.4 = 0
ミット p1400.4 = 1
トルク上側リミット (正の
p1520
値として)
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
p1520
ト (正の値として)
値として)
トルク下側リミット (負の
力行運転モードトルクリミッ
p1521
回生モードトルクリミット
p1521
(負の値として)
85
サーボ制御
3.5 トルク指令の設定値の制限
選択
トルクリミットモード
可変トルクリミットの トルク上側リミット
ソース
p1522
トルク下側リミット
p1523
回生モードトルクリミット
p1523
トルクリミットの可変 トルク上側リミット
p1528
力行運転モードトルクリミッ
p1528
ト
トルク下側リミット
トルクリミット用トル トルク上側リミットおよび
クオフセット
p1522
ト
スケーリング係数のソ
ース
力行運転モードトルクリミッ
p1529
回生モードトルクリミット
p1529
p1532
力行運転および回生モードト
p1532
トルク下側リミットを共に
ルクリミットを共にシフト
シフト
トルクリミットのバリアント
以下のバリアントを使用することができます。
●
設定入力なし。
このアプリケーションはトルクリミットの追加制限事項が必要ありません。
●
固定リミットはトルクに必要です。
固定上側および下側リミット、または、代わりに固定力行運転および回生リミット
をそれぞれ異なるソースで指定することができます。
●
ダイナミックリミットがトルクに必要です。
– ダイナミック上側および下側リミット、または、代わりにダイナミック力行運転
および回生リミットをそれぞれ異なるソースで指定することができます。
– パラメータは、電流リミットのソースを選択するために使用されます。
●
トルクオフセットはパラメータ設定することができます。
●
加えて、出力リミットは力行運転および回生モード用に個別にパラメータ設定する
ことができます。
通知
負の値 (r1534) または正の値 (r1535) は逆のトルク方向の最小トルクを示し、反作用の
負荷トルクが生成されない場合はドライブ装置を回転させます (『SINAMICS
S120/S150 リストマニュアル』のファンクションダイアグラム 5630 を参照)。
86
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
サーボ制御
3.5 トルク指令の設定値の制限
例 : オフセット付きまたはオフセットなしのトルクリミット
p1522 と p1523 で選択された信号には p1520 と p1521 でパラメータ設定されたトルク
リミットが含まれます。
0
0
S
S
S
S
S
S
0BRIIVHW S
図 3-10
0BRIIVHW!
S
例 : オフセット付きまたはオフセットなしのトルクリミット
トルクリミットの有効化
1. トルクリミットのソースを選択するためにパラメータを使用。
2. トルクリミットモードを指定するためにコントロールワードを使用。
3. 必要に応じて、以下を実行することもできます。
– 追加のリミットを選択して有効化。
– トルクオフセットを設定。
例
●
固定端への移動
●
連続運転の貨物コンベアおよびワインダの張力制御
ファンクションダイアグラム (『SINAMICS S120/S150 リストマニュアル』を参照)
●
5610 トルクリミット / 低減 / インタポレータ
●
5620 力行運転 / 回生トルクリミット
●
5630 上側 / 下側トルクリミット
●
5640 モード切り替え、出力 / 電流リミット
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
87
サーボ制御
3.5 トルク指令の設定値の制限
主要パラメータ一覧 (『SINAMICS S120/S150 リストマニュアル』を参照)
●
p0640[0...n] 電流リミット
●
p1400[0...n] 速度制御コンフィグレーション
●
r1508 CO : 補助トルク前段のトルク設定値
●
r1509 CO : トルクリミット前段のトルク設定値
●
r1515 補助トルク合計
●
p1520[0...n] CO : トルクリミット、上側 / 力行運転
●
p1521[0...n] CO : トルクリミット、下側 / 回生運転
●
p1522[C] CI : トルクリミット、上側 / 力行運転
●
p1523[C] CI : トルクリミット、下側 / 回生運転
●
r1526 トルクリミット、オフセットなしの上側 / 力行運転
●
r1527 トルクリミット、オフセットなしの下側 / 回生運転
●
p1528[0...n] CI : トルクリミット、上側 / 力行運転、スケーリング
●
p1529[0...n] CI : トルクリミット、下側 / 回生運転、スケーリング
●
p1530[0...n] 力行運転モード出力リミット
●
p1531[0...n] 回生モード出力リミット
●
p1532[0...n] CO : トルクリミット、オフセット
●
r1533 電流リミットトルク生成、合計
●
r1534 CO : トルクリミット、上側合計
●
r1535 CO : トルクリミット、下側合計
●
r1538 CO : 有効トルク上側リミット
●
r1539 CO : 有効トルク下側リミット
STARTER でのパラメータ設定
パラメータ画面「torque limit (トルクリミット)」は、試運転ツール STARTER のツール
バーにある以下のアイコンで選択します。
図 3-11
88
「torque limit (トルクリミット)」の STARTER アイコン
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
サーボ制御
3.6 電流コントローラ
3.6
電流コントローラ
特徴
●
電流制御用 PI コントローラ
●
4 つの同一の電流設定値フィルタ
●
電流およびトルクリミット
●
電流コントローラ補正
●
磁束制御
閉ループ電流制御
電流コントローラの操作のための設定は必要ありません。 一定の状況下で、最適化を
実行することができます。
電流およびトルクリミット
電流およびトルクリミットはシステムの初回試運転調整時に初期化されます。アプリケ
ーションに応じて調整してください。
電流コントローラ補正
電流コントローラ補正により、電流コントローラの P ゲインを低減させることができ
ます (電流に依存)。 電流コントローラ補正は、設定 p1402.2 = 0 で無効にすることがで
きます。
.S
.S㹣√኏ኁዐ
,Tእወኌ䞮㒟榊㿐
S
S[S
S
図 3-12
S
,T
電流コントローラ補正
磁束コントローラ (インダクションモータ用)
磁束コントローラのパラメータはシステムの初回試運転調整時に初期化されます。通常、
調整の必要はありません。
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
89
サーボ制御
3.6 電流コントローラ
ファンクションダイアグラム (『SINAMICS S120/S150 リストマニュアル』を参照)
●
5710 電流設定値フィルタ
●
5714 Iq および Id コントローラ
●
5722 指定界磁電流、磁束低減、磁束コントローラ
主要パラメータ一覧 (『SINAMICS S120/S150 リストマニュアル』を参照)
閉ループ電流制御
●
p1701[0...n] 電流コントローラ 参照モデル デッドタイム
●
p1715[0...n] 電流コントローラ P ゲイン
●
p1717[0...n] 電流コントローラ 積分時間
電流およびトルクリミット
90
●
p0323[0...n] 最大モータ電流
●
p0326[0...n] モータストールトルク補正係数
●
p0640[0...n] 電流リミット
●
p1520[0...n] CO : トルクリミット、上側 / 力行運転
●
p1521[0...n] CO : トルクリミット、下側 / 回生運転
●
p1522[0...n] CI : トルクリミット、上側 / 力行運転
●
p1523[0...n] CI : トルクリミット、下側 / 回生運転
●
p1524[0...n] CO : トルクリミット、上側 / 力行運転、スケーリング
●
p1525[0...n] CO : トルクリミット、下側 / 回生運転、スケーリング
●
r1526 CO : トルクリミット、上側 / 力行、オフセットなし
●
r1527 CO : トルクリミット、オフセットなしの下側 / 回生運転
●
p1528[0...n] CI : トルクリミット、上側 / 力行運転、スケーリング
●
p1529[0...n] CI : 低トルクリミットまたは回生トルクリミットスケーリング
●
p1530[0...n] 力行運転モード出力リミット
●
p1531[0...n] 回生モード出力リミット
●
p1532[0...n] トルクオフセットトルクリミット
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
サーボ制御
3.7 電流設定値フィルタ
●
r1533 電流リミットトルク生成、合計
●
r1534 CO : トルクリミット、上側合計
●
r1535 CO : トルクリミット、下側合計
●
r1538 CO : 有効トルク上側リミット
●
r1539 CO : 有効トルク下側リミット
電流コントローラ補正
●
p0391[0...n] 電流コントローラ補正開始点 KP
●
p0392[0...n] 電流コントローラ補正開始点 KP 補正済
●
p0393[0...n] 電流コントローラ補正 P ゲイン補正
●
p1590[0...n] 磁束コントローラ P ゲイン
●
p1592[0...n] 磁束コントローラ 積分時間
STARTER での試運転
パラメータ画面「current controller (電流コントローラ)」は、試運転ツール STARTER
のツールバーにある以下のアイコンで選択します。
図 3-13
3.7
「current controller (電流コントローラ)」の STARTER アイコン
電流設定値フィルタ
説明
直列接続された 4 つの電流設定値フィルタは、以下のようにパラメータ設定することが
できます。
●
2 次ローパス指令 (PT2 : -40 dB/decade) (タイプ 1)
●
2 次全域フィルタ指令 (タイプ 2)
帯域除去と低減率付きローパスは STARTER 試運転ツールを介して 2 次全域フィル
タのパラメータに変換されます。
– 帯域除去
– 一定値の低減を伴うローパス
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
91
サーボ制御
3.7 電流設定値フィルタ
位相周波数曲線は、振幅対数周波数曲線と共に表示されます。 位相シフトは制御シス
テムの遅延に結びつくため、最小限に抑えてください。
S>'@
U
S>'@
IQBQ
S>'@
IQBQ
S>'@
'BQ
S>'@
'BQ
S>'@
S>'@
_\_
'
[
\
S>'@
_\_
'
[
\
IQ
I
IQ
I
37
37
!
!
IQB]
'B]
S>'@ S>'@
IQB]
'B]
S>'@ S>'@
_\_
㶰ኲኀወኜ
_\_
\
[
I
IQBQ
'BQ
S>'@ S>'@
図 3-14
92
㶰ኲኀወኜ
!₏咻㶰ኲኀወኜ
!ዊዙኮኖ37
ኲኀወኜ
\
[
!
I
!
IQBQ
'BQ
S>'@ S>'@
ኲኀወኜ
電流設定値フィルタ
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
サーボ制御
3.7 電流設定値フィルタ
伝送関数 :
+V
V
˭ I1
'1
V ˭ I1
分母固有周波数 fN
分母ダンピング DN
表 3- 3
PT2 フィルタの例
STARTER のフィルタパラメータ
振幅対数周波数曲線
特性周波数 fN 500 Hz
位相周波数曲線
I1 +]
G%
ダンピング DN 0.7 dB
定義されないノッチ深さを含む帯域除去
表 3- 4
無限ノッチ深さを含む帯域除去の例
STARTER のフィルタパラメータ
振幅対数周波数曲線
ブロック周波数 fSp = 500 Hz
帯域幅 (-3 dB) fBB = 500 Hz
位相周波数曲線
I%% +]
G%
ノッチ深さ K = -∞ dB
低減 Abs = 0 dB
I +]
全域フィルタ指令用のパラメータへの簡易変換
●
ブロック周波数後の低減または増高 (Abs)
●
ブロック周波数での無限ノッチ
●
分子固有周波数 fZ = fSp
●
分子ダンピング DZ = 0
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
93
サーボ制御
3.7 電流設定値フィルタ
●
分母固有周波数 fN = fSp
●
分母ダンピング :
I
' 1 %%
ವI63
定義されたノッチ深さを含む帯域除去
表 3- 5
定義されたノッチ深さを含む帯域除去の例
STARTER のフィルタパラメータ
振幅対数周波数曲線
位相周波数曲線
ブロック周波数 fSp = 500 Hz
帯域幅 fBB = 500 Hz
ノッチ深さ K = -20 dB
. G%
低減 Abs = 0 dB
全域フィルタ指令用のパラメータへの簡易変換
●
ブロック周波数後の低減または増高なし
●
ブロック周波数で定義されたノッチ K[dB] (例 : -20 dB)
●
分子固有周波数 fZ = fSp
●
分子ダンピング :
' =
I%%
.
I6S ●
分母固有周波数 fN = fSp
●
分母ダンピング :
'1
94
I%%
I6S
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
サーボ制御
3.7 電流設定値フィルタ
定義された低減を含む帯域除去
表 3- 6
帯域除去の例
STARTER のフィルタパラメータ
振幅対数周波数曲線
位相周波数曲線
ブロック周波数 fSP = 500 Hz
帯域幅 fBB = 500 Hz
$EVG%
ノッチ深さ K = -∞ dB
低減 ABS = -10 dB
全域フィルタ指令用のパラメータへの一般的な変換 :
●
分子固有周波数 :
I= =
●
分子ダンピング :
'=
●
.
= 10 20
⎛
⎜
1
1
• • ⎜1 − $EV
2
⎜⎜
⎝ 10 20
2
⎞
⎟
I%% 2
⎟ +
$EV
⎟⎟
I6S 2 • 10 10
⎠
分母固有周波数 :
I1
●
ω=
= I63
2π
˶1
= I6S ˭
$EV
分母ダンピング :
'1
I%%
I6S $EV
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
95
サーボ制御
3.7 電流設定値フィルタ
低減を伴う一般的なローパス
表 3- 7
低減を伴う一般的なローパス例
STARTER のフィルタパラメータ
特性周波数 fAbs = 500 Hz
振幅対数周波数曲線
位相周波数曲線
I$EV +]G%
ダンピング D = 0.7
低減 Abs = -10 dB
$EV G%
全域フィルタ指令用のパラメータへの変換
●
分子固有周波数 fZ = fAbs (低減開始)
●
分子ダンピング :
I=
I$EV
$EV
●
分母固有周波数 fN
●
分母ダンピング DN
伝送関数 二次全域フィルタ指令
+ V V
˭ I=
V
˭I1
' =
V ˭ I=
'1
V ˭I1
分母固有周波数 fZ
分子ダンピング DZ
分母固有周波数 fN
分母ダンピング DN
96
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
サーボ制御
3.7 電流設定値フィルタ
表 3- 8
二次全域フィルタ指令例
STARTER のフィルタパラメータ
振幅対数周波数曲線
分子周波数 fZ = 500 Hz
分子ダンピング DZ = 0.02 dB
位相周波数曲線
I1 +]
分母周波数 fN = 900 Hz
分母ダンピング DN = 0.15 dB
I= +]
ファンクションダイアグラム (『SINAMICS S120/S150 リストマニュアル』を参照)
●
5710 電流設定値フィルタ
主要パラメータ一覧 (『SINAMICS S120/S150 リストマニュアル』を参照)
●
p1656[0...n] 電流設定値フィルタ有効化
●
p1657[0...n] 電流設定値フィルタ 1 タイプ
●
p1658[0...n] 電流設定値フィルタ 1 分母固有周波数
●
p1659[0...n] 電流設定値フィルタ 1 分母ダンピング
●
p1660[0...n] 電流設定値フィルタ 1 分子固有周波数
●
p1661[0...n] 電流設定値フィルタ 1 分子ダンピング
●
...
●
p1676[0...n] 電流設定値フィルタ 4 分子ダンピング
●
p1699 フィルタデータ転送
STARTER でのパラメータ設定
パラメータ画面「current setpoint filter (電流設定値フィルタ)」は、試運転ツール
STARTER のツールバーにある以下のアイコンで選択します。
図 3-15
「current setpoint filter (電流設定値フィルタ)」の STARTER アイコン
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
97
サーボ制御
3.8 電子モータモデルに関する注記
3.8
電子モータモデルに関する注記
速度レンジ p1752*(100%-p1756)と p1752 の範囲内で、モデルの変更が行われます。
エンコーダ付きの誘導電動機では、高い速度レンジほどトルク表現が正確になります
(つまり、ロータ抵抗の効果と主磁場インダクタンスの飽和が補正される)。 エンコーダ
付きの同期電動機では、転流角が監視されます。 kT 評価器が作動している場合は、同
期電動機のトルク表現も正確になります。
3.9
V/f 制御
説明
U/f 制御の場合、ドライブは、開ループ制御で運転されます。 この開ループ制御システ
ムでは、ドライブは速度フィードバックや実際の電流検出も要求しません。 運転は、
少数のモータデータで可能です。
U/f 制御で、以下のコンポーネントおよびデータが確認できます:
●
モータモジュール
●
モータモジュールとモータ間の電力ケーブル
●
モータ
●
モータモジュールとモータの間の DRIVE-CLiQ ケーブル
●
エンコーダおよびエンコーダ実績値
以下のモータは V/f 制御で運転することができます:
●
インダクションモータ
●
同期モータ
注記
V/f 制御モードでは、計算された速度実績値が常に r0063 に表示されます。 エンコーダ
速度 (取り付けられている場合) は r0061 に表示されます。 エンコーダが取り付けられ
ていない場合、r0061 に「0」が表示されます。
注記
V/f 制御での同期モータの運転は、モータ定格速度の最大 25 % までのみ許容されま
す。
98
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
サーボ制御
3.9 V/f 制御
V/f 制御の構造
S Q
I
዆ዐኴኲቾዐኌኔዄ
ዐንኄኪዉዙኜ
S
S
S
8
S
S
図 3-16
V/f 制御の構造
V/f 制御の前提条件
●
初回試運転が完了しました。
V/f 制御のパラメータが適切な値で初期化されています。
●
初回試運転調整が実行されていません。
以下の関連するモータデータは確認および補正される必要があります。
– r0313 モータ極対数、実績 (または計算された)
– p0314 モータ極対数
– p1318 V/f 制御 立ち上がり / 立ち下がり時間
– p1319 ゼロ周波数での V/f 制御電圧
– p1326 V/f 制御 プログラム可能な特性周波数 4
– p1327 V/f 制御 プログラム可能な特性電圧 4
– p1338[0...n] V/f モード 共振抑制ゲイン
– p1339[0...n] V/f モード
共振抑制フィルタ時定数
– p1349[0...n] V/f モード 共振ダンピング最大周波数
注記
同期モータでは、V/f 制御モードは通常低速時にのみ安定します。 高速では振動が誘発
されることがあります。
振動ダンピングは適切なデフォルトのパラメータ値に基づいて有効化され、ほとんどの
アプリケーションでは更なるパラメータ設定が必要とされません。 過渡応答により生
じる干渉を意識する場合、p1338 の値を徐々に増加させてこれがシステムに与える影響
を評価するオプションを利用できます。
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
99
サーボ制御
3.9 V/f 制御
注記
ドライブは、多くのパラメータ設定をしなくても、電流リミット (p0640) までかなり迅
速に立ち上げることができます (様々な慣性モーメントでドライブを運転する場合、な
ど)。
以下に注意してください: 電流リミット (p0640) に到達すると、ランプファンクション
ジェネレータのみが停止します。 これは、更なる電流の増大を防止するものではあり
ません。 この点から、ドライブの過電流エラーによる電源遮断を防止するために、設
定するパラメータには監視機能のための電流リミットに対する安全余裕を含めなければ
なりません。
試運転 V/f 制御
1. V/f 制御モードの前提条件を検証します。
2. 設定 p0311 –> 定格モータ速度。
3. 設定 p1317 = 1 –> 機能を有効化。
4. 運転のためのイネーブル信号を有効。
5. 速度設定値を指定。
注記
追加機能の自動有効化
p1317 = 1 で、以下の機能も自動的に有効化されます:
• 共振ダンピング (p1338)
実績値に影響することなく純粋な診断モードを獲得するために、共振ダンピングは
無効化されなければなりません (p1338 = 0)。
• Vdc コントローラ (p1240、p1244、p1248、p1250)
• M、P および I リミットによる立ち上がりランプの制限
• 電流リミット p0640 が超過されると直ちに、ランプファンクションジェネレータは
停止されます
100
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
サーボ制御
3.9 V/f 制御
V/f 特性
極対数を考慮し、速度設定値が周波数指定に変換されます。 速度設定値に関連する同
期周波数が出力されます (スリップ補正なし)。
8>9@
9
S
S
S
図 3-17
I>V@
V/f 特性
ファンクションダイアグラム (『SINAMICS S120/S150 リストマニュアル』を参照)
●
5300 V/f 制御
●
5650 Vdc_max コントローラと Vdc_min コントローラ
主要パラメータ一覧 (『SINAMICS S120/S150 リストマニュアル』を参照)
●
p0304[0...n] モータ定格電圧
●
p0310[0...n] モータ定格周波数
●
p0311[0...n] モータ定格速度
●
r0313[0...n] モータ極対数、実績 (または計算された)
●
p0314[0...n] モータ極対数
●
p0317[0...n] モータ電圧定数
●
p0322[0...n] 最大モータ速度
●
p0323[0...n] 最大モータ電流
●
p0640[0...n] 電流リミット
●
p1082[0...n] 最大速度
●
p1317[0...n] V/f 制御 有効化
●
p1318[0...n] V/f 制御 立ち上がり/立ち下がり時間
●
p1319[0...n] ゼロ周波数での V/f 制御電圧
●
p1326[0...n] V/f 制御 プログラム可能な特性周波数 4
●
p1327[0...n] V/f 制御 プログラム可能な特性周波数 4
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
101
サーボ制御
3.10 電流/速度コントローラの最適化
3.10
電流/速度コントローラの最適化
一般情報
注意
コントローラの最適化は、制御エンジニアリングの知識を有する有資格者だけが実施
することができます。
コントローラを最適化するには以下のツールを使用することができます。
●
STARTER の「Function generator (ファンクションジェネレータ)」
●
STARTER の「Trace (トレース)」
●
STARTER の「Measuring function (測定機能)」
●
コントロールユニットの測定用ソケット
電流コントローラの最適化
電流コントローラは初回試運転時に初期化され、ほとんどのアプリケーションのために
適切に最適化されます。
速度コントローラの最適化
速度コントローラは、モータの初回コンフィグレーション時に、モータの慣性モーメン
トに合わせて設定されます。 コントローラが初めて機械的システムに取り付けられる
時、振動を最小化するために、計算された比例ゲインは最大許容ゲインの約 30% に設
定されます。
速度コントローラの積分時間は、常に 10 ms にプリセットされます。
ダイナミック応答を完全に実現するために、以下の最適化が必要です。
●
比例ゲイン Kp_n (p1460) を増加
●
積分時間 Tn_n (p1462) を変更
STARTER の「Automatic controller setting of the speed controller (周波数応答解析)」
●
自動速度コントローラ設定には以下の特徴があります。
– FFT 解析を使用したセクションの定数測定
– 例えば、共振ダンピングのための電流設定値アームのフィルタの自動設定
– コントローラの自動設定 (ゲイン係数 Kp、積分時間 Tn)
●
102
自動コントローラ設定は測定機能で検証することができます。
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
サーボ制御
3.10 電流/速度コントローラの最適化
パラメータ画面「automatic controller setting (自動コントローラ設定 / オートチューニ
ング)」は、試運転ツール STARTER のツールバーにある以下のアイコンで選択します。
図 3-18
「automatic controller setting (自動コントローラ設定 / オートチューニング)」
用の STARTER アイコン
速度コントローラ周波数応答の測定例
速度コントローラ周波数応答とコントロールシステムを測定することで、重大な共振周
波数は、必要に応じて速度制御ループの安定性リミットで決定され、1 台以上の電流設
定値フィルタを使用して減衰されます。 通常、これにより比較ゲインを増加させるこ
とができます (例 : Kp_n = 3* デフォルト値)。
Kp_n 値が設定された後、理想的な積分時間 Tn_n (例 : 10 ms から 5 ms へ低減) が決定
されます。
速度設定値のステップ変更の例
速度設定値のステップ変更機能で、矩形ステップ変更を速度設定値に適用することがで
きます。 この測定機能では、速度設定値およびトルク生成電流の測定が事前に選択さ
れています。
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.SBQቒ⮶ሰሼሱ቉ᇬ
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ൺ2.
ൺ2.ቊቒሥቭቡሾቶ
ൺ2.ᇬ㦏拸ቊቒሥቭቡ
ሾቶ
図 3-19
比例ゲイン Kp の設定
パラメータ一覧
「速度コントローラ」を参照。
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
103
サーボ制御
3.11 センサなし運転(エンコーダなし)
3.11
センサなし運転(エンコーダなし)
通知
エンコーダなし同期モータの運転は、試験機で検証しなければなりません。 このモー
ドでの安定運転は、あらゆるアプリケーションで保証されるというものではありませ
ん。 従って、ユーザは、この運転モードの使用に対する責任を単独で負うことになり
ます。
説明
これにより、エンコーダなし運転および混合運転 (エンコーダ付き / なし) が可能になり
ます。 このモータモデルでのエンコーダなし運転では、U/f 制御の標準ドライブよりも
ダイナミック応答が高くなり、安定性が増します。 しかし、エンコーダ付きドライブ
と比較すると、速度精度が低下する他、ダイナミック応答および円滑な運転特性が低減
されます。
エンコーダなし運転でのダイナミック応答はエンコーダ付き運転よりも低くなるため、
制御のダイナミック応答を改善するために加速トルクのプリコントロールが実行されま
す。 ドライブトルクを理解し、既存のトルクおよび電流リミット、負荷慣性モーメン
ト (モータの慣性モーメント : p0341*p0342 + 負荷トルク : p1498) を考慮すると、時間
的に最適化された、要求された速度ダイナミック性能に必要とされるトルクが制御され
ます。
注記
モータをエンコーダ付きまたはエンコーダなしで運転する場合 (例 : p0491 ≠ 0 ではな
い、または、p1404 < p1082)、エンコーダなし運転中の最大電流は、同運転中の干渉や
許容限度を超えた入力に関連するモータデータ変更を最小化するために、p0642 (基準
値 p0640) により低減させることができます。
トルク平滑化時間は、トルクプリコントロール用の p1517 でパラメータ設定できます。
低ダイナミック応答であるため、速度コントローラはエンコーダなし運転の場合に最適
化する必要があります。 これは、p1470 (P ゲイン) と p1472 (積分時間) で実行するこ
とができます。
低速度範囲では、この方式の測定値精度およびパラメータ感度のため、速度実績値、向
きおよび磁束実績値はエンコーダなし運転中に計算されません。 このため、開ループ
電流 / 周波数制御が選択されます。 切り替えスレッシホールドは p1755 で、ヒステリ
シスは p1756 でそれぞれパラメータ設定を行います。
104
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
サーボ制御
3.11 センサなし運転(エンコーダなし)
開ループ制御範囲でも高負荷トルクを機能させるために、モータ電流を p1612 により
増加させることができます。 そのためには、ドライブトルク (例 : 摩擦トルク) を知っ
ておくか、推定されなければなりません。 更に約 20 % の余裕を加えてください。 同
期モータでは、トルクがモータトルク定数 (p0316) を介して電流に変換されます。 低
速度範囲では、必要な電流は直接モータモジュールで測定されません。 デフォルト設
定は、モータ定格電流 (p0305) の 50 % (同期モータ) または 80 % (インダクションモー
タ) です。 モータ電流 (p1612) をパラメータ設定する場合、熱的モータ負荷を考慮して
ください。
注記
垂直軸または同等の場合、エンコーダなし運転はできません。 エンコーダなし運転
は、上位閉ループ位置制御にも適切ではありません。
停止状態からの同期モータの起動は、磁極位置の定数測定 (p1982 = 1) をパラメータ設
定することで、更に向上させることができます。
パルスがキャンセルされた場合の動作
エンコーダなし運転でパルスがキャンセルされると、モータの電流速度実績値は計算さ
れません。 パルスが再度有効になると、システムは速度実績値を検出しなければなり
ません。
p1400.11 は、その検出を速度設定値 (p1400.11 = 1) または速度 = 0.0 (p1400.11 = 0)
のどちらで始めるのかをパラメータ設定するために使用されます。モータは通常停止状
態から起動させるため、通常の状況下では p1400.11 = 0 を使用します。パルスが有効
である時に、モータが切り替え速度 p1755 よりも高速で回転している場合は p1400.11
= 1 に設定してください。
モータが回転中で、検出開始値が設定値 (p1400.11 = 1) である場合、パルスを有効にす
る前に、速度設定値を速度実績値と同じ方向にする必要があります。 速度実績値と速
度設定値との大きな差は、誤作動の原因になる場合があります。
警告
パルスがキャンセルされると、モータ速度に関する情報は使用できなくなります。 こ
の時、計算された速度実績値は 0 に設定されます。つまり、全ての速度実績値メッセ
ージと出力信号は関連がないということです。
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
105
サーボ制御
3.11 センサなし運転(エンコーダなし)
閉ループ / 開ループ運転およびエンコーダ付き / なし運転の切り替え
エンコーダなし運転は、パラメータ設定 p1300 = 20 で有効になります。p1300 = 20 ま
たは p1404 = 0 の場合、エンコーダなし運転は速度範囲全体にわたって有効になります。
この速度値が切り替え速度 p1755 よりも小さい場合、モータは電流 / 周波数に従って
運転されます。
エンコーダ付き運転中に速度スレッシホールド p1404 を上回る場合、エンコーダなし
運転に切り替えられる場合があります。p1404 > 0 かつ p1404 < p1755 の場合、この速
度が p1755 を超えるまでエンコーダなし運転への切り替えは行われません。
エンコーダレス運転でエンコーダ評価アラームを防止するには、エンコーダ評価をパー
キングするために、p1402.1 = 1 を設定します。 エンコーダ評価によるモータ温度の読
み取りは有効なままです。
エンコーダレス運転は、パラメータ r1407.1 に表示されます。
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Q
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S S
図 3-20
Q
エリアの切り替え
注記
閉ループ制御動作モード「エンコーダなしの速度コントローラ」では、ロータの位置エ
ンコーダは必要ありません。 エンコーダがパーキングされている場合でも、温度評価
は有効なままです。 この状態は、パラメータ r0458.26 = 1 で確認できます。パラメー
タ r0458.26 = 0 の場合、温度検出も無効になります。
106
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
サーボ制御
3.11 センサなし運転(エンコーダなし)
直列リアクトル
高速特殊モータまたは低い漏れインダクションモータを使用する場合、電流コントロー
ラの安定した動作を保証するために、直列リアクトルが必要な場合があります。
直列リアクトルは p0353 で統合することができます。
試運転 / 最適化
1. 機械的条件 (I = M/kt) に基づいて、モータ電流 p1612 を評価。
2. I/f 運転 ( > p1755) を超える Kn (p1470) および Tn (p1472) を設定。 このためにトル
クのプリコントロールの一部が無効になるので、負荷慣性モーメントをここでは 0
(p1498 = 0) に設定してください。
3. ランプ応答 (例 : ランプ時間 100 ms) を p1498 で設定し、電流 (r0077) およびモデル
速度 (r0063) を評価し、I/f 運転 ( > p1755) を超える速度範囲で負荷慣性モーメント
を決定します。
ファンクションダイアグラム (『SINAMICS S120/S150 リストマニュアル』を参照)
●
5050 Kp_n-/Tn_n 補正
●
5060 トルク設定値、制御タイプの切り替え
●
5210 エンコーダなし速度コントローラ
主要パラメータ一覧 (『SINAMICS S120/S150 リストマニュアル』を参照)
●
p0341[0...n] モータの慣性モーメント
●
p0342[0...n] 慣性モーメントの合計とモータの慣性モーメントの合計との比
●
p0353[0...n] モータ直列インダクタンス
●
p0600[0...n] 監視用モータ温度センサ
●
p0640[0...n] 電流リミット
●
p0642[0...n] エンコーダなし運転電流低減
●
p1300[0...n] 開ループ / 閉ループ制御運転モード
●
p1400.11 速度制御コンフィグレーション ; エンコーダなし運転 速度開始実績値
●
p1404[0...n] エンコーダなし運転切り替え速度
●
r1407.1 CO/BO : ステータスワード速度コントローラ ; エンコーダなし運転有効
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
107
サーボ制御
3.12 モータ定数測定
3.12
●
p1470[0...n] 速度コントローラエンコーダなし運転 P ゲイン
●
p1472[0...n] 速度コントローラエンコーダなし運転積分時間
●
p1498[0...n] 負荷慣性モーメント
●
p1517[0...n] 加速トルク平滑化時定数
●
p1612[0...n] 電流設定値、開ループ制御、エンコーダなし
●
p1755[0...n] モータモデル切り替え速度
●
p1756 モータモデル切り替え速度ヒステリシス
エンコーダなし運転
モータ定数測定
説明
モータデータ定数測定 (MotID) は、例えば、他社製モータのモータデータを決定するた
めのツールとして使用されます。トルク精度 (kT 推定器) を改善するのに役立ちます。
モータ定数測定を使用する前提条件として、ドライブシステムは初回試運転調整済みで
なければなりません。 このため、電動モータデータ (モータデータシート) または銘板
データを入力し、モータ/制御パラメータ (p0340) の計算を完了しておかなければなり
ません。
試運転には以下のステップが含まれます:
1. モータデータまたは銘板データとエンコーダデータを入力します
2. モータ定数測定の開始値 (モータデータの場合 p0340 = 3、銘板データの場合 p0340
= 1) としてモータおよび制御データの計算を完了させます
3. 静止定数測定を実行します (p1910)
4. 同期モータの場合: 転流角キャリブレーション (p1990) を実行し、必要な場合にはゼ
ロマークを通過させることで精密な同期を実行 (r1992 を参照)。 絶対値エンコーダ
は、精密な同期制御をさせる必要がありません。 精密な同期制御の場合、「ゼロマ
ークでの磁極位置補正」の「磁極位置定数測定」章も参照してください。
5. 回転定数測定 (p1960) を実行
回転定数測定を開始する前に速度コントローラの設定を確認し、最適化してくださ
い (p1460、p1462 および p1470、p1472)。
モータを機械システムから分離した状態で、回転モータ定数測定を実行するのが望
まれます。 つまり、これでモータの慣性モーメントだけが決定されます。 機械シス
108
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
サーボ制御
3.12 モータ定数測定
テムの慣性モーメントの合計は、従って、p1959 = 4 および p1960 = 1 で特定するこ
とができます。機械システムにかかるストレスは、立ち上がり時間のパラメータ設
定 (p1958)、速度リミットの使用 (p1959.14/p1959.15) または電流および速度リミッ
トの使用により低減することができます。 選択された立ち上がり時間が長いほど、
決定される慣性モーメントの精度は低下します。
注記
各定数測定動作の完了は、パラメータ r3925 から r3928 で読み取ることができます。
イネーブル信号 OFF1、OFF2、OFF3 および「運転イネーブル」は有効のままで、モ
ータ定数測定ルーチンに割り込むことができます。
拡張設定値チャンネル (r0108.08 = 1) 、パラメータ p1959.14 = 0 および p.1959.15 = 0
の場合で、方向制限 (p1110 または p1111) が有効な場合は、p1960 で開始時に直ちに
遵守されます。 p1958 = -1 の場合、設定値チャンネル (p1120 および p1121) の立ち上
がり時間および立ち下がり時間もモータ定数測定に使用されます。
注記
立ち上がり/立ち下がり時間または方向制限が有効でない場合、モータデータ定数測定
ルーチンの一部を実行することができません。 モータ定数測定ルーチンのその他の部
分については、立ち上がり / 立ち下がり時間が選択されるため、結果の精度が低下しま
す。 可能な場合、p1958 を 0 として、方向制限を選択しないでください (p1959.14 = 1
および p1959.15 = 1)。
危険
静止モータ定数測定は、電気的に 210 度までわずかに動く場合があります。
回転モータデータ定数測定ルーチンの場合、モータ動作が開始されます。これにより
最大速度 (p1082) および、最大電流 (p0640) に相当するモータトルクに到達できま
す。
負荷の破損/破壊あるいは負荷の影響を防ぐために、無負荷 (機械システムから分離さ
れた) 状態でモータを動作させ、回転定数測定を実行してください。 機械システムか
らモータを分離できない場合、機械システムにかかるストレスを立ち上がり時間のパ
ラメータ設定 (p1958) および/または方向制限使用 (p1959.14/p1959.15) で、 または、
電流および速度リミットの使用で低減することができます。
機械的距離のリミットがすでに設定されている場合は、回転定数測定を実行しないで
ください。
試運転中、非常停止機能は必ず完全に運転できる状態でなければなりません。
機械装置および人を保護するために、関連する安全規則が必ず遵守されなければなり
ません。
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
109
サーボ制御
3.12 モータ定数測定
モータデータ
モータデータ入力には以下のパラメータが必要です:
表 3- 9
モータデータ
インダクションモータ
永久磁石式同期モータ
• p0304 モータ定格電圧
• p0305 モータ定格電流
• p0305 モータ定格電流
• p0311 モータ定格速度
• p0307 モータ定格出力
• p0314 モータ極対数
• p0308 モータ定格出力係数
• p0316 モータトルク定数
• p0310 モータ定格周波数
• p0322 最大モータ速度
• p0311 モータ定格速度
• p0323 最大モータ電流
• p0320 モータ定格励磁電流
• p0341 モータの慣性モーメント
• p0322 最大モータ速度
• p0350 モータステータ抵抗、常温
• p0350 モータステータ抵抗、常温
• p0353 モータ直列インダクタンス
• p0353 モータ直列インダクタンス
• p0356 モータステータ漏れインダクタンス
• p0354 モータロータ抵抗、常温
• p0400ff エンコーダデータ
• p0356 モータステータ漏れインダクタンス
• p0358 モータロータ漏れインダクタンス
• p0360 モータ励磁インダクタンス
• p0400ff エンコーダデータ
110
ドライブ機能
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サーボ制御
3.12 モータ定数測定
銘板データ
銘板データの入力には以下のパラメータが必要です:
表 3- 10
銘板データ
インダクションモータ
永久磁石式同期モータ
• p0304 モータ定格電圧
• p0304 モータ定格電圧
• p0305 モータ定格電流
• p0305 モータ定格電流
• p0307 モータ定格出力
• p0307 定格モータ出力 (代替として p0316)
• p0308 モータ定格出力係数
• p0311 モータ定格速度
• p0310 モータ定格周波数
• p0314 モータ極対数または
• p0311 モータ定格速度
p0315 モータ極対数幅
• p0322 最大モータ速度
• p0322 最大モータ速度
• p0353 モータ直列インダクタンス
• p0323 最大モータ電流
• p0400ff エンコーダデータ
• p0353 モータ直列インダクタンス
• p0400ff エンコーダデータ
銘板データには定数測定の初期値が含まれているので、上記データが決定されるように、
正確かつ矛盾しないように入力してください。
モータ定数測定を制御するためのパラメータ
以下のパラメータがモータ定数測定に影響を及ぼします:
表 3- 11
制御用パラメータ
静止測定 (モータデータ定数測定)
回転定数測定
• p0640 電流リミット
• p0640 電流リミット
• p1215 モータ保持ブレーキコンフィグレーショ
• p1082 最大速度
ン
• p1909 モータデータ定数測定コントロールワー
ド
• p1910 モータデータ定数測定、静止
• p1958 モータデータ定数測定立ち上がり/立ち下
がり時間
• p1959 回転測定コンフィグレーション
• p1960 回転定数測定の選択
• p1959.14/.15 正/負方向許可*
ドライブ機能
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111
サーボ制御
3.12 モータ定数測定
静止測定 (モータデータ定数測定)
回転定数測定
注:
ブレーキが使用されており、かつ作動中である場合 (p1215 = 1、3)、ブレーキが作動している状態で静
止測定が実行されます。 可能な場合 (例: 垂直/吊り下げ軸なし) 、モータ定数測定 (p1215 = 2) を実行す
る前にブレーキを解除してください。 このようにすることで、エンコーダサイズが調整され、転流角が
キャリブレーションされます。
*p1959 設定は、回転方向パラメータ p1821 に対して以下の影響を及ぼします。
設定 p1821 = 0 で正方向が許可されている場合: 時計回りの回転方向
設定 p1821 = 1 で負方向が許可されている場合: 反時計回りの回転方向
3.12.1
モータデータ定数測定 インダクションモータ
データは、ガンマ等価回路図で特定され、r19xx に表示されます。 モータ定数測定から
取得されるモータパラメータ p0350、p0354、p0356、p0358 および p0360 は、インダ
クションモータの T 等価回路図を基準にし、直接比較することはできません。 これは、
ガンマ等価回路図でパラメータ設定されたモータパラメータを示す r パラメータが表に
記載されている理由です。
表 3- 12
インダクションモータ用に p1910 を使用して決定されたデータ (静止測定)
決定されたデータ (ガンマ)
r1912 定数測定されたステータ抵抗
受け付けられたデータ (p1910 = 1)
p0350 モータステータ抵抗、常温
+ p0352 ケーブル抵抗
r1913 定数測定されたロータ時定数
r0384
モータロータ時定数/ダンピング時定数、d 軸
r1915 定数測定されたステータインダクタン
-
ス
r1925 測定された電圧スレッシホールド
-
r1927 定数測定されたロータ抵抗
r0374 モータ抵抗 常温 (ガンマ)
p0354
r1932 d インダクタンス
r0377 モータ漏れインダクタンス、合計 (ガンマ)
p0353 モータ直列インダクタンス
p0356 モータ漏れインダクタンス
p0358 モータ漏れインダクタンス
p1715 電流コントローラ P ゲイン
p1717 電流コントローラ積分時間
112
ドライブ機能
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サーボ制御
3.12 モータ定数測定
決定されたデータ (ガンマ)
受け付けられたデータ (p1910 = 1)
r1934 定数測定された q インダクタンス
-
r1936 定数測定された励磁インダクタンス
r0382 モータメインインダクタンス、変換済 (ガンマ)
p0360 モータメインインダクタンス
p1590 磁束コントローラ P ゲイン
p1592 磁束コントローラ積分時間
r1973 定数測定されたエンコーダパルス数
-
注:
エンコーダパルス数はかなりの誤差 (p0407/p0408) を伴って計算されるため、大まかに確認する場合に
のみ適しています。 反転が必要な場合、符号は負となります (p0410.0)。
-
p0410 エンコーダ反転実績値
注:
モータ定数測定を使用してエンコーダ反転が変更された場合、故障 F07993 が出力されます。これは、
回転方向の可能な変化を基準にするもので、p1910 = -2 でのみ確認することができます。
表 3- 13
インダクションモータ用に p1960 で決定されたデータ (回転測定)
決定されたデータ (ガンマ)
r1934 定数測定された q インダクタンス
受け付けられたデータ (p1960 = 1)
-
r1935 q インダクタンス定数測定電流
注:
q インダクタンス特性は、電流コントローラ補正のデータを手動で決定するための基盤として使用する
ことができます (p0391、p0392 および p0393)。
r1936 定数測定された励磁インダクタンス
r0382 モータメインインダクタンス、変換済 (ガンマ)
p0360 モータメインインダクタンス
p1590 磁束コントローラ P ゲイン
p1592 磁束コントローラ積分時間
r1948 定数測定された励磁インダクタンス
p0320 モータ定格励磁電流
r1962 飽和特性 定数測定された励磁電流
-
r1963 飽和特性 定数測定されたステータイン
-
ダクタンス
注:
モータの磁性設計は、飽和特性から定数測定することができます。
ドライブ機能
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113
サーボ制御
3.12 モータ定数測定
決定されたデータ (ガンマ)
受け付けられたデータ (p1960 = 1)
r1969 定数測定された慣性モーメント
p0341 モータの慣性モーメント
* p0342 総慣性モーメントとモータの慣性モーメントの
比率
+ p1498 負荷の慣性モーメント
r1973 定数測定されたエンコーダパルス数
-
注:
エンコーダパルス数はかなりの誤差 (p0407/p0408) を伴って計算されるため、大まかに確認する場合に
のみ適しています。 反転が必要な場合、符号は負となります (p0410.0)。
3.12.2
表 3- 14
モータデータ定数測定 同期モータ
同期モータ用に p1910 を使用して決定されたデータ (静止測定)
受け付けられたデータ (p1910 = 1)
決定されたデータ
r1912 測定されたステータ抵抗
p0350 モータステータ抵抗、常温
+ p0352 ケーブル抵抗
r1925 測定された電圧スレッシホールド
-
r1932 d インダクタンス
p0356 モータステータ漏れインダクタンス
+ p0353 モータ直列インダクタンス
p1715 電流コントローラ P ゲイン
p1717 電流コントローラ積分時間
r1934 定数測定された q インダクタンス
-
r1950 電圧エミュレーション誤差
p1952 電圧エミュレーション誤差、最終値
電圧値
r1951 電圧エミュレーション誤差、電流値
p1953 電圧エミュレーション誤差、電流オフセット
r1950 ~ p1953 に関する注記:
ファンクションモジュール「拡張トルク制御」が有効で、電圧エミュレーション誤差補正 (p1780.8 = 1)
が有効な場合に有効です。
r1973 定数測定されたエンコーダパルス数
-
注:
エンコーダパルス数はかなりの誤差 (p0407/p0408) を伴って計算されるため、大まかに確認する場合に
のみ適しています。 反転が必要な場合、符号は負となります (p0410.0)。
114
ドライブ機能
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サーボ制御
3.12 モータ定数測定
受け付けられたデータ (p1910 = 1)
決定されたデータ
r1984 磁極位置検出角度差
p0431 転流角オフセット
注:
r1984 は、p0431 への転送前に、転流角オフセットの差を表示します。
-
p0410 エンコーダ反転実績値
注:
モータ定数測定を使用してエンコーダ反転が変更された場合、故障 F07993 が出力されます。これは、
回転方向の可能な変化を基準にするもので、p1910 = -2 でのみ確認することができます。
表 3- 15
同期モータ用に p1960 で決定されたデータ (回転測定)
受け付けられたデータ (p1960 = 1)
決定されたデータ
r1934 定数測定された q インダクタンス
-
r1935 q インダクタンス定数測定電流
-
注記:
q インダクタンス特性は、電流コントローラ補正のデータを手動で決定するための基盤として使用する
ことができます (p0391、p0392 および p0393)。
r1937 定数測定されたトルク定数
p0316 モータトルク定数
r1938 定数測定された電圧定数
p0317 モータ電圧定数
r1939 定数測定されたリラクタンストルク定数
p0328 モータリラクタンストルク定数
r1947 定数測定された最適負荷角度
p0327 最適モータ負荷角度
r1969 定数測定された慣性モーメント
p0341 モータの慣性モーメント
* p0342 総慣性モーメントとモータの慣性モーメン
トの比率
+ p1498 負荷の慣性モーメント
r1973 定数測定されたエンコーダパルス数
-
注:
エンコーダパルス数はかなりの誤差 (p0407/p0408) を伴って計算されるため、大まかに確認する場合に
のみ適しています。 反転が必要な場合、符号は負となります (p0410.0)。
r1984 磁極位置検出角度差
p0431 転流角オフセット
注:
r1984 は、p0431 への転送前に、転流角オフセットの差を表示します。
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
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サーボ制御
3.12 モータ定数測定
リニアモータ (p0300 = 4xx) の場合、一般に移動制限により一方向への比較的長いトラ
バース距離が許容されないため、p1959 は、q インダクタンス、転流角オフセット、高
イナーシャの大部分だけが測定されるように (p1959.05 = 1 および p1959.10 = 1) プリ
セットされます。
0RWRU0RGXOH
S
኎ዙኳወ
኿ዙኜ
S
S>0@
5 ኎ዙኳወ
S>0@
S>0@
S>0@
S>0@
56
/ ˰6
/˰5
55
S>0@
& ኎ዙኳወ
図 3-21
インダクションモータおよびケーブルの等価回路図
0RWRU0RGXOH
S
/0
䦃⒦
ኁዐኝኌኜዐኖ
኎ዙኳወ
኿ዙኜ
S
S>0@
/YDU
S>0@
5኎ዙኳወ
S>0@
S>0@
56
/˰6
S>0@
0RWN(
図 3-22
116
同期モータおよびケーブルの等価回路図
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
サーボ制御
3.13 極位置オートチューニング
主要パラメータ一覧 (『SINAMICS S120/S150 リストマニュアル』を参照)
●
r0047 ステータス定数測定
停止定数測定
●
p1909[0...n] モータデータ定数測定コントロールワード
●
p1910 モータデータ定数測定、静止
回転定数測定
3.13
●
p1958[0...n] 回転定数測定立ち上がり/立ち下がり時間
●
p1959[0...n] 回転定数測定コンフィグレーション
●
p1960 回転定数測定の選択
極位置オートチューニング
同期モータの場合、磁極位置検出がその磁極位置を決定します。これはベクトル制御に
必要とされるものです。 一般に、磁極位置は機械的に調整された絶対値エンコーダか
ら提供されます。
キャリブレーションされていないか調整されていないエンコーダ付きモータには、一度
のみの磁極位置検出を実行する必要があります
●
p1980 での方法を選択
●
p1990 = 1 を設定することで磁極位置検出を開始。
p1982 の値は考慮されません。
シーメンスの 1FN1、1FN3 および 1FN6 リニアモータの場合、試運転後またはエンコ
ーダの交換後に p1990 は自動的に 1 に設定されます。
エンコーダの特性が以下の場合、磁極位置検出は必要ありません。
●
絶対値エンコーダ (例: EnDat、DRIVE-CLiQ エンコーダ)
●
C/D トラック付きで極対数 ≦ 8 のエンコーダ
●
ホールセンサ
●
モータ極対数とエンコーダ極対数の比率が整数倍であるレゾルバ
●
モータ極対数とエンコーダパルス数の比率が整数倍であるインクリメンタルエンコ
ーダ
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
117
サーボ制御
3.13 極位置オートチューニング
磁極位置検出は以下のために使用されます:
●
磁極位置の決定 (p1982 = 1)
●
試運転中の転流角度オフセットの決定 (p1990 = 1)
●
絶対値エンコーダの妥当性確認 (p1982 = 2)
警告
モータが制動されていない場合、測定中に通電するとモータが回転または移動しま
す。 この動作の大きさは、電流、モータおよび負荷の慣性モーメントに依存します。
注記
シーメンスの標準モータ
シーメンスの標準モータを使用する場合、自動プリセット設定を維持してください。
磁極位置検出に関する注記
この関連方式は、パラメータ p1980 で選択することができます。 磁極位置検出には以
下の方式を使用することができます:
●
飽和ベースの 1 次 + 2 次高調波 (p1980 = 0)
●
飽和ベースの 1 次高調波 (p1980 = 1)
●
飽和ベース、2 段階 (p1980 = 4)
●
モーションベース (p1980 = 10)
●
弾性ベース (p1980 = 20)
以下の追加条件が飽和ベースのモーション方式に適用されます:
●
この方式は、ブレーキ付き/ブレーキなしモータの両方に使用することができます。
●
速度設定値 = 0 または停止状態からの場合にのみ、これを使用することができます。
●
指定される電流の大きさ (p0325、p0329) は、重要な測定結果を提供するために十
分なものでなければなりません。
●
鉄心なしモータの場合、飽和ベース方式を使用しても、磁極位置検出はできません。
●
1FN3 モータの場合、二次高調波でトラバースすることはできません (p1980 = 0、
4)。
●
1FK7 モータの場合、2 段階方式を使用してはいけません (p1980 = 4)。 p0329 の
値は自動設定されますが、これを低減してはいけません。
118
ドライブ機能
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サーボ制御
3.13 極位置オートチューニング
モーションベース方式の場合、以下の補足条件が適用されます。
●
モータを自由に動く状態にし、外部から力を受けないようにしてください (垂直/吊
り下げ軸なし)。
●
速度設定値 = 0 または停止状態からの場合にのみ、これを使用することができます。
●
モータブレーキがある場合、これを開放しなければなりません (p1215 = 2)。
●
指定される電流の大きさ (p1993) は、モータを動作させるのに十分な大きさにしな
ければなりません。
弾性ベース方式の場合、以下の補足条件が適用されます:
●
磁極位置検出中は、ブレーキは使用可能で、閉鎖されていなければなりません。 ド
ライブでブレーキを制御する (p1215 = 1 または 3) か、磁極位置検出の開始前にブ
レーキを外部で閉じ、運転完了後に再度開きます。
●
パラメータ p3090 ~ p3096 は、磁極位置を正常に検出できるように正しく設定し
なければいけません。
●
指定された電流の大きさ (p3096) は、モータを十分な大きさだけ偏差させなければ
なりません。
●
偏差の符号および推力/トルクの比率は P3090.0 で考慮されなければなりません。
警告
磁極位置検出ルーチンを使用する前に、速度制御ループの制御方向が補正されなけれ
ばなりません (p0410.0)。
リニアモータの場合、『SINAMICS S120 試運転マニュアル』 (IH1) を参照してくださ
い。
回転式モータの場合、速度設定値が小さな正の値であるエンコーダなし運転では (例:
10 rpm)、速度実績値 (r0061) および速度設定値 (r1438) を同じ符号にしてください。
注意
複数の 1FN3 リニアモータで転流のために飽和ベースの磁極位置検出を使用する場合
(p1980 ≦ 4 および p1982 = 1) 、転流角が決定される時、これにより精度が低下する場
合があります。 高精度が不可欠な場合 (例: p0404.15 = 0 または転流角オフセットを
p1990 = 1 で決定)、磁極位置検出を連続して行うようにしてください。 これは、個々
のドライブをイネーブルにする時間をずらすことで実現できます。
ドライブ機能
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サーボ制御
3.13 極位置オートチューニング
ゼロマークによる磁極位置補正
この磁極位置検出ルーチンでは、大まかな同期制御が提供されます。 ゼロマークが存
在する場合、ゼロマークを通過すると、自動的に磁極位置とゼロマーク位置を比較する
ことができます (精密な同期)。 ゼロマーク位置は機械的または電気的に (p0431) にキ
ャリブレーションされなければなりません。 エンコーダシステムでこれが可能な場合、
精密な同期を推奨します (p0404.15 = 1)。 これは、測定値のばらつきを回避し、決定さ
れた磁極位置を更に確認することができるからです。
適切なゼロマーク
●
トラバース範囲全体で 1 つのゼロマーク
●
等距離ゼロマーク
●
間隔コード化されたゼロマーク
ゼロマークを使用して磁極位置を決定するための精密な同期制御用のゼロマークの選択
ゼロマークを使用して磁極位置を決定するための前提条件は、エンコーダのゼロマーク
距離がモータの極ピッチ / 極対幅の整数倍であることです。
例えば、測定システムが使用できないリニアモータの場合、SINAMICS S では基準点ア
プローチに使用されるゼロマークが精密な同期制御に使用可能になります。 このゼロ
マークを使用して、機械的配置により、転流角 = 0 または p0431 のオフセットとして
使用できます。
この方法は、絶対値エンコーダ (DRIVE-CLiQ エンコーダを除く)、等距離ゼロマークを
含むインクリメンタルエンコーダおよびレゾルバで使用可能です。
この時、シーケンスは以下の通りです:
●
p0437 で「ゼロマーク検索による精密な同期制御」モードを選択。
●
PROFIdrive エンコーダインターフェースを介して、SINAMICS S は、ゼロマーク
検索要求を受け付けます。
●
SINAMICS S はセンサモジュールと共に、パラメータ設定の結果としてゼロマーク
を決定します。
●
SINAMICS S は PROFIdrive エンコーダインターフェースを介してゼロマーク位置
を提供します。
120
●
SINAMICS S は、センサモジュールに同じ位置を伝送します。
●
センサモジュールは、転流角を補正します (精密な同期)。
ドライブ機能
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サーボ制御
3.13 極位置オートチューニング
磁極位置検出ルーチンのための適切な方式の決定
表 3- 16
磁極位置検出ルーチンのための適切な方式の決定
飽和ベース
モーションベース
弾性ベース
使用可能なブレーキ 可
不可
必要
モータは自由に動作 可
必要
不可
可
可
可能
鉄芯のないモータ
不可
使用された磁極位置検出方式に依存した重要なパラメータ
表 3- 17
使用された磁極位置検出方式に依存した重要なパラメータ
飽和ベース
モーションベース
弾性ベース
p0325
+
-
-
p0329
+
-
-
p1980
値 0、1 または 4
値 10
値 20
p1981
+
+
-
p1982
+
+
+
p1983
+
+
+
r1984
+
+
+
r1985
+
+
+
r1986
+
+
+
r1987
+
+
+
p1990
+
+
+
r1992
+
+
+
p1993
-
+
-
p1994
-
+
-
p1995
-
+
-
p1996
-
+
-
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
121
サーボ制御
3.13 極位置オートチューニング
飽和ベース
モーションベース
弾性ベース
p1997
-
+
-
p3090
-
-
+
p3091
-
-
+
p3092
-
-
+
p3093
-
-
+
p3094
-
-
+
p3095
-
-
+
p3096
-
-
+
r3097
-
-
+
転流角オフセットの試運転サポート (p1990)
転流角オフセットを決定する機能は p1990=1 で有効にします。転流角オフセットは
p0431 に入力されます。 この機能は、以下の場合に使用することができます。
●
絶対値エンコーダのための磁極位置のシングルキャリブレーション
(例外 : ホールセンサは必ず機械的に調整しなければなりません。)
●
122
精密な同期のためのゼロマーク位置のキャリブレーション
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
サーボ制御
3.13 極位置オートチューニング
表 3- 18
p0431 の動作モード
ゼロマークなしのイ ゼロマークが 1 点
間隔コード化されたゼロ
ンクリメンタル
のインクリメンタル マークのインクリメンタ
ル
絶対値エンコーダ
C/D トラッ
p0431
現時点では使用不可
不可
ク
で、C/D トラックに により、C/D トラッ
p0431
不可
p0431
対する転流がシフト クおよびゼロマーク
されます
に対する転流をシフ
トします。
ホールセン
p0431
サ
は、ホールセンサに は、ホールセンサに は、ホールセンサに影響
p0431
影響を及ぼしませ
影響しません。
しません。
ん。 ホールセンサ
p0431
p0431
は機械的に調整しな は、ゼロマークに対 は、絶対位置に対する転
ければなりません。 する転流をシフトし 流をシフトします (2 点の
ます。
ゼロマーク通過後)
p0431
磁極位置検
p0431
p0431
出
影響なし
で、ゼロマークに対 で、絶対位置に対する転
p0431
で、絶対位置に対
する転流がシフトさ 流がシフトされます (2 点 する転流がシフト
れます。
のゼロマーク通過後)。
されます。
注記
故障 F07414 が発生した場合、p1990 が自動的に起動します; p1980 ≠ 99 で、p0301 が
工場で調整されたエンコーダ付きカタログモータに適用されていない場合。
主要パラメータ一覧 (『SINAMICS S120/S150 リストマニュアル』を参照)
●
p0325[0...n] モータ磁極位置検出電流 第 1 相
●
p0329[0...n] モータ磁極位置検出電流
●
p0404.15 ゼロマークでの転流 (インダクションモータを除く)
●
p0430[0...n] センサモジュールコンフィグレーション
●
p0431[0...n] 転流角度オフセット
●
p0437[0...n] センサモジュールコンフィグレーション拡張済
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
123
サーボ制御
3.13 極位置オートチューニング
124
●
r0458 センサモジュール特性
●
r0459 センサモジュール特性拡張済
●
p1215 モータ保持ブレーキコンフィグレーション
●
p1980[0...n] PolID 方式
●
p1981[0...n] PolID 距離 最大
●
p1982[0...n] PolID 選択
●
p1983 PolID テスト
●
r1984 PolID 角度差
●
r1985 PolID 飽和曲線
●
r1986 PolID 飽和曲線 2
●
r1987 PolID トリガ曲線
●
p1990 エンコーダ調整転流角度オフセットを決定します
●
p1991[0...n] モータ切り替え転流角補正
●
r1992 極 ID 診断
●
p1993[0...n] 極 ID 電流、モーションベース
●
p1994[0...n] 極 ID 立ち上がり時間、モーションベース
●
p1995[0...n] 極 ID ゲイン、モーションベース
●
p1996[0...n] 極 ID 積分時間、モーションベース
●
p1997[0...n] 極 ID 平滑化時間、モーションベース
●
p3090[0...n] 極 ID 弾性ベース コンフィグレーション
●
p3091[0...n] 極 ID 弾性ベース 立ち上がり時間
●
p3092[0...n] 極 ID 弾性ベース 待機時間
●
p3093[0...n] 極 ID 弾性ベース 測定運転数
●
p3094[0...n] 極 ID 弾性ベース 予測偏差
●
p3095[0...n] 極 ID 弾性ベース 許容偏差
●
p3096[0...n] 極 ID 弾性ベース 電流
●
r3097.0...31 BO: 極 ID 弾性ベース ステータス
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
サーボ制御
3.14 Vdc 制御
3.14
Vdc 制御
説明
Vdc コントローラは、過電圧および不足電圧のための DC リンクにおける DC 電圧を監
視します。 過電圧または不足電圧が DC リンクラインアップで特定される場合、後続
の応答は p1240 を介して Vdc コントローラで設定できます。
Vdc コントローラが有効なモータトルクリミットは、DC リンク電圧の過不足が非常に
大きい場合、影響を受ける場合があります。 モータが設定値速度を維持できない、ま
たは、加速/制動段階が延長されることがあります。
ドライブラインアップでは、1 台以上のドライブが DC リンクの開放またはサポートす
るために使用できます。 これにより、好ましくない DC リンク電圧による故障を回避
することができます。 ドライブは動作準備完了のままです。
一般的に、DC リンクからのモータ側インバータの最大モータ消費電力 pmot は、
Pmot = VDC、実績値 x (VDC、実績値 - p1248) x p1250 から供給されます。
これに相当して、DC リンクへのモータ側インバータの最大回生電力 Pgen は、
Pgen = VDC、実績値 x (p1244 - VDC、実績値) x p1250 から得られます。
Vdc コントローラは、トルクリミットに影響を及ぼす P コントローラです。 これは、
DC リンク電圧が「上側スレッシホールド」 (p1244) または「下側スレッシホールド」
(p1248) に接近し、それに該当するコントローラが p1240 で有効化されている場合に、
介入します。
P ゲインの推奨される設定は、p1250 = 0.5 x DC リンク
静電容量 [mF] です。
DC リンクが定数測定されると (p3410)、DC リンク静電容量を電源装置モジュールの
パラメータ p3422 で読み込むことができます。
注記
ラインモジュールの故障時にもドライブが動作可能である状態にあることを保証するた
めに、故障 F07841 への応答を「なし」と変更するか、電源モジュールの運転メッセー
ジを p0864 で恒久的に「1」と設定しなければなりません。
例えば、電源故障時の安全対策 (Vdc_min/Vdc_max コントローラ) として、電源回生機
能がないラインモジュール (Vdc_max コントローラ) が使用される場合、Vdc コントロ
ーラを使用することができます。 非常に重要なドライブができるだけ長期間運転でき
るようにするために、DC リンクに問題がある場合は、個々のドライブの電源を遮断す
るパラメータ可能な故障が存在します。
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
125
サーボ制御
3.14 Vdc 制御
Vdc 制御のダイナミック応答はこの場合より遅くなりますが、Vdc コントローラの電圧
リミット値は V/f 制御にも影響を及ぼします。
Vdc_min 制御の説明 (p1240 = 2、3)
榊┪㟔椫
S
U
榊⦶⥭㈸
9GFBPLQነዐእዊዙ዆ቍ
ሺᇬ㟔椫)
9
W
QVHW
PLQ
W
7榊┪㟔椫
,TVHW
$
W
┪嫛
榊䄟⥭䞮
図 3-23
Vdc_min コントローラの on/off 切り替え (キネティックバッファリング)
停電時、特に DC リンクシステムのモータモジュールに有効電力が流れている場合、ラ
インモジュールは DC リンク電圧を供給できません。 電源故障時に DC リンク電圧を
維持するために (例: 非常停止)、1 台以上のドライブに対して Vdc_min コントローラを
有効にすることができます。 p1248 の設定された電圧スレッシホールドを下回る場合、
これらのドライブは、キネティックエネルギーで DC リンク電圧をバッファできるよう
に、ジェネレータモードに切り替えられます。 このスレッシホールドは、モータモジ
ュールの電源遮断スレッシホールドよりもかなり高めに設定してください (推奨 : DC
リンク電圧より 50 V 低い値)。 電源が回復すると、Vdc コントローラは自動的に無効
になります。 ドライブは、速度設定値に再び接近します。 電源が回復しない場合、ド
ライブの運動エネルギーが作動中の Vdc_min コントローラで使い尽くされると直ちに、
DC リンク電圧が維持されなくなります。
注記
ドライブ (システム) を電源から切り離さないように注意しなければなりません。 例え
ば、ラインコンタクタが無効となると、接続解除される場合があります。 ラインコン
タクタは、例えば、無停電電源 (UPS) から給電して下さい。
126
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
サーボ制御
3.14 Vdc 制御
ブレーキなし Vdc_min コントローラ (p1240 = 8、9)
但し、p1240 = 2 、3 では、作動中のモータ制動は、DC リンク電圧を低減することで
防止することができます。 有効トルク上限は、トルクリミットオフセット (p1532) よ
り小さくてはいけません。 このモータは回生モードに変わらず、DC リンクからの有効
電力は流れません。
Vdc_max コントローラの説明 (p1240 = 1、3)
>9@
9
S
9GFBPD[Ⓟ㈰ቍሺᇬ㟔椫
)
9GFBPD[
9GFBWKUHVKROGₙ⌃
8
9'&዇ዐኌ
_Q_
QDFW
QVHW
W
,TVHW
$
,TVHW9GFBPD[Ⓟ㈰ቍሺ
図 3-24
Vdc_max コントローラのスイッチ「入」/「切」
電源回生なし電源モジュールまたは停電の場合、DC リンクシステムのドライブが減速
されると、DC リンク電圧が電源遮断スレッシホールドに到達するまで上昇する場合が
あります。 DC リンク過電圧によるシステムの遮断を防止するために、1 台以上のドラ
イブに対して Vdc_max コントローラを有効にできます。 Vdc_max コントローラは、
通常、高レベル運動エネルギーを減速/加速させなければならないドライブのために有
効化されます。 p1244 の過電圧スレッシホールドに到達すると (推奨される設定 : DC
リンク電圧より 50V 高い) 、Vdc_max コントローラが作動しているドライブの制動ト
ルクは、トルクリミットをシフトさせることで低減されます。 これらのドライブは、
DC リンクの損失または負荷により導かれる電流と、まさに同じエネルギー量を回生し
ます。 この機能により制動時間が最小限になります。
注記
Vdc_max コントローラが作動していない、ドライブ (システム) の他のドライブが電源
回生する場合、この制動エネルギーを吸収するために Vdc_max コントローラが作動し
ているドライブ装置を更に加速することができます。これにより DC リンクを軽減する
ことができます。
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
127
サーボ制御
3.14 Vdc 制御
加速を伴わない Vdc_max コントローラの説明 (p1240 = 7、9)
p1240 = 1、3 と同様、DC リンクの他のドライブからの回生によってドライブが加速さ
れてはならない場合、p1240 = 7、9 を設定することで、加速を防止することができま
す。有効トルク下限は、トルクリミットオフセット (p1532) よりも小さくしなければな
りません。
Vdc コントローラの監視機能の説明 (p1240 = 4、5、6)
停電時、特に DC リンクシステムのモータモジュールに有効電力が流れている場合、ラ
インモジュールは DC リンク電圧を供給できません。 停電時に重要ではないドライブ
に DC リンク電圧がかからないようにするために、パラメータ設定が可能な電圧スレッ
シホールド (p1248) での故障 (F30003) によって、これらのドライブの電源を遮断する
ことができます。 これは、Vdc_min 監視機能 (p1240 = 5、6) を有効にすることで実行
されます。
電源故障時にドライブが減速される場合、電源遮断スレッシホールドに到達するまで
DC リンク電圧が増加する場合があります。 電源故障時に重要ではないドライブに DC
リンク電圧がかからないようにするために、p1244 のパラメータ設定が可能な電圧スレ
ッシホールドを含む故障 F30002 により、これらのドライブのスイッチ「切」を行うこ
とができます。 これは Vdc_max 監視機能 (p1240 = 4、6) を有効にすることで実行さ
れます。
ファンクションダイアグラム (『SINAMICS S120/S150 リストマニュアル』を参照)
●
5650 Vdc_max コントローラと Vdc_min コントローラ
●
5300 V/f 制御
主要パラメータ一覧 (『SINAMICS S120/S150 リストマニュアル』を参照)
128
●
r0056.14 CO/BO: ステータスワード、閉ループ制御: Vdc_max コントローラ有効
●
r0056.15 CO/BO: ステータスワード、閉ループ制御: Vdc_min コントローラ有効
●
p1240[0...n] Vdc コントローラまたは Vdc 監視コンフィグレーション
●
p1244[0...n] DC リンク電圧スレッシホールド、上側
●
p1248[0...n] DC リンク電圧スレッシホールド、下側
●
p1250[0...n] Vdc コントローラ比例ゲイン
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
サーボ制御
3.15 ダイナミックサーボ制御(DSC)
3.15
ダイナミックサーボ制御(DSC)
「Dynamic Servo Control (DSC)」 (ダイナミックサーボ制御) 機能は、高速コントロー
ラクロックサイクルで計算が行われ、位置コントローラクロックサイクルでコントロー
ラから設定値が供給される閉ループ制御構造です。
これにより、より高い位置コントローラのゲイン係数を得ることができます。
ドライブが DSC モードでトルクリミットに到達した場合、例えば、非常に高速な設定
値入力のために、位置決めモーションがオーバーシュートする可能性があります。 こ
の、いわゆるワインドアップ効果により、ドライブが指定された目標をオーバーシュー
トし、コントローラが特定の補正を入力し、ドライブが反転し、再度目標をオーバーシ
ュートします。このような動作を回避するために、ドライブは、加速能力に依存してド
ライブが常に確実に維持できる値に位置コントローラを制限します。 DSC モードでの
ダイナミック設定値制限を有効にするために、p1400.17 = 1 を設定します。 この場合、
総重量 (mtot) は正確にパラメータ設定されなければなりません (モータ ID を使用して重
量 p0341、p0342 および p1498 を決定)。 リミットが応答する場合、これは r1407.19
に表示されます。このトピックに関して、パラメータ p1400.17 およびファンクション
ダイアグラム 3090 の説明も遵守してください。
前提条件
「Dynamic Servo Control」機能を使用するためには、以下の前提条件が必要です:
●
n-set モード
●
アイソクロナス PROFIBUS DP または IRT に対応した PROFINET IO
●
位置コントローラのゲイン係数 (KPC) および位置偏差 (XERR) が PROFIBUS DP
の設定値テレグラムまたは IRT に対応した PROFINET IO に含まれるようにしてく
ださい (p0915 を参照)。
●
位置実績値をエンコーダインタフェース Gx_XIST1 経由で PROFIBUS DP の設定値
テレグラムまたは IRT に対応した PROFINET IO のマスタに転送してください。
●
DSC が有効である場合、PROFIBUS DP または IRT に対応した PROFINET IO テ
レグラムからの PROFIdrive テレグラムからの速度設定値 N_SOLL_B が速度プリコ
ントロール値として使用されます。
●
この内部の準位置決めコントローラ、DSC 位置決めコントローラ (FP5030) では、
モータ測定システムからの位置実績値 G1_XIST1 または追加エンコーダシステムか
らの位置実績値が使用されます (テレグラム 6、106、116、118、136 および 138
またはフリーテレグラム)。
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
129
サーボ制御
3.15 ダイナミックサーボ制御(DSC)
以下の PROFIdrive テレグラムは DSC をサポートします:
●
標準テレグラム 5 および 6
●
シーメンステレグラム 105、106、116、118、125、126、136、138、139
テレグラムの拡張によって、更なる PZD データテレグラムタイプを使用することがで
きます。その後、SERVO が最大 20 の PZD 設定値および 28 の PZD 実績値をサポー
トすることを確認しなければなりません。
注記
DSC 動作のために、制御側およびドライブ側に同期が必要とされます。
DSC モード運転の詳細な説明はファンクションダイアグラム 3090 で提供されていま
す (『SINAMICS S120/S150 リストマニュアル』を参照)。
ドライブ数の削減
Dynamic Servo Control は、コントロールユニットの追加稼働に至ります。 これにより、
最大ドライブ数が以下に削減されます:
●
125 μs の電流コントローラのドライブ x 5
●
62.5 μs の電流コントローラのドライブ x 2
運転状態
以下の運転状態は、DSC で可能です (詳細は『SINAMICS S120/S150 リストマニュア
ル』のファンクションダイアグラム 3090 を参照)。
DSC の運転状態
意味
リニア補間を伴う速度/トルク
位置決めコントローラクロックサイクルでのステッ
プリコントロール
プ状のトルクプリコントロールの結果、パルストル
ク特性が励磁クロックサイクルで得られます。
スプラインでの速度プリコント • 位置設定値は左右対称にされます。
ロール 1)
130
• 速度プリコントロールは左右対称にされません。
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
サーボ制御
3.15 ダイナミックサーボ制御(DSC)
DSC の運転状態
意味
スプラインを伴う速度/トルク
• 位置設定値は左右対称にされます。
プリコントロール 1)
• 速度プリコントロール値は左右対称にされます。
2)
• トルクプリコントロール値は左右対称にされませ
ん。
1) スプライン補間の結果、以下の改善が実現されます:
• 速度コントローラクロックサイクルでのより精密なトルク補間と、それによる円滑
なモーション; トルクサージも回避されます。
• トルク/速度プリコントロールの場合:
非常に高いパス精度 (つまり: 制御動作での低い追従誤差)。
• 高周波パスモーションが可能
2) アクティブ平滑化
(T_SYMM > 0) の場合、トルクプリコントロールが有効な場合、
p1427 を使用して、調整可能な平滑時定数 T_SYMM_ADD を平滑化速度プリコントロ
ール値に設定することができます。
この場合、速度プリコントロール値は、以下の時定数の合計で平滑化されます。
T_SYMM (p1195 参照) + T_SYMM_ADD (p1427) + 0.5 × T_speed コントローラサイ
クル (p0115[1])
この場合、速度生成は自動的に速度コントローラの半分のサイクルでの位置偏差を使
用して考慮されます。
有効化
Dynamic Servo Control (DSC) の前提条件が満たされている場合、DSC 構造は、選択さ
れた PROFIdrive テレグラムを介して以下のパラメータの論理接続を使用して有効化さ
れます。
●
p1190 「DSC 位置偏差 XERR」
●
p1191 「DSC 位置コントローラゲイン KPC」
●
p1194 「CI: DSC コントロールワード DSC_STW」
●
p1195 「CI: DSC 平滑時定数 T_SYMM」
●
p1430 「CI : 速度プリコントロール」
KPC = 0 が転送されると、速度プリコントロール値 (p1430、代表値 N_SOLL_B) での
速度制御だけが使用できます (p1430、PROFIdrive N_SOLL_B および p1160 n_set_2)。
位置制御運転には KPC > 0 の転送が必要です。
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
131
サーボ制御
3.15 ダイナミックサーボ制御(DSC)
Dynamic Servo Control が有効である場合、位置コントローラのマスタゲイン KPC を
確認してください。 この設定を補正する必要がある場合があります。
注記
DSC が有効な場合の KPC
Dynamic Servo Control を有効にした後、位置コントローラのマスタゲイン KPC を確
認してください。 この設定を補正する必要がある場合があります。
速度設定値 1 用のチャンネル p1155 および拡張設定値用のチャンネル r1119 は、DSC
が有効な場合に接続解除されます。
DSC が有効な場合、速度設定値 2 用の p1160 および速度プリコントロール用の p1430
は、DSC からの速度設定値に追加されます。ファンクションダイアグラム 5030 を参
照してください。
無効化
KPC または XERR 用のコネクタ入力の接続が取り外された場合 (p1191 = 0 または
p1190 = 0)、DSC 構造は解消され、「DSC」機能は無効化されます。 r1119 と p1155
の合計は、この時、速度プリコントロールからの p1160 および p1430 の値に追加され
ます。
DSC を使用して高いゲイン係数を設定することができるので、DSC が無効化されると、
制御ループが不安定になる場合があります。 このため、DSC を選択解除する前に、マ
スタの KPC 値を小さくしなければなりません。
速度設定値フィルタ
DSC が有効な場合、速度設定値ステップを平滑化するための速度設定値フィルタは必
要ありません。
「DSC」機能を使用している場合、位置コントローラをサポートするために、例えば、
共振作用を抑制するために、速度設定値フィルタ 1 のみ使用することに意味があります。
外部エンコーダシステム (モータエンコーダを除く)
DSC が有効で、外部エンコーダが使用される場合、追加エンコーダの実績値を含むテ
レグラムの選択が必要になります。 テレグラム 6、106、116、118、138 またはフリー
テレグラム
132
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
サーボ制御
3.15 ダイナミックサーボ制御(DSC)
DSC モードでの最適な制御のために、同じエンコーダ (エンコーダ 2 および/またはエ
ンコーダ 3) がパラメータ p1192 「DSC エンコーダ選定」を介してコントローラ (マス
タ) とドライブ用に選定されなければなりません。
この場合はモータエンコーダ (エンコーダ 1) がもはや使用されないため、選択されたエ
ンコーダシステムをモータエンコーダシステムに変換するための補正係数がパラメータ
p1193 「DCS エンコーダの補正係数」を使用して決定されます。 この係数は、モータ
エンコーダと同じ基準距離に使用されるエンコーダ間のパルス差の比率を示します。
パラメータ p1192 および p1193 の効果は、ファンクションダイアグラム 3090 で例証
されています。
診断
パラメータ r1407 は、有効な DSC 閉ループ制御構造を表示します。例えば、
r1407.20 = 1 は「スプラインが on の DSC」を意味します。
表示のための前提条件 :
●
p1190 および p1191 は、値 > 0 の信号ソースに接続する必要があります
(DSC 構造有効化済)。
●
OFF1、OFF3 および STOP2 を有効にしてはいけません。
●
モータデータ定数測定を有効にしてはいけません。
●
マスタ制御を有効にしてはいけません。
以下の条件は、ビットが設定されていても、DSC 機能が有効ではないことを意味しま
す:
●
アイソクロナスモードが選択されていません (r2054 ≠ 4)。
●
PROFIBUS はアイソクロナスではありません (r2064[0] ≠ 1)。
●
制御側で DSC が有効でない場合、 KPC = 0 の値が p1191 に転送されます。
ファンクションダイアグラム (『SINAMICS S120/S150 リストマニュアル』を参照)
●
2420 PROFIdrive 標準テレグラムおよびプロセスデータ
●
2422 PROFIdrive - 製造メーカ固有のテレグラムとプロセスデータ 1
●
2423 PROFIdrive - 製造メーカ固有のテレグラムとプロセスデータ 2
●
2424 PROFIdrive - 製造メーカ固有/フリーテレグラムとプロセスデータ
●
3090 Dynamic Servo Control (DSC)
●
5020 速度設定値フィルタと速度プリコントロール
●
5030 基準モデル
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
133
サーボ制御
3.16 固定停止位置への移動
主要パラメータ一覧 (『SINAMICS S120/S150 リストマニュアル』を参照)
●
p1160 CI: 速度コントローラ、速度設定値 2
●
p1190 CI: DSC 位置偏差 XERR
●
p1191 CI: DSC 位置コントローラゲイン KPC
●
p1192[D]: DSC エンコーダの選択
●
p1193[D]: DSC エンコーダ補正係数
●
p1194 CI: DSC コントロールワード DSC_STW
●
p1195 CI: DSC 平滑時定数 T_SYMM
●
p1400.17 速度コントローラコンフィグレーション; DSC 位置コントローラ制限有効
●
r1407.4 CO/BO: ステータスワード 速度コントローラ; DSC の速度設定値
●
r1407.19 CO/BO: ステータスワード 速度コントローラ; DSC の位置コントローラ制
限済
●
r1407.20 CO/BO: ステータスワード 速度コントローラ; スプラインがオンの DSC
●
r1407.21 CO/BO: ステータスワード 速度コントローラ; スプラインがオンの DSC 用
の速度プリコントロール
●
r1407.22 CO/BO: ステータスワード 速度コントローラ; スプラインがオンの DSC 用
のトルクプリコントロール
●
3.16
p1430 CI: 速度プリコントロール
固定停止位置への移動
説明
この機能は、指定したトルクで故障信号を出さずにモータを固定端まで移動させるため
に使用することができます。 固定端に到達すると、指定したトルクが確立され、その
後継続的に使用可能となります。
上側 / 力行運転モードトルクリミットおよび下側 / 回生モードのトルクリミットのスケ
ーリングにより、必要なトルク低減が行われます。
アプリケーション例
134
●
定義されたトルクでパーツをネジで固定します。
●
機械的基準点への移動
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
サーボ制御
3.16 固定停止位置への移動
信号
PROFIBUS テレグラム 2 ~ 6 が使用される場合、以下が自動的に内部接続されます :
●
コントロールワード 2、ビット 8
●
ステータスワード 2、ビット 8
PROFIdrive テレグラム 102 ~ 106 でも内部接続されます :
●
メッセージワード、ビット 1
●
プロセスデータ M_red からトルクリミットのスケーリングへ
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図 3-25
S
S
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「固定端への移動」のための信号
PROFIdrive テレグラム 2 ~ 6 が使用される場合、トルクの低減は転送されません。
「固定端への移動」機能が有効な場合、モータは p1520 および p1521 で指定されるト
ルクリミットまで加速します。 トルク逓減が必要な場合、それを転送するためにプロ
トコル 102 ~ 106 などを使用することができます。 または p2900 で固定値を入力し、
それをトルクリミット p1528 および p1529 に内部接続します。
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
135
サーボ制御
3.16 固定停止位置への移動
信号チャート
0BOLPLW
0BDFW
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図 3-26
136
「固定端への移動」の信号チャート
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
サーボ制御
3.16 固定停止位置への移動
PROFIdrive テレグラム 2 ~ 6 の試運転
1. 固定端への移動を有効化。
p1545 = 「1」に設定。
2. 必要なトルクリミットを設定。
例:
p1400.4 = 「0」 –> トルク上側リミットまたは下側
p1520 = 100 Nm –> 上側正のトルク方向で有効
p1521 = –1500 Nm –> 下側負のトルク方向で有効
3. モータを固定端まで移動。
モータは設定されたトルクで停止位置に到達するまで移動し、トルクリミットに到
達するまで停止位置に対して動作を続けます。この状態はステータスビット r1407.7
「トルクリミット到達」で表示されます。
コントロールおよびステータスメッセージ
表 3- 19
制御 : 固定端への移動
信号名
内部コントロール
ワード STW n_ctrl
固定端への移動を有効化 8
バイネクタ入力
p1545 固定端への移動を有効
PROFIdrive p0922 およ
び / または p2079
STW2.8
化
表 3- 20
ステータスメッセージ : 固定端への移動
信号名
内部ステータスワード
パラメータ
PROFIdrive p0922 およ
び / または p2079
固定端への移動有効
-
r1406.8
ZSW2.8
トルクリミットに到達
ZSW n_ctrl.7
r1407.7
ZSW1.11 (反転)
r2199.11
MESSAGEW.1
トルク使用率 < トルクス ZSW 監視機能 3.11
レッシホールド値 2
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
137
サーボ制御
3.16 固定停止位置への移動
ファンクションダイアグラム (『SINAMICS S120/S150 リストマニュアル』を参照)
●
5610 トルクリミット / 低減 / インタポレータ
●
5620 力行運転 / 回生トルクリミット
●
5630 上側 / 下側トルクリミット
●
8012 トルクメッセージ、モータロック / ストール
主要パラメータ一覧 (『SINAMICS S120/S150 リストマニュアル』を参照)
138
●
p1400[0...n] 速度制御コンフィグレーション
●
r1407.7 CO/BO : ステータスワード速度コントローラ ; トルクリミット到達
●
p1520[0...n] CO : トルクリミット、上側 / 力行運転
●
p1521[0...n] CO : トルクリミット、下側 / 回生運転
●
p1522[0...n] CI : トルクリミット、上側 / 力行運転
●
p1523[0...n] CI : トルクリミット、下側 / 回生運転
●
r1526 トルクリミット、オフセットなしの上側 / 力行運転
●
r1527 トルクリミット、オフセットなしの下側 / 回生運転
●
p1532[0...n] トルクリミットオフセット
●
p1542[0...n] CI : 固定端への移動、トルク逓減
●
r1543 CO : 固定端への移動、トルクスケーリング
●
p1544 固定端への移動、トルク逓減を評価
●
p1545[0...n] BI : 固定端への移動を有効化
●
p2194[0...n] トルクスレッシホールド 2
●
p2199.11 BO : トルク使用率 < トルクスレッシホールド値 2
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
サーボ制御
3.17 垂直軸
3.17
垂直軸
説明
機械的な重量補正がない垂直軸では、トルクリミットをオフセットすることで、電気的
重量補正の設定ができます (p1532)。 p1520 および p1521 で指定されたトルクリミッ
トは、このオフセット値でシフトされます。
このオフセット値は r0031 で読み込み、p1532 に転送することができます。
ブレーキが解除されると、重量補正の軽減のために、トルクオフを補足トルク設定値
(p1513) として内部接続できます。 このようにして、ブレーキが解除されるとすぐに保
持トルクが設定されます。
ファンクションダイアグラム (「SINAMICS S120 / S150 リストマニュアル」を参照)
●
5060 トルク設定値、制御タイプの切り替え
●
5620 力行運転/回生トルクリミット
●
5630 トルク上側リミット/下側リミット
主要なパラメータの一覧 (「SINAMICS S120 / S150 リストマニュアル」を参照)
●
r0031 平滑化された実績トルク
●
p1513[0...n] CI: 補助トルク 2
●
p1520[0...n] CO:トルクリミット、上側/力行運転
●
p1521[0...n] CO:トルクリミット、下側/回生運転
●
p1532[0...n] CO: トルクリミット、オフセット
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
139
サーボ制御
3.18 変数シグナル機能
3.18
変数シグナル機能
「変数信号」機能を使用して、トレース可能な属性を有する BICO 接続およびパラメー
タが監視できます。
注記
「トレース可能な」属性
STARTER または SCOUT のトレース機能を使用して値が獲得されるパラメータには、
「トレース可能な」属性が備わっています。 これらのパラメータは、STARTER また
は SCOUT のデバイスのトレース機能で呼び出されます。 属性自体は目に見えるもの
ではありません。
ドライブオブジェクトのエキスパートリストのパラメータ p3291 に希望されるデータ
ソースを入力します。 パラメータ p3295 で、データソース用のスレッシホールド値を
定義します。 スレッシホールド値のヒステリシスは、p3296 で設定できます。 スレッ
シホールド値に違反がある場合、出力信号が r3294 から生成されます。
出力信号 r3294 に対するピックアップ遅延は p3297 で、ドロップアウト遅延は p3298
で設定できます。
ヒステリシスの設定は、結果的にスレッシホールド値付近の許容幅になります。 上側
帯域リミットを超過すると、出力信号 r3294 が「1」に設定され、下側帯域リミットを
下回ると、出力信号は「0」に設定されます
p3299 の変数シグナル機能のサンプリング時間を設定します。
コンフィグレーション完了後、p3290.0 = 1 で変数シグナル機能を有効にします。
注記
変数シグナル機能は精度 8 ms で機能します (ピックアップおよびドロップアウト遅延
も考慮されます)。
例 1:
温度に応じてヒータのスイッチを入れてください。 このため、外部センサのアナログ
信号は変数シグナル機能に接続されます。 温度スレッシホールドおよびヒステリシス
は、ヒータのスイッチ「入/切」を頻繁に行うことを防止するために定義されます。
140
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
サーボ制御
3.18 変数シグナル機能
例 2:
プロセス変数としての圧力は監視されており、一時的な過圧力が許容されます。 この
ため、外部センサの出力信号は変数シグナル機能に接続されます。 圧力スレッシホー
ルドおよびプルイン遅延が許容時間として設定されます。
変数シグナル機能の出力信号が設定されると、メッセージワード MELDW のビット 5
がサイクリック通信中に設定されます。 メッセージワード MELDW は、テレグラム
102、103、105、106、110、111、116、118、126 のコンポーネントです。
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ኖዉአኔኸዙወኦ
図 3-27
怔拝
ₚ⥭ቆቂ
変数信号機能
ファンクションダイアグラム (『SINAMICS S120/S150 リストマニュアル』を参照)
●
5301 サーボ制御 - 変数シグナル機能
主要パラメータ一覧 (『SINAMICS S120/S150 リストマニュアル』を参照)
●
p3290 変数シグナル機能開始
●
p3291 CI: 変数シグナル機能信号ソース
●
r3294 BO: 変数シグナル機能、出力信号
●
p3295 変数シグナル機能、スレッシホールド値
●
p3296 変数シグナル機能、ヒステリシス
●
p3297 変数シグナル機能、ピックアップ遅延
●
p3298 変数シグナル機能、ドロップアウト遅延
●
p3299 変数シグナル機能、サンプリング時間
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
141
サーボ制御
3.19 セントラルプローブ評価
3.19
セントラルプローブ評価
モーションコントロールシステムでは、しばしば、外部イベントで定義された時間内に
直ちにドライブ軸の位置を検出し、保存しなければなりません。 この外部イベントは、
例えば、プローブの信号エッジです。 以下のモジュールが必要となる場合があります:
●
複数のプローブが評価されなければなりません
●
複数軸の位置実績値はプローブイベントで保存されなけれななりません。
セントラル方式のプローブ評価の場合、プローブ信号の時間での即時値が検出され、セ
ントラル方式の機能により保存されます。 様々な位置信号のサンプリング値に対して、
コントローラはプローブ時点での位置実績値の時間を補間します。 3 つの評価方式がこ
の目的のために SINAMICS S120 で実装されています:
●
ハンドシェイク付き
●
ハンドシェイクなし、2 エッジ
●
ハンドシェイクなし、3 エッジ以上
評価方式は、パラメータ p0684 を使用して設定できます:
1. p0684 = 0: ハンドシェイク付き (出荷時設定)
2. p0684 = 1: ハンドシェイクなし測定
– p0684 = 0 または 1 への変更により RUN ステータスが可能です
3. p0684 = 16: プローブあたり複数の信号エッジの測定、ハンドシェークなし
– p0684 = 16 への変更は、「パラメータを保存」および「電源 On」後に有効にな
ります。
– p0684 = 16 の p0684 = 0 または 1 への変更は、「パラメータを保存」および
「電源 On」後にのみ有効になります。
ハンドシェイクなしの標準 PROFIdrive 接続のフェールセーフティは保証されません。
「ハンドシェークなし」機能が「統合」プラットフォーム (例: SIMOTION D425 に統合
された SINAMICS) に対して開放されました。 プローブの検出時に絶対的な信頼性を確
保するには、MIT ハンドシェイク付きバージョンを使用しなければなりません。
142
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
サーボ制御
3.19 セントラルプローブ評価
セントラル方式の測定機能のための PROFIdrive テレグラム
1. テレグラム 390: プローブなし
2. テレグラム 391: 2 x プローブ (p0684=0/1 時)
3. テレグラム 392: 6 x プローブ (p0684=0/1 時)
4. テレグラム 393: 8 x プローブ (p0684=0/1 時)
5. テレグラム 394: プローブなし
6. テレグラム 395: 16 x プローブ、タイムスタンプ (p0684 = 16)
ハンドシェイク付き/なしセントラル方式の測定に共通する特徴
両測定方式は以下の点で共通です:
1. p0680 の入力端子の設定
2. 信号ソース、p0681 の同期信号
3. 信号ソース、コントロールワードプローブ p0682。
4. 通信インターフェース PROFIdrive での伝送
5. アイソクロナス PROFIdrive の同期および監視
6. 測定の前提条件は、コントローラとドライブ間の同期です。
7. PROFIBUS クロックサイクル (最大 8 ms) での開始時 To での設定値伝送および時間
Ti での即時実績値伝送。
8. タイプスタンプ: フォーマット (ドライブインクリメント、NC ディクリメント)
9. それぞれの有効なタイムスタンプは、有効測定時間ゼロと無効時間フォーマット間
の差を示すために 1 ずつ増やされます。 この増加は、上位コントローラにより再び
クリアされます。
10. インターフェースの値「0」は無効なタイムフォーマットで、測定値が使用できな
いことを示します。
11. コントロール/ステータスワード処理用のシーケンサ
12. 監視機能 (サインオブライフ)
13. 故障
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
143
サーボ制御
3.19 セントラルプローブ評価
注記
タイムクリティカルなデータ伝送
テレグラム 39x のステータス情報 E_DIGITAL および A_DIGITAL は、仕様に準拠し
たいかなる正確な時間制限の影響を受けません。 E_DIGITAL の伝送および
A_DIGITAL の出力は、p2048 に準拠した PROFIdrive PZD サンプリングレートの
PROFIBUS クロックサイクルとは無関係に実現されます。 モジュールに依存し、こ
れは 1 ... 16 ms で設定することができます。その結果、デッドタイムは、出力値の
伝送および入力値のフィードバック信号用に想定されなければなりません。
プローブステータスワード MT ZSW が E_DIGITAL の内容と同一であっても、それ
は直接 PZD で伝送されます。 その結果、タイムクリティカルアプリケーションの
測定プローブまたはカムを使用してください。
ハンドシェイク付きセントラル方式の測定
p0684 = 0 で、セントラル方式のプローブ評価に対するハンドシェイク付き評価方式を
有効化します。 4 DP サイクル内のプローブあたり最大 1 立ち上がり/立ち下がりエッ
ジを評価することができます。
TDP = PROFIBUS サイクル (DP サイクルも)
TMAPC = マスタアプリケーションサイクルタイム (マスタアプリケーションが新しい設
定値を生成するタイムグリッド)。
1. MAPC サイクルの開始時 To での伝送、コントロールワードプローブ (BICO p0682
を PZD3 へ)
2. 測定は、プローブコントロールワードでの立ち下がりエッジまたは立ち上がりエッ
ジに対するコントロールビットの 0/1 伝送で有効化されます。
3. 測定が有効化されると、データバスサイクル (例: PROFIBUS サイクル: DP サイク
ル) 測定値が使用かどうかどうか確認されます。
4. 測定値が使用可能である場合、p0686 または p0687 にタイムスタンプが入力されま
す。
5. タイムスタンプは、コントロールワードで立ち下がりエッジまたは立ち上がりエッ
ジに対するコントロールビットが 0 に設定されるまで伝送されます。 その後、該当
するタイムスタンプがゼロに設定されます。
6. 測定は、プローブコントロールワードのコントロールビットの 1/0 伝送で無効化さ
れます。
7. PROFIdrive テレグラム 391、392 または 393 での伝送。
144
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
サーボ制御
3.19 セントラルプローブ評価
ハンドシェイクなしセントラル方式の測定、2 エッジ
p0684 = 1 で、セントラル方式のプローブ評価に対するハンドシェイクなし評価方式を
有効化します。 2 DP サイクル内でプローブあたり最大 2 エッジを同時に評価すること
ができます。 前提条件:
TDP = TMAPC (サイクル比 = 1:1、サイクル低減は不可)。
測定が有効になっている場合、測定値が取得されたかどうかが DP サイクルで確認され
ます。
1. 測定値が使用可能であることが示される場合、p0686 または p0687 にタイムスタン
プが入力され、新しい測定が自動的に有効になります。
2. 測定値が使用可能でない場合、p0686 または p0687 にタイムスタンプ 0 が入力され
ます。
3. つまり、タイムスタンプは 0 または新しいタイムスタンプで上書きされる前に一度
だけ伝送されるということです。
4. この測定は、測定値が読み出された後、直ちに再び有効化されます。
5. 新しいプローブイベントの取得と同時に、測定結果は、その成功を評価することな
く、1 DP サイクルクロック間に上位コントローラに伝送されます。
6. 各プローブに対して、最大 1 立ち上がりエッジおよび 1 立ち下がりエッジが、2 DP
サイクル間に検出できます。
7. PROFIdrive テレグラム 391、392 または 393 での伝送。
ハンドシェイクなしセントラル方式の測定、3 以上のエッジ
p0684 = 16 で、セントラル方式のプローブ評価に対するハンドシェイクなし評価方式
を有効化します。 1 DP サイクル内に最大 2 プローブから最大 16 の信号エッジを同時
に評価できます。
DP サイクル = PROFIBUS サイクル = TDP
TMAPC = マスタアプリケーションサイクルタイム (マスタアプリケーションが新しい設
定値を生成するタイムグリッド)。
1. 各プローブに対して、8 立ち上がりエッジおよび/または 8 立ち下がりエッジが各
DP サイクル内で検出し、測定バッファに保存することができます。
2. 各プローブに対して、立ち上がりまたは立ち下がり信号エッジが考慮されるかどう
か選択することができます。
3. サイクリックな測定は、プローブコントロールワードでの信号エッジに対するコン
トロールビットの 0/1 伝送を使用して有効化されます。
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
145
サーボ制御
3.19 セントラルプローブ評価
4. 測定を有効化された後、測定値バッファは初期化のために一度空にされます。
5. バッファに空きがない場合、最も古い測定値が最初に上書きされます (最初の測定値
から書き換え)。 プローブ診断ワードのビット「measured value buffer full」 (測定値
バッファに空きがありません) は測定値の喪失の危険性を出力します。
6. 測定値バッファはその後サイクリックに空にされ、測定値は測定タスクの意味合い
からタイムスタンプに変換されます。 タイプスタンプは、時間順に、伝送のために
パラメータ r0565[0...15] のインデックスに最も古いものから保存されます
7. 複数のプローブが使用される場合、測定のタイムスタンプは、最小から最大プロー
ブへ時間順にテレグラムブロックに入力されます。
8. 最大 16 のタイプスタンプ (MT_ZS) がテレグラム 395 に入力できます。
9. テレグラム 395 のプローブのタイムスタンプ用のスペースがなくなると、直ちに
「telegram full」(テレグラムの空きなし) が MT_DIAG に設定されます
例:
– 1 番目のプローブから、4 つの値が伝送されます
– 2 番目のプローブから、6 つの値が伝送されます
– 3 番目のプローブから、最初の 6 つの測定値のみが伝送され、それ以外は削除さ
れ「Full telegram」(テレグラムの空きなし) が MT_DIAG で出力されます。
10. 選択されたプローブから、全ての信号エッジが常に考慮されます。 個別の信号エッ
ジは、選択または選択解除することができません。
11. タイムスタンプは同時に転送されます (ハンドシェイクなしのタイムスタンプに関
連する新しいプローブイベントを獲得するため)。 1 タイムスタンプだけが 1 DP サ
イクルに対して伝送されます。 その後、タイムスタンプはゼロまたは新しいタイム
スタンプで上書きされます。
12. サイクリックな測定は、プローブコントロールワードでの立ち下がりエッジまたは
立ち上がり信号エッジに対するコントロールビットの 1/0 伝送で有効化されます。
13. PROFIdrive テレグラム 395 での伝送。
プローブタイムスタンプの PZD は、テレグラムブロックが選択される時に、自動的に
新しいパラメータ r0565[16] のインデックスに接続される BICO パラメータです。
測定機能が有効化されると、DP サイクルあたりの複数の測定値に対して、取得された
タイムスタンプが伝送のために r0565[0...15] のインデックスに、最も古い測定値から
始まる時間順に保存されます。
146
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
サーボ制御
3.19 セントラルプローブ評価
プローブタイムスタンプ基準
テレグラム 395 の場合、プローブタイムスタンプ MT_ZS_1...16 がプローブタイムスタ
ンプ基準 MT_ZSB1...4 を使用してテレグラム位置に割り付けられます。
4 つのプローブタイムスタンプはそれぞれ (MT_ZS) 1 つのプローブタイムスタンプ基準
(MT_ZSB) に割り付けられます:
表 3- 21
割り付け、タイムスタンプのプローブタイムスタンプ基準
プローブタイムスタンプ基
準
プローブタイムスタンプ
ビット
MT_ZSB1
基準 ZS1
ビット 0...3
基準 ZS2
ビット 4 ~ 7:
基準 ZS3
ビット 8 ~ 11:
基準 ZS4
ビット 12 ~ 15:
基準 ZS5
ビット 0...3
基準 ZS6
ビット 4 ~ 7:
基準 ZS7
ビット 8 ~ 11:
基準 ZS8
ビット 12 ~ 15:
基準 ZS9
ビット 0...3
基準 ZS10
ビット 4 ~ 7:
基準 ZS11
ビット 8 ~ 11:
基準 ZS12
ビット 12 ~ 15:
基準 ZS13
ビット 0...3
基準 ZS14
ビット 4 ~ 7:
基準 ZS15
ビット 8 ~ 11:
基準 ZS16
ビット 12 ~ 15:
MT_ZSB2
MT_ZSB3
MT_ZSB4
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
147
サーボ制御
3.19 セントラルプローブ評価
表 3- 22
MT_ZSB1 のビット割り付け (r0566[0])
基準プローブタイ
ムスタンプ
ブローブビット、バイナリ値
エッジ選択ビット
基準 MT_ZS1
ビット 0 ~ 2:
ビット 3:
000 : MT1 からの MT_ZS1
0: MT_ZS1 立ち下がりエッジ
001: MT2 からの MT_ZS1
1: MT_ZS1 立ち上がりエッジ
010: MT3 からの MT_ZS1
011: MT4 からの MT_ZS1
100: MT5 からの MT_ZS1
101: MT6 からの MT_ZS1
110: MT7 からの MT_ZS1
111: MT8 からの MT_ZS1
基準 MT_ZS2
ビット 4 ~ 6:
ビット 7:
000: MT1 からの MT_ZS2
0: MT_ZS2 立ち下がりエッジ
001: MT2 からの MT_ZS2
1: MT_ZS2 立ち上がりエッジ
110: MT7 からの MT_ZS2
111: MT8 からの MT_ZS2
基準 MT_ZS3
ビット 8 ~ 10
ビット 11:
000: MT1 からの MT_ZS3
0: MT_ZS3 立ち下がりエッジ
001: MT2 からの MT_ZS3
1: MT_ZS3 立ち上がりエッジ
110: MT7 からの MT_ZS3
111: MT8 からの MT_ZS3
基準 MT_ZS4
ビット 12 ~ 14
ビット 15
000: MT1 からの MT_ZS4
0: MT_ZS4 立ち下がりエッジ
001: MT2 からの MT_ZS4
1: MT_ZS4 立ち上がりエッジ
110: MT7 からの MT_ZS4
111: MT8 からの MT_ZS4
148
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
サーボ制御
3.19 セントラルプローブ評価
16 進数でのプローブ評価の基準値決定の例:
0000 = 0H = プローブ 1 からのタイムスタンプ、立ち下がりエッジ
1000 = 8H = プローブ 1 からのタイムスタンプ、立ち上がりエッジ
0001 = 1H = プローブ 2 からのタイムスタンプ、立ち下がりエッジ
1001 = 9H = プローブ 2 からのタイムスタンプ、立ち上がりエッジ
測定バッファ
コントロールユニット 320-2 または 310-2 の各測定パルス入力には、最大 16 測定値入
力 (8 立ち上がりおよび 8 立ち下がりエッジ) 用のメモリが 1 つあります。
立ち上がりおよび立ち下がり信号エッジの測定値は、順次メモリに書き込まれます。
メモリに空き容量がなく、新しい測定値が入力される場合、全ての入力値は 1 段ずつ移
動し、最も古い値が消去されます (FIFO 原則)。 これは、オーバーフローの際に、最新
の 16 値がメモリに含まれるということです。 入力値の読み出しの際にも、最も古い値
がメモリから取り出されます。 残りの入力値は下方に移動し、新しい入力値用のスペ
ースが作られます。
備考
他のアプリケーションでもプローブ状態が読み取られ、プローブ測定値が評価されます。
例:
EPOS は、軸対軸ベースでの「それ自体の」プローブを評価します。 制御システムは、
そのデータを読みだし、ドライブテレグラムに情報を統合するためにプローブに接続で
きます。
3.19.1
セントラル方式のプローブ評価の例
プローブ評価の例
上記の例から MT_ZSB での 16 進数:
●
0 = プローブ 1 からのタイムスタンプ、立ち下がりエッジ
●
8 = プローブ 1 からのタイムスタンプ、立ち上がりエッジ
●
1 = プローブ 2 からのタイムスタンプ、立ち下がりエッジ
●
9 = プローブ 2 からのタイムスタンプ、立ち上がりエッジ
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
149
サーボ制御
3.19 セントラルプローブ評価
例1
MT_STW = 100H: プローブ 1 のための立ち上がりエッジのみに対する検索が行われま
す
ኌዊአኌኒኁኌወQ
ኌዊአኌኒኁኌወQ ኌዊአኌኒኁኌወQ ኌዊአኌኒኁኌወQ
07
07B67:
+
+
+
+
07B=6%
+
+
+
+
07B=6%
+
+
+
+
7HOHJUDP
図 3-28
プローブ 1 のための立ち上がりエッジに対する検索が行われます
DP サイクルでは、立ち上がりエッジのための全てのタイムスタンプは、プローブ 1 の
時間順に伝送されます。
例2
MT_STW = 101H: ブローブ 1 のための立ち上がりエッジに対する検索が行われます
ኌዊአኌኒኁኌወQ
ኌዊአኌኒኁኌወQ ኌዊአኌኒኁኌወQ ኌዊአኌኒኁኌወQ
07
07B67:
+
+
+
+
07B=6%
+
+
+
+
07B=6%
+
+
+
+
7HOHJUDP
図 3-29
ブローブ 1 のための立ち上がりエッジに対する検索が行われます
DP サイクルでは、立ち上がりおよび立ち下がりエッジのための全てのタイムスタンプ
は、プローブ 1 の時間順に伝送されます。
150
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
サーボ制御
3.19 セントラルプローブ評価
例3
MT_STW = 303H: ブローブ 1 および 2 のための立ち上がりエッジに対する検索が行わ
れます。
ኌዊአኌኒኁኌወQ
ኌዊአኌኒኁኌወQ ኌዊአኌኒኁኌወQ
ኌዊአኌኒኁኌወQ
07
07
07B67:
+
+
+
+
07B=6%
+
+
+
+
07B=6%
+
+
+
+
07B=6%
+
+
+
+
7HOHJUDP
図 3-30
ブローブ 1 および 2 のための立ち上がりエッジに対する検索が行われます。
DP サイクルでは、先ず、プローブ 1 の立ち上がりおよび立ち下がりエッジの全てのタ
イプスタンプが入力されます。 その後、プローブ 2 の立ち上がりおよび立ち下がり時
間が入力されます。
ファンクションダイアグラム (『SINAMICS S120/S150 リストマニュアル』を参照)
●
2424 PROFIdrive - 製造メーカ固有/フリーテレグラムとプロセスデータ
●
4740 エンコーダ評価 - プローブ評価
主要パラメータ一覧 (『SINAMICS S120/S150 リストマニュアル』を参照)
●
p0565[0...15] CO: プローブタイムスタンプ
●
p0566[0...3] CO: プローブタイムスタンプ基準
●
p0567 CO: プローブ診断ワード
●
p0680[0...7] セントラル方式のプローブ入力端子
●
p0681 BI : セントラル方式のプローブ同期信号、信号ソース
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
151
サーボ制御
3.19 セントラルプローブ評価
152
●
p0682 CI : セントラル方式のプローブコントロールワード信号ソース
●
p0684 セントラル方式のプローブ評価方式
●
r0685 セントラル方式のプローブコントロールワード表示
●
r0686[0...7] CO: セントラル方式のプローブ測定時間、立ち上がりエッジ
●
r0687[0...7] CO: セントラル方式のプローブ測定時間、立ち下がりエッジ
●
r0688 CO: セントラル方式のプローブステータスワード表示
●
r0898.0...15 CO/BO: ドライブオブジェクト、コントロールユニット
●
r0899.0...15 CO/BO: ドライブユニット ステータスワード
●
p0922 IF1 PROFIdrive テレグラム選択
●
p0925 PROFIdrive アイソクロナス
サインオブライフ
許容値
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
ベクトル制御
4
ベクトル V/F 制御と比べると、ベクトル制御には以下のメリットがあります。
●
安定性対負荷および設定値変更
●
設定値変更のための短い立ち上がり時間 (→ より優れた制御動作)
●
負荷変更のための短い設定時間 (→ より優れた外乱応答)
●
使用可能な最大トルクでの加速および制動が可能
●
力行および回生モードでの可変トルクリミットによるモータ保護
●
速度に関係なく制御されるドライブおよび制動トルク
●
速度 0 での最大始動トルク可能
ベクトル制御は、エンコーダ付きでもエンコーダなしでも使用可能です。
以下の基準は、エンコーダが必要とされる場合に適用されます。
●
高速度精度が求められる
●
ハイダイナミック応答要件
– より優れたコマンド動作
– より優れた外乱特性
●
トルク制御は 1:10 よりも大きな制御範囲で必要とされます
●
定格モータ周波数 (p0310) の約 10 % 未満の速度のために定義されたおよび / また
は可変トルクが維持されることが可能になります。
設定値入力に関して、ベクトル制御は以下のように分類されます。
●
速度制御
●
トルク / 電流制御 (つまり : トルク制御)
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
153
ベクトル制御
サーボ制御とベクトル制御との比較
以下の表は、サーボ制御とベクトル制御の特性を比較したものです。
表 4- 1
サーボ制御とベクトル制御との比較
項目
サーボ制御
ベクトル制御
主な用途
• ハイダイナミックなモーショ
• 特にエンコーダなしの運転 (セン
サレス運転) で高速かつ高精度ト
ン制御用のドライブ
• 高速かつ高精度トルクドライ
ルクを備える速度およびトルク制
御ドライブ
ブ
(同期サーボモータ)
• アイソクロノス PROFIdrive で
の位相同期制御
• 工作機械やクロック同期制御
が要求される製造機械
1 台のコントロールユニット
• 1 x 電源装置 + 6 x ドライブ
• 1 x 電源装置 + 3 x ドライブ
で制御できるドライブの最大
(電流コントローラサンプリン
(電流コントローラサンプリング
数
グレート 125 μs または速度コ
時間 250 μs または速度コントロ
考慮されるべき項目:
ントローラ 125 μs の場合)
ーラ 1 ms の場合)
本説明書の「DRIVE-CLiQ で
の配線規則」章
• 1 x 電源装置 + 3 x ドライブ
• 1 x 電源装置 + 6 x ドライブ
(電流コントローラサンプリン
(電流コントローラサンプリング
グレート 62.5 μs または速度コ
時間 400 μs/500 μs または速度コ
ントローラ 62.5 μs の場合)
ントローラ 1.6 ms/2 ms の場合)
• 1 x 電源装置 + 1 x ドライブ
• V/f 制御 :
(電流コントローラサンプリン
1 x 電源装置 + 12 x ドライブ
グレート 31.25 μs または速度
(電流コントローラサンプリング
コントローラ 62.5 μs の場合)
時間 500 μs または速度コントロ
• 混在運転、U/f でのサーボ制御
125 μs、最大 11 x ドライブ
ーラ 2000 μs の場合)
• 混在運転、U/f でのベクトル制御
500 μs、最大 11 x ドライブ
ダイナミック応答性
154
High
Medium (平均的)
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
ベクトル制御
項目
サーボ制御
ベクトル制御
サンプリング時間、電流コン
• ブックサイズ:
• ブックサイズ:
トローラ / サンプリング時
31.25 μs / 31.25 μs / ≧ 8 kHz
250 μs / 1000 μs / ≧ 2 kHz
間、速度コントローラ / パル
(出荷時設定、8 kHz)
(出荷時設定、4 kHz)
ス周波数
500 μs / 2000 μs / ≧ 2 kHz
• ブロックサイズ :
(出荷時設定、4 kHz)
31.25 μs / 31.25 μs / ≧ 8 kHz
(出荷時設定、8 kHz)
• ブロックサイズ :
250 μs / 1000 μs / ≧ 2 kHz
• シャーシ:
(出荷時設定、4 kHz)
フレームサイズ Fx :
500 μs / 2000 μs / ≧ 2 kHz
250 μs / 250 μs / ≧ 2 kHz
(出荷時設定、2 kHz)
フレームサイズ Gx :
(出荷時設定、4 kHz)
• シャーシ:
≦ 250 kW :
125 μs / 125 μs / ≧ 4 kHz
250 μs / 1000 μs / ≧ 2 kHz
> 250 kW :
400 μs / 1600 μs / ≧ 1.25 kHz
690 V:
400 μs / 1600 μs / ≧ 1.25 kHz
注:
サンプリング条件の詳細については、本マニュアルの「サンプリング時間設定の規則」のサブセクショ
ンを参照してください。
接続可能なモータ
• 同期サーボモータ
• 同期モータ (トルクモータを含む)
• 永久磁石式同期モータ
• 永久磁石式同期モータ
• インダクションモータ
• インダクションモータ
• トルクモータ
• リラクタンスモータ (V/f 制御専
用)
• 他励式同期モータ
注:
1FT6、1FK6 および 1FK7 シリーズ
の同期モータは接続することができ
ません。
上位モーションコントロール
可
可
用 PROFIdrive による位置イ
ンターフェース
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
155
ベクトル制御
項目
サーボ制御
ベクトル制御
エンコーダレス速度制御
可、定格モータ速度から 10%、
可 (静止状態から ASM および PEM
これより下では開ループ制御運転 の場合)
モータ定数測定
可
可
速度コントローラ最適化
可
可
U/f 制御
可
可 (様々な特性)
エンコーダレス
不可
可、定格モータ速度から 10%、これ
(他社製モータ)
閉ループトルク制御
より下では開ループ制御運転
インダクションモータの弱め
≦ 16 弱め界磁スレッシホールド
界磁領域
速度 (エンコーダ付き)
≦ 5 · 定格モータ速度
≦ 5 弱め界磁スレッシホールド速
度 (エンコーダなし)
閉ループ制御での最大出力周
• 1300 Hz、62.5 μs / 8 kHz で
波数
• 650 Hz、125 μs / 4 kHz で
または 400 μs / 5 kHz で
• 300 Hz、250 μs / 2 kHz で
• 240 Hz、500 μs / 4 kHz で
• 300 Hz、250 μs / 4 kHz で
注:
SINAMICS S は最適化せずに指定
地を実現することができます。
以下の二次的条件下で追加の最適
化を実行する場合、より高い周波
数を設定することができます。
• 最大 1500 Hz
– エンコーダレス運転
– 制御電源装置と組み合わせ
て
• 最大 1600 Hz
– エンコーダ付き運転
– 制御電源装置と組み合わせ
て
• 絶対的な上限 1600 Hz
注:
様々なマニュアルに記載されているディレーティング特性を必ず遵守しなければなりません!
dv/dt およびサインフィルタ使用時の最大出力周波数: 150 Hz
156
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
ベクトル制御
4.1 センサなしベクトル制御(SLVC)
項目
サーボ制御
ベクトル制御
モータの熱的リミットでの運
電流設定値の低減または電源遮断 パルス周波数および / または電流設
定値の低減または電源遮断 (並列接
転時の応答
続 / サインフィルタ付きには適用さ
れません)
速度設定値
オプション
チャンネル (ランプファンク
(電流コントローラサンプリング
ションジェネレータ)
時間 125 μs - または速度コントロ
標準
ーラサンプリング時間 125 μs の
場合、ドライブ数を 6 から 5 x モ
ータモジュールに低減します)
パワーユニットの並列接続
不可
• ブックサイズ:不可
• シャーシ:可
4.1
センサなしベクトル制御(SLVC)
センサレスベクトル制御 (SLVC) では、磁束の位置および速度実績値を電動モータモデ
ルを使用して決定されなければなりません。 このモータモデルは、入力電流および電
圧でバッファリングされます。 低周波数 (約 0 Hz) では、このモータモデルは十分な精
度で速度を決定することができません。 このため、この範囲では、ベクトル制御は閉
ループ制御から開ループ制御に切り替えられます。 パッシブ負荷を使用する場合、追
加制限および制約が考慮されなければなりません。 これについては後で説明します。
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
157
ベクトル制御
4.1 センサなしベクトル制御(SLVC)
3 相インダクションモータ
閉ループ制御 / 閉ループ制御の切り替えは、時間および周波数条件 (p1755、p1756、
p1758) により制御されます。 ランプファンクションジェネレータ入力での設定値周波
数および実際の周波数が同時に p1755* (1 - (p1756/100 %)) を下回る場合、このシステ
ムは経過時間条件を待機しません。
⏐f_act⏐
p1755 [1/min]
p1755 [1/min]
p1756 ⎞
⎛
• ⎜⎜ 1−
⎟
100% ⎟⎠
⎝
t
栚Ⓟ㈰ወዙኴ
Ⓟ㈰ወዙኴ
栘春ሸቯቂ
t
p1758
図 4-1
SLVC の切り替え条件
トルク設定値の設定
開ループ運転では、計算された速度実績値は設定値と同じです。 静的負荷 (例: クレー
ン) または加速中の場合、パラメータ p1610 (トルク設定値、静的) および p1611 (追加
の加速トルク) を必要な最大トルクに適合させます。 次に、ドライブが静的または動的
な負荷トルクを生成することができます。 インダクションモータ (ASM) の場合、
p1610 は 0% に設定され、励磁電流 r0331 のみが印加されます。 100% に設定される
と、定格モータ電流 p0305 が印加されます。
永久磁石式モータ (PEM) では、p1610 = 0 % の場合、インダクションモータの励磁電
流の代わりに補足トルク r1515 からのプリコントロール絶対値がそのまま残ります。
加速中にドライブのストールを防止するため、補足加速トルク p1611 を大きくする、
または、速度コントローラの加速プリコントロールを使用することができます。 これ
により、低速時のモータの過熱が回避されます。
ドライブの慣性モーメントがほぼ一定の場合、p1496 での加速プリコントロールにより、
p1611 での補助加速トルクよりも数多くのメリットが提供されます。 回転測定を使用
してドライブの慣性モーメントを決定することができます:
p1900 = 3 および p1960 = 1。
158
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
ベクトル制御
4.1 センサなしベクトル制御(SLVC)
エンコーダレスのベクトル制御には、低周波数時に以下の下の特性があります:
●
約 0 Hz 出力周波数 (p0500 = 2) までのパッシブ負荷に対する閉ループ制御運転、
p1750.2 = 1 および p1750.3 = 1 の場合。
●
ランプファンクションジェネレータ前段の速度設定値が p1755 よりも大きい場合、
(モータが完璧に励磁された後) 閉ループ制御モードでインダクションモータを始動
します。
●
切り替え速度範囲 p1755 が p1758 で設定された切り替え遅延時間よりも短い時間
内で通過された場合で、ランプファンクションジェネレータ前段の速度設定値が
p1755 の開ループ制御された速度範囲の外側にある場合、開ループ制御モードに変
更する必要のない反転は可能です。
●
閉ループトルク制御モードでは、低速時に、このシステムは閉ループ制御モードに
常に切り替わります。
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栚ⱚ
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S
S
栚ወዙኴⓅ㈰
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W
W
S
図 4-2
ゼロクロスで、インダクションモータが閉ループまたは開ループ制御運転で始
動される場合
約 0 Hz の閉ループ運転 (パラメータ p1755 を使用して設定可能)、および 0 Hz で直接
閉ループ運転で起動または反転する可能性 (パラメータ p1750 を使用して設定可能) に
は以下のメリットがあります:
●
閉ループ制御内での切り替え運転が不要 (バンプレス動作、周波数ディップなし、
トルクの不連続性なし)。
●
0 Hz まで (0Hz を含む) のエンコーダレスの閉ループ速度
●
0 Hz 周波数までのパッシブ負荷
●
約 0 Hz までの定常閉ループ速度制御が可能
●
開ループ制御運転と比較した場合の、より優れたハイダイナミック性能
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
159
ベクトル制御
4.1 センサなしベクトル制御(SLVC)
注記
閉ループ制御モードで、0 Hz からの始動または反転には 2 s または p1758 で設定され
た時間よりも長い時間がかかり、その後、システムは自動的に閉ループ制御から開ルー
プ制御運転に切り替わります。
通知
モータモデル (p1755) の切り替え速度未満の速度範囲で設定値トルクが負荷トルクよ
りも大きな場合、エンコーダレストルク制御での運転のみが有効です ドライブは設定
値および関連する設定値速度 (p1499、FBD 6030) を追従できなければなりません。
パッシブ負荷
閉ループ制御モードで、パッシブ負荷の場合、インダクションモータは、開ループ制御
モードに切り替えられずに、0 Hz (静止状態) までの定常状態で運転が可能です。
この設定を実装するために
1. p0500 = 2 (技術的アプリケーション = エンコーダレス制御のパッシブ負荷 f = 0)。
2. その後 p0578 = 1 を設定 (テクノロジー依存パラメータを計算)。
その後、以下のパラメータが自動的に設定されます:
– p1574 = 2 V、他励式同期モータ = 4 V
– p1750.2 = 1、パッシブ負荷の場合、0 Hz までの閉ループ運転
– p1802 = 4 (SVM/FLB オーバーコントロールなし)
– p1803 = 106% (出荷時設定)
その結果、パッシブ負荷は自動的に有効化されます。
注記
モータの試運転時に p0500 がパラメータ設定されます; 計算は自動的に p0340 および
p3900 で実行されます。 P0578 がその後自動的に設定されます。
閉ループおよび開ループ速度制御の切り替えがない閉ループ制御は、パッシブ負荷を含
むアプリケーションに制限されます。
パッシブ負荷には、不活性質量、ブレーキ、ポンプ、ファン、遠心分離器、押出機、ト
ラバースドライブまたはコンベアなど運転中のモータのドライブトルクへの反応効果の
みがあります。
必要な限り、保持電流のない停止状態が可能です。 その後、停止状態では、励磁電流
のみがモータに印加されます。
160
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
ベクトル制御
4.1 センサなしベクトル制御(SLVC)
通知
回生運転
0 Hz 付近の周波数での定常回生運転は、この操作モードでは許可されません。
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╤⇫ᇫ栚ወዙኴ栘ወዙኴⓅ㈰
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W
図 4-3
Q
W
エンコーダなしベクトル制御
ドライブのブロック
負荷トルクがセンサレスベクトル制御のトルクリミットよりも高い場合、ドライブはゼ
ロ速 (停止状態) まで制動されます。 p1758 時間後に開ループ制御モードが選択されな
いように、p1750.6 を 1 に設定することができます。一定条件下では、「モータブロッ
ク遅延時間」 (p2177) が増やされなければなりません。
通知
ドライブ反転の例外
負荷によりドライブの反転が強制される場合、この設定を使用することは許容されま
せん。
アクティブ負荷
ドライブを反転させることができるアクティブ負荷、例えば、巻上機、は開ループ速度
制御モードで起動しなければなりません。 この場合、ビット p1750.6 を 0 に設定しな
ければなりません (モータがロックされた場合の開ループ制御運転)。 静的 (定常) トル
ク設定値 p1610 は、最大発生負荷トルクよりも大きくなければなりません。
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
161
ベクトル制御
4.1 センサなしベクトル制御(SLVC)
注記
モータを駆動する場合がある負荷
低速での高回生負荷トルクを伴うアプリケーションでは、p1750.7 を 1 に設定すること
もできます。その結果、この設定にすると、モータモデルの速度切り替えリミットが大
きくなり、より迅速に開ループ制御運転に切り替えることができます。
永久磁石式同期モータ
永久磁石式モータ (PEM) は、常に開ループ制御モードで起動および反転されます。 切
り替え速度は、モータ定格速度の 10% または 5% に設定されます。 切り替えは、時間
条件に支配されません (p1758 は評価されません)。 一般的な負荷トルク (力行または回
生運転) は開ループ運転で調整され、それにより閉ループ運転への定トルクのクロスオ
ーバが容易になります。 パルスが有効になると、ロータ位置が定数測定されます。
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S
S
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栚ወዙኴⓅ㈰
0VHWU
0VHWU
W
W
SS
図 4-4
ゼロポイントおよび低速時の開ループ制御運転での開始
拡張された方法: 0 Hz までの閉ループ制御運転
実際のロータ位置は、0 Hz まで (静止状態) 連続的に決定できます。 シーメンス製
1FW4 および 1PH8 トルクモータでは、負荷は停止状態で維持、または、定格トルクま
で任意の負荷を加速することができます。
機能が有効な場合、低速では、モータの構造に依存して、追加ノイズが聞こえます。
この方法は、内部に磁石があるモータに適しています。
162
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
ベクトル制御
4.1 センサなしベクトル制御(SLVC)
怆╤
☮䍈ኙዊኺኁዐእ
I0+),PSXOVH
I0+),PSXOVH
QVHW QDFW
QVHW QDFW
S
S
0VHW 0DFW
0VHW 0DFW
W
W
浧⛷㽱ኮወኖ
浧⛷㽱ኮወኖ
S[S
図 4-5
ゼロ速までの閉ループ制御でのゼロポイント
注記
サインフィルタを使用する際、開ループ制御運転のみが許容されます。
注記
1FW4 トルクモータ
シーメンス 1FW4 トルクモータは、停止状態から起動して、閉ループトルク制御モー
ドで運転できます。 この機能は、パラメータ p1750.5 = 1 で有効化されます。
他社製モータは、それぞれの場合で確認しなければなりません。
他社製モータを使用するための基本条件
●
経験上、この方法は永久磁石式同期モータ (IPMSM) に非常に適しているとされます。
●
ステータ直交リアクタンス (Lsq) 比: ステータ直交リアクタンス (Lsd) は > 1 (推奨:
最小 > 1.5)。
●
非対称リアクタンス比 (Lsq:Lsd) は、モータで一定の電流まで維持されます。これ
により、その方法で可能な運転リミット値が決定されます。 その方法で定格モータ
トルクまで運転したいのであれば、リアクタンス比を定格モータ電流まで維持しな
ければなりません。
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
163
ベクトル制御
4.1 センサなしベクトル制御(SLVC)
以下のパラメータ入力は最適なパフォーマンスを得るための前提条件となります:
●
飽和特性の入力: p0362 ~ p0369
●
負荷特性の入力: p0398、p0399
ゼロ速までの閉ループ制御運転のための試運転シーケンス:
●
静止状態でのモータ定数測定を含む試運転を実施します。
●
飽和特性と負荷特性のパラメータを入力します。
●
パラメータ p1750.5 = 1 で、閉ループ制御運転をゼロ速まで有効にします。
閉ループ制御運転を維持することで、以下のメリットが得られます:
●
閉ループ制御構造での切り替え運転の結果、トルクの不規則性なし
●
0 Hz まで (0Hz を含む) のエンコーダレス (センサレス) の閉ループ速度およびトル
ク制御。
●
開ループ制御運転と比較した場合の、より優れたハイダイナミック性能
●
ドライブ装置 (例: 製紙業、マスタ/スレーブ運転) のエンコーダレス運転が可能です。
●
周波数 0 まで負荷を有効にします (垂直/吊り下げ軸を含む)。
通知
出力フィルタ
この方法は、既存の出力フィルタでは使用できません。
ファンクションダイアグラム (『SINAMICS S120/S150 リストマニュアル』を参照)
●
6030 ベクトル制御 - 速度設定値、ドループ
●
6730 モータモジュールとのインターフェース (ASM、p0300 = 1)
●
6731 モータモジュールへのインターフェース (PEM、p0300 = 2)
主要パラメータ一覧 (『SINAMICS S120/S150 リストマニュアル』を参照)
164
●
p0305[0...n] モータ定格電流
●
p0331[0...n] 実際のモータ定格励磁電流/短絡電流
●
p0500 テクノロジーアプリケーション
●
p1610[0...n] 静止トルク設定値 (SLVC)
●
p1611[0...n] 補助加速トルク (SLVC)
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
ベクトル制御
4.2 エンコーダ付きのベクトル制御
4.2
●
p1750[0...n] モータモデルコンフィグレーション
●
p1755[0...n] モータモデル切り替え速度
●
p1756 モータモデル切替速度ヒステリシス
●
p1758[0...n] モータモデル切替遅延時間、閉/開ループ制御
●
p1802[0...n] 回生モード
●
p1803[0...n] 最大変調深さ
エンコーダレス運転
エンコーダレス運転
エンコーダ付きのベクトル制御
エンコーダ付きベクトル制御のメリット:
●
速度を 0 Hz (停止状態) まで制御することができます。
●
定格速度範囲での定トルク
●
エンコーダなし速度制御と比較すると、エンコーダ付きドライブのダイナミック応
答では速度が直接計測され、電流要素のためのモデルに統合されるために性能がか
なり向上します。
●
より高い速度精度
モータモデルの変更
モデル変更は、速度範囲 p1752* (100 % - p1753) と p1752 内で電流モデルとオブザー
バモデルの間で行われます。 電流モデル範囲 (つまり、低速時) では、トルク精度は、
ロータ抵抗の熱的調整が適切に実行されるかどうかに依存します。 オブザーバモデル
範囲および定格速度よりも約 20% 低い速度では、トルク精度は基本的にステータ抵抗
の熱的トラッキングが適切に実行されるかどうかに依存します。 電力ケーブルの抵抗
が総抵抗よりも 20 % ~ 30 % 大きい場合、モータデータの定数測定 (p1900/p1910) を
行う前に、これを p0352 に入力してください。
熱的補正を無効にするために p0620 = 0 を設定します。以下の一般条件により補正が十
分な精度で機能しない場合、これが必要になる場合があります。 例えば、KTY センサ
が温度検出に使用されず、周囲温度が大幅に変動する場合やモータ過熱 (p0626 ...
p0628) がモータの構造によりデフォルト設定からかなりずれる場合。
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
165
ベクトル制御
4.3 速度コントローラ
4.3
速度コントローラ
エンコーダ付きの閉ループ制御処理もエンコーダなしの閉ループ制御処理も (VC、
SLVC)、 以下のコンポーネントを含む同じ速度コントローラ構造を備えています。
●
PI コントローラ
●
速度コントローラ、プリコントロール
●
ドループ
出力変数の合計がトルク設定値になります。これはトルク設定値の制限により許容範囲
まで低減されます。
速度コントローラ
速度コントローラは、設定値チャンネルからその設定値 (r0062) を、そして、直接的に
速度センサから (センサ制御 (VC)) または間接的にモータモデル (センサレス制御
(SLVC)) からその実績値 (r0063) を受け取ります。 システム偏差はプリコントロールと
併用した PI コントローラで増大され、トルク設定値になります。
負荷トルクが大きくなると、ドループが有効な時に速度設定値が比例して小さくなりま
す。つまり、グループ (複数の機械的に接続されたモータ) 内のシングルドライブは、
トルクが大きくなりすぎると開放されます。
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U
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7L
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図 4-6
166
6/9&
9&
7L
.S
7Q
S
S
S
S
S
S
速度コントローラ
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
ベクトル制御
4.3 速度コントローラ
最適な速度コントローラの設定は、自動速度コントローラ最適化機能 (p1900 = 1、回転
定数測定) で決定することができます。
慣性モーメントが指定されている場合、速度コントローラ (Kp、Tn) は自動パラメータ
設定 (p0340 = 4) で計算することができます。 コントローラパラメータは、左右対称の
最適条件に従って、以下のように定義されます。
Tn = 4 * Ts
Kp = 0.5 * r0345 / Ts = 2 * r0345 / Tn
Ts = 短い遅延時間の合計 (p1442 と p1452 を含む)
これらの設定で振動が発生する場合、速度コントローラゲイン Kp を手動で小さくする
必要があります。 速度実績値平滑化も大きく (ギアなしまたは高周波数ねじれ振動のた
めの標準的な処理) 、コントローラ計算も再度実行することができます。なぜなら、こ
の値が Kp および Tn の計算にも使用されるからです。
以下の関係が最適化に適用されます。
●
Kp が大きくなると、オーバシュートが低減されますが、コントローラは高速になり
ます。 しかしながら、速度制御ループの信号リップルと振動が大きくなります。
●
Tn が小さくなると、オーバシュートが大きくなりますが、コントローラは更に高速
になります。
速度制御が手動で行われる場合、積分時間をできるだけ短くする前に、Kp (および速度
実績値の平滑化) で可能なダイナミック応答を定義するのが最も簡単です。 これを行う
場合、閉ループ制御も弱め界磁で安定した状態でなければなりません。
速度コントローラで発生するあらゆる振動を抑制するためには、エンコーダ付き運転の
ための p1452 またはエンコーダなし運転のための p1442 での平滑化時間を増やす、あ
るいは、コントローラゲインを減らすだけで通常は十分です。
速度コントローラの積分出力は r1482 または r1508 (トルク設定値) での制限されたコ
ントローラ出力で監視できます。
注記
エンコーダ付き速度制御と比較すると、エンコーダなしドライブのダイナミック応答は
かなり低下します。 速度実績値は、相当する干渉レベルの電流および電圧のコンバー
タ出力変数からのモデル計算により導かれます。 このため、速度実績値をソフトウェ
アのフィルタアルゴリズムで調整する必要があります。
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
167
ベクトル制御
4.4 速度コントローラ補正
ファンクションダイアグラム (『SINAMICS S120/S150 リストマニュアル』を参照)
●
6040 エンコーダ付き / エンコーダなし速度コントローラ
主要パラメータ一覧 (『SINAMICS S120/S150 リストマニュアル』を参照)
4.4
●
r0062 CO : フィルタ後段の速度設定値
●
r0063[0...1] CO : 速度実績値
●
p0340[0...n] モータ / 制御パラメータの自動計算
●
r0345[0...n] 定格モータ起動時間
●
p1442[0...n] 速度コントローラ 実際の速度平滑化時間
●
p1452[0...n] 速度コントローラ 平滑化時間実績値 (SLVC)
●
p1460[0...n] 速度コントローラ P ゲイン下側補正速度
●
p1462[0...n] 速度コントローラ
●
p1470[0...n] 速度コントローラエンコーダなし運転 P ゲイン
●
p1472[0...n] 速度コントローラエンコーダなし運転積分時間
●
r1482 CO : 速度コントローラ I トルク出力
●
r1508 CO : 補助トルク前段のトルク設定値
●
p1960 回転測定の選択
積分時間下側補正速度
速度コントローラ補正
説明
速度コントローラ補正により、任意の速度コントローラ振動を抑制することができます。
速度依存 Kp_n/Tn_n 補正は、出荷時設定で有効化されます。 必要な値は、試運転およ
び回転定数測定時に自動的に計算されます。
これにもかかわらず、速度振動が発生する場合、加えて kp_n コンポーネントを任意の
Kp_n 補正を使用して最適化できます。 任意の Kp_n 補正は、p1455 の信号ソースを接
続することで有効化されます。 これから計算された係数は、速度依存補正の Kp_n 値で
乗算します。 任意の Kp_n 補正の動作範囲は、パラメータ p1456 ~ p1459 を使用して
設定されます。
168
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
ベクトル制御
4.4 速度コントローラ補正
加えて、p1400.6 = 1 を使用して、速度依存補正の Tn_n コンポーネントを最適化する
ことができます。 速度依存補正の Tn_n 値は、任意の補正係数により除算されます。
Kp_n/Tn_n 補正は、p1400.5 = 0 で無効化できます。その結果として、速度コントロー
ラのダイナミック低減が無効化されます。
S
S
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7QBQ孫㷲
図 4-7
7QBQBDGDSW
Kp_n-/Tn_n 補正
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
169
ベクトル制御
4.4 速度コントローラ補正
速度依存補正の例
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7QBQ
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図 4-8
速度コントローラ Kp_n/Tn_n 補正
エンコーダなし運転では、p1464 の値は p1465 よりも大きくなります。 その結果、動
作は反転されます: 速度が増すにつれて kp が増え、Tn が減ります。
特別な場合、弱め界磁領域でのモータのエンコーダレス運転
エンコーダレス運転では、弱め界磁領域でのダイナミック低減は、p1400.0 = 1 で有効
化することができます。
Kp/Tn ∼ 磁束設定値
Kp/Tn は、磁束設定値に比例して減少します (最小: 係数 0.25)。
このダイナミック低減は、弱め界磁領域でのコントローラのダイナミック応答を低減さ
せるために有効化されます。 弱め界磁領域まで、速度コントローラの高いコントロー
ラダイナミックが維持されます。
ファンクションダイアグラム (『SINAMICS S120/S150 リストマニュアル』を参照)
●
170
6050 ベクトル制御 - Kp_n/Tn_n 保存
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
ベクトル制御
4.4 速度コントローラ補正
主要パラメータ一覧 (『SINAMICS S120/S150 リストマニュアル』を参照)
●
p1400.0 速度制御コンフィグレーション:自動 Kp/Tn 補正有効
●
p1400.5 速度制御コンフィグレーション : Kp/Tn 補正有効
●
p1400.6 閉ループ速度制御コンフィグレーション: 任意の Tn 補正有効
●
p1470 速度コントローラエンコーダなし運転 P ゲイン
●
p1472 速度コントローラ エンコーダなし運転積分時間
任意の Tn 補正
●
p1455[0...n] CI: 速度コントローラ、P ゲイン補正信号
●
p1456[0...n] 速度コントローラ P ゲイン補正下側開始点
●
p1457[0...n] 速度コントローラ P ゲイン補正上側開始点
●
p1458[0...n] 下側補正係数
●
p1459[0...n] 上側補正係数
●
p1466[0...n] CI: 速度コントローラ P ゲインスケーリング
速度依存 Kp_n/Tn_n 補正
●
p1460[0...n] 速度コントローラ P ゲイン下側補正速度
●
p1461[0...n] 速度コントローラ Kp 補正速度上側スケーリング
●
p1462 速度コントローラ 積分時間補正速度、下側
●
p1463 速度コントローラ Tn 補正速度上側スケーリング
●
p1464 速度コントローラ補正速度、下側
●
p1465 速度コントローラ補正速度、上側
弱め界磁領域でのダイナミック低減 (SLVC のみ)
●
p1400.0 速度制御コンフィグレーション: 自動 Kp/Tn 補正有効
STARTER でのパラメータ設定
パラメータ画面 [speed controller] (速度コントローラ) は、試運転ツール STARTER の
ツールバーにある以下のアイコンで選択します。
図 4-9
[speed controller] (速度コントローラ) の STARTER アイコン
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
171
ベクトル制御
4.5 速度コントローラプリコントロールと参照モデル
4.5
速度コントローラプリコントロールと参照モデル
速度制御ループのコマンド動作は、速度設定値から加速トルクを計算し、それを速度コ
ントローラの電源側で接続することにより改善されます。 このトルク設定値 (mv) は、
以下のようにして計算されます:
PY
S ವ - ವ
GQ
GW
S ವ S ವ S ವ
GQ
GW
トルク設定値は、補助コマンド変数としてアダプタを介して電流コントローラに直接切
り替え/プリコントロールされます (p1496 でイネーブル)。
モータの慣性モーメント p0341 は、試運転中またはパラメータのセット全体が計算さ
れる時に直接計算されます (p0340 = 1)。 慣性モーメントの合計 J とモータの慣性モー
メントの間の係数 p0342 は、手動もしくは速度コントローラの最適化により決定され
なければなりません。 加速は dn/dt 時間の速度差から計算されます。
注記
速度コントローラの最適化が実行されると、慣性モーメントの合計とモータの慣性モー
メント (p0342) との比が決定され、加速プリコントロールスケーリング (p1496) が
100% に設定されます。
p1400.2 = p1400.3 = 0 の場合には、プリコントロールバランスが自動的に設定されま
す。
ኦወዙኴ
⏴┪
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p1400.2
p1495
p0341 p0342
r1515
r1518
1
0
1)
r1084
p1428
Kp
p1496
p14291)
=0
-
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-
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S ቑ⫃⚗቎ቑቢ㦘╈
図 4-10
Ti
r1547[0]
r1547[1]
r1538
r1539
r0079
እወኌ
岼⸩
⊳
Ti2)
Kp
Tn
SLVC:
p1452
p1470
p1472
VC:
p1442
p1460
p1462
プリコントロール付き速度コントローラ
速度コントローラが正しく調整されている場合は、それ自身の制御ループの外乱変数を
補正するだけです。これは、修正変数に比較的小さな変更を加えることで得ることがで
172
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
ベクトル制御
4.5 速度コントローラプリコントロールと参照モデル
きます。 反対に、速度設定値の変更が速度コントローラと無関係に行われ、そのため
により迅速に実行されます。
プリコントロール変数の効果は、スケーリング係数 p1496 で、アプリケーションに従
って適用されます。 p1496 = 100 % の場合、プリコントロールはモータおよび負荷慣
性モーメント (p0341、p0342) に従って計算されます。 バランスフィルタは、速度コン
トローラが入力されたトルク設定値に対する動作を防止するために自動的に使用されま
す。 バランスフィルタの時定数は、速度制御ループの等価遅延時間に一致します。 速
度コントローラプリコントロールは、速度コントローラの I 要素 (r1482) が n > 20% x
0310 の範囲で、加速または減速中に変化しない場合に、正しく設定されます (p1496 =
100%、p0342 によるキャリブレーション)。 このようにして、プリコントロールによ
り、新しい速度設定値へオーバーシュートのない接近が可能になります (前提条件: ト
ルクリミットが動作せず、慣性モーメントが一定に維持されます)。
速度コントローラが挿入によりプリコントロールされる場合、速度設定値 (r0062) は実
績値 (r1445) と同じ平滑化時間 (p1442 または p1452) だけ遅延します。 このため、加
速中にコントローラ入力にターゲット値/実績値の差 (r0064) が発生しないことが確認さ
れます。これは、単に信号転送時間に起因するものです。
速度プリコントロールが有効である場合、速度設定値を連続的に、または、高い干渉レ
ベルがない (急激なトルク変化を回避する) ように指定されなければなりません。 速度
設定値の平滑化またはランプファンクションジェネレータ丸み付けの有効化 p1130 ~
p1131 により、適切な信号を生成することができます。
起動時間 r0345 (Tstart) は、機械の慣性モーメントの合計 J の評価で、停止状態からモー
タ定格速度 p0311 (nmot、rated) まで、モータ定格トルク r0333 (Mmot、rated) で無負荷のド
ライブを加速できる時間を説明するものです。
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7$QODXI -
˭
Q0RWQHQQ
00RWQHQQ
S S
˭
S
U
これらの補助的な条件がアプリケーションと一致している場合、起動時間を立ち上がり
または立ち下がり時間の最低値として使用できます。
注記
設定値チャンネル内のランプファンクションジェネレータの立ち上がりおよび立ち下が
り時間 (p1120、p1121) は、モータ速度が加速中および制動中に設定値を追従すること
ができるように、設定してください。 これにより、速度コントローラプリコントロー
ルは最適な機能になります。
コネクタ入力 (p1495) を使用した加速プリコントロールは、パラメータ設定 p1400.2 =
1 および p1400.3 = 0 で有効になります。p1428 (デッドタイム) および p1429 (時定数)
をバランスのために設定することができます。
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
173
ベクトル制御
4.5 速度コントローラプリコントロールと参照モデル
基準モデル
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♑䏶኿ኤወᇬኴ዇ነዐእዊዙወ
S
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図 4-11
3,
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3 ነዐእዊዙ዆
U
.S
7Q
6/9&
S
S
S
9&
S
S
S
基準モデル
基準モデルは、p1400.3 = 1 の場合に有効になります。
基準モデルは、P 速度コントローラで速度制御ループのパスをエミュレーションするた
めに使用されます。
パスエミュレーションは p1433 ~ p1435 で設定することができます。 p1437 がモデル
r1436 の出力に接続されている時に有効化されます。
基準モデルは、過渡的な条件が抑制されるように、速度コントローラの積分コンポーネ
ントの設定値と実績値の差を遅延させます。
基準モデルは外部的にエミュレーションされ、その出力信号を p1437 で挿入できます。
174
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
ベクトル制御
4.5 速度コントローラプリコントロールと参照モデル
ファンクションダイアグラム (『SINAMICS S120/S150 リストマニュアル』を参照)
●
6031 基本/加速モデルのためのプリコントロールバランス
●
6040 速度コントローラ
主要パラメータ一覧 (『SINAMICS S120/S150 リストマニュアル』を参照)
●
p0311[0...n] モータ定格速度
●
r0333[0...n] モータ定格トルク
●
p0341[0...n] モータの慣性モーメント
●
p0342[0...n] 慣性モーメントの合計とモータの慣性モーメントの合計との比
●
r0345[0...n] 定格モータ起動時間
●
p1400.2[0...n] 速度制御コンフィグレーション: 加速プリコントロールソース
●
p1428[0...n] プリコントロール速度バランスのための速度プリコントロールデッド
タイム
●
p1429[0...n] バランスのための速度プリコントロール時定数
●
p1496[0...n] 加速プリコントロールスケーリング
●
r1518 CO: 加速トルク
主要パラメータ一覧 (『SINAMICS S120/S150 リストマニュアル』を参照)
参照モデル用
●
p1400.3[0...n] 速度制御コンフィグレーション: 基本モデル
●
p1433[0...n] 速度コントローラ 基準モデル 固有周波数
●
p1434[0...n] 速度コントローラ 基準モデル ダンピング
●
p1435[0...n] 速度コントローラ 基準モデル デッドタイム
●
r1436 CO: 速度コントローラ 基準モデル 速度設定値出力
●
p1437[0...n] CI: 速度コントローラ 基準モデル I 要素入力
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
速度設定値 I 要素
175
ベクトル制御
4.6 ドループ
4.6
ドループ
ドループ (p1492 で有効) により、負荷トルクが大きくなるにつれて、速度設定値がそ
れに比例して低減されます。
S
ኦወዙኴ⏴┪
S
U
PV
U
U
S
ኴ዇
ነዐእዊዙወ
U
7Q
.S
3,
U>@
抮ㄵ
抮ㄵ岼⸩⊳
U
U
U
ነዐእዊዙ዆
እወኌ
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図 4-12
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S
S
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S
S
S
ドループ付き速度コントローラ
ドループには異なる速度に機械的にカップリングされるドライブに対するトルクリミッ
ト効果があります (例: 貨車のガイドローラ)。 この方法で、主要な速度制御ドライブの
トルク設定値に関連して、非常に効率的な負荷の配分を実現することもできます。 ト
ルク制御または過負荷やリミットを伴う負荷の配分と対照的に、適切な設定をすると、
このような負荷の配分により平滑な機械的接続や空転さえ制御されることになります。
この方法は、加速や制動で大きな速度変化を伴うドライブに対して、限定された範囲で
のみ有効です。
例えば 2 台以上のモータが機械的に接続されている、または、共通軸で動作し、上記の
要件を満たすアプリケーションで、ドループフィードバックが使用されます。 それぞ
れのモータ速度を修正することで、(複数の) モータ間の機械的接続の結果として生じる
トルク差を制限します (トルクが大きくなりすぎると、ドライブは開放されます)。
176
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
ベクトル制御
4.7 オープンな速度実績値
前提条件
●
結合された全てのドライブは、ベクトル制御および閉ループ速度制御、エンコーダ
付きまたはエンコーダなし、で運転しなければなりません。
●
機械的に結合されたドライブには、1 台のみの共通のランプファンクションジェネ
レータが使用できます。
ファンクションダイアグラム (『SINAMICS S120/S150 リストマニュアル』を参照)
●
6030 速度設定値、ドループ
主要パラメータ一覧 (『SINAMICS S120/S150 リストマニュアル』を参照)
4.7
●
r0079 CO:トルク設定値
●
p1488[0...n] ドループ入力ソース
●
p1489[0...n] ドループフィードバックスケーリング
●
p1492[0...n] BI : ドループフィードバックイネーブル
●
r1482 CO: 速度コントローラ I トルク出力
●
r1490 CO: ドループフィードバック速度低減
●
r1508 CO:補助トルク前段のトルク設定値
オープンな速度実績値
説明
速度コントローラの速度実績値に対する信号ソースは、パラメータ p1440 (CI : 速度コ
ントローラ速度実績値) で指定されます。 平滑化されていない速度実績値 r0063[0] は、
工場で信号ソースとしてプリセットされています。
機械装置に依存し、パラメータ p1440 は、例えば実績値チャンネルでのフィルタの電
源投入または外部速度実績値での給電に使用することができます。
パラメータ r1443 は、p1440 に存在する速度実績値を表示するために使用されます。
注記
外部の速度実績値をインフィードする場合、モータモデルから監視機能が継続して得ら
れるように注意してください。
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
177
ベクトル制御
4.7 オープンな速度実績値
エンコーダ付き速度制御用の動作 (p1300 = 21)
モータエンコーダは、モータモデルの速度または位置信号に対して常に使用可能にする
必要があります (例 : SMC による評価、p0400 を参照)。 モータの速度実績値 (r0061)
および同期電動機の位置情報は、このモータエンコーダから取得され、p1440 の設定は
反映されません。
p1440 の接続 :
コネクタ入力 p1440 を外部の速度実績値と接続する場合は、速度スケーリングが同じ
(p2000) であることを確認してください。
外部速度信号はモータエンコーダの平均速度 (r0061) に一致させてください。
エンコーダなしの速度制御用の動作 (p1300 = 20)
外部速度信号の伝送パスに依存し、デッドタイムが生じます。これらデッドタイムは、
速度コントローラのパラメータ割り付け (p1470、p1472) で考慮されなければならず、
ダイナミック性能で該当する損失となることがあります。
そのため、信号伝送時間を最小限にしなければなりません。
速度コントローラが停止状態 (パッシブ負荷の場合、ゼロ周波数までの閉ループ制御運
転) でも動作できるように、p1750.2 = 1 を設定してください。 そうしなければ、低速
時に速度制御運転に切り替わり、速度コントローラがオフになり、測定された速度実績
値が反映されません。
モータモデルと外部速度との速度偏差の監視
外部速度実績値 (r1443) は、モータモデルの速度実績値 (r2169) と比較されます。 偏差
が p3236 で設定された許容スレッシホールドよりも大きい場合は、p3238 で設定され
たスイッチオフ遅延時間の経過後、故障 F07937 (ドライブ: モータモデルと外部速度の
速度偏差) が生成され、設定された応答 (工場設定値 : OFF2) に応じてドライブがオフ
になります。
S
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U
QBFWUOQBDFWLQS
U
S
7
QBGLII0RG([W
U
)
S
図 4-13
178
「許容内のモデル / 外部速度偏差」の監視
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
ベクトル制御
4.8 トルク制御
ファンクションダイアグラム (『SINAMICS S120/S150 リストマニュアル』を参照)
●
FP 6040 ベクトル制御 – エンコーダ付き / なし速度コントローラ
●
FP 8012 信号および監視機能 – トルクメッセージ、モータロック / ストール
主要パラメータ一覧 (『SINAMICS S120/S150 リストマニュアル』を参照)
4.8
●
r0063[0...2] 速度実績値
●
p1440 CI : 速度コントローラ実績値
●
p1443 CO : 速度コントローラ速度実績値入力時の速度実績値
●
r2169 CO : フィルタ後段の速度実績値メッセージ
●
r2199.7 「許容内のモデル / 外部速度偏差」
●
p3236 速度スレッシホールド値 7
●
p3237 ヒステリシス速度 7
●
p3238 スイッチオフ遅延 n_act_motor model = n_act_external
トルク制御
センサレス速度制御 SLVC (p1300 = 20) またはセンサ付き速度制御 VC (p1300 = 21) で
は、BICO パラメータ p1501 で、トルク制御 (スレーブドライブ) に切り替えることが
できます。 トルク制御が直接 p1300 = 22 または 23 で選択されている場合、速度制御
とトルク制御の間での切り替えはできません。トルク設定値および / または補助設定値
は BICO パラメータ p1503 を使用して入力することができます (CI : トルク設定値) ま
たは p1511 (CI : 補助トルク設定値)。補助トルクは、トルク制御でも速度制御でも有効
です。 この補助トルク設定値の特徴により、速度制御にプリコントロールトルクを適
用することができます。
注記
安全上の理由により、固定トルク設定値への接続は現時点では不可能です。
回生エネルギーが蓄積する場合があります。これを電源システムに回生するか、制動抵
抗器を使用して熱に変換しなければなりません。
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
179
ベクトル制御
4.8 トルク制御
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0BDGGLWLRQDO
p1513[C]
(0)
図 4-14
閉ループ速度 / トルク制御
2 つのトルク設定値の合計は、速度制御トルク設定値と同じ方法で制限されます。 最大
速度 (p1082) を超えると、速度リミットコントローラは、ドライブのこれ以上の加速を
防止するためにトルクリミットを低減します。
「実際の」トルク制御 (自動速度調整を伴う) は閉ループ制御のみで使用可能であり、
センサレスベクトル制御 (SLVC) の開ループ制御では不可能です。 開ループ制御では、
トルク設定値がランプファンクションジェネレータにより速度設定値を調整します (積
分時間 ~ p1499 x p0341 x 0342)。 このため、静止状態でのエンコーダなしトルク制御
は、負荷トルクを必要とせず、加速トルクを必要とするアプリケーションのみに適して
います (例 : トラクションドライブ)。 この制限は、センサ付きトルク制御には適用され
ません。
180
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
ベクトル制御
4.8 トルク制御
OFF 応答
●
OFF1 および p1300 = 22、23
– OFF2 と同様の応答
●
OFF1、p1501 = "1" 信号および p1300 ≠ 22、23
– 個別の制動応答なし、制動応答はトルクを特定するドライブにより行われます。
– ブレーキ作動時間 (p1217) が経過すると、パルスが禁止されます。 速度実績値が
p1226 のスレッシホールドを下回った場合、または速度設定値 ≦ 速度スレッシホ
ールド (p1226) 時に開始した監視時間 (p1227) を経過すると、ゼロ速を検出しま
す。
– 電源投入禁止が有効になります。
●
OFF2
– 直ちにパルスが禁止され、ドライブはフリーラン停止します。
– モータブレーキ (パラメータ設定されている場合) は直ちに閉じられます。
– 電源投入禁止が有効になります。
●
OFF3
– 速度制御運転への切り替え
– n_set = 0 が直ちに入力され、OFF3 の減速ランプに沿ってドライブが制動されま
す (p1135)。
– ゼロ速を検出すると、モータブレーキが閉じます (パラメータ設定されている場
合)。
– ブレーキ作動時間 (p1217) が経過すると、パルスが禁止されます。 速度実績値が
p1226 のスレッシホールドを下回った場合、または速度設定値 ≦ 速度スレッシホ
ールド (p1226) 時に開始した監視時間 (p1227) を経過すると、ゼロ速を検出しま
す。
– 電源投入禁止が有効になります。
ファンクションダイアグラム (『SINAMICS S120/S150 リストマニュアル』を参照)
●
6060 トルク設定値
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
181
ベクトル制御
4.9 トルク制限
主要パラメータ一覧 (『SINAMICS S120/S150 リストマニュアル』を参照)
4.9
●
p0341 モータの慣性モーメント
●
p0342 慣性モーメントの合計とモータの慣性モーメントの合計との比
●
p1300 開ループ / 閉ループ制御運転モード
●
p1499 トルク制御の加速、スケーリング
●
p1501 BI : 閉ループ速度 / トルク制御の切り替え
●
p1503 CI : トルク設定値
●
p1511 CI : 補助トルク 1
●
p1512 CI : 補助トルク 1 スケーリング
●
p1513 CI : 補助トルク 2
●
p1514 補助トルク 2 スケーリング
●
r1515 補助トルク合計
トルク制限
説明
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S
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図 4-15
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U
U
トルクリミット
トルクリミット値は、カ行運転および回生モードの異なるリミットをパラメータ設定で
きる最大許容トルクを指定します。
182
●
p0640[0...n] 電流リミット
●
p1520[0...n] CO: トルクリミット、上側/力行運転
●
p1521[0...n] CO: トルクリミット、下側/回生運転
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
ベクトル制御
4.9 トルク制限
●
p1522[0...n] CI: トルクリミット、上側/力行運転
●
p1523[0...n] CI: トルクリミット、下側/回生運転
●
p1524[0...n] CO: トルクリミット、上側/力行運転、スケーリング
●
p1525[0...n] CO: トルクリミット、下側/回生運転、スケーリング
●
p1530[0...n] 力行運転モード出力リミット
●
p1531[0...n] 回生モード出力リミット
現時点で有効なトルクリミット値は、以下のパラメータで表示されます:
●
r0067 最大ドライブ出力電流
●
r1526 トルクリミット、オフセットなしの上側/力行運転
●
r1527 トルクリミット、オフセットなしの下側/回生運転
以下のリミットは全て、速度制御の場合は速度コントローラ出力でのトルク設定値に、
トルク制御の場合にはトルク入力でのトルク設定値に適用されます。 異なるリミット
の最小/最大値がそれぞれの場合で使用されます。 最小値はサイクリックに計算され、
パラメータ r1538 および r1539 に表示されます。
●
r1538 CO: 有効トルク上限
●
r1539 CO: 有効トルク下限
そのため、これらのサイクリックな値は、速度コントローラ出力/トルク入力でのトル
ク設定値を制限、または、瞬時最大許容トルクを示します。 トルク設定値がモータモ
ジュールで制限されている場合、以下の診断パラメータによりこれが表示されます:
●
r1407.8 トルク上側リミット有効
●
r1407.9 トルク下側リミット有効
表示された
ファンクションダイアグラム (『SINAMICS S120/S150 リストマニュアル』を参照)
●
6060 トルク設定値
●
6630 上側/下側トルクリミット
●
6640 電流/出力/トルクリミット
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
183
ベクトル制御
4.10 Vdc 制御
4.10
Vdc 制御
説明
DC リンクに過電圧または不足電圧が存在する場合、適切な対策を取ることで「Vdc 制
御」機能を有効にできます。
●
DC リンク過電圧
– 代表的な原因
ドライブは回生モードで動作し、DC リンクに過剰なエネルギーを供給していま
す。
– 解決策
DC リンク電圧を許容リミット内に維持するために、回生トルクを低減させます。
Vdc コントローラが有効で、電源遮断により DC リンクに過剰なエネルギーが供
給される場合、インバータは自動的にドライブの減速時間を延長する場合があり
ます。
●
DC リンクの不足電圧
– 代表的な原因
電源電圧または DC リンク電源の故障
– 解決策
既存の損失を補償するために、回転中のドライブの回生トルクを指定し、それに
より DC リンク電圧を安定させます (キネティックバッファリング)。
注記
チョッパ運転では以下の事項を遵守しなければなりません:
• チョッパスレッシホールドを Vdc_max スレッシホールド未満に設定し、
そして、
• Vdc_max コントローラを無効化しなければなりません。
184
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
ベクトル制御
4.10 Vdc 制御
特徴
●
Vdc 制御
– これには Vdc_max コントローラおよび Vdc_min コントローラ (キネティックバ
ッファリング) が含まれます。これらの制御は、相互に独立しています。
– PI コントローラを接続します。 相互に独立させ Vdc_min コントローラおよび
Vdc_max コントローラを設定するために、ダイナミック係数が使用されます。
●
Vdc_max コントローラ
– この機能は、「DC リンク過電圧」を使用して電源遮断を行わずに瞬時回生負荷
を制御するために使用できます。
– Vdc_max コントローラは、DC リンクに有効な閉ループ制御および電源回生がな
い電源にのみ推奨されます。
●
Vdc_min コントローラ (キネティックバッファリング)
– この機能で、瞬停時に DC リンク電圧を緩衝するためにモータのキネティックエ
ネルギーが利用され、ドライブを遅延させます。
Vdc_min コントローラの説明
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図 4-16
Vdc_min コントローラの on/off 切り替え (キネティックバッファリング)
停電時、Vdc_min の起動レベルを下回ると、Vdc_min コントローラが有効になります。
この制御により DC リンク電圧が制御され、一定のレベルに維持されます。 モータ速
度は低減されます。
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
185
ベクトル制御
4.10 Vdc 制御
電源が回復すると、DC リンク電圧は再度上昇し、Vdc_min コントローラが Vdc_min
起動レベルより 5 % 高いところで無効になります。 モータは通常運転を継続します。
電源が復旧しない場合、モータ速度は低減を継続します。 スレッシホールド p1257 に
到達すると、p1256 に準拠した応答に至ります。
電源電圧が復旧しないまま、時間スレッシホールド (p1255) が経過すると、故障がトリ
ガされます (F07406)。これは、必要に応じてパラメータ設定できます (出荷時設定:
OFF3)。
Vdc_min コントローラは、1 台のドライブに対して有効にすることができます。 他の
ドライブで DC リンクをサポートすることも可能です。そのためには、ドライブの速度
設定値のスケーリングを制御ドライブから BICO 接続を介してそれらに伝送します。
注記
インバータを電源から接続解除しないようにしてください。 例えば、ラインコンタク
タが無効となると、接続解除される場合があります。 例えば、ラインコンタクタに無
停電電源 (UPS) を接続してください。
Vdc_max コントローラの説明
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図 4-17
Vdc_max コントローラの on/off 切り替え
Vdc_max コントローラの起動レベル (r1242) は、以下のように計算されます:
●
起動レベルの自動検出機能が無効の場合 (p1254 = 0)
r1242 = 1.15 * p0210 (デバイス接続電圧、DC リンク)。
●
起動レベルの自動検出機能が有効の場合 (p1254 = 1)
r1242 = Vdc_max - 50 V (Vdc_max: モータモジュールの過電圧スレッシホールド)
186
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
ベクトル制御
4.10 Vdc 制御
危険
ベーシックラインモジュールでの Vdc 制御
複数のモータモジュールが非電源回生電源装置 (例: ベーシックラインモジュール) か
ら給電される場合、Vdc_max コントローラは、接続された全てのドライブの最大の公
称慣性モーメントを有するモータモジュールに対してのみ、有効化することができま
す。
その他のモータモジュールに対しては、この機能が無効化されるか、モニタが設定さ
れなければなりません。
Vdc_max コントローラが複数のモータモジュールに対して有効である場合、好ましく
ないパラメータ設定により、コントローラが相互に悪影響を及ぼす場合があります。
ドライブが不安定にあり、それぞれのドライブが不意に加速する場合があります。
• Vdc_max コントロールの有効化:
– ベクトル制御: p1240 = 1 (出荷時設定)
– サーボ制御: p1240 = 1
– U/f 制御: p1280 = 1 (出荷時設定)
• Vdc_max コントロールの禁止:
– ベクトル制御: p1240 = 0
– サーボ制御: p1240 = 0 (出荷時設定)
– U/f 制御: p1280 = 0
• Vdc_max コントロール機能の有効化:
– ベクトル制御: p1240 = 4 または 6:
– サーボ制御: p1240 = 4 または 6:
– U/f 制御: p1280 = 4 または 6:
ファンクションダイアグラム (『SINAMICS S120/S150 リストマニュアル』を参照)
●
6220 Vdc_max コントローラおよび Vdc_min コントローラ
主要パラメータ一覧 (『SINAMICS S120/S150 リストマニュアル』を参照)
●
p1240[0...n] Vdc コントローラまたは Vdc 監視コンフィグレーション
●
r1242 Vdc_max コントローラ起動レベル
●
p1243[0...n] Vdc_max コントローラ ダイナミック係数 (制御)
●
p1245[0...n] Vdc_min コントローラ起動レベル (キネティックバッファリング) (制
御)
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
187
ベクトル制御
4.11 電流設定値フィルタ
●
r1246 Vdc_min コントローラ起動レベル (キネティックバッファリング) (制御)
●
p1247[0...n] Vdc_min コントローラ、ダイナミック係数 (キネティックバッファリン
グ) (制御)
4.11
●
p1250[0...n] Vdc コントローラ比例ゲイン (制御)
●
p1251[0...n] Vdc コントローラ、積分時間 (制御)
●
p1252[0...n] Vdc コントローラ微分時間 (制御)
●
p1254 Vdc_max コントローラ自動検出起動レベル (制御)
●
p1256[0...n] Vdc_min コントローラ応答 (キネティックバッファリング) (制御)
●
p1257[0...n] Vdc_min コントローラ速度スレッシホールド (コントローラ)
●
r1258 CO: Vdc コントローラ出力 (制御)
電流設定値フィルタ
説明
直列接続された 2 台の電流設定値フィルタ 1 および 2 を以下のようにパラメータ設定
することができます:
●
2 次ローパス指令 (PT2): -40 dB/decade)
●
帯域除去
●
低減を伴うローパス
●
一般 2 次フィルタ
試運転ツール STARTER は、帯域抑制および低減付きローパスフィルタを一般 2 次フ
ィルタのパラメータで変換します。 位相周波数曲線は、振幅対数周波数曲線と共に表
示されます。 位相シフトは制御システムの遅延に結びつくため、最小限に抑えてくだ
さい。
p1656[0...n].0 = 1 および p1656[0...n].1 = 1 で電流設定値フィルタを有効にします。
p1657 ~ p1666 で電流設定値フィルタパラメータを設定します。
ファンクションダイアグラム (『SINAMICS S120/S150 リストマニュアル』を参照)
●
188
6710 電流設定値フィルタ
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
ベクトル制御
4.12 速度実績値フィルタ
主要パラメータ一覧 (『SINAMICS S120/S150 リストマニュアル』を参照)
4.12
●
p1655[0...n] CI: 電流設定値フィルタ、固定周波数チューニング
●
p1656[0...n] 電流設定値フィルタ有効化
●
p1657[0...n] 電流設定値フィルタ 1 タイプ
●
p1658[0...n] 電流設定値フィルタ 1 分母固有周波数
●
p1659[0...n] 電流設定値フィルタ 1 分母ダンピング
●
p1660[0...n] 電流設定値フィルタ 1 分子固有周波数
●
p1661[0...n] 電流設定値フィルタ 1 分子ダンピング
●
p1662[0...n] 電流設定値フィルタ 2 タイプ
●
p1663[0...n] 電流設定値フィルタ 2 分母固有周波数
●
p1664[0...n] 電流設定値フィルタ 2 分母ダンピング
●
p1665[0...n] 電流設定値フィルタ 2 分子固有周波数
●
p1666[0...n] 電流設定値フィルタ 2 分子ダンピング
速度実績値フィルタ
説明
ベクトル制御では、速度実績値フィルタが設定できます。 速度実績値フィルタを以下
のようにしてパラメータ設定することができます:
●
2 次ローパス指令 (PT2):-40 dB/decade)
●
帯域除去
●
低減を伴うローパス
●
一般 2 次フィルタ
試運転ツール STARTER は、帯域抑制および低減付きローパスフィルタを一般 2 次フ
ィルタのパラメータで変換します。
速度実績値フィルタを p1656.4 = 1 で有効化します。速度実績値フィルタのパラメータ
を p1677 ~ p1681 で設定します。
注記
ベクトル制御の場合、2 つの電流設定値フィルタと 1 つの速度実績値フィルタがありま
す。 速度実績値フィルタには、番号「5」が割り付けられています。
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
189
ベクトル制御
4.13 電流コントローラ補正
ファンクションダイアグラム (『SINAMICS S120/S150 リストマニュアル』を参照)
●
1680 概要 - ベクトル制御、エンコーダ評価 (位置、速度、温度)
●
4715 エンコーダ評価 - 速度実績値および磁極位置検出、モータエンコーダ
ASM/SM (エンコーダ 1)
主要パラメータ一覧 (『SINAMICS S120/S150 リストマニュアル』を参照)
4.13
●
p1655[0...4] CI: 速度実績値フィルタ 5 固有周波数チューニング
●
p1656[0...n].4 速度実績値フィルタ 5 有効化
●
p1677[0...n] 速度実績値フィルタ 第 5 タイプ
●
p1678[0...n] 速度実績値フィルタ 5 分母固有周波数
●
p1679[0...n] 速度実績値フィルタ 5 分母ダンピング
●
p1680[0...n] 速度実績値フィルタ 5 分子固有周波数
●
p1681[0...n] 速度実績値フィルタ 5 分子ダンピング
電流コントローラ補正
説明
電流コントローラ補正は、電流に依存して、電流コントローラの P ゲインおよび Iq 電
流コントローラのダイナミックプリコントロールを調整するために使用することができ
ます。 電流コントローラ補正は、p1402.2 = 1 で有効に、p1402.2 = 0 で無効になりま
す。これは p1959.5 (p1959.5 = 1) で自動的に有効になり、(p1959.5 = 0) で無効になり
ます。
.S
.S㹣√኏ኁዐ
,Tእወኌ䞮㒟榊㿐
S
S[S
S
図 4-18
190
S
,T
p0391 < p0392 での p0393 < 1 のための電流コントローラ補正
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
ベクトル制御
4.13 電流コントローラ補正
または iq 点がスワップされた時 (例:ASM 用)
Kp
.S㹣√኏ኁዐ
,Tእወኌ䞮㒟榊㿐
p1715 x p0393
p1715
p0392
図 4-19
p0391
Iq
p0393 > 1 用にスワップされた iq 補間点を含む電流コントローラ補正、p0392
< p0391
ファンクションダイアグラム (「SINAMICS S120 / S150 リストマニュアル」を参照)
●
6710 電流設定値フィルタ
●
6714 Iq および Id コントローラ
主要なパラメータの一覧 (「SINAMICS S120 / S150 リストマニュアル」を参照)
●
p0391 電源コントローラ補正開始点 KP
●
p0392 電流コントローラ補正開始点 KP 補正完了
●
p0393 電流コントローラ補正 P ゲインスケーリング
●
p1402[0...n] 閉ループ電流制御およびモータモデルコンフィグレーション
●
p1703 Isq 電流コントローラプリコントロールスケーリング
●
p1715 電流コントローラ P ゲイン
●
p1717 電流コントローラ積分時間
●
p1959[0...n] 回転定数測定コンフィグレーション
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
191
ベクトル制御
4.14 モータ定数測定と回転測定
4.14
モータ定数測定と回転測定
説明
相互に依存している 2 つのモータ定数測定オプションがあります:
●
p1910 でのモータ定数測定 (停止定数測定)
●
p1960 での回転定数測定
注記
双方のモータ定数測定方法に、以下が適用されます:
モータブレーキがある場合、これが開放されなければなりません (p1215 = 2)。
これらは p1900 でより容易に選択することができます。p1900 = 2 では停止定数測定
(モータは無回転) が選択されます。 p1900 = 1 設定では回転定数測定が有効になります。
つまり、電流制御モード (p1300) に依存しますが、p1900 = 1 および p1960 設定で回転
定数測定が有効になります。
永久磁石式同期モータが使用されている場合 (p0300 = 2)、p1900 > 1 で、エンコーダ
調整 (p1900 =1) が自動的に有効になります。 この方式の使用は p1980 で設定すること
ができます。
パラメータ p1960 は、p1300 に依存して設定されます:
●
p1960 = 1、p1300 = 20 または 22 (エンコーダなし) の場合
●
p1960 = 2、p1300 = 21 または 23 (エンコーダ付き) の場合
p1900 でパラメータ設定された測定は、ドライブが有効化された後に、以下の手順で起
動されます:
●
停止 (静的) 定数測定 - 定数測定完了後に、パルスがブロックされ、パラメータ
p1910 が 0 にリセットされます。
●
エンコーダの調整 - 定数測定完了後にパルスがブロックされ、パラメータ p1990 が
0 にリセットされます。
●
回転定数測定 - 定数測定完了後にパルスがブロックされ、パラメータ p1960 が 0 に
リセットされます。
●
p1900 を使用して有効にした全ての定数測定が正常に完了した後、これが 0 に設定
されます。
192
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
ベクトル制御
4.14 モータ定数測定と回転測定
注記
新しいコントローラを恒久的に設定するためには、そのデータを不揮発性メモリに保存
しなければなりません (「パラメータ」も参照)。
それぞれのモータ定数測定動作の完了は、パラメータ r3925 から r3928 を介して読み
取ることができます。
モータ定数測定は、現在有効なモータデータセット (MDS) にのみ影響を及ぼします。
危険
モータ定数測定中に、ドライブがモータを動かす場合があります。
試運転中、非常停止機能は必ず完全に運転できる状態でなければなりません。 機械装
置および人を保護するために、関連する安全規則が必ず遵守されなければなりませ
ん。
モータ定数測定 (p1910)
p1910 でのモータ定数測定は、停止状態のモータパラメータを決定するために使用され
ます (p1960 も参照 : 速度コントローラ最適化) :
●
等価回路図のデータ p1910 = 1
●
励磁特性 p1910 = 3
制御エンジニアリング上の理由により、モータ定数測定の実行が強く推奨されます。な
ぜなら、銘板上のデータが使用される場合のみ、等価回路図データ、モータケーブル抵
抗、IGBT オン状態の電圧および IGBT ロックアウト時間が評価できるからです。 この
ため、ステータ抵抗は、センサレスベクトル制御の安定性、または、V/f 曲線の電圧ブ
ーストのために非常に重要です。 電力ケーブルが長い場合や他社製モータが使用され
る場合、モータデータ定数測定は必要不可欠です。 初回のモータデータ定数測定の起
動時に、銘板上のデータに基づく p1910 により以下のデータが決定されます。
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
193
ベクトル制御
4.14 モータ定数測定と回転測定
表 4- 2
p1910 = 1
p1910 を使用して決定されたデータ
インダクションモータ
永久磁石式同期モータ
• ステータ抵抗 (p0350)
• ステータ抵抗 (p0350)
• ロータ抵抗 (p0354)
• ステータ抵抗 q 軸 (p0356)
• ステータ漏れインダクタンス (p0356)
• ステータインダクタンス d 軸
(p0357)
• ロータ漏れインダクタンス (p0358)
• インバータバルブスレッシホールド
• 励磁インダクタンス (p0360)
• インバータバルブスレッシホールド電圧
(p1825)
• インバータバルブインターロック時間
電圧 (p1825)
• インバータバルブインターロック時
間 (p1828 ... p1830)
(p1828 ... p1830)
p1910 = 3
• 飽和特性 (p0362 ... p0366)
推奨されません
注記:
エンコーダ調整が完了すると、エンコー
ダのゼロマークを決定するためにモータ
が自動的におよそ 1 回転します。
銘板上のデータには定数測定用の初期値が含まれているので、上記データが決定できる
ように (結線方法 (スター/デルタ) を考慮して) 正確で矛盾しないデータを入力しなけれ
ばなりません。
停止定数測定 (p1910) の前にモータ電力ケーブル抵抗 (p0352) を入力し、ステータ抵抗
が計算される (p0350) 時に測定抵抗の合計から減算できるようにすることが推奨されま
す。
ケーブル抵抗を入力することで、特に、長い電力ケーブルが使用される場合に、熱的抵
抗補正の精度が向上します。 これにより、特に、エンコーダレスベクトル制御中に、
低速での動作が制限されます。
194
ドライブ機能
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ベクトル制御
4.14 モータ定数測定と回転測定
኿ዙኜ኿ንዂዙወ
S
኎ዙኳወርቫቖ
䦃⒦ኁዐኝኌኜዐኖ
S
S>0@
S>0@
5 ኎ዙኳወ/ 䦃⒦
&
図 4-20
኎ዙኳወ
኿ዙኜ
S>0@
S>0@
56
S>0@
/ ˰5
/ ˰6
S>0@
/
S>0@
55
0
インダクションモータおよびケーブルの等価回路図
出力フィルタ (p0230 を参照) または直列インダクタンス (p0353) が使用される場合、
停止定数測定が実行される前に、このデータも入力しておかなければなりません。
インダクタンス値は、この時、漏れ測定値の合計から減算されます。 サインフィルタ
では、ステータ抵抗、バルブスレッシホールド電圧およびバルブインターロック時間の
みが測定されます。
注記
モータ公称インピーダンスが 35% ~ 40% 以上拡散すると、速度制御および電流制御の
ダイナミック応答が電圧リミットおよび弱め界磁モードまで制限されます。
注記
停止定数測定は、モータが常温の際に行う必要があります。 p0625 に、定数測定中に
推定されるモータ周囲温度を入力します (KTY センサで: p0600、p0601 を設定し、
r0035 を読み取ります)。 これが熱的モータモデルおよび熱的 RS/RR 補正の基準点とな
ります。
等価回路図データに加え、モータデータ定数測定 (p1910 = 3) は、インダクションモー
タの励磁特性を決定するために使用することができます。 高精度により、可能な場合
には、回転定数測定中に励磁特性を決定してください (エンコーダなし: p1960 = 1、3;
エンコーダ付き: p1960 = 2、4)。 ドライブが弱め界磁領域で運転されている場合、特
にベクトル制御用にこの特性を決定してください。 励磁特性を使用すると、弱め界磁
の範囲で磁界生成電流をより高い制度で計算することができます。これにより、トルク
精度を高めることができます。
ドライブ機能
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195
ベクトル制御
4.14 モータ定数測定と回転測定
注記
停止定数測定 (p1910) と比較すると、インダクションモータの場合、回転定数測定
(p1960) の方が定格励磁電流および飽和特性をより正確に決定することができます。
䭐㧮 >@
S
S
S
S
,w>@ 図 4-21
S S S
S
,w>@
,w>$@
U
, ˩ ╀䭐䔈㊶
励磁特性
注記
新しいコントローラを恒久的に設定するためには、そのデータを不揮発性メモリに保存
しなければなりません。
モータデータ定数測定シーケンス
●
p1910 > 0 を入力します。アラーム A07991 が表示されます。
●
モータ定数測定は、次回モータのスイッチが「入」にされた時に開始されます。
●
p1910 が「0」にリセットされる (正常な定数測定) か、故障 F07990 が出力されま
す。
●
196
r0047 に定数測定の現在のステータスが表示されます。
ドライブ機能
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ベクトル制御
4.14 モータ定数測定と回転測定
回転定数測定 (p1960)
p1960 または p1900 = 1 で回転定数測定を有効にすることができます。
回転定数測定の主な相違点は速度制御最適化です。これにより、ドライブの慣性モーメ
ントが確認され、速度コントローラが設定されます。 更に、インダクションモータの
飽和特性および定格励磁電流が測定されます。
p1965 の速度設定を使った回転定数測定が実行されない場合、測定開始前に、このパラ
メータを変更することができます。 高速が推奨されます。
そのために飽和特性を決定し、エンコーダ試験を実行する p1961 の速度の場合にも同
じことが適用されます。
速度コントローラは、ダイナミック係数 p1967 に準拠して最適な左右対象となるよう
に設定されます。p1967 は、最適化を実行する前に設定しなければならず、コントロー
ラパラメータの計算にのみ影響します。
測定中に、指定されたダイナミック係数でドライブが安定した動作ができない、または、
トルクリップルが大きすぎることが明らかになる場合、ダイナミック応答は自動的に低
減され、r1968 に表示されます。 この時、すべての範囲を通じてドライブが安定してい
ることを確認しなければなりません。 必要に応じて、ダイナミック応答を低減するか、
速度コントローラの Kp/Tn 補正をそれに応じてパラメータ設定しなければならない場
合があります。
インダクションモータの試運転の場合、以下の手順で進めてください:
●
負荷を接続する前に、完全な「回転定数測定」 (エンコーダなし:
p1960 = 1 ; エンコーダ付き : p1960 = 2) を実行してください。 インダクションモー
タがアイドリング中であるため、飽和特性および定格励磁電流に関する非常に正確
な結果を想定することができます。
●
負荷が接続されている場合、慣性負荷の合計が変化するので、速度コントローラの
最適化を繰り返してください。 これは、パラメータ p1960 を選択することで実行
されます (エンコーダなし: p1960 = 3; エンコーダ付き: p1960 = 4)。
飽和特性の記録は、速度最適化の実行中にパラメータ p1959 で自動的に無効にされ
ます。
永久磁石式同期モータを負荷に接続して試運転する場合、速度コントローラを最適化す
るようにしてください (p1960 = 2/4)。
ドライブ機能
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197
ベクトル制御
4.14 モータ定数測定と回転測定
回転定数測定 (p1960 > 0):シーケンス
イネーブル信号が設定され、p1959 および p1960 の設定に従って電源投入コマンドが
発行されると、以下の測定が実行されます。
●
エンコーダ試験
速度エンコーダが使用される場合、回転方向およびパルス数が確認されます。
●
インダクションモータの場合のみ:
– 飽和特性の測定 (p0362 ~ p0369)
– 励磁電流の測定 (p0320) およびオフセット補正のためのインバータのオフセット
電源の決定
– インダクションモータの場合、漏れインダクタンスの飽和測定および電流コント
ローラ補正の設定 (p0391 ~ p0393)
1LA1 および 1LA8 モータの場合、これが自動的に有効になります (p0300 = 11、
18) (p1959.5 を参照)。
●
速度コントローラ最適化
– p1470 および p1472、p1960 = 1 の場合 (エンコーダなし運転)
– p1460 および p1462、p1960 = 2 の場合 (エンコーダ付き運転)
– Kp 補正電源遮断
●
加速プリコントロールの設定 (p1496)
●
慣性モーメントの合計とモータの慣性モーメントの合計との比率 (p0342)
注記
新しいコントローラを恒久的に設定するためには、そのデータを不揮発性メモリに保存
しなければなりません。
危険
速度コントローラ最適化の実行中、ドライブは最大モータ速度に到達可能なモータ動
作をトリガします。 試運転中、非常停止機能は必ず完全に運転できる状態でなければ
なりません。 機械装置および人を保護するために、関連する安全規則が必ず遵守され
なければなりません。
注記
速度コントローラの最適化がエンコーダ付き運転で使用されると、閉ループ制御動作モ
ードは自動的にエンコーダなし閉ループ速度制御にリセットされ、これによりエンコー
ダ試験が実行できます。
198
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
ベクトル制御
4.14 モータ定数測定と回転測定
主要パラメータ一覧 (『SINAMICS S120/S150 リストマニュアル』を参照)
●
r0047 モータデータ定数測定ルーチンおよび速度コントローラ最適化
●
p1300[0...n] 開ループ/閉ループ制御運転モード
●
p1900 モータデータ定数測定および回転定数測定
●
r3925[0...n] 定数測定
●
r3927[0...n] モータ定数測定、インダクションモータデータ決定済
●
r3928[0...n] 回転定数測定コンフィグレーション
最終表示
回転定数測定
●
p0391[0...n] 電流コントローラ補正
開始点 Kp
●
p0392[0...n] 電流コントローラ補正開始点 KP 補正済
●
p0393[0...n] 電流コントローラ補正 P ゲインスケーリング
●
p1959[0...n] 回転定数測定コンフィグレーション
●
p1960 回転定数測定の選択
●
p1961 計算のための飽和特性測定
●
p1965 Speed_ctrl_opt 速度
●
p1967 Seed_ctrl_opt ダイナミック係数
●
r1968 Speed_ctrl_opt 実際のダイナミック係数
●
r1969 Speed_ctrl_opt 慣性モーメント決定済
●
r1973 回転定数測定
●
p1980[0...n] PolID 方式
●
p1990 エンコーダ調整転流角度オフセットを決定します
エンコーダ試験
パルス数決定済
静止モータ定数測定
●
p1909[0...n] モータデータ定数測定コントロールワード
●
p1910 モータデータ定数測定の選択
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
199
ベクトル制御
4.15 効率オートチューニング
4.15
効率オートチューニング
説明
p1580 を使用して効率を最適化する場合、以下が使用可能になります:
●
部分負荷範囲でのモータ損失を軽減します
●
モータノイズが最小限にされます
˓ VHW
S
S
S[
S[
, TVHW
S[U S[U U
図 4-22
効果の最適化
速度コントローラのダイナミック応答要件が小さい場合 (例:ポンプやファンアプリケ
ーション) のみ、この機能を有効にすることに意味があります。
p1580 = 100% の場合、無負荷運転時のモータの磁束は設定値の半分に減少します (基
準磁束) (p1570/2). 負荷がドライブに接続されるとすぐに、設定値 (基準) 磁束は線的に
負荷とともに増加し、約 r0077 = r0331 * p1570 で設定値セット p1570 に到達します。
弱め界磁領域では、最終値が弱め界磁の実際の程度に応じて低減されます。 平滑化時
間 (p1582) を約 100 ~ 200 ms に設定するようにしてください。磁束微分 (p1401.1 も
参照) は自動的に以下の励磁により内部的に無効にされます。
ファンクションダイアグラム (『SINAMICS S120/S150 リストマニュアル』を参照)
●
6722 弱め界磁特性、Id 設定値 (ASM、p0300 = 1)
●
6723 弱め界磁コントローラ、インダクションモータ用磁束コントローラ
(p0300 = 1)
200
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
ベクトル制御
4.16 インダクションモータのためのクイック励磁
主要パラメータ一覧 (『SINAMICS S120/S150 リストマニュアル』を参照)
4.16
●
r0077 CO: 電流設定値、トルク生成
●
r0331 モータ励磁電流/短絡電流 (実績)
●
p1570 CO: 磁束設定値
●
p1580 効率は最適化されています
インダクションモータのためのクイック励磁
説明
「インダクションモータのクイック励磁」機能のためのアプリケーション例:
クレーンアプリケーションでは、しばしば、インバータが異なるモータに交互に切り替
えられます。 別のモータへの切り替え後に、インバータに新しいデータセットをロー
ドし、モータを励磁しなければなりません。 これにより過剰な待機時間が発生する場
合がありますが、クイック励磁で待機時間を大幅に短縮できます。
特徴
●
閉ループベクトル制御でのインダクションモータ用アプリケーション。
●
電流リミットでの磁界生成電流の挿入により高速磁束が生成され、
結果的に磁化時間の大幅な短縮が行われます。
●
「速度サーチ」機能は、パラメータ p0346 (励磁時間) で動作を継続します。
●
サーボドライブの場合と同じように、励磁はブレーキコンフィグレーション
(p1215) に依存しません。
試運転
クイック励磁を有効にするために、パラメータ p1401.6 = 1 (磁束制御コンフィグレー
ション) を設定します。
この設定により、モータ起動中に以下のシーケンスが開始されます:
●
磁界を発生させる電流設定値は、そのリミット値まで急上昇します: 0.9 * r0067
(Imax)。
●
磁束は、指定された電流で物理的にできる限り高速で増加します。
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
201
ベクトル制御
4.16 インダクションモータのためのクイック励磁
●
磁束設定値 r0083 がこれに応じて設定されます。
●
p1573 でプログラムされた磁束スレッシホールド値に到達すると直ちに (最小: 10%、
最大 200%、出荷時設定 100%)、励磁が終了し、速度設定値が有効になります。 励
磁の間はトルク生成電流が制限されるため、磁束スレッシホールド値が大きな負荷
に対して小さくなりすぎないように設定しなければなりません。
注記
パラメータ p1573 で設定される磁束スレッシホールド値は、p0346 で設定された時間
前に、励磁の間の実際の磁束が p1573 でプログラムされた値に到達する場合にのみ有
効になります。
●
p1570 の磁束設定値に到達するまで、磁束は更に増加します。
●
磁界生成電流設定値は、P ゲイン (p1590) およびパラメータ設定された平滑化係数
(p1616) での磁束コントローラにより低減されます。
QVHW
˓VHW,
,PD[ [U
˓ U U
S
S
QVHW
QVHWU
図 4-23
202
S
W
クイック励磁特性
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
ベクトル制御
4.16 インダクションモータのためのクイック励磁
注記
クイック励磁が選択されると (p1401.6 = 1)、スムーズな起動が内部的に無効になり、
アラーム A07416 が表示されます。
ステータ抵抗の定数測定機能が有効な場合 (p0621 「再起動後のステータ抵抗の定数測
定」を参照)、クイック励磁が内部的に無効となり、アラーム A07416 が表示されます。
このパラメータは、「速度サーチ」機能 (p1200 を参照) と併用される場合には機能し
ません。つまり、速度サーチはクイック励磁を伴わず実行されます。
アラームおよび故障
磁束コントローラコンフィグレーション
パラメータ p1401 (磁束コントローラコンフィグレーション) および p0621 (再起動後の
ステータ抵抗の定数測定) により制御される機能が有効である場合、システムは互換性
のない機能が選択されていないかどうかを確認します。 これが当てはまる場合、コン
フィグレーションパラメータ p0621 または p1401 などの互換性のないパラメータ番号
と共に、アラーム A07416 が表示されます。
これらはデータセットに依存するパラメータ (p1401 は DDS に依存、p0621 は MDS
に依存) であるため、データセット数もアラーム値で指定されます。
磁束制御コンフィグレーション (p1401) 設定に一貫性はありません。
故障コード:
1 = クイック励磁 (p1401.6) およびスムーズ起動 (p1401.0)
2 = クイック励磁 (p1401.6) および磁束生成制御 (p1401.2)
再起動 (p0621 = 2) 後、3 = クイック励磁 (p1401.6) および Rs 定数測定 (ステータ抵抗
定数測定)
解決策:
●
故障原因 = 1 に関して:
– スムーズ起動を無効にします: p1401.0 = 0
– クイック励磁を無効にします: p1401.6 = 0
●
故障原因 = 2 に関して:
– 磁束生成制御を無効にします:p1401.2 = 0
– クイック励磁を無効にします: p1401.6 = 0
●
故障原因 = 3 に関して:
– Rs 定数測定パラメータ設定を変更します: p0621 = 0、1
– クイック励磁を無効にします: p1401.6 = 0
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
203
ベクトル制御
4.16 インダクションモータのためのクイック励磁
磁束コントローラ出力制限
電流リミット p0640[D] が非常に低く設定されている場合 (p0320[M] の定格励磁電流値
未満)、パラメータ設定された磁束設定値 p1570 [D] に全く到達しない場合があります。
p0346 の時間 (励磁時間) を超過すると、直ちに故障 F07411 が出力されます。 一般的
に、励磁時間は、クイック励磁に関連した磁束生成時間よりも大幅に長くなります。
応答: OFF2
確認 : 即時
原因:
コンフィグレーションされたクイック励磁 (p1401.6 = 1) では、電流設定値 = 最大電流
の 90 % でも、指定された磁束設定値には到達しません。
●
モータデータが正しくありません。
●
モータデータとモータ結線のタイプ (スター/デルタ) が一致していません。
●
p0640 での電流リミットが対象のモータには低すぎる設定になっています。
●
I2t リミットでのインダクションモータ (エンコーダなし、開ループ制御)
●
モータモジュール定格が低すぎます。
解決策:
●
モータデータを補正します。
●
モータ結線のタイプを確認します。
●
電流リミットを補正してください (p0640、p0323)。
●
インダクションモータの負荷を低減します。
●
必要に応じて、より大きなモータモジュールを使用します。
●
モータ電源ケーブルを確認します。
ファンクションダイアグラム (『SINAMICS S120/S150 リストマニュアル』を参照)
204
●
6491 磁束制御コンフィグレーション
●
6722 弱め界磁特性、Id 設定値 (ASM、p0300 = 1)
●
6723 弱め界磁コントローラ、磁束コントローラ (ASM、p0300 = 1)
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
ベクトル制御
4.17 誘導電動機(ASM)の試運転説明
主要パラメータ一覧 (『SINAMICS S120/S150 リストマニュアル』を参照)
4.17
●
p0320 [0...n] モータ定格励磁電流/短絡電流
●
p0346 モータ励磁生成時間
●
p0621[0...n] 再起動後のステータ抵抗の定数測定
●
p0640[0...n] 電流リミット
●
p1401[0...n] 磁束制御コンフィグレーション
●
p1570[0...n] CO: 磁束設定値
●
p1573[0...n] 磁束スレッシホールド値 励磁
●
p1590[0...n] 磁束コントローラ P ゲイン
●
p1616[0...n] 電流設定値平滑化時間
誘導電動機(ASM)の試運転説明
インダクションモータおよびケーブルの等価回路図
኿ዙኜ኿ንዂዙወ
S
኎ዙኳወርቫቖ
䦃⒦ኁዐኝኌኜዐኖ
S
S>0@
S>0@
5 ኎ዙኳወ/ 䦃⒦
&
図 4-24
኎ዙኳወ
኿ዙኜ
S>0@
S>0@
56
S>0@
/ ˰5
/ ˰6
S>0@
/
S>0@
55
0
インダクションモータおよびケーブルの等価回路図
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
205
ベクトル制御
4.17 誘導電動機(ASM)の試運転説明
インダクションモータ、回転式
試運転段階で、STARTER に以下のパラメータを入力することができます。
表 4- 3
モータデータ銘板
パラメータ
p0304
説明
備考
モータ定格電圧
この値が不明である場合、「0」
も入力することができます。 こ
の値を使用して、ステータの漏れ
インダクタンスをより正確に計算
することができます (p0356、
p0357)。
p0305
モータ定格電流
-
p0307
モータ定格出力
-
p0308
モータ定格出力係数
-
p0310
モータ定格周波数
-
p0311
モータ定格速度
-
p0335
モータの冷却方式
-
以下のパラメータをオプションで入力することができます。
表 4- 4
オプションモータデータ
パラメータ
説明
備考
p0320
モータ定格励磁電流 / 短絡電流
-
p0322
最大モータ速度
-
p0341
モータの慣性モーメント
-
p0342
慣性モーメントの合計とモータ慣 性モーメントの合計との比
p0344
206
モータ重量
-
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
ベクトル制御
4.17 誘導電動機(ASM)の試運転説明
パラメータ
p0352
説明
ケーブル抵抗 (ステータ抵抗のコ
備考
• エンコーダなしのベクトル制
御 (SLVC) の場合は特に、こ
ンポーネント)
のパラメータは、低速時の閉
ループ制御の質に大きな影響
を及ぼします。
• このパラメータは、速度サー
チ操作モードの補正機能に必
要です。
p0353
表 4- 5
モータ直列インダクタンス
-
モータデータの等価回路図
パラメータ
説明
備考
p0350
モータステータ抵抗、常温
-
p0354
モータロータ抵抗、常温
-
p0356
モータステータインダクタンス
-
p0358
モータロータ漏れインダクタンス -
p0360
モータ励磁インダクタンス
-
特徴
●
約 1.2 x 定格速度までの弱め界磁 (これはインバータの電源電圧およびモータデータ
に依存します。補足条件も参照)。
●
速度サーチ
●
ベクトル閉ループ速度およびトルク制御
●
ベクトル V/f 制御
●
モータ定数測定
●
速度コントローラの最適化 (回転測定)
●
温度センサによる熱的保護 (PTC/KTY)
●
SMC10、SMC20 または SMC30 に接続可能なエンコーダは全てサポートされてい
ます。
●
コンコーダ付き/なし運転が可能です。
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
207
ベクトル制御
4.18 永久磁石同期電動機の試運転説明
補足条件
端子電圧および負荷サイクルに依存する最大トルクは、モータデータシート / プロジェ
クト説明書から入手できます。
試運転
試運転時には以下を推奨します。
●
STARTER の試運転ウィザード
STARTER の試運転ウィザードからモータ定数測定ルーチンおよび「回転測定」
(p1900) を有効にできます。
●
モータ定数測定 (停止 (静的) 定数測定 (p1910))
●
回転測定 (p1960)
オプションモータデータがわかっている場合は、それを入力することができます。 そ
うでなければ、銘板データを使って推定するか、モータ定数測定ルーチンまたは速度コ
ントローラ最適化を使用して決定します。
4.18
永久磁石同期電動機の試運転説明
同期モータおよびケーブルの等価回路図
኿ዙኜ኿ንዂዙወ
S
S
኎ዙኳወ
S>0@
5
኎ዙኳወ
኿ዙኜ
S>0@
5
S>0@ S>0@ S>0@
/T
/G
N7
6
&኎ዙኳወ
図 4-25
208
同期モータおよびケーブルの等価回路図
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
ベクトル制御
4.18 永久磁石同期電動機の試運転説明
永久磁石式同期モータ、回転式
エンコーダ付き/なし永久磁石式同期モータがサポートされています。
以下のエンコーダがサポートされています:
●
位置情報付きエンコーダ (例: CD トラックや基準信号なし)
●
位置情報なしエンコーダ
エンコーダなし / 位置情報なしのエンコーダ付き運転では、磁極位置検出を実行しなけ
ればなりません (詳細に関しては「磁極位置検出」章を参照)。
代表的なアプリケーションには、低速時の高トルクを特徴とするトルクモータを備える
ダイレクトドライブが含まれます。 これらのドライブが使用される場合、アプリケー
ションで可能な場合には、ギアユニットおよび磨耗する機械パーツなしで実行できる場
合があります。
温度センサ (KTY/PTC) を使用して、温度保護を実装できます。 高精度トルクを実現す
るために、KTY 温度センサの使用が推奨されます。
表 4- 6
モータデータ
パラメータ
p0304
説明
備考
モータ定格電圧
この値が不明である場合、「0」も入力す
ることができます。 この値を使用して、
ステータの漏れインダクタンスをより正確
に計算することができます (p0356、
p0357)。
p0305
モータ定格電流
-
p0307
モータ定格出力
-
p0310
モータ定格周波数
-
p0311
モータ定格速度
-
トルク定数 kT が銘板に刻印されていない、または、データシートで指定されていない
場合、モータ定格データ (index n) または停動電流 Io および停動トルク Mo を以下のよ
うに計算することができます。
N7 =
01
31
=
,1
PLQ
π.
Q .,
1 1
RU
N7 =
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
0R
,R
209
ベクトル制御
4.18 永久磁石同期電動機の試運転説明
表 4- 7
オプションデータ
パラメータ
説明
備考
p0314
モータ極対数
-
p0316
モータトルク定数
-
p0320
モータ定格励磁電流/短絡電流 これは、弱め界磁で使用されま
す。
p0322
最大モータ速度
最大機械的速度
p0323
モータ最大電流
消磁保護
p0325
モータ極位置情報
-
p0327
最適モータ負荷角度
-
p0328
PE スピンドル、リラクタン
-
ストルク定数
p0329
モータ磁極位置検出電流
-
p0341
モータの慣性モーメント
速度コントローラプリコントロー
ル用
p0342
慣性モーメントの合計と
-
モータ慣性モーメントの合計
との比率
表 4- 8
モータデータの等価回路図
パラメータ
説明
備考
p0350
モータステータ抵抗、常温
-
p0356
モータステータインダクタン
-
ス
p0357
モータステータインダクタン
-
ス、d 軸
警告
モータの回転が始まると同時に電圧が生成されます。 インバータ駆動の場合、モータ
を安全に切り離さなければなりません。 不可能な場合には、モータを保持ブレーキな
どで固定しなければなりません。
210
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
ベクトル制御
4.18 永久磁石同期電動機の試運転説明
特徴
●
約 1.2 x 定格速度までの弱め界磁 (これはインバータの電源電圧およびモータデータ
に依存します。補足条件も参照)
●
瞬停再始動 (エンコーダなし運転の場合、追加 VSM を併用する場合のみ可能)
●
ベクトル閉ループ速度およびトルク制御
●
診断用ベクトル V/f 制御
●
モータ定数測定
●
自動回転エンコーダ調整 (エンコーダのゼロ位置がキャリブレーションされます)
●
速度コントローラの最適化 (回転定数測定)
●
温度センサによる熱的保護 (PTC/KTY)
●
SMC10、SMC20 または SMC30 に接続可能なエンコーダは全てサポートされてい
ます。
●
コンコーダ付き/なし運転が可能です。
●
最大速度または最大トルクは、使用可能なインバータ出力電圧およびモータの EMF
補足条件
に依存します (計算指定: EMF は、インバータの Urated を超えてはいけません)。
●
最大速度の計算:
9'&OLP ຘ , 1
ຘ
31
QPD[ = Q 1 ຘ
RU
QPD[ =
V 9'&OLP
ຘ
ຘ
PLQ π ຘ N 7
図 4-26
9'&OLP 9GHYLFHV9
9GHYLFHV9
9GHYLFHV9
ベクトル最大速度の公式
計算 kT 「試運転」を参照。
注記
インバータのパルスブロックが生じる場合 (故障または OFF2)、同期モータは弱め界磁
領域で高い端子電圧を生成する場合があります。このため、DC リンクに過電圧が生じ
る場合があります。 過電圧によるドライブシステムの破損を防止するための方法は、
以下の通りです:
1. 最大速度 (p1082) の制限 (p0643 = 0)
2. 外部電圧リミッタ、ブレーキチョッパまたはアプリケーションに適切なその他の対
策。
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
211
ベクトル制御
4.18 永久磁石同期電動機の試運転説明
注意
p0643 = 1 では、十分かつ適切な過電圧保護が行われていることが確認されなければ
なりません。 必要に応じて、システム側で予防措置を講じてください。
●
端子電圧および負荷サイクルに依存する最大トルクは、モータデータシート/プロジ
ェクト設計書から入手できます。
試運転
試運転時には以下を推奨します:
●
STARTER の試運転ウィザード
STARTER の試運転ウィザードを使用してドライブの試運転を行う場合、モータ定
数測定ルーチンおよび「回転定数測定」 (p1900) を有効にできます。 エンコーダ調
整 (p1990) は、モータ定数測定ルーチンと共に自動的に有効化されます。
●
モータ定数測定 (停止 (静的) 定数測定 (p1910))
●
エンコーダ調整 (p1990)
警告
初回の試運転調整時およびエンコーダ交換時には、エンコーダの調整が必要です
(p1990)。
●
回転定数測定 (p1960)
試運転段階で、STARTER に以下のパラメータを入力することができます:
オプションモータデータがわかっている場合は、それを入力することができます。 そ
うでなければ、銘板データを使って推定するか、モータ定数測定ルーチンまたは速度コ
ントローラ最適化を使用して決定します。
4.18.1
運転中のエンコーダ調整
この機能は、ベクトル制御モードで運転中の永久磁石式同期モータに対してのみ使用可
能です。 運転中に交換されたエンコーダを再調整するために、この機能を使用できま
す。 エンコーダは、モータ (システム) 内で調整できます。 調整は、負荷に接続され
ている場合にも可能です。
新しいエンコーダの調整
エンコーダを取り付けた後、パラメータ p1990 を 3 (エンコーダ調整) を設定します。
エンコーダ調整は、自動的に、次回システムのスイッチが「入」される時に開始されま
す; シーケンスは磁極位置検出で開始されます。 調整が完了した後、p1990 = 0 および
212
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
ベクトル制御
4.18 永久磁石同期電動機の試運転説明
パルスブロックが設定されます。 決定された転流角オフセットは、p0431 へ入力され
ます。 これで定数測定が完了し、その結果は RAM に保存されます。
エンコーダモジュールはエンコーダパルスおよびゼロマークの一貫性を確認します。
この手順で、電気的に約 ±15° の精度を実現することができます。 この精度は、最大
95% 定格トルクでの始動に十分です。 これよりも高い始動トルクの場合、精密なキャ
リブレーション/調整が必要とされます。
モータが 2 回転した後に、ゼロマークが検出されなかった場合、ドライブのスイッチが
故障 F07970 で切られます。
㠿ሺሧ
嵎㠃ትS ቊ指㔭
ቿ዆ዙኽት岼⸩
ኅዐነዙኝ嵎㠃指㔭䂗
ኮወኖኁኪዙኳወት㈔㳮
ኇ኷ዉዙኜሯኮወኖኁኪዙኳወት䤉嫛
䭐㰄⇜函㮫⒉
ኇኲኘአእት㼉⸩
ኅዐነዙኝ቎ቒኙዊኻዙ
ኌሯሥቭቡሼሯᇬ
ኙዊኻዙኌቑ⇜函ቒ
ₜ㢝ቊሼ
ሥቭ
ቿ዆ዙኽት岼⸩
ኇ኷ዉዙኜ቎⺍ሺ቉ᇬ
㘴ቆ቉⇜函ት䞷ሧቂኦ዆ኁኳቑ怆╤ት尐㻑
ኇ኷ዉዙኜሯ岼⸩⊳ት⏴┪
ኦ዆ኁኳቒኇኲኘአእቊእ዆ክዙኖ
ቍሺ
ሥቭ
ኮወኖኳዊአኌ
ቿ዆ዙኽቑ∎䞷
ኙዊኻዙኌቑ⇜函ት
㼉⸩
Sት
ኇኲኘአእቋኙዊኻዙኌቑ⇜函ሮቬ岗並
Sቛቑ㦇ሰ手ቢ
S ቑ⫃⚗
䂻⸩ቑ指㔭屲棳
S 図 4-27
エンコーダの調整シーケンス
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
213
ベクトル制御
4.18 永久磁石同期電動機の試運転説明
微調整
●
p1905 = 90 で回転中のモータの微調整を始めます。この定数測定には約 1 分かかり
ます。 エンコーダの微調整の実際の段階は、アラーム A07976 を使用して表示され
ます。 測定中、エンコーダと EMF モデルの差が決定されます。 微調整は、無負荷
運転 (アイドリング運転) 中にも実行することができます。
注意
回転定数測定
回転定数測定中、モータ速度は定格速度の 40% を越えなければなりません。 トルク
は、定格トルクの半分未満のままでなければなりません。
●
測定終了時、p1905 は 0 に設定されます。追加のアラームは、オペレータに対して、
p0431 からの結果が次回のパルスブロック時に RAM に書き込まれることを通知し
ます。
注記
RAM to ROM
新しい値をバックアップするには、調整後に「RAM to ROM」 を実行します。
システム/機械装置の始動時にモータがマテリアルウェブ結合によりモータグループの
他のモータにより駆動される場合も、調整結果は有効です。 エンコーダを正しく評価
することで、コントロールユニットは、磁極位置とモータ速度を特定します。
注記
1FW4 永久磁石式同期モータ
1FW4 モータは、この機能での運転に最適化されています。 試運転ツール STARTER
で試運転を行う場合、全ての必要とされるデータはコントロールユニットに自動的に伝
送されます。 (『SINAMICS S120 試運転マニュアル』も参照)
4.18.2
自動エンコーダ調整
説明
同期モータの極回転型の閉ループ制御には、極回転位置情報に関する情報が必要です。
自動エンコーダ調整は、以下の条件で使用されなければなりません:
214
●
極回転位置エンコーダが機械的に調整されていません
●
モータエンコーダ交換後
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
ベクトル制御
4.18 永久磁石同期電動機の試運転説明
自動エンコーダ調整は、絶対位置情報および/またはゼロマーク付きエンコーダにのみ
意味があります。 以下のエンコーダがサポートされています:
●
sin/cos エンコーダ (A/B、R トラック付き、A/B、C/D、R トラック付き)
●
レゾルバ
●
絶対値エンコーダ (例: EnDat、DRIVE-CLiQ エンコーダ、SSI)
●
ゼロマーク付きインクリメンタルエンコーダ
ゼロマークを使用したエンコーダの調整
ゼロマーク付きインクリメンタルエンコーダが使用されている場合、ゼロマークの通過
後にゼロマークの位置をキャリブレーションすることができます。 ゼロマーク付き転
流は p0404.15 で有効にします。
エンコーダの試運転
自動エンコーダ調整は p1990 = 1 で有効になります。次回パルスが有効になると、定数
測定が実行され、決定された角度差 (p1984) が p0431 に入力されます。 p1990 = 2 の
場合、決定された角度差 (p1984) は p0431 には入力されず、閉ループモータ制御に影
響しません。 この機能を使用して、p0431 に入力された角度差を確認することができ
ます。 慣性モーメントが高すぎる場合、p1999 によりランタイムをより大きくスケー
リングすることができます。
警告
この定数測定によりモータが回転します。 モータは少なくとも 1 回転します。
主要パラメータ一覧 (『SINAMICS S120/S150 リストマニュアル』を参照)
●
p0404.15 エンコーダコンフィグレーション有効、ゼロマーク転流
●
p0431[0...n] 転流角度オフセット
●
p1990 エンコーダ調整の選択
●
p1999[0...n] 転流角度オフセットキャリブレーションおよび PollD スケーリング
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
215
ベクトル制御
4.18 永久磁石同期電動機の試運転説明
4.18.3
極位置オートチューニング
磁極位置検出ルーチンは、起動時のロータ位置を決定するために使用されます。 磁極
位置情報が利用できない場合、磁極位置検出が必要です。 インクリメンタルエンコー
ダの使用時やエンコーダなし運転を行う場合には、磁極位置検出が自動的に開始されま
す。 エンコーダ付き運転では p1982 = 「1」で、エンコーダなし運転では p1780.6 =
「1」で、磁極位置検出を開始することができます。
可能な場合には、接続を切り離した状態で磁極位置検出を実行してください。 大きな
慣性モーメントが存在せず、摩擦も無視できる場合にのみ、定数測定を接続したままの
状態で実行することもできます。
大きな慣性モーメントが存在し、摩擦が無視できる場合、速度エンコーダのダイナミッ
ク応答を p1999 を大きくすることで慣性モーメントに合わせることができます。
高い摩擦トルクまたは負荷がかかっている場合、調整は接続を切り離した状態でのみ可
能です。
4 点磁極位置検出方式を選択することができます:
●
p1980 = 1、電圧パルス、一次高調波
この方式は、十分な鉄飽和が実現される場合、磁気的に等方性モータにも有効です。
●
p1980 = 4、電圧パルス、2 段階
この方式は、磁気的に異方性モータで機能します。 測定中、モータは停止状態であ
る必要があります。 次回のパルス有効時に、定数測定が実行されます。
注記
このタイプの定数測定を使用すると、モータが重大なノイズを発生する場合があり
ます。
●
p1980 = 6、電圧パルス、2 段階反転
●
p1980 = 10、DC 電流印加
この方式は全てのモータで機能します。しかし、p1980 = 4 を使用して選択される測
定よりも時間がかかります。測定中、モータは回転可能な状態でなければなりませ
ん。 次回のパルス有効時に、定数測定が実行されます。 慣性モーメントが高すぎる
場合、p1999 によりランタイムをより大きくスケーリングすることができます。
警告
この測定により、最大で半回転のモータの回転または動作が電気的にトリガされる
場合があります。
216
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
ベクトル制御
4.18 永久磁石同期電動機の試運転説明
主要パラメータ一覧 (『SINAMICS S120/S150 リストマニュアル』を参照)
4.18.4
●
p0325 モータ磁極位置検出電流 1 次位相
●
p0329 モータ磁極位置検出電流
●
p1780.6 磁極位置検出 PEM エンコーダなし選択
●
p1980 磁極位置検出方式
●
p1982 磁極位置検出方式
●
r1984 磁極位置検出角度差
●
r1985 磁極位置検出飽和曲線
●
r1987 磁極位置検出トリガ曲線
●
p1999 転流角オフセットキャリブレーション、スケーリング
ファンクションダイアグラムおよびパラメータ
主要パラメータ一覧 (『SINAMICS S120/S150 リストマニュアル』を参照)
●
p0300[0...n] モータタイプの選択
●
p0301[0...n] モータコード番号の選択
●
p0304[0...n] モータ定格電圧
●
p0305[0...n] モータ定格電流
●
p0307[0...n] モータ定格出力
●
p0311[0...n] モータ定格速度
●
p0312[0...n] モータ定格トルク
●
p0314[0...n] モータ極対数
●
p0322 最大モータ速度
●
p0323 最大モータ電流
●
p0324 最大巻線速度
●
p0431[0...n] 転流角度オフセット
●
p1905 パラメータチューニング選定
●
p1990 エンコーダ調整転流角度オフセットを決定します
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
217
ベクトル制御
4.19 他励式同期電動機を試運転するための指示
4.19
他励式同期電動機を試運転するための指示
注記
他励式同期モータ
他励式同期モータの試運転をお望みの場合は、シーメンスのテクニカルサポートにお問
合わせください。
4.20
フライング再起動
説明
電源投入後、「瞬停再始動」機能により、モータモジュールが自動的にすでに回転して
いる可能性があるモータに接続されます。 この機能は運転中にエンコードなしで有効
化することができます。
「速度サーチ」機能は、電源遮断後にフリーランする負荷の場合は p1200 で有効にし
てください。 これは、機械全体での突然の負荷を防止します。
インダクションモータでは、システムが消磁時間の経過を待ってから、検索が実行され
ます。 内部消磁時間が計算されます。 時間を p0347 に入力することもできます。 こ
のシステムでは、2 つの経過時間の長い方の時間だけ待機します。
エンコーダなし運転では、最初に現時点での速度検出が行われます。 検索は、最高速
度 + 25 % で始まります。 永久磁石式同期モータには電圧検出モジュール (VSM) が必
要です (追加情報に関しては、次の説明書を参照 : 『SINAMICS S120 マニュアル コン
トロールユニット』)。
エンコーダ付き運転の場合 (速度実績値を検出)、検索段階が省略されます。
インダクションモータでは、速度決定直後に励磁が開始します (p0346)。
その後、ランプファンクションジェネレータの現在の速度設定値が現在の速度実績値に
設定されます。
最終的な速度設定値への立ち上がりは、この値から始まります。
アプリケーション例 : 復電後、速度サーチ機能により、ファンのドライブ装置を作動中
のモータファンにすぐに再接続できます。
218
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
ベクトル制御
4.20 フライング再起動
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図 4-28
速度サーチ、エンコーダなしインダクションモータの例
212))ነኻዐኦ
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図 4-29
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W
速度サーチ、エンコーダ付きインダクションモータの例
警告
速度サーチ (p1200) 機能が有効な場合、ドライブが停止状態にあり、設定値が 0 であ
るにもかかわらず、従来どおりに検出電流により加速される場合があります!
そのため、このような状況でドライブ周辺エリアに入ると、深刻な死傷事故や重大な
物損事故が発生する場合があります。
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
219
ベクトル制御
4.20 フライング再起動
注記
インダクションモータでは、速度サーチ機能がモータ端子の電源を低減させるために有
効にされる前に、消磁時間が経過しなければなりません。そうしなければ、単相短絡に
よりパルスが有効になる場合に、高い等電位化電流が発生する場合があります。
長いケーブルでエンコーダなし運転での速度サーチ
概して、ケーブル抵抗を考慮することが重要です。 ケーブル抵抗は熱的モータモデル
の計算に必要です。
モータ定数測定を実行する前に、パラメータ p0352 にケーブル抵抗を入力します。 パ
ラメータ p1203[0...n] を少なくとも 300% に設定します。 この運転では工場設定値
(100%) の場合より少し長くかかることがあります。 長いケーブルでの速度サーチは、
速度サーチアルゴリズムを変更することで最適化されます。
注記
長いケーブルでの速度サーチ
トレース記録を使用して、速度サーチ機能を確認し、最適化します。 必要に応じて、
パラメータ p1202 および p1203 の設定を最適化します。
主要パラメータ一覧 (『SINAMICS S120/S150 リストマニュアル』を参照)
220
●
p0352[0...n] ケーブル抵抗
●
p1082[0...n] 最大速度
●
p1200[0...n] 速度サーチ運転モード
●
p1202[0...n] 速度サーチ検出電流
●
p1203[0...n] 速度サーチ検出度係数
●
r1204.0...13 CO/BO : 速度サーチ、U/f 制御ステータス
●
r1205.0...15 CO/BO : 速度サーチ、ベクトル制御ステータス
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
ベクトル制御
4.21 同期制御
4.21
同期制御
前提条件
●
電源検出モジュール (VSM10) でのベクトル制御モードのドライブ
●
エンコーダなしインダクションモータ
●
ベクトル制御
●
VSM10 (p3661、r3662) でのモータ電圧実績値検出のためのコネクタ入力
●
位相差の設定 (p3809)
●
パラメータによる有効化が可能 (p3802)
特徴
説明
「同期」機能で、モータモジュールは、例えば、電源に回生するために、電源と同期さ
せることができます。 同期制御後の別の用途は、プラント施設の電源を遮断すること
なくインバータのメンテナンス作業を実行するために、電源 (バイパス) で直接モー
タを一時的に運転するために切り替えることです。
同期はパラメータ p3800 で有効にし、内部的にまたは外部的に電圧実績値検出を選択
します。 内部電圧実績値検出 (p3800 = 1) では、電動モータモデルの電圧設定値が同期
のために使用されます。 外部電圧実績値検出 (p3800 = 0) では、電源相に接続される
VSM を使用して電圧が検出されます。 電圧値は、コネクタ r3661 および r3662 で同期
に転送されなければなりません。
ファンクションダイアグラム (『SINAMICS S120/S150 リストマニュアル』を参照)
●
7020 テクノロジーファンクション - 同期
主要パラメータ一覧 (『SINAMICS S120/S150 リストマニュアル』を参照)
●
p3800[0...n] 同期ラインドライブ有効化
●
p3801[0...n] 同期ラインドライブ、ドライブオブジェクト数
●
p3802[0...n] BI: 同期ラインドライブイネーブル
●
r3803 CO/BO: 同期ラインドライブコントロールワード
●
r3804 CO: 同期ラインドライブターゲット周波数
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
221
ベクトル制御
4.22 電圧検出モジュール
4.22
●
r3805 CO: 同期ラインドライブ周波数差
●
p3806[0...n] 同期ラインドライブ周波数差スレッシホールド値
●
r3808 CO:同期ラインドライブ位相差
●
p3809[0...n] 同期ラインドライブ位相設定値
●
p3811[0...n] 同期ラインドライブ、周波数リミット
●
r3812 CO:同期ラインドライブ補正周波数
●
p3813[0...n] 同期ラインドライブ位相同期スレッシホールド値
●
r3814 CO:同期ラインドライブ電圧差
●
p3815[0...n] 同期ラインドライブ電圧差スレッシホールド値
●
r3819.0...7 CO/BO: ステータスワード、同期
電圧検出モジュール
説明
電圧検出モジュール (VSM) は、ベクトルおよび V/f 制御の以下のアプリケーションで
必要とされます:
●
同期
「同期」機能の使用により、システムは既存電源に同期されます。 例えば、同期後、
モータは直接電源 (バイパス) に切り替えられます。 プラントの電源を遮断する
ことなく、インバータのメンテナンス作業を実行できるように、電源で一時的にモ
ータを運転します。
外部電圧実績値検出 (p3800 = 1) の場合、電源側の相に接続された VSM を使用して
電圧を検出します。 電圧値は、コネクタ r3661 および r3662 で同期に転送されなけ
ればなりません。
●
速度サーチ
電源投入後、「速度サーチ速度サーチ」機能により、モータモジュールが自動的に
すでに回転している可能性があるモータに接続されます。 エンコーダレス運転では、
先ずモータ速度検出が実行されます。
この機能には、永久磁石式同期モータには電圧検出モジュール (VSM) が必要です
(追加情報に関しては、以下を参照: 『SINAMICS S マニュアル コントロールユニッ
ト』)。
222
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
ベクトル制御
4.22 電圧検出モジュール
トポロジービュー
VSM は、SINAMICS S120 ドライブのエンコーダ側で使用します。 VSM は、VECTOR
ドライブオブジェクトでセンサレス運転モードでのみ使用されます。 VSM は、モータ
エンコーダ位置のトポロジーに統合されます。
STARTER を使用した VSM の試運転
VECTOR ドライブオブジェクトの VSM は、ドライブウィザードを使用して STARTER
で選択します。 VSM はエンコーダデータセット (EDS) に割り付けられていないため、
エンコーダ側では選択できません。 現在のトポロジーから VSM のコンポーネント数を
パラメータ p0151[0,1] に入力しなければなりません。 このパラメータにより、VSM デ
ータセットが VSM 評価動作に割り付けられます。 パラメータ p0155[0...n] の 「電圧検
出モジュールの有効 / 無効」により、トポロジーコンポーネントとして VSM を明確に
有効または無効にすることができます。
VSM パラメータは、SINAMICS データセットモデルに依存していません。 各
VECTOR ドライブオブジェクトにつき最大 2 台の VSM が使用できます。つまり、2 つ
の VSM データセットが使用可能ということです。
注記
2 台の VSM の使用
2 台の VSM が 1 台のモータモジュールに接続されている場合、最初の VSM (P0151[0])
が電源電圧 (p3801) を測定するために使用されます。 モータ電圧は、2 台目の VSM
で測定されます (p1200)。
LED およびファームウェアバージョンによる定数測定
LED による VSM 定数測定は、VECTOR ドライブオブジェクトのパラメータ p0154 で
有効にされます。
p0154 = 1 の場合、関連する VSM 上の LED READY は周波数 2 Hz で緑色 / オレンジ色
または赤色 / オレンジ色で点滅します。
VSM のファームウェアバージョンは、VECTOR ドライブオブジェクト上のパラメータ
p0158[0,1] で表示できます。
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
223
ベクトル制御
4.22 電圧検出モジュール
ファンクションダイアグラム (『SINAMICS S120/S150 リストマニュアル』を参照)
●
7020 同期
●
9880 VSM アナログ入力
●
9886 VSM 温度評価
●
9887 VSM センサ監視 KTY/PTC
主要パラメータ一覧 (『SINAMICS S120/S150 リストマニュアル』を参照)
●
p3800[0...n] 同期ラインドライブ有効化
●
p3801[0...n] 同期ラインドライブ、ドライブオブジェクト数
ドライブオブジェクト A_INF
●
p0140 VSM データセット数
●
p0141[0...n] VSM コンポーネント数
●
p0144[0...n] LED での電圧検出モジュール定数測定
●
p0145[0...n] 電圧検出モジュールを有効化 / 無効化
●
p0146[0...n] 電圧検出モジュール有効 / 無効
●
r0147[0...n] 電圧検出モジュール EPROM データバージョン
●
r0148[0...n] 電圧検出モジュールファームウェアバージョン
VECTOR ドライブオブジェクト
224
●
p0151[0...n] 電圧検出モジュールコンポーネント数
●
p0154[0...n] LED での電源検出モジュール定数測定
●
p0155[0...n] 電源検出モジュールの有効 / 無効
●
p0158[0...n] 電源検出モジュールファームウェアバージョン
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
ベクトル制御
4.23 シミュレーションモード
4.23
シミュレーションモード
4.23.1
説明
シミュレーションモードで、接続されたモータと DC リンク電圧がないドライブをシミ
ュレーションすることができます。 この場合、シミュレーションモードは DC リンク
電圧実績値が 40V 未満でのみ有効化できることに注意してください。電圧がこれより
も高い場合、シミュレーションモードはリセットされ、故障メッセージ F07826 が出力
されます。
シミュレーションモードでは、上位オートメーションシステムとの通信をテストするこ
とができます。 ドライブが実績値を戻す場合、シミュレーションモードの間にエンコ
ーダレス運転に切り替えられなければならないことに注意してください。 つまり、
SINAMICS ソフトウェアの大部分 (例: ソフトウェアちぇんねる、シーケンス制御、通
信、テクノロジーファンクション、など) がモータを要求することなく事前にテスト
できるということです。
出力 > 75 W のユニットの場合、修理後のパワー半導体の有効化をテストすることが推
奨されます。 これを行うには、DC 電圧 < 40 V が DC リンクに適用され、可能なパル
スパターンがコントロールソフトウェアでテストされなければなりません。
このソフトウェアは、パルスイネーブルおよび様々な周波数出力を許容しなければなり
ません。 これは、V/f 制御または閉ループ速度制御を使用して実装されます。
注記
シミュレーションモードはパワーユニットなしでは有効にできません。 パワーモジュ
ールは、DRIVE-CLiQ を介して接続されなければなりません。
4.23.2
機能
●
故障 F07826 および即時パルスブロック (OFF2) での 40 V よりも大きな DC リンク
電圧での自動無効化 (測定許容値 ± 4 V)
●
パラメータによる有効化が可能 p1272
●
シミュレーションモードの間ラインコンタクタ有効の無効化
●
低い DC リンク電圧およびモータでのパワー半導体の有効化 (テスト目的)。
●
パワーユニットおよび閉ループ制御は、接続されたモータがなくてもシミュレーシ
ョンできます。
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
225
ベクトル制御
4.24 冗長構成運転パワーモジュール
4.23.3
試運転
シミュレーションモードは、p1272 =1 で有効化できます。これを行うには、以下の前
提条件が満たされなければなりません:
●
初回の試運転が完了されなければなりません (デフォルト: 標準インダクションモー
タ)。
●
DC リンク電圧は 40 V 未満でなければなりません (DC link 電圧検出の許容値を遵守
してください)。
4.24
冗長構成運転パワーモジュール
特徴
●
最大 4 台のシャーシパワーユニットの冗長性
●
パワーユニットはパラメータ (p0125) で無効にすることができます。
●
パワーユニットはバイネクタ入力 (p0895) で無効にすることができます。
説明
並列接続された 1 台のパワーユニットが故障した時でさえ、運転を継続できるように、
冗長化モードを使用することができます。
注記
この冗長化回路にもかかわらず、1 台のパワーユニットで故障が発生する場合、プラン
ト全体で電源が遮断される場合があります (電気的絶縁不足による回生の影響)。
故障したパワーユニットを交換できるように、DRIVE-CLiQ ケーブルはスター結線で接
続しなければなりません。DRIVE-CLiQ ハブモジュールを使用しなければならない場合
があります (DMC20 または DME20)。 故障したパワーユニットは、取り外す前に、
p0125 またはバイネクタ入力 p0895 により無効にしなければなりません。 交換用パワ
ーユニットが取り付けられる場合、それに応じて有効にしなければなりません。
226
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
ベクトル制御
4.25 バイパス
前提条件
●
並列接続された同一のシャーシパワーユニットに対してのみ可能
●
並列できるパワーユニットの最大数は 4 です。
●
適切な電力予備容量を伴うパワーユニットの並列接続
●
DRIVE-CLiQ スター結線トポロジー (DMC20 または DME20 で可能、『GH1 マニュ
アル』を参照)
●
単巻線システムのモータ (p7003 = 0)
●
Safe Torque Off (STO)
主要パラメータ一覧 (『SINAMICS S120/S150 リストマニュアル』を参照)
4.25
●
p0125 パワーユニットコンポーネントを有効化/無効化
●
r0126 パワーユニットコンポーネント有効/無効
●
p0895 BI: パワーユニットコンポーネントを有効化/無効化
●
p7003 Par_circuit 巻線システム
バイパス
特徴
●
ベクトル制御モードで使用可能
●
エンコーダなしインダクションモータで使用可能
説明
バイパス機能はインバータのデジタル出力を介して 2 つのコンタクタを制御し、デジタ
ル入力 (例: TM31 を介して) でコンタクタのフィードバック信号を評価します。 この回
路により、モータをインバータから給電することも、モータを電源に直接接続すること
も可能になります。 インバータはコンタクタを制御します; コンタクタステータスのフ
ィードバック信号は、インバータにフィードバックされなければなりません。
このバイパス回路は 2 つの方法で実装することができます:
●
モータを電源に同期させない、と
●
モータを電源に同期させる。
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
227
ベクトル制御
4.25 バイパス
全てのバイパスバージョンに対して、以下が適用されます:
●
このバイパスは、コントロールワード信号「OFF2」または「OFF3」のいずれかが
取り消されると、常にオフになります。
●
例外:
必要な場合、バイパススイッチは、インバータを完全に電源遮断できるように (つ
まり、制御電子回路を含む)、上位コントローラでインターロックさせることができ
ます。 コンタクタのインターロックはプラント/システム側で実装してください。
●
POWER ON 後にドライブが再起動されると、バイパスコンタクタの状態が評価さ
れます。 電源投入後、インバータはそれにより「起動およびバイパス準備完了」状
態にすぐに移行できます。 これは、バイパスが制御信号によって有効にされ、制御
信号 (p1266) がシステムが立ち上がった後にも存在し、自動再起動機能 (p1200 = 4)
が有効な場合にのみ可能です。
●
起動後にインバータを「起動およびバイパス準備完了」状態への移行は、自動的に
オンに戻されるよりも、優先度が高くなります。
●
温度センサを使用したモータ温度の監視は、インバータが「開始およびバイパス準
備完了」または「運転およびバイパス準備完了」の状態の一方にある間有効です。
●
2 つのモータコンタクタは負荷下での切り替え用に設計されなければなりません。
注記
以下の説明に含まれている例は、基本機能を説明するために意図された基本回路の
みです。 固有の回路コンフィグレーションの寸法 (コンタクタ、保護機器) は、固有
のシステムのために計算されなければなりません。
前提条件
バイパス機能は、エンコーダレスの閉ループ速度制御 (p1300=20) または V/F 制御
(p1300=0...19) の場合で、インダクションモータが使用されている場合に限り、可能で
す。
バイパス機能の試運転
バイパス機能は、試運転ウィザードを使用している場合に有効化できるファンクション
モジュール「テクノロジコントローラ」の一部分です。 パラメータ r0108.16 は、これ
が有効であるかどうかを表示します。
228
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
ベクトル制御
4.25 バイパス
4.25.1
オーバーラップを伴う同期によるバイパス
説明
「オーバーラップ含む同期によるバイパス (p1260 = 1)」が有効な場合、モータが電源
側に送られ、同期され、再び読み出されます。 切り替え中、この 2 つのコンタクタ K1
および K2 は一度同時に閉じられます (位相ロック同期)。
インバータを電源電圧から切り離すために、リアクトルが使用されます - リアクトルの
uk 値は、10% +/- 2% です。
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図 4-30
回路例: オーバーラップを含む同期によるバイパス
有効化
オーバーラップを含む同期によるバイパス機能 (p1260 = 1) は、制御信号を使用しての
み有効にできます。 速度スレッシホールドまたは故障を使用して、それを有効化され
ません。
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
229
ベクトル制御
4.25 バイパス
例
オーバーラップを伴う同期によるバイパス機能 (p1260 = 1) が有効にされた後、以下の
パラメータが設定されなければなりません。
表 4- 9
オーバーラップを伴う同期付きバイパス機能のパラメータ設定
パラメータ
説明
r1261.0 =
コンタクタ K1 用の制御信号
r1261.1 =
コンタクタ K2 用の制御信号
p1266 =
p1267.0 = 1 時の制御信号設定
p1267.0 = 1
バイパス機能は、制御信号で開始されます。
p1267.1 = 0
P1269[0] =
コンタクタ K1 のフィードバック信号を提供する信号ソー
ス
P1269[1] =
コンタクタ K2 フィードバック用信号ソース
p3800 = 1
同期には、内部電圧が使用されます。
p3802 = r1261.2
同期の有効はバイパス機能によりトリガされます。
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図 4-31
230
信号ダイアグラム、オーバーラップを含む同期によるバイパス
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
ベクトル制御
4.25 バイパス
モータは電源に切り替えられます
(インバータは、コンタクタ K1 および K2 を制御します):
●
初期状態は以下の通りです: コンタクタ K1 が閉じ、コンタクタ K2 が開き、モータ
はインバータから給電されます。
●
コントロールビット「バイパスコマンド」(p1266) が設定されます (例: 上位オート
メーションから)。
●
バイパス機能によりコントロールワードビット「同期」 (r1261.2) が設定されます。
●
このビットはインバータの動作中に設定されるため、「モータを電源に切り替え」
同期プロセスが開始されます。
●
モータが電源周波数、電源電圧および電源位相と同期された後、同期アルゴリズム
がこの状態を報告します (r3819.2)。
●
バイパスメカニズムによって、この信号が評価され、コンタクタ K2 が閉じられま
す (r1261.1 = 1)。 この信号は内部的に評価されます - BICO 配線は必要とされませ
ん。
●
コンタクタ K2 が「閉」状態 (r1269[1] = 1) 信号を戻した後、コンタクタ K1 が開き、
インバータがパルスをブロックします。 インバータは「ホットスタンバイ」状態で
す。
●
オンコマンドがこの段階で取り消されると、インバータは基本的なスタンドバイ状
態に変わります。 適切なコンタクタが使用される場合、インバータは電源から絶縁
され、DC リンクが放電されます。
給電モードからモータを戻すことは同様に機能しますが、逆の手順です:
プロセスの開始時点で、コンタクタ K2 が閉ざされ、コンタクタ K1 が開かれます。
●
コントロールビット「バイパスコマンド」がキャンセルされます (例: 上位オートメ
ーションから)。
●
バイパス機能によりコントロールワードビット「同期」が設定されます。
●
パルスがイネーブルになります。 「同期」が「パルスイネーブル」の前に設定され
るため、インバータでは、これが電源からモータを元に戻し、それを引き継ぐコマ
ンドとして解釈されます。
●
モータが電源周波数、電源電圧と電源位相と同期された後、同期アルゴリズムがこ
の状態を通知します。
●
バイパスメカニズムによって、この信号が評価され、コンタクタ K1 が閉じられま
す。 この信号は内部的に評価されます - BICO 配線は必要とされません。
●
コンタクタ K1 が「閉」状態を報告すると、コンタクタ K2 が開き、モータはイン
バータ駆動で再び運転されます。
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
231
ベクトル制御
4.25 バイパス
4.25.2
オーバーラップを伴わない同期によるバイパス
説明
オーバーラップを伴わない同期によるバイパス (p1260 = 2)」が有効にされると、閉ざ
されるべきコンタクタ K2 は、コンタクタ K1 が開いたときにのみ閉ざされます (先行
タイプの同期)。 この間、モータは、その速度が負荷および摩擦により決定されるよう
に、電源に接続されません。 同期前のモータ電圧位相は、同期が実行される電源前段
への「初期ジャンプ」が存在するように設定されなければなりません。 これは、同期
設定値 (p3809) を設定することで行われます。 コンタクタ K2 を閉じる時に、両方のコ
ンタクタが開いている短時間内のモータ制動の結果、約 0 の位相差および周波数差が得
られます。
正しく機能させるためには、ドライブと負荷の慣性モーメントが十分でなければなりま
せん。
注記
十分に大きな慣性モーメント
には、定格スリップにほぼ相当するコンタクタ K1 および K2 の開放時にモータが変化
するという特徴があります。 電源の位相差に対するモータの電気角度差の変化は、
p3809 を使用して補正できる程度に限られます。
同期設定値 (p3809) の決定、デカップリングリアクトルを使用する必要はもうありませ
ん。
榊䄟
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図 4-32
232
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回路例、オーバラップを含まない同期によるバイパス
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
ベクトル制御
4.25 バイパス
有効化
オーバーラップを含まない同期によるバイパス機能 (p1260 = 2) は、制御信号を使用し
てのみ有効にできます。 速度スレッシホールドまたは故障を使用した有効化は不可能
です。
例
オーバーラップを含まない同期によるバイパス機能 (p1260 = 2) が有効にされた後、以
下のパラメータが設定されなければなりません。
表 4- 10
オーバーラップを含まない同期でのバイパス機能のパラメータ設定
パラメータ
説明
p1266 =
p1267.0 = 1 時の制御信号設定
p1267.0 = 1
バイパス機能は、制御信号で開始されます。
p1267.1 = 0
4.25.3
P1269[0] =
コンタクタ K1 のフィードバック信号を提供する信号ソース
P1269[1] =
コンタクタ K2 フィードバック用信号ソース
p3800 = 1
内部電圧が同期に使用されます。
p3802 = r1261.2
同期の有効はバイパス機能によりトリガされます。
p3809 =
ドライブを電源に同期するための位相設定値の設定
同期を伴わないバイパス
説明
モータが電源に移される場合、コンタクタ K1 が開きます (インバータのパルスブロッ
ク後); この時、システムはモータ消磁時間を待機し、モータが電源に直接接続できるよ
うに、コンタクタ K2 が閉じます。
モータが非同期方式でスイッチ「入」される場合、保護装置を計画する時に、考慮しな
ければならない等電位化電流が流れます。
モータを商用電源駆動からインバータ駆動にする場合、最初にコンタクタ K2 が開き、
励磁時間が経過した後に電源コンタクタ K1 が閉じられます。 この時、インバータは回
転中のモータに接続され、モータはインバータにより給電されます。
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
233
ベクトル制御
4.25 バイパス
この場合、コンタクタ K2 を誘導負荷を切り替えることができるように設計/選択されな
ければなりません。
コンタクタ K1 および K2 は、同時に閉じられないように、それらをインターロックさ
れなければなりません。
「瞬停再始動」機能が有効にされなければなりません (p1200)。
榊䄟
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0
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図 4-33
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ኁዐኜዙዊአኌ
回路例、同期しないバイパス
有効化
同期しないバイパス (p1260 =3) は、以下の信号 (p1267) でトリガすることができます:
●
制御信号によるバイパス (p1267.0 = 1):
バイパスはデジタル信号による有効化できます (p1266) (例: 上位レベルコントロー
ラから)。 デジタル信号が取り消され、バイパス遅延時間 (p1263) が経過すると、
インバータ駆動への切り替えが開始されます。
●
速度スレッシホールドでのバイパス (p1267.1 = 1):
一定速度に到達すると、システムはバイパスに切り替わります (つまり、コンバー
タは起動コンバータとして使用されます)。 速度設定値がバイパス速度スレッシホ
ールド (p1265) よりも大きくなるまで、バイパスには接続できません。
設定値 (ランプファンクションジェネレータの入力で r1119) がバイパス速度スレッ
シホールド (p1265) を下回る場合、システムはインバータモードに戻ります。 イン
バータ駆動での運転に復帰した後でも速度実績値がバイパス速度スレッシホールド
(p1265) を上回っている場合、設定値 > 比較値条件により、バイパスが直ちに再度
有効になることが防止されます。
バイパス時間、バイパス解除時間、バイパス速度変数および切り替えのためのコマンド
ソースをパラメータで設定します。
234
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
ベクトル制御
4.25 バイパス
例
同期しないバイパス機能を有効化した後 (p1260 = 3)、以下のパラメータを更に設定し
なければなりません:
表 4- 11
オーバーラップを含む非同期バイパス機能のためのパラメータ設定
パラメータ
説明
p1262 =
非同期バイパスのデッドタイムの設定
p1263 =
非同期バイパスのインバータ駆動へ切り替えるための遅延時
間の設定
p1264 =
非同期バイパスでの電源駆動へ切り替えるための遅延時間の
設定
p1265 =
バイパスを有効化するための速度スレッシホールドの設定
(p1267.1 = 1 の場合)
p1266 =
バイパスへの制御コマンドのための信号ソースの設定
(p1267.0 = 1 の場合)
p1267.0 =
バイパス機能のトリガ信号設定
p1267.1 =
p1268
フィードバック信号のための信号ソースの設定
「同期完了」
P1269[0] =
コンタクタ K1 のフィードバック信号のための信号ソースの設
定
P1269[1] =
コンタクタ K2 のフィードバック信号のための信号ソースの設
定
p3800 = 1
内部電圧が同期に使用されます。
p3802 = r1261.2
同期の有効はバイパス機能によりトリガされます。
ファンクションダイアグラム (『SINAMICS S120/S150 リストマニュアル』を参照)
●
7020 同期
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
235
ベクトル制御
4.25 バイパス
主要パラメータ一覧 (『SINAMICS S120/S150 リストマニュアル』を参照)
バイパス機能
●
p1260 バイパスコンフィグレーション
●
r1261.0...9 CO/BO: バイパス
●
p1262[0...n] バイパスデッドタイム
●
p1263 バイパス解除遅延時間
●
p1264 バイパス遅延時間
●
p1265 バイパス速度スレッシホールド
●
p1266 BI: バイパス
●
p1267 バイパス
●
p1268 BI: バイパスフィードバック信号同期完了
●
p1269[0...1] BI: バイパス
コントロール/ステータスワード
制御コマンド
切り替えソースのコンフィグレーション
スイッチ
フィードバック信号
同期
236
●
p3800[0...n] 同期ラインドライブを有効化
●
p3801[0...n] 同期ラインドライブ、ドライブオブジェクト数
●
p3802[0...n] BI: 同期ラインドライブイネーブル
●
r3803.0 CO/BO: 同期ラインドライブコントロールワード
●
r3804 CO: 同期ラインドライブターゲット周波数
●
r3805 CO: 同期ラインドライブ周波数差
●
p3806[0...n] 同期ラインドライブ周波数差スレッシホールド値
●
r3808 CO: 同期ラインドライブ位相差
●
p3809[0...n] 同期ラインドライブ位相設定値
●
p3811[0...n] 同期ラインドライブ、周波数リミット
●
r3812 CO: 同期ラインドライブ補正周波数
●
p3813[0...n] 同期ラインドライブ位相同期スレッシホールド値
●
r3814 CO: 同期ラインドライブ電圧差
●
p3815[0...n] 同期ラインドライブ電圧差スレッシホールド値
●
p3816 CI: 同期ラインドライブ電圧実績値 U12 = U1 - U2
●
p3817 CI: 同期ラインドライブ電圧実績値 U23 = U2 - U3
●
r3819.0...7 CO/BO: 同期ラインドライブステータスワード
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
ベクトル制御
4.26 非同期パルス周波数
4.26
非同期パルス周波数
4.26.1
非同期パルス周波数
パルス周波数は電流コントローラクリックサイクルに結合され、整数倍で調整されるこ
とができます。 殆どの標準アプリケーションでは、この設定は有効であり、変更しな
いでください。
一部のアプリケーションの場合、パルス周波数が電流コントローラクロックサイクルか
ら結合解除される場合にメリットがある場合があります。 結果は以下の通りです:
●
モータモジュールまたはパワーモジュールの数多くの最適な容量選定
●
一部のモータタイプは、好ましいパルス周波数で運転されます
●
異なるサイズのモータモジュールを異なるパルス周波数で運転可能
●
より速いサンプリング時間が DCC およびフリーファンクションブロックに設定可
能
●
上位コントローラシステムからのより速い設定値伝送が可能
●
異なる電流コントローラでの自動試運転ルーチンが簡略化
この機能は、ベクトル制御でのシャーシのモータモジュールおよびパワーモジュールの
場合にイネーブルされます。
機能の有効化
●
p1810.12 = 1 でこの機能を有効にできます。
●
p1800 で 50 Hz 刻みでパルス周波数を望まれるパルス周波数に設定します。 設定で
きる最大パルス周波数は電流コントローラクロックサイクルの 2 倍です。
●
p1840 = 0 で電流実績値接続を有効化します。
アプリケーション例
状況:
シャーシの大きな (>250kW) モータモジュールや、例えば、ブックサイズの小さな (<
250kW) モータモジュールは、1 本の DRIVE-CLiQ ケーブルに接続されることになりま
す。
小さなモータモジュールの電流コントローラサイクルの出荷時設定は 250 μs で、2 kHz
のパルス周波数に相当します。 大きなモータモジュールの電源コントローラの出荷時
設定は 400 μs で、1.25 kHz のパルス周波数に相当します。
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
237
ベクトル制御
4.26 非同期パルス周波数
問題点:
標準アプリケーションの場合、大きなモータモジュールの電流コントローラクロックサ
イクルは、電流コントローラサイクル 250 μs の整数倍である 500 μs に増やされます。
その結果、大きなモータモジュールのパルス周波数は 1 kHz になります。 その結果、
シャーシのモータモジュールはもはや最適に利用されなくなります。
対策:
大きなモータモジュールのパルス周波数分離および電流コントローラを有効化します。
ブックサイズのモータモジュールは、パルス周波数 2 kHz で電流コントローラサイクル
250 μs で同期して引き続き運転されます。
シャーシのモータモジュールでは、パルス周波数を p1800.12 = 1 で非同期運転に設定
します。その後、電流コントローラクロックサイクルが 500 μs である間に、シャーシ
のモータモジュールのパルス周波数を p1800 を使用して 1.25 kHz まで増やします。 シ
ャーシのモータモジュールは、負荷されたパルス周波数の結果、より効率的に利用され
ます。
4.26.2
非同期パルス周波数のための境界条件
1. 非同期パルス周波数 (p1810.12 = 1) の有効化されたゲートユニットの結果としての、
これまで以上のシステム稼働率および必要とされる電流実績値補正 (p1840 = 1) によ
り、以下の状態に至ります:
– 使用可能な最大軸数の半減
– 電流コントローラのダイナミック性能の低減
2. 設定可能な最大パルス周波数は、電流コントローラサイクルの周波数を二倍にする
ために設定できます。
3. パルス周波数が自由に調整できるパルス方式は、エンコーダのない永久磁石式同期
モータには適していません。
4. シャーシのモータモジュールに出力リアクトルまたはフィルタが接続されている場
合で、リアクトルの容量選定を行う時には、最大パルス周波数が、サインフィルタ
の場合は最小パルス周波数が考慮されなければなりません。
5. モータ定数測定は、2 kHz で、250 μs または 500 μs の電流コントローラサイクルで
実行されなければなりません。
238
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
ベクトル制御
4.26 非同期パルス周波数
主要パラメータ一覧 (『SINAMICS S120/S150 リストマニュアル』を参照)
●
p0115[0...6] 内部制御ループのサンプリング時間
●
p1810 モジュレータコンフィグレーション
●
p1840[0...n] 実績値補正コンフィグレーション
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
239
ベクトル制御
4.26 非同期パルス周波数
240
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
5
U/f 制御 (ベクトル制御)
U/f 制御特性は、インダクションモータを制御する最も簡単な方法です。 STARTER 試
運転ツールを使用してドライブをコンフィグレーションする場合、U/f 制御が「閉ルー
プ制御構成」画面 (p1300 も参照) で有効化されます。
インダクションモータのステータ電圧は、ステータ周波数に比例して設定されます。
この方式は、ダイナミック性能要件が低い多くの汎用アプリケーションに使用されます。
例えば、
●
ポンプ
●
ファン
●
ベルトドライブ
U/f 制御は、磁束が励磁電流 (Iµ) または電圧 (V) と 周波数 (f) の比に比例するように、
モータで一定磁束 Φ を維持することを目的としています。
Φ ~ Iµ ~ U/f
インダクションモータで生成されるトルク (M) は磁束および電流の積 (ベクトル積 Φ x
I) に比例します 。
M~ΦxI
指定された電流でできるだけ大きなトルクを生成するためには、モータは可能な限り最
大の定磁束を使用して動作しなければなりません。 定磁束 (Φ) を維持するために、電
圧 (V) は、一定の励磁電流 (Iµ) を確保するように周波数 (f) に比例して変化させなけれ
ばなりません。 U/f 特性制御はこれらの基本的前提によります。
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慱ኺኁዐእ
0Q˓Q
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I
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図 5-1
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乓⦁
IPD[
インバータ駆動のインダクションモータ用の運転範囲および特性曲線
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
241
U/f 制御 (ベクトル制御)
以下の表に示されるように複数の U/f 特性が存在します。
表 5- 1
U/f 特性 (p1300)
パラメータ
値
0
アプリケーション / 特性
意味
リニア特性
標準 (電圧ブーストなし)
9
9Q
S 1
磁束特性制御 (FCC) 静的 / ダイナミック負荷 (磁束電
を伴うリニア特性
流制御 FCC) 用のステータ抵抗に
おける電圧損失を補償する特性
I
IQ
9
9PD[
U
S
これは、比較的高いステータ抵抗
弯嘆榊㿐቎
∬ⷧ
を有する小型モータに特に適して
います。
2
放射線特性
モータトルク曲線を考慮する特性
(例 : ファン / ポンプ)。
a) 二次特性 (f2 特性)
I
S
9
9Q
b) 低圧により電流および効果が小
さくなるため、省エネ。
S 242
IQ
I
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
U/f 制御 (ベクトル制御)
パラメータ
値
3
アプリケーション / 特性
意味
プログラミング可能 モータ / 機械トルク曲線を考慮す
な特性
る特性 (例 : 同期モータ)。
9
9PD[
U
S
S
S
S
U
I
4
IPD[
I
I
I
I
S S S S S
リニア特性および
特性は、一定の運転ポイントでのパラメータ 0 および Eco を参照。
ECO
• Eco モードでは、一定運転ポイントでの効率が最適化されていま
す。 この最適化は、定常運転で、ランプファンクションジェネレ
ータがバイパスされない場合にのみ有効です。
• スリップ補正を有効にし、スリップ補正のスケーリング (p1335)
を設定し、スリップが完全に補正されるようにしなければなりま
せん (一般的に、100%)。
5
正確な周波数ドライ アプリケーションの技術的特殊性を考慮する特性 (例 : 繊維アプリケ
ブ
ーション)。
a) 電流制限 (Imax コントローラ) は出力電圧のみに影響し、出力周
波数には影響しません、または、
b) スリップ補正を無効にする
6
磁束電流制御 (FCC) アプリケーションの技術的特殊性を考慮する特性 (例 : 繊維アプリケ
を伴う精密な周波数 ーション)。
ドライブ
a) 電流制限 (Imax コントローラ) は出力電圧のみに影響し、出力周
波数には影響しません、または、
b) スリップ補正を無効にする
静的 / ダイナミック負荷のステータ抵抗における電圧損失も補償さ
れます (磁束電流制御 FCC)。 この機能は、大型モータと比較して、
比較的ステータ抵抗が大きな小型モータで必要とされます。
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
243
U/f 制御 (ベクトル制御)
5.1 電圧ブースト
パラメータ
値
7
アプリケーション / 特性
意味
放射性特性および
特性は、一定の運転ポイントでのパラメータ 1 および Eco を参照。
ECO
• Eco モードでは、一定運転ポイントでの効率が最適化されていま
す。 この最適化は、定常運転で、ランプファンクションジェネレ
ータがバイパスされない場合にのみ有効です。
• スリップ補正を有効にし、スリップ補正のスケーリング (p1335)
を設定し、スリップが完全に補正されるようにしなければなりま
せん (一般的に、100%)。
19
独立した電圧設定値 インターフェース経由で BICO パラメータ p1330 を使用して、周波
数にかかわらず、モータモジュールの出力電圧を定義できます (例 :
増設 I/O カード 30 のアナログ入力 AI0 –> p1330 = r4055[0] )。
ファンクションダイアグラム
●
FP 6300 U/f 特性および電圧ブースト
●
p1300[0...n] 開ループ / 閉ループ制御運転モード
パラメータ
5.1
電圧ブースト
U/f 特性に従って、出力周波数 0 Hz で、コントローラは出力電圧 0 V を供給します。
つまり、0 V では、モータはトルクを生成できないということです。 電圧ブースト機能
は、以下の目的で使用されます:
244
●
n = 0 rpm でのインダクションモータを励磁
●
n = 0 rpm でトルクを確立、例えば、負荷の保持のため
●
始動、加速または制動トルクを生成、
●
巻線および電源ケーブルでの抵抗損失を補正
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
U/f 制御 (ベクトル制御)
5.1 電圧ブースト
3 つのタイプの電圧ブーストを選択可能です:
1. p1310 での恒久的電圧ブースト
2. p1311 での加速中のみの電圧ブースト
3. p1312 での初回起動中のみの電圧ブースト
0RW,BUDWHG
S
榊⦶ኳዙኖእᇬ㋡⃔䤓
8BERRVWSHUP
S
0RW,BUDWHG
S
8BERRVWDFFHO
S
䵚ቄₙሯቭ㦘╈
'ULYHRXWSXW,BPD[
U
8BERRVWWRWDO
U
U
┯抮㣑ቑ
榊⦶ኳዙኖእ
5BVWDWRUDFW
U
U
┯抮₼ቑ榊⦶ኳዙኖእ
U
怆╤㣑ቑ榊⦶ኳዙኖእ
0RW,BUDWHG
S
8BERRVWVWDUWLQJ
S
䵚ቄₙሯቭ㦘╈
U
怆╤㣑ቑ
榊⦶ኳዙኖእ
図 5-2
電圧ブースト合計
注記
電圧ブーストは、全ての V/f 特性に影響します (p1300)。
通知
電圧ブースト値が高すぎる場合、モータ巻線の熱的過負荷に至る場合があります。
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
245
U/f 制御 (ベクトル制御)
5.1 電圧ブースト
電圧ブースト、恒久的
9
8I዇ከቿ
9PD[
9Q
S
⦶
榊
┪
⒉
デ
I抩
8
9SHUPDQHQW
9SHUPDQHQW
図 5-3
246
IQ
S
I
IPD[
S[㰄⺍㟿
S኿ዙኜ⸩㫋榊㿐[
Uኖኣዙኜ㕄㔦⸮働⊳[
S㋡⃔䤓榊⦶ኳዙኖእ
恒久的電圧ブースト (例: p1300 = 0 および p1310 > 0)
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
U/f 制御 (ベクトル制御)
5.1 電圧ブースト
加速中の電圧ブースト
加速中の電圧ブーストは、ランプファンクションジェネレータがフィードバック信号
「立ち上がり有効」 (r1199.0 = 1) を供給する場合に有効です。
9
8I዇ከቿ
9PD[
9Q
S
⦶
榊
┪
⒉
デ
I抩
8
9DFFHOHUDWLRQ
5)*
㦘╈
9DFFHOHUDWLRQ
図 5-4
IVHW
IQ
S
S኿ዙኜ⸩㫋榊㿐[
Uኖኣዙኜ㕄㔦⸮働⊳[
S┯抮₼ቑ榊⦶
IPD[
S[
㰄⺍㟿
I
加速時の電圧ブースト (例: p1300 = 0 および p1311 > 0)
ファンクションダイアグラム (『SINAMICS S120/S150 リストマニュアル』を参照)
●
6300 V/f 特性および電圧ブースト
主要パラメータ一覧 (『SINAMICS S120/S150 リストマニュアル』を参照)
●
p0304[0...n] モータ定格電圧
●
p0305[0...n] モータ定格電流
●
r0395[0...n] ステータ抵抗電流
●
p1300[0...n] 開ループ/閉ループ制御運転モード
●
p1310[0...n] 電圧ブースト恒久的
●
p1311[0...n] 電圧ブースト加速中
●
r1315 電圧ブーストの合計
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
247
U/f 制御 (ベクトル制御)
5.2 すべり補正
5.2
すべり補正
説明
スリップ補正は、インダクションモータのモータ速度設定値 nset が負荷に依存せずに基
本的に一定に保たれるようにします。 M1 から M2 への負荷ステップでは、結果的に周
波数によりモータの速度が一定に保持されるように、設定値周波数が自動的に増加する
ようにしてください。 負荷が M2 から M1 に減少する場合、設定値周波数は自動的に
減少されます。
モータ保持ブレーキが使用される場合、スリップ補正出力で p1351 により、設定値を
指定することができます。 p1351 > 0 のパラメータ設定により、スリップ補正は自動的
に有効になります (p1335 = 100%)。
0
0
0
QVHW
図 5-5
Q
スリップ補正
主要パラメータ一覧 (『SINAMICS S120/S150 リストマニュアル』を参照)
●
p1334[0...n] V/f 制御、スリップ補正開始周波数
●
r0330[0...n] 定格モータスリップ
●
p1335[0...n] スリップ補正
– p1335 = 0.0 % : スリップ補正を無効にする。
– p1335 = 100.0% : スリップが完全に補正されます。
248
●
p1336[0...n] スリップ補正リミット値
●
r1337 スリップ補正実績値
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
U/f 制御 (ベクトル制御)
5.3 共振抑制
5.3
共振抑制
説明
共振抑制機能は、無負荷状態で生じることがある有効電流振動を抑制します。 共振抑
制は、定格モータ周波数 (p0310) の 5% ~ 90% の範囲で有効ですが、最大 45 Hz まで
です。
9I␀㖾䂪嫿኏ኁዐ
S
I␀㖾䂪嫿
9I␀㖾䂪嫿7
S
,TBDFW
U
IBRXWSXW
U
図 5-6
[S
S
II
0RW1
共振抑制
注記
最大周波数共振抑制
p1349 = 0 の場合、切り替え制限は自動的に定格モータ周波数の 95% に設定されます
が、最大 45 Hz までです。
ファンクションダイアグラム (『SINAMICS S120/S150 リストマニュアル』を参照)
●
6310 共振抑制とスリップ補正
主要パラメータ一覧 (『SINAMICS S120/S150 リストマニュアル』を参照)
●
r0066 CO : 出力周波数
●
r0078 CO : トルク生成電流実績値
●
p0310[0...n] モータ定格周波数
●
p1338[0...n] V/f モード 共振抑制ゲイン
●
p1339[0...n] V/f モード
●
p1349[0...n] V/f モード 共振ダンピング最大周波数
共振抑制フィルタ時定数
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
249
U/f 制御 (ベクトル制御)
5.4 Vdc 制御
5.4
Vdc 制御
説明
DC リンクに過電圧または不足電圧が存在する場合、適切な対策を取ることで「Vdc 制
御」機能を有効にできます。
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U
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S
9GFBPLQ
9GFBPLQG\QBIDFWRU
S
図 5-7
Vdc 制御 U/f
1. DC リンクの不足電圧
250
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
U/f 制御 (ベクトル制御)
5.4 Vdc 制御
– 代表的な原因:
電源電圧または DC リンク電源の故障
– 解決策:
既存の損失を補償するために、回転中のドライブの回生トルクを指定し、それに
より DC リンク電圧を安定させます (キネティックバッファリング)。
2. DC リンク過電圧
– 代表的な原因:
ドライブは回生モードで動作し、DC リンクに過剰なエネルギーを供給していま
す。
– 解決策:
DC リンク電圧を許容リミット内に維持するために、回生トルクを低減させます。
特徴
●
Vdc 制御
– これは、Vdc_max コントローラと Vdc_min コントローラで構成されます (キネテ
ィックバッファリング)。 これらの 2 つの機能は、互いに無関係にパラメータ設
定し、有効化することができます。
– 1 台の共通 PID コントローラがあります。 ダイナミック係数を使用して、相互に
独立した Vdc_min コントローラと Vdc_max コントローラをより円滑に、または、
より強く関連付けて設定します。
●
Vdc_min コントローラ (キネティックバッファリング)
– この機能で、瞬停時に DC リンク電圧を緩衝するためにモータのキネティックエ
ネルギーが利用され、ドライブを遅延させます。
●
Vdc_max コントローラ
– この機能は、「DC リンク過電圧」を使用して電源遮断を行わずに瞬時回生負荷
を制御するために使用できます。
– Vdc_max コントローラは、DC リンクに有効な閉ループ制御および電源回生がな
い電源にのみ推奨されます。
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
251
U/f 制御 (ベクトル制御)
5.4 Vdc 制御
Vdc_min コントローラの説明
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U
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図 5-8
W
Vdc_min コントローラの on/off 切り替え (キネティックバッファリング)
停電時、Vdc_min の起動レベルを下回ると、Vdc_min コントローラが有効になります。
この制御により DC リンク電圧が制御され、一定のレベルに維持されます。 モータ速
度は低減されます。
電源が回復すると、DC リンク電圧が再び増えます。 Vdc_min 切り替えレベルの 5 %
上で、Vdc_min コントローラは再びスイッチ「切」となります。 モータは通常運転を
継続します。
電源が復旧しない場合、モータ速度は低減を継続します。 スレッシホールド p1297 に
到達すると、p1296 に準拠した応答が行われます。
電源電圧が復旧しないまま、時間スレッシホールド (p1295) が経過すると、故障がトリ
ガされます (F07406)。これは、必要に応じてパラメータ設定できます (出荷時設定:
OFF3)。
Vdc_min コントローラは、1 台のドライブに対して有効にすることができます。 他の
ドライブで DC リンクをサポートすることも可能です。そのためには、ドライブの速度
設定値のスケーリングを制御ドライブから BICO 接続を介してそれらに伝送します。
注記
インバータを電源から接続解除しないようにしてください。 例えば、ラインコンタク
タが無効となると、接続解除される場合があります。 例えば、ラインコンタクタに無
停電電源 (UPS) を接続してください。
252
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
U/f 制御 (ベクトル制御)
5.4 Vdc 制御
Vdc_max コントローラの説明
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W
9GFነዐእዊዙ዆㦘╈ W
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QVHW
W
図 5-9
Vdc_max コントローラの on/off 切り替え
Vdc_max コントローラの起動レベル (r1282) は、以下の方法で計算されます:
p1294 (ON レベルの自動検
出 (U/f))
Vdc_max コントローラ
(r1282)
スイッチ「入」レベル
解説
値
意味
=0
スイッチオフ
r1282 = 1.15 × p0210
p0210 ≙ 機器の電源電圧
=1
スイッチオン
r1282 = Vdc_max - 50 V
Vdc_max ≙ モータモジュ
ールの過電圧スレッシホ
ールド
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
253
U/f 制御 (ベクトル制御)
5.4 Vdc 制御
p1294 (ON レベルの自動検
出 (U/f))
値
意味
Vdc_max コントローラ
(r1282)
スイッチ「入」レベル
解説
危険
ベーシックラインモジュールでの Vdc 制御
複数のモータモジュールが非電源回生電源装置 (例: ベーシックラインモジュール) か
ら給電される場合、Vdc_max コントローラは、接続された全てのドライブの最大の公
称慣性モーメントを有するモータモジュールに対してのみ、有効化することができま
す。
その他のモータモジュールに対しては、この機能が無効化されるか、モニタが設定さ
れなければなりません。
Vdc_max コントローラが複数のモータモジュールに対して有効である場合、好ましく
ないパラメータ設定により、コントローラが相互に悪影響を及ぼす場合があります。
ドライブが不安定にあり、それぞれのドライブが不意に加速する場合があります。
• Vdc_max コントロールの有効化:
– ベクトル制御: p1240 = 1 (出荷時設定)
– サーボ制御: p1240 = 1
– U/f 制御: p1280 = 1 (出荷時設定)
• Vdc_max コントロールの禁止:
– ベクトル制御: p1240 = 0
– サーボ制御: p1240 = 0 (出荷時設定)
– U/f 制御: p1280 = 0
• Vdc_max コントロール機能の有効化:
– ベクトル制御: p1240 = 4 または 6:
– サーボ制御: p1240 = 4 または 6:
– U/f 制御: p1280 = 4 または 6:
ファンクションダイアグラム (『SINAMICS S120/S150 リストマニュアル』を参照)
●
254
6320 Vdc_max コントローラおよび Vdc_min コントローラ U/f 開ループ制御
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
U/f 制御 (ベクトル制御)
5.4 Vdc 制御
主要パラメータ一覧 (『SINAMICS S120/S150 リストマニュアル』を参照)
●
p1280[0...n] Vdc コントローラ、コンフィグレーション (U/f)
●
r1282 Vdc_max コントローラ起動レベル (U/f)
●
p1283[0...n] Vdc_max コントローラ ダイナミック係数 (U/f)
●
p1285[0...n] Vdc_min コントローラ起動レベル (キネティックバッファリング) (U/f)
●
r1286 Vdc_min コントローラ起動レベル (キネティックバッファリング) (U/f)
●
p1287[0...n] Vdc_min コントローラダイナミック係数 (キネティックバッファリン
グ) (U/f)
●
p1290[0...n] Vdc コントローラ比例ゲイン (U/f)
●
p1291[0...n] Vdc コントローラ積分時間 (U/f)
●
p1292[0...n] Vdc コントローラ微分時間 (U/f)
●
p1293[0...n] Vdc コントローラ出力制限 (U/f)
●
p1294 Vdc_max コントローラ自動検出 ON 信号レベル (U/f)
●
p1295[0...n] Vdc_min コントローラ時間スレッシホールド (U/f)
●
p1296[0...n] Vdc_min コントローラ応答 (キネティックバッファリング) (V/f)
●
p1297[0...n] Vdc_min コントロール速度スレッシホールド (V/f)
●
r1298 CO: Vdc コントローラ出力 (U/f)
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
255
U/f 制御 (ベクトル制御)
5.4 Vdc 制御
256
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
6
基本機能
6.1
単位の切り替え
説明
単位を切り替えることで、パラメータおよび入/出力のプロセス量を適切な単位系に切
り替えることができます (US 単位または単位量 (%) あたり)。
単位を切り替える際には、以下の補足条件が適用されます:
●
インバータまたはモータの銘板のパラメータを SI/US 単位間で切り替えることがで
きます。但し、単位あたりの表示はできません。
●
単位パラメータの切り替え後、それに依存する単位グループの 1 つに当てはめられ
た全てのパラメータは、新しい単位系に切り替えられます。
●
パラメータは、テクノロジーコントローラの技術量を表示するために、技術的単位
(p0595) の選択に使用することができます。
●
単位が単位量あたりに変換され、基準量が変更される場合、パラメータに入力され
る値 (%) は変更されません。
例:
– 基準値が 1500 RPM の場合、固定速度の 80% が 1200 RPM 値に一致するという
ことです。
– 基準速度が 3000 RPM に変更されても、80% という値が維持されることから、
この場合 2400 RPM となります。
制限事項
●
単位の切り替えを行うと、小数点以下が概数で表示されます。 これは、本来の値が
少数第一位まで変化する場合があるという意味です。
●
基準フォームが選択され、基準パラメータ (例: p2000) が遡及的に変更される場合、
一部の制御パラメータの基準値もまた制御動作に影響が出ないように調整されます。
●
基準変数 (p2000 ~ p2007) が STARTER でオフライン変更される場合、パラメー
タ値の領域を外れる危険性があります。 この場合、パラメータがドライブユニット
にロードされる時に、該当する故障メッセージが表示されます。
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
257
基本機能
6.1 単位の切り替え
単位グループ
あらゆる切り替え可能なパラメータはグループに依存し、一定のリミット内で切り替え
が可能な単位グループに割り付けられます。
この割り付けおよび単位グループは、『SINAMICS S120/S150 リストマニュアル』の
パラメータリストに、パラメータ別に記載されています。
単位グループは 4 つのパラメータ (p0100、p0349、p0505 および p0595) を使用して、
それぞれ切り替えることができます。
主要パラメータ一覧 (『SINAMICS S120/S150 リストマニュアル』を参照)
●
p0010 パラメータフィルタの試運転
●
p0100 モータ規格 IEC/NEMA
●
p0349 単位系の選択、モータの等価回路図データ
●
p0505 単位系の選択
●
p0595 技術的単位の選択
●
p0596 基準量、技術的単位
●
p2000 CO: 基準周波数/速度
●
p2001 CO: 基準電圧
●
p2002 CO: 基準電流
●
p2003 CO: 基準トルク
●
r2004 CO: 基準電力
●
p2005 CO: 基準角度
●
p2007 CO: 基準加速度
STARTER の機能
STARTER の単位を変換する機能は、[Drive object] → [Configuration] → [Units] にありま
す。 基準パラメータは、[Drive object] → [Configuration] → [Reference parameters] にあ
ります。
258
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
基本機能
6.2 基準パラメータ/スケーリング
6.2
基準パラメータ/スケーリング
説明
100% に相当する基準値は、単位を百分率 (%) で表示するために必要とされます。 こ
れらの基準値は、パラメータ p2000 ~ p2007 に入力されます。 これらは、p0340 = 1
の計算中またはドライブコンフィグレーション中に STARTER で計算されます。 ドラ
イブでの計算後、これらのパラメータは p0573 = 1 により、新規の計算 (p0340) による
制限違反から保護されます。 このため、p0340 による基準パラメータの新規計算が行
われるたびに、PROFIdrive コントローラでの基準値を調整する必要がなくなります。
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図 6-1
基準値による変換の図解
注記
基準フォームが選択され、基準パラメータ (例: p2000) が遡及的に変更される場合、一
部の制御パラメータの基準値もまた制御動作に影響が出ないように調整されます。
STARTER オフラインの使用
オフラインドライブコンフィグレーションに続き、基準パラメータがプリセットされま
す; [Drive] → [Configuration] → [Disabled list] タブで、基準パラメータの変更および保
護が可能になります。
注記
基準値 (p2000 ~ p2007) が STARTER オフラインで変更される場合、ドライブへのロ
ード中の故障メッセージの原因となるパラメータ値のリミット違反となる場合がありま
す。
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
259
基本機能
6.2 基準パラメータ/スケーリング
VECTOR ドライブオブジェクトのスケーリング
表 6- 1
VECTOR ドライブオブジェクトのスケーリング
サイズ
スケーリングパラメータ
初回試運転時のデフォルト
基準速度
100 % = p2000
p2000 = 最大速度 (p1082)
基準電圧
100 % = p2001
p2001 = 1000 V
基準電流
100 % = p2002
p2002 = 電流リミット (p0640)
基準トルク
100 % = p2003
p2003 = 2 * モータ定格トルク (p0333)
基準電力
100 % = r2004
r2004 = p2003 * p2000 * 2π / 60
基準角度
100% = p2005
90°
基準加速度
100% = p2007
0.01 1/s2
基準周波数
100 % = p2000/60
-
基準変調深さ
100 % = 過負荷なしの最大出力
-
電圧
基準磁束
100 % = モータ定格磁束
-
基準温度
100 % = 100°C
p2006
基準電気角度
100 % = 90°
p2005
注記
弱め界磁領域でのモータの運転
モータが弱め界磁領域 > 2:1 で運転される場合、 パラメータ p2000 の値 ≤ 1/2 x ドライ
ブオブジェクトの最大速度、に設定されなければなりません。
SERVO ドライブオブジェクトのスケーリング
表 6- 2
SERVO ドライブオブジェクトのスケーリング
サイズ
基準速度
スケーリングパラメータ
100 % = p2000
初回試運転時のデフォルト
インダクションモータ p2000 = 最大モータ速度
(p0322)
同期モータ p2000 = モータ定格速度 (p0311)
基準電圧
260
100 % = p2001
p2001 = 1000 V
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
基本機能
6.2 基準パラメータ/スケーリング
サイズ
スケーリングパラメータ
100 % = p2002
基準電流
初回試運転時のデフォルト
p2002 = モータリミット電源 (p0338); p0338 =
「0」の場合、2 * モータ定格電流 (p0305)
100 % = p2003
基準トルク
p2003 = p0338 * p0334; 「0」の場合、2 * モー
タ定格トルク (p0333)
基準電力
100 % = r2004
r2004 = p2003 * p2000 * π/ 30
基準角度
100% = p2005
90°
基準加速度
100% = p2007
0.01 1/s2
基準周波数
100 % = p2000/60
-
基準変調深さ
100 % = 過負荷なしの最
-
大出力電圧
基準磁束
100 % = モータ定格磁束
-
基準温度
100 % = 100°C
p2006
基準電気角度
100 % = 90°
p2005
注記
弱め界磁領域でのモータの運転
モータが弱め界磁領域 > 2:1 で運転される場合、 パラメータ p2000 の値 ≤ 1/2 x ドライ
ブオブジェクトの最大速度、に設定されなければなりません。
A_INF ドライブオブジェクトのスケーリング
表 6- 3
A_INF ドライブオブジェクトのスケーリング
サイズ
スケーリングパラメータ
初回試運転時のデフォルト
基準周波数
100 % = p2000
p2000 = p0211
基準電圧
100 % = p2001
p2001 = p0210
基準電流
100 % = p2002
p2002 = r0206/p0210/√3
基準電力
100 % = r2004
r2004 = r0206
基準変調深さ
100 % = 過負荷なしの最
-
大出力電圧
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
261
基本機能
6.2 基準パラメータ/スケーリング
サイズ
スケーリングパラメータ
初回試運転時のデフォルト
基準温度
100 % = 100°C
p2006
基準電気角度
100 % = 90°
-
S_INF ドライブオブジェクトのスケーリング
表 6- 4
S_INF ドライブオブジェクトのスケーリング
サイズ
スケーリングパラメータ
初回試運転時のデフォルト
基準周波数
100 % = p2000
p2000 = 50 Hz
基準電圧
100 % = p2001
p2001 = p0210
基準電流
100 % = p2002
p2002 = r0206/p0210/√3
基準電力
100 % = r2004
r2004 = r0206
基準変調深さ
100 % = 過負荷なしの最
-
大出力電圧
基準温度
100 % = 100°C
p2006
基準電気角度
100 % = 90°
-
B_INF ドライブオブジェクトのスケーリング
表 6- 5
B_INF ドライブオブジェクトのスケーリング
サイズ
スケーリングパラメータ
初回試運転時のデフォルト
基準周波数
100 % = p2000
p2000 = 50 Hz
基準電圧
100 % = p2001
p2001 = p0210
基準電流
100 % = p2002
p2002 = r0206/p0210/√3
基準電力
100 % = r2004
r2004 = r0206
基準温度
100 % = 100°C
p2006
基準電気角度
100 % = 90°
-
262
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
基本機能
6.3 モジュールマシンコンセプト
主要パラメータ一覧 (『SINAMICS S120/S150 リストマニュアル』を参照)
6.3
●
r0206[0….4] パワーユニット定格電流
●
p0210 機器の電源電圧
●
p0340 モータ/制御パラメータの自動計算
●
p0573 基準値の自動計算を無効化
●
p2000 基準速度基準周波数
●
p2001 基準電圧
●
p2002 基準電流
●
p2003 基準トルク
●
r2004 基準電力
●
p2005 基準角度
●
p2006 基準温度
●
p2007 基準加速 (度)
モジュールマシンコンセプト
説明
モジュラーマシンコンセプトは、STARTER 「オフライン」で作成された最大トポロジ
ーに基づいています。 特定のマシンタイプの最大構造は、最大コンフィグレーション
と呼ばれます。最大コンフィグレーションでは、使用可能なすべてのコンポーネントは、
ターゲットトポロジーで事前にコンフィグレーションされています。 最大コンフィグ
レーションの各部は、ドライブオブジェクトの無効化/取り外し (p0105 = 2) により、取
り外すことができます。
コンポーネントが故障した場合、サブトポロジーを使用してスペアパーツが入手できる
までの間、運転を継続することができます。 但し、この場合、BICO ソースをこのドラ
イブオブジェクトから他のドライブオブジェクトに内部接続してはいけません。
サブトポロジー例
開始点は、「ドライブ 1」がまだ実装されていない、STARTER オフラインで作成され
た機械装置です。
●
「オフライン」モード p0105 = 2 で、ドライブオブジェクト [Drive 1] をターゲット
オブジェクトから取り外さなければなりません。
●
DRIVE-CLiQ ケーブルは、直接 [Drive 2] に、コントロールユニットから再接続され
ます。
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
263
基本機能
6.3 モジュールマシンコンセプト
●
[Load to drive object] を選択し、プロジェクトをダウンロードします。
●
RAM から ROM へコピー。
榊䄟孔函
ኦ዆ኁኳ
ኦ዆ኁኳ
ቿኌኣኀኳ
዆ኁዐ
኿ንዂዙወ
ኔዐኍወ
኿ዙኜ
኿ንዂዙወ
6LQJOH
0RWRU
0RGXOH
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$FWLYH
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0RGXOH
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60&
;
60&
0
0
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岼⸩⊳
እኺዊንዙ
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960
&8
榊䄟孔函
ኦ዆ኁኳ
ቿኌኣኀኳ
዆ኁዐ
኿ንዂዙወ
ኔዐኍወ
኿ዙኜ
኿ንዂዙወ
;
;
;
;
;
;
;
;
ቿኌኣኀኳ
ኁዐኜዙኲ
ኄዙኖ
኿ንዂዙወ
;
;
60&
;
␜㘴倩䂗
;
捷⒕䤓
እኺዊንዙ
;
960
0
'5,9(&/L4
ኅዐነዙኝ
榊┪
図 6-2
264
サブトポロジー例
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
基本機能
6.3 モジュールマシンコンセプト
注意
Safety Integrated シリーズのドライブが p0105 で無効にされると、無効化されたド
ライブから信号が更新されないため、r9774 が正しく読み取られません。
解決策: このドライブを無効にする前に、このドライブを取り外します。 以下も参
照: 『/FH1/ SINAMICS S120 ファンクションマニュアル』の「Safety Integrated 基
本機能」章。
主要パラメータ一覧 (『SINAMICS S120/S150 リストマニュアル』を参照)
●
p0105 ドライブオブジェクトを有効化/無効化
●
r0106 ドライブオブジェクトの有効/無効
●
p0125 パワーユニットコンポーネントを有効化/無効化
●
r0126 パワーユニットコンポーネント有効/無効
●
p0145 エンコーダインターフェースを有効化/無効化
●
r0146 エンコーダインターフェース有効/無効
●
p9495 無効化されたドライブオブジェクトへの BICO 応答
●
p9496 有効化されたドライブオブジェクトへ BICO を再接続
●
r9498[0 ... 29] 無効化されたドライブオブジェクトへの BICO BI/CI パラメータ
●
r9499[0 ... 29] 無効化されたドライブオブジェクトへの BICO BO/CO パラメータ
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
265
基本機能
6.4 サインフィルタ
6.4
サインフィルタ
説明
サインフィルタは、インバータ駆動で通常生じる電圧上昇率と容量性の充放電電流を制
限します。 パルス周波数により発生する追加ノイズも防止します。 モータの耐用年数
は商用電源駆動の場合と同じです。
注意
サインフィルタがパワーモジュールまたはモータモジュールに接続されている場合、
コンバータは、フィルタの破損を防止するために、試運転中に必ず有効にされなけれ
ばなりません (p0230 = 3)。
サインフィルタがパワーモジュルまたはモータモジュールに接続されている場合、フ
ィルタが破損される恐れがあるため、パワーモジュールまたはモータモジュールに必
ずモータを接続しないで運転してはいけません。
サインフィルタの使用制限
サインフィルタを使用する際には、以下の制限が考慮されなければなりません:
●
出力周波数は最大 150 Hz に制限されます。
●
変調タイプは、恒久的に、過変調のない空間ベクトル変調に設定されます。 これに
より、最大出力電圧が定格出力電圧の約 85 % まで低減されます。
●
最大許容モータケーブル長:
– 非シールドケーブル: 最大 450 m
– シールド付きケーブル: 最大 300 m
●
他の制限事項: マニュアルを参照
– 『SINAMICS S120 AC ドライブ』
– 『SINAMICS S120 シャーシのパワーユニット』
– 『SINAMICS S120 液冷式シャーシのパワーユニット』
注記
フィルタがパラメータ設定できない場合 (p0230 < 3)、これは、フィルタがコンポーネ
ントに備わっていないことを意味します。 この場合、インバータにサインフィルタを
取り付けて運転しないでください。
266
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
基本機能
6.5 dv/dt フィルタプラス VPL
表 6- 6
サインフィルタのパラメータ設定
パラメータ番号
p0233
名称
パワーユニットモータリアク
設定
フィルタインダクタンス
トル
p0234
パワーユニットサインフィル
フィルタ静電容量
タ静電容量
6.5
p0290
パワーユニット過負荷応答
パルス周波数低減を無効化
p1082
最大回転速度
Fmax フィルタ/極対数
p1800
パルス周波数
フィルタの公称パルス周波数
p1802
モジュレータモード
過変調なしの空間ベクトル変調
dv/dt フィルタプラス VPL
説明
電圧ピークリミッタ付き du/dt フィルタプラスは 2 つのコンポーネントで構成されま
す: 電圧ピークをカットし、DC リンクにエネルギーを回生する du/dt リアクトルおよび
電圧ピークリミッタ (Voltage Peak Limiter VPL)
絶縁検出電圧が不明または不十分なモータには、電圧ピークリミッタ付き dv/dt フィル
タを使用するように設計されています。 1LA5、1LA6 および 1LA8 シリーズの標準モ
ータでは、電源電圧が > 500 V +10 % の場合にのみ、これらが必要となります。
電圧ピークリミッタ付き dv/dt フィルタは、電圧上昇率を < 500 V/μs に、電圧ピーク代
表値を未満の値に制限します (モータケーブル長 < 150 m の場合):
●
電圧ピーク ÛLL (代表値) < 1000 V、Vline < 575 V の場合
●
電圧ピーク ÛLL (代表値) < 1250 V、660 V < Vline < 690 V の場合
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
267
基本機能
6.6 dv/dt フィルタコンパクトプラス電圧ピークリミッタ
制限事項
dv/dt フィルタを使用する場合は、以下の制限が考慮されなければなりません:
●
出力周波数は最大 150 Hz に制限されます。
●
最大許容モータケーブル長:
– シールド付きケーブル: 最大 300 m
– 非シールドケーブル: 最大 450 m
●
他の制限事項: マニュアルを参照
– 『SINAMICS S120 AC ドライブ』
– 『SINAMICS S120 シャーシのパワーユニット』
– 『SINAMICS S120 液冷式シャーシのパワーユニット』
警告
電圧ピークリミッタ付き dv/dt フィルタが使用される場合、パワーモジュールま
たはモータモジュールの最大許容パルス周波数は 4 kHz (400 V 時に最大 250
kW のシャーシのパワーユニット) または 2.5 kHz (400 V 時に 315 kW ~ 800
kW のシャーシのパワーユニットまたは 690 V 時に 75 kW ~ 1200 kW) です。
これよりも高いパルス周波数が設定されると、dv/dt フィルタを破損する場合が
あります。
試運転
システムの試運転時には、dv/dt フィルタを有効にしてください (p0230 = 2)。
6.6
dv/dt フィルタコンパクトプラス電圧ピークリミッタ
説明
電圧ピークリミッタ付き dv/dt フィルタコンパクトは、2 つのコンポーネント、dv/dt リ
アクトルと電圧リミットネットワーク (Voltage Peak Limiter、VPL) で構成されます。
VPL は電圧ピークをカットし、DC リンクにエネルギーを回生します。
絶縁検出電圧が不明または不十分なモータを使用する場合は、電圧ピークリミッタ付き
dv/dt フィルタコンパクトを使用するように設計されています。
電圧ピークリミッタ付き dv/dt フィルタコンパクトは、IEC/TS 60034-25:2007 に準拠
してリミット値曲線 A に基づく値までモータケーブルの電圧負荷を制限します。
電源上昇率は < 1600 V/μs に制限されます。 電圧ピークは < 1400 V に制限されます。
268
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
基本機能
6.6 dv/dt フィルタコンパクトプラス電圧ピークリミッタ
警告
電圧ピークリミッタ付き dv/dt フィルタコンパクトが使用される場合、ドライブは
10Hz 未満の出力周波数で連続的に運転してはいけません。
10 Hz 未満の出力周波数で 5 分の最大運転時間は、10 Hz よりも大きな出力周波数で
5 分の運転時間が後続する場合、10 Hz が許容されます。
10 Hz 未満の出力周波数での連続運転では、dv/dt フィルタを熱的に破損する場合があ
ります。
警告
電圧ピークリミッタ付き dv/dt フィルタコンパクト使用時は、パワーモジュールまた
はモータモジュールのパルス周波数は 4kHz 以下に設定しなければなりません。
以下のシャーシのパワーユニットでは、パルス周波数は 2.5 kHz を超えてはいけませ
ん:
• 400 V: 250 kW まで
• 400 V: 315 kW ~ 800 kW
• 690 V: 75 kW ~ 1200 kW
これよりも高いパルス周波数が設定されると、dv/dt フィルタを破損する場合がありま
す。
制限事項
dv/dt フィルタを使用する場合は、以下の追加の制限が考慮されなければなりません:
●
出力周波数は最大 150 Hz に制限されます。
●
最大許容モータケーブル長:
– シールド付きケーブル: 最大 100 m
– 非シールドケーブル: 最大 150 m
●
他の制限事項: マニュアルを参照
– 『SINAMICS S120 AC ドライブ』
– 『SINAMICS S120 シャーシのパワーユニット』
– 『SINAMICS S120 液冷式シャーシのパワーユニット』
試運転
試運転中、dv/dt フィルタを p0230 = 2 で有効化しなければなりません。
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
269
基本機能
6.7 パルス周波数ワブリング
6.7
パルス周波数ワブリング
説明
この機能はベクトル制御モードで DRIVE-CLiQ (注文番号 : 6SL3xxx-xxxxx-xxx3) 付き
シャーシのモータモジュールに提供できる機能です。
パルス周波数ワブリングは、モータで不必要なノイズを生成する場合があるスペクトラ
ル成分をダンピングします。 ワブリングは、電流コントローラ周波数以下のパルス周
波数にのみ有効化できます (p0115[0] も参照)。
ワブリングにより、変調間隔のパルス周波数が設定値周波数から外れる場合があります。
つまり、実際のパルス周波数が必要とされる平均パルス周波数よりも高くなる場合があ
ります。
ノイズジェネレータは、平均値付近のパルス周波数を変化させるために使用できます。
この場合、平均パルス周波数は、パルス周波数設定値と同じです。 パルス周波数は、
電流コントローラサイクルが一定である場合、全ての電流コントローラサイクルで変更
することができます。 非同期パルスおよび制御間隔の結果として生じる電流測定誤差
は、実際の電流値を訂正することで補正されます。
パルス周波数ワブリングは、パラメータ p1810 「モジュレータコンフィグレーショ
ン」でパラメータ設定できます。
パラメータ p1811[0...n] 「パルス周波数ワブリング振幅」を設定して、0 ~ 20 % のパ
ルス周波数の変動量を調整できます。出荷時設定は 0 % です。 ワッブル振幅が p1811
= 0 % の場合、最大許容パルス周波数は p1800 = 2 * 1/電流コントローラサイクル
(1000/p0115[0])。 ワッブル振幅設定が p1811 > 0 の場合、最大許容パルス周波数
p1800 = 1/電流コントローラサイクル (1000/p0115[0])。 これらの条件は、全てインデ
ックスに適用されます。
注記
パルス周波数ワブリングが無効な場合、パラメータ p1811 は全てのインデックスで 0
に設定されます。
主要パラメータ一覧 (『SINAMICS S120/S150 リストマニュアル』を参照)
270
●
p1810 モジュレータコンフィグレーション
●
p1811[0...n] パルス周波数ワブリング振幅
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
基本機能
6.8 設定値変更なしの方向反転
6.8
設定値変更なしの方向反転
特徴
●
速度設定値および実績値、トルク設定値および実績値、相対位置変更の変更はあり
ません。
●
パルス禁止されている場合のみ可能
注意
データセットコンフィグレーションで方向反転がコンフィグレーションされている場
合 (例:p1821[0] = 0 および p1821[1] = 1) で、ファンクションモジュール簡易位置決
めまたは位置制御が有効になると、システムのブートまたは方向変換のたびに
(p2507)、絶対値の調整がリセットされます。これは、方向反転時に位置基準が失われ
るからです。
説明
p1821 での方向反転を使用して、モータの回転方向を変更することができます。モータ
側の 2 つの位相を入れ替えることで、モータの回転磁界を変更する必要も、p0410 に
よりエンコーダ信号を反転させる必要もありません。
p1821 での方向反転は、モータの回転方向の結果として検出することができます。 速
度設定値および実績値、トルク設定値および実績値、相対位置変更の変更はありません。
方向の変更は相電圧の結果として識別することができます (r0089)。 方向が反転する場
合、絶対位置基準も失われます。
ベクトル制御では、さらにインバータの出力回転方向を p1820 を使用して反転させる
ことができます。 つまり、電源接続を内部接続する必要なく、回転磁界を変化させる
ことが可能ということです。 エンコーダを使用する場合、必要に応じて回転方向を
p0410 で適用させる必要があります。
注記
サーボドライブのモータ定数測定のための回転/移動測定
必要な場合、モータ定数測定のための回転測定の方向制限を有効にするために、パラメ
ータ p1959[0...n].14/15 = 0 を使用します。 完全かつ正確なモータの定数測定のために
は、p1959[0...n].14/15 = 1 で方向制限を無効にしてください。
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
271
基本機能
6.9 自動再起動(ベクトル、サーボ、電源装置)
主要パラメータ一覧 (『SINAMICS S120/S150 リストマニュアル』を参照)
6.9
●
r0069 相電流、実績値
●
r0089 相電圧実績値
●
p1820 出力相の回転反転方向 (ベクトル)
●
p1821 回転方向
●
p1959[0...n] 回転測定コンフィグレーション
●
p2507 LR 絶対値エンコーダの調整ステータス
自動再起動(ベクトル、サーボ、電源装置)
説明
自動再起動機能は、例えば、復電後に、ドライブ/ドライブ (システム) を自動的に再
起動するために使用されます。 この場合、存在する故障が全て自動的にリセットされ、
ドライブの電源が再度投入されます。 この機能は停電だけに限定されません。任意の
故障トリップの後、故障を自動的にリセットし、モータを再起動するためにも使用でき
ます。 モータ軸が回転している間にドライブの電源投入を可能にするには、p1200 を
使用して「瞬停再始動」機能を有効にします。 自動再起動の開始前に、電源電圧が使
用可能で、電源装置に存在していることを確認してください。
これに関しては、以下の章に記載される情報に注意してください VECTOR ドライブオ
ブジェクトを使用したドライブオブジェクト X_INF の切り替え (ページ 805)1)。
注意
ベクトル制御およびサーボ制御モードでの自動再起動 - 閉ループ電源制御での電源装
置用 電源電圧への接続後、スマートラインモジュール 5kW/10kW は自動的に電源投
入されます。
警告
p1210 で 1 以上の値を設定する場合、ラインモジュール/モータは、電源が回復すると
直ちに自動的に起動可能になります。 比較的長い停電後にモータが停止状態 (ゼロ速)
となり、電源が遮断されたと正しくない想定が行われる場合は、特に危険です。 その
ため、このような状況でドライブ周辺区域に入ると、深刻な死傷事故や重大な物損事
故が発生する場合があります。
272
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
基本機能
6.9 自動再起動(ベクトル、サーボ、電源装置)
自動再起動モード
表 6- 7
p1210
自動再起動モード
モード
意味
0
自動再起動を無効にします
自動再起動無効
1
再起動せずに全ての故障を
発生中の任意の故障は、その原因が取り除
確認します
かれると直ちに自動的に確認されます。 故
障リセット後に更なる故障が発生する場
合、これらの故障も自動的に確認されま
す。 信号 ON/OFF1 (コントロールワード
1、ビット 0) が HIGH 信号レベルにある場
合、正常に完了した故障確認と再発生した
故障との間で最小時間 p1212 に加えて 1 秒
経過しなければなりません。 ON/OFF1 信号
が LOW 信号レベルの場合、正常に完了した
故障確認と新しい故障の間の時間には最低 1
秒経過しなければなりません。
p1210 = 1 の場合、(例:頻繁な故障発生に
より) 確認が失敗しても、故障 F07320 は生
成されません。
4
電源故障後の再起動、追加
更に故障 F30003 がモータモジュールで発
の起動試行なし
生する、バイネクタ入力 p1208[1] で HIGH
信号が存在する、または、電源装置ドライ
ブオブジェクトの場合 (X_INF1))、F06200
が発生する場合にのみ、自動再起動が実行
されます。 更なる故障が存在する場合、こ
れらの故障もリセットされます。確認が正
常に終了すると、起動試行が継続されま
す。 CU の 24 V 電源故障は、電源故障とし
て解釈されます。
6
追加の起動試行を伴う故障
任意の故障後または p1208[0] = 1 の場合
後の再起動
に、自動再起動が実行されます。故障が頻
繁に発生する場合、起動試行数が p1211 で
定義されます。 p1213 で、時間監視を設定
することができます。
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
273
基本機能
6.9 自動再起動(ベクトル、サーボ、電源装置)
p1210
14
16
モード
意味
停電後の手動確認後に再起
4 に関して: 但し、発生中の故障は手動で確
動
認されなければなりません。
故障後の手動確認後に再起
6 に関して: 但し、発生中の故障は手動で確
動
認されなければなりません。
起動試行 (p1211) および待機時間 (p1212)
p1211 は、起動試行数を指定するために使われます。 正常に完了したそれぞれの故障
確認後、この数は内部的に減少します (電源電圧を再度印加する、または電源装置から
ready の信号が出力されなければなりません)。 パラメータ設定された起動試行数を上
回ると、故障 F07320 信号が出力されます。
p1211 = x では、 x + 1 回の起動試行が実行されます。
注記
故障が発生すると、直ちに起動試行を実行します。
故障は、待機時間 p1212 の半分の間隔で自動的に確認されます。
確認が成功し電圧が回復した後、自動的にシステムに電源投入されます。
瞬停再始動とモータの励磁 (インダクションモータ) の終了後 1 秒が経過すると
(r0056.4 = 1)、起動試行は正常に完了します。 起動カウンタは、この時間が経過した後、
初期値 p1211 にリセットされます。
正常に完了したリセットと最後の起動試行の間に更なる故障が発生した場合に、その故
障が確認されると、起動カウンタ数も減少します。
監視時間電源回復 (p1213)
故障が検出された時に監視時間が起動します。 自動リセットが正常に完了しない場合、
監視時間が再度作動します。 監視時間の経過後、ドライブが正常に起動しない場合 (瞬
停再始動およびモータの励磁が完了していなければなりません: r0056.4 = 1)、故障
F07320 が出力されます。 監視は p1213 = 0 で無効化されます。
p1213 が p1212、励磁時間 r0346 および、瞬停再始動による追加遅延時間の合計より
も低い値に設定されている、再起動のたびに故障 F07320 が生成されます。p1210 = 1
で再起動が防止されます。発生する故障が直ちにかつ正常に確認できない場合 (例: 故
障が恒久的に存在する)、監視時間を延長しなければなりません。
274
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
基本機能
6.9 自動再起動(ベクトル、サーボ、電源装置)
試運転
1. ドライブオブジェクト VECTOR および X_INF1) の有効化
– 自動再起動: モードを設定 (p1210)。
– 瞬停再始動: 機能を有効化 (p1200)。
2. 起動試行を設定 (p1211)。
3. 待機時間を設定 (p1212、p1213)。
4. 機能を確認。
例外
発生後の自動再起動では危険または望ましくない故障が存在します。 これらの故障数
を p1206[0...9] に入力します。 自動再起動は、これらの故障が発生する場合に抑制され
ます。 故障原因が取り除かれた後、ドライブは別の方法でスイッチ「入」されなけれ
ばなりません。
主要パラメータ一覧 (『SINAMICS S120/S150 リストマニュアル』を参照)
●
r0863 CO/BO: ドライブカップリングのステータスワード/コントロールワード
●
p1206[0...9] 自動再起動なしの故障
●
p1207 BI: 自動再起動 - 以下のドライブオブジェクトへの接続
●
p1208 BI: 自動再起動 - 電源装置故障
●
p1210 自動再起動、モード
●
p1211 自動再起動、起動試行
●
p1212 自動再起動、遅延時間起動試行
●
p1213 自動再起動、待機時間インクリメント
1)
X_INF は、全てのドライブオブジェクト「電源装置」; つまり、 A_INF、B_INF、
S_INF
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
275
基本機能
6.10 電機子短絡ブレーキ、DC ブレーキ
6.10
電機子短絡ブレーキ、DC ブレーキ
電機子短絡ブレーキまたは DC ブレーキは、パラメータ p1231[0...n] を使用して設定で
きます。 電機子ブレーキまたは DC ブレーキの電流状態は r1239 で知ることができま
す。
電機子短絡ブレーキ
この機能を使用して、永久磁石式モータを制動することができます。 その後、同期モ
ータのステータ巻線が短絡されます。 回転式同期モータでは、モータを制動する電流
が流れます。
以下の場合には、電機子短絡ブレーキの使用が適しています:
●
電源を回生することなく制動する必要がある。
●
停電時にドライブが制動されるべきである
●
電源回生機能なしの電源装置が使用されている
●
方向損失、例えばエンコーダ故障時に、モータが引き続き制動されるべきである
モータモジュールを介して内部的に、または、外部的に制動抵抗器付きコンタクタ回路
を使用して電機子短絡ブレーキを切り替えることができます。
期待的ブレーキに対する電子器短絡ブレーキのメリットは、内部電機子短絡ブレーキの
応答時間がわずか数 ms であることです。 機械的ブレーキの応答時間は約 40 ms です。
外部電機子短絡ブレーキでは、切り替えコンタクタに時間がかかり、応答時間は 60 ms
を上回ります。
DC ブレーキ
この機能を使用して、インダクションモータを停止状態まで制動することができます。
DC ブレーキでは、DC 電流がインダクションモータのステータ巻線に印加されます。
DC ブレーキは、以下のような危険が発生した場合に適しています:
276
●
制御された方法でドライブを立ち下げることができない
●
電源回生機能なしの電源装置が使用されている
●
制動抵抗器が使用されていない
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
基本機能
6.10 電機子短絡ブレーキ、DC ブレーキ
6.10.1
電機子短絡ブレーキ、永久磁石式同期モータ
前提条件
●
この機能は、DC ブレーキは、ブックサイズおよびシャーシタイプモータモジュー
ルのためのものです。
●
短絡防止モータ (p0320 < p0323)
●
以下のモータタイプのいずれかが使用されます:
– 回転式永久磁石式同期モータ (p0300 = 2xx)
– リニア式永久磁石式同期モータ (p0300 = 4xx)
●
モータモジュールの最大パワーモジュール電流 (r0209.0) は、モータ短絡電流
(r0331) の少なくとも 1.8 倍でなければなりません。
注記
停電にかかわらない内部短絡ブレーキ
停電にかかわらず電機子短絡ブレーキが引き続き維持されるべきである場合、モー
タモジュール用に 24 V 電源をバッファしなければなりません。 この目的のため
に、例えば、モータモジュールまたは制御電源モジュール専用の SITOP 電源装置を
使用することができます。
6.10.1.1
内部電機子短絡ブレーキ
内部電機子短絡ブレーキでは、モータ巻線はモータモジュールを使用して短絡させます。
設定
内部電機子短絡ブレーキは p1231 = 4 で設定されます。
有効化
この機能は、p1230 の信号が「1」に設定される場合、有効化され、開始されます。
無効化
この機能は、p1230 の信号が「0」に設定される場合、無効化されます。 故障によりト
リガされる場合、故障の原因を取り除き、確認されなければなりません。
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
277
基本機能
6.10 電機子短絡ブレーキ、DC ブレーキ
6.10.1.2
外部電機子短絡ブレーキ
この機能は、出力端子を介して外部コンタクタを制御します。その外部端子は抵抗器に
よりモータ巻線を短絡させます。
設定
外部電機子短絡ブレーキは、p1231 =1 (コンタクタフィードバック信号付き) または
p1231 = 2 (コンタクタフィードバック信号なし) で有効になります。
有効化
この機能は、以下の場合に有効化されます:
●
p1230 の信号ソースが「1」信号に設定される
●
パルスブロックが設定されている
最初にパルスブロックが有効化され、その後外部電機子短絡ブレーキが開始される こ
の機能がトリガされた場合、r0046.4 は「1」を表示します。
拚慱
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ኁኪዙኳወ 拚慱
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ኮወኖ
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図 6-3
パルスイネーブル - コンタクタフィードバック信号のない外部電機子短絡の信
号特性
例:
1. p1230 の信号ソースが「1」信号に設定される
2. その結果、ドライブお武家くとモータモジュールの表示パラメータ r1239.0 および
r0046.4 も「1」を表示します。
3. パルスイネーブルが削除され、外部ブレーキ用コンタクタのスイッチが入れられま
す。
4. 短絡した電機子の結果、制動が開始されます。
5. 制動は p1230 の信号ソースを「0」に設定することで終了します (その結果、
r1239.0 も「0」信号を表示します)。
6. 待機時間 p1237 が経過すると、パルスがイネーブルされます。
278
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
基本機能
6.10 電機子短絡ブレーキ、DC ブレーキ
外部制動抵抗器の計算
最大の制動効果を実現するには、以下の公式を使用して抵抗器の値を計算します:
Rext = 5.2882 × 10-5 × p0314 × p0356 × nmax - p0350
nmax = 使用される最大速度
パラメータの割り付け
STARTER 試運転ツールを使用してモータモジュールとコントロールユニットのパラメ
ータ設定が可能です。 ドライブオブジェクトのエキスパートリストとデジタル入/出力
を入力するための入力画面フォームが使用可能です。
デジタル入/出力 DI/DO 8~15 用のコントロールユニットの入力画面フォームは、
[Control Unit/bidirectional digital inputs/outpust] ウィンドウタブにあります。
端子 11 および 14 は接地されています。
デジタル入/出力 DI/DO 8 ~ 15 は、端子台 X122 および X132 の端子 9、10、12 およ
び 13 に接続されています。 パラメータ p0728[8...15] は、入力または出力として端子
を定義するために使用されます。
デジタル入力として DI 8 ~ 15 は、パラメータ p0722[8...15] または p0723[8...15] 反転
で接続されます。
出力は、パラメータ p0738 ~ p0745 で接続されます。
出力は、p0748[8...15] = 1 で反転させることができます。
パラメータ p0722 ~ p0748 は、コントロールユニットパラメータです。
パラメータ p123x、r1239、および r0046 はドライブパラメータです。
外部電機子短絡ブレーキの例
外部電機子短絡ブレーキをパラメータ設定する前に、モータモジュールおよびモータを
含む新しいプロジェクトを作成します。 以下の条件を満たさなければなりません:
●
追加フィードバック信号接点付き短絡コンタクタが使用されます。 (p1231 = 1)。
●
DI 14 は、短絡コンタクタのフィードバック信号用入力として定義されます。 停電
または断線時に、モータは安全な状態で運転してください。 DI 14 フィードバック
信号は、この目的のために p0723.14 で反転されます。 デジタル入力 D14 は、接続
された端子台 X132 の端子 12 に接続されます。
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
279
基本機能
6.10 電機子短絡ブレーキ、DC ブレーキ
●
DO 15 は、短絡コンタクタの切り替え出力として使用されます。 停電または断線時
に、モータは安全な状態で運転してください。 これを実現するために、切り替え信
号 DO 15 が反転されます。 デジタル出力 D15 は、端子台 X132 の端子 13 に接続
されます。 パラメータ r1239.0 は制動の状態を示し、コンタクタへの信号を出力し
ます。
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図 6-4
外部電機子短絡ブレーキの例
パラメータ設定例:
1. p1231 = 1 を設定します。
2. p0728.14 = 0 で入力として DI 14 を定義します。
3. 外部電機子短絡コンタクタのフィードバック信号を端子台 X132 の端子 12 に接続し
ます (DI 14)。
4. p1235 を r0723.14 で接続します。
5. p0728.15 = 1 で DO 15 を出力として定義します。
6. 外部電機子短絡コンタクタのコントロール信号を端子台 X132 の端子 13 に接続しま
す (DO 15)。
7. p0745 を r1239.0 に接続します。
8. p0748.15 = 1 と設定することで、p0745 の出力を反転させます。
これで外部電機子短絡ブレーキのパラメータ設定が完了しました。
280
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
基本機能
6.10 電機子短絡ブレーキ、DC ブレーキ
6.10.2
DC ブレーキ
前提条件
●
この機能は、DC ブレーキは、ブックサイズ、ブロックサイズおよびシャーシタイ
プモータモジュールのためのものです。
●
インダクションモータを使用しなければなりません。
「DC ブレーキ」機能により、消磁時間後に、DC 電流がインダクションモータのステ
ータ巻線に印加されます。 DC 電流がモータを制動します。
6.10.2.1
パラメータを介した有効化
設定
DC ブレーキはパラメータ p1231 = 4 で設定されます。
●
p1232[0..n] による DC ブレーキ用ブレーキ電流の設定
●
p1233[0..n] による DC ブレーキ用ブレーキ時間の設定
●
p1234[0..n] による DC ブレーキ用開始速度の設定
有効化
この機能は、p1230 の信号が「1」に設定される場合、有効化されます。 最初、モータ
消磁時間 p0347[0 ... n] の間、モータが消磁されるまでパルスがブロックされます。 DC
ブレーキの開始速度パラメータ p1234 は、この有効化では考慮されません。
「1」信号が p1230 の入力で使用可能である限り、DC ブレーキ電流 p1232[0 ... n] がモ
ータに印加されます。 モータを停止状態まで制動することができます。
ドライブのスイッチが切られ、DC ブレーキが有効化されている場合、ドライブは自動
的にスイッチ「入」となります。 その後、DC 電流がステータ巻線に印加されます。
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
281
基本機能
6.10 電機子短絡ブレーキ、DC ブレーキ
無効化
p1230 の信号ソースを「0」に設定することで DC ブレーキが無効にされ、ON コマン
ドがまだ有効である場合、ドライブはその後選択された運転モードに戻ります。
以下が適用可能です:
●
(エンコーダ付き) サーボ制御の場合:
ドライブは、消磁時間が経過すると、ベクトル制御に戻ります (p0347 を 0 に設定
できます)。
●
(エンコーダ付きおよびなし) ベクトル制御の場合:
「瞬停再始動」機能が有効である場合、モータモジュールはモータ周波数と同期さ
れます。 ドライブはその後閉ループ制御運転に切り替わります。 「瞬停再始動」
機能が有効ではない場合は、ドライブを停止状態から再起動することができます。
この場合で、ドライブが停止するまで新しい始動を待機しなければなりません。
●
U/f 運転の場合:
「瞬停再始動」機能が有効である場合、モータモジュールはモータ周波数と同期さ
れます。 ドライブはその後 U/f 制御運転に切り替わります。 「瞬停再始動」機能が
使用可能ではない場合、ドライブを停止状態から再起動することができます。 この
場合で、ドライブが停止するまで新しい始動を待機しなければなりません。
6.10.2.2
故障応答を介した有効化
DC ブレーキが故障応答として有効である場合、以下の応答が実行されます:
1. モータは、p1234 のスレッシホールドまで制動ランプに沿って制動されます。 制動
ランプの勾配は、立ち下がりランプの勾配と一致します (p1121 で設定可能)。
2. モータ次回が減衰するまで、消磁時間 (p0347) の間、パルスはブロックされます。
3. p0347 の経過後、DC ブレーキは p1233 に基づく時間、DC ブレーキが起動します。
エンコーダが使用されている場合、速度が p1226 で設定されているゼロ速スレッシ
ホールドを下回るまで制動運転が続きます。 エンコーダが使用されていない場合、
p1233 で設定されている時間が経過するまで制動が続きます。
通知
エンコーダレスサーボ制御では、DC ブレーキが完了した後、運転を継続すること
ができません。 OFF2 故障メッセージがその時出力されます。
282
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
基本機能
6.10 電機子短絡ブレーキ、DC ブレーキ
6.10.2.3
OFF コマンドを介した有効化
OFF 故障信号への応答としての設定
p1231 = 5 で、DC ブレーキは、OFF1 または OFF3 への応答として設定されます。 パ
ラメータ p1230 は、OFF1/OFF3 に対する応答に影響を及ぼしません。 下回った場合
に DC ブレーキが有効化される速度スレッシホールドは p1234 で設定されます。
OFF1/OFF3 を使用した有効化
DC ブレーキは OFF1 または OFF3 で有効化されます。
●
モータ速度 ≥ p1234 の場合、モータは p1234 まで制動されます。 モータ速度が <
p1234 になると直ちに、パルスがブロックされ、モータは消磁されます。
●
OFF1/OFF3 のモータ速度が既に < p1234 である場合、パルスが直ちにブロックさ
れ、モータは消磁されます。
DC ブレーキはその後 p1233 の間有効化され、その後スイッチが切られます。
OFF1/OFF3 が早期にキャンセルされると、通常運転が再開されます。
故障応答の非常停止としての DC ブレーキは有効なままです。
6.10.2.4
速度スレッシホールドを介した有効化
設定
p1231 が 14 に設定されている場合、速度実績値が p1234 を下回ると直ちに、応答とし
ての DC ブレーキが有効になります。
有効化
有効化前、速度実績値 > p1234 でなければなりません。 以下の両方の条件が満たされ
る場合、DC ブレーキを有効化できます:
1. 速度実績値が p1234 を下回る
2. p1230 の信号ソースが「1」に設定されている
パルスは最初無効になります。 その結果、モータは消磁されます。 DC ブレーキはそ
の後 p1233 の間に開始されます。 モータは、制動電流 p1232 で制動されます。
p1230 の信号ソースが「0」に設定されている場合、制動コマンドが取り消され、ドラ
イブが以前の運転モードに戻ります。
OFF1 または OFF3 の DC ブレーキは、p1230 の信号が「1」に設定される場合にのみ
実行されます。
故障応答の非常停止としての DC ブレーキは有効なままです。
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
283
基本機能
6.10 電機子短絡ブレーキ、DC ブレーキ
6.10.3
故障応答のコンフィグレーション
故障応答の変更
パラメータ p2100 および p2101 を使用して、応答を選択された故障に設定することが
できます。 設定可能な応答は、該当する故障に対する応答のみです。
パラメータ p0491 を使用して、モータエンコーダのエンコーダ故障に対する応答を設
定することができます (F07412 および多くの F3yxxx、y = 1、2、3)。
注記
モータタイプの変更
モータタイプが変更された後で電機子短絡ブレーキまたは DC ブレーキの前提条件が満
たされなくなった場合 (p0300 を参照)、電機子短絡ブレーキまたは DC ブレーキを応答
とする変更されたパラメータ (例: p2100、p2101 または p0491) が出荷時設定に設定さ
れます。
注記
内部電機子短絡または DC ブレーキの選択解除
p2100、p2101 または p0491 でパラメータ設定された応答に故障条件がある限り、パ
ラメータ p1231 を使用して電機子短絡ブレーキまたは DC ブレーキを無効にすること
はできません。
6.10.4
ファンクションダイアグラムおよびパラメータ
ファンクションダイアグラム (『SINAMICS S120/S150 リストマニュアル』を参照)
●
7014 外部電機子短絡 (EASC、p0300 = 2xx または 4xx)
●
7016 内部電機子短絡 (IASC、p0300 = 2xx または 4xx)
●
7017 DC ブレーキ (p0300 = 1xx)
主要パラメータ一覧 (『SINAMICS S120/S150 リストマニュアル』を参照)
284
●
r0046.0...31 CO/BO:不足イネーブル信号
●
p0300[0...n] モータタイプの選択
●
p0347[0...n] モータ消磁時間
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
基本機能
6.11 ブレーキモジュールとしてのモータモジュール
●
p0491 モータエンコーダ故障応答 ENCODER
●
r0722.0...21 CO/BO:CU デジタル入力、ステータス
●
r0723.0...21 CO/BO: CU デジタル入力、ステータス反転
●
p0728 CU、 入力または出力を設定
●
p0738 BI:端子 DI/DO 8 用の CU 信号ソース
~
6.11
●
p0745 BI:端子 DI/DO 15 用の CU 信号ソース
●
p0748 CU 反転デジタル出力
●
p1226[0...n] 停止定数測定 (ゼロ速) 速度スレッシホールド
●
p1230[0...n] BI: 電機子短絡/DC ブレーキ 有効
●
p1231[0...n] 電機子短絡/DC ブレーキコンフィグレーション
●
p1232[0...n] DC ブレーキ、制動電流
●
p1233[0...n] DC ブレーキ時間
●
p1234[0...n] DC ブレーキ開始速度
●
p1235[0...n] BI: 外部電気子短絡、コンタクタフィードバック信号
●
p1237[0...n] 外部電機子短絡、開放時の待機時間
●
r1239.0...13 CO/BO: 電機子短絡/DC ブレーキステータスワード
ブレーキモジュールとしてのモータモジュール
この機能を使用して、モータモジュールはブレーキモジュールとして使用されます。
これを行うために、3 つの抵抗器がモータの代わりにモータモジュールに接続されます。
ブレーキモジュールとしての運転のための前提条件:
●
スター結線 (下表参照) またはデルタ結線の 3 つの同一の制動抵抗器
●
抵抗器まで少なくとも 10 m のケーブル長
●
STARTER でのコンフィグレーション
– VECTOR ドライブオブジェクト
– U/f 制御
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
285
基本機能
6.11 ブレーキモジュールとしてのモータモジュール
注記
この機能は以下のためのものです:
• SINAMICS S120 モータモジュールキャビネット
• SINAMICS S120 シャーシのモータモジュール (500 V ~ 690 V)
• SINAMICS S120 シャーシのモータモジュール (380 V - 480 V) > 250 kW
• SINAMICS S120 液冷式シャーシのモータモジュール (380 V ~ 480 V) > 250 kW
• SINAMICS S120 液冷式シャーシのモータモジュール (500 V ~ 690 V)
6.11.1
6.11.2
特徴
●
シャーシのモータモジュールのみに許容 (前掲リスト参照)
●
3 台の同一の抵抗器が必要
●
モータモジュールの並列接続可能
●
内蔵された保護機器が抵抗器の監視に使用可能
抵抗器のコンフィグレーション
1. いかなる条件下でも、この表に記載されるピーク制動出力の抵抗値を下回ってはい
けません!
2. これらの抵抗値は、常温状態でスター結線された 3 台の抵抗器のそれぞれに適用さ
れます。
3. それぞれの制動抵抗器は、総制動出力の 1/3 を吸収します。 抵抗器の定格出力を考
慮しなければなりません。
4. デルタ結線の場合、制動抵抗値に 3 を掛けます。
5. この表は、シャーシのモータモジュール全てに適用されます (液冷式または空冷
式)。
6. 抵抗器までのケーブル長は少なくとも 10 m でなければなりません。
7. 380 V ~ 480 V の定格電圧では、定格出力 ≥ 250 kW のモータモジュールが許容さ
れます
8. この機能は、500 V ~ 690 V の定格電圧では、シャーシタイプの全てのモータモジ
ュールのためのものです。
286
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
基本機能
6.11 ブレーキモジュールとしてのモータモジュール
スター結線の抵抗値をパラメータ p1360 に入力することができます。抵抗値のデフォ
ルト設定値は以下から計算されます:
表 6- 8
モータモ
ジュール
フレーム
サイズ
G
H
H
H
J
J
J
●
p1360 = p1362[0] / (sqrt(6) * r0207[0])
●
p1362[0] = 以下の表に基づくブレーキモジュールの有効化スレッシホールド
●
r0207[0...4] = 電源モジュールの定格電流
抵抗表 380 ~ 480 V 電源電圧
制動電 UDC リンク 連続制動 ピーク制 連続制動出力
流
出力
動出力
時の抵抗
チョッパ
スレッシ
ホールド
定格電圧
定格電
流
[V]
[A]
[A]
[V]
[kW]
[kW]
[Ω]
[Ω]
400
490
450
667
368
551
0,605
0,403
480
490
450
774
427
640
0,702
0,466
400
605
545
667
445
668
0,500
0,333
480
605
545
774
517
775
0,580
0,387
400
745
680
667
555
833
0,400
0,267
480
745
680
774
645
967
0,465
0,310
400
840
800
667
654
980
0,340
0,277
480
840
800
774
758
1138
0,395
0,263
400
985
900
667
735
1103
0,303
0,202
480
985
900
774
853
1280
0,351
0,234
400
1260
1215
667
93
1489
0,224
0,149
480
1260
1215
774
1152
1728
0260
0,173
400
1405
1365
667
1115
1673
0,199
0,133
480
1405
1365
774
1294
1941
0,231
0,154
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
ピーク制動出
力時の抵抗
287
基本機能
6.11 ブレーキモジュールとしてのモータモジュール
表 6- 9
モータモ
ジュール
フレーム
サイズ
F
F
F
F
G
G
288
抵抗表 500 ~ 690 V 電源電圧
制動電 UDC リンク
流
チョッパ
スレッシ
ホールド
連続制
動出力
ピーク制 連続制動出力
動出力
時の
抵抗
ピーク制動出
力時の
抵抗
定格電圧
定格電
流
[V]
[A]
[A]
[V]
[kW]
[kW]
[Ω]
[Ω]
500
85
85
841
87,6
131,3
4,039
2,693
600
85
85
967
100,7
151,0
4,644
3,096
660
85
85
1070
111,4
167,1
5,139
3,426
690
85
85
1158
120,6
180,8
5,562
3,708
500
100
100
841
103,0
154,5
3,433
2,289
600
100
100
967
118,4
177,6
3,948
2,632
660
100
100
1070
131,0
196,6
4,368
2,912
690
100
100
1158
141,8
212,7
4,728
3,152
500
120
115
841
118,5
177,7
2,986
1,990
600
120
115
967
136,2
204,3
3,433
2,289
660
120
115
1070
150,7
226,1
3,798
2,532
690
120
115
1158
163,1
244,6
4,111
2,741
500
150
144
841
148,3
222,5
2,384
1,590
600
150
144
967
170,5
255,8
2,742
1,828
660
150
144
1070
188,7
283,1
3,034
2,022
690
150
144
1158
204,2
306,3
3,283
2,189
500
175
175
841
180,3
270,4
1,962
1,308
600
175
175
967
207,3
310,9
2,256
1,504
660
175
175
1070
229,3
344,0
2,496
1,664
690
175
175
1158
248,2
372,3
2,701
1,801
500
215
215
841
221,5
332,2
1,597
1,065
600
215
215
967
254,6
381,9
1,836
1,224
660
215
215
1070
281,8
422,6
2,032
1,354
690
215
215
1158
304,9
457,4
2,199
1,466
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
基本機能
6.11 ブレーキモジュールとしてのモータモジュール
モータモ
ジュール
フレーム
サイズ
G
G
H
H
H
J
制動電 UDC リンク
流
チョッパ
スレッシ
ホールド
定格電
流
[V]
[A]
[A]
[V]
[kW]
[kW]
[Ω]
[Ω]
500
260
255
841
262,7
394,0
1,346
0,898
600
260
255
967
302,0
453,0
1,548
1,032
660
260
255
1070
334,2
501,3
1,713
1,142
690
260
255
1158
361,7
542,5
1,854
1,236
500
330
290
841
298,7
448,1
1,184
0,789
600
330
290
967
343,5
515,2
1,361
0,908
660
330
290
1070
380,0
570,1
1,506
1,004
690
330
290
1158
441,3
616,9
1,630
1,087
500
410
400
841
412,0
618,0
0,858
0,572
600
410
400
967
473,7
710,6
0,987
0,658
660
410
400
1070
524,2
786,3
1,092
0,728
690
410
400
1158
567,3
851,0
1,182
0,788
500
465
450
841
463,5
695,3
0,763
0,509
600
465
450
967
532,9
799,4
0,877
0,585
660
465
450
1070
589,7
884,6
0,971
0,647
690
465
450
1158
638,2
957,3
1,051
0,700
500
575
515
841
530,5
795,7
0,667
0,444
600
575
515
967
609,9
914,9
0,767
0,511
660
575
515
1070
674,9
1012,3
0,848
0,565
690
575
515
1158
730,4
1095,6
0,918
0,612
500
735
680
841
700,4
1050,6
0,505
0,337
600
735
680
967
805,3
1208,0
0,581
0,387
660
735
680
1070
891,1
1336,7
0,642
0,428
690
735
680
1158
964,4
1446,6
0,695
0,463
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
連続制
動出力
ピーク制 連続制動出力
動出力
時の
抵抗
ピーク制動出
力時の
抵抗
定格電圧
289
基本機能
6.11 ブレーキモジュールとしてのモータモジュール
モータモ
ジュール
フレーム
サイズ
J
J
J
J
290
制動電 UDC リンク
流
チョッパ
スレッシ
ホールド
連続制
動出力
ピーク制 連続制動出力
動出力
時の
抵抗
ピーク制動出
力時の
抵抗
定格電圧
定格電
流
[V]
[A]
[A]
[V]
[kW]
[kW]
[Ω]
[Ω]
500
810
805
841
829,2
1243,7
0,427
0,284
600
810
805
967
953,4
1430,1
0,490
0,327
660
810
805
1070
1054,9
1582,4
0,543
0,362
690
810
805
1158
1141,7
1712,5
0,587
0,392
500
910
905
841
932,2
1398,2
0,379
0,253
600
910
905
967
1071,8
1607,7
0,436
0,291
660
910
905
1070
1186,0
1779,0
0,483
0,322
690
910
905
1158
1283,5
1925,3
0,522
0,348
500
1025
1020
841
1050,6
1575,9
0,337
0,224
600
1025
1020
967
1280,0
1812,0
0,387
0,258
660
1025
1020
1070
1336,7
2005,0
0,428
0,286
690
1025
1020
1158
1446,6
2169,9
0,463
0,309
500
1270
1230
841
1266,9
1900,4
0,279
0,186
600
1270
1230
967
1456,7
2185,1
0,321
0,214
660
1270
1230
1070
1611,9
2417,8
0,355
0,237
690
1270
1230
1158
1744,5
2616,7
0,384
0,256
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
基本機能
6.11 ブレーキモジュールとしてのモータモジュール
制動抵抗器の接続
制動抵抗器はスター結線で接続するようにしてください。
Ⓟ╤㕄㔦⣷ቑ
㘷⯷ሸቯቮ揜函
Ⓟ╤㕄㔦⣷ቑ
峀⹈ሸቯቍሧ揜函
8
5%
8
9
5%
9
:
5%
:
図 6-5
5%
Ⓟ╤㕄㔦⣷ቑ
峀⹈ሸቯቍሧ揜函
5%
8
9
5%
制動抵抗器
ブレーキモジュールの有効化スレッシホールドの設定
ブレーキモジュールの有効化スレッシホールドは、ベーシックラインモジュールで処理
されます (以下の表)。
ブレーキモジュール有効化スレッシホールドの値 p1362[0] およびヒステリシス
p1362[1] を調整することができます。電圧タイプと p0210 の出荷時設定に依存し、パ
ラメータにはデフォルト値が割りつけられます。
表 6- 10
チョッパスレッシホールド
電源電圧
V
380 - 480
500 - 600
660 - 690
公差
%
+/- 10 %、-15 %
+/- 10 %、-15 %
+/- 10 %、-15 %
(60 s)
(60 s)
(60 s)
Udmax
V
820
1022
1220
UDC link
Vmin
759
948
1137
ブレーキモジュールの有効
Vrated
774
967
1159
化スレッシホールド
Vmax
789
986
1179
HW 電源遮断スレッシホー
Vmin
803
1003
1198
ルド
Vrated
819
1022
1220
Vmax
835
1041
1244
p1362[0]
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
291
基本機能
6.11 ブレーキモジュールとしてのモータモジュール
6.11.3
機能の有効化
STARTER 試運転ツールが開かれ、新しいプロジェクトが作成されました。
1. 通常コントロールユニットおよび電源モジュールをコンフィグレーションします
(『SINAMICS S120 試運転マニュアル』を参照)。
2. ドライブオブジェクトとしてタイプ [VECTOR] (ベクトル) を選択します。
3. [U/f control] (U/f 制御) をコントローラの構造として選択してください。
4. [Control mode] (制御モード) の下の [(15) Operation with braking resistor] ((15) 制動
抵抗器付き運転) を選択します。
5. コンフィグレーションウィンドウで接続電圧を選択します。
6. コンフィグレーションウィンドウで、タイプとして [Chassis] を選択します。
7. コンフィグレーションウィンドウで、必要なパワーユニットを選択します。
8. モータモジュールおよび抵抗器のコンフィグレーションウィンドウを閉じます。
9. [Continue >] から [Complete] までのウィザードガイドに従います。
モータモジュールは、トポロジーのコンポーネント番号で表示されます。
並列接続
ブレーキモジュールとしてのモータモジュールは、並列で運転することができます。
コンフィグレーション中、設定は STARTER で以下のように行われます:
●
上記リストのポイント 7 の後、[Configuration window Power unit Additional data]
(コンフィグレーションウィンドウ
●
パワーユニット追加データ) が表示されます。
この画面で [Parallel connection] (並列接続) のチェックボックスを有効にします。
[Number of parallel modules] (並列モジュール数) のプルダウンメニューが表示され
ます。
●
モータモジュールの希望数を選択します。
●
[Complete] (完了) に到達するまで、[Continue] (継続) をクリックします。 モータモ
ジュールのコンフィグレーションのウィザードはこれで終了です。
トポロジーで設定したモータモジュール数を確認できます。
制動抵抗器は、上記の抵抗表に基づいて、各モータモジュールに対して容量選定しなけ
ればなりません。
292
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
基本機能
6.11 ブレーキモジュールとしてのモータモジュール
₵⒦㘴倩
&RQWURO8QLW
'5,9(&/L4
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0RGXOH
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Ⓟ╤
኿ንዂዙወ
0
0
榊䄟
図 6-6
ブレーキモジュールとしてのモータモジュールの並列接続
更に実行するために、ナビゲーションリストで [.../Drives/Drive_1 > Configuration] (.../
ドライブ/Drive_1 > コンフィグレーション) をダブルクリックしてください。 ダイアロ
グが開き、現在のコンフィグレーションを確認することができます。 [Current power
unit operating values] (現在のパワーユニット運転値) ボタンはコンポーネント数に基づ
いたモータモジュールを表示します。 運転中、現在の電気的値が表示されます。
マスタ/スレーブ
並列接続されたモータモジュールは、マスタ/スレーブモードでも運転できます。 これ
を行うには、次のパワーユニットの U/f 特性の入力値を入力するために、パラメータ
p1330 を使用します。 スレーブは、U/f 特性の電圧設定値のみを受け付けます。
6.11.4
保護機器
保護機能の詳細は、セクション「モータ温度監視」を参照してください。 追加の保護
デバイスには以下が含まれます:
●
接地故障
全ての相電流の合計の監視
●
断線
20% 以上の不平衡負荷では、I*T 監視で検出される非対称電流が出力します。
– 位相非対称が検出される場合、アラーム A06921 が出力されます。
– 故障はパラメータ r0949 に存在します:
パラメータ r0949 = 11 断線 U 相
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
293
基本機能
6.11 ブレーキモジュールとしてのモータモジュール
パラメータ r0949 = 12 断線 V 相
パラメータ r0949 = 13 断線 W 相
– 位相故障が検出される場合、故障 F06922 が出力されます。
●
過電流
Imax コントローラが有効です。 設定値はパラメータ p0067 に保存されます。
●
抵抗器の過熱
温度は、抵抗器に取り付けられたバイメタル温度スイッチを使用して監視されます。
温度評価接点のコンフィグレーション
●
直列の 3 台の抵抗器の温度評価接点を切り替えます。
●
温度評価接点をモータモジュールの温度検出センサに接続します (端子 X41.3 およ
び X41.4)。
6.11.5
●
パラメータ p0600 = 11 および p0601 = 4 を設定します。
●
モータモジュールの温度センサ評価を「外部故障」としてパラメータ設定します。
ファンクションダイアグラムおよびパラメータ
ファンクションダイアグラム (『SINAMICS S120/S150 リストマニュアル』を参照)
●
なし
主要パラメータ一覧 (『SINAMICS S120/S150 リストマニュアル』を参照)
294
●
r0207[0…4] パワーユニット定格電流
●
r0949[0...63] 故障値
●
p1300[0...n] 開ループ/閉ループ制御運転モード
●
p1330[0...n] CI: 電圧設定値から独立した U/f 制御
●
p1360 ブレーキモジュール制動抵抗、常温
●
p1362[0…1] ブレーキモジュールスイッチ「入」スレッシホールド
●
p1363 CO: ブレーキモジュール出力電圧
●
p1364 ブレーキモジュール非対称抵抗
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
基本機能
6.12 OFF3 トルク制限値
6.12
OFF3 トルク制限値
説明
トルクリミットが外部で指定されている場合 (例: 張力コントローラ)、ドライブは低減
トルクのみで停止できます。 電源装置の p3490 選択時間内に停止が完了しない場合、
電源装置は停止し、ドライブはフリーラン停止します。
これを回避するために、LOW 信号の場合には、トルクリミット p1520 および p1521
を有効にするバイネクタ入力 (p1551) があります。 つまり、信号 OFF3 (r0899.5) をこ
のバイネクタに内部接続することで、ドライブを最大トルクで制動できるということで
す。
ファンクションダイアグラム (『SINAMICS S120/S150 リストマニュアル』を参照)
●
5620 力行/回生トルクリミット
●
5630 上側/下側トルクリミット
●
6630 上側/下側トルクリミット
主要パラメータ一覧 (『SINAMICS S120/S150 リストマニュアル』を参照)
6.13
●
p1520 トルクリミット値、上側/力行
●
p1521 トルクリミット、下側/回生
テクノロジーファンクション: 摩擦特性
説明
摩擦特性曲線は、モータおよびマシンの摩擦トルクを補正するために使用されます。
摩擦特性で、速度コントローラをプリコントロールし、応答を向上させることができま
す。
各摩擦曲線で 10 点の補間点が使用されます。 各補間点の座標は、速度パラメータ
(p382x) およびトルクパラメータ (p383x) で定義されます (ポイント 1 = p3820 および
p3830)。
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
295
基本機能
6.13 テクノロジーファンクション: 摩擦特性
特徴
●
摩擦曲線のマッピングに 10 点の補間点が使用されます。
●
自動機能により、摩擦特性曲線を記録することができます (摩擦特性曲線を記録)。
●
コネクタ出力 (r3841) を摩擦トルク (p1569) として適用することができます。
●
摩擦特性は有効化および無効化できます (p3842)。
ファンクションダイアグラム (『SINAMICS S120/S150 リストマニュアル』を参照)
●
5610 トルクリミット/低減/インタポレータ
●
6710 電流設定値フィルタ
●
7010 摩擦特性曲線
主要パラメータ一覧 (『SINAMICS S120/S150 リストマニュアル』を参照)
●
p3820 摩擦特性曲線値 n0
●
...
●
p3839 摩擦特性曲線値 M9
●
r3840 CO/BO : 摩擦特性曲線ステータス
●
r3841 CO: 摩擦特性曲線出力
●
p3842 摩擦特性曲線有効
●
p3845 摩擦特性曲線記録有効
パラメータでの試運転
p382x で、測定用速度は、初回試運転中に最大速度 p1082 に対して事前に定義されて
います。 これらは適切に変更することができます。
自動摩擦特性プロットは、p3845 で有効にすることができます。 この特性は、次回イ
ネーブルされた時にプロットされます。
以下の設定が可能です:
●
p3845 = 0 摩擦特性曲線記録無効
●
p3845 = 1 摩擦特性曲線記録有効、全ての回転方向
摩擦特性曲線は、双方回転方向で記録されます。 正側および負側の測定結果の平均
値が計算され、p383x に入力されます。
296
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
基本機能
6.14 簡易ブレーキ制御
●
p3845 = 2 摩擦特性曲線記録有効、正側の回転方向
●
p3845 = 3 摩擦特性曲線記録有効、負側の回転方向
危険
摩擦特性がプロットされる時、ドライブがモータを動作させる場合があります。
その結果、モータが最大速度に到達する場合があります。
試運転中、非常停止機能は必ず完全に運転できる状態でなければなりません。 機
械装置および人を保護するために、関連する安全規則が必ず遵守されなければなり
ません。
STARTER を介した試運転
STARTER では、摩擦特性曲線を [Function] (機能) のダイアログを介して起動させる
ことができます。
6.14
簡易ブレーキ制御
特徴
●
シーケンス制御による自動有効化
●
停止状態 (ゼロ速) 監視
●
強制ブレーキの解除 (p0855、p1215)
●
「1」信号「無条件に保持ブレーキを作動」 (p0858) の場合にブレーキを適用
●
「速度コントローライネーブル」信号 (p0856) がキャンセルされた後にブレーキを
適用
説明
「簡易ブレーキ制御」は、保持ブレーキ制御専用で使用されます。 保持ブレーキは、
無効時に、ドライブが望ましくない動作を実行しないことを保証するために使用されま
す。
保持ブレーキを開放および適用するトリガコマンドは、コントロールユニットから
DRIVE-CLiQ を介してモータモジュールに直接転送されます。コントロールユニットは、
この信号を監視し、システム内部の処理に論理的に接続します。
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
297
基本機能
6.14 簡易ブレーキ制御
この時、モータモジュールは動作を実行し、保持ブレーキの出力を有効にします。 正
確なシーケンス制御については、『SINAMICS S120/S150 リストマニュアル』 (ファン
クションダイアグラム 2701 および 2704) を参照してください。 保持ブレーキの動作
原理は、パラメータ p1215 でコンフィグレーションすることができます。
ON /OFF1 (p0840[0]=0)
1
t
パルスイネーブル
1
励磁完了
t
速度設定値
[1/最小] (値)
p1226 nスレッシホールド
[1/最小] (値)
速度実績値
p1227
t
p1226 nスレッシホールド
p1228
出力信号
保持ブレーキ
1
「開」時間
p1216
図 6-7
t
「閉」時間
p1217
t
シーケンスダイアグラム、簡易ブレーキ制御
ブレーキの作動時間の起動は、2 つの時間 p1227 (停止検出監視時間) と p1228 (パルス
ブロック遅延時間) のうちのより短い経過時間に依存します。
警告
保持ブレーキは、常用ブレーキとして使用してはいけません。
保持ブレーキを使用する際には、機械固有の特殊技術条件、および人と機械の安全を
保障するための規格を遵守しなければなりません。
例えば、垂直軸に含まれるリスクも考慮しなければなりません。
試運転
簡易ブレーキ制御は、モータモジュール内にブレーキ制御が備わっており、接続された
ブレーキが検出された場合、自動的に有効になります (p1215 = 1)。
内部ブレーキ制御が使用できない場合、パラメータ (p1215 = 3) を使用して、この制御
を有効にすることができます。
298
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
基本機能
6.14 簡易ブレーキ制御
注意
ブレーキが存在する場合で、p1215 = 0 (使用可能なブレーキなし) が設定される場合
には、ブレーキがかけられたままドライブが動作します。 これにより、ブレーキが破
損する場合があります。
注意
ブレーキ制御監視は、安全ブレーキリレー (p1278 = 0) 付きブックサイズパワーユニ
ットおよびブロックサイズパワーユニットに対してのみ有効にすることができます。
ファンクションダイアグラム (『SINAMICS S120/S150 リストマニュアル』を参照)
●
2701 簡易ブレーキ制御 (r0108.14 = 0)
●
2704 拡張ブレーキ制御 (r0108.14 = 1)
主要パラメータ一覧 (『SINAMICS S120/S150 リストマニュアル』を参照)
●
r0056.4 励磁終了
●
r0060 CO: 設定値フィルタ前段の速度設定値
●
r0063 CO: 実績値平滑化後段の速度実績値 (サーボ)
●
r0063[0...2] CO: 速度実績値
●
r0108.14 拡張ブレーキ制御
●
p0855[C] BI: 無条件に保持ブレーキを「開」
●
p0856 BI: 速度コントローライネーブル済
●
p0858 BI: 無条件に保持ブレーキを「閉」
●
r0899.12 BO: 保持ブレーキ「開」
●
r0899.13 BO: コマンド、保持ブレーキ「閉」
●
p1215 モータ保持ブレーキコンフィグレーション
●
p1216 保持ブレーキ「開」時間
●
p1217 保持ブレーキ「閉」時間
●
p1226 ゼロ速度検出のためのスレッシホールド
●
p1227 ゼロ速度検出監視時間
●
p1228 ゼロ速度検出、遅延時間
●
p1278 ブレーキ制御診断評価
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
299
基本機能
6.15 実行時間(運転時間カウンタ)
6.15
実行時間(運転時間カウンタ)
システムランタイムの合計
システムランタイムの合計は、p2114 (コントロールユニット) で表示されます。 イン
デックス 0 は、86,400,000 ms (24 時間) に到達後のシステム実行時間 (単位: ミリ秒) を
示し、この値はリセットされます。 インデックス 1 は、[日]単位でのシステムランタイ
ムを示します。
電源遮断時に、カウンタ値は保存されます。
ドライブ装置に電源を投入すると、最後に電源が遮断された時に保存された値でカウン
トが続行されます。
相対的システムランタイム
最後の POWER ON 後の相対的システムランタイムが p0969 (コントロールユニット)
に表示されます。 この値は [ミリ秒] 単位で、カウンタは 49 日後にオーバーフローしま
す。
実際のモータの運転時間
パルスがイネーブルされる時に、モータ運転時間カウンタ p0650 (ドライブ) が開始さ
れます。 パルスイネーブルが取り消されると、カウンタが停止され、値は保存されま
す。
p0651 が 0 である場合、カウンタは無効化されます。
p0651 で設定されたメンテナンス間隔に到達すると、アラーム A01590 がトリガされま
す。 モータがメンテナンスされると、メンテナンス間隔はリセットされなければなり
ません。
注意
モータを変更せずに、モータデータセットがスター/デルタ切り替え中に切り替えられ
ると、p0650 の 2 つの値は正しいモータ運転時間を決定するために加算されなければ
なりません。
ファンの運転時間カウンタ
パワーユニットのファンの運転時間は、p0251 (ドライブ) に表示されます。
運転時間数はこのパラメータで 0 にのみリセットできます (例: ファン交換後)。 ファン
の耐用年数は p0252 (ドライブ) に入力されます。 この数値に到達するまで、アラーム
A30042 は 500 時間出力されます。 p0252 = 0 の場合、監視が無効化されます。
300
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
基本機能
6.16 省エネ表示
6.16
省エネ表示
はじめに
カスタマイズされた速度制御運転により、ドライブは、エネルギー消費を従来の閉ルー
ププロセス制御と比べて大幅に低減されます。 これは、遠心ポンプやファンなどの、
放物線状の負荷特性を持つ連続フロー機械に特に当てはまります。 SINAMICS S120 シ
ステムを使用して連続フロー機械の速度を変更することで、流量率や圧力を制御できま
す。 その結果、プラントまたはシステムは、運転範囲全体に渡って、ほぼ最大効率に
制御されます。
省エネ表示
省エネ量は r0041 に表示されます。
省エネの可能性が低い機械装置
放物線上の負荷特性の連続フロー機械と比べて、コンベヤドライブや往復ポンプなどの
リニアまたは定負荷特性を備える機械では、省エネの可能性は低くなります。
この機能は、液体フロー機械の場合に最適化されます。
状況
従来方式で制御されるプラントやシステムでは、媒体の流量がバルブまたはスロットル
により制御されています。 この場合、ドライブモータは、特定の運転により定義され
た定格速度で運転されます。 バルブやスロットルにより流量が減少されると、システ
ム効率は大幅に低下します。 システム内の圧力は増します。 バルブ/スロットルが完全
に閉じられた場合、つまり、流量 Q = 0 の場合でも、モータはエネルギーを消費します。
加えて、望まれないプロセス関連の状況、例えば、連続フロー機械でのキャビテーショ
ンや連続フロー機械および媒体の温度上昇などが発生する場合があります。
システムを最適化するためのソリューション
速度コントローラを使用する場合、連続フロー機械のプロセス固有の流量は、速度変化
により制御されます。 この流量は、連続フロー機械の速度に比例して変化します。 全
てのスロットルやバルブは、完全に開いたままです。 プラント/システム特性は、必要
な流量を実現するために速度コントローラによりシフトされます。 結果として、シス
テム全体がほぼ最大効率で運転されます。特に部分負荷範囲では、スロットルやバルブ
を使用して、流量を制御する場合よりもエネルギー消費が大幅に削減されます。
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
301
基本機能
6.16 省エネ表示
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3
3
Q
図 6-8
Q
Q
Q
Q
Q>@a4>@
Q>@a9>@
省エネの可能性
上部特性の凡例:
H[%]: 揚程、P[%]: 供給圧力、Q[%]: 供給率、V[%]:流量 (率)
302
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
基本機能
6.16 省エネ表示
底部特性の凡例:
P[%]: コンベア機械により消費された電流、n[%]: コンベア機械の速度
n = 100% のシステム特性の場合の補間点 p3320 ~ p3329:
P1 ... P5: 消費電流、n1 ... n5: 閉ループ速度制御機械に相当する速度
省エネ機能
この機能は消費されたエネルギー総量を決定し、それを従来型のスロットル制御を装備
したプラントやシステムに必要な補間されたエネルギーと比較します。 節約されたエ
ネルギー総量は、最後の 100 運転時間から計算され、[kW] 単位で表示されます。運転
時間が 100 時間より短い場合、潜在的なエネルギー節約が 100 運転時間まで補間され
ることになります。 これを行うためには、従来のスロットル制御でのプラント/システ
ム特性を手動で入力しなければなりません。
注記
プラント/システム特性
プラント/システム特性の補間点を入力しない場合、計算の基盤として出荷時設定が使
用されます。 出荷時設定値が実際のプラント/システム特性と異なり、不正確な計算に
至る場合があります。
この計算は、各軸で個別にコンフィグレーションできます。
この機能の有効化
この機能はベクトルモードのみでイネーブルできます。
●
この機能は、パルスイネーブル後に自動的に有効化されます。
●
パラメータ p3320 ~ p3329 の負荷特性に 5 つの補間点を入力します
表 6- 11
プラント/システム補間点
補間点
パラメータ
出荷時設定:
P - 出力 [%] 単位
n - 速度 [%] 単位
1
2
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
p3320
P1 = 25.00
p3321
n1 = 0.00
p3322
P2 = 50.00
p3323
n2 = 25.00
303
基本機能
6.17 エンコーダ診断
補間点
パラメータ
出荷時設定:
P - 出力 [%] 単位
n - 速度 [%] 単位
3
4
5
p3324
P3 = 77.00
p3325
n3 = 50.00
p3326
P4 = 92.00
p3327
n4 = 75.00
p3328
P5 = 100.00
p3329
n5 = 100.00
エネルギー表示をリセットします
パラメータ r0041 の値を 0 にリセットするために p0040 = 1 を設定します。パラメー
タ p0040 はその後自動的に元の 0 に設定されます。
6.17
エンコーダ診断
6.17.1
データロガー
データロガーはトラブルシューティングをサポートするために利用可能です。このデー
タロガーはエンコーダ評価でのエラーを特定できます。
試運転
この機能を有効にするにはパラメータ p0437.0 = 1 を設定します。
データロガーは、電流コントローラが 125 µs よりも遅くなると直ちに、自動的に有効
になります。
動作原理
データロガーは実績値の生成の基盤となるエンコーダ評価の複数の内部信号を読み出し
ます。 故障状態における変化は記録のトリガとして機能します。 データは、故障状態
の直前と直後に記録されます。
304
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
基本機能
6.17 エンコーダ診断
診断データは以下のディレクトリでメモリカードに保存されます。
/USER/SINAMICS/DATA/SMTRC00.BIN
…
/USER/SINAMICS/DATA/SMTRC07.BIN
/USER/SINAMICS/DATA/SMTRCIDX.TXT
以下の情報はインデックスファイル (SMTRCIDX.TXT) に含まれます:
●
最後に書き込まれた BIN ファイルを表示
●
まだ書き込み可能な操作数 (10000 から減少)
注記
BIN ファイルはシーメンスのみが評価できます。
アラーム A3x9301) は、診断データの記録中に出力されます。 この時間中にシステ
ムの電源を遮断しないで下さい。
1)
6.17.2
x = エンコーダ数 (x = 1、2 または 3)
エンコーダダーティ信号
エンコーダの検出電子制御回路がもはや信頼できる位置を決定できない場合、一部のエ
ンコーダには「高」から「低」へと切り替えられる追加出力が備わっています。
この状態を通知するには、SMC30 が使用されている場合、ドライブは出力アラーム
A3x4701) のみを出力します。
1)
x = エンコーダ数 (x = 1、2 または 3)
試運転
該当するエンコーダ信号をデバイスの CTRL 入力 (監視信号) に接続します。 パラメー
タ設定は必要とされません。
注記
断線の場合、この入力は自動的にハイレベルに設定されます: 結果として、断線の場合
も、エンコーダは「正常」と見なされます。
主要パラメータ一覧 (『SINAMICS S120/S150 リストマニュアル』を参照)
●
p0437[0...n] センサモジュールコンフィグレーション拡張済
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
305
基本機能
6.18 許容エンコーダ監視
6.18
許容エンコーダ監視
許容エンコーダ評価により、エンコーダ信号の評価に関する以下の拡張機能が提供され
ます:
●
エンコーダトラック監視 (ページ 308)
●
ゼロマーク許容値 (ページ 309) (他のセンサモジュールでも)
●
未処理の速度値をフリーズ (ページ 309)
●
調整可能なハードウェアフィルタ (ページ 310)
●
ゼロマークのエッジ評価 (ページ 311)
●
磁極位置補正 (ページ 312)
●
故障時のパルス数補正 (ページ 313)
●
監視、許容帯域、パルス数 (ページ 314)
●
エンコーダ評価の拡張 (1x、4x) (ページ 315)
●
速度「0」を評価するための測定時間を設定 (ページ 316)
●
電流コントローラサイクル数は、速度実績値の平均値を生成するために設定できま
す (ページ 316)
これらの補足機能により、エンコーダ信号の評価を改善することができます。 これは、
コントロールユニットが不正なエンコーダ信号を受信する、または、信号の固有の特徴
が補償される必要がある特別な場合に必要となる場合があります。
これらの補足機能の一部は、互いに組み合わせることができます。
306
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
基本機能
6.18 許容エンコーダ監視
用語
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図 6-9
用語
試運転
許容エンコーダ監視は、パラメータ p0437 および r0459 で試運転されます。
r0458.12 = 1 は、ハードウェアが拡張エンコーダ特性をサポートしているかどうかを示
します。
注記
• エンコーダの試運転時に、許容エンコーダ監視機能だけをパラメータ設定すること
ができます。 エンコーダ監視パラメータは、ドライブが動作している間は変更でき
ません!
• これらの機能は、STARTER のエキスパートリストを使用してのみパラメータ設定
できます。
• 以下で説明される機能は、SMC30 モジュールと内部エンコーダ評価を備えたコント
ロールユニットに当てはまります。
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
307
基本機能
6.18 許容エンコーダ監視
6.18.1
エンコーダトラック監視
プッシュプル信号の方形波エンコーダの場合、この機能はエンコーダトラック
A/B ↔ -A/B と R ↔ -R を監視します。エンコーダトラック監視は、信号 (振幅、オフセ
ット、位相) という最も重要な特徴を監視します。
試運転
以下のパラメータは、トラック監視の前提条件として設定されなければなりません:
●
p0404.3 = 1 により、方形波エンコーダに切り替えられます
●
p0405.0 = 1 により、信号はバイポーラに設定されます
トラック監視を有効にするために、p0405.2 = 1 を設定します。
パラメータ p0400 のリストからエンコーダを選択した場合、それよりも大きな値が事
前に設定され、これを変更することはできません (詳細は『SINAMICS S120/S150 リス
トマニュアル』の p0400 に関する情報も参照)。
トラック監視の無効化
エンコーダトラック監視が有効化される場合、p0437.26 = 1 を設定することで、この機
能を無効化できます。
メッセージの評価
全てトラック監視機能は個別に評価できます。 HTL も TTL エンコーダも使用できます。
故障が検出されると、故障 F3x1171) が出力されます。 故障トラックは、故障値ビット
コードに含まれます。
注記
モジュール CU310-2、CUA32、D410-2 および SMC30 (注文番号
6SL3055-0AA00-5CA0 および 6SL3055-0AA00-5CA1 のみ) の場合、一般信号しか存在
しません。 R トラックのない方形波エンコーダをこれらのモジュールの 1 つに接続す
る場合で、トラック監視が有効にされている場合には、故障 F3x1171) が出力されま
す。
この故障を回避するためには、エンコーダ接続で「接地エンコーダ電源」 (ピン 7) を
「基準信号 R」 (ピン 10) に、「エンコーダ電源」 (ピン 4) を「反転基準信号 R」 (ピン
11) に接続しなければなりません。
1)
308
x = エンコーダ数 (x = 1、2 または 3)
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
基本機能
6.18 許容エンコーダ監視
6.18.2
ゼロマーク許容範囲
この機能により、2 つのゼロマーク間のエンコーダパルス数に関して、それぞれの故障
を許容することができます。
試運転
「ゼロマーク許容範囲」機能を有効にするには、パラメータ p0430.21 = 1 を設定しま
す。
動作原理
この機能は以下のように動作します。
●
「ゼロマーク許容」機能は、2 番目のゼロマークが検出された後に有効になります。
●
この後、2 つのゼロマークの間のトラックパルス数が一度コンフィグレーションさ
れたパルス数と一致しない場合、アラーム A3x4001) (アラームスレッシホールド、
ゼロマーク距離エラー) または A3x4011) (アラームスレッシホールド、ゼロマークエ
ラー) が出力されます。
●
次のゼロマークが正しい位置で受信されると、このアラームは解除されます。
●
但し、新しいゼロマーク位置エラーが特定されると、故障 F3x1001) (ゼロマーク距
離エラー) または Fx31011) (ゼロマークエラー) が出力されます。
1)
6.18.3
x = エンコーダ数 (x = 1、2 または 3)
未処理の速度値をフリーズ
高速での変更の場合、dn/dt 監視機能が応答し、その後「未処理の速度値をフリーズ」
機能により、短時間に速度実績値を指定し、それにより速度変更を均等化する機会が与
えられます。
試運転
「未処理の速度値をフリーズ」機能を有効にするには、パラメータ p0437.6 = 1 を設定
します。
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
309
基本機能
6.18 許容エンコーダ監視
シーケンス
●
dn/dt が応答する場合、アラーム A3x418 「エンコーダ x: サンプリング率あたりの
速度差を超過」1) が出力されます。
●
2 つだけの電流コントローラクロックサイクルの間に制限される、フリーズされた
速度実績値が提供されます。
●
ロータ位置は統合され続けます
●
実績値は、2 電流コントローラサイクル後に再びリリースされます。
1)
6.18.4
x = エンコーダ数 (x = 1、2 または 3)
調整可能なハードウェアフィルタ
調整可能なハードウェアフィルタ機能により、エンコーダをフィルタし、それにより短
い干渉パルスを防止するすることができます。
試運転
●
「調整可能なハードウェアフィルタ」機能を有効にするには、パラメータ
p0438 ≠ 0 を設定します。
パラメータ設定
●
パラメータ p0438 (方形波エンコーダフィルタ時間) に、0 ~ 100 µs の範囲でフィ
ルタ時間を入力します。 ハードウェアフィルタは、値 0 (フィルタなし)、0.04 µs、
0.64 µs、2.56 µs、10.24 µs および 20.48 µs をサポートします。
上記の離散値以外の数値を入力した場合、ファームウェアが次に最も近い離散値を
自動的に設定します。 ドライブは、アラームまたは故障メッセージを出力しません。
●
パラメータ r0452 で有効で効果的なフィルタ時間を確認できます。
注記
ゼロマークアラーム F3x100、F3x101 および F3x1311) で、n_max 速度の半分で ¼
エンコーダパルスの幅を伴うゼロマークに対して既に出力されているものは、ハー
ドウェアフィルタが有効である場合、抑制されます。
結果
以下の通りに許容速度でのフィルタ時間の影響を計算することができます。
n_max [rpm] = 60 / (p0408 · 2 · r0452)
ここでは、p0408 は ロータリエンコーダのパルス数です。
310
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
基本機能
6.18 許容エンコーダ監視
例
仕様:
●
p0408 = 2048
●
r0452 = 10.24 [µs]
n_max は以下の通り計算されます:
●
n_max = 60 / (2048 · 2 · 10.24 · 10-6) = 1430 [rpm]
結果として、このフィルタ時間で、最大 1430 rpm までモータを運転することができま
す。
1)
6.18.5
x = エンコーダ数 (x = 1、2 または 3)
ゼロマークのエッジ評価
この機能は、ゼロマーク ≧ 1 パルス幅のエンコーダに適しています。 そうしなければ、
この特別の場合、ゼロマークのエッジ検出の結果エラーが発生することがあります。
正方向の回転の場合、ゼロマークの正のエッジが評価され、負の回転方向の場合、負の
エッジが評価されます。 結果として、ゼロマークが 1 パルスよりも広いエンコーダの
場合、等価ゼロマーク (p0404.12 = 1) でそれらをパラメータ設定することができます。
つまり、ゼロマークの確認は (F3x100, F3x1011)) 有効化されます。
試運転
●
「ゼロマークのエッジ評価」機能を有効化するために p0437.1 = 1 を設定します。
出荷時設定 p0437.1 = 0 では、知られているゼロマーク検出での運転が維持されま
す。
パラメータ設定
●
好ましくない状態下では、ドライブが 1 回転する間にゼロマークの周囲を振動する
場合、ゼロマーク幅の概算値によりゼロマークエラーが発生することがあります。
●
この動作は、パラメータ p4686 「ゼロマーク最小長」の適切な値を使用して回避す
ることができます。 できる限り最も堅牢な動作を実現するために、ゼロマーク幅の
¾ をパラメータ p4686 に割り付けることもできます。
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
311
基本機能
6.18 許容エンコーダ監視
●
僅かな誤差の場合にドライブが故障 F3x100 (N、A) 「エンコーダ x: ゼロマーク距
離エラー」1) を送信しないように、ゼロマーク距離の小さな調整誤差が許容されま
す。
「p4680 ゼロマーク監視許容範囲許可」
このパラメータにより、システムは、p0430.22 = 0 (磁極位置補正なし) および
p0437.2 = 0 (故障の場合のパルス数補正なし) が設定されている場合、F3x1001) の
発行がやや鈍くなります。
1)
6.18.6
x = エンコーダ数 (x = 1、2 または 3)
磁極位置補正
例えば、エンコーダディスクが汚れている場合、磁極位置エラーを補正するために、ド
ライブは周期的に受信するゼロマークを使用して不足するパルスを磁極位置に追加しま
す。 例えば、EMC 干渉によって過剰にパルスが追加されると、それらはゼロマークを
通過するたびに再び取り除かれます。
試運転
●
「磁極位置補正」機能を有効にするには、パラメータ p0430.22 = 1 を設定します。
動作原理
磁極位置補正が有効な場合、A/B トラック上の不正なパルスは転流の極位置で補正され
ます。 ゼロマークの許容帯域は電気的に ±30°です。 補正率は、2 つのゼロマーク間の
エンコーダパルスの ¼ です。つまり、散発的に不足したパルスまたは過剰なパルスが
補正されるということです。
注記
「ゼロマークでの転流」機能 (p0404.15 = 1) が有効な場合、システムは補正を行う前
に、精密な同期が完了するまで待機します (r1992.8 = 1)。
312
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
基本機能
6.18 許容エンコーダ監視
6.18.7
故障時のパルス数補正
干渉電流または他の EMC 故障により、エンコーダ評価が不正になることがあります。
しかしながら、ゼロマークを使用して測定された信号を補正することができます。
試運転
●
「故障時のパルス数補正」を有効にするために p0437.2 = 1 を設定します。
●
ゼロマーク距離 (p4680) のための許容範囲 (エンコーダパルス) を定義します。
●
ドライブがパルス数を補正する許容ウインドウのリミットを定義します (p4681、
p4682)。
●
p4686 を使用して、最小ゼロマーク長を定義します。
●
この機能は、2 つのゼロマーク間の許容ウィンドウ (p4681, p4682) までのエンコー
動作原理
ダパルスエラーを完全に補正します。 補正率は、電流コントローラクロックサイク
ルあたり ¼ エンコーダパルスです。 結果として、不足するエンコーダパルスの継
続的な補償が可能です (例えば、エンコーダディスクが汚れている場合)。 2 つのパ
ラメータを使用して、偏差パルス数の許容値を設定します。
偏差が許容ウィンドウのサイズを超えると、故障 F3x1311) が出力されます。
注記
「ゼロマークでの転流」機能 (p0404.15 = 1) が有効な場合、システムは補正を行う
前に、精密な同期が完了するまで待機します (r1992.8 = 1)。
転流の磁極位置も補正されます。 これを行うために、磁極位置補正を有効にする必
要はありません (p0430.22 = 1)。
この機能は速度検出では補正を行いません。
●
p4686 を使用して、最小ゼロマーク長を設定します。 出荷時設定 1 では、EMC 故
障がゼロマークエラーとなることが防止されます。
「ゼロマークエッジ検出」がパラメータ設定されている場合 (p0437.1 = 1)、より短
いゼロマークのみが抑制されます。
●
最小ゼロマーク長よりも少ないゼロマーク偏差は (p4686) 補正されません。
●
恒久的エラーのゼロマークは故障 F3x101 「エンコーダ x: ゼロマークエラー」1) ま
たはアラーム A3x4011) 「アラームスレッシホールドゼロマークエラー」で表示さ
れます。
1)
x = エンコーダ数 (x = 1、2 または 3)
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
313
基本機能
6.18 許容エンコーダ監視
6.18.8
「許容帯域パルス数」監視
この機能は、2 つのゼロマーク間のエンコーダパルス数を監視します。 その数が選択可
能な許容帯域外にある場合、アラームが出力されます。
試運転
●
「許容帯域パルス数監視」機能を有効にするには、パラメータ p0430.2 = 1 を設定
します。
●
パラメータ p4683 および p4684 を指定して、許容帯域の上側および下側リミット
を設定します。 この許容帯域内なら、検出されたパルス数が正常であると考えられ
ます。
動作原理
●
各ゼロマークの後、次のゼロマークまで、パルス数が許容帯域内にあるかどうかが
再び確認されます。 これに当てはまらない場合、「故障時のパルス数補正」
(p0437.2 = 1) がパラメータ設定され、アラーム A3x4221) が 5 秒間出力されます。
●
リミット値の 1 つが 0 である場合、アラーム A3x4221) が無効化されます。
●
補正されていないエンコーダパルスの表示
p0437.7 = 1 の場合、補正されたパルスエラー数が、補正マークとともに r4688 に
表示されます。 r4688 にゼロマーク距離あたりの補正されたパルスエラーを表示す
るために、p0437.7 = 0 を設定します。
1 回転後のドリフトの場合、許容帯域リミットに到達していなければ、アラームは
出力されません。 ゼロマークを超過した場合、新しい対策が実行されます。
●
許容帯域外のパルス数
許容帯域に違反があると、アラーム A3x4221) に加えて r4689.1 = 1 が設定されます。
高速ドライブの場合でさえ、コントローラが複数の違反を次々と連続して検出する
ことができるように、この値は、最低 100 ms 間残ります。
パラメータ r4689 のメッセージビットを PROFIBUS/PROFINET 経由で上位コント
ロールにプロセスデータとして送信することができます。
●
累積した補正値を PROFIBUS 経由で上位コントロールに送信できます (例:
p2051[x] = r4688)。 コントローラはその後、カウンタの内容を特定値に設定するこ
とができます。
注記
「許容パルス数監視」も、リーディング値エンコーダとしてドライブラインアップ
で動作する外部エンコーダに対して機能します (直接測定システムからの位置値
XIST1 を監視)。
1)
314
x = エンコーダ数 (x = 1、2 または 3)
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
基本機能
6.18 許容エンコーダ監視
6.18.9
信号エッジ評価 (1x、4x)
「信号エッジ評価」機能により、製品許容値が高い方の方形波エンコーダまたは古い方
のエンコーダの使用が可能になります。 この機能を使用して、「より安定した」速度
実績値がエンコーダ信号の奇数のパルスデューティ係数を伴うエンコーダのために計算
されます。 結果として、例えば、プラント施設の設備更新時に、古いモータとエンコ
ーダを維持することができます。
試運転
●
「信号エッジ評価」を有効にするために、パラメータ p0437 ビット 4 およびビット
5 を以下のように設定します:
p0437.4
p0437.5
評価
0
0
4 x (出荷時設定)
0
1
予備
1
0
1x
1
1
予備
動作原理
4x 評価の場合、トラック A および B の隣接する立ち上がりおよび立ち下がりエッジの
両方が評価されます。
1x 評価の場合、トラック A および B の隣接する最初または最後のエッジだけが評価さ
れます。
パルスエンコーダ信号の 4x 評価により、1x 評価の場合よりも 4 低い係数の最小速度が
検出できます。 エンコーダ信号のパルスデューティ係数が均等でない、または、エン
コーダ信号が正確に 90°オフセットされているインクリメンタルエンコーダでは、4x 評
価により、あまり安定していない速度実績値になる場合があります。
以下の公式により、0 と区別できる最小速度を定義します。
n_min = 60 / (x*p0408) [rpm]
x = 1 または 4 で (x 回の評価)
注記
エッジゼロマークとの組み合わせまたはゼロマークなしで、1x 評価までの低減のみを
使用することができます。 「曖昧な範囲」または距離コード化されたゼロマークで
は、1 つのパルスの正確な検出がもはやできません。
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
315
基本機能
6.18 許容エンコーダ監視
6.18.10
速度「0」を評価するための測定時間の設定
この機能は、正確に 0 に近い速度実績値を出力できるように (40 rpm 定格速度まで) 低
速ドライブにのみ必要です。固定ドライブの場合、これは、速度コントローラの I 要素
が大きくなり、ドライブが不必要にトルクを生成することを防止します。
試運転
●
パラメータ p0453 で必要とされる測定時間を入力します: この時間内に A/B トラッ
クからパルスが検出されない場合、速度実績値 0 が出力されます。
6.18.11
速度実績値のスライド平均化
低速ドライブの場合 (< 40 rpm)、1024 のパルス数の標準エンコーダを使用する場合、
エンコーダパルスの同じ数が全ての電流コントローラクロックサイクルで使用可能では
ないことから、問題が発生します。(p0430.20 = 1 の場合: 推定を伴わない速度計算、
「インクリメント差」)。 エンコーダパルスの異なる数は、エンコーダ自体が定速で回
転していても、速度実績値表示がジャンプすることを意味します。
試運転
●
スライド平均化の場合、パラメータ p0430.20 = 0 を設定します (エッジ時間測定)。
●
パラメータ p4685 で、速度を計算するために形成されるべき平均値に対する電流コ
ントローラクロックサイクルの数を入力します。 平均化とは、特定されたクロック
サイクルの数に依存した、それぞれの不正確なパルスが平滑化されることです。
316
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
基本機能
6.18 許容エンコーダ監視
6.18.12
トラブルシューティング
表 6- 12
故障プロファイルおよぼそれらの考えられる原因
故障プロファイル
故障の説明
解決策
故障なし
–
F3x101 (ゼロマーク 接続割り付けが正しい
故障)
かどうか確認してくだ
さい (A は -A と接続、
または、B は -B と接
続)
F3x100 (ゼロマーク 接続割付が正しいかど
距離エラー)
うか確認してください
(R と -R を接続)
差し込まれたゼロマ ゼロマーク許容範囲を
ーク
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
使用
317
基本機能
6.18 許容エンコーダ監視
故障プロファイル
故障の説明
解決策
ゼロマークが広すぎ ゼロマークのエッジ評
ます
価を使用します
EMC 故障
調整可能なハードウェ
アフィルタを使用しま
す
ゼロマークが早すぎ 故障の場合、磁極位置
ます/遅すぎます
補正またはパルス数補
(A/B トラックでの
正を使用します。
干渉パルスまたはパ
ルス損失)
318
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
基本機能
6.18 許容エンコーダ監視
6.18.13
許容ウィンドウと補正
ၮḰࡑ࡯ࠢ
(߹ߚߪ࠯ࡠࡑ࡯ࠢ)
࠯ࡠࡑ࡯ࠢ޽ߚࠅߩ⵬
ᱜࠬ࠹࠶ࡊ = -1 ⽎㒢
࠯ࡠࡑ࡯ࠢ޽ߚࠅߩ⵬
ᱜࠬ࠹࠶ࡊ = +1 ⽎㒢
⸵ኈ࠙ࠖࡦ࠼࠙‫⽶ޓࠢ࡯ࡑࡠ࠯ޓ‬
ࡠ࡯࠲૏⟎⵬ᱜ (p0430.22 = 1): -30°㔚᳇⊛
XIST ⵬ᱜ (p0437.2 = 1): p4682 ࠺ࡈࠜ࡞࠻ = -2
᡿㓚 F31131/
᡿㓚 F33131
図 6-10
6.18.14
⸵ኈ࠙ࠖࡦ࠼࠙‫ޓࠢ࡯ࡑࡠ࠯ޓ‬ᱜ
ࡠ࡯࠲૏⟎⵬ᱜ (p0430.22 = 1): +30°㔚᳇⊛
XIST ⵬ᱜ (p0437.2=1): p4681 ࠺ࡈࠜ࡞࠻ = +2
A3x131 ߪࠕ࡜࡯ࡓߣߒߡࡄ
࡜ࡔ࡯࠲⸳ቯߐࠇࠆ႐ว‫ޔ‬
㜞޿஍Ꮕ߽⵬ᱜߐࠇ߹ߔ‫ޕ‬
ᦨᄢߣߒߡᬌ಴ߐࠇߚฦ࠯
ࡠࡑ࡯ࠢߩ႐ว
⸵ኈ࠙ࠖࡦ࠼࠙▸࿐߇⵬ᱜ
ߐࠇ߹ߔ‫ޕ‬
᡿㓚 F31131/
᡿㓚 F33131
許容ウィンドウと補正
依存関係
表の凡例:
1. エンコーダトラック監視
2. ゼロマーク許容値
3. 速度設定値をフリーズ
4. 調整可能なハードウェアフィルタ
5. 測定時間は、ゼロ速を評価するために設定できます
6. 速度実績値のスライド平均化
7. ゼロマークのエッジ評価
8. 信号エッジ評価 (1x、4x)
9. 磁極位置補正
10. 故障時のパルス数補正 (転流用の磁極位置も補正されます)
11. 「許容帯域パルス数」監視
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
319
基本機能
6.18 許容エンコーダ監視
パラメー
タ
機能
これらの機能はお互いに自由に組み合わせ
これらの機能
ることができます
は左から右に
相互に構成さ
れており、隣
接する機能と
組み合わせる
ことができま
す
インデックス
1
2
3
4
5
6
7
8
p0405.2
トラック監視
x
p0430.20
速度演算モード
p0430.21
ゼロマーク許容値
p0430.22
ロータ位置補正
p0437.1
ゼロマークエッジ検出
p0437.2
位置実績値補正 XIST1
p0437.4
エッジ評価
x
p0437.5
エッジ評価
x
p0437.6
dn/dt 故障のための速度実績
9
10
11
x
x
x
x
x
x
x
x
x
値をフリーズ
p0437.7
未補正のエンコーダパルス累
積
p0437.26
選択解除、トラック監視
x
p0438
方形波エンコーダフィルタ時
x
間
r0452
方形波エンコーダフィルタ時
x
間表示
p0453
パルス評価
p4680
ゼロマーク監視範囲値
ゼロ速測定時間
許容
x
x
x
可能
320
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
基本機能
6.18 許容エンコーダ監視
パラメー
タ
p4681
機能
リミット 1 正側
ドウ
p4682
p4684
x
ゼロマーク監視許容値ウィン
リミット 1 負側
ドウ
p4683
x
ゼロマーク監視許容値ウィン
x
ゼロマーク監視許容値ウィン
ドウ
アラームスレッシホー
ルド
正側
x
ゼロマーク監視許容値ウィン
ドウ
アラームスレッシホー
ルド
負側
p4685
速度実績値平均化
p4686
ゼロマーク、最小長
p4688
ゼロマーク監視、差分パルス
x
x
x
x
x
x
x
の数
p4689
方形波エンコーダ診断
信号
F3x117
反転信号 A および B 故障
F3x118
許容値外の速度差
F3x131
偏差位置
x
x
インクリメンタル
絶対値
A3x400
x
過大
アラームスレッシホールド
x
ゼロマーク距離故障
A3x401
アラームスレッシホールド
x
ゼロマーククリアランス故障
A3x418
サンプリングル率あたりの速
x
度差超過済
A3x422
パルス数
許容値外の方形波
x
エンコーダ
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
321
基本機能
6.18 許容エンコーダ監視
6.18.15
重要なパラメータの一覧
主要パラメータ一覧 (『SINAMICS S120/S150 リストマニュアル』を参照)
322
●
p0404[0...n] エンコーダコンフィグレーション有効
●
p0405[0...n] 方形波エンコーダトラック A/B / 方形波エンコーダ A/B
●
p0408[0...n] ロータリエンコーダパルス数
●
p0430[0...n] センサモジュールコンフィグレーション
●
p0437[0...n] センサモジュールコンフィグレーション拡張済
●
p0438[0...n] 方形波エンコーダフィルタ時間
●
r0452[0...n] 方形波エンコーダフィルタ時間表示
●
r0458[0...n] センサモジュールプロパティ
●
r0459[0...n] センサモジュールプロパティ拡張済
●
p4680[0...n] ゼロマーク監視の許容範囲
●
p4681[0...n] ゼロマーク監視の許容ウィンドウ
正側リミット
●
p4682[0...n] ゼロマーク監視の許容ウィンドウ
負側リミット
●
p4683[0...n] ゼロマーク監視の許容ウィンドウ
アラームスレッシホールド正側
●
p4684[0...n] ゼロマーク監視の許容ウィンドウ
アラームスレッシホールド負側
●
p4686[0...n] ゼロマーク最低長
●
r4688[0...n] ゼロマーク監視、異なるパルスカウント
●
r4689[0...n] 方形波エンコーダ、診断
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
基本機能
6.19 軸のパーキングとエンコーダのパーキング
6.19
軸のパーキングとエンコーダのパーキング
パーキング機能は 2 つの方法で使用されます。
●
「軸のパーキング」
– ドライブの「モータ制御」アプリケーションに割り付けられたすべてのエンコー
ダおよびモータモジュールの監視が抑制されます。
– ドライブの「モータ制御」アプリケーションに割り付けられたすべてのエンコー
ダは、「取り外された」状態を受け入れるために準備されます。
– ドライブの「モータ制御」アプリケーションに割り付けられたモータモジュール
は、「取り外されたモータモジュール」状態を受け入れるために準備されます。
●
「エンコーダのパーキング」
– 一定のエンコーダの監視が抑制されます。
– このエンコーダは、「取り外された」状態のために準備されます。
軸のパーキング
軸をパーキングすると、「モータ制御」に割り付けられたパワーユニットとすべてのエ
ンコーダが無効に切り替えられます (r0146[n] = 0)。
●
サイクリックテレグラム (STW2.7 および ZSW2.7) のコントロール/ステータスワー
ドまたはパラメータ p0897 および r0896.0 により、制御が実行されます。
●
ドライブは、上位コントローラにより停止状態にされる必要があります
(STW1.0/OFF1 などからパルスを無効化)。
●
無効にされたパワーユニット (r0126 = 0) 経由の下位コンポーネントへの DRIVECLiQ 通信は有効のままです。
●
「モータ制御」に割り付けられない測定システム (例:直接測定システム) は有効の
ままです (r0146[n] = 1)。
●
ドライブオブジェクトは有効のままです (r0106 = 1)。
注記
「軸のパーキング」 / 「エンコーダのパーキング」がキャンセルされると、以下の
作業を実行しなければならない場合があります。
• モータエンコーダを交換した場合 : 転流角オフセット (p1990) を決定します。
• 新しいエンコーダに再度基準点を設定する必要があります (例 : ゼロポイントの
決定など)。
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
323
基本機能
6.19 軸のパーキングとエンコーダのパーキング
エンコーダのパーキング
エンコーダをパーキングすると、対象となるエンコーダが無効に切り替えられます
(r0146 = 0)。
●
サイクリックテレグラムのエンコーダコントロール / ステータスワード
(Gn_STW.14 および Gn_ZSW.14) 経由で制御が実行されます。
●
パーキングされたモータ測定システムでは、関連するドライブを上位制御システム
で停止状態にする必要があります (CTW1.0/OFF1 などからパルスを無効化)。
●
パワーユニットの監視機能は有効のままです (r0126 = 1)。
注記
パーキングされたコンポーネントの取り外し / 交換
パーキングされたコンポーネントが一旦取り外される / 接続されると、それらが実
際のトポロジーに正常に統合されてからでなければ、それらのパーキングを解除す
ることができません。 (r7853 を参照)
例 : 軸のパーキング
以下の例では軸がパーキングされます。 軸のパーキングを確実に有効にするために、
ドライブを停止状態にする必要があります (例 : STW1.0 (OFF1) による)。 モータ制御
に割り付けられたすべてのコンポーネント (例 : パワーユニットおよびモータエンコー
ダ) が遮断されます。
67:
67:
S
=6:
U
*QB=6:
U
U
U
Q
図 6-11
324
ファンクションチャート : 軸のパーキング
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
基本機能
6.19 軸のパーキングとエンコーダのパーキング
例 : エンコーダのパーキング
以下の例ではモータエンコーダがパーキングされます。 モータエンコーダのパーキン
グを有効にするために、ドライブを停止する必要があります (例:STW1.0 (OFF1) によ
る)。
67:
*QB67:
*QB=6:
U
Q
図 6-12
ファンクションチャート : エンコーダのパーキング
主要パラメータ一覧 (『SINAMICS S120/S150 リストマニュアル』を参照)
●
p0105 ドライブオブジェクトの有効化 / 無効化
●
r0106 ドライブオブジェクトの有効 / 無効
●
p0125 パワーユニットコンポーネントを有効化
●
r0126 パワーユニットコンポーネント有効
●
p0145 エンコーダインターフェースを有効化 / 無効化
●
r0146 エンコーダインターフェースの有効 / 無効
●
r0896.0 軸のパーキング有効
●
p0895 BI : パワーユニットコンポーネントを有効化 / 無効化
●
p0897 BI : 軸のパーキングの選択
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
325
基本機能
6.20 位置の追跡
6.20
位置の追跡
6.20.1
一般情報
用語
●
エンコーダ範囲
エンコーダ範囲は、絶対値エンコーダを表示できる位置領域です。
●
シングルターンエンコーダ
シングルターンエンコーダは、1 エンコーダ回転以内に絶対位置を提供するロータ
リ絶対値エンコーダです。
●
マルチターンエンコーダ
マルチターンエンコーダは、複数のエンコーダ回転 (例: 4096 回転) にわたる絶対
位置を提供する絶対値エンコーダです。
説明
位置をトラッキングすると、ギア使用時に、負荷の位置を再現することができます。
これは、位置決め領域を拡張するために使用できます。
位置トラッキングにより、「位置制御」ファンクションモジュール (p0108.3 = 1) が有
効である場合、追加の測定ギアと負荷ギアが監視できます。 負荷ギアボックスの位置
S>@S>@
弯嘆
~
䂻⸩ኋቿኹአኌኖ
(QFRGHUB√('6
図 6-13
326
S>@S>@
SS
M
(QFRGHUB
√('6
䂻⸩ኋቿኹአኌኖ
S>@S>@
トラッキングは、「位置実績値処理」章で説明されています。
弯嘆ኋቿኹአኌኖ
HQFRGHUBርቫቖ㦘╈▥
ሸቯቂ⇜函ነዐእዊዙ዆
S ቑ⫃⚗ቑቢ
䂻⸩ኋቿኹአኌኖ
(QFRGHUB√('6
ギアとエンコーダの概要
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
基本機能
6.20 位置の追跡
r0483 のエンコーダ位置実績値 (GnSTW.13 を介して要求されなければならない) は 232
(場所) に制限されます。 位置トラッキング (p0411.0 = 0) がスイッチ「切」されると、
エンコーダ位置実績値 r0483 は以下の位置情報で構成されます:
●
一回転あたりのエンコーダパルス (p0408)
●
一回転あたりの高分解能 (p0419)
●
ロータリ絶対値エンコーダの分解可能な回転数 (p0421)、この値はシングルターン
エンコーダの場合「1」に固定されます。
位置トラッキング (p0411.0 = 1) が有効化されると、エンコーダ位置実績値 r0483 は以
下のように構成されます:
●
一回転あたりのエンコーダパルス (p0408)
●
一回転あたりの高分解能 (p0419)
●
ロータリ絶対値エンコーダの分解可能なモータ回転の仮想数 (p0412)
測定ギアがない場合 (n=1)、ロータリ絶対値エンコーダの保存された実際の回転数
p0421 が使用されます。 この位置領域は、この値を増やすことで拡張することがで
きます。
測定ギアが使用可能である場合、この値は、r0483 に保存された分解可能なモータ
回転数と等しくなります。
●
6.20.2
ギアボックス比 (p0433/p0432)
測定ギア
特徴
●
p0411 によるコンフィグレーション
●
p0412 での仮想マルチターン
●
電源投入 p0413 時の位置監視用許容範囲
●
p0432 と p0433 による測定ギアの入力
●
r0483 による表示
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
327
基本機能
6.20 位置の追跡
説明
機械的ギア (測定ギア) がエンドレスに回転するモータ/負荷とエンコーダの間に配置さ
れ、絶対値エンコーダが位置制御を実行する場合、エンコーダオーバーフローが生じる
時には常にエンコーダとモータ/負荷のゼロ位置の間にオフセットが生じます (ギア比に
依存)。
㷾
ኅዐነዙኝ
኿ዙኜ弯嘆
㷾
䂻⸩ኋቿኹአኌኖ
図 6-14
測定ギアボックス
モータ/負荷の位置を決定するために、絶対値エンコーダの位置実績値に加えて、絶対
値エンコーダのオーバーフロー数も必要です。
制御モジュールの電源を遮断する必要がある場合、電源投入後に負荷の位置を一意的に
かつ明確に決定できるように、オーバーフロー数を不揮発性メモリに保存する必要があ
ります。
例: ギア比 1:3 (モータ回転数 p0433 対エンコーダ回転数 p0432)、絶対値エンコーダは、
8 エンコーダ回転をカウントすることができます (p0421 = 8)。
ኇዙክዙኲዊዙ
ኅዐነዙኝ
⥭慱
⇜函
኿ዙኜ
弯嘆⇜函
኿ዙኜ⇜函
ኅዐነዙኝኇዙክዙኲዊዙቑኇኲኘአእ
ኅዐነዙኝ乓⦁
図 6-15
位置トラッキングがない奇数ギアボックスのドライブ
この場合、エンコーダオーバーフローごとに負荷回転の 1/3 の負荷側オフセットがあり
ます。3 回のエンコーダオーバーフローの後、モータと負荷ゼロ位置が再度一致します。
1 回だけのエンコーダオーバーフローでは、負荷の位置を明確に再現することができま
せん。
328
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
基本機能
6.20 位置の追跡
位置トラッキングが p0411.0 = 1 により有効である場合、ギア比 (p0433/p0432) はエン
コーダ位置実績値 (r0483) で計算されます。
ኅዐነዙኝ
⥭慱
኿ዙኜ
弯嘆⇜函
U;,67ᇬ㦘╈▥ሸቯቂ⇜函እ዆አኊዐኍሥቭ
図 6-16
኿ዙኜ⇜
函
位置トラッキング付き奇数ギア (p0412 = 8)
測定ギアコンフィグレーション (p0411)
このパラメータをコンフィグレーションすることで、以下を設定することができます:
●
p0411.0 : 位置トラッキングの有効化
●
p0411.1: 軸タイプの設定 (リニア軸または回転軸)
ここでは、回転軸とはモジュロ軸のことです (モジュロオフセットは上位コントロー
ラまたは EPOS で有効にすることができます)。 リニア軸では、位置トラッキング
が主に位置決め領域の拡張を行うために使用されます (参照: 仮想マルチターンエン
コーダ (p0412))。
●
p0411.2: 位置リセット
オーバーフローはこれでリセットできます。 エンコーダのスイッチ「切」時に、エ
ンコーダがエンコーダ範囲の 1/2 以上回転する場合、これが必要となります。
仮想マルチターンエンコーダ (p0412)
位置トラッキングが有効 (p0411.0 = 1) であるロータリ絶対値エンコーダ (p0404.1 = 1)
では、p0412 を使用して仮想マルチターン分解能を入力できます。 これにより、シン
グルターンエンコーダから仮想マルチターンエンコーダ値 (r0483) を生成することがで
きます。 r0483 で仮想エンコーダ範囲を表示することができなければなりません。
通知
ギア係数が 1 ではない場合、p0412 は常にモータ側を基準にします。 モータに必要と
される仮想分解能は、ここで使用されます。
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
329
基本機能
6.20 位置の追跡
モジュロオフセットを伴う回転軸では、仮想マルチターン分解能 (p0412) が p0421 と
してプリセットされており、変更が可能です。
リニア軸では、仮想マルチターン分解能 (p0412) が p0421 としてプリセットされ、マ
ルチターン情報のために 6 ビット分拡張されます。 (最大オーバーフロー 31 正側/負側)
マルチターン情報の拡張の結果、r0483 (232 ビット) の表示可能範囲を超える場合、そ
れに従って高分解能 (p0419) が低減されなければなりません。
許容値ウィンドウ (p0413)
スイッチ「入」後、保存された位置と位置実績値との差が確認され、その結果に従って
以下がトリガされます:
●
Difference within the tolerance window (許容値ウィンドウ内の偏差) → 位置は実際の
エンコーダ値に基づいて再現されます。
●
Difference outside the tolerance window (許容値ウィンドウ外の偏差) -> メッセージ
F07449 が出力されます。
●
許容値ウィンドウはエンコーダ範囲の 1/4 にプリセットされており、変更可能です。
通知
電源遮断状態で、エンコーダが表示可能な範囲の 1/2 以下しか移動しなかった場合
にのみ、位置を再現することができます。 標準的な EQN1325 エンコーダの場合、
これは 2048 回転またはシングルターンエンコーダの 1/2 回転です。
注記
ギア銘板に刻印されている比は、しばしば概数値に丸み付けされています (例:
1:7.34)。 回転軸の場合で、長時間運転が許容されない場合は、実際のギア比をギア
製造メーカから入手しなければなりません。
測定ギア付き同期モータの使用に関する注記
同期モータのベクトル制御には、極位置とエンコーダ位置との間の明確な基準が必要と
されます。 測定ギアを使用する際にも、この基準を注意深く遵守されなければなりま
せん: これは、極対数とエンコーダ回転の比率が 1 以上の整数倍でなければならない理
由です (例: 極対数 17、測定ギア 4.25、比率 4)。
330
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
基本機能
6.20 位置の追跡
試運転
測定ギア位置トラッキングは、ドライブのコンフィグレーション中に、ドライブウィザ
ード (STARTER) で有効にすることができます。 このコンフィグレーション中に、エ
ンコーダのパラメータ設定項目があります。 エンコーダダイアログで [Details] (詳細)
ボタンをクリックし、表示されたダイアログで位置トラッキングのチェックボックスを
有効にします。
パラメータ p0412 (測定ギア、ロータリ絶対値エンコーダ、回転、仮想) および p0413
(測定ギア、位置トラッキング許容値ウィンドウ) をエキスパートリストだけで設定する
ことができます。
前提条件
●
絶対値エンコーダ
ファンクションダイアグラム (『SINAMICS S120/S150 リストマニュアル』を参照)
●
4704 位置および温度検出、エンコーダ 1 ... 3
主要パラメータ一覧 (『SINAMICS S120/S150 リストマニュアル』を参照)
●
p0402 ギアタイプの選択
●
p0411 測定ギアコンフィグレーション
●
p0412 測定ギア絶対値エンコーダ仮想ロータリ回転
●
p0413 測定ギア位置トラッキング、許容値ウィンドウ
●
p0421 絶対値エンコーダロータリマルチターン分解能
●
p0432 ギア係数エンコーダ回転
●
p0433 ギア係数モータ/負荷回転
●
r0477 CO: 測定ギア、位置差
●
r0485 CO: 測定ギア、未処理のエンコーダ値、インクリメンタル
●
r0486 CO: 測定ギア、未処理のエンコーダ値、絶対値
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
331
基本機能
6.21 ドライブオブジェクトとしての ENCODER
6.21
ドライブオブジェクトとしての ENCODER
エンコーダは、自立したドライブオブジェクト (Drive Object = DO) として接続し、評
価できます。 ENCODER ドライブオブジェクトは、独立したユニットととして
PROFIBUS/PROFINET を介してエンコーダとしてアドレス設定できます。
エンコーダドライブオブジェクトを使用すると、軸の 2 番目のエンコーダを介して間接
ルートを取らなくても、上位マシンのエンコーダをセンサモジュールを介して直接接続
することができます。 エンコーダは、センサモジュールのエンコーダインターフェー
スを介して接続されます。 エンコーダが接続されているセンサモジュールにそれ自体
の DRIVE-CLiQ インターフェース (例: SME20) が備わっている場合、エンコーダはセ
ンサモジュールを介して任意の空いている DRIVE-CLiQ ソケットに接続することがで
きます。
6.21.1
STARTER を使用した ENCODER ドライブオブジェクト作成の前提条件
●
STARTER V4.1.5 以降
●
1 台の CU320-2 でのプロジェクト
このプロジェクトはオフラインで作成することも可能です。 この説明は、以下のマニ
ュアルにも記載されています:
『SINAMICS S120 試運転マニュアル』の「試運転」の章。
ENCODER ドライブオブジェクトの接続条件
●
ドライブに割り付けが可能な全てのエンコーダが使用できます。
●
エンコーダドライブオブジェクトは、全ての DRIVE-CLiQ ポートに接続することが
できます。
●
最大 4 台の DRIVE-CLiQ HUB (DMC20 または DME20) は、ENCODER ドライブオ
ブジェクトのスター結線を確立するために使用できます。 つまり、最大 19 台の
ENCODER ドライブオブジェクトが 1 台のコントロールユニットに接続できるとい
うことです。
(つまり、使用できる ENCODER ドライブオブジェクトの数は、1 台のコントロー
ルユニットに合計で最大 24 台のドライブオブジェクトを接続できるように制限さ
れるということです。)
●
332
DRIVE-CLiQ HUB は、直接そのコントロールユニットに接続しなければなりません。
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
基本機能
6.21 ドライブオブジェクトとしての ENCODER
6.21.2
STARTER での ENCODER ドライブオブジェクトの作成、オフライン
例として、CU320-2 を使用したエンコーダドライブオブジェクトの作成/挿入を説明し
ます。 この例では、プロジェクトは、STARTER 試運転ツールを使用して OFFLINE で
作成されます。
1. プロジェクトナビゲータで、input/output components (入/出力コンポーネント) と
Drives (ドライブ) 間で ENCODER ドライブオブジェクトの選択を見つけることがで
きます。
図 6-17
プロジェクトナビゲータ、「Encoder」ドライブオブジェクトを挿入
2. Insert encoder].
(エンコーダを挿入) をダブルクリックします。ダイアログボックス[Insert
encoder](エンコーダを挿入) が開きます。
3. 入力フィールド [Name:] (名称) に エンコーダ名を割り付けます。
4. ボタン [Drive object no.] (ドライブオブジェクト番号) をクリックします
5. 入力フィールド [Drive object no.] (ドライブオブジェクト番号) に、新しいドライブ
オブジェクト番号をエンコーダに割り付けます
全ての割り付けられたドライブオブジェクト番号がリスト [Assigned drive object
no.:] (割り付けられたドライブオブジェクト番号) に表示されます
6. [OK
] をクリックしますエンコーダ用のコンフィグレーションウィンドウが開きます
7. [List of standard encoders] (標準エンコーダリスト) からお客様のエンコーダを選択
するか、[Enter data](データ入力) にあるエンコーダの基本データを入力します
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
333
基本機能
6.22 増設 I/O モジュール 41
8. エンコーダを設定するために、コンフィグレーションウィザードに従います。
9. 最後に [Finish
] ボタンをクリックしますエンコーダはお客様のトポロジーに挿入され、使用可能に
なりました。
6.22
増設 I/O モジュール 41
一般的な特徴
●
パルスエンコーダエミュレーション、TTL は RS422 規格 (X520) に準拠して信号を
出力します
●
1 x アナログ入力
●
4 x デジタル入力
●
4 x 双方向デジタル入/出力
増設 I/O モジュール (TM41) はインクリメンタルエンコーダ信号 (TTL) をエミュレー
トし、そして、インターフェース X520 を介してそれらを出力します。 それらの信号
は、プロセスデータワード (p4400 = 0) を介して、または、メインエンコーダ (p4400
=1) の位置実績値を使用して伝送される速度設定値に基づいています。 例えば、このエ
ミュレートされたインクリメンタルエンコーダ信号をコントローラまたは他のドライブ
で評価することができます。 TM41 は許容されるエンコーダタイプの全てに接続できま
す。
ドライブオブジェクトの基準モードの場合、調整可能なオフセット付きゼロマークはエ
ミュレートすることができます。
1 回転あたりのパルス出力数 (仮想パルス) は、メインエンコーダとは無関係で、広い範
囲で設定可能です。 出力されるパルス数は、メインエンコーダに対してスケーリング
(増減) 可能です。
追加の入力および出力により、これらは、アナログ速度設定値を入力し、例えば、制御
およびステータス信号 OFF1/ON、「動作準備完了」または故障を転送するために使用
できます。
334
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
基本機能
6.22 増設 I/O モジュール 41
6.22.1
SIMOTION モード
SIMOTION モードはパラメータ p4400 = 0 を使用して設定されます。インクリメンタ
ルエンコーダのエミュレーションは、速度設定値に基づいています。
速度設定値 r2060 は、p1155 に接続されている PROFIdrive テレグラム 3 を介して受信
されます。 速度設定値は、有効化できる要素 (p1414.0) PT2 を使用してフィルタリン
グすることができます (p1417 および p1418)。 速度設定値は、デッドタイム p1412 で
遅延できます。 1 回転あたりのエンコーダパルス数は、パラメータ p0408 を使用して
設定できます。 ゼロマークと A/B トラック (r4402.1) をイネーブルする時の位置間の距
離は、パラメータ p4426 に入力することができ、p4401.0 で有効にされます。
注記
故障信号を出力
TM41 のエンコーダエミュレーション故障の信号を上位コントローラに送信できるよう
にするには、パラメータ r2139.0 ... 12 CO/BO: ステータスワード故障/アラーム 1 はデ
ジタル出力 (TM41 または CU) で BICO を介して相互接続しなければなりません。 出力
は、外部制御システムから読み出すことができます。
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図 6-18
70
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ファンクションダイアグラム エンコーダエミュレーション
特別な機能
●
PROFIdrive テレグラム 3
●
独自のコントロールワード (r0898)
●
独自のステータスワード (r0899)
●
シーケンス制御 (「ファンクションダイアグラム 9682」を参照)
●
設定可能なゼロマーク位置 (p4426)
●
運転表示 (r0002)
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
335
基本機能
6.22 増設 I/O モジュール 41
6.22.2
SINAMICS モード
SINAMICS モードはパラメータ p4400 = 1 を使用して設定されます。インクリメンタル
エンコーダのエミュレーションは、メインエンコーダのエンコーダ位置実績値を使用し
て生成されます。
メインエンコーダ (r0479) の位置実績値はコネクタ入力 (p4420) を介して増設 I/O モジ
ュール 41 に相互接続されます。 つまり、位置実績値は、TM41 でパルスエンコーダエ
ミュレーションとして、ゼロマークを含めて使用可能であるということです。 パルス
エンコーダエミュレーションの信号は、TTL エンコーダ信号のように表示され、制御で
処理できます。 これにより、PROFIBUS なし上位コントローラが位置コントローラを
エミュレートできるようになります。 速度設定値は、TM41 のアナログ入力でコントロ
ールシステムのアナログ出力を介してドライブに転送されます (例参照、TM41)。
注記
コネクタ入力 p4420 は、信号ソース r0479 (診断エンコーダ位置実績値 Gn_XIST1) と
相互接続するようにしてください。 この値は、それぞれの DRIVE CLiQ ベースサイク
ルで更新され、正しい符号で表示されます。 パラメータ r0482 は信号ソースとしては
使用できません。
TM41 は、メインエンコーダの出力信号と TM41 の出力信号との間の立ち上がり/立ち
下がり比をサポートします。 メインエンコーダの 1 回転あたりのエンコーダパルス数
は、p4408 を使用して設定されます。 精密な補間は p4418 で設定されます。 TM41 エ
ンコーダエミュレーションのパルス数は、p0408 を使用して設定されます。 高分解能
は p0418 で設定が可能です。
パルスエンコーダのエミュレーションまでのエンコーダ位置実績値のランタイムは、
p4421 によるデッドタイム補正を使用して補正することができます。
p4422 = 1 の場合、入力信号 p4420 は反転されます。
TM41 のゼロマーク信号は、メインエンコーダのゼロ位置から生成されます。 パラメー
タ p0493、p0494 および p0495 はメインエンコーダのゼロ位置の生成に適用されます。
特別な機能
●
PROFIdrive テレグラム 3
●
デッドタイム補正 (p4421)
●
エミュレートされるエンコーダとエミュレート中の TM41 間のパルス数比は設定可
能です。 各エンコーダ回転に対して、エンコーダエミュレーション中、元のエンコ
ーダから読み込まれたよりも多い/少ないパルスが出力されます。
336
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
基本機能
6.22 増設 I/O モジュール 41
●
1 つのエンコーダデータセット (EDS) のみを正確に 1 台の TM41 に接続できます。
●
同じ EDS が追加の TM41 に接続される場合、位置実績値のみをエミュレートでき
ますが、ゼロマーク位置はエミュレートできません。
●
TM41 では、別の TM41 のゼロマーク位置または位置実績値をエミュレーションで
きません。
●
TM41 では、エミュレーションされるエンコーダに外部ゼロマークを使用すること
はできません。
●
p4401.1 = 1 を使用する場合、ゼロ位置は絶対値エンコーダのゼロマークで同期さ
れます。 例えば、既存のコントロールシステムで使用する場合で、以前のファーム
ウェアバージョンとの互換性を維持しなければならない場合には、パラメータ
p4401.1 = 0 を設定します。
– p4401.1 = 0: 同期ゼロマークなし
– p4401.1 = 1: ゼロマーク同期イネーブル済み
– 絶対値円弧―がが絶対位置のゼロ位置を通過すると茶断ちに、ゼロパルスが X520
を介して出力されます。
6.22.3
ゼロマークエミュレーション
TM41 のゼロマークエミュレーション用のゼロマーク位置を特定するために、ドライブ
オブジェクトのエンコーダインターフェースを介して許容されるすべての原点セットを
使用することができます。 TM41 は、ドライブオブジェクトでパラメータ設定された同
じモードを使用します。
以下を含む可能な原点セットモード、例えば:
●
エンコーダのゼロ位置への原点セット
– インクリメンタルエンコーダのエンコーダゼロマーク
– 絶対値エンコーダのシングルターン位置のゼロポイント
– レゾルバの磁極ピッチ
●
BERO 切り替え信号を使用した正しいゼロ位置の選択を伴うエンコーダのゼロ位置
の原点セット (CU - パラメータ p0493)
●
入力端子を介して接続された外部ゼロマークの原点セット (CU - パラメータ p0495)
●
出力されるゼロマーク位置は、元のエンコーダのゼロ位置と同期されます。
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
337
基本機能
6.22 増設 I/O モジュール 41
通知
複数のゼロマークを含む元のエンコーダ
元のエンコーダが複数のゼロマーク / 位置を持つ場合、ゼロマークに対して補足条
件を選択しなければなりません。
TM41 出力での調整可能なゼロマークオフセット
パルスグリッドのオフセットは、p4426 を使用してエンコーダエミュレーションのゼロ
マーク位置に対して設定することができます。
パルス数の例 - 立ち上がり比率
メインエンコーダが、1 回転あたり 3 つのパルスと 1 つのゼロマークを出力します。
但し、このアプリケーションでは 1 回転あたり 8 パルスが必要です。 p4408 および
p4418 を設定することで、必要な 8 つのパルスが TM41 の X520 で使用可能になりま
す。
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図 6-19
338
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エンコーダパルス数の立ち上がり比率
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
基本機能
6.22 増設 I/O モジュール 41
3 つのゼロ位置を含むパルス数の立ち上がり比率の例
メインエンコーダが、1 回転あたり 3 つのパルスと 1 つのゼロマークを出力します。
但し、このアプリケーションでは 1 回転あたり 8 パルスと 3 ゼロマークが必要です。
p4408 および p4418 を設定することで、必要な 8 つのパルスと追加の 3 つのゼロマー
クが TM41 の X520 で使用可能になります。
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図 6-20
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⇜函
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エンコーダパルス数および 3 つのゼロマーク
パラメータの割り付け
p4408 および p4418 を使用して、メインエンコーダ (信号ソース) のパルス数を設定し
ます。 生成されるゼロマークをメインエンコーダのゼロマークと同期させるために、
TM41 入力でのエンコーダの 1 回転あたりのパルス数 (p4408) が常に、コネクタ入力
p4420 で内部接続されたエンコーダの 1 回転あたりのパルス数と正確に一致しなけれ
ばなりません。
p0408 および p0418 を使用して、TM41 によりシミュレートされるパルス数を設定し
ます。 p4408 および p4418 が 0 に設定されている場合、p0408 および p0418 の値も
TM41 からの出力に対して有効です。
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
339
基本機能
6.22 増設 I/O モジュール 41
診断オプション
パラメータ r4419 は、立ち上がり/立ち下がり後に計算された位置設定値を示します。
STARTER 試運転ツールのトレース機能を使用すると、r4419 に基づく立ち上がり/立ち
下がり機能を確認することができます。
TM41 のゼロマーク出力の有効化
p4401.1 = 1 の場合、メインエンコーダからのゼロマークも TM41 から出力されます。
p4401.1 = 0 の場合、TM41 は電源投入時の TM41 の位置でゼロパルスを出力します。
6.22.4
ゼロマーク同期
ドライブへの電源投入後、インクリメンタルエンコーダエミュレーションのランダムス
イッチオンインスタントの結果として、静的オフセットが得られます。
この静的オフセットは、この機能を使用して補正できます。 TM 41 でのゼロマーク位
置は、メインエンコーダのゼロマークと同期されます。 以下の条件が同期のために定
義されています:
●
基準マークは、両方のトラック信号 A および B が high status を備えている位置に
あります。
●
ゼロ位置は、正側の回転方向でゼロマーク前段の基準マークに属する A トラックの
立ち上がりエッジです。
340
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
基本機能
6.22 増設 I/O モジュール 41
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図 6-21
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Example_TM41_zero マーク同期
同期機能:
●
SINAMICS システムへの電源投入後、TM41 ドライブオブジェクトはエンコーダイ
ンターフェースを介してメインエンコーダのゼロ位置を要求します。 エンコーダエ
ミュレーションはメインエンコーダの動作を追従し、トラック信号 A/B を出力しま
す。この時点では、ゼロマークは出力されません。 A トラックのエッジはまたメイ
ンエンコーダとは引き続き同期していません。
●
TM41 は、メインエンコーダのゼロ位置通過後にこの位置を受信します。 トラック
信号の出力は、A トラックの立ち上がりエッジがゼロ位置と同期するような方法で
この時補正されます。
●
同期が正常に行われると、ゼロマークはゼロ位置で出力されます。
新しい同期のためのゼロマーク位置を検出
エンコーダパルス数が 2n に等しいように設定されていない場合 (例: p0408 = 1000)、上位コン
トローラのリセット後に、次のゼロマークの位置を TM41 から送信された位置実績値
Xact1 に基づいて特定できない場合があります。 このような状況の場合、コントローラ
は、非サイクリックな読み出し要求を使用して、パラメータ r4427 から次のゼロマーク
位置を問い合わせます。
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
341
基本機能
6.22 増設 I/O モジュール 41
6.22.5
表 6- 13
TM41 のカットオフ周波数
●
調整可能なパルス数 (p0408):32 ~ 65536 パルス/回転 (出荷時設定 = 2048)
●
以下の表で指定された最大パルス周波数 (リミット周波数) を超過してはいけません。
TM41 の最大出力周波数 = 750 kHz (p4407 = 0)
より高い設定値分解能 p4401.5 = 0 を有効化
サンプリング時間 p4099[3]
125 μs
250 μs
500 μs
31.25 Hz
15.625 Hz
7.8125 Hz
出力周波数 fmax (p0418<17 ビット)
1024 kHz
512 kHz
256 kHz
出力周波数 fmax (p0418 = 17 ビット)
512 kHz
256 kHz
128 kHz
出力周波数 fmax (p0418 = 18 ビット)
256 kHz
128 kHz
64 kHz
出力周波数 fmax
1024 kHz
512 kHz
256 kHz
125 μs
250 μs
500 μs
0.122 Hz
0.061 Hz
0.031 Hz
出力周波数 fmax (p0418<17 ビット)
1024 kHz
512 kHz
256 kHz
出力周波数 fmax (p0418 = 17 ビット)
512 kHz
256 kHz
128 kHz
出力周波数 fmax (p0418 = 18 ビット)
256 kHz
128 kHz
64 kHz
出力周波数 fmax
1024 kHz
1024 kHz
1024 kHz
分解能
SINAMICS モード
p4400 = 1
SIMOTION モー
ド p4400 = 0
表 6- 14
TM41 の最大出力周波数 = 1024 kHz (p4407 = 1)
より高い設定値分解能 p4401.5 = 1 を有効化
サンプリング時間 p4099[3]
分解能
SINAMICS モード
p4400 = 1
SIMOTION モード
p4400 = 0
追従誤差監視
位置実績値がもはや入力された位置設定値特性を追従できない場合、故障 F35220 が出
力されます。 SINAMICS モードでは、周波数設定値は最大出力周波数に制限されます。
TM41 からの最大出力周波数はコントロールユニットに伝送されます。
342
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
基本機能
6.22 増設 I/O モジュール 41
6.22.6
SINAMICS モードの例
メインエンコーダの信号は TM41 を使用して調整し、SERVO ドライブオブジェクトに
伝送します。
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図 6-22
Example_TM41
試運転例
STARTER 画面でのパラメータ値の入力:
●
p4400 = 1 (エンコーダ位置実績値によるエンコーダのエミュレーション)
●
p4420 = r0479[n] (SERVO または VECTOR)、n = 0 ...2
●
p4408 = ギア比パルス番号 (これはメインエンコーダのパルス番号に一致しなけれ
ばなりません)
●
p4418 = 信号ソースの精密な分解能を設定します (これはメインエンコーダの正確
な分解能と一致しなければなりません)
●
p0408 = エンコーダエミュレーションのパルス番号を設定します
●
p0418 = エンコーダエミュレーションの正確な分解能を設定します
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
343
基本機能
6.22 増設 I/O モジュール 41
注記
TM41 のエンコーダエミュレーション故障の信号を上位コントローラに送信できるよう
にするには、パラメータ r2139.0 ... 8 CO/BO:ステータスワード故障/アラーム 1 を、
BICO を介して外部制御システムで読み込み可能なデジタル出力 (TM41 または CU) と
接続しなければなりません。
6.22.7
ファンクションダイアグラムおよびパラメータ
ファンクションダイアグラム (『SINAMICS S120/S150 リストマニュアル』を参照)
●
9660 デジタル入力、電気的絶縁 (DI 0 ... DI 3)
●
9661 双方向デジタル入/出力 (DI/DO 0 および DI/DO 1)
●
9662 双方向デジタル入/出力 (DI/DO 2 および DI/DO 3)
●
9663 アナログ入力 (AI 0)
●
9674 インクリメンタルエンコーダのエミュレーション (p4400 = 0)
●
9676 インクリメンタルエンコーダのエミュレーション (p4400 = 1)
●
9678 コントロールワード
●
9680 実行制御ステータスワード
●
9682 プロセッサ
シーケンス制御
主要パラメータ一覧 (『SINAMICS S120/S150 リストマニュアル』を参照)
全般
344
●
r0002 TM41 運転表示
●
p0408 TM41 エンコーダエミュレーションパルス番号
●
p0418 高分解能 Gx_XIST1 (ビット単位)
●
p4099 TM41 入/出力、サンプリング時間
●
p4400 TM41 のインクリメンタルエンコーダのエミュレーション動作モード
●
p4401 TM41 のインクリメンタルエンコーダのエミュレーションモード
●
p4402 CO/BO: TM41 インクリメンタルエンコーダのエミュレーションステータス
●
r4419 TM41 エンコーダエミュレーション
診断
位置設定値
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
基本機能
6.23 ファームウェアとプロジェクトのアップグレード
速度設定値を使用したインクリメンタルエンコーダのエミュレーション
(p4400 = 0)
●
p0840 BI:ON/OFF1
●
r0898 CO/BO: コントロールワード、シーケンス制御
●
r0899 CO/BO: ステータスワード、シーケンス制御
●
p1155 CI: インクリメンタルエンコーダのエミュレーション速度設定値 1
●
p4426 インクリメンタルエンコーダのエミュレーション、ゼロマークのためのパル
ス
エンコーダ位置実績値を使用したインクリメンタルエンコーダのエミュレーション
(p4400 = 1)
6.23
●
p4408 TM41 エンコーダエミュレーションパルス番号信号ソース
●
p4418 TM41 エンコーダエミュレーション高分解能信号ソース
●
p4420 CI: TM41 インクリメンタルエンコーダのエミュレーション、位置実績値
●
p4421 TM41 インクリメンタルエンコーダのエミュレーション、デッドタイム補正
●
p4422 TM41 位置実績値反転
●
p4426 インクリメンタルエンコーダのエミュレーション、ゼロマークのパルス
ファームウェアとプロジェクトのアップグレード
お客様が希望される拡張機能がより最近のファームウェアバージョンで使用可能である
場合、ファームウェアを更新しなければなりません。
原則として、ファームウェアの更新は CU310-2 および 320-2 の両方に同様に機能しま
す。プロジェクトは CU310 または CU310-2 および CU320 または CU320-2 間では伝
送できません。
SINAMICS ドライブシステムのファームウェアは、システム内で分散配置されます。
それは、コントロールユニットと各 DRIVE-CLiQ コンポーネントにインストールされ
ます。
電源投入されると、コントロールユニットはメモリカードから自動的にファームウェア
を取得します。 その結果、特別な更新作業は必要ありません。 コントロールユニット
のファームウェアは、より新しいファームウェアバージョンを含むメモリカードに交換
する際に自動的に更新されます。
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
345
基本機能
6.23 ファームウェアとプロジェクトのアップグレード
DRIVE-CLiQ コンポーネントのファームウェアも、コントロールユニットのメモリカー
ドで提供されます。 出荷時設定 p7826 = 1 では、初回試運転時に、メモリカードから
DRIVE-CLiQ コンポーネントに自動的に転送されます。 更新されると、ファームウェ
アは DRIVE-CLiQ コンポーネント (不揮発性メモリカード) に保存されます。
プロジェクトのダウンロードまたは自動コンフィグレーションの実行が完了すると、接
続されているすべての DRIVE-CLiQ コンポーネントでファームウェアが自動的に更新
されます。 これにより、すべての DRIVE-CLiQ コンポーネントがメモリカードに一致
するファームウェアバージョンに更新されます。
この操作には数分かかる場合があります。 これは、0.5 Hz で該当するコンポーネント
での緑色/赤色に RDY-LED 点滅、コントロールユニットでのオレンジ色の RDY-LED
点滅で表示されます。
パラメータ p7827 で処理状況が表示されます。
コントロールユニットの RDY-LED が 0.5Hz 間隔での点滅を終えると、更新は終了です。
更新プロセスが終了すると、各コンポーネントの RDY-LED が安定した点灯状態になる
と、更新が完了し、新しいファームウェアが有効になります。 RDY LED が 2 Hz で緑
色/赤色に点滅しているコンポーネントでは、POWER ON を行って新しいファームウェ
アを有効にしなければなりません。
注記
考えられる通信中断
新しいファームウェアを有効化する際、コンポーネントがサイクリック通信を中断する
場合があります。 確認されなければならない通信の問題が発生します。
それぞれのコンポーネントに対して、STARTER 画面 ([<Drive Unit>] → [Overview] →
[Version overview] (バージョン一覧)) で、ファームウェアバージョンの読み出しまたは
測定のコンポーネントのための手動でのファームウェアの更新を開始します。
注記
DRIVE-CLiQ コンポーネントとコントロールユニットのバージョンが異なっていてもか
まいません。 バージョン一覧は、STARTER の <[Drive Unit] > → [Overview] → [Version
Overview] で使用可能です。
注記
新しいファームウェアを搭載した DRIVE-CLiQ コンポーネントは、旧バージョンとの
互換性があり、旧ファームウェアバージョンを使用する DRIVE-CLiQ コンポーネント
とも併用することができます。
346
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
基本機能
6.23 ファームウェアとプロジェクトのアップグレード
6.23.1
STARTER を使用したファームウェア/プロジェクトのアップグレード
前提条件
●
機能中のドライブプロジェクト
●
最新のファームウェアを含むメモリカード
●
プログラミングデバイス (PG/PC) 上に新しいファームウェアを含む STARTER 試
運転ツール
●
PG/PC はコントロールユニットに接続されています (ターゲットデバイス)。
既存プロジェクトを新しいファームウェアに変換
1. STARTER 試運転ツールにそのプロジェクトは存在しますか?
– 「はい」の場合、ターゲットシステムに接続してください (オンラインで)。
– 3 に進んでください。
2. STARTER でプロジェクトを開いてください:
– ターゲットシステムに接続してください (オンラインで)
– プロジェクトをターゲットシステムから PG/PC へロードしてください
– ターゲットデバイスへの接続を解除してください (オフラインモード)
3. プロジェクトを現在のファームウェアバージョンに変換:
– プロジェクトナビゲータで、<[Drive unit] を右クリックし、-> [Target device] ->
[Device version / Upgrade device type] と進んでください
– 必要とされるバージョン、例えば、バージョン [SINAMICS S120 firmware
version 4.x] -> [Change version] を選択してください
4. プロジェクトの新しいハードウェアへ伝送
– 新しいハードウェアを PG/PC に接続してください
– ターゲットシステムに接続してください (オンラインで)
– ターゲットデバイスにロードしてください
5. ドライブユニットに POWER ON してください (コントロールユニットおよび全ての
DRIVE-CLiQ コンポーネント)。 電源投入が完了したら、DRIVE-CLiQ コンポーネン
トの新しいファームウェアバージョンでプロジェクトが有効になります。
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
347
基本機能
6.23 ファームウェアとプロジェクトのアップグレード
最新バージョンへのファームウェアの更新
1. メモリカードを交換。
– コントロールユニットを電源から接続解除してください
– 古いファームウェアバージョンを含むメモリカードを取り外してください
– 新しいファームウェアバージョンを含むメモリカードを挿入してください
– 再びコントロールユニットの電源投入を行ってください
2. オンラインで、プロジェクトをターゲットデバイスにダウンロードし、その後
[Copy from RAM to ROM] (RAM から ROM へコピー) を実行してください。
3. DRIVE-CLiQ コンポーネントのファームウェアが自動的に更新されます。
4. コントロールユニットが新しいファームウェアの伝送を終了するまで提起してくだ
さい。 これは診断 RDY LED で信号が出力されます。
5. ドライブユニットに POWER ON してください (コントロールユニットおよび全ての
DRIVE-CLiQ コンポーネント)。 電源投入完了後、新しいファームウェアバージョン
が DRIVE-CLiQ コンポーネントで有効になり、その後バージョン一覧にも表示され
ます。
6.23.2
ダウングレードロック
ダウングレードロックにより、ファームウェアプログラムのバグを修正するためのファ
ームウェア更新のダウングレードが防止されます。
注記
新しいファームウェアバージョンに更新
より新しいファームウェアバージョンのコンポーネントは、古いファームウェアバージ
ョンのコンポーネントと完全に互換性があります。 ファームウェアの更新に続き、コ
ンポーネントは古いファームウェアバージョンのコンポーネントと制限を受けることな
く併用できます。
通知
コントロールユニットのファームウェア更新
より新しいファームウェアバージョンには、古いファームウェアバージョンよりも多
くの機能範囲が備わっているという特徴があります。 コントロールユニットを新しい
ファームウェアバージョンから古いものにダウングレードする場合、一部の機能が使
用できなくなる場合があります。
348
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
基本機能
6.24 パルス/方向インターフェース
6.24
パルス/方向インターフェース
パルス/方向インターフェースにより、サーボおよびベクトル制御モードで、SINAMICS
S120 をコントローラの簡易位置決め作業に使用することができます。
●
SMC30 のエンコーダインターフェース (コネクタ X521) は、コントローラを
CU320-2 に接続するために使用されます。
●
コネクタ X23 での内部エンコーダインターフェースは、コントローラを CU310-2
に接続するために使用されます。
コントローラは、エンコーダインターフェースを介してパルス/方向信号の設定値をド
ライブに入力します。
このようにして入力された速度実績値 r0061 は、BICO 経由で固定設定値 p1155 に速
度設定値として接続できます。
注記
• コントロールユニット CU320-2 および SMC30 に関する詳細は、以下を参照してく
ださい。
リファレンス: SINAMICS S120 コントロールユニットマニュアル
• コントロールユニット CU310-2 に関する詳細は、以下を参照してください。
リファレンス: SINAMICS S120 AC ドライブマニュアル
アプリケーション: 速度制御ドライブ
このドライブはコントローラでの運転時には速度制御されます。 クロック周波数は速
度設定値を規定します。 パルス数は p0408 に入力されます。 これは、コントローラの
クロック周波数および推奨される最大モータ速度から計算されます。 以下の公式が適
用されます。
パルス数 = (最大クロック周波数 • 60)/最大速度
例 : コントローラの最大クロック周波数 100 kHz で、使用するモータが最大定格速度
3000 rpm で運転される場合、パルス数は 2000 です。
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
349
基本機能
6.24 パルス/方向インターフェース
SMC30 入力信号の配線
パルス/方向インターフェースの入力信号は、SMC30 のコネクタ X521 を介して配線さ
れます:
表 6- 15
SMC30 の配線
ピン
信号名
技術仕様
1
パルス
–
2
M
接地
3
回転方向
–
4
M
接地
5 ... 8
該当なし
–
CU310-2 入力信号の配線
パルス/方向インターフェースの入力信号は、CU310-2 のコネクタ X23 を介して配線さ
れます:
表 6- 16
CU310-2 の配線
ピン
信号名
技術仕様
1 ... 11
該当なし
–
12
M
接地
13
回転方向
–
14
M
接地
15
パルス
–
コンフィグレーションウィザードの設定
パルス/方向インターフェースの設定 (ロータリ、24 V、端子、トラック監視なし、ゼロ
マークなし、など) は、STARTER のコンフィグレーションウィザードのダイアログ
[Encoder data] (エンコーダデータ) で行います。
注記
パルス/方向インターフェースは p0405.5 = 1 を使用して有効にされます (例: STARTER
のエキスパートリストを介して)。
350
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
基本機能
6.25 シャーシユニットの出力低減機能
主要パラメータ一覧 (『SINAMICS S120/S150 リストマニュアル』を参照)
6.25
●
p0010 ドライブ試運転パラメータフィルタ
●
r0061 CO: 平滑されていない速度実績値
●
p0400[0...n] エンコーダタイプの選択
●
p0404[0...n] エンコーダコンフィグレーション有効
●
p0405[0...n] 方形波信号エンコーダトラック A/B
●
p0408[0...n] ロータリエンコーダパルス数
●
r0722 CO/BO: CU デジタル入力、ステータス
●
p0738 BI: 端子 DI/DO 8 用の CU 信号ソース
●
p0739 BI: 端子 DI/DO 9 用の CU 信号ソース
●
p2530 CI : LR 位置設定値
●
p2550 BI: LR イネーブル 2
シャーシユニットの出力低減機能
調整されたディレーティング機能は、シャーシタイプのパワーユニット (モータモジュ
ールおよびパワーモジュール) が発生するノイズを大幅に低減し、ほぼ公称電流で公称
パルス周波数の倍数での動作を可能にします。 これは、温度センサがヒートシンクお
よびチップ間の温度差を監視することで実現されます。 運転温度のスレッシホールド
を超過すると、パルス周波数または許容電流リミットがそれぞれ自動的に低減されます。
これによって、高パルス周波数時にもパワーユニットが最大出力電流に到達できるよう
になります。 ディレーティング曲線は、後のポイントで有効になります。
このディレーティング機能は、シャーシのモータモジュールおよびパワーモジュールに
対して有効です。 並列接続されたユニットも、シングルユニットと同じ方法で動作し
ます。 SINAMICS S120 のシャーシパワーユニットのパルス周波数への出力電流の依存
関係については、S120 マニュアル「シャーシパワーユニット」で説明されています。
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
351
基本機能
6.25 シャーシユニットの出力低減機能
動作原理
最大許容周囲温度を下回る温度でもパワーユニットを最適に利用するために、最大出力
電流は、運転温度に対して制御されています。 この機能は、熱的性能 (運転温度の上昇
/低下曲線) のダイナミック応答も説明するものです。
アラームスレッシホールドが現在の周囲温度で重みづけされ、計算されます。
アラームスレッシホールドの現在の周囲温度での重みづけによって、パワーユニットは、
周囲温度が低い時でも、公称電流に近い、より高い電流を出力することができます。
パラメータ p0290「パワーユニット過負荷応答」の設定に応じて、パルス周波数または
電流が低減されます。アラームスレッシホールドを超える場合には、応答は行われませ
ん。 アラーム (例: A07805「電源装置: パワーユニットの過負荷」) は、応答が必要がな
い場合にも生成されます。
以下の値により、熱過負荷応答に至る場合があります:
●
r0037.[0] を介したヒートシンク温度
●
r0037.[1] を介したチップ温度
●
r0036 を介した I2t 計算後のパワーユニット過負荷
熱過負荷を回避するための可能な手段:
●
サーボ制御の場合、出力電流 (閉ループ速度またはトルク/推力) を低減します
●
U/f 制御の場合、出力周波数を低減します
●
ベクトル制御の場合、パルス周波数の低減
パラメータ r0293「パワーユニットアラーム検出感度のモデル温度」は、チップとヒー
トシンクの温度差用の温度アラームスレッシホールドを示します。
352
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
7
ファンクションモジュール
ファンクションモジュールは、試運転中に有効化できるドライブプロジェクトの機能拡
張です。
ファンクションモジュール例:
●
テクノロジーコントローラ
●
設定値チャンネル
●
拡張ブレーキ制御
ファンクションモジュールには独自のパラメータがあり、場合によっては、独自のアラ
ームおよび故障メッセージがあります。 ファンクションモジュールが有効である場合
にのみ、これらのパラメータやメッセージが表示されます。 コンフィグレーション時
には、有効化されたファンクションモジュールがしばしば追加の計算時間を要求するこ
とがあることに注意してください。
STARTER での試運転
STARTER の試運転画面で、ファンクションモジュール (例: テクノロジーコントロー
ラ) を直接的または間接的に有効化することができます。 簡易位置決め (EPOS) が有効
化されている場合、例えば、位置制御も自動的に有効化されます。
パラメータでの試運転 (BOP20 でのみ)
ファンクションモジュールは、コントロールユニット (CU) のパラメータ p0108 で有効
化/無効化することができます。 ドライブオブジェクトのメインコンポーネントの
READY LED は、パラメータ p0124 (CU) を使用して点滅させることができます。
主要パラメータ一覧 (『SINAMICS S120/S150 リストマニュアル』を参照)
●
p0108[0..23] ドライブオブジェクト
●
p0124[0...23] LED を介したメインコンポーネント検出
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
ファンクションモジュール
353
ファンクションモジュール
7.1 テクノロジコントローラ
7.1
テクノロジコントローラ
簡単な閉ループ制御機能は、テクノロジーコントローラで実装することができます。
例:
●
充填レベル制御
●
温度制御
●
ダンサロール位置決め制御
●
圧力制御
●
流量制御
●
上位コントローラがない簡単な閉ループ制御
●
張力制御
テクノロジーコントローラの特徴:
●
2 つのスケーラブルな設定値
●
スケーラブルな出力信号
●
個別の固定値
●
内蔵電動ポテンショメータ
●
出力リミットは、ランプファンクションジェネレータにより有効化および無効化で
きます。
●
D コンポーネントは、制御偏差または実績値チャンネルに切り替えることができま
す。
●
テクノロジーコントローラの電動ポテンショメータは、ドライブパルスが有効の場
合にのみ有効です。
説明
テクノロジーコントローラは PID コントローラとして設計されています。そのため、
微分回路を制御偏差値チャンネルまたは実績値チャンネル (出荷時設定) に切り替える
ことができます。 P、I および D コンポーネントを個別に設定することができます。
「0」値では、対応するコンポーネントが無効化されます。 設定値は 2 つのコネクタ入
力により指定することができます。 この設定値は、パラメータ (p2255 および p2256)
を介して拡張することができます。 設定値チャンネルのランプファンクションジェネ
レータを使用して、パラメータ p2257 および p2258 により設定値立ち上がり/立ち下が
り時間を設定することができます。 設定値および実績値チャンネルには、それぞれ平
354
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
ファンクションモジュール
7.1 テクノロジコントローラ
滑要素があります。 平滑時間は、パラメータ p2261 および p2265 を介して設定するこ
とができます。
これらの設定値は、個別固定値 (p2201 ~ p2215)、電動ポテンショメータ、または、フ
ィールドバス (例: PROFIBUS) を介して指定することができます。
プリコントロールは、コネクタ入力を介して統合することができます。
出力はパラメータ p2295 を介して拡張し、制御方向を反転させることができます。 出
力をパラメータ p2291 および p2292 を介して制限し、必要に応じて、コネクタ出力
(r2294) を介して接続することができます。
実績値は、例えば、TB30 のアナログ入力を介して統合できます。
制御上の理由により PID コントローラを使用しなければならない場合、D コンポーネ
ントは、出荷時設定とは異なり、設定値/実績値の差 (p2263 = 1) に切り替えられます。
たとえ基準変数が変化する場合でも、D コンポーネントが有効である場合は、これが常
に必要です。 p2274 > 0 の場合のみ、D コンポーネントを有効にすることができます。
STARTER での試運転
「テクノロジーコントローラ」機能は、試運転ウィザードまたはドライブコンフィグレ
ーション (DDS コンフィグレーション) により有効化できます。
パラメータ r0108.16 で実際のコンフィグレーションを確認することができます。
アプリケーション例: 充填レベル制御
ここでの目的は、容器内の一定レベルを維持することです。
これは、変速ポンプとレベル測定センサを組み合わせることで実行されます。
このレベルは、アナログ入力 (例: TB30 の AI0) で決定され、テクノロジーコントロー
ラに送信されます。 レベル設定値は、固定設定値で定義されます。 結果として生じる
制御変数は、速度コントローラのための設定値として使用されます。
この例では、増設 I/O カード 30 (TB30) が使用されています。
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
355
ファンクションモジュール
7.1 テクノロジコントローラ
ኘዐኒ
; DFW
図 7-1
充填レベル制御: アプリケーション
7HFBFWUO.S
S
;VHW
7HFBFWUO7Q
S
዆ዐኴኲቾዐኌኔዄዐ
ንኄኪዉዙኜ
7HFBFWUO
岼⸩⊳
S
QBVHW
S
;DFW
⸮働⊳
S
G
GW
図 7-2
充填レベル制御: コントローラの構造
表 7- 1
レベル制御のための重要なパラメータ
パラメータ
7HFBFWUOW\S
S
名称
例
p1155
RFG の n_setp1 後段
p1155 = r2294 Tec_ctrl output_sig [3080]
p2200
BI: テクノロジーコントローライネ
p2200 = 1 テクノロジーコントローライネーブ
ーブル
ル済み
CI: テクノロジーコントローラ設定
p2253 = r2224 固定設定値有効 [7950]
p2253
値1
p2263
テクノロジーコントローラのタイプ 故障信号 [7958] の p2263 = 1 D コンポーネント
p2264
CI: テクノロジーコントローラ実績
p2264 = r4055 [1] TB30 のアナログ入力 AI1
値 (XACTUAL)
356
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
ファンクションモジュール
7.1 テクノロジコントローラ
パラメータ
p2280
名称
テクノロジーコントローラ P ゲイ
例
p2280 最適化による決定
ン
p2285
テクノロジーコントローラ積分時間 p2285 最適化による決定
ファンクションダイアグラム (『SINAMICS S120/S150 リストマニュアル』を参照)
●
7950 固定値、バイナリ選択 (r0108.16 = 1 および p2216 = 2)
●
7951 固定値、直接選択 (p2216 = 1)
●
7954 電動ポテンショメータ (r0108.16 = 1)
●
7958 閉ループ制御 (r0108.16 = 1)
●
7960 コントローラ DC リンク電圧 (r0108.16 = 1)
主要パラメータ一覧 (『SINAMICS S120/S150 リストマニュアル』を参照)
固定設定値
●
p2201[0...n] CO: テクノロジーコントローラ、固定値 1
●
...
●
p2215[0...n] CO: テクノロジーコントローラ、固定値 15
●
p2220[0...n] BI: テクノロジーコントローラ、固定値選択ビット 0
●
p2221[0...n] BI: テクノロジーコントローラ、固定値選択ビット 1
●
p2222[0...n] BI: テクノロジーコントローラ、固定値選択ビット 2
●
p2223[0...n] BI: テクノロジーコントローラ、固定値選択ビット 3
電動ポテンショメータ
●
p2230[0...n] テクノロジーコントローラ、電動ポテンショメータコンフィグレーシ
ョン
●
p2235[0...n] BI: テクノロジーコントローラ、電動ポテンショメータ、設定値、増大
●
p2236[0...n] BI: テクノロジーコントローラ、電動ポテンショメータ、設定値、低下
●
p2237[0...n] テクノロジーコントローラ、電動ポテンショメータ、最大値
●
p2238[0...n] テクノロジーコントローラ、電動ポテンショメータ、最小値
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
357
ファンクションモジュール
7.2 拡張監視機能
●
p2240[0...n] テクノロジーコントローラ、電動ポテンショメータ、開始値
●
r2245 CO: テクノロジーコントローラ、電動ポテンショメータ、RFG 前段の設定値
●
p2247[0...n] テクノロジーコントローラ、電動ポテンショメータ、立ち上がり時間
●
p2248[0...n] テクノロジーコントローラ、電動ポテンショメータ、立ち下がり時間
●
r2250 CO: テクノロジーコントローラ、電動ポテンショメータ、RFG 後段の設定値
閉ループ制御
7.2
●
p2200 BI: テクノロジーコントローライネーブル
●
p2253[0...n] CI: テクノロジーコントローラ設定値 1
●
p2254 [0...n] CI: テクノロジーコントローラ設定値 2
●
p2255 テクノロジーコントローラ設定値 1 スケーリング
●
p2256 テクノロジーコントローラ設定値 2 スケーリング
●
p2257 テクノロジーコントローラ立ち上がり時間
●
p2258 テクノロジーコントローラ立ち下がり時間
●
p2261 テクノロジーコントローラ設定値フィルタ時定数
●
p2263 テクノロジーコントローラのタイプ
●
p2264[0...n] CI: テクノロジーコントローラ実績値
●
p2265 テクノロジーコントローラ実績値フィルタ時定数
●
p2280 テクノロジーコントローラ比例ゲイン
●
p2285 テクノロジーコントローラ積分時間
●
p2289[0...n] CI: テクノロジーコントローラプリコントロール信号
●
p2295 テクノロジーコントローラ出力スケーリング
拡張監視機能
拡張が有効である場合、監視機能は以下のように拡張されます:
358
●
速度設定値の監視: |n_setp| ≤ p2161
●
速度設定値の監視: n_set > 0
●
負荷監視
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
ファンクションモジュール
7.2 拡張監視機能
負荷監視の説明
この機能は、モータと機械装置との間の動力伝達を監視します。 代表的なアプリケー
ションとして、ドライブや出力軸のベルトブーリや歯車に巻かれた V ベルト、フラッ
トベルトまたはチェーンがあります。これらは周辺機器に速度と動力を伝達します。
負荷監視は、ここで作業機械の障害や動力伝達の中断などを特定するために使用するこ
とができます。
負荷監視中、現在の速度/トルク曲線がプログラムされた速度/トルク曲線 (p2182 ~
p2190) と比較されます。 実績値がプログラムされた許容帯域の範囲外にある場合、パ
ラメータ p2181 に依存して、故障またはアラームがトリガされます。 故障またはアラ
ームメッセージは、短時間の移行ステータスにより生じる故障メッセージを防止するた
めに、パラメータ p2192 により遅延させることができます。
S
እወኌ>1P@
S
S
S
እወኌ
⸮働⊳
S
S
S
S
S
S
U
ኰአእ $
S
図 7-3
抮ㄵ USP
W
S
負荷監視
試運転
拡張監視機能は、試運転ウィザードの実行中に有効になります。 パラメータ r0108.17
は、それが有効であるかどうかを表示します。
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
359
ファンクションモジュール
7.3 拡張ブレーキ制御
ファンクションダイアグラム (『SINAMICS S120/S150 リストマニュアル』を参照)
●
8010 速度メッセージ 1
●
8011 速度メッセージ 2
●
8013 負荷監視
主要パラメータ一覧 (『SINAMICS S120/S150 リストマニュアル』を参照)
負荷監視
●
p2181[D] 負荷監視応答
●
p2182[D] 負荷監視速度スレッシホールド 1
●
p2183[D] 負荷監視速度スレッシホールド 2
●
p2184[D] 負荷監視速度スレッシホールド 3
●
p2185[D] 負荷監視速度スレッシホールド 1 上側
●
...
●
p2190[D] 負荷監視速度スレッシホールド 3 下側
●
p2192[D] 負荷監視遅延時間
速度設定値の監視
7.3
●
p2150[D] ヒステリシス速度 3
●
p2151[C] CI: 速度設定値
●
p2161[D] 速度スレッシホールド値 3
●
r2198.4 BO: ZSW 監視 2、|n_setp| ≤ p2161
●
r2198.5 BO:ZSW 監視 2、n_setp < 0
拡張ブレーキ制御
特徴
360
●
強制ブレーキの解除 (p0855、p1215)
●
「1」信号「無条件に保持ブレーキを作動」 (p0858) の場合にブレーキを適用
●
ブレーキの解除/作動のためのバイネクタ入力 (p1218、p1219)
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
ファンクションモジュール
7.3 拡張ブレーキ制御
●
ブレーキの解除/作動のためのスレッシホールド値のコネクタ入力 (p1220)
●
OR/AND ブロック、各 2 つの入力 (p1279、r1229.10、r1229.11)
●
保持ブレーキおよび操作ブレーキを有効にすることができます。
●
ブレーキフィードバック信号の監視機能 (r1229.4、r1229.5)
●
コンフィグレーションが可能な応答 (A07931、A07932)
●
「速度コントローライネーブル」信号 (p0856) がキャンセルされた後にブレーキを
適用
ブレーキ制御オプション
「拡張ブレーキ制御」機能により、例えば、保持ブレーキおよび操作ブレーキによる複
雑なブレーキ制御が可能になります。
ブレーキは以下のように制御されます (優先順のシーケンス):
●
パラメータ p1215 を使用して
●
バイネクタ p1219[0...3] および p0855 を介して
●
ゼロ速検出を使用して
●
コネクタ接続を介して、スレッシホールド値
「安全ブレーキリレー」付き AC ドライブの場合、「Safe Brake Control」セーフティ
機能のために、ブレーキ制御のタイプをパラメータ p1278 で「診断評価付きブレーキ
制御」 (p1278 = 0) と設定する必要があります。 このパラメータは、ブックサイズコン
ポーネントでは自動的に設定されます。
試運転
拡張ブレーキ制御機能は、試運転ウィザードの実行中に有効にすることができます。
有効化は、パラメータ r0108.14 で確認することができます。
デフォルト設定を変更しない場合、拡張ブレーキ制御機能は簡易ブレーキ制御機能と全
く同じ方法で動作します。
ブレーキ制御は、モータモジュールに内部ブレーキ制御が備わっており、接続されたブ
レーキが検出される場合、自動的に有効になります (p1215 = 1)。
内部ブレーキ制御が使用できない場合、パラメータ (p1215 = 3) を使用して、この制御
を有効にすることができます。
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
361
ファンクションモジュール
7.3 拡張ブレーキ制御
フィードバック信号 (p1222) 付きブレーキの場合、反転信号を二番目 (p1223) のフィー
ドバック信号用の BICO 入力に接続しなければなりません。 ブレーキの作動時間およ
び解除時間は、p1216 と p1217 で設定できます。
注記
ブレーキが存在する場合で、p1215 = 0 (使用可能なブレーキなし) が設定される場合に
は、ブレーキがかけられたままドライブが動作します。 これにより、ブレーキが破損
する場合があります。
注意
ブレーキ制御監視は、安全ブレーキリレー (p1278 = 0) 付きブックサイズパワーユニ
ットおよびブロックサイズパワーユニットに対してのみ有効にすることができます。
例
ブレーキがかけられた状態での起動
モータのスイッチが入れられる場合、ブレーキが解除されていない (p1152 = 1) 場合で
も、設定値が直ちに有効になります (必要なイネーブル信号が出された場合)。 出荷時
設定 p1152 = r0899.15 を解除しなければなりません。 ドライブは、作動されたブレー
キに対してトルク生成を開始します。 モータトルクまたは電流 (p1220) が制動スレッ
シホールド 1 (p1221) を超えるまで、ブレーキは解除されません。 ブレーキタイプやバ
ージョンに依存し、ブレーキが完全に解除されるまでしばらく時間がかかる場合があり
ます。 トルクが制動スレッシホールドを超えると、ブレーキを解除している間 (p1216)、
運転イネーブル信号 (p0899.2) が遮断されることに注意してください。これは、ブレー
キの解除中にモータ電流が許容制限値を越えたり、生成されるモータトルクによるブレ
ーキ破損を回避するためです。 実際にブレーキの解除に必要な時間に基づいて、間隔
p1216 を設定しなければなりません。
非常停止
非常停止が必要な場合、ブレーキを電気的かつ機械的に作動されなければなりません。
非常停止のトリップ信号に OFF3 を使用することで、これを実行することができます:
p1219[0] = r0898.2 および p1275.00 = 1 (「直ちにブレーキを作動」および信号反転の
ための OFF3)。
インバータがブレーキに対して動作しないように、OFF3 ランプ (p1135) を 0 秒に設定
してください。 回生エネルギーが生成される場合があります。これは、電源に回生す
るか、制動抵抗器で放熱してください。
362
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
ファンクションモジュール
7.3 拡張ブレーキ制御
クレーンドライブ用操作ブレーキ
手動制御付きクレーンギアの場合、制御レバーが動かされる時に (マスタスイッチ)、
ドライブが直ちに応答することが重要です。 ドライブは ON コマンド (p0840) でスイ
ッチ「入」されます (パルスはイネーブルされます)。 速度設定値 (p1142) および速度
コントローラ (p0856) は禁止されます。 モータは励磁されます。 3 相モータには励磁
時間 (1 ~ 2 秒) が必要となるため、もはや適用されません。
マスタスイッチの動作とモータの回転との間で発生する唯一の遅延は、ブレーキの解除
時間です。 マスタスイッチを動かす (ずれを生じさせる) と、「制御からの設定値有
効」 (p1142、r1229.3、p1224.0 で接続されたビット) になります。 速度コントローラ
は直ちにイネーブルされます。 ブレーキ解除時間が経過すると (p1216)、速度設定値が
イネーブルされます。 マスタスイッチがゼロ位置にある場合、速度設定値が禁止され
ます。つまり、ランプファンクションジェネレータの減速ランプに従ってドライブに制
動がかかります。 速度低下が停止状態リミット (p1226) を下回る場合、ブレーキが作
動します。 ブレーキ閉鎖時間 (p1217) 後、速度コントローラが禁止されます (モータの
動力なし !)。 拡張ブレーキ制御を使用します。
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(r0899.15)
図 7-4
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例、クレーンドライブ用操作ブレーキ
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
363
ファンクションモジュール
7.3 拡張ブレーキ制御
拡張ブレーキ制御用のコントロールワードおよびステータスワード
表 7- 2
拡張ブレーキ制御を制御します
信号名
速度設定値をイネーブル
バイネクタ入力
p1142 BI: 速度設定値をイネーブ
コントロールワード、シーケンス
制御 / 接続パラメータ
STWA.6
ル
設定値 2 をイネーブル
p1152 BI: 設定値 2 イネーブル
p1152 = r899.15
無条件に保持ブレーキを「開」
p0855 BI: 無条件に保持ブレーキ
STWA.7
を「開」
速度コントローラをイネーブル
p0856 BI: 速度コントローラをイ
STWA.12
ネーブル
無条件に保持ブレーキを「閉」
p0858 BI: 無条件に保持ブレーキ
STWA.14
を「閉」
表 7- 3
ステータスメッセージ 拡張ブレーキ制御
信号名
コマンド、ブレーキ「開」 (連続
パラメータ
ブレーキステータスワード
r1229.1
B_ZSW.1
パルスイネーブル、拡張ブレーキ r1229.3
B_ZSW.3
信号)
制御
ブレーキが「開」されません
r1229.4
B_ZSW.4
ブレーキが「閉」しません
r1229.5
B_ZSW.5
ブレーキスレッシホールド超過
r1229.6
B_ZSW.6
ブレーキスレッシホールド未満の r1229.7
B_ZSW.7
値
ブレーキ監視時間経過
r1229.8
B_ZSW.8
要求、パルスイネーブル不足
r1229.9
B_ZSW.9
ブレーキ OR 論理演算結果
r1229.10
B_ZSW.10
ブレーキ AND 論理演算結果
r1229.11
B_ZSW.11
/n_ctrl 禁止
364
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
ファンクションモジュール
7.3 拡張ブレーキ制御
ファンクションダイアグラム (『SINAMICS S120/S150 リストマニュアル』を参照)
●
2704 ゼロ速検出 (r0108.14 = 1)
●
2707 ブレーキの「開」「閉」 (r0108.14 = 1)
●
2711 信号出力 (r0108.14 = 1)
主要パラメータ一覧 (『SINAMICS S120/S150 リストマニュアル』を参照)
●
r0108.14 拡張ブレーキ制御
●
r0899 CO/BO:ステータスワード、シーケンス制御
停止状態 (ゼロ速) 監視
●
r0060 CO: 設定値フィルタ前段の速度設定値
●
r0063 CO:速度実績値
●
r0063[0...2] CO: 速度実績値 (ベクトル)
●
p1224[0...3] BI: 停止状態でのモータ保持ブレーキの作動
●
p1225 CI: 停止状態検出、スレッシホールド値
●
p1226[0...n] 停止監視 (ゼロ速) 速度スレッシホールド
●
p1227 ゼロ速度検出監視時間
●
p1228 ゼロ速度検出、遅延時間
●
p1276 モータ保持ブレーキ停止状態検出バイパス
フィルタ後段 (サーボ)
ブレーキの「開」「閉」
●
p0855 BI: 無条件に保持ブレーキを「開」
●
p0858 BI: 無条件に保持ブレーキを「閉」
●
p1216 保持ブレーキ「開」時間
●
p1217 保持ブレーキ「閉」時間
●
p1218[0...1] BI: モータ保持ブレーキを「開」
●
p1219[0...3 ] BI: 直ちにモータ保持ブレーキを「閉」
●
p1220 CI: モータ保持ブレーキを「開」、信号ソース、スレッシホールド
●
p1221 モータ保持ブレーキ「開」スレッシホールド
●
p1277 モータ保持ブレーキ遅延制動スレッシホールド超過
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
365
ファンクションモジュール
7.4 ブレーキモジュール
フリーブロック
●
p1279[0...3] BI: モータ保持ブレーキ、OR/AND 論理演算
ブレーキ監視機能
●
p1222 BI: モータ保持ブレーキ、フィードバック信号、ブレーキ「閉」済
●
p1223 BI: モータ保持ブレーキ、フィードバック信号、ブレーキ「開」
コンフィグレーション、コントロールワード/ステータスワード
7.4
●
p1215 モータ保持ブレーキコンフィグレーション
●
r1229.1...11 CO/BO: モータ保持ブレーキステータスワード
●
p1275 モータ保持ブレーキコントロールワード
●
p1278 ブレーキ制御診断評価
ブレーキモジュール
特徴
●
電源回生の可能性がないモータの制動 (例:停電)
●
高速 DC リンク放電 (ブックサイズ)
●
ブレーキモジュール端子は、ドライブオブジェクト電源装置経由で制御されます
(ブックサイズおよびシャーシ)。
●
並列接続で最大 8 つまでのブレーキモジュールの制御
●
ブレーキモジュールでの故障リセット
説明
「ブレーキモジュール」ファンクションモジュールは、電源装置ドライブオブジェクト
で有効にすることができます。 適切なバイネクタをデジタル入/出力 (例: コントロー
ルユニット TM31 または TB30) によりブレーキモジュールと内部接続する必要があり
ます。
ブレーキモジュールの最大出力を得るためには、Vdc_max 制御を無効にする必要があ
ります。
366
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
ファンクションモジュール
7.4 ブレーキモジュール
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2 つのブックサイズのブレーキモジュールの制御例
故障リセット
ブレーキモジュールがバイネクタ入力 p3866 で故障メッセージを発行する場合、ブッ
クサイズの端子 X21.1 またはシャーシ端子 X21.3 での信号 p3861 を 10 ms 毎に使用す
ることで故障リセットの試行が行われます。アラーム A06900 が同時に出力されます。
高速 DC リンク放電 (ブックサイズ)
ブックサイズの場合のみ、ブレーキモジュールによる高速 DC リンク放電が可能です。
バイネクタ入力 p3863 により有効化され、電源コンタクタが開放され、調整可能な遅
延時間 (p3862) の経過後に開始されます。 電源コンタクタ接点が閉鎖すると、高速放
電が完了します。
通知
高速 DC リンク放電には、r0863.1 により制御されるフィードバック信号 (p0860) 付
き電源コンタクタの使用が必要です。
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
367
ファンクションモジュール
7.5 冷却ユニット
主要パラメータ一覧 (『SINAMICS S120/S150 リストマニュアル』を参照)
●
r0108.26 ドライブオブジェクトファンクションモジュール - ブレーキモジュール外
部
7.5
●
p3860 ブレーキモジュール並列接続のモジュール数
●
r3861.0...7 BO : ブレーキモジュール禁止/リセット
●
p3862 ブレーキモジュール DC リンク高速放電遅延時間
●
p3863 BI : ブレーキモジュール有効 DC リンク高速放電
●
p3864.0...7 BO : ブレーキモジュール DC リンク高速放電
●
p3865[0...7] BI : ブレーキモジュールプレアラーム I*t 電源遮断
●
p3866[0...7] BI : ブレーキモジュール故障
冷却ユニット
特徴
●
液冷式パワーユニット使用時は自動的に有効化
●
漏水のための外部センサの評価
●
液流のための外部センサの評価
●
導電性のための外部センサの評価
●
外部温度センサを使用した給水口付近での液温の監視
●
内部温度センサを使用した流量率の監視
●
冷却ユニットの PLC から伝送された信号の評価
●
冷却ユニット故障の確認
説明
冷却ユニット (RKA) により、水冷式パワーユニットのイオン除去水の冷却回路内の冷
却および (非) 導電性が確認されます。 冷却ユニットは、冷却ユニットの一部である
PLC から制御および監視が行われます。
ここで説明される「冷却ユニット」ファンクションモジュールは、冷却ユニットのコン
トロールユニットと外部 PLC および外部センサ間のインターフェースとして使用され
ます。 PLC およびコントロールユニット間の制御およびメッセージ信号は、このイン
ターフェースを介して交換できます。 PLC は、端子および/またはフィールドバス (例:
PROFIBUS または PROFINET) を介して、コントロールユニットと通信します。
368
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
ファンクションモジュール
7.5 冷却ユニット
試運転
関連するパワーユニット (パワーユニットとはモータモジュールまたは電源モジュール)
のコンフィグレーション中に、「冷却ユニット」ファンクションモジュールを有効にし
ます:
1. パワーユニット選択時に、冷却タイプを [Liquid cooling] に設定します
2. コンフィグレーションを完了
3. コンフィグレーションの完了後、[Power Unit>>Functions] の下のナビゲーションウ
ィンドウで、熱交換器が表示されます ([Functions] の下の [power unit] のショートカ
ットメニューにも)。
4. [Cooling unit] をダブルクリックすると、監視機能を設定するウィンドウが開きます。
このウィンドウで、冷却ユニットおよび冷却水回路監視コントローラとの通信のた
めの BICO 接続を設定することができます。
ファンクションダイアグラム (『SINAMICS S120/S150 リストマニュアル』を参照)
●
9794 冷却ユニット、制御およびフィードバック信号
●
9795 冷却ユニットシーケンス制御
主要パラメータ一覧 (『SINAMICS S120/S150 リストマニュアル』を参照)
●
r0046.29 イネーブル信号の不足 - 冷却ユニット ready (準備完了) 不足
●
r0108.28 ドライブオブジェクトファンクションモジュール - 冷却ユニット
●
p0192.06 パワーユニットファームウェア特徴 - 水冷式
●
r0204.06 パワーユニットハードウェア特徴 - 水冷式
●
p0260 冷却ユニット、開始時間 1
●
p0261 冷却ユニット、開始時間 2
●
p0262 冷却ユニット故障導電性遅延時間
●
p0263 冷却ユニット故障冷却水流量遅延時間
●
p0264 冷却ユニット、ランタイム
●
r0265 BO: 冷却ユニットコントロールワード
●
p0266[0...7] BI: 冷却ユニット信号ソースフィードバック信号
●
r0267 BO: 冷却ユニットステータスワード表示
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
369
ファンクションモジュール
7.6 拡張トルク制御 (kT 推定器、サーボ)
7.6
拡張トルク制御 (kT 推定器、サーボ)
特徴
●
kT 推定器 (同期モータ用のみ)
●
インバータの電圧エミュレーション誤差の補正 (p1952、p1953)
●
p1780 を介したコンフィグレーション
説明
「拡張トルク制御」ファンクションモジュールには、2 つのモジュール - kT 推定器とイ
ンバータの電圧エミュレーション誤差の補正で構成されています。 その結果、トルク
精度は向上します。
注記
このファンクションモジュールを有効にすると、コントロールユニットで制御できる最
大ドライブ数が少なくとも 1 ドライブ分減少します。
試運転
拡張トルク制御は、オフラインで有効化されます:
1. ドライブで [Properties ...] を右クリックすると、
ウィンドウ [Object properties] が開きます。
2. [Function modules] タブをクリックします
使用可能なファンクションモジュール一覧が開きます
3. オプションのチェックボックスをクリックし、[Extended torque control] を選択しま
す
4. [OK] をクリックし、このファンクションモジュールを有効化します
5. その後、[connect with selected target devices] を選択します
6. [Load project to target system]
有効化は、パラメータ r0108.1 で確認することができます。
370
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
ファンクションモジュール
7.6 拡張トルク制御 (kT 推定器、サーボ)
kT 推定器の説明
同期モータのトルク定数補正を使用して、同期モータの制御 (閉ループ) の絶対トルク
精度を向上させます。 製造許容差、温度変動および飽和効果の結果により、永久磁石
の磁性には差があります。 「kT 推定器」機能により、コントローラのトルク定数 kT
[Nm/A] が一般的な即時磁化に適用されます。 kT 推定器は内部モータトルクを補正する
ため、摩擦特性と組み合わせて kT 推定器を使用する場合にのみ有効です。 摩擦損失は、
補助トルクを使用して、摩擦特性により補正されなければなりません。
高いトルク精度を実現するためには、 kT 推定器に、最も正確なモータパラメータ値が
必要になります。 kT 推定器を使用する前に、モータ定数測定 (p1909、p1910) が有効
化された kT 推定器で実行されなければなりません。 この手順で、ステータ抵抗値
(p0350)、漏れインダクタンス (p0356) および電圧エミュレーション誤差 (p1952、
p1953) が決定されます。 モータ定数測定の前に、ケーブル抵抗値が p0352 に入力され
なければなりません。
モータ定数測定を実行する時、モータが室温であるようにしてください。 電圧エミュ
レーション誤差の補正が有効化されなければなりません (p1780.8 = 1)。 モータ温度
(p0600) は、KTY センサ (p0601 = 2 または 3) で記録するようにしてください。
kT 推定器には、温度依存量を追跡/補正するためにモータ温度が必要となります。 モー
タ温度センサが接続されていない場合、評価の精度は低くなります。
kT 推定器は、特定の速度 (p1752) よりも高い場合にのみ有効化されます。 コンバータ
の端子電圧には常に小さな誤差があります。 出力電圧および速度が低いほど、評価は
より不正確になります。 これが、特定の速度未満では評価が無効になる理由です。 評
価値は、時定数 p1795 を使用して平滑化されます。 トルク定数の補正値は r1797 に表
示されます。
回転式モータ定数測定ルーチンを使用してトルク定数 kT を特定することで、速度スレ
ッシホールド以下でもトルク精度を向上することができます (p1752)。
kT 推定器は p1780.3 で、電圧補正は p1780.8. でそれぞれ有効化されます。
ファンクションダイアグラム (『SINAMICS S120/S150 リストマニュアル』を参照)
●
7008 kT 推定器
主要パラメータ一覧 (『SINAMICS S120/S150 リストマニュアル』を参照)
●
r0108.1 ファンクションモジュール - 拡張トルク制御有効
●
p1780.3 モータモデル PEM kT 補正を選択
●
p1780.8 インバータの電圧エミュレーション誤差の補正
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
371
ファンクションモジュール
7.7 閉ループ位置制御
モータ/インバータ定数測定
●
p0352[0...n] ケーブル抵抗
●
p1909 モータデータ定数測定コントロールワード
●
p1910 モータデータ定数測定、静止
kT 推定器
●
p1752[0...n] モータモデル切り替え速度
エンコーダ付き運転
●
p1795[0...n] モータモデル PEM kT 補正
平滑化時間
●
p1797[0...n] モータモデル PEM kT 補正
補正値
インバータの電圧エミュレーション誤差の補正
●
p1952[0...n] 電圧エミュレーション誤差
最終値
●
p1953[0...n] 電圧エミュレーション誤差
電流オフセット
7.7
閉ループ位置制御
7.7.1
一般的な特徴
位置コントローラは基本的に以下のモジュールで構成されます。
●
位置実績値条件 (検出センサ処理および原点復帰を含む)
●
位置コントローラ (リミット、補正およびプリコントロール演算を含む)
●
監視機能 (静止、位置決め、ダイナミック追従誤差監視、カム信号を含む)
●
リニア軸同様、回転軸 (モジュロ) 用絶対値エンコーダを使用した、負荷側ギア (モ
ータエンコーダ) の位置トラッキング
7.7.2
位置現在値の処理
7.7.2.1
機能
372
●
補正値(p2512、p2513)
●
設定値(p2514、p2515)
●
位置オフセット(p2516)
●
位置現在値(r2521)
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
ファンクションモジュール
7.7 閉ループ位置制御
7.7.2.2
●
速度現在値(r2522)
●
モータ回転数(p2504)
●
負荷回転数(p2505)
●
スピンドルピッチ(p2506)
●
位置の追跡(p2720ff)
説明
位置実績値処理では、位置実績値を中立的な長さ単位 LU (Length Unit) に変換します。
これを行うためには、このファンクションブロックでは、使用可能なエンコーダインタ
ーフェース Gn_XIST1、Gn_XIST2、Gn_STW、および Gn_ZSW と共にエンコーダ評
価/モータ制御が使用されます。 これらは、エンコーダパルスおよび高分解能 (インク
リメント) で位置情報を提供するだけです。
位置実績値は、位置コントローラがシステム起動後直ちに有効になるかどうかに関係な
く、エンコーダインターフェースを介して有効値が受信されると直ちに処理されます。
パラメータ p2502 (エンコーダ割り付け) は、位置実績値を検出するエンコーダ (1、2
または 3) を定義するために使用されます。
この割り付けが行われた後に、以下の接続が自動的に確立されます。
●
p0480[0] (G1_STW) = エンコーダコントロールワード r2520[0]
●
p0480[1] (G2_STW) = エンコーダコントロールワード r2520[1]
●
p0480[2] (G3_STW) = エンコーダコントロールワード r2520[2]
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図 7-6
ロータリエンコーダでの位置実績値検出
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
373
ファンクションモジュール
7.7 閉ループ位置制御
ロータリエンコーダのパラメータ p2506 (負荷 1 回転当たりの LU) により、物理的変数
と中立的な長さ単位 LU との間のリンクが確立されます。 パラメータ p2506 は p2504、
p2505 と共に、エンコーダインクリメントと中立的な長さ単位 LU との相互関係を表し
ます。
例:
ロータリエンコーダ、1 回転あたり 10 mm のピッチのボールネジ 10 mm は 1 μm (つ
まり、1 LU = 1 μm) の回転にしてください。
-> 1 負荷回転は 10,000 LU に相当します
-> p2506 = 10000
注記
有効な実績値分解能は、エンコーダパルス (p0408) と高分解能 (p0418) と恐らく使用さ
れている測定ギア (p0402、p0432、p0433) の積から得られます。
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PPሥቂቭቑS/8
図 7-7
リニアエンコーダでの位置実績値検出
リニアエンコーダの場合、物理的量と中立的な長さ単位の相互関係は、パラメータ
p2503 (LU/10 mm) を使用してコンフィグレーションされます。
例:
リニアエンコーダ、10 mm は 1 μm (つまり、1 LU = 1 μm) の回転にしてください。
-> p2503 = 10000
374
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
ファンクションモジュール
7.7 閉ループ位置制御
/8
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VBDFW
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S
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S
図 7-8
6HWVBDFW6HW9DO
S
VBDFWት岼⸩㦘╈
S
⇜函㼉ቤኇኲኘአእ
S
位置実績値条件
補正は、コネクタ入力 p2513 (補正値、位置現在値の処理) とバイネクタ入力 p2512 の
立ち上がりエッジ (補正値の有効化) を使用して行うことができます。 [basic
positioning] (簡易位置決め) ファンクションモジュールを有効にすると、p2513 が
r2685 (EPOS 補正値) に、p2512 が r2684.7 (補正の有効化) に、自動的に接続されます。
この接続で、例えば、EPOS によるモジュロオフセットがイネーブルされます。
p2516 は、位置オフセットの切り替えに使用できます。 EPOS を使用すると、p2516
が自動的に r2667 に接続されます。 この接続を使用して、バックラッシュ補正が実装
されます。
コネクタ入力 p2515 (位置設定値) と、バイネクタ入力 p2514 の「1」信号 (位置実績値
を設定) を使用すると、位置設定値を入力することができます。
警告
位置実績値が設定されると (p2514 = 「1」信号)、位置コントローラの位置実績値が、
コネクタの値 p2515 に基準として保持されます。
入力されるエンコーダインクリメントは評価されません。 この状況では、位置におけ
る偏差は補正されません。
エンコーダから生じる位置実績値反転は、パラメータ p0410 を使用して行われます。
軸動作の反転は、p2505 に負の値を使用して入力することができます。
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
375
ファンクションモジュール
7.7 閉ループ位置制御
7.7.2.3
インデックス付き現在値の取得
特徴
●
エンコーダの割り付け (p2502[D])
●
絶対値エンコーダの調整 (p2507[E])
●
測定プローブ評価を有効化 (p2509[0...3])
●
測定プローブ評価有効選択 (p2510[0...3])
●
測定プローブエッジ (p2511[0..3])
●
位置実績値条件を有効化、補正値 (p2512[0...3])
●
位置実績値条件、補正値 (p2513[0...3])
●
位置オフセット (p2516[0...3])
●
位置実績値 (r2521[0...3])
●
速度実績値 (r2522[0...3])
●
測定プローブ評価/基準マーク検索 (p2523[0..3])
●
エンコーダの調整、オフセット (p2525[E])
●
ステータスワード位置コントローラ (r2526)
●
ステータスワードエンコーダ 1 (r2527)
●
ステータスワードエンコーダ 2 (r2528)
●
ステータスワードエンコーダ 3 (r2529)
●
EPOS 基準点座標、信号ソース (p2598[0...3])
●
ファンクションダイアグラム 4010 位置制御 - 位置実績値条件
説明
インデックス付きの位置実績値取得により、例えば、ベルトコンベアの位置制御に加え
て、パーツの長さ測定や上位コントローラ (例: SIMATIC S7) による軸位置の検出が可
能になります。
実績値と測定データを収集するために、実績値前処置および位置制御用エンコーダと共
に、更に二台のエンコーダを並列で動作させることができます。
インデックス付きの実績値取得により、三つのエンコーダ出力のそれぞれで位置実績値
を前処理することができます。 パラメータ p2502[0...3] は、位置制御用のエンコーダ評
価を選択するために使用されます。
376
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
ファンクションモジュール
7.7 閉ループ位置制御
インデックス付きの実績値取得のパラメータには四つのインデックスが付けられます。
インデックス 1..3 は、エンコーダ評価 1..3 に割り付けられます。インデックス 0 は位
置制御に割り付けられます。
パラメータ r2521[0...3] は、全ての接続されたエンコーダの電流実績値を取得するため
に使用することができます。 例えば、r2521[0] の位置制御のための位置実績値は、位
置制御でエンコーダ評価 1 が使用される場合、値 r2521[1] と同じになります。位置オ
フセットの信号ソースはパラメータ p2516[0...3] で設定することができます。
絶対値エンコーダの調整は p2507[0...3].2 で開始され、正常に完了すると p2507[0...3].3
で報告されます。信号ソース「位置コントローラの基準点座標」 p2598[0] は、簡易位
置決め中に p2599 に接続されます。 標準的なコンフィグレーションでは、他の信号ソ
ースは接続されません。
測定プローブの評価は、p2509[x] により、位置制御には割り付けられないエンコーダ評
価 x に対してイネーブルすることができます。 この信号ソースは、p2510[0...3] により
割り付けられます。エッジ評価は p2511[0...3] により設定されます。 この時、エンコー
ダ x (エンコーダ 0: r2526.0..9、エンコーダ 1: 2627.0..2、エンコーダ 2: r2628.0..2、
エンコーダ 3: r2529.0..2) のステータスワードの「測定値有効」ビットが設定されると、
測定値が r2523[x] で使用可能になります。
異なるエンコーダの位置実績値の現在値は、パラメータ r2521[0...3] を使用して読み出
すことができます。 これらの位置実績値は、p2512[0...3] の信号ソースからの 0/1 信号
後に p2513[0...3] からの信号値で補正することができます。
加えて、絶対値エンコーダ p2525[0...3] の速度実績値 (r2522[0...3]) および位置オフセッ
トを上位コントローラによりエンコーダ毎に処理することができます。
7.7.2.4
負荷側ギア 位置の追跡
特徴
●
p2720 を介したコンフィグレーション
●
p2721 を介した仮想マルチターン
●
p2722 スイッチ「入」時の位置監視用許容値範囲
●
p2504 と p2505 を介した負荷ギアの入力
●
r2723 を介した表示
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
377
ファンクションモジュール
7.7 閉ループ位置制御
前提条件
●
絶対値エンコーダ
説明
位置をトラッキングすると、ギア使用時に、負荷の位置を再現することができます。
これは、位置決め領域を拡張するために使用できます。
負荷ギア位置トラッキングは、測定ギア位置トラッキングと同じ方法で機能します
(「位置トラッキング/測定ギア」を参照)。 位置トラッキングは、パラメータ p2720.0 =
1 で有効になります。但し、負荷ギアの位置トラッキングは、モータエンコーダ (エン
コーダ 1) だけに当てはまります。 負荷ギア比はパラメータ p2504 および p2505 を介
して入力されます。 位置トラッキングは、回転軸 (モジュロ) とリニア軸で有効化でき
ます。
負荷ギアの位置トラッキングは、それぞれのモータモジュールデータセット MDS で一
回のみ有効にすることができます。
r2723 の負荷位置実績値 (Gn_STW.13 により要求される必要があります、「エンコー
ダのコントロールワードとステータスワード」章を参照」) には以下の情報が含まれま
す:
●
一回転あたりのエンコーダパルス (p0408)
●
一回転あたりの高分解能 (p0419)
●
ロータリ絶対値エンコーダの保存された仮想モータ回転数 (p2721)
●
負荷ギア比 (p2504/p2505)
●
測定ギア比 (p0433/p0432)、p0411.0 = 1 の場合
注記
p0408、p0419 および p2721 の合計は、32 ビットに制限されます。
注記
負荷ギアの問題点および解決方法については、「位置トラッキング」の「測定ギア」の
例を参照してください。
378
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
ファンクションモジュール
7.7 閉ループ位置制御
位置決め領域拡張の例
位置トラッキングがないエンコーダでは、 トラバース範囲をエンコーダ範囲の半分よ
りも小さい 0 にしなければなりません。これは、この範囲を超えると、スイッチ「入」
/「切」後に一意的な基準点が残らないためです (パラメータ p2507 説明参照)。 このト
ラバース範囲は、仮想マルチターン (p2721) を使用して拡張することができます。
以下の図は、エンコーダ回転数が 8 (p0421 = 8) の絶対値エンコーダを示しています。
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図 7-9
U 位置トラッキング (p2721 = 24)、設定 p2504 = p2505 = 1 (ギア係数 = 1)
この例では、つまり:
●
位置トラッキングがない場合、r2521 = 0 LU 付近の +/- 4 エンコーダ回転位置を再
現することができます。
●
位置トラッキングがある場合、+/- 12 エンコーダ回転 (負荷ギアの +/- 12 負荷回転)
を再現することができます (p2721 = 24)。
実例:
リニア軸の場合、p2721 の値は、p0421 = 4096 のエンコーダでは 262144 に設定され
ます。つまり、+/- 131072 エンコーダ回転または負荷回転はこのように再現されます。
回転軸の場合、エンコーダ用に p2721 = p0421 が設定されます。
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
379
ファンクションモジュール
7.7 閉ループ位置制御
負荷ギアのコンフィグレーション (p2720)。
このパラメータをコンフィグレーションすることで、以下を設定することができます:
●
p2720.0: 位置トラッキングの有効化
●
p2720.1: 軸タイプの設定 (リニア軸または回転軸)
ここでは、回転軸とはモジュロ軸のことです (モジュロオフセットは上位コントロー
ラまたは EPOS で有効にすることができます)。 リニア軸では、位置トラッキング
が主に位置決め領域の拡張を行うために使用されます (参照: 仮想マルチターンエン
コーダ (p2721))。
●
p2720.2: 位置のリセット
不揮発性メモリに保存された位置値は、以下のイベントに応じてリセットされます:
– エンコーダ交換が検出された場合。
– エンコーダデータセット (EDS) のコンフィグレーションが修正された場合。
– 絶対値エンコーダが再度調整された場合。
注記
エンコーダの調整後 (p2507 = 3) の後に、パラメータ p2720[0] = 1 で負荷ギア位置トラ
ッキングが有効にされる場合、その調整がリセットされます。
負荷位置トラッキングが有効な場合で、エンコーダが再度調整される場合には、負荷ギ
ア位置がリセットされます (オーバーフロー)。
位置トラッキングの許容範囲は、EPOS の再現可能なエンコーダ範囲にマッピングされ
ます。
複数の DDS の位置トラッキングを有効にすることができます。
仮想マルチターンエンコーダ (p2721)
位置トラッキングが有効であるロータリ絶対値エンコーダでは、分解可能な負荷回転数
は、
仮想マルチターン分解能により設定することができます。
回転軸の場合のみ編集が可能です。
位置トラッキングが有効な (p2720.0 = 1) ロータリ絶対値エンコーダ (p0404.1 = 1) では、
p2721 は仮想マルチターン分解能を入力するために使用できます。
通知
ギアボックス係数が 1 ではない場合、p2721 は常に負荷側を示します。 負荷に必要と
される仮想分解能は、ここで設定されます。
380
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
ファンクションモジュール
7.7 閉ループ位置制御
回転軸の場合、仮想マルチターン分解能 (p2721) は、エンコーダのマルチターン分解能
値 (p0421) にプリセットされており、変更可能です。
例: シングルターンエンコーダ
パラメータ p0421 は、p0421 = 1 にプリセットされます。但し、パラメータ p2721 は、
後でも変更可能です。例えば、p2721 = 5 にプログラムすることができます。結果とし
て、再度同じ絶対値に達する前に、エンコーダ評価は 5 回の負荷回転を開始します。
リニア軸の場合、仮想マルチターン分解能 (p2721) がエンコーダのマルチターン分解能
値 (p0421) にプリセットされます。これは 6 ビット (最大 32 の正/負オーバーフロー)
で拡張されます。
p2721 の設定を後で再編集することはできません。
例: マルチターンエンコーダ:
リニア軸の場合、p2721 の値は、p0421 = 4096 のエンコーダでは 262144 に設定され
ます。つまり、+/- 131072 エンコーダ回転または負荷回転は、このようにして再現され
ます。
マルチターン情報拡張の結果、r2723 の表示可能範囲 (32 ビット) を超える場合、それ
に従って高分解能 (p0419) を低減しなければなりません。
許容値範囲 (p2722)
スイッチ「入」後、保存された位置と位置実績値との差が確認され、その結果に従って
以下がトリガされます:
[Difference within the tolerance window] (許容範囲内の差) -> エンコーダ実績値に基づき
位置が再現されます。
[Difference outside the tolerance window] (許容範囲外の差) -> 該当する故障 (F07449)
が出力されます。
許容値ウィンドウはエンコーダ範囲の 1/4 にプリセットされており、変更可能です。
注意
電源遮断状態で、エンコーダが表示可能な範囲の 1/2 以下しか移動しなかった場合に
のみ、位置を再現することができます。 標準的な EQN1325 エンコーダの場合、これ
は 2048 回転またはシングルターンエンコーダの 1/2 回転です。
注記
ギア銘板に刻印されている比は、しばしば概数値に丸み付けされています (例:
1:7.34)。 回転軸の場合で、長時間運転が許容されない場合は、実際のギア比をギア製
造メーカから入手しなければなりません。
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
381
ファンクションモジュール
7.7 閉ループ位置制御
多様なドライブデータセット
負荷ギアの位置トラッキングは複数のドライブデータセットで有効化できます。
●
負荷ギアは DDS に依存します。
●
負荷ギアの位置トラッキングは有効なドライブデータセットに対してのみ計算され、
EDS に依存します。
●
位置トラッキングメモリは、各 EDS で一度だけ使用可能です。
●
同じ機械的条件下で同じエンコーダデータセットを使用する別のドライブデータセ
ットで位置トラッキングを継続するには、すべての関連するドライブデータセット
で位置トラッキングを明示的に有効化しなければなりません。 位置トラッキング実
行中のドライブデータセットの切り替えが可能なアプリケーション:
– スター/デルタ切り替え
– 異なる立ち上がり時間 / コントローラの設定
●
ドライブデータセット間の切り替えにギアユニットの変更が含まれる場合、位置ト
ラッキング機能は再度最初から開始されます。つまり、POWER ON が行われた場
合の切り替えと同じ動作になります。
●
同一の機械的条件およびエンコーダデータセットでは、DDS の切り替えはエンコー
ダの調整状態や基準点に影響を及ぼしません。
制限事項
●
異なるギア用エンコーダ 1 として異なるドライブデータセットで使用されるエンコ
ーダデータセットに対して、位置トラッキングは有効にできません。 それでも位置
トラッキングを有効にしようとすると、故障「F07555 (ドライブエンコーダ: コン
フィグレーション 位置トラッキング」が故障値 03 hex と共に表示されます。
通常、該当するエンコーダデータセットが使用されるすべての DDS で負荷ギアが
同じであるかどうかが確認されます。
この場合、各負荷ギアパラメータの設定 p2504[D]、p2505[D]、p2720[D]、p2721[D]
および p2722[D] は、同一でなければいけません。
●
エンコーダデータセットをある DDS では位置トラッキングがあるモータエンコー
ダとして使用し、別の DDS では外部エンコーダとして使用する場合、位置トラッ
キングが再度最初から開始されます。つまり、POWER
ON 後と同じ動作にな
ります。
382
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
ファンクションモジュール
7.7 閉ループ位置制御
●
位置トラッキングが 1 つのドライブデータでリセットされると、このエンコーダデ
ータセットを含む他のすべてのデータセットでもリセットされます。
●
無効なドライブデータセットの軸は、最大でエンコーダ範囲の半分まで移動する場
合があります (p2722: 許容値範囲を参照)。
以下の表では、ある DDS から別の DDS への切り替え時の応答が説明されています。
DDS の切り替えは、常に DDS0 から始まります。
負荷ギアの位置トラッキングが行われない DDS 切り替えの概要は、「EPOS - 原点セ
ット」章の「データセット切り替えの説明」にあります。
表 7- 4
負荷ギア位置トラッキングがある DDS 切り替え
DDS p0186
(MDS)
p0187
p0188
p0189
位置制御
(encoder_ (encoder_ (encoder_ 用エンコ
ーダ
1)
2)
3)
p2502
機械的比
率
位置トラ
ッキング
p2504/
p2505/
負荷ギア
切り替え応答
p2506/
p2503
0
0
EDS0
EDS1
EDS2
encoder_
xxx
有効
-
xxx
有効
パルスブロッ
1
1
0
EDS0
EDS1
EDS2
encoder_
1
クまたは運転
中の切り替え
は無効です。
2
0
EDS0
EDS1
EDS2
encoder_
1
yyy
無効
エンコーダ調
整および原点
セットビット
は、リセット
されます。
EDS0 の位置
トラッキング
は計算されな
くなり、
DDS0 に戻し
た時に再調整
されなければ
なりません。
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
383
ファンクションモジュール
7.7 閉ループ位置制御
DDS p0186
(MDS)
p0187
p0188
p0189
位置制御
(encoder_ (encoder_ (encoder_ 用エンコ
ーダ
1)
2)
3)
p2502
機械的比
率
位置トラ
ッキング
p2504/
p2505/
負荷ギア
切り替え応答
p2506/
p2503
3
0
EDS0
EDS1
EDS2
encoder_
xxx
有効
2
EDS0 の位置
トラッキング
は継続され、
原点セットビ
ットがリセッ
トされます。1)
4
0
EDS0
EDS3
EDS2
encoder_
xxx
有効
2
パルスブロッ
ク/運転: EDS0
の位置トラッ
キングは継続
され、原点セ
ットビットが
リセットされ
ます。1)
5
1
EDS4
EDS1
EDS2
encoder_
2
xxx
有効
EDS4 の位置
トラッキング
が新たに開始
され、原点セ
ットビットが
リセットされ
ます。1)DDS0
に切り替える
と、同じこと
が EDS0 に適
用されます。
384
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
ファンクションモジュール
7.7 閉ループ位置制御
DDS p0186
(MDS)
p0187
p0188
p0189
位置制御
(encoder_ (encoder_ (encoder_ 用エンコ
ーダ
1)
2)
3)
p2502
機械的比
率
位置トラ
ッキング
p2504/
p2505/
負荷ギア
切り替え応答
p2506/
p2503
6
2
EDS5
EDS6
EDS6
encoder_
zzz
有効
1
EDS5 の位置
トラッキング
が新たに開始
され、原点セ
ットビットが
リセットされ
ます。1) DDS0
に切り替える
と、同じこと
が EDS0 に適
用されます。
7
3
EDS0
EDS1
EDS2
encoder_
1
xxx
有効
パルスブロッ
クまたは動作
中の単独の
MDS 切り替え
は無効です
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
385
ファンクションモジュール
7.7 閉ループ位置制御
DDS p0186
(MDS)
p0187
p0188
p0189
位置制御
(encoder_ (encoder_ (encoder_ 用エンコ
ーダ
1)
2)
3)
p2502
機械的比
率
位置トラ
ッキング
p2504/
p2505/
負荷ギア
切り替え応答
p2506/
p2503
8
0
EDS0
EDS1
EDS2
encoder_
1
xxx
無効
パルスブロック/
運転: 原点セット
ビットがリセッ
トされます。1)
EDS0 の位置ト
ラッキングはも
はや計算されな
くなり、結果と
して、位置実績
値も変わります
(位置トラッキン
グのオフセット
補正がキャンセ
ルされます)。
DDS0 に戻した
時、EDS0 の位
置トラッキング
が新たに開始さ
れ、原点セット
ビットがリセッ
トされます。1)
DDS0 で新たな
調整をせずに
DDS0 に戻すの
は、ユーザが
DDS8 で新たな
調整をせず、許
容ウィンドウ
(p2722) を終了
していない場合
にのみ意味があ
ります。
386
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
ファンクションモジュール
7.7 閉ループ位置制御
DDS p0186
(MDS)
p0187
p0188
p0189
位置制御
(encoder_ (encoder_ (encoder_ 用エンコ
ーダ
1)
2)
3)
p2502
機械的比
率
位置トラ
ッキング
p2504/
p2505/
負荷ギア
切り替え応答
p2506/
p2503
9
4
EDS6
EDS0
EDS2
encoder_
1
www
有効
パルスブロッ
ク/運転: EDS6
の位置トラッ
キングが新た
に開始され、
原点セットビ
ットがリセッ
トされます。
1)DDS0
に切り
替えると、同
じことが
EDS0 に適用
されます。
1)
DDS 切り替えに対して、原点セットビット (r2684.11) がリセットされます。 新しい
DDS で EDS に既に調整済みエンコーダがある場合、原点セットビットが再度設定され
ます。
定義:
●
位置トラッキングは継続されます
切り替え中の位置トラッキング動作は、データセットを変更しなかった場合の動作
と同じです。
●
位置トラッキングが新たに開始されます (位置実績値は、切り替えが行われると変
更される場合があります!)
切り替え中の動作は POWER ON 後の動作と同じです。 絶対値エンコーダで読
み取られた位置実績値は、保存された値と比較されます。 位置の差が許容範囲
(p2722) 内の場合、それに対応して位置が補正されます; 許容範囲を超える場合には、
該当する故障 F07449 が出力されます
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
387
ファンクションモジュール
7.7 閉ループ位置制御
●
位置トラッキングがリセットされます (位置実績値は、切り替えが行われると変更
される場合があります!)
保存された絶対値は拒否され、オーバーフローカウンタは 0 にリセットされます。
●
位置トラッキングは計算されません (位置実績値は、切り替えが行われると変更さ
れる場合があります!)
保存された位置トラッキングの絶対値 - 取り消された DDS からのオフセット補正を
含む - は使用されません。
7.7.2.5
●
www、xxx、yyy、zzz: 異なる機械的条件。
●
その他の情報: 位置トラッキングメモリは、各 EDS で一度だけ使用可能です。
STARTER を使用した負荷ギア位置トラッキングの試運転
位置トラッキング機能は、STARTER の [Position control] (位置制御) の [Mechanical
system] (機械的システム) 画面でコンフィグレーションできます。
[Position control] の [Mechanical system] 画面には、ファンクションモジュール [Basic
positioner] (簡易位置決め) が有効でない場合 (r0108.4 = 1) には、アクセスできません。
つまり、ファンクションモジュール [Position control] (r0108.3 = 1) も自動的に有効化さ
れます。
[Basic positioner] (簡易位置決め) ファンクションモジュールは、試運転ウィザードまた
はドライブコンフィグレーション (DDS のコンフィグレーション) ([Closed-loop control
structure] (閉ループ制御構成) コンフィグレーション - チェックボックス [Basic
positioner]) で有効化できます。
負荷ギア位置トラッキング機能のコンフィグレーション
[Position tracking load gear] (負荷ギア位置トラッキング) 機能は、以下の STARTER 画
面でコンフィグレーションできます:
1. 試運転ウィザードの [Mechanical system configuration] (機械システムコンフィグレ
ーション) 画面
2. [Mechanical system] (機械的システム) 画面のプロジェクトナビゲータで [Drive] ->
[Technology] -> [Position control] (位置制御) に進みます。
388
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
ファンクションモジュール
7.7 閉ループ位置制御
7.7.2.6
ファンクションダイアグラムおよびパラメータ
ファンクションダイアグラム (『SINAMICS S120/S150 リストマニュアル』を参照)
●
4010 位置実績値条件
●
4704 位置および温度検出、エンコーダ 1 ... 3
●
4710 速度実績値およびロータ位置測定、モータエンコーダ (エンコーダ 1)
主要パラメータ一覧 (『SINAMICS S120/S150 リストマニュアル』を参照)
●
p2502[0...n] LR エンコーダ割り付け
●
p2503[0...n] 10 mm あたりの LR 長さ単位 LU
●
p2504[0...n] LR モータ/負荷モータ回転
●
p2505[0...n] LR モータ/負荷負荷回転
●
p2506[0...n] 負荷回転あたりの LR 長さ単位 LU
●
r2520[0...n] CO: LR 位置実績値条件エンコーダコントロールワード
●
r2521[0...n] CO: LR 位置実績値
●
r2522[0...n] CO: LR 速度実績値
●
r2523[0...n] CO: LR 測定値
●
r2524[0...n] CO: LR LU/回転
●
r2525[0...n] CO: LR エンコーダ調整オフセット
●
r2526[0...n] CO/BO: LR ステータスワード
●
p2720[0...n] 負荷ギアコンフィグレーション
●
p2721[0...n] 負荷ギア絶対値エンコーダ回転仮想
●
p2722[0...n] 負荷ギア位置トラッキング許容範囲
●
r2723[0...n] CO: 負荷ギア絶対値
●
r2724[0...n] CO: 負荷ギア
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
位置差
389
ファンクションモジュール
7.7 閉ループ位置制御
7.7.3
位置コントローラ
特徴
●
左右対称化 (p2535、p2536)
●
リミット (p2540、p2541)
●
プリコントロール (p2534)
●
補正 (p2537、p2538)
注記
有資格者に限り、簡易位置決めではなく、位置コントローラ機能の使用を推奨します。
説明
位置コントローラは、PI コントローラです。 P ゲインは、コネクタ入力 p2537 (位置コ
ントローラ補正) およびパラメータ p2538 (Kp) の積を使用して調整できます。
コネクタ入力 p2541 (リミット) を使用すると、位置コントローラの速度設定値はプリ
コントロールなしに制限できます。 このコネクタ入力は、コネクタ出力 p2540 と事前
に接続されます。
この位置コントローラは、バイネクタ入力 p2549 (位置コントローラ 1 有効) と p2550
(位置コントローラ 2 有効) の AND リンクによりイネーブルされます。
位置設定値フィルタ (p2533 時定数位置設定値フィルタ) は PT1 要素で、平滑フィルタ
はデッドタイム要素 (p2535 平滑化フィルタ速度プリコントロール (デッドタイム)) お
よび PT1 要素 (p2536 平滑フィルタ速度プリコントロール (PT1)) です。 速度プリコン
トロール p2534 (係数、速度プリコントロール) は、値 0 で無効化できます。
ファンクションダイアグラム (『SINAMICS S120/S150 リストマニュアル』を参照)
●
4015 位置コントローラ
主要パラメータ一覧 (『SINAMICS S120/S150 リストマニュアル』を参照)
390
●
p2533[0...n] LR 位置設定値
●
p2534[0...n] LR 速度事前制御係数
●
p2535[0...n] LR 速度事前制御
平滑時定数
平滑化フィルタデッドタイム
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
ファンクションモジュール
7.7 閉ループ位置制御
7.7.4
●
p2536[0...n] LR 速度事前制御
平滑化フィルタ PT1
●
p2537 CI: LR 位置コントローラ補正
●
p2538[0...n] LR 比例ゲイン
●
p2539[0...n] LR 積分時間
●
p2540 CO: LR 位置コントローラ出力速度リミット
●
p2541 CI: LR 位置コントローラ出力速度リミット信号ソース
監視機能
特徴
●
停止状態の監視 (p2542、p2543)
●
位置決め監視 (p2544、p2545)
●
ダイナミック追従誤差監視 (p2546、r2563)
●
カムコントローラ (p2547、p2548、p2683.8、p2683.9)
説明
V
⋫㷱乓⦁ኃኀዐኦኃ
岼⸩⊳
⸮働⊳
S
⇜函Ⓙ拣
U
ෙ6 6WDQGVWLOO
W
ෙ6 3RV
S
S
⇜函ኃኀዐኦኃ
図 7-10
ෙW 6WDQGVWLOO ⋫㷱䕅㏚䥲尥㣑栢
ෙW 3RV
S
⇜函䥲尥㣑栢
ゼロ速度監視、位置決め範囲
位置コントローラは、停止状態、位置決めおよび追従誤差を監視します。
ゼロ速監視は、バイネクタ入力 p2551 (固定設定値) および p2542 (ゼロ速度範囲) を介
して有効化されます。 監視時間 (p2543) が経過してもゼロ速範囲に到達しない場合、
故障 F07450 がトリガされます。
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
391
ファンクションモジュール
7.7 閉ループ位置制御
位置決め監視は、バイネクタ入力 p2551 (固定設定値)、p2554 =「0」 (トラバースコマ
ンド無効) および p2544 (位置決め範囲) により有効化されます。 監視時間 (p2545) が
経過すると、位置決め範囲が一度確認されます。 これに到達していない場合、故障
F07451 がトリガされます。
停止状態監視および位置決め監視は、p2542 と p2544 の値を「0」にすることで無効化
できます。 停止状態範囲は、位置決め範囲よりも大きくしてください (p2542 ≧ p2544)。
停止監視時間は、位置決め監視時間以下にしてください (p2543 ≦ p2545)。
⇜函岼⸩⊳
ኴ዇ነዐእዊዙወክ዆ዐ
ኖኲኀወኜ㈛㹄
S! >@
抌㈢崳ぽ
G\Q
U
⇜函岼⸩⊳
ኴ዇ነዐእዊዙ
ወⓜ㹄ክ዆ዐኖ
ኲኀወኜ
図 7-11
37
኿ኤወ
S
VBDFW
VBGHOWDBPRQLWWRO
>/8@
S
抌㈢崳ぽ
峀⹈乓⦁␔
U
) 抌㈢崳ぽ
拝⮶ 追従誤差監視
追従誤差監視は、p2546 (追従誤差許容値) で有効化されます。 ダイナミック追従誤差
(r2563) の絶対値が p2546 より大きい場合、故障 F07452 が出力され、ビット r2648.8
がリセットされます。
㳮㬿዇ኼአእ⒖ቭ㦎ራ≰⚆
U
㳮㬿዇ኼአእ⒖ቭ㦎ራ≰⚆
U
図 7-12
V
㳮㬿዇ኼአእ⒖ቭ㦎ራ⇜函
S
V
㳮㬿዇ኼአእ⒖ቭ㦎ራ⇜函
S
カムコントローラ
位置コントローラにはカムコントローラが二つあります。 カム位置 p2547 または
p2548 が正方向 (r2521 > p2547 または p2548) に移動すると、カム信号 r2683.3 および
r2683.9 がリセットされます。
392
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
ファンクションモジュール
7.7 閉ループ位置制御
ファンクションダイアグラム (『SINAMICS S120/S150 リストマニュアル』を参照)
●
4020 ゼロ速/位置決め監視
●
4025 ダイナミック追従誤差監視、カムコントローラ
主要パラメータ一覧 (『SINAMICS S120/S150 リストマニュアル』を参照)
7.7.5
●
p2530 CI: LR 位置設定値
●
p2532 CI: LR 位置実績値
●
p2542 LR 停止状態範囲
●
p2543 LR 停止監視時間
●
p2544 LR 位置決め範囲
●
p2545 LR 位置決め監視時間
●
p2546 LR ダイナミック追従誤差監視許容値
●
p2547 LR カム切り替え位置 1
●
p2548 LR カム切り替え位置 2
●
p2551 BI: LR 設定値メッセージあり
●
p2554 BI: LR トラバースコマンドメッセージ有効
●
r2563 CO: LR 最新追従誤差
●
r2683.8 位置実績値 <= カム切り替え位置 1
●
r2683.9 位置実績値 <= カム切り替え位置 2
●
r2684 CO/BO: EPOS ステータスワード 2
測定プローブの評価と基準マーク探索
説明
「基準マーク検索」機能と「測定プローブの評価」機能は、バイネクタ入力 p2508 (基
準マーク検索有効化) と p2509 (測定プローブの評価有効化) により開始/実行すること
ができます。 測定プローブの評価モードは、バイネクタ入力 p2510 (測定プローブ選
択) と p2511 (測定プローブエッジ評価) で定義します。
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
393
ファンクションモジュール
7.7 閉ループ位置制御
プローブ信号は、エンコーダステータスワードとコントロールワードで記録されます。
信号処理速度を高めるために、直接測定プローブ評価を p2517 と p2518 によりブロー
ブ 1/2 の入力端子を選択し、有効にすることができます。 測定プローブの評価は、位
置コントローラサイクルで実行されます。そのため、コントローラの設定した送信クロ
ックサイクル (r2064[1]) を位置コントローラサイクル (p0115[4]) の整数倍にする必要が
あります。
同じプローブ入力が既に使用されている場合、システムからメッセージが出力されます
(p0488、p0489、p0580 および p0680 も参照)。
エンコーダコントロールワードにより適切な入力 p2508 (基準マーク検索有効化) また
は p2509 (測定プローブの評価有効化) の 0/1 エッジを使用して、適切な機能を開始し
ます。 ステータスビット r2526.1 (基準点の設定機能) は、この機能が有効であるとい
う信号を出します (エンコーダステータスワードからのフィードバック)。 ステータス
ビット r2526.2 (測定値有効) は、必要な測定値 r2523 (基準マークまたは測定プローブ
の位置) が存在することを示します。
この機能が完了すると (基準マークまたは測定プローブの位置決定)、r2526.1 (基準点の
設置機能有効) および r2526.2 (測定有効) が継続して有効のままで、対応する入力
p2508 (基準マーク検索を有効化) または p2509 (測定プローブの評価有効化) がリセッ
ト (0 信号) するまで、r2523 (基準測定値) から測定値が与えられます。
この機能 (基準マークの検索または測定プローブの評価) がまだ完了されず、対応する
入力 r2508 または p2509 がリセットされる場合には、エンコーダコントロールワード
によりこの機能が中断され、ステータスビット r2526.1 (基準点の設定機能有効) がエン
コーダステータスワードによりリセットされます。
バイネクタ入力 p2508 および p2509 が両方同時に設定される場合、有効である機能が
中断し、どちらの機能も起動されません。 これは、アラーム A07495 「原点復帰機能
中断」で表示され、バイネクタ入力信号がリセットされるまで維持されます。 このア
ラームは、機能 (基準マーク検索または測定プローブの評価) が有効となっている間、
エンコーダステータスワードを使用して故障メッセージが送られる場合にも生成されま
す。
「位置制御」ファンクションモジュールが選択される場合、これらのパラメータ
(p2508 ~ p2511) は「0」で事前に割り付けられます。 [Basic positioner] (簡易位置決
め) ファンクションモジュールが選択される場合、 (原点セット機能用) [reference mark
search] (基準マーク検出) および [measuring probe evaluation] (フライング原点セット
用) がファンクションモジュール簡易位置決めにより開始され、フィードバック信号
(r2526、r2523) がこれにフィードバックされます (以下の章も参照 エンコーダ用のコン
トロールワード/ステータスワード (ページ 647))。
394
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
ファンクションモジュール
7.7 閉ループ位置制御
ファンクションダイアグラム (『SINAMICS S120/S150 リストマニュアル』を参照)
●
4010 位置実績値条件
●
4720 エンコーダインターフェース、受信信号、エンコーダ 1 ... 3
●
4730 エンコーダインターフェース、送信信号、エンコーダ 1 ... 3
主要パラメータ一覧 (『SINAMICS S120/S150 リストマニュアル』を参照)
7.7.6
●
p2508 BI : LR 基準マーク検索有効
●
p2509 BI : LR 測定プローブ評価有効
●
p2510 BI : LR 測定プローブ評価、選択
●
p2511 BI: LR 測定プローブ評価エッジ
●
p2517 LR ダイレクトプローブ 1 入力端子
●
p2518 LR ダイレクトプローブ 2 入力端子
●
r2523 CO: LR 測定値
●
r2526 CO/BO: LR ステータスワード
試運転
「位置制御」ファンクションモジュールは、以下ようにシステムに統合されます:
試運転
[basic positioner] (簡易位置決め) ファンクションモジュールが有効でない (r0108.4 = 1)
場合、STARTER の [Position control] (位置制御) 用コンフィグレーション画面にアクセ
スできません。つまり、ファンクションモジュール「位置制御」 (r0108.3 = 1) も自動
的に有効化されるということです。
[basic positioner] (簡易位置決め) ファンクションモジュールは、試運転ウィザードまた
はドライブコンフィグレーション (DDS のコンフィグレーション) ([Closed-loop control
structure] (閉ループ制御の構造) コンフィグレーション - チェックボックス [Basic
positioner] (簡易位置決め)) で有効化できます。
正確で誤差のない簡易位置決めを実行するために、「位置制御」ファンクションモジュ
ールが有効です。位置制御が正しくコンフィグレーションされていることが非常に重要
です。
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
395
ファンクションモジュール
7.8 簡易位置決め
「位置制御」ファンクションモジュールが有効で、速度コントローラを最適化するため
に、ファンクションジェネレータ信号が速度コントローラ入力 p1160 に接続されると、
位置コントローラ監視機能が応答します。 この発生を防止するために、位置コントロ
ーラを無効にして (p2550 = 0) 、トラッキングモードに切り替えてください (p2655 = 1、
PROFIdrive テレグラム 110 PosSTW.0 = 1 を使用した制御の場合)。 このようにして、
監視機能のスイッチが「切」られ、位置設定値が追従されます。
ファンクションダイアグラム (『SINAMICS S120/S150 リストマニュアル』を参照)
●
4010 位置実績値条件
●
4015 位置コントローラ
●
4020 ゼロ速/位置決め監視
●
4025 ダイナミック追従誤差監視、カムコントローラ
主要パラメータ一覧 (『SINAMICS S120/S150 リストマニュアル』を参照)
7.8
●
r0108 ドライブオブジェクト、ファンクションモジュール
●
p1160[0...n] CI:速度コントローラ、速度設定値 2
●
p2550 BI:LR イネーブル 2
簡易位置決め
概説
簡易位置決め (EPOS) は、モータエンコーダ (間接測定システム) またはマシンエンコ
ーダ (直接測定システム) で、リニア軸および回転軸 (モジュロ軸) を絶対/相対関係で位
置決めするために使用します。 EPOS はサーボおよびベクトル制御モードで使用でき
ます。
簡易位置決め機能のために、STARTER は、コンフィグレーション、試運転およ
び診断用機能を通じてグラフィック表示のガイドを提供します。 簡易位置決めの操作
中および閉ループ速度制御での運転中、ユーザは STARTER のコントロールパネルに
よりサポートされます。
STARTER の試運転ウィザードを使用して、簡易位置決めを有効化する際に、位置制御
は自動的に有効化されます。 必要とされる BICO 接続は自動的に確立されます。
簡易位置決め (r0108.4 = 1) を有効にすると、位置制御 (r0108.3 = 1) も有効になります。
STARTER の試運転ウィザードで簡易位置決めを有効にすると、これが自動的に実行さ
れます。
396
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
ファンクションモジュール
7.8 簡易位置決め
注意
簡易位置決めには、位置コントローラ機能が必要です。 有効化されると簡易位置決め
によって自動的に確立される BICO 接続は、経験があるユーザ (有資格者) だけが変更
するようにしてください。
これは、以下の機能が位置制御に対して使用可能であるということです:
●
停止状態 (ゼロ速) 監視
●
位置決め監視
●
ダイナミック追従誤差監視
●
カムコントローラ
●
モジュロ機能
●
プローブ評価
詳細に関しては、「位置制御」も参照してください。
更に、簡易位置決めを使用して、以下の機能を実行することができます:
●
機械的システム
– バックラッシュ補正
– モジュロオフセット
– 絶対値エンコーダを備えた負荷ギア (モータエンコーダ) 位置トラッキング
●
リミット
– トラバースプロファイルリミット
– トラバース範囲リミット
– ジャークリミット
●
原点セットまたは調整
– 基準点を設定 (目標位置に到達した停止状態の軸用)
– 原点セットポイントアプローチ
(カム反転機能、自動回転方向反転、「カムおよびエンコーダマーク」または
「エンコーダゼロマーク」のみまたは「外部等価ゼロマーク (BERO)」の原点セ
ットを含む自律モード)
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
397
ファンクションモジュール
7.8 簡易位置決め
– フライング原点セット
(「通常の」トラバース動作中に、測定プローブの評価を使用して、重ね合わせ
て原点セットすることができます; 一般的には、例えば BERO を評価。 「ジョ
グ」、直接設定値入力/MDI および「トラバースブロック」のための上位 (重ね合
わせ) 機能)
– インクリメンタル測定システムによる原点セット
– 絶対値エンコーダの調整
●
トラバースブロック動作モード
– ドライブユニットに保存できる (ブロック変更を含む) トラバースブロックを用い
て位置決めすることで、以前に原点ポイントセット基準点を設定した軸の条件や
特定のタスクを有効化します。
– STARTER を用いたトラバースブロックエディタ
– トラバースブロックには以下の情報が含まれます。
トラバースブロック番号
ジョブ (例: 位置決め、待機、GOTO ブロックステップ、バイナリ出力の設定)
モーションパラメータ (目標位置、加速および減速オーバーライド)
モード (例: ブロックスキップ、[Continue_with_stop] や [Continue_flying] のよう
なブロックスキップ有効条件)
タスクパラメータ (例: 遅延時間、ブロックステップ条件)
●
直接設定値入力 (MDI) モード
– 直接設定値入力 (例: プロセスデータまたは PLC を介して) を使用した位置決め
(絶対、相対) およびセットアップ (エンドレス閉ループ位置制御)
– モーションパラメータへの作用 (即時設定値の受け付け) は、トラバース中も設定
モードと位置決めモードの間の即時変更中も常に可能です。
●
ジョグモード
– 切り替え可能な「エンドレス位置制御」モードおよび「ジョグインクリメンタ
ル」モードによる、軸の閉ループ位置制御移動 (「ステップ幅」で移動)
●
標準 PROFIdrive 位置決めテレグラムが利用できます (テレグラム 7、9 および 110)。
この選択により、自動的に簡易位置決めへの内部「接続」が確立されます。
●
PROFIdrive テレグラム 7 および 110 を使用した制御
(詳細については、サイクリック伝送 (ページ 580) 章および 『SINAMICS
S120/S150 リストマニュアル』を参照)。
398
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
ファンクションモジュール
7.8 簡易位置決め
7.8.1
機械システム
特徴
●
バックラッシュ補正 (p2583)
●
モジュロオフセット (p2577)
説明
ክአኌ዆አኔዂ
S
図 7-13
バックラッシュ補正
機械パーツとドライブの間で機械的な力が伝達されるとき、一般にバックラッシュが発
生します。 機械系に全く遊びがないように調整/設計設定されている場合、結果として
生じる磨耗が激しくなります。 このように、バックラッシュ (遊び) が機械のパーツと
エンコーダの間で発生する場合があります。 間接的位置検出が行われる軸の場合、機
械的バックラッシュがあると、方向転換時に軸のトラバースがバックラッシュの絶対値
に一致して行き過ぎたり手前で停止するなど、トラバース距離が改ざんされることにな
ります。
注記
以下の動作後に、バックラッシュ補正が有効になります。
• 軸がインクリメンタル測定システムに対して原点セットポイントされた
• 軸が絶対値測定システムに対して調整された
バックラッシュを補正するために、決定されたバックラッシュを正しい極性で P2583
で指定してください。 回転方向が反転するたびに、軸実績値が実際のトラバース方向
に応じて補正され、r2667 に表示されます。 この値は、P2516 (位置オフセット) を使
用して位置実績値で考慮されます。
停止軸が原点セットにより基準設定を行われたり、調整軸に絶対値エンコーダで電源投
入される場合、パラメータ p2604 (原点セットアプローチ、開始方向) が補正値の切り
替えに関連します。
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
399
ファンクションモジュール
7.8 簡易位置決め
表 7- 5
補正値は、P2604 に対して切り替えられます。
p2604
0
1
኿ንዂዊ乓⦁
S
䎰╈
኿ንዂዊ孫㷲
㦘╈▥
トラバース方向
補正値の切り替え
正
なし
負
即時
正
即時
負
なし
⇜函岼⸩⊳
U
S
図 7-14
モジュロオフセット
モジュロ軸では、トラバース範囲が無限です。 パラメータ設定できる指定値 (モジュロ
範囲または軸サイクル) 後、例えば一回転後、位置値の範囲が繰り返されます: 360° ->
0°. モジュロ範囲はパラメータ p2576 で設定され、オフセットはパラメータ p2577 で
有効化されます。 モジュロオフセットは、設定値末桁で行われます。 位置実績値を適
切に補正するために、コネクタ出力 r2685 (補正値) で正しい符号とともにこれが提供さ
れます。 EPOS では、バイネクタ出力 r2684.7 (補正の有効化) の立ち上がりエッジで
補正の有効化が開始されます。 (r2685 (補正値) および r2684.7 (補正の有効化) は、標
準で対応するバイネクタ/コネクタ位置実績値入力条件とすでに接続されています)。 絶
対位置決めの詳細 (例: モーションコマンド内) は、必ずモジュロ範囲内になければいけ
ません。 モジュロオフセットをリニアおよびロータリ長さ単位で有効にすることがで
きます。 トラバース範囲は、ソフトウェアリミットスイッチで制限することができま
せん。
モジュロオフセットを有効にして絶対値エンコーダに適用する場合は、結果として生じ
るエンコーダオーバーフローを見込んで、マルチターン分解能とモジュロ範囲の比が整
数となるようにしなければなりません。
比率 v は、以下のように計算することができます:
●
1. 位置トラッキングなしモータエンコーダ:
v = p0421 × p2506 × p0433 × p2505 / (p0432 × p2504 × p2576)
●
2. 測定ギア用の位置トラッキング付きモータエンコーダ:
v = p0412 × p2506 × p2505 / (p2504 × p2576)
●
3. 負荷ギア用の位置トラッキング付きモータエンコーダ:
v = p2721 × p2506 × p0433 / (p0432 × p2576)
400
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
ファンクションモジュール
7.8 簡易位置決め
●
4. 測定ギアおよび負荷ギア用の位置トラッキング付きモータエンコーダ:
v = p2721 × p2506 / p2576
●
5. 位置トラッキングなしダイレクトエンコーダ:
v = p0421 × p2506 × p0433 / (p0432 × p2576)
●
6. 測定ギア用の位置トラッキング付きダイレクトエンコーダ:
v = p0412 × p2506 / p2576
位置トラッキング付きの場合は、p0412 または p2721 を変更することが推奨されます。
ファンクションダイアグラム (『SINAMICS S120/S150 リストマニュアル』を参照)
●
3635 インタポレータ
●
4010 位置実績値条件
主要パラメータ一覧 (『SINAMICS S120/S150 リストマニュアル』を参照)
●
p2576 EPOS モジュロオフセット、モジュロ範囲
●
p2577 BI: EPOS モジュロオフセット有効
●
p2583 EPOS バックラッシュ補正
●
r2684 CO/BO: EPOS ステータスワード 2
●
r2685 CO: EPOS 補正値
STARTER での試運転
STARTER では、機械的システム画面フォームは [Position control] にあります。
7.8.2
制限値
説明
速度、加速および減速に制限を設け、ソフトウェアリミットスイッチおよび STOP 機
械リミットも設定することができます。
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
401
ファンクションモジュール
7.8 簡易位置決め
特徴
●
トラバースプロファイルリミット
– 最大速度 (p2571)
– 最大加速 (p2572) / 最大減速 (p2573)
●
トラバース範囲リミット
– ソフトウェアリミットスイッチ (p2578、p2579、p2580、p2581、p2582)
– STOP 機械リミット (p2568、p2569、p2570)
●
ジャークリミット
– ジャークリミット (p2574)
– ジャークリミット有効 (p2575)
最大速度
軸の最大速度は、パラメータ p2571 を使用して定義されます。 この速度は、r1084 お
よび r1087 の最大速度よりも大きく設定しないでください。
より高い速度が指定されたり、原点セットポイントアプローチのオーバーライド
(p2646) やトラバースブロックでプログラムされる場合、ドライブはこの速度に制限さ
れます。
パラメータ p2571 (最大速度) により、1000 LU/min 単位の最大トラバース速度を定義
します。最大速度が変更されると、現在実行中のトラバースタスクの速度が制限されま
す。
これは位置決めモードのみで有効です:
●
ジョグモード
●
トラバースブロックの処理
●
直接設定値入力/位置決めおよび設定用 MDI
●
原点セットポイントアプローチ
最大加速/減速
パラメータ p2572 (最大加速) および p2573 (最大減速) により、最大加速および最大減
速を定義します。 両方の場合で、その単位は 1000 LU/s2 です。
402
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
ファンクションモジュール
7.8 簡易位置決め
両方の値ともに以下に関連します:
●
ジョグモード
●
トラバースブロックの処理
●
直接設定値入力/位置決めおよび設定用 MDI
●
原点セットポイントアプローチ
故障応答 OFF1 / OFF2 / OFF3 を伴う故障が生じる場合、パラメータにはいかなる影響
力もありません。
トラバースブロックモードでは、加速および減速は、最大加速および最大減速の整数倍
(1 %、2 % ... 100 %) で設定することができます。 「直接設定値入力/位置決めおよび
設定用 MDI」動作モードでは、加速/遅延オーバーライド (4000 hex = 100% の割り付
け) を指定します。
注記
実際の速度に依存する最大加速または最大減速 (移行加速) は、サポートされていませ
ん。
注記
PROFIdrive テレグラム 110 を使用する場合、速度オーバーライドは既に接続されてお
り、テレグラムにより提供されなければなりません。
ソフトウェアリミットスイッチ
以下の前提条件が満たされる場合、コネクタ入力 p2578 (ソフトウェアリミットスイッ
チ負側) と p2579 (ソフトウェアリミットスイッチ正側) により位置設定値が制限されま
す。
●
ソフトウェアリミットスイッチが有効化されます (p2582 = 「1」)
●
原点セットポイントが設定されています (r2684.11 = 1)
●
モジュロ補正が有効でありません (p2577 = 「0」)
出荷時設定では、コネクタ入力はコネクタ出力 p2580 (ソフトウェアリミットスイッチ
負側) および p2581 (ソフトウェアリミットスイッチ正側) にリンクされています。
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
403
ファンクションモジュール
7.8 簡易位置決め
STOP 機械リミット
トラバース範囲は、ソフトウェアリミットスイッチを使用して、ソフトウェアでもハー
ドウェアでも制限することができます。 この場合、停止機械リミット (ハードウェアリ
ミットスイッチ) の機能が使用されます。 STOP 機械リミットの機能は、バイネクタ入
力 p2568 (STOP 機械リミットの有効化) の 1 信号で有効になります。
イネーブルされると、バイネクタ入力 p2569 (停止機械リミット、負側) と p2570 (停止
機械リミット、正側) の動作が確認されます。 これらはローアクティブです; つまり、
バイネクタ入力 p2569 および p2570 が 0 の場合、これらは有効です。
STOP 機械リミット (p2569 または p2570) が有効の場合、現在の動作は OFF3 で停止
され、該当ステータスビット r2684.13 (STOP 機械リミットローアクティブ) または
r2684.14 (STOP 機械リミットハイアクティブ) が設定されます。
軸が STOP 機械リミットにアプローチすると、その軸が機械リミットから離れる動作
のみが許可されます (両方の STOP 機械リミットが作動している場合は、動作不可で
す)。 STOP 機械リミットが解除されると、これが許可されるトラバース方向での 0/1
エッジにより特定されます。つまり、相当するステータスビット (r2684.13 または
2684.14) がリセットされます。
ジャークリミット
ジャークリミットが有効でない場合、加速および減速が急激に変化する場合があります。
以下の図は、ジャークリミットが有効でない場合のトラバースプロファイルを示すもの
です。 この場合、最大加速 (amax) および最大減速 (dmax) が直ちに有効になります。 ド
ライブは、ターゲット速度まで加速 (vtarget) されると、定速モードに切り替わります。
┯抮
抮ㄵ
抮ㄵPV
┯抮ㄵ>PVt@
図 7-15
㣑栢
ジャークリミットなし
ジャークリミットは、両方の変数のランプのような変化を実現するために使用すること
ができます。これにより、以下の表で示される「スムーズな」加速および制動が保証さ
れます。 直線的な加速および減速が理想的です。
404
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
ファンクションモジュール
7.8 簡易位置決め
┯抮
抮ㄵ
図 7-16
㣑栢
抮ㄵPV
┯抮ㄵ>PVt@
ジャークリミット有効
最大勾配 (rk) は、加速および制動に対して、LU/s3 単位で、パラメータ p2574 (「ジャ
ークリミット」) で設定できます。 分解能は 1000 LU/s3 です。 リミットを恒久的に有
効化するには、パラメータ p2575 (「ジャークリミットを有効化」) を 1 に設定します。
この場合、コマンド「ジャーク」によりトラバースブロックモードでリミットを有効化
または無効化することができません。トラバースブロックモードでのリミットの切り替
えは、パラメータ p2575 が 0 に設定されることが要求されます。 ステータス信号
r2684.6 (「ジャークリミット有効」) は、ジャークリミットが有効か無効かを示します。
リミットは以下に対しても有効です:
●
ジョグモード
●
トラバースブロックの処理
●
直接設定値入力/位置決めおよび設定用 MDI
●
原点セットポイントアプローチ
●
アラームによる停止応答
停止応答 OFF1 / OFF2 / OFF3 を伴うメッセージが生成されると、ジャークリミットは
無効になります。
「閉」じたブレーキに対する起動
EPOS 使用時に、ドライブが「閉」じたブレーキに対して、例えば、吊り下げ負荷に対
して起動する場合、イネーブル信号 p0899.2 は短時間取り消されます。 ドライブパル
スはキャンセルされ、故障 F07490 が出力されます。
この発生を回避するために、p1513 を使用して、ブレーキ保持トルクに相当する補助ト
ルクを有効化してください。 その結果、ブレーキ「開」後、負荷は降下せず、ドライ
ブは故障 F07490 が出力されることなく、閉ループ制御に留まります。
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
405
ファンクションモジュール
7.8 簡易位置決め
ファンクションダイアグラム (『SINAMICS S120/S150 リストマニュアル』を参照)
●
3630 トラバース範囲リミット
主要パラメータ一覧 (『SINAMICS S120/S150 リストマニュアル』を参照)
●
p2571 EPOS 最大速度
●
p2572 EPOS 最大加速
●
p2573 EPOS 最大減速
●
p2646 CI: EPOS 速度オーバーライド
ソフトウェアリミットスイッチ
●
p2578 CI: EPOS ソフトウェアリミットスイッチ、負側信号ソース
●
p2579 CI: EPOS ソフトウェアリミットスイッチ、正側信号ソース
●
p2580 CO: EPOS ソフトウェアリミットスイッチ、負側
●
p2581 CO: EPOS ソフトウェアリミットスイッチ、正側
●
p2582 BI: EPOS ソフトウェアリミットスイッチ有効
●
r2683 CO/BO: EPOS ステータスワード 1
STOP 機械リミット
●
p2568 BI: EPOS STOP 機械リミット有効
●
p2569 BI: EPOS STOP 機械リミット、負側
●
p2570 BI: EPOS STOP 機械リミット、正側
●
r2684 CO/BO: EPOS ステータスワード 2
ジャークリミット
7.8.3
●
p2574 EPOS ジャークリミット
●
p2575 BI: EPOS ジャークリミット有効
EPOS および安全な設定値速度リミット
安全速度監視 (SLS) または安全運転方向監視 (SDI) が EPOS 位置決め機能と同時に使
用される場合、有効化された速度監視リミットを EPOS に通知しなければなりません。
そうしなければ、EPOS 設定値入力により、これらの速度監視リミットに違反する場合
406
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
ファンクションモジュール
7.8 簡易位置決め
があります。 リミット値を監視することで、違反した場合に、ドライブが停止され、
意図されたモーションシーケンスが終了されます。 この場合、該当するセーフティ故
障が先ず出力され、その後シーケンス故障のみが EPOS により作成されます。
パラメータ r9733 = p2594.1 および p9733.1 = p2594.2 で、セーフティ機能は EPOS に
設定値リミット値を提供します。これが考慮されると、セーフティリミット値への違反
が回避されます。
つまり、r9733 の設定リミット値を EPOS (p2594) の最大設定速度が EPOS 設定値入
力によるセーフティリミット値違反防止のために伝送されなければなりません。 この
点で、速度が SLS リミット値を下回るのに必要な最大時間後、該当するセーフティ監
視機能のみが有効になるように SLS/SOS (p9551/p9351) の遅延時間を設定しなければ
なりません。 この必要とされるブレーキ時間は、実際の速度、p2574 のジャークリミ
ットおよび p2573 の最大減速によって決定されます。
詳細は、『SINAMICS S120 Safety Integrated ファンクションマニュアル』を参照して
ください。
7.8.4
基準設定
特徴
●
原点セットポイントオフセット (p2600)
●
反転用機械リミット (p2613、p2614)
●
原点セット用機械リミット (p2612)
●
バイネクタ入力開始 (p2595)
●
バイネクタ入力設定 (p2596)
●
速度オーバーライド (p2646)
●
原点セットポイント座標 (p2598、p2599)
●
原点セットタイプを選択 (p2597)
●
絶対値エンコーダの調整 (p2507)
通知
原点セット用に間隔コード化されたゼロマークはサポートされていません。
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
407
ファンクションモジュール
7.8 簡易位置決め
説明
機械装置への電源投入後、位置決め用に、絶対寸法基準を機械ゼロに設定してください。
この操作は、原点セットとして知られています。
以下のような原点セットタイプが可能です:
●
原点セットポイントの設定 (全てのエンコーダタイプ)
●
インクリメンタルエンコーダ
原点セットを有効化 (原点セットポイントアプローチ (p2597 = 0)):
– 原点セット用機械リミットおよびエンコーダゼロマーク (p2607 = 1)
– エンコーダゼロマーク (p0495 = 0 または p0494 = 0)*)
– 外部ゼロマーク (p0495 ≠ 0 または p0494 ≠ 0) *)
●
フライング原点セット (パッシブ (p2597 = 1))
●
絶対値エンコーダ
– 絶対値エンコーダの調整
– フライング原点セット (パッシブ (p2597 = 1))
原点セットポイントを入力するために、全ての原点セットタイプに対応するコネクタ入
力が提供されています; これにより、上位コントローラで変更/入力ができます。 但し、
原点セット信号を恒久的に入力するには、この量の設定パラメータも要求されます。
標準で、この設定パラメータ p2599 はコネクタ入力 p2598 に接続されています。
原点セットポイントを設定
トラバースコマンドが有効ではなく、位置実際値が有効 (p2658 = 1 信号) の場合、バイ
ネクタ入力 p2596 (原点セットポイントの設定) の 0/1 エッジを使用して、原点セット
ポイントを設定することができます。
原点セットポイントは、中間ストップでも設定できます。
ドライブの現在の位置実績値は、コネクタ入力 p2598 (原点セットポイントの組み合わ
せ) を使用して原点セットポイントとして、ここで設定することができます。 設定値
(r2665) は、それに従って調整されます。
この機能は、位置コントローラ (p2512 および p2513) の位置実績値補正も使用します。
コネクタ入力 p2598 は、標準で設定パラメータ p2599 に接続されます。 バイネクタ入
力は、実行中のトラバースタスクには影響しません。
408
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
ファンクションモジュール
7.8 簡易位置決め
絶対値エンコーダの調整
絶対値エンコーダは、試運転中に調整しなければなりません。 電源遮断後も、エンコ
ーダの位置情報は保持されます。
p2507 = 2 が入力されると、p2599 の原点セットポイントの組み合わせを使用して、オ
フセット値 (p2525) が決定されます。 これは位置実績値 (r2521) を計算するために使用
されます。 パラメータ p2507 は「3」で調整の信号を出します。更に、ビット
r2684.11 (原点セットポイントの設定) が「1」に設定されます。
エンコーダ調整のオフセット (p2525) は、それを恒久的に保存するために、不揮発性媒
体 (RAM から ROM) に保存してください。
注記
調整済みの軸の調整が失われた場合、ドライブユニットの POWER ON 後も軸は未調整
のままになります。 このような場合、軸は再調整されなければなりません。
注意
ロータリ絶対値エンコーダでの調整中、範囲は、スイッチ「入」/「切」後に位置が回
復されるエンコーダ範囲の半分を含むゼロポイントを中心に左右対称に配列されま
す。 位置トラッキングが無効化される (p2720.0 = 0) と、エンコーダオーバーフロー
は 1 つだけこの範囲で許容されます (詳細は「位置決め」章の「位置実績値条件」を
参照)。 調整が実行されると、エンコーダの実績値と機械的コンポーネントの間の一
意の基準が範囲外に確立できないため、この範囲を超えないようにしなければなりま
せん。
原点セットポイント p2599 がエンコーダ範囲にある場合、位置実績値は調整中に原点
セットポイントと一致するように設定されます。 そうでなければ、エンコーダ範囲内
の補正値に設定されます。
リニア絶対値エンコーダではオーバーフローが発生しません。つまり、調整が行われ
ると、スイッチ「入」/「切」後にトラバース範囲の全体で位置を回復することができ
るということです。 調整中、位置実績値は原点セットポイントに一致するように設定
されます。
DRIVE-CLiQ エンコーダでの原点セット
DRIVE-CLiQ エンコーダは、「マルチターン」または「シングルターン」絶対値エンコ
ーダとして使用可能です。 「原点セット」機能を PROFIdrive エンコーダインターフェ
ース経由で選択する場合や DRIVE-CLiQ エンコーダまたはその他のタイプの絶対値エ
ンコーダを DRIVE-CLiQ インターフェースを経由して接続する場合には、シングルタ
ーン位置のゼロポイントが原点セットポイントとして使用されます。
DRIVE-CLiQ エンコーダの試運転についての詳細は、
『SINAMICS S120 試運転マニュアル』を参照してください。
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
409
ファンクションモジュール
7.8 簡易位置決め
インクリメンタル測定システムの原点セットポイントアプローチ
原点セットポイントアプローチ (インクリメンタル測定システムの場合) では、ドライ
ブは原点セットポイントに移動させられます。 このように、ドライブ自体が完全な原
点セットの制御と監視を行います。
インクリメンタル測定システムでは、機械装置への電源投入後に、絶対基準寸法が機械
のゼロポイントに確立されることが要求されます。 電源投入時、原点セットされてい
ない状態にある位置実績値 x0 は x0 = 0 に設定されます。原点セットポイントアプロー
チにより、ドライブは原点セットポイントに繰り返し移動できます。 正の開始方向の
ジオメトリ (p2604 = 「0」) が以下に示されます。
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図 7-17
例: 原点セット機械リミットでの原点セットポイントアプローチ
同時に原点セット検索が選択された場合 (バイネクタ入力 p2597 (原点セットタイプの
選択) で 0 信号)、バイネクタ入力 p2595 (原点セット開始) 信号を使用して、原点セッ
ト機械リミット (p2607 = 1) へのトラバースがトリガされます。 バイネクタ入力 p2595
(原点セット開始) 信号は、原点セットプロセスの間に設定されなければなりません。そ
うではない場合、このプロセスは中断されます。 起動すると、ステータス信号
r2684.11 (原点セットポイントの設定) がリセットされます。
原点セットポイントアプローチの間、ソフトウェアリミットスイッチ監視は無効です;
最大トラバース範囲のみが確認されます。 必要に応じて、SW リミットスイッチ監視
は終了後に再度有効化されます。
速度オーバーライドセットは、原点セット機械リミットの検索時 (ステップ 1) のみ有効
です。 これにより、「機械リミット末端」と「ゼロマーク」位置が常に同じ速度でオ
410
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
ファンクションモジュール
7.8 簡易位置決め
ーバーランすることが保証されます。 切り替えプロセス中に信号伝送に遅延が発生す
る場合、これにより、位置確立中に生じたオフセットが各原点セットプロセスで同一に
なることが保証されます。
トラバース範囲またはモジュロ範囲全体でゼロマークが 1 つしかない軸では、パラメー
タ p2607 = 0 (原点セット機械リミットなし) で指定されます。 原点セットプロセス開
始後、これらの軸の基準ゼロマークの同期が直ちに開始されます (ステップ 2 を参照)。
ステップ 1: 原点セット機械リミットへのトラバース
原点セット機械リミットが存在しない場合 (p2607 = 0)、ステップ 2 に移動。
原点セットプロセスが開始されると、ドライブは原点セット用機械リミットアプローチ
速度 (p2605) まで最大加速 (p2572) で加速します。 接近方向は、バイネクタ入力
p2604 (原点セット検索開始方向) の信号で決定されます。
原点セット機械リミットに到達すると、これはバイネクタ入力 p2612 (原点セット機械
リミット) の信号を使用してドライブと通信します。この時、ドライブは、最大減速
(p2573) で停止状態まで制動します。
原点セットポイントアプローチ中にバイネクタ入力 p2613 (反転用機械リミット、
MINUS) またはバイネクタ入力 p2614 (反転用機械リミット、PLUS) で信号が検出され
ると、検索方向が反転します。
負の反転用機械リミットにトラバースの正側からアプローチする場合や正の反転用機械
リミットにトラバースの負側からアプローチすると、故障 F07499 (EPOS: 移動方向と
は反対の反転カムに接近しました) が出力されます。 この場合、反転カムの配線 (BI:
p2613, BI: p2614) または反転用機械リミットの接近方向が確認されなければなりませ
ん。
反転用機械リミットはローアクティブです。 両方の反転用機械リミットが有効 (p2613
= 「0」かつ p2614 = 「0」) の場合、ドライブは停止した状態のままです。 原点セット
機械リミットが見つかると、基準ゼロマークへの同期が直ちに開始されます (ステップ
2 を参照)。
軸が開始位置を離れ、パラメータ p2606 (基準カムへの最大距離) で定義される距離を
原点セット機械リミットの方まで移動するが、実際には原点セット機械リミットに到達
しない場合には、ドライブは停止状態を維持し、故障 F07458 (原点セット機械リミッ
トが見つからない) が送信されます。
原点セットが開始される時点で軸が既にカムに到達している場合には原点セット機械リ
ミットへのトラバースは実行されませんが、基準ゼロマークへの同期が直ちに開始され
ます (ステップ 2 を参照)。
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
411
ファンクションモジュール
7.8 簡易位置決め
注記
速度オーバーライドは、機械リミット検索中に有効です。 エンコーダセットを変更す
ることで、ステータス信号 r2684.11 (原点セットポイントの設定) がリセットされま
す。
機械リミットスイッチは、立ち上がりおよび立ち下がりエッジの両方が発信可能である
ようにしてください。 エンコーダゼロマークの評価による原点セットポイントアプロ
ーチの場合、位置実績値が大きくなると立ち上がりエッジが、小さくなると立ち下がり
エッジがそれぞれ評価されます。 エッジ評価の反転は、センサゼロマークではできま
せん。
距離測定システムにサイクリックな間隔で繰り返される複数のゼロマークが存在する場
合 (例: インクリメンタル、ロータリ測定システム)、常に同じゼロマークが評価される
ように機械リミットを調整しなければなりません。
以下の要素は、「原点セット機械リミット」制御信号の動作に影響する場合がありま
す:
• 原点セット機械リミットスイッチの切り替え精度および遅延
• ドライブの位置コントローラサイクル
• ドライブの補間サイクル
• 機械装置の機械的システムの温度感度
ステップ 2: 基準ゼロマークの同期
(エンコーダゼロマークまたは外部ゼロマーク)
原点セット機械リミット使用可能 (p2607 = 1):
ステップ 2 では、ドライブは、バイネクタ入力 p2604 (原点セットポイントアプローチ
開始方向) を使用し、指定された方向の逆方向に p2608 (ゼロマークアプローチ速度) で
指定した速度まで加速します。 ゼロマークは、距離 p2609 (ゼロマークへの最大距離)
が想定されています。 ドライブが機械リミットを離れ (p2612 = 「0」)、評価 (p2609
~ p2610) の許容帯域にあると、直ちにゼロマークサーチが有効 (ステータスビット
r2684.0 = 「1」 (原点セット検索有効)) になります。 ゼロマークの位置が明らかな場合
(エンコーダ評価)、ドライブの実績値はゼロマークを使用して同期させることができま
す。 ドライブは原点セット検索を開始します (ステップ 3 を参照)。 機械リミットの終
了点とゼロマークの間の移動距離は、診断パラメータ r2680 (機械リミット - ゼロマー
ク間の差) に表示されます。
●
エンコーダゼロマーク使用可能 (p0494 = 0 または p0495 = 0) *)、原点セット機械リ
ミットなし (p2607 = 0):
バイネクタ入力 p2595 (原点セット開始) の信号が検出されると、直ちに基準ゼロマ
ークへの同期が開始されます。 ドライブは、バイネクタ入力 p2604 (原点セットポ
412
ドライブ機能
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ファンクションモジュール
7.8 簡易位置決め
イントアプローチ開始方向) 信号で指定される方向に、p2608 (ゼロマークアプロー
チ速度) 信号で指定される速度で加速します。
ドライブは先ずゼロマークに同期し、その後原点セットポイントに向けてトラバー
スを開始します (ステップ 3 を参照)。
注記
この場合、基準ゼロマークへの接近方向は原点セット機械リミットの軸と反対にな
ります!
●
外部ゼロマーク使用可能 (p0494 ≠ 0 または p0495 ≠ 0) *)、原点セット機械リミット
なし (p2607 = 0):
バイネクタ入力 p2595 (原点セット開始) の信号が検出されると、直ちに外部ゼロマ
ークへの同期が開始されます。 ドライブは、バイネクタ入力 p2604 (原点セットポ
イントアプローチ開始方向) 信号で指定される方向に、p2608 (ゼロマークアプロー
チ速度) 信号で指定される速度で加速します。 ドライブは先ず外部ゼロマーク
(p0494 または p0495) と同期します *)。 ドライブは同じ速度で移動を続け、原点セ
ットポイントへのトラバースが開始されます (ステップ 3 参照)。
注記
速度オーバーライドは、このプロセス中には操作できません。
等価ゼロマークを設定し、パラメータ p0494 または p0495 *) (等価ゼロマーク入力端
子) を使用して対応するデジタル入力を選択できます。 標準では、位置実績値の増
加時に 0/1 エッジが評価され、位置実績値減少時に 1/0 エッジが評価されます。 等
価ゼロマークの場合、パラメータ p0490 (測定プローブまたは等価ゼロマークの反
転) を使用して、これを反転させることができます。
ステップ 3: 原点セットポイントへのトラバース
ドライブの基準ゼロマークへの同期が成功すると、原点セットポイントへのトラバース
が開始されます (ステップ 2 を参照)。 基準ゼロマークが検出されると、ドライブは直
ちにパラメータ p2611 で設定される原点セットポイントアプローチ速度まで加速しま
す。 ドライブは原点セットポイントオフセット (p2600)、つまり、ゼロマークと原点セ
ットポイントの間の距離を通過します。
軸が原点セットポイントに到達すると、位置実績値および設定値は、コネクタ入力
p2598 (原点セットポイント組み合わせ) を使用して指定された値に設定されます (標準
で、コネクタ入力 p2598 が設定パラメータ p2599 と接続されています)。 軸は原点復
帰し、ステータス信号 r2684.11 (原点セットポイントの設定) が設定されます。
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
413
ファンクションモジュール
7.8 簡易位置決め
注記
速度オーバーライドは、このプロセス中には操作できません。
制動距離が原点セットポイントオフセットよりも大きい場合や方向反転が選択された原
点セットポイントオフセットの結果として必要になる場合は、基準ゼロマークの検出
後、ドライブは先ず停止状態まで制動され、それから戻ります。
フライング原点セット
実績値取得での誤差は、フライング原点セットで補正されます。 これにより、負荷側
の位置決め精度が向上します。
バイネクタ入力 p2597 に「1」信号を入力して選択する「フライング原点セット」モー
ド (ポスト原点セット、位置決め監視としても知られます) は、あらゆるモード (ジョグ、
トラバースブロック、位置決め/設定のための直接設定値入力) で使用することができ、
現在有効なモードに重ね合わせることができます。 フライング原点セットは、インク
リメンタルおよび絶対値測定システムの両方で選択することができます。
インクリメンタル位置決め (相対) 中の「フライング原点セット」で、トラバース経路
のオフセット値を考慮するかどうかを選択することができます (p2603)。
「フライング原点セット」は、バイネクタ入力 p2595 (原点セット開始) での 0/1 エッ
ジで有効にします。 バイネクタ入力 p2595 (原点セット開始) 信号は、原点セットプロ
セスの間に設定されなければなりません。そうではない場合、このプロセスは中断され
ます。
ステータスビット r2684.1 (パッシブ/フライング原点セット有効) は、バイネクタ入力
p2509 (測定プローブ評価を有効化) とリンクされます。 これにより、測定プローブ評
価が有効化されます。 バイネクタ入力 p2510 (測定プローブ選択) および p2511 (測定
プローブエッジ評価) を使用して、測定プローブ (1 または 2) および測定エッジ (0/1 ま
たは 1/0) を設定することができます。
測定プローブパルスは、コネクタ入力 p2660 (原点復帰測定値) にパラメータ r2523 に
よる測定を提供するために使用されます。 測定の有効性は、r2526.2 を介して、バイネ
クタ入力 p2661 (測定有効フィードバック) に通知されます。
注記
以下を必ず「フライング原点セットモード」ウィンドウに適用しなければなりません:
p2602 (外部ウィンドウ) > p2601 (内部ウィンドウ)。
「原点セットモード」機能の詳細は、ファンクションダイアグラム 3614 を参照してく
ださい。
414
ドライブ機能
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ファンクションモジュール
7.8 簡易位置決め
引き続き、以下が発生します:
●
ドライブがまだ原点復帰していない場合、ステータスビット r2684.11 (原点セット
ポイントの設定) が「1」に設定されます。
●
ドライブが既に原点復帰している場合、フライング原点セット開始時にステータス
ビット r2684.11 (原点セットポイントの設定) はリセットされません。
●
ドライブが既に原点復帰しており、位置差が内部ウィンドウ (p2601) よりも小さい
場合、古い位置実績値が保持されます。
●
ドライブが既に原点復帰しており、位置差が外部ウィンドウよりも大きい場合
(p2602)、アラーム A07489 (ウィンドウ 2 外部の原点セットポイントオフセット) が
出力され、ステータスビット r2684.3 (ウィンドウ 2 外部の圧力マーク) が設定され
ます。 位置実績値へのオフセットは行われません。
●
ドライブが既に原点復帰しており、位置差が内部ウィンドウ (p2601) より大きいが、
外部ウィンドウ (p2602) よりも小さい場合は、位置実績値が補正されます。
注記
オンザフライ原点セットは、有効な運転モードに重ね合わされるため、有効なモー
ドではありません。
原点セット検索と対照的に、フライング原点セットは、マシンプロセスで重ね合わ
せて実行できます。
フライング原点セットの場合、標準で測定プローブ評価が使用されます; イネーブル
されると、測定プローブおよび (p2510) エッジ評価 (p2511) が選択されます (出荷時
設定では、測定プローブ 1 は常に測定プローブであり、出荷時設定の端面検出方法
は常に 0/1 エッジです)。
データセット切り替えの指示
ドライブデータセット切り替え (DDS) を使用して、モータデータセット (MDS、
p0186) およびエンコーダデータセット (EDS、p0187 ~ p0189) を切り替えることがで
きます。 以下の表は、基準ビット (r2684.11) または絶対値エンコーダ (p2507) で調整
されたステータスがリセットされることを示すものです。
以下の場合、DDS 切り替えが行われると、現在の位置実績値が無効になり (p2521 = 0)、
原点セットポイント (r2684.11 = 0) がリセットされます。
●
位置制御に有効な EDS が変わります。
●
エンコーダ割り付けが変わります (p2502)。
●
機械的関係が変わります (p2503 ... p2506)。
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
415
ファンクションモジュール
7.8 簡易位置決め
機械的関係が変化した (p2503 ~ p2506) けれども、同じ絶対値エンコーダが位置制御
のために選択される場合は、調整されたステータス (p2507) もリセットされます。
動作モードでは、故障 (F07494) も出力されます。
以下の表には、いくつかのデータセット切り替え例が含まれています。 初期データセ
ットは常に DDS0 です。
表 7- 6
負荷ギア位置トラッキングなし DDS 切り替え
DD
p0186 p0187
p0188
p0189
位置制
機械的
負荷ギア
S
(MDS (encoder_ (encoder_ (encoder_ 御用
エンコ
)
1)
2)
3)
条件 4)
位置トラ
p2504/
ッキング
ーダ
p2505/
p2502
p2506
切り替え応答
または
p2503
0
0
EDS0
EDS1
EDS2
encoder xxx
無効
---
無効
パルスブロックまたは
_1
1
0
EDS0
EDS1
EDS2
encoder xxx
_1
運転中の切り替えは無
効です。
2
0
EDS0
EDS1
EDS2
encoder yyy
無効
_1
パルスブロック: 位置
実績値条件が新たに初
期化され 1)、原点セッ
トビットが 2) リセット
されます。
運転:
故障が出力されます。
位置実績値条件が新た
に初期化され 1)、原点
セットビットが 2) リセ
ットされます。
3
0
EDS0
EDS1
EDS2
encoder xxx
無効
_2
4
0
EDS0
EDS3
EDS2
416
実績値条件が新たに初
encoder xxx
_2
パルスブロック: 位置
無効
期化され 1)、原点セッ
トビットが 3) リセット
されます
ドライブ機能
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ファンクションモジュール
7.8 簡易位置決め
5
1
EDS4
EDS1
EDS2
encoder xxx
無効
_1
6
2
EDS5
EDS6
EDS7
encoder zzz
無効
_1
7
3
EDS0
EDS1
EDS2
encoder xxx
無効
_1
パルスブロックまたは
動作中の単独の MDS
切り替えは無効です
1)
「は新たに初期化されます」とは: 絶対値エンコーダの場合、絶対値が再び読み出され、インクリメンタル
エンコーダでは POWER ON 直後のように再起動が実行されます。
2)
インクリメンタルエンコーダの場合、r2684.11 (「原点セットポイントの設定」) がリセットされ、絶対値
エンコーダの場合には追加で調整状態がリセットされます (p2507)。
3)
インクリメンタルエンコーダの場合 r2684.11 (「原点セットポイントの設定」) がリセットされ、絶対値エ
ンコーダの場合、調整状態 (p2507) が追加ではリセットされません。これはエンコーダデータセットがオ
リジナルのものと異なるためです。
4)
xxx、yyy、zzz: 異なる機械的条件
ファンクションダイアグラム (『SINAMICS S120/S150 リストマニュアル』を参照)
●
3612 原点セット
●
3614 フライング原点セット
主要パラメータ一覧 (『SINAMICS S120/S150 リストマニュアル』を参照)
●
p0494[0...n] 等価ゼロマーク入力端子*)
●
p0495 等価ゼロマーク入力端子*)
●
p2596 BI: EPOS 原点セットポイントの設定
●
p2597 BI: EPOS 原点セットタイプの選択
●
p2598 CI: EPOS 原点セットポイントの組み合わせ、信号ソース
●
p2599 CO: EPOS 原点セットポイント座標値
●
p2600 EPOS 原点セットポイントアプローチ、原点セットポイントオフセット
*) パラメータ
p0494 は、重要性の点ではパラメータ p0495 に一致します。 加えて、パ
ラメータ p0494 はエンコーダデータセットに依存します; 例えば、交換可能なマシンヘ
ッドのデータセット切り替えに使用できます。
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
417
ファンクションモジュール
7.8 簡易位置決め
7.8.5
一回転あたりの複数のゼロマークによる原点セット
ドライブは、減速ギアや測定ギアの使用時に、一回転あたり複数のゼロマークを検出し
ます。 この場合、追加の BERO 信号による正しいゼロマークを選択することができま
す。
減速ギアの例
PROFIdrive
ࠛࡦࠦ࡯࠳ࠗࡦ࠲࡯ࡈࠚ࡯ࠬ
CU
DQ
MoMo
DQ
BERO
SMC
ࠡࠕ
4:1
ࡕ࡯࠲
૏⟎
ࠬࡇࡦ࠼࡞
ࠛࡦࠦ࡯࠳
࠯ࡠࡑ࡯ࠢ
図 7-18
モータとスピンドル間にギアを含む構造
この図は、一回転あたり複数のゼロマークによる原点セットと、BERO 信号を使用した
正しいゼロマークの選択の適用例を示したものです。
モータと負荷 (スピンドル) の間に減速ギアを使用することにより、ドライブは負荷の
機械的な一回転の間にモータの複数回転を検出し、その結果複数のエンコーダゼロマー
クを検出します。
上位コントロール/位置制御では、原点セット時にエンコーダゼロマークとマシン軸 (負
荷/スピンドル) の間に一意の基準が必要です。 このために、BERO 信号を使用して
「正しい」ゼロマークを選択します。
418
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
ファンクションモジュール
7.8 簡易位置決め
測定ギアの例
PROFIdrive
ࠛࡦࠦ࡯࠳ࠗࡦ࠲࡯ࡈࠚ࡯ࠬ
DQ
CU
MoMo
DQ
BER O
SMC
࠯ࡠࡑ࡯ࠢ
ࡕ࡯࠲
ࠡࠕ
2:7
ࠛࡦࠦ࡯࠳
૏⟎
図 7-19
モータとエンコーダの間の測定ギア
図は、モータ/負荷とエンコーダ間に測定ギアを配置した、一回転あたり複数のゼロマ
ークによる原点セットの適用例を示したものです。
測定ギアの結果により、モータ/負荷の一回転で複数のエンコーダゼロマークが表示さ
れます。 ここでもまた、BERO 信号を使用して、複数のエンコーダゼロマークから原
点セットに適切なゼロマークを選択できます。
前提条件
●
BERO 信号が切り替わるときに、その位置に最も近いゼロマークの位置が決定され
ます。
●
BERO の取り付け時には、該当する機械的前提条件を満たさなければなりません。
●
好まれる機械的コンフィグレーション
BERO 信号は、この場合のように、ゼロマークの選択が回転方向検出に依存しない
ようにゼロマークをカバーします。
●
BERO の位置を正確に (エンコーダの基準位置との関連で) そしてより高速に決定で
きるようにするために、これは高速なコントロールユニット入力に接続されなけれ
ばなりません。
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
419
ファンクションモジュール
7.8 簡易位置決め
BERO 信号を評価
BERO 信号の正側または負側の信号エッジを評価するというオプションがあります:
●
正側のエッジ (出荷時設定)
BERO 信号の正側評価による原点セットでは、エンコーダインタフェースに基準マ
ークの位置が示され、これが BERO 信号の正側エッジ後に直接検出されます。
BERO が機械的に BERO 信号がエンコーダゼロマークの全域をカバーするような方
法で容量選定されている場合、必要なエンコーダゼロマークはどちらのトラバース
方向でも確実に検出されます。
●
負側のエッジ
BERO 信号の負側のエッジ評価による原点セットでは、BERO 信号の後の次の基準
マークで同期化が行われます。
複数のゼロマークによる原点セットをパラメータ設定するための手順は以下の通りで
す:
●
パラメータ p0493 を使用して、BERO が接続される高速なデジタル入力を定義しま
す。
●
パラメータ p0490 の該当するビットを 1 に設定します: 信号反転は、評価が BERO
信号の負側のエッジの使用を意味します。
原点セットは以下の通りに行います:
●
PROFIdrive エンコーダインターフェースを介して、コントロールユニットは、ゼロ
マーク検索要求を受け付けます。
●
パラメータ設定を使用して、コントロールユニットは BERO 信号に依存してゼロマ
ークを決定します。
●
コントロールユニット (恐らく補正された) ゼロマーク位置を PROFIdrive エンコー
ダインターフェースを介した基準マークとして提供します。
注記
高速で、または BERO 信号と次のゼロマーク間の距離が短すぎる場合は、計算時間の
問題により、必要な次のゼロマークが検出されず、その代わりにその次のゼロマークが
検出される場合があります。 この特定のケースでは、ゼロマーク距離が知られている
ため、決定された位置がこれに相当して補正されます。
測定ギアを使用する場合、ゼロマーク位置はモータ回転に依存します。 この場合、補
正も実行され、各モータ回転に対して逆計算が行われ、BERO 信号 ↔ ゼロマーク間の
最短距離を使用してゼロマークの位置に戻されます。
420
ドライブ機能
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ファンクションモジュール
7.8 簡易位置決め
主要パラメータ一覧 (『SINAMICS S120/S150 リストマニュアル』を参照)
7.8.6
●
p0488 プローブ 1 入力端子
●
p0489 プローブ 2 入力端子
●
p0493 ゼロマーク選択入力端子
●
p0495 外部ゼロマーク入力端子
●
p0580 プローブ入力端子
●
p0680 セントラルプローブ入力端子
●
p2517 LR ダイレクトプローブ 1
●
p2518 LR ダイレクトプローブ 2
EPOS 使用時の安全な原点セット
安全な原点セットでの簡易位置決め
一部のセーフティ機能 (例: SLP、SP) には安全な原点セットが必要です。 EPOS がド
ライブで有効な場合、EPOS での原点セット時に、絶対位置も自動的に Safety
Integrated 機能に伝送されます。
Safety Integrated 機能は、絶対値、例えば SLP、を要求するセーフティ機能がパラメー
タ設定されている場合、絶対位置のみを評価します。
以下は、多様なエンコーダ取り付けバージョンおよび軸タイプに依存した、負荷側位置
計算の例です。
例 1:
Safety Integrated 拡張機能は回転負荷を監視します。 EPOS および Safety Integrated
拡張機能はモータの同じロータリエンコーダを使用します。 回転負荷は、ギアを介し
てモータに結合されています。 スピンドルの速度/位置値が計算されます。
●
p2506 = 360000 => 360000LU (r2521) の位置は 360°(r9708) に相当します
●
p2506 = 10000 => 10000LU (r2521) の位置は 360°(r9708) に相当します
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
421
ファンクションモジュール
7.8 簡易位置決め
モータ
エンコー
ダ
図 7-20
スピンドル
ギアユニット
(326ርቫቖኘዙኲኣኀ䞷
⥭慱ኅዐነዙኝ
例 1: EPOS and safe referencing_rotating
使用されるギアボックス比は、p9521/p9522 (Safety Integrated 拡張機能用) および
p2504/p2505 (EPOS 用) でパラメータ設定されなければなりません。 モータ 2 回転を
負荷 1 回転に変換するギアボックスの場合、p9521 = 1、p9522 = 2、p2504 = 2 および
p2505 = 1 を設定します。
例 2:
Safety Integrated 拡張機能は、ロータリモータエンコーダを使用してリニア軸を監視し
ます。
EPOS はリニアスケールを使用して原点セットを行います。
●
p2503 = 100000 => 100000LU (r2521) の位置は 10 mm (r9708) に相当します
●
p2503 = 10000 => 10000LU (r2521) の位置は 10 mm (r9708) に相当します
モータ
ギアユニット
⃊ኪን
ኖ኱ዐኦወ ዇ከቿኖ኎ዙወ䞷ዊዙኜ዇ኅዐነዙኝ
(326䞷
エンコー
ダ
図 7-21
ኘዙኲኣኀ
例 2: EPOS and safe referencing_rotating
Safety Integrated 拡張機能はロータリモータエンコーダを使用します。 ギアボックス
は p9521/p9522 を使用してパラメータ設定されます。 スピンドルピッチは、p9520 で
パラメータ設定されます。 負荷側の絶対位置を計算するために、EPOS は直接負荷側
のリニアスケールを使用します。 この例では、EPOS はギアボックス比およびスピン
ドルピッチを考慮する必要はありません。
422
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
ファンクションモジュール
7.8 簡易位置決め
例 3:
Safety Integrated 拡張機能は、ロータリモータエンコーダを使用してリニア軸を監視し
ます。 同じロータリモータエンコーダを使用して EPOS が原点セットを行いました。
●
p2506 = 10000、p9520 = 5 mm/revolution (回転あたり 5 mm) => 10000LU (r2521)
の位置は 5 mm (r9708) に相当します
●
p2506 = 5000、p9520 = 5 mm/revolution (回転あたり 5 mm) => 10000LU (r2521) の
位置は 10 mm (r9708) に相当します
モータ
ギアユニット
⃊ኪን
ኖ኱ዐኦወ
エンコー
(326ርቫቖኘዙኲኣኀ䞷
ዊዙኜ዇ኅዐነዙኝ
図 7-22
例 3: EPOS and safe referencing_rotating
パラメータ p9520 でパラメータ設定されたスピンドルピッチを使用して、回転動作は
リニア動作に変換されます。 EPOS は、スピンドルピッチを考慮しません。 その代わ
りに、LU は p2506 の負荷回転数で定義されます。 負荷回転は、ボールネジの動作、つ
まり、ギアボックス後の動作を基準にしています。 使用されるギアボックス比は、
p9521/p9522 (Safety Integrated 拡張機能用) および p2504/p2505 (EPOS 用) でパラメ
ータ設定されなければなりません。 モータ 4 回転を負荷 3 回転に変換するギアボック
スの場合、以下を設定します:
●
p9521 = 3
●
p9522 = 4
●
p2504 = 4
●
p2505 = 3
Safety Integrated 拡張機能を使用したフライング原点セット
フライング原点セットは、しばしば、実績値検出での任意の誤差を補正するために、そ
して負荷側の位置精度を最適化するために使用されます。 Safety Integrated 拡張機能
はコントローラよりも低い精度要件が備わっています。 Safety Integrated 拡張機能で
は、サイクリック調整は必要でありません。
初回の有効化信号により原点セットが開始されます。 次回の切り替え信号で、「原点
セットされた」状態が既に存在することが検出された場合には、新しい原点セット位置
は Safety Integrated 機能に伝送されません。
ドライブ機能
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423
ファンクションモジュール
7.8 簡易位置決め
7.8.7
横送りブロック
説明
最大 64 の異なるトラバースタスクを保存することができます。 パラメータ p2615 (ト
ラバースタスクの最大数) を使用して、最大数を設定します。 トラバース指令を記述す
る全てのパラメータは、つまり、以下のようなブロック変更中に有効です:
●
バイネクタ入力 p2625 ~ p2630 (ブロック選択、ビット 0 ~ 5) を使用して、適切
なトラバースブロック数が選択され、バイネクタ入力 p2531 (トラバースタスクを
有効化) を使用して開始されます。
●
一連のトラバースタスクでブロック変更が行われます。
●
外部ブロックの変更 p2632 「外部ブロック変更」がトリガされます。
トラバースブロックは、固定構造のパラメータセットを使用してパラメータ設定されま
す。
●
トラバースブロック番号 (p2616[0...63])
それぞれのトラバースブロックに (STARTER 「番号」で) トラバースブロック番号
を割り付けてください。 トラバースブロックは、トラバースブロック番号順に実行
されます。 値「-1」を含む番号は無視されます。これは、例えば、後続のトラバー
スブロックのためのスペースを確保する目的に使用されます。
●
TASK (p2621[0...63])
1: POSITIONING
2: FIXED ENDSTOP
3: ENDLESS_POS
4: ENDLESS_NEG
5: WAIT
6: GOTO
7: SET_O
8: RESET_O
9: JERK
●
モーションパラメータ
– 目標位置またはトラバース距離 (p2617[0...63])
– 速度 (p2618[0...63])
– 加速オーバーライド (p2619[0...63])
– 減速オーバーライド (p2620[0...63])
424
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
ファンクションモジュール
7.8 簡易位置決め
●
タスクモード (p2623[0...63])
トラバースタスクの実行は、パラメータ p2623 (タスクモード) の影響を受ける場合
があります。 これは、STARTER でトラバースブロックをプログラムすることで自
動的に書き込まれます。
値 = 0000 cccc bbbb aaaa
– aaaa: 識別子
000x → ブロックを非表示/表示 (x = 0: 表示、x = 1: 非表示)
非表示のブロックは、バイネクタ入力 p2625 ~ p2630 を介してバイナリコード
で選択することができません。 選択しようとするとアラームが出力されます。
– bbbb: 継続条件
0000、END: p2631 の 0/1 エッジ
0001、CONTINUE_WITH_STOP:
ブロック処理を継続する前に、ブロック内でパラメータ設定された正確な位置に
アプローチします (停止状態まで制動し、位置決めウィンドウで監視)。
0010、"CONTINUE_ON-THE-FLY:
現在のブロックの制動位置に到達すると、次のトラバースブロック「オンザフラ
イ」に切り替わります (方向を変更する必要がある場合、ドライブが位置決めウ
ィンドウで停止するまで、これが起こりません)。
0011、CONTINUE_EXTERNAL:
0/1 エッジにより制動位置までインスタントブロック変更がトリガされることを
除けば、"CONTINUE_ON-THE-FLY" と同じです。 0/1 エッジは、p2632 = 1 の場
合、バイネクタ入力 p2633 でトリガできます。p2632 = 0 の場合、「位置制御」
機能モジュールのパラメータ r2526.2 に接続された測定プローブ入力 p2661 でト
リガすることができます。測定入力による位置検出を相対的位置決めの正確な開
始位置に使用することができます。 外部ブロック変更がトリガされない場合、ブ
ロック変更は制動位置でトリガされません。
0100、CONTINUE_EXTERNAL_WAIT
制御信号「外部ブロック変更」を使用して、トラバース中の任意の時間に次のタ
スクに瞬時切り替えをトリガできます。 「外部ブロック変更」がトリガされない
場合、軸は信号が出されるまでパラメータ設定された目標位置に留まります。 こ
こでの違いは、CONTINUE_EXTERNAL の場合、ドライブが目標位置で信号を待
機する間に「外部ブロック変更」がトリガされなければ、瞬時切り替えが制動位
置で実行されます。
0101、 CONTINUE_EXTERNAL_ALARM
ドライブが停止状態になる時点までに、アラーム A07463 「トラバースブロック
x の外部トラバースブロック変更は要求されていません」が出力されることを除
き、CONTINUE_EXTERNAL_WAIT と同じです。 このアラームは、制御信号が
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
425
ファンクションモジュール
7.8 簡易位置決め
発行されない場合にはブロック処理を中止できるように、停止応答を伴う故障に
変換される場合があります。
– cccc: 位置決めモード
POSITON タスク (p2621 = 1) により、トラバースタスクで指定される位置にア
プローチする方法が定義されます。
0000、ABSOLUTE:
p2617 で指定される位置にアプローチしています。
0001、RELATIVE:
p2617 で指定される値に沿って軸がトラバースします。
0010、ABS_POS:
モジュロオフセットの回転軸のみ。 p2617 で指定された位置は正側からアプロー
チします。
0011、ABS_NEG:
モジュロオフセットの回転軸のみ。 p2617 で指定された位置には負側からアプロ
ーチします。
●
タスクパラメータ (コマンドに依存する意味) (p2622[0...63])
中間ストップおよびトラバースタスク無効
中間ストップは、p2640 でのゼロ信号で有効になります。 有効になった後、システム
は、パラメータ設定された減速値 (p2620 または p2645) で制動します。
現在のトラバースタスクは p2641 のゼロ信号でキャンセルできます。 有効になった後、
システムは最大減速 (p2573) で制動します。
「中間ストップ」および「トラバースタスク無効」機能は、「トラバースブロック」モ
ードおよび「直接設定値入力/MDI」モードでのみ有効です。
POSITIONING
位置決めタスクによりモーションが開始されます。 以下のパラメータが処理されます:
426
●
p2616[x] ブロック番号
●
p2617[x] 位置
●
p2618[x] 速度
●
p2619[x] 加速オーバーライド
●
p2620[x] 加速オーバーライド
●
p2623[x] タスクモード
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
ファンクションモジュール
7.8 簡易位置決め
タスクは、目標位置に到達するまで実行されます。 タスクが有効で、ドライブが既に
目標位置にある場合にはブロック変更 (CONTINUE_ON-THE-FLY または
CONTINUE_EXTERNAL) が有効になり、同じ補間クロックサイクルでテキストタスク
が選択されます。 CONTINUE_WITH_STOP の場合、次の補間クロックサイクルで次の
ブロックが有効になります。 CONTINUE_EXTERNAL_ALARM では、即座にメッセー
ジが生成されます。
FIXED STOP
FIXED STOP タスクにより、トルクを低減させて固定端への移動がトリガされます。
以下のパラメータが関連します:
●
p2616[x] ブロック番号
●
p2617[x] 位置
●
p2618[x] 速度
●
p2619[x] 加速オーバーライド
●
p2620[x] 加速オーバーライド
●
p2623[x] タスクモード
●
p2622[x] ロータリモータでタスクパラメータクランプトルク [0.01 Nm] またはリニ
アモータで [0.01 N] のクランプフォース。
許容される継続条件は、END、CONTINUE_WITH_STOP、CONTINUE_EXTERNAL、
CONTINUE_EXTERNAL_WAIT です。
ENDLESS POS、ENDLESS NEG
これらのタスクを使用して、軸は指定される速度まで加速され、以下の条件を満たすま
で移動します:
●
ソフトウェアリミットスイッチに到達しました。
●
STOP 機械リミット信号を発行することができます。
●
トラバース範囲リミットに到達しました。
●
制御信号「中間ストップなし/中間ストップ」 (p2640) によりモーションが中断され
ます。
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
427
ファンクションモジュール
7.8 簡易位置決め
●
制御信号「トラバースタスク無効を実行しない/トラバースタスク無効」 (p2641) に
よりモーションが中断されます。
●
(適切な継続条件により) 外部ブロック変更がトリガされます。
以下のパラメータが関連します:
●
p2616[x] ブロック番号
●
p2618[x] 速度
●
p2619[x] 加速オーバーライド
●
p2623[x] タスクモード
全ての継続条件が可能です。
JERK
JERK タスクにより、ジャークリミットを有効 (コマンドパラメータ = 1) または無効
(タスクパラメータ = 0) にすることができます。 バイネクタ入力 p2575 「ジャークリ
ミット有効」での信号をゼロに設定されなければなりません。 「ジャークリミット」
p2574 でのパラメータ設定値がジャークリミットです。
JERK タスクに先行するタスクのパラメータ設定された継続条件にかかわらず、ここで
は正確な停止が実行されます。
以下のパラメータが関連します:
●
p2616[x] ブロック番号
●
p2622[x] タスクパラメータ = 0 または 1
全ての継続条件が可能です。
WAITING
WAIT 指令を使用して、待機時間を設定することができます。これは以下の指令が処理
されるまでに経過するようにしてください。
以下のパラメータが関連します:
428
●
p2616[x] ブロック番号
●
p2622[x] タスクパラメータ = ミリ秒 ≧ 0 ms 単位での遅延時間
●
p2623[x] タスクモード
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
ファンクションモジュール
7.8 簡易位置決め
遅延時間はミリ秒単位で入力します。但し、補間サイクルクロック p0115[5] の倍数に
丸み付けされます。 最小遅延時間は、1 補間クロックサイクルです。つまり、補間クロ
ックサイクルよりも短い遅延時間がパラメータ設定される場合、システムは 1 補間クロ
ックサイクルの間待機します。
例:
待機時間: 9 ms
補間クロックサイクル: 4 ms
有効待機時間: 12 ms
WAIT-job に先行するジョブのためにパラメータ設定された継続条件にかかわらず、正
確な停止は常に待機時間経過以前に実行されます。 WAIT タスクは、外部ブロック変更
により実行することができます。
許容される継続条件は、END、CONTINUE_WITH_STOP、CONTINUE_EXTERNAL、
CONTINUE_EXTERNAL_WAIT および CONTINUE_EXTERNAL_ALARM です。 待機時
間経過後に「外部ブロック変更」が発行されていない場合、故障メッセージがトリガさ
れます。
GOTO
GOTO タスクを使用して、トラバースタスクのシーケンス内でジャンプを実行するこ
とができます。 ジャンプ先のブロック番号をタスクパラメータとして指定してくださ
い。 継続条件は許容されません。 この番号が与えられたブロックがある場合、アラー
ム A07468 (トラバースブロック x にジャンプ先が存在しません) が出力され、ブロック
に一貫性がないことが示されます。
以下のパラメータが関連します:
●
p2616[x] ブロック番号
●
p2622[x] タスクパラメータ = 次のトラバースブロック番号
SET_O、RESET_O および GOTO の任意の 2 つの指令を補間サイクルで処理し、後続
の POSITION および WAIT 指令を起動することができます。
ドライブ機能
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429
ファンクションモジュール
7.8 簡易位置決め
SET_O、RESET_O
タスク SET_O および RESET_O で、2 つのバイナリ信号 (出力 1 または 2) を同時に設
定あるいは再設定することができます。 出力番号 (1 または 2) はタスクパラメータの
ビットコードで指定されます。
以下のパラメータが関連します:
●
p2616[x] ブロック番号
●
p2622[x] タスクパラメータ = ビットコード出力:
0x1: 出力 1
0x2: 出力 2
0x3: 出力 1 + 2
許容される継続条件は、END、CONTINUE_ON-THE-FLY、CONTINUE_WITH_STOP
および CONTINUE_EXTERNAL_WAIT です。
バイナリ信号 (r2683.10 (出力 1) (または r2683.11 (出力 2)) をデジタル出力に割り付け
ることができます。 STARTER の割り付けは、[configuration digital output] ボタンで行
われます。
SET_O、RESET_O および GOTO の任意の 2 つの指令を補間サイクルで処理し、後続
の POSITION および WAIT 指令を起動することができます。
ファンクションダイアグラム (『SINAMICS S120/S150 リストマニュアル』を参照)
●
3616 トラバースブロック動作モード
主要パラメータ一覧 (『SINAMICS S120/S150 リストマニュアル』を参照)
430
●
p2616 EPOS トラバースブロック、ブロック番号
●
p2617 EPOS トラバースブロック、位置
●
p2618 EPOS トラバースブロック、速度
●
p2619 EPOS トラバースブロック、加速オーバーライド
●
p2620 EPOS トラバースブロック、減速オーバーライド
●
p2621 EPOS トラバースブロック、タスク
●
p2622 EPOS トラバースブロック、タスクパラメータ
●
p2623 EPOS トラバースブロック、タスクモード
●
p2625 ~ p2630 BI: EPOS ブロック選択ビット 0 ~ 5
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
ファンクションモジュール
7.8 簡易位置決め
7.8.8
固定停止位置への移動
説明
「固定端への移動」機能を使用し、例えば、事前に定義されたトルクで製造部品に対し
て固定端へのスリーブをトラバースさせることができます。 このようにして、製造部
品を確実に固定できます。 クランプトルクは、トラバースタスク (p2622) でパラメー
タ設定できます。 固定端へのトラバースのための調整可能な監視ウィンドウにより、
固定端が脱落した場合、ドライブがウィンドウ範囲外まで移動することを防ぎます。
位置決めモードでは、トラバースブロックが FIXED STOP (固定端への移動) コマンド
で処理される時に、固定端への移動が開始されます。 このトラバースブロックでは、
ダイナミックにパラメータ設定された位置、速度、加速オーバーライドおよび遅延オー
バーライドの指定に加えて、要求されるクランプトルクをタスクパラメータ p2622 と
して指定することができます。 開始位置から、目標位置までパラメータ設定された速
度でアプローチします。 固定端 (製造部品) は、軸の開始位置と制動位置の間にある必
要があります; つまり、目標位置は製造部品の内部に配置されます。 プリセットされた
トルクリミット値は開始から有効です。つまり、固定端への移動もトルクを低減させな
がら行います。 プリセットされた加速オーバーライド、遅延オーバーライドおよび電
流速度オーバーライドも有効です。 位置コントローラのダイナミック追従誤差監視
(p2546) は、固定端への移動中には有効ではありません。 ドライブが固定端への移動す
る場合や固定端にある場合、「固定端への移動有効」ステータスビット r2683.14 が設
定されます。
固定端へ到達しました
軸が機械的な固定端に接触すると直ちに、ドライブの閉ループ制御がトルクを高め、軸
を動かします。 トルクはタスクで指定された値まで上昇し、その後一定になります。
バイネクタ入力 p2637 (固定端へ到達) に依存し、以下の場合、「固定端へ到達」ステ
ータスビット r2683.12 が設定されます。
●
以下の誤差がパラメータ p2634 (固定端: 最大追従誤差) (p2637 = r2526.4) で設定さ
れた値を超過する場合
●
バイネクタ入力 p2637 (固定端へ到達) での信号経由で外部ステータス設定 (p2637
≠ r2526.4 の場合)。
固定端への移動では、トラバースブロックでのクランプトルクまたはクランプフォース
はそのタスクパラメータによりコンフィグレーションされます。 これは、0.01 Nm ま
たは 1 N 単位で指定されます (ロータリ / リニアモータ)。 ファンクションモジュール
は、コネクタ出力 r2686[0] (トルク上側リミット) または r2686[1] (トルク下側リミット)
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
431
ファンクションモジュール
7.8 簡易位置決め
を介して基本システムのトルクリミットに接続されます。これらのコネクタ出力は、コ
ネクタ入力 p1528 (トルク上側リミットスケーリング) または p1529 (トルク下側リミッ
トスケーリング) に接続されます。 コネクタ出力 r2686[0] (トルク上側リミット) および
r2686[1] (トルク下側リミット) は、固定端が有効でない場合、100% に設定されます。
固定端が有効である間、r2686[0] (トルク上側リミット) または r2686[1] (トルク下側リ
ミット) は、指定されたクランプトルクまたはクランプフォースが制限される方法で、
p1522/p1523 のパーセンテージとして検出されます。
固定端のリセット時 (p2637)、バイネクタ入力 p2553 (固定端へ到達メッセージ) が設定
されている限り、「速度設定値合計」 (p2562) がフリーズされます。 適用される速度
設定値のために、速度制御では設定値トルクが保持されます。 コネクタ出力 r2687 (ト
ルク設定値) を介して、設定値トルクが診断のために出力されます。
パラメータ設定されたクランプトルクが固定端へ到達した場合、ステータスビット
r2683.13 「固定端クランプトルク到達」が設定されます。
「固定端へ到達」ステータスが検出されると、トラバースタスク「固定端への移動」が
完了します。 タスク定数設定に依存して、プログラムが次のブロックに進みます。 次
の位置決めタスクが処理されるか、システムがジョグモードに切り替えられるまで、ド
ライブは固定端に留まります。 そのため、クランプトルクが後続の待機タスク中にも
適用されます。 継続条件 CONTINUE_EXTERNAL_WAIT を使用することで、ステップ
イネーブル信号が外部的に適用されるまで、ドライブが固定端に留まることを指定する
ことができます。
ドライブが固定端に留まる限り、位置設定値は位置実績値に適合されます (位置設定値
= 位置実績値)。 固定端監視およびコントローライネーブルは有効です。
注記
ドライブが固定端にある場合、制御信号「原点セットポイントの設定」を使用して原点
セットさせることができます。
軸が固定端 p2635 で選択された監視ウィンドウを超えて固定端の検出時の位置を離れ
る場合、ステータスビット r2683.12 がリセットされます。 同時に、速度設定値が 0 に
設定され、故障 F07484 「監視ウィンドウを超えた固定端」が応答 OFF3 (急停止) でト
リガされます。 監視ウィンドウは、パラメータ p2635 (「固定端監視ウィンドウ」) を使
用して設定することができます。 これは、正方向と負方向へのトラバースの両方に適
用され、軸が固定端から離れる場合にのみ、これがトリガされるように選択しなければ
なりません。
432
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
ファンクションモジュール
7.8 簡易位置決め
固定端へ到達していません
「固定端へ到達」ステータスが検出されずにブレーキ作動点に到達する場合、故障
F07485 「固定端へ未達」が故障応答 OFF1 と共に出力されます。トルクリミットがキ
ャンセルされ、ドライブはトラバースブロックをキャンセルします。
注記
• この故障をアラームに変更できます (以下の章を参照: 『試運転マニュアル IH1』 の
「メッセージコンフィグレーション」)。つまり、ドライブプログラムが次に指定さ
れたブロックに進むということです。
• 目標位置は製造部品の確実に内側に存在しなければなりません。
「固定端への移動」の中断
バイネクタ入力 p2640 の「中間ストップ」信号を使用して、「固定端への移動」トラ
バースタスクを中断/継続することができます。 このブロックは、バイネクタ入力信号
p2641 「トラバースタスク無効」またはコントローライネーブルを取り消すことでキャ
ンセルされます。 これら全ての場合で、ドライブはそれに応じて制動されます。 軸が
ほぼ固定端へ到達している (設定値が固定端を既に超えているが、固定端検出用スレッ
シホールド内にある) 時に、ブロックがキャンセルされる場合には、あらゆる破損リス
クを防止するための対策が講じられます。 この目的のために、停止後に位置実績値を
追従するように、位置設定値が生成されます。 固定端へ到達すると、直ちにドライブ
はキャンセル後でさえ固定端に留まります。 ジョグを使用するか、新たなトラバース
タスクを選択することで、ドライブは固定端から移動することができます。
注記
固定端監視ウィンドウ (p2635) は、ドライブが固定端にあり、固定端への移動が終了す
るまで有効のままである場合にのみ有効です。
垂直軸
注記
サーボモードでは、垂直軸に対してトルクリミットオフセット (p1532) を入力すること
ができます (以下の章を参照: 「サーボ制御」 -> 「垂直軸」)。
トルクリミット p1522 と p1523 が非対称である場合、パラメータ r2686 および r2687
の固定端への移動では正味重量が考慮されます。
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
433
ファンクションモジュール
7.8 簡易位置決め
例えば、吊り荷重で p1522 に +1000 Nm を、p1523 に -200 Nm を設定する場合、正味
重量 400 Nm (p1522 ~ p1523) が想定されます。ここでクランプトルクを 400 Nm と
して設定すると、固定端への移動が有効な場合、r2686[0] を 80% に、r2686[1] を 0 %
にプリセットされます。
ファンクションダイアグラム (『SINAMICS S120/S150 リストマニュアル』を参照)
●
3616 トラバースブロックモード (r0108.4 = 1)
●
3617 固定端への移動 (r0108.4 = 1)
●
4025 ダイナミック追従誤差監視、カムコントローラ (r0108.3 = 1)
主要パラメータ一覧 (『SINAMICS S120/S150 リストマニュアル』を参照)
7.8.9
●
p1528 CI: トルクリミット、上側/力行運転、スケーリング
●
p1529 CI: トルクリミット、下側/回生運転、スケーリング
●
p1545 BI: 固定端への移動を有効化
●
r2526 CO/BO: LR ステータスワード
●
p2622 EPOS トラバースブロック、タスクパラメータ
●
p2634 EPOS 固定端最大許容追従誤差
●
p2635 EPOS 固定端監視ウィンドウ
●
p2637 BI: EPOS 固定端へ到達
●
p2638 BI: EPOS 監視ウィンドウを超えた固定端
●
r2683 CO/BO: EPOS ステータスワード 1
●
r2686 CO: EPOS トルクリミット有効
●
r2686 CO: EPOS 推力リミット有効 (リニアモータの場合)
直接設定値入力(MDI)
特徴
434
●
直接設定値入力の選択 (p2647)
●
位置決めタイプの選択 (p2648)
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
ファンクションモジュール
7.8 簡易位置決め
●
方向の選択 (p2651、p2652)
●
設定 (p2653)
●
固定設定値
– CO: 位置設定値 (p2690)
– CO: 速度設定値 (p2691)
– CO: 加速オーバーライド (p2692)
– CO: 減速オーバーライド (p2693)
●
コネクタ入力
– CI: MDI 位置設定値 (p2642)
– CI: MDI 速度設定値 (p2643)
– CI: MDI 加速オーバーライド (p2644)
– CI: MDI 減速オーバーライド (p2645)
– CI: 速度オーバーライド (p2646)
●
受け付け (p2649、p2650)
説明
直接設定値入力機能により、位置決め (絶対、相対) および直接設定値入力 (例: プロセ
スデータを使用して PLC を介して) によるセットアップ (エンドレス位置制御) が可能
です。
トラバース中、モーションパラメータも影響されます (オンザフライ設定値受け付け)。
オンザフライの変更はセットアップと位置決めモードの間で行われます。 軸が「セッ
トアップ」または「相対的位置決め」モードで原点セットポイントの設定が行われない
場合、「直接設定値入力」モード (MDI) も使用できます。つまり、「フライング原点セ
ット」 (別のセクションを参照)、フライング同期およびポスト原点セットが可能という
ことです。
直接入力値設定は、p2647 = 1 で有効になります。次の 2 つのモードが区別されます:
位置決めモード (p2653 = 0) およびセットアップモード (p2653 =1)。
「位置決め」モードでは、パラメータ (位置、速度、加速および減速) を使用して、絶
対 (p2648 = 1) または相対 (p2648 = 0) 位置決めをパラメータ p2690 (固定位置設定値)
で実行することができます。
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
435
ファンクションモジュール
7.8 簡易位置決め
設定モードでは、パラメータ (速度、加速、減速) を使用して、「エンドレス」閉ルー
プ位置制御動作を実行することができます。
2 つのモード間でフライング切り替えを行うことができます。
連続受け付け (p2649 = 1) が有効な場合、MDI パラメータへの変更が直ちに受け付けら
れます。 有効でない場合には、バイネクタ入力 p2650 (設定値受け受け付けエッジ) で
0/1 エッジがある場合のみ受け付けられます。
注記
連続受け付け p2649 = 1 は、フリーテレグラムコンフィグレーション p0922 = 999 で
のみ設定することができます。相対位置決めは、連続受け付けでは許可されません。
位置決め方向は、p2651 (正側方向指定) および p2652 (負側方向指定) で指定すること
ができます。 両方の入力に同じステータスがある場合、モジュロ軸 (p2577 = 「1」) の
絶対位置決め (p2648 = 「1」) 中に最短距離をトラバースします。
位置決め機能を使用するには、ドライブの動作モードを (r0002 = 0) にしてください。
以下のオプションは、位置決めの起動に使用できます:
●
p2649 が「1」で、p2647 が 0/1 エッジ
●
p2649 が「0」で、p2647 が「1」
– p2650 で 0/1 エッジ、または
– p2649 で 0/1 エッジ
設定値伝送/直接設定値入力の一覧がファンクションブロックダイアグラム 3620 に示さ
れます (『SINAMICS S120/S150 リストマニュアル』を参照)。
PROFIdrive テレグラム 110 を使用した MDI モード
コネクタ入力 p2654 がコネクタ入力 <> 0 でプリセットされている (例: r2059[11] を含
む PROFIdrive テレグラム 110 で) 場合、内部的に制御信号「位置決めタイプの選択」、
「正側方向選択」および「負側方向選択」を管理します。 以下の特性がコネクタ入力
値から処理されます:
436
●
xx0x = absolute (絶対) -> p2648
●
xx1x = relative (相対) -> p2648
●
xx2x = ABS_POS -> p2648、p2651
●
xx3x = ABS_NEG -> p2648、p2652
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
ファンクションモジュール
7.8 簡易位置決め
中間ストップおよびトラバースタスク無効
中間ストップは、p2640 でのゼロ信号で有効になります。 有効になった後、システム
は、パラメータ設定された減速値 (p2620 または p2645) で制動します。
現在のトラバースタスクは p2641 のゼロ信号でキャンセルできます。 有効になった後、
システムは最大減速 (p2573) で制動します。
「中間ストップ」および「トラバースタスク無効」機能は、「トラバースブロック」モ
ードおよび「直接設定値入力/MDI」モードでのみ有効です。
ファンクションダイアグラム (『SINAMICS S120/S150 リストマニュアル』を参照)
●
3618 EPOS - 直接設定値入力モード/MDI、ダイナミック値
●
3620 EPOS - 直接入力値設定モード/MDI
主要パラメータ一覧 (『SINAMICS S120/S150 リストマニュアル』を参照)
●
p2577 BI: EPOS モジュロオフセット有効
●
p2642 CI: EPOS 直接設定値入力/MDI、位置設定値
●
p2643 CI: EPOS 直接設定値入力/MDI、速度設定値
●
p2644 CI: EPOS 直接設定値入力/MDI、加速オーバーライド
●
p2645 CI: EPOS 直接設定値入力/MDI、遅延オーバーライド
●
p2648 BI: EPOS 直接設定値入力/MDI、位置決めのタイプ
●
p2649 BI: EPOS 直接設定値入力/MDI、受け付けタイプ
●
p2650 BI: EPOS 直接設定値入力/MDI、設定値受け付けエッジ
●
p2651 BI: EPOS 直接設定値入力/MDI、正側方向選択
●
p2652 BI: EPOS 直接設定値入力/MDI、負側方向選択
●
p2653 BI: EPOS 直接設定値入力/MDI、セットアップ選択
●
p2654 CI: EPOS 直接設定値入力/MDI、モード適用
●
p2690 CO: EPOS 位置、固定端
●
p2691 CO: EPOS 速度、固定端
●
p2692 CO: EPOS 加速オーバーライド、固定設定値
●
p2693 CO: EPOS 遅延オーバーライド、固定設定値
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
437
ファンクションモジュール
7.8 簡易位置決め
7.8.10
JOG
特徴
●
ジョグ信号 (p2589、p2590)
●
速度 (p2585、p2586)
●
インクリメンタル (p2587、p2588、p2591)
説明
パラメータ p2591 を使用して、ジョグインクリメンタルとジョグ速度との間の切り替
えができます。
ジョグ信号 p2589 と p2590 を使用して、トラバース距離 p2587 と p2588、速度 p2585
と p2586 を入力します。 トラバース距離は、p2591 (ジョグ、インクリメンタル) の信
号「1」でのみ有効です。 p2591 = 「0」の場合、軸は指定された速度でトラバース範
囲の開始点または完了点に移動します。
「ジョグ」機能の一覧がファンクションブロックダイアグラム 3610 に示されます
(『SINAMICS S120/S150 リストマニュアル』を参照)。
ファンクションダイアグラム (『SINAMICS S120/S150 リストマニュアル』を参照)
●
3610 EPOS - ジョグモード
主要パラメータ一覧 (『SINAMICS S120/S150 リストマニュアル』を参照)
438
●
p2585 EPOS ジョグ 1 速度設定値
●
p2586 EPOS ジョグ 2 速度設定値
●
p2587 EPOS ジョグ 1 トラバース距離
●
p2588 EPOS ジョグ 2 トラバース距離
●
p2589 BI: EPOS ジョグ 1 信号ソース
●
p2590 BI: EPOS ジョグ 2 信号ソース
●
p2591 BI: EPOS ジョグインクリメンタル
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
ファンクションモジュール
7.8 簡易位置決め
7.8.11
ステータス信号
位置決めモードに関連するステータス信号を以下で説明します。
トラッキングモード有効 (r2683.0)
「追従モード有効モード」ステータス信号は、バイネクタ入力 p2655 (追跡モード) ま
たは故障により追従モードが有効であることを示します。 このステータスでは、位置
設定値は位置実績値を追従します。つまり、位置設定値 = 位置実績値となります。
設定値固定 (r2683.2)
ステータス信号「設定値固定」は、速度設定値が 0 であることを示します。実際の速度
は誤差追従のために 0 ではない場合があります。 ステータスワードが 0 の間、トラバ
ースタスクが処理されています。
トラバースコマンド有効 (r2684.15)
ステータス信号「トラバースコマンド有効」は、トラバースコマンドが有効であること
を示します。 全てのモーション (ジョグ、セットアップなどを含む) を構成するために、
モーションコマンドを理解してください。 ステータス信号「設定値固定」とは反対に、
例えば、トラバースコマンドが速度オーバーライドや中間ストップにより停止した場合
でも、ステータス信号は有効のままです。
正側 SW リミットスイッチ + 到達 (r2683.7)
負側 SW リミットスイッチ - 到達 (r2683.6)
これらのステータス信号は、パラメータ設定された負側の p2578/p2580 または正側の
p2579/p2581 トラバース範囲リミットに到達または通過したことを示します。 両方の
ステータス信号が 0 ならば、ドライブはトラバース範囲内に存在します。
停止機械リミットローアクティブ (r2684.13)
停止機械リミットハイアクティブ (r2684.14)
これらのステータス信号は、停止機械リミット負側 p2569 または停止機械リミット正
側 p2570 に到達またはこれを通過したことを示します。 これらの信号は、アプローチ
方向ではない方向に機械リミットが残される時に、リセットされます。
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
439
ファンクションモジュール
7.8 簡易位置決め
軸前進 (r2683.4)
軸後進 (r2683.5)
軸加速 (r2684.4)
ドライブ減速 (r2684.5)
ドライブ停止 (ゼロ速度) (r2199.0)
これらの信号は、現在のモーションステータスを示します。 実際の絶対速度が p2161
以下の場合、ステータス信号「ドライブ停止」が設定され、それ以外の場合では「ドラ
イブ停止」が削除されます。 ジョグモード、原点セットポイントアプローチまたはト
ラバースタスクが有効である場合、信号が適切に設定されます。
機械リミット切り替え信号 1 (r2683.8)
機械リミット切り替え信号 2 (r2683.9)
これらの信号を使用して、電子カムの機能を実装することができます。 機械リミット
切り替え信号 1 は、位置実績値が p2547 より大きな場合は 0 で、それ以外は 1 です。
機械リミット切り替え信号 2 は、位置実績値が p2548 よりも大きな場合は 0 で、それ
以外は 1 です。つまり、ドライブが機械リミット切り替え位置の後にある場合、信号が
削除されるということです。 位置コントローラは、これらの信号を初期化します。
直接出力 1 (r2683.10)
直接出力 2 (r2683.11)
「直接入力 1」または「直接入力 2」とデジタル出力がパラメータ設定されている場合、
それをトラバースタスク (SET_O) またはリセット (RESET_O) で相当するコマンドに
より設定することができます。
許容追従誤差 (r2684.8)
モデルを用いて軸を閉ループ制御でトラバースさせる場合、許容追従誤差は即時速度お
よび選択された Kv 係数から決定されます。 パラメータ p2546 で、計算値から許容偏
差を定義するダイナミック追従誤差ウィンドウを定義します。 ステータス信号は、追
従誤差がウィンドウ内 (ステータス 1) にあるかどうかを示します。
440
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
ファンクションモジュール
7.8 簡易位置決め
目標位置に到達済 (r2684.10)
ステータス信号「目標位置へ到着」は、ドライブがトラバースコマンド終了時の目標位
置に到達したことを示します。 この信号は、ドライブの位置実績値が位置決めウィン
ドウ p2544 範囲内に入ると直ちに設定され、ウィンドウ範囲外に出るとリセットされ
ます。
以下の場合、ステータス信号は設定されません:
●
バイネクタ入力 p2554 「信号トラバースコマンド有効」で信号レベル 1
●
バイネクタ入力 p2551 「信号設定値固定」で信号レベル 0
以下の状態まで、ステータス信号は設定状態のままです:
●
バイネクタ入力 p2551 「信号設定値固定」で信号レベル 1
原点セットポイントの設定 (r2684.11)
この信号は、原点セットが正常に完了すると直ちに設定されます。 原点セットされて
いない場合または原点セットポイントアプローチの開始時には、これが削除されます。
確認、トラバースブロック有効 (r2684.12)
正のエッジを使用して、「トラバースブロック」モードで、新しいトラバースタスクま
たは設定値が転送されたことが通知されます (バイネクタ入力 p2631 トラバースタスク
有効と同じ信号レベル)。 「起動/位置決め用直接設定値入力 / MDI」モードで、正側の
エッジを使用して、新しいトラバースタスクまたは設定値が転送されたことが伝達され
ます (伝達タイプが信号エッジ (バイネクタ入力 p2649 「0」信号) を使用して選択され
ている場合、バイネクタ入力 p2650 「エッジ設定値伝達」と同じ信号レベル)。
速度リミット有効 (r2683.1)
速度オーバーライドを考慮し、実際の速度設定値が最大速度 p2571 を超える場合には、
これが制限され、制御信号が設定されます。
ドライブ機能
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441
ファンクションモジュール
7.9 アクティブ電源装置のマスタ/スレーブ
7.9
アクティブ電源装置のマスタ/スレーブ
7.9.1
動作原理
この機能により、冗長電源装置でドライブを作動することができます。 冗長は、ライ
ンモジュール、モータモジュールおよびコントロールユニットなどの以下に指定される
コンポーネントにのみ実装できます。 この機能は、以下のアプリケーションに適用す
ることができます:
●
非常モードで (例:積荷を降下できるように) 機能を継続できる巻き上げギア。
●
低減したライン速度で運転を継続するために、ラインドライブを必要とする製紙場
および製鉄場
●
1 台の電源装置が故障しても、通常の生産を継続しなければならない石油採掘リグ
(完全冗長)
●
容量が異なる電源装置を備えるプラントのための出力範囲の拡張
●
位相差および/または電圧差がある電源/変圧器から共通 DC リンクへの電源
この機能では、個別のコントロールユニットによって給電されるそれぞれの電源装置が
必要とされます。 PROFIBUS スレーブ/スレーブ 通信機能を使用して電流設定値を転
送するための (例: SIMATIC S7) 上位コントロールシステム、または、アナログ信号形
式で電流設定値を伝送する TM31 モジュールが必要となります。 電源装置が適切にコ
ンフィグレーションされている場合、電源装置が故障しても運転を継続することができ
ます。 マスタはコントローラによって選定され、電流制御により Vdc 電圧制御 (パラメ
ータ p3513 = 0) で動作されます。 スレーブはマスタから直接設定値を受け付け、電流
制限 (パラメータ p3513 = 1) 未満でのみ動作されます。
絶縁トランス付き電源からの電気的絶縁は、平衡電流の流れを防止するために必要です。
電源装置は DC ブレーカで DC リンクから接続解除できます。
7.9.2
基本構成
説明
DRIVE-CLiQ は、電源トレインを構成するために、アクティブラインモジュール (ALM)
をコントロールユニット (CU) と電圧検出モジュール (VSM) に接続するために使用でき
ます。 モータモジュールは、制御盤取り付け型のセンサモジュール (SMC) または外部
センサモジュール (SME) と組み合わせて、ドライブトレインを形成します。 コントロ
442
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
ファンクションモジュール
7.9 アクティブ電源装置のマスタ/スレーブ
ールユニットは、ドライブシステム全体を制御します。 これらのモジュールの 1 つが
故障しても、影響を受けるトレインだけが機能しないだけです。 この故障は、例えば、
読み取りパラメータ r0863.0 を介して故障メッセージとして上位コントローラに信号を
出力できます。 故障は、上位コントローラのユーザプログラムで処理されます。上位
コントローラは、他の電源装置に対応する信号を送ります。 上位コントローラが使用
されない場合、アクティブラインモジュールの DCC チャートで故障を評価できます。
他の全てのトレインは、完全に機能する状態のままです。つまり、それらは通常動作を
継続できるということです。
特徴
●
「マスタ/スレーブ」機能は、アクティブラインモジュールとの組み合わせでのみ機
能します。
●
1 台のアクティブラインモジュールがマスタで、最大 3 台がスレーブになります。
●
マスタの故障時、スレーブ ALM の 1 台がマスタの役割を担います。
●
たとえ電源トレインの 1 台が故障しても、冗長電源装置は通常の機能を継続するこ
とができます。
●
非同期パルスパターンで発生する循環電流を防止するために、電源側の電源トレイ
ン間で電気的絶縁を行う必要があります。
●
電源システム全体が共通 DC バスバー (DC リンク) に電力を供給します。
●
アクティブラインモジュールは DC リンクが切断されているかどうか、DC リンク
のヒューズが切れているかどうか検出することができないため、これらのステータ
スを監視するための追加回路を取り付けてなければなりません (DC ブレーカのチェ
ック機能とヒューズの信号接点)。
●
上位コントローラは、CU およびアクティブラインモジュールと
PROFIBUS/PROFINET またはアナログデータを介して通信します。 上位コントロ
ーラが使用されない場合、制御信号を (例: TM31 を介して) ハード配線されなけれ
ばなりません。
●
様々な出力を備える電源トレインを組み合わせることができます。
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
443
ファンクションモジュール
7.9 アクティブ電源装置のマスタ/スレーブ
トポロジー
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図 7-23
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冗長電源装置 (4 点の電源トレイン) でのマスタ/スレーブ用の PROFIBUS に基
づくトポロジー構造と通信ネットワーク
マスタ/スレーブ運転は、最大 4 台のアクティブラインモジュールで実装することがで
きます。
444
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
ファンクションモジュール
7.9 アクティブ電源装置のマスタ/スレーブ
電源装置の電気的絶縁
この構成を正常に実装するために、SINAMICS コンポーネントに加え、主電源から電源
装置を電気的に絶縁する対策が必要です。 これは、アクティブラインモジュールのパ
ルスパターンが同期されていない場合に循環電流の発生を防止するためです。
電気的絶縁のための 2 つのソリューションが可能です:
●
絶縁トランスを各スレーブ電源トレインに使用。 トランスの一次側は、接地/非接
地の主電源変圧器に接続されます。 二次側を接地してはいけません。
●
マスタおよびスレーブ電源装置用の 3 巻線変圧器の使用 この場合、接地により更な
る電気的結合を防止するために 1 つの巻線の中性点だけ接地することができます。
どちらの対策が選定されても、それぞれのアクティブラインモジュール (スレーブ 1 ~
3) に個別の変圧器が使用されなえkればならないことに注意しなければなりません。
DC ブレーカ
注記
電源装置の故障時、電源装置は電源側では電源コンタクタにより、DC リンク側では
DC ブレーカを使用して接続解除されます。 電源装置を充電された DC リンクに切り替
えてはいけません。 DC リンクは、別の電源トレインのスイッチを入れる前に、放電さ
せなければなりません。
DC ブレーカに予備充電回路が備わっている場合に限り、電源装置を充電された DC リ
ンクに接続することができます。
7.9.3
通信タイプ
マスタ/スレーブ運転を実装するには、CU が相互に通信可能でなけれななりません。
マスタは、有効電流設定値をスレーブに送ります。 Vdc 電圧制御 (DC リンク電圧) を最
適化するには、試運転中のデッドタイムが最小限に維持されなければなりません。
PROFIBUS スレーブ/スレーブ間通信
データは、DP マスタを介してではなく、直接 CU 間で交換されます。 PROFIBUS マ
スタ (上位コントローラ) は、「クロックジェネレータ」として機能させることが要求
されます (例: S7-CPU)。 設定可能な最小 PROFIBUS サイクルタイムは、PROFIBUS
マスタの仕様に依存する場合があります。
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
445
ファンクションモジュール
7.9 アクティブ電源装置のマスタ/スレーブ
PROFIBUS にはアイソクロナスモードが設定されなければなりません。 PROFIBUS サ
イクル時間は 2 ms を上回ってはいけません。そうしなければ、閉ループ制御が振動し
始める場合があります。
1 台の CU の故障時、他の電源装置が故障状態に切り替わらないようにするために、故
障メッセージ F01946 「Link to Publisher disconnected」 (パブリッシャへのリンク接続
解除) を無効にしなければなりません。
故障メッセージ F01946 をブロックするために、パラメータ p2101[0..19] の 1 つに番
号「1946」を入力し、p2101[x] に「0」を入力することができます。 つまり、1 台のス
レーブ間通信ノードが故障した場合でもドライブは電源遮断されないということです。
マスタ/スレーブ電源装置で、異なる出力の電源装置が使用される場合、特に共通の電
流コントローラサイクルが必要です。 PROFIBUS ノードやドライブ数が増加する場合、
これがバスサイクルや電流コントローラサンプリング時間に影響を及ぼす場合がありま
す。
アナログ設定値を使用した通信
増設 I/O モジュール 31 (TM31) 付き CU 間のアナログ設定値を、バス通信の代わりに使
用することもできます。 アナログ入力および/または出力のサンプリング時間の出荷時
設定は 4 ms です (TM31 入/出力サンプリング時間 p4099[1/2])。 サンプリング時間は、
基本サンプリング時間 (r0110) の整数倍でなければなりません。 「マスタ/スレーブ」
機能を実装するには、統合された電源装置の電流コントローラクロックサイクルの最小
公分母を選定してください。 アナログ入/出力のサンプリング時間は、電流コントロー
ラサイクル (例:250 μs) と同じにしてください。 この時、スレーブは 1 クロックサイ
クルに相当するデッドタイムを含む電流コントローラサイクルの 2 サイクルに一度、ア
ナログ設定値を使用することができます。
このタイプのメリットは、バスおよびマスタから独立させて、通信システムをコンフィ
グレーションできることです。
不利な点は、追加のハードウェア配線が必要で、CU 毎に 1 台の TM31 が必要となるこ
とです。この通信方法では EMC 関連の問題も発生しやすくなります。 このシステムの
ために必ずしも上位コントローラ (例: SIMATIC S7) を使用する必要はありません。 制
御機能は、それぞれの CU の DCC チャートを使用して実装することもできます。
446
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
ファンクションモジュール
7.9 アクティブ電源装置のマスタ/スレーブ
7.9.4
機能の説明
「マスタ/スレーブ」ファンクションモジュールは、上位コントローラではなく、CU お
よび電源装置のファームウェアに直接実装されます。 これは、r0108.19 = 1
(STARTER で選定された電源装置の「マスタ/スレーブ」オプション) で出力されます。
アクティブラインモジュール制御のマルチプレクサを介した Vdc 閉ループ制御帯域およ
び電流設定値は、ファンクションモジュールで実装されます。
全ての電源装置がマスタとしてもスレーブとしても完全に機能するように、パラメータ
設定は行わなれなければなりません。 電源装置は、運転中にマスタとスレーブの役割
を切り替えることができます。 切り替えは、パラメータ p3513 の設定に従って上位コ
ントローラで処理されます。 マスタは Vdc 制御 (p3513 = 0) と電流制御で動作するよう
に、スレーブは電流制御 (p3513 = 1) でのみ動作するようにコンフィグレーションされ
ます。 有効電流 Iactive (設定) の設定値は、コントロールユニット間の通信リンクを介し
てマスタからスレーブに伝送されます。
アクティブラインモジュールを外部の無効電流設定値を含む無効電力補正のために使用
する場合、この無効電流設定値をスレーブにも配線されなければなりません。 マスタ/
スレーブ設定値は、有効電流のみを指定します。
アクティブラインラインモジュールが無効である時、スイッチ「入」処理中に残存する
アクティブラインモジュールの最大 DC リンク静電容量 CZK を確認してください (予備
充電抵抗の過負荷の危険性)。
パラメータ p3422 (CDC リンクキャパシタ) は、運転中に変更可能です。 つまり、UDC link
コントローラ (p3560、比例ゲイン VDC link コントローラ) でマスタ/スレーブコンフィグ
レーションが変更されない場合には、閉ループ制御をこのパラメータで直接調整できる
ということです。 パラメータ p3422 が変化すると、パラメータ p3560 がファームウェ
アにより自動的に再計算されます。
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
447
ファンクションモジュール
7.9 アクティブ電源装置のマスタ/スレーブ
ALM1:
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p3513
= 1 ( スレーブ
)
ALM2:
p3513 = 1 ( スレーブ
)
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図 7-24
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マスタ/スレーブ運転、同一定格出力の 3 つの同一アクティブラインモジュール (ALM)、
PROFIBUS 通信システムのストラクトグラム
ファンクションダイアグラム
「マスタ/スレーブ電源装置」ファンクションモジュールの機能は、ファンクションダ
イアグラム 8940 および 8948 (『SINAMICS S120/S150 リストマニュアル』を参照) に
記載されています。
448
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
ファンクションモジュール
7.9 アクティブ電源装置のマスタ/スレーブ
ファンクションダイアグラムの説明
●
電流設定値の内部接続
パラメータ p3570 は、閉ループ電流制御の設定値を接続するために使用されます
(マスタからの電流実績値)。 「運転準備完了」状態で変更可能なパラメータ p3513
を使用して、上位コントローラからマスタ (Vdc 制御、パラメータ p3513 = 0) とス
レーブ (電流制御、パラメータ p3513 = 1) 間での切り替えが可能です。
●
電流設定値の選定
電流設定値は、4 点の入力 (X0 ... X3) (p3571.0 ... p3571.3) を含むマルチプレクサを
使用して、コントロールワード (XCS) (p3572) で設定が可能です。 つまり、古いマ
スタの故障時に、新しいマスタの電流設定値を選定できるということです。
●
電流分配係数の選択
非対称負荷の場合に DC リンク電圧コントローラの制御ダイナミックでの低減を防
止するために、電源装置の故障または有効化の直後に、この電流分配係数は更新さ
れなければなりません。
電流分配係数は、有効な電源装置とそれらの定格データから計算されます。 全ての
有効電源装置の電流分配係数の合計は、必ず 100 % に等しくなければなりません。
電流分配係数は、6 つの入力 (X0 ...X5) (p3576.0...5) を含むマルチプレクサを使用し
て、コントロールワード (XCS) (p3577) で選択できます。
選択肢として、新しい電流分配係数は、上位コントローラで計算し、サイクリック
PROFIBUS PZD テレグラムを介して送信し、コネクタ入力「電源装置: 追加の電流
分配係数」 (p3579) に直接接続できます。
別の選択肢は、非サイクリック PROFIBUS パラメータ p3516 書き込み命令を介し
て電流分配係数を更新することです。 但し、この場合デッドタイムが生じます。
マルチプレクサのない選択肢の場合、これを異なる機能のために使用できます。
●
Vdc 制御帯域
Vdc リミットは、DC リンク負荷が急激に変化する場合 (例: 負荷サージまたは非常
停止)、マスタ/スレーブ運転で違反される場合があります。 この目的のために、Vdc
制御帯域で DC リンク電圧が監視されます。 Vdc 制御帯域は、パラメータ
p3574.0/1 (上限/下限 Vdc 制御帯域) および p3574.2/3 (ヒステリシス上限/下限) でヒ
ステリシスを伴う特別電圧範囲を定義します。 DC リンク電圧がこの電圧範囲を離
れる場合、信号が生成されます。 この信号を評価することで、スレーブが閉ループ
電流から閉ループ電圧制御へ切り替えられます。 DC リンク電圧が規定の制御帯域
内に戻ると、スレーブが閉ループ電流制御に切り替えられます。 Vdc 制御は、恒常
的に「スタンドバイ」モードで動作するため、必要に応じて有効化できます。
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
449
ファンクションモジュール
7.9 アクティブ電源装置のマスタ/スレーブ
7.9.5
試運転
電源および DC リンク定数測定ルーチン
オプション「マスタ/スレーブ」運転が STARTER で有効にされないうちに、電源供給
および DC リンク定数測定運転 (このマニュアルの該当部分を参照) がそれぞれの電源
トレインの試運転中に実行されなければなりません。
電源装置の試運転のための試運転マニュアルの指示に従ってください。
各電源装置の定数測定が行われると、電流制御の適切なインダクタンスと電圧制御の
DC リンク静電容量が設定されます。
電源装置を DC リンクから絶縁するために DC ブレーカが取り付けられている場合、1
台が遮断された後に、再度 DC リンク静電容量を得る必要があるために、全ての有効な
電源装置に対して DC リンク定数測定を再度実行しなければなりません。 DC リンク静
電容量がこの方法で調整されない場合、静電容量の変化が Vdc 制御のダイナミック応答
に影響を及ぼします。
注記
DC リンク電圧の設定値の配列
マスタおよびスレーブの p3510 からの DC リンク電圧設定値 Vdc は、Vdc 許容帯域幅監
視が正しく機能することを保証するために、
同じ値に設定されなければなりません。
マスタ/スレーブ機能の有効化
「マスタ/スレーブ」機能は、該当する電源装置のための STARTER ウィザードの
[Master/slave] のチェックボックス/オプションで有効にします。 パラメータ r0108.19
は、CU またはアクティブラインモジュール (r0108.19 = 1) のアクティブファンクショ
ンモジュールをスキャンするために使用することができます。
その他の必要なパラメータは全て、該当する電源装置用の対応するエキスパートリスト
で設定します。
注記
マスタ/スレーブ運転でのアクティブラインモジュールのバスサイクル時間は、2 ms を
超過してはいけません。バスサイクル時間がこれよりも大きい場合、ダイナミック応答
(p3560) が大幅に低減されなければなりません。 つまり、負荷の急激の変動がもはや適
切に補正されないということです。
バスサイクル時間を大きくすると、DC リンク電圧の振動が生じる場合があります。ダ
イナミック応答 (p3560) を低減させることで、これに対処できる場合があります。 こ
のシステムで、バスサイクル時間 > 2 ms の場合には機能が保証できません。
450
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
ファンクションモジュール
7.9 アクティブ電源装置のマスタ/スレーブ
p3510 の Vdc 設定値は、スタンドバイコントローラが電源過電圧 (必要に応じて、97%
の応答スレッシホールドを大きくできますが、設定によりオーバーコントロールが生じ
る場合は、電流および電圧高調波が生じることになります) への応答を防止するために
十分大きく設定されなければなりません。
上記の対策が講じられていないために制御係数余裕コントローラがその後も応答する場
合は、いかなる場合も、許容帯域から外れないように、これを幅広く設定しなければな
りません。
マスタ/スレーブ切り替え
パワーモジュールが運転中に故障する場合、上位コントローラは各電源を電流制御 (ス
レーブ運転) から DC リンク電圧制御 (マスタ運転) およびその逆 (マスタ用パラメータ
設定: p3513= 0、スレーブ用: p3513 = 1) に切り替えることができます。
運転中の ALM 切り替え
運転可能なマスタ/スレーブグループでは、最初に ALM をスレーブとして切り替えなけ
ればなりません。
運転グループから ALM を電源遮断
このグループからの ALM 電源遮断は、スレーブ状態で OFF2 (パルスブロック) で実行
してください。 マスタが故障 (OFF2 応答、パルスブロック) する場合、スレーブの一
つをマスタとして直ちに切り替えなければなりません。
二つのマスタは、その電源グループで同時に運転してはいけません。
7.9.6
ファンクションダイアグラムおよびパラメータ
ファンクションダイアグラム (『SINAMICS S120/S150 リストマニュアル』を参照)
●
8940 コントローラ制御係数余裕/コントローラ DC リンク電圧
●
8948 マスタ/スレーブ (r0108.19 = 1)
主要パラメータ一覧 (『SINAMICS S120/S150 リストマニュアル』を参照)
●
p3513 BI: 電圧制御運転を無効化
●
p3516 電源装置 電流分配係数
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
451
ファンクションモジュール
7.10 並列のモータ接続
7.10
●
p3570 CI: マスタ/スレーブ有効電流設定値
●
p3571[0...3] CI: マスタ/スレーブ有効電流設定値 マルチプレクサ入力
●
p3572 CI: マスタ/スレーブ有効電流設定値マルチプレクサの選定
●
r3573 CO: マスタ/スレーブ有効電流設定値マルチプレクサ出力
●
p3574[0...3] マスタ/スレーブ DC リンク電圧監視
●
r3575.0...2 BO: マスタ/スレーブ DC リンク電圧監視ステータス
並列のモータ接続
サーボおよびベクトル制御モードでのドライブグループの容易な試運転のために、並列
接続のモータ数を STARTER またはパラメータリスト (p0306:
等価モータは、指定されたモータ数に依存し、内部的に計算されます。 モータデータ
定数測定操作により、等価モータのデータが決定されます。 並列接続されたモータは、
(第 1 のモータ上の) 1 台のエンコーダで運転できます。
注記
モータモジュールの並列接続に関する詳細は、「パワーユニットの並列接続」を参照し
てください。
特徴
●
最大 50 台の並列接続されたモータを 1 台のインバータで動作させることができま
す。
●
同期モータやリラクタンスモータを並列で接続することは許容されません。
●
オリジナルデータセット (p0300 ff.) は修正されません。 これは、単に並列接続され
たモータ数に従って構成される閉ループ制御へのデータセット伝送です。
●
静止状態でのモータ定数測定ルーチンも並列接続に対して有効です。
●
モータが距離制限なしで回転できる場合、回転測定機能も機能します。 均等ではな
い負荷や高度なギアバックラッシュが回転測定結果の精度に悪影響を及ぼす場合が
あります。
●
それぞれのモータにできる限り均等な電流を供給するために、並列接続されたモー
タのケーブル長を左右対称にしなければなりません。
452
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
ファンクションモジュール
7.10 並列のモータ接続
STARTER を介した試運転
パラメータ p0306 は、STARTER 試運転画面で割り付けられます。 後続のパラメータ
が設定されると、p0306 は電流リミット値 (p0640) および基準電流 (p2002) の計算に含
まれます。 パラメータ p0306 の数値範囲は 1 ~ 50 で、モータデータセット (MDS) に
依存します。
モータを並列に接続するためには、選択画面で該当するモータを選択し、[Parallel
motor connection] (モータの並列接続) オプションを選択します。 並列接続されるモー
タ数を入力フィールド [Number] (数) に入力します。 この表示および入力機能は、ベク
トル制御でのみ使用可能です。 サーボ制御の場合、モータの並列接続は、エキスパー
トリスト (パラメータ p0306) を使用してのみコンフィグレーションできます。
図 7-25
並列接続のモータ選択
内蔵 DRIVE-CLiQ インターフェース (SINAMICS 内蔵センサモジュール) 付きモータも
並列接続できます。 最初のモータはエンコーダを介して DRIVE-CLiQ に接続されます。
(追加されるモータは同一でなければなりません)。パラメータ p0306 と DRIVE-CLiQ
を介して取得されるエンコーダ情報を使用して、全ての必要なモータデータを決定する
ことができます。
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
453
ファンクションモジュール
7.10 並列のモータ接続
STARTER における並列接続の特性
●
銘板および等価回路図パラメータは、シングルドライブのものです。
●
並列データセットにはコード番号がありません。 全てのモータデータは、p0306 お
よびそれぞれのモータのコード番号から計算されます。 同一のインターロック機構
がシングルドライブと同様に適用されます。
●
[Motor data] 画面には、選択されたそれぞれのモータ用データのみが引き続き表示
されます。
並列接続に適用可能な制限
並列接続の基本統制原理は、該当するモータが機械的に負荷に相互結合されているとい
うことです。 モータをこの接続から分離する必要がある場合、モータ数を DDS/MDS
切り替えにより p0306 で低減しなければなりません。 結果として等価回路図が変化す
るため、場合によっては、これらのデータセットの個別の試運転が必要な場合がありま
す (例: 低減させたモータ数でのモータデータ定数測定)。 そうしなければ、パワーユニ
ットに不正なモータデータが適用されることになります。
エンコーダ付きモータがエンコーダで動作するシステムから接続解除される必要がある
場合、 EDS 切り替えと、例えば 2 台の SMC が使用されなければなりません。
ドライブが負荷で接続され、速度が動作点に依存したプルアウトスリップによる差がな
い場合は、並列接続のドライブ用エンコーダつきベクトル制御がシングルドライブと同
じ方法で機能します。
反例:
負荷でモータを接続するギア比が大きいので、ドライブトレインのバックラッシュと弾
性が高くなります。 負荷によりモータ 1 台が回転を始めるが、他のモータが停止状態
にある場合、エンコーダなしのドライブはストールします。
あるモータに欠陥がある場合、そのモータはモータサーキットブレーカにより過電流時
に遮断されることになります。 パワーユニットは (使用可能な場合) コントローラによ
り遮断されます。巻線間短絡の場合には故障ステータスになります。 この場合、その
モータを並列グループから接続解除されなければなりません。 パラメータ p0306 は、
DDS/MDS 切り替えにより変更されます。
主要パラメータ一覧 (『SINAMICS S120/S150 リストマニュアル』を参照)
454
●
p0300[0...n] モータタイプ
●
p0306[0...n] 並列接続のモータ数
●
p0307[0...n] モータ定格出力
●
p0640[0...n] 電流リミット
●
p2002 基準電流
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
ファンクションモジュール
7.11 パワーユニットの並列接続
7.11
パワーユニットの並列接続
出力範囲を拡張するために、SINAMICS S120 はラインモジュールおよび/またはモータ
モジュールのような同一のパワーユニットの並列接続をサポートしています。 パワー
ユニットを並列接続するための前提条件は以下の通りです:
●
同じタイプ
●
同じ定格タイプ
●
同じ定格電圧
●
同じファームウェアバージョン
●
シャーシまたは制御盤タイプ
●
モータモジュールはベクトル制御で運転されなければなりません
以下の理由により、ラインモジュールおよびモータモジュール を並列で接続すること
に意味があります:
●
他の方法で必要な出力を実現することが技術的または経済的に困難ではない場合、
インバータ出力を高めるため。
●
例えばパワーユニットの故障時に、非常運転 (恐らく低い定格でも) を維持するため
に、可用性を高めるため。
以下の条件では、並列運転はできません:
●
同一の並列接続内で異なる電源モジュールタイプを組み合わせる (例: ベーシックラ
インモジュールとスマートラインモジュール、またはベーシックラインモジュール
とアクティブラインモジュール)。
●
サーボ制御でのモータモジュール
●
ブックサイズおよびブロックサイズの電源モジュールおよびモータモジュール
特徴
並列接続の主な特徴は以下の通りです:
●
一台のモータで最大四台のモータモジュールの並列接続
– 分離巻線システム (p7003 = 1) のモータに複数のモータモジュールを並列接続
注記
分離巻線モータが推奨されます。
– 単巻線システムの一台のモータ上に複数のモータモジュールの並列接続 (p7003 =
0) が可能です。
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
455
ファンクションモジュール
7.11 パワーユニットの並列接続
注意
マニュアル『SINAMICS S120 シャーシのパワーユニット』の関連情報および指示を
十分考慮しなければなりません。
●
電源側で最大四台のパワーユニットの並列接続 (閉/開ループ)。
●
電源側およびモータ側で並列接続されたパワーユニットを制御および監視するコン
トロールユニットは、補助ドライブのような追加のドライブを制御することができ
ます(章を参照 並列接続に加えて追加のドライブ (ページ 468))。
●
冗長運転:
電源側およびモータ側で並列接続されたパワーユニットを作動し、監視する二台の
コントロールユニットは、追加のドライブを制御できません。
●
並列接続されたパワーユニットは、同一のコントロールユニットに接続されなけれ
ばなりません。
●
コントロールユニット CU320-2 では、最大で、電源側で一つの並列接続とモータ
側で一つの並列接続を同時に作動することができます。
●
並列接続されたパワーユニットの接続解除および電流供給の平滑化のために、電源
側およびモータ側コンポーネントが推奨されます。
●
特別なパラメータ設定が必要ないため、試運転が容易です。
●
p7000 ff で、それぞれのパワーユニットのパラメータ設定と診断 (トラブルシューテ
ィング) が可能です。
以下のモジュールは並列接続が可能です:
●
ベーシックラインモジュール (BLM)、6 パルスおよび 12 パルス (それぞれに該当す
る AC リアクトルを備える)
●
スマートラインモジュール (SLM)、6 パルスおよび 12 パルス (それぞれに該当する
AC リアクトルを備える)
●
アクティブラインモジュール (ALM)、6 パルスおよび 12 パルス (それぞれ関連する
アクティブインターフェースモジュールを備える)
●
456
モータモジュール (ベクトル制御モードで)
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
ファンクションモジュール
7.11 パワーユニットの並列接続
注記
ラインモジュールの組み合わせ運転の例外
『コンフィグレーションマニュアル』で定義される前提条件や情報が維持される場合、
スマートラインモジュールは、1 つまたは複数の CU を備えた注文番号の最後の桁が
「3」 (シャーシ) または「2」 (制御盤) の ベーシックラインモジュールと組み合わせて
運転できます。 詳細については、『SINAMICS - Low Voltage Configuration Manual (低
圧コンフィグレーションマニュアル)』を参照してください。
定格電流の僅かな低減は、パワーユニットの並列接続が考慮されなければなりません。
並列接続されたパワーユニットの定格電流の低減 (ディレーティング) は、以下の通り
です:
●
どちらのモジュールにも電流補正制御が備わっていない場合、SINAMICS S120 ベ
ーシックラインモジュールと SINAMICS S120 スマートラインモジュールの並列接
続では 7.5% です。
●
どちらのモジュールにも電流補正制御が備わっている場合、SINAMICS S120 アク
ティブラインモジュールと SINAMICS S120 モータモジュールの並列接続では
5.0% です。
7.11.1
並列接続のアプリケーション
以下の場合、パワーユニットを並列に接続できます (電源装置):
バージョン
条件
6 パルス回路
並列接続されたモジュールは、2 巻線トランスから給電されま
す。
12 パルス回路
並列接続されたモジュールは、二次巻線電源電圧が 30 °の位相角
の 3 巻線トランスを介して給電されます。
以下の図は、このセクションで説明されるパワーユニットの並列接続に含められるモジ
ュールバージョン一覧です。
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
457
ファンクションモジュール
7.11 パワーユニットの並列接続
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図 7-26
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パワーユニットの並列接続 - 概要
注記
パワーユニットの並列接続、特にコンフィグレーション方法の指示についての詳細は、
『SINAMICS コンフィグレーションマニュアル G130、G150、S120 シャーシ、S120
制御盤モジュール、S150』を参照してください。
電源装置コンセプト - 並列 (1 x CU) および冗長並列 (2 x CU)
一部のアプリケーションには DC システムのための冗長電源装置が必要です。 この要
件は、DC 電源システムに並列接続された複数の独立した電源装置を実装することで満
たされます。 ドライブの設計方法に依存しますが、1 台の電源装置が故障の場合は、
DC 電源システムは 50 % ~ 100 % で運転を維持することができます。 電源装置の並
列接続の冗長バージョンでは、それぞれの電源装置は個別のコントロールユニットによ
り制御されて、このように完全に独立しています。 非冗長バージョンでは、単一のコ
ントロールユニットが一般に全ての並列接続されたパワーユニットを制御します。実用
的観点から見れば、これらのパワーユニットは単一の高出力電源装置のように機能しま
す。
必要な回路タイプは、冗長要件が電源装置だけに適用されるのかどうか、電源側の変圧
器または電源システムにも適用されるのかどうかということに依存します。
(『SINAMICS コンフィグレーションマニュアル G130、G150、S120 シャーシ、S120
制御盤モジュール、S150』を参照してください。)
458
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
ファンクションモジュール
7.11 パワーユニットの並列接続
6 パルス電源
6 パルス電源装置で、同じ出力定格の 2 台の冗長電源装置は、2 巻線トランスを介して
主電源から給電されます。 両方の電源装置には全く同じ電源電圧が供給されるため、
電流供給は、通常の運転では無制御電源を使用する場合でも概ね左右対象になります。
ディレーティング係数を考慮し、電源装置は、このようにそれぞれが総電流の 50 % を
通電できるように設計されています。 但し、1 台の電源装置が故障すると、出力の
50% だけが使用可能な状態のままになります。 1 台の電源装置の故障時に 100 % の出
力が必要とされる場合、それぞれの電源装置は 100% の電流を供給するように容量選
定されなければなりません。
12 パルス電源
12 パルス電源装置で、同じ出力定格の 2 台の冗長電源装置は、3 巻線トランスを介し
て主電源から給電されます。 変圧器の設計に依存して、2 台の電源装置の電源側電圧に
は、約 0.5 % ~ 1 % の小さな許容差が含まれます。 非制御電源装置が使用され、電流
ディレーティング係数がそれに従って適用される必要がある場合、通常、運転で僅かに
左右非対称な電源供給が生じる場合があります。1 台の電源装置の故障時に 100 % の
出力が必要とされる場合、それぞれの電源装置は 100% の電流を供給するように容量
選定されなければなりません。
6 パルス電源、12 パルス電源
電源装置個別のコントロールユニットが使用される場合、予備充電が十分正確には同期
されない場合があります。1 台のインバータシステムではドライブシステムの総容量を
予備充電できなければなりません。 並列運転での DC リンク用予備充電容量は、DC リ
ンクの静電容量を単一のインバータシステムで完全に充電できるように容量選定されな
ければなりません。 そうでない場合、別の予備充電装置が設置されなければなりませ
ん。
並列接続をコンフィグレーション
パワーユニットの並列接続のコンフィグレーションについての詳細は、『SINAMICS Low Voltage Configuration Manual (低圧コンフィグレーションマニュアル)』を参照し
てください。
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
459
ファンクションモジュール
7.11 パワーユニットの並列接続
7.11.1.1
ベーシックラインモジュールの並列接続
ベーシックラインモジュールの特徴:
●
DC リンク電圧は、電源定格電圧の rms 値よりも係数 1.35 だけ大きくなります。
●
これらは、電源回生機能が必要でない場合に使用されます。
●
ドライブシステムに回生条件が生じる場合、ブレーキモジュールをブレーキモジュ
ールにより過剰なエネルギーを制動抵抗器で熱に変換するために使用しなければな
りません。
ベーシックラインモジュールは、以下の電圧および電力定格で使用可能です:
表 7- 7
ベーシックラインモジュール
電源電圧
定格出力
3 AC 380 ~ 480 V
200 ... 710 kW
3 AC 500 ~ 690 V
250 ... 1100 kW
ベーシックラインモジュールを並列接続する場合、以下の規則を遵守してください:
●
最大 4 台の同一ベーシックラインモジュールを並列接続することができます。
●
並列接続の実装には、共通のコントロールユニットが必ず使用されなければなりま
せん。
●
並列接続には、特殊なライン接続モジュールが使用可能です。
●
電源装置が複数ある場合、共通の電源からシステムに電力を供給しなければなりま
せん (異なる主電源ではモジュールを動作できません)。
●
並列接続されるモジュール数に関係なく、7.5 % の電流低減率 (ディレーティング
率) を考慮が考慮されなければなりません。
ベーシックラインモジュールには電流補正制御が備わっていないため、均衡のとれた電
流を供給するために 3 巻線変圧器、電力ケーブルおよび AC リアクトルが以下の要件を
満たさなければなりません。
●
3 巻線トランスは、左右対称で、推奨されるベクトルグループ Dy5d0 または
Dy11d0 でなければなりません。
460
●
3 巻線トランスの相対短絡電圧 uk ≧ 4%。
●
二次巻線の相対短絡電圧差 Δuk ≦ 5%。
●
二次巻線の無負荷電圧差 ΔU ≦ 0.5 %。
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
ファンクションモジュール
7.11 パワーユニットの並列接続
●
変圧器とベーシックラインモジュール間の左右対称の電力ケーブルの使用 (同じサ
イズかつ長さの同一タイプのケーブル)
●
ベーシックラインモジュールに適合する AC リアクトルの使用
二列構成のトランスが使用され、単一のベーシックラインモジュールがトランスの
各二次巻線に接続される場合は、AC リアクトルを省くことができます。
二列構成のトランスは、一般に、このアプリケーション用の 3 巻線変圧器の要件を満た
す唯一の方法です。 他のタイプの 3 巻線トランスを使用する際には AC リアクトルが
必ず取り付けなければなりません。 異なるベクトルグループを含む 2 台の個別のトラ
ンスのように、位相差 30°を確保するためのその他の対策は、許容できないほど大きな
許容差が含まれることになるため、講じることができません。
ベーシックラインモジュールの 6 パルスの並列接続
6 パルスの並列接続では、最大 4 台のベーシックラインモジュールが電源側の 1 台の共
通 2 巻線トランスにより給電され、1 台のコントロールユニットにより制御されます。
ベーシックラインモジュールの 12 パルスの並列接続
12 パルスのパラレル接続では、最大 4 台のベーシックラインモジュールが電源側の 1
台の 3 巻線トランスにより給電されます。 この場合、偶数のモジュール、つまり、2
または 4、が 2 つの二次巻線間で分割されなければなりません。 両方のサブシステム
のベーシックラインモジュールは、入力電圧に位相差 30°があっても、共通の 1 台のコ
ントロールユニットで制御されます。
各ケースで 2 台の BLM が 1 台のコントロールユニットで制御される冗長バージョンも
あります。
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
461
ファンクションモジュール
7.11 パワーユニットの並列接続
危険
ベーシックラインモジュールでの Vdc 制御
複数のモータモジュールが非電源回生電源装置 (例: ベーシックラインモジュール) か
ら給電される場合、Vdc_max コントローラは、接続された全てのドライブの最大の公
称慣性モーメントを有するモータモジュールに対してのみ、有効化することができま
す。
その他のモータモジュールに対しては、この機能が無効化されるか、モニタが設定さ
れなければなりません。
Vdc_max コントローラが複数のモータモジュールに対して有効である場合、好ましく
ないパラメータ設定により、コントローラが相互に悪影響を及ぼす場合があります。
ドライブが不安定にあり、それぞれのドライブが不意に加速する場合があります。
• Vdc_max コントロールの有効化:
– ベクトル制御: p1240 = 1 (出荷時設定)
– サーボ制御: p1240 = 1
– U/f 制御: p1280 = 1 (出荷時設定)
• Vdc_max コントロールの禁止:
– ベクトル制御: p1240 = 0
– サーボ制御: p1240 = 0 (出荷時設定)
– U/f 制御: p1280 = 0
• Vdc_max コントロール機能の有効化:
– ベクトル制御: p1240 = 4 または 6:
– サーボ制御: p1240 = 4 または 6:
– U/f 制御: p1280 = 4 または 6:
7.11.1.2
スマートラインモジュールの並列接続
スマートラインモジュールは、力行/回生機能を備える装置です。 ベーシックラインモ
ジュールと同様、スマートラインモジュールは接続されたモータモジュールにエネルギ
ーを供給しますが、ベーシックラインモジュールとは異なり、回生エネルギーを電源に
回生することができます。
DC リンク電圧は、係数 1.3 だけ電源定格電圧の rms 値よりも大きくなります。
スマートラインモジュールは、接地電源系統 (TN、TT) および非接地電源系統 (IT) への
接続に適しています。 以下の電圧および電力定格が使用可能です:
表 7- 8
462
スマートラインモジュール
電源電圧
定格出力
3 AC 380 ~ 480 V
250 ... 800 kW
3 AC 500 ~ 690 V
450 ... 1400 kW
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
ファンクションモジュール
7.11 パワーユニットの並列接続
スマートラインモジュールを並列に接続する場合、以下の規則を遵守してください:
●
最大 4 台の同一スマートラインモジュールを並列に接続することができます。
●
並列接続の実装には、共通のコントロールユニットが必ず使用されなければなりま
せん。
●
電流を均衡させる目的で、各スマートラインモジュール前段に 4% リアクトルが必
ず必要とされます。
●
並列接続には、特殊なライン接続モジュールが使用可能です。
●
電源装置が複数ある場合、共通の電源からシステムに電力を供給しなければなりま
せん (異なる主電源ではモジュールを動作できません)。
●
並列接続されたモジュールの台数に関係なく、ディレーティング係数 7.5 % が考慮
されなければなりません。
スマートラインモジュールの 6 パルス並列接続
6 パルスの並列接続では、最大 4 台のスマートラインモジュールが電源側の 1 台の共通
2 巻線トランスにより給電され、1 台のコントロールユニットにより同時に制御されま
す。
スマートラインモジュールには電流補正制御が備わっていないので、以下の対策を講じ
て、電流の均衡をとらなければなりません:
●
スマートラインモジュールに適した AC リアクトルの使用
●
トランスと並列接続されたスマートラインモジュール間の左右対称の電力ケーブル
配線の使用 (同じサイズと長さの同一タイプのケーブル)。
●
並列接続の各スマートラインモジュールの定格値からの電流低減率 (ディレーティ
ング率) は 7.5 % です。
スマートラインモジュールの 12 パルス並列接続
12 パルスのパラレル接続では、最大 4 台のスマートラインモジュールが電源側の 1 台
の 3 巻線トランスにより給電されます。 この場合、偶数のスマートラインモジュール、
つまり、2 または 4、が 2 つの二次巻線間で分割されなければなりません。 ベーシック
ラインモジュールと異なり、両方のサブシステムのスマートラインモジュールには入力
電圧で位相差 30°があるため、2 台のコントロールユニットで制御されなければなりま
せん。
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
463
ファンクションモジュール
7.11 パワーユニットの並列接続
7.11.1.3
アクティブラインモジュールの並列接続
アクティブラインモジュールは、力行エネルギーを供給し、回生エネルギーを電源に戻
すことができます。
最大で 4 台のアクティブラインモジュールの並列接続が共通の 2 巻線トランスにより
給電され、共通のコントロールユニットにより同時に制御されます。 このモジュール
は、二次電圧に位相差がある 3 巻線変圧器を介した電源に接続してはいけません。
アクティブラインモジュールは、電源電圧の変動にかかわらず、安定した DC 電圧を生
成します (電源電圧は許容範囲内になければなりません)。
DC リンク電圧は、電源定格電圧の rms 値よりも係数 1.5 だけ大きくなります。
アクティブラインモジュールは、電源システムからほぼ正弦波の電流を供給し、実質的
に電源高調波歪みを発生しません。
アクティブラインモジュールは、以下の電圧および出力定格で使用可能です:
表 7- 9
アクティブラインモジュール
電源電圧
定格出力
3 AC 380 ~ 480 V
132 ... 900 kW
3 AC 500 ~ 690 V
560 ... 1400 kW
アクティブラインモジュールを並列に接続する場合、以下の規則を遵守してください:
●
最大 4 台の同一のアクティブラインモジュールを並列接続できます。
●
アクティブラインモジュールは、ベクトル制御モードでのみ並列接続し、運転でき
ます。
●
並列接続の実装には、共通のコントロールユニットが必ず使用されなければなりま
せん。
●
モジュールの並列接続には、特殊なライン接続モジュールが使用可能です。
●
電源装置が複数ある場合、共通の電源からシステムに電力を供給しなければなりま
せん (異なる主電源ではモジュールを動作できません)。
●
並列接続されたモジュールの台数に関係なく、ディレーティング係数 5% が考慮さ
れなければなりません。
464
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
ファンクションモジュール
7.11 パワーユニットの並列接続
以下の対策は、アクティブラインモジュールの並列接続での平衡電流の保証に役立ちま
す:
●
アクティブインターフェースモジュールのクリーンパワーフィルタにリアクトルを
設置します。
●
変圧器と並列接続されたアクティブインターフェースモジュール/アクティブライン
モジュール間の左右対称の電力ケーブル配線の使用 (同じサイズと長さの同一タイ
プのケーブル)
●
並列接続の各アクティブインターフェースモジュール/アクティブラインモジュール
の定格値からの電流低減率 (ディレーティング率) は 5 % です。
複数のコントロールユニットを備えるアクティブラインモジュールの 6 パルス、冗長並列接続
別のコントロールユニットの制御下にある複数のアクティブラインモジュールの並列接
続に関する詳細は、「電源装置のマスタ/スレーブ機能」を参照してください。
アクティブラインモジュールの 12 パルス並列接続
12 パルス並列接続は、マスタ/スレーブモードで運転することができます (「電源装置
のマスタ/スレーブ機能」を参照)。
定格が異なるモジュールをこの接続に含めることができます (6 パルスマスタ/スレーブ
運転の場合と同様)。
7.11.1.4
モータモジュールの並列接続
並列で運転する最大 4 台のモータモジュールがベクトル制御の 1 台のモータに電源を
供給することができます。 モータに電気的に絶縁された巻線システムや共通の巻線シ
ステムを備えることができます。 巻線システムのタイプは以下の要件を定義します:
●
並列接続されたモータモジュールの出力部分での必要とされる接続解除対策
●
パルスパターンを生成するための考えられる変調システム
電源装置タイプと組み合わせて、この変調システムで実現可能な最大出力電圧または最
大モータ電圧が定義されます。
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
465
ファンクションモジュール
7.11 パワーユニットの並列接続
SINAMICS 並列接続での巻線システム
以下が許容されます:
1. それぞれのシステムが電気的に接続されていない電気的に絶縁されている巻線シス
テム (複巻線システム) を備えるモータ。
2. 外観的には単巻線システムを備えるように見える方法で、モータの全ての並列巻線
が接続されている共通巻線システム (単巻線システム) を備えるモータ
以下は許容されません:
1. 共通で内部的に中立で、電源側に分巻線システムを備えるモータ
2 巻線システムまたは単巻線システムを備えるモータの並列接続の可能なコンフィグレ
ーションを例解する 2 台の例を以下に示します。
2 巻線システム (p7003 = 1) の 1 台のモータに 2 台のモータモジュールを並列接続
並列接続のパワーユニットが一般的に使用される約 1 MW ~ 4 MW の出力範囲のモー
タには複数の並列巻線が備わっています。 これらの並列巻線がモータの端子箱に個別
に布線されている場合、モータの巻線に個別にアクセスできます。 この場合、それぞ
れのモータ巻線システムが正確に並列接続されたモータモジュールの 1 台から給電され
るように、並列のモータモジュール接続の容量選定を行うことができます。 以下の表
は、このタイプの配置示しています。
89:
&RQWURO8QLW
$&዇ቿኌ
እወ
'5,9(&/L4
/LQH0RGXOH
0RWRU0RGXOH
0RWRU0RGXOH
0
図 7-27
466
例 1: 並列接続
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
ファンクションモジュール
7.11 パワーユニットの並列接続
この巻線システムの電気的絶縁により、この配置により以下のメリットが提供されま
す:
●
並列接続されたモータモジュール間の任意の潜在的な循環電流を制限するために、
電源装置出力部で分離対策は必要とされません (最小ケーブル長およびモータリア
クトルなし)。
●
変調システムの両タイプ、つまり、空間ベクトル変調およびパルスエッジ変調は、
例えば、並列接続にベーシックラインモジュールまたはスマートラインモジュール
から電力が提供される場合で、電源装置に接続された 3 AC 電源電圧にほぼ等しく
なる場合には、その最大可能な出力電圧を使用することができます (97 %)。 並列接
続がアクティブラインモジュールから電力供給が行われる場合、3 相入力電圧より
も高い出力電圧が高められた DC リンク電圧のために取得することができます。
並列接続の場合、それぞれのモータモジュールの定格値を基準とする電流低減は 5 %
です。
単巻線システムのモータ 1 台上の 2 台のアクティブラインモジュールと 2 台のモータモジュールの
並列接続
多くの場合、例えば、以下のような場合、分巻線システムのモータは使用できません:
●
磁極数のため、分巻線システムの必要な数が実現できない
●
モータが他社製である
●
共通巻線システムを備えるモータが既に存在する
このような場合、並列接続されたモータモジュールの出力がモータの端子箱でモータケ
ーブルを介して内部接続されています。
アクティブインターフェースモジュールは電源接続部からスイッチング周波数高調波を
絶縁します。こうして電源システムの基本妨害抑制に影響を及ぼします。 これらのモ
ジュールは、アクティブラインモジュールの運転に必要不可欠です。 主電源状態が
(例:激しい電圧変動、電源電圧の短時間の中断) 理想的ではない場合、VSM 10 電圧検
出モジュールがアクティブラインモジュールの適切な運転に役立ちます。 VSM は、シ
ャーシタイプのアクティブラインモジュール用アクティブインターフェースに標準で搭
載されています。
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
467
ファンクションモジュール
7.11 パワーユニットの並列接続
7.11.2
試運転
試運転時、並列接続されたパワーユニットは、電源側またはモータ側の 1 台のパワーユ
ニットと同様に処理されます。
通知
ベクトル制御でのモータモジュールの並列接続
並列接続されたモータモジュールを含むベクトル制御のオフラインプロジェクトがあ
り、それをオンラインでコントロールユニットに伝送します。 コントロールユニット
にプロジェクトを保存するために、POWER ON を実行しなければなりません。 次回
のスイッチ「入」時に、「オンライントポロジーに一致しません」というエラーメッ
セージが表示されます。 この時、このプロジェクトをプログラミングデバイスにロー
ドします。 これで不一致が解決されます。
試運転、運転およびパラメータ設定オプションに関する制限についての詳細は、以下の
説明書を参照してください:
7.11.3
●
『SINAMICS S120 試運転マニュアル』
●
『SINAMICS S120/S150 リストマニュアル』のパラメータ r7002ff
並列接続に加えて追加のドライブ
例えば、造船におけるシャフト取り付けのジェネレータまたは潤滑ポンプドライブ、フ
ァンドライブなど、制御された補助ドライブがメインドライブに加えて必要とされるこ
とがしばしばあります。
並列接続されたパワーユニットを備えるドライブユニットの場合 (ラインモジュール、
モータモジュール)、追加のドライブが補助ドライブとして提供できます。 ドライブオ
ブジェクトは、共通の DC リンクから個別のモータモジュールを介して給電され、
CU320-2 から専用の DRIVE-CLiQ ソケットを介して制御されます。
補助ドライブでの切り替え条件
追加のドライブオブジェクトを補助ドライブとして並列接続に接続するための二次条
件:
●
同じタイプで同じ定格電力のパワーモジュールのみ同時に並列接続できます。
●
最大 4 台までのシャーシタイプのラインモジュールおよび最大 4 台までのモータモ
ジュールを共に並列接続できます。
●
468
全てのパワーモジュールは共通の DC リンクで運転します。
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
ファンクションモジュール
7.11 パワーユニットの並列接続
●
異なるサイクル時間のため、ラインモジュールとモータモジュールは個別の
DRIVE-CLiQ ソケットに接続されなければなりません。 1 つの DRIVE-CLiQ ソケッ
トでの混在運転は誤作動に至ります。
●
全てのモータモジュールの DO のパラメータ p9620 (STO/SBC/SS1 の信号ソース)
も同じ方法で接続しなければなりません。
●
追加のドライブオブジェクトの自動試運転はできません。
●
追加のドライブオブジェクトはオフラインで作成され、オンラインでドライブに伝
送されなければなりません。
●
その追加のドライブオブジェクトは別の DRIVE-CLiQ ソケットに接続しなければな
りません。
●
補助ドライブの最大出力は、追加ドライブを含む全てのモータモジュールの最大出
力が並列ラインモジュールの出力定格の合計を超えないように選定しなければなり
ません。
●
既存の補足条件とその結果生じる論理演算および監視機能は、新しい要件に合わせ
て調整されなければなりません。
該当するトポロジーでプロジェクトを作成
必要なトポロジーは、STARTER または SCOUT ツールを使用して作成できます:
●
このプロジェクトは常にオフラインで作成されます。
●
コントロールユニットは、大容量のラインモジュールまたはモータモジュールを構
成するために並列接続のパワーユニットを組み合わせます。
●
補助ドライブは、別の DRIVE-CLiQ ケーブルに割り付けられます。
●
作成されたトポロジーに従って、DRIVE-CLiQ 接続が実装されなければなりません。
必要とされるトポロジーの例
以下に STARTER で作成された例を示します。 3 x ベーシックラインモジュール、2 x
モータモジュールおよび 1 x 補助ドライブがコンフィグレーションされます。 トポロ
ジーツリーには 1 x 電源装置および 1 x ドライブの並列接続が明示されています。 追加
の補助ドライブも表示されています。 DRIVE-CLiQ 接続は、細い線で表示されていま
す。 3 台の並列ラインモジュールは 1 本の DRIVE-CLiQ ケーブルに接続され、2 台の
モータモジュールは次の DRIVE-CLiQ ケーブルに接続され、補助ドライブは 3 番目の
ケーブルに接続されています。
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
469
ファンクションモジュール
7.11 パワーユニットの並列接続
図 7-28
3 x ベーシックラインモジュール、2 x モータモジュールおよび 1 x 補助ドライブ
主要パラメータ一覧 (『SINAMICS S120/S150 リストマニュアル』を参照)
●
p0120 パワーモジュールデータセット (PDS) 数
●
p0121 パワーモジュールコンポーネント数
●
r0289CO: パワーユニット出力電流、最大
●
p0602 Par_circuit パワーユニット数
●
p1240[0...n] Vdc コントローラまたは Vdc 監視コンフィグレーション (サーボ/ベク
温度センサ
トル)
470
●
p1280[0...n] Vdc コントローラまたは Vdc 監視コンフィグレーション (U/f)
●
P6397 モータモジュール位相シフト第二システム
●
r7000 Par_circuit 有効なパワーユニット数
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
ファンクションモジュール
7.12 拡張停止および退避
7.12
●
p7001[0..n] Par_circuit パワーモジュールをイネーブル
●
r7002[0..n] Par_circuit ステータス パワーモジュール
●
p7003 Par_circuit 巻線システム
●
p7010 Par_circuit 非対称電流アラームスレッシホールド
●
p7011 Par_circuit 非対称 DC リンク電圧アラームスレッシホールド
●
...
●
r7250[0...4] Par_circuit パワーモジュール定格出力
●
r7251[0...4] Par_circuit パワーモジュール定格電流
●
r7252[0...4] Par_circuit パワーモジュール最大電流
●
..
●
r7320[0...n] Par_circuit VSM EMC 指令適合フィルタ容量 U 相
●
r7321[0...n] Par_circuit VSM EMC 指令適合フィルタ容量 V 相
●
r7322[0...n] Par_circuit VSM EMC 指令適合フィルタ容量 W 相
拡張停止および退避
概要
「拡張停止および退避」ファンクションモジュール (ESR) により、故障発生時には、
破損することなく、(半) 加工品とツールを分離することができます。 関連するドライ
ブ軸が定義され、制御された方法で退避および/または停止されます。 この機能の場合、
ドライブはサーボ制御モードで運転されなければなりません。
ドライブ内蔵の ESR 機能は本マニュアルで説明されています:
1. ドライブの拡張停止
2. ドライブの拡張退避
3. DC リンク電圧をバッファするための監視付き回生運転
ESR 機能は、トリガ信号で上位コントローラから、または、故障発生時にドライブ自
体で独立して開始されます (この機能はドライブに内蔵されています)。 ドライブ内蔵
の ESR 機能は各軸毎に機能します。
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
471
ファンクションモジュール
7.12 拡張停止および退避
●
軸固有ののトリガを使用して、ESR 機能は直接それぞれの軸で開始されます。
●
ESR 機能は、デバイス自体のローカルトリガを使用して、ESR が有効化されてい
るドライブラインのこれらの軸に対して同時に開始されます。
通知
Safety Integrated 機能の中の ESR 機能
「拡張停止および退避」を Safety Integrated 機能と同時に有効化する場合は、以下
の条件も満たされなければなりません。 詳細は、『SINAMICS S120
Safety Integrated ファンクションマニュアル』を参照してください。
例
工作機械の場合、複数のドライブ、例えば、(半) 加工品ドライブおよびツール用の様々
なフィードドライブが同時に運転可能です。 故障時に、ツールが (半) 加工品に挿入さ
れたままになることは許容されません。 これにより、どちらも使用できないようにな
る場合があります。 ツールおよび製造部品は、ドライブが停止状態になる前に、制御
された方法で相互に分離されなければなりません。
「拡張停止および退避」ファンクションモジュールにより、送りドライブの使用および
それに後続する停止によるドライブに内蔵された退避が可能になります。 つまり、例
えば、電源電圧の故障時には、ドライブが電源回生モードに切り替えられるということ
です。 こうして DC リンクにエネルギーを供給し、送りドライブがツールを (半) 加工
品から退避してから停止できるようにします。
7.12.1
拡張停止および退避の前提条件
以下は、これらの機能を使用するために必要とされます。
ハードウェア:
●
CU320-2、注文番号: 6SL3040-1MA00-0AA1 (DP) または 6SL3040-1MA01-0AA0
(PN)
●
制御回路用の 24 V 電源が確保されなければなりません。
●
パラメータをプログラミングするための PG/PC
ソフトウェア:
●
472
SINAMICS ファームウェア V4.4 以降
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
ファンクションモジュール
7.12 拡張停止および退避
7.12.2
ESR 機能の有効化およびイネーブル
PG/PC およびドライブは、PROFIBUS または PROFINET を介して相互に接続されま
す。
1. ESR 機能を選択するために、パラメータ p0888 を使用します:
– p0888 = 0: 機能なし
– p0888 = 1: 拡張停止 (ドライブに内蔵された機能)
– p0888 = 2: 拡張退避 (ドライブに内蔵された機能)
– p0888 = 3: 回生運転 (Vdc コントローラ)
2. ESR 応答をイネーブルするために、p0889 = 1 を使用します。
3. 「RAM から ROM へ」を使用して、設定をコントロールユニットに伝送します。
p0888 のパラメータ設定は、ESR 応答がまだイネーブルされていない限り、特別な状
況に依存して上位コントロールから変更できます。
ESR ステータス
実際の ESR ステータスはパラメータ r0887.0...13 で監視できます。
7.12.3
ESR 機能をトリガするための有効なソース
軸関連のトリガソース
この機能をトリガするための条件 :
●
ESR 機能は、ドライブの p0888、例えば停止または退避、でコンフィグレーション
されています。
●
ESR 機能はドライブの p0889 = 1 でイネーブルされています。
●
パルスイネーブルが設定されています。
以下の開始故障ソースに区別されます。
1. 内部ドライブ故障
– 応答 OFF1 または OFF3 を伴う故障
– 端子に配線された p0840 (On/OFF1) および p0849 (OFF3)
2. 内部トリガ信号
– ESR トリガ信号のソースは p0890 を使用して BICO 経由で設定されます。
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
473
ファンクションモジュール
7.12 拡張停止および退避
コントロールユニットの全てのドライブに対するトリガ
この機能をトリガするための条件 :
●
ESR 機能、例えば「停止または退避」はドライブでコンフィグレーションされてい
ます。
●
ESR 機能は、ドライブでイネーブルされています。
●
パルスイネーブルが設定されています。
以下の開始故障ソースは区別されます:
1. 通信エラー:
– コントロールユニットは、通信エラーを検出し、すべてのイネーブルされている
ドライブで自律応答をトリガします。
– 状態チェックバック信号はもはや使用できません。
– 上位コントローラは、「PLC によるマスタ制御」信号 (F07220) を解除します。
– フィールドバス (F01910 または F08501) を介したデータ伝送の中断。
2. 外部トリガ信号
– コントローラからの外部トリガ信号は、テレグラム 390、391 または 392 を介し
て ESR 機能をトリガします。
7.12.4
無効なソース
以下の DRIVE-CLiQ 通信エラーは ESR トリガを生成しません。
1. モータモジュールのパルス禁止はペンディングです
– ドライブは OFF2 を実行し、フリーラン停止します。
2. モータ測定システムとしてのエンコーダモジュールの故障
– システムはエンコーダなし運転に切り替えられ、パラメータ設定された停止応答
が開始されます。
3. 直接的なアプリケーション固有のモータ測定システムとしてのエンコーダモジュー
ルの故障
– アプリケーションは無効になり、パラメータ設定された停止応答が開始されます。
474
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
ファンクションモジュール
7.12 拡張停止および退避
7.12.5
ESR 応答
7.12.5.1
拡張停止
故障の場合に、ドライブを定義された方法で停止させることがこの目的です。 ドライ
ブが機能可能な限り、この停止方法が使用されます。 この機能はパラメータ設定され、
それぞれの軸ベースで作動します。 軸は連結されません。
「拡張停止」応答をコンフィグレーション
1. 停止応答は p0888 = 1 でコンフィグレーションされます。
2. p0892 を使用して、r1438 からの最後の設定値が制動開始前にフリーズされる時間
が設定されます。
3. OFF ランプは、p0891 で選択されます。
Q
ኜኁኽኖኣአኴ
S
዆ዐኴ指㔭
S
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岼⸩⊳቎抌㈢ሺቡሼ
2))
2))
㳮厌
እ዇኉
図 7-29
7.12.5.2
W
タイマ付き OFF ランプ
拡張退避
故障の場合に、退避位置にアプローチさせることがこの目的です。 ドライブが機能可
能な限り、この退避方法が使用されます。 この機能はパラメータ設定され、それぞれ
の軸ベースで作動します。 軸の補間連結は実現されません。
「拡張退避」応答をコンフィグレーション
1. 退避応答は p0888 = 2 でコンフィグレーションされます。
2. 退避速度は p0893 を使用して定義されます。
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
475
ファンクションモジュール
7.12 拡張停止および退避
3. 退避速度の適用時間は p0892 で指定されます。
4. OFF ランプは、p0891 で選択されます。
Q
抏挎抮ㄵ
S
዆ዐኴ指㔭
S
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ኜኁኽኖኣአኴ
S
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2))
2))
W
㳮厌
እ዇኉
図 7-30
抏挎ኮኖ
「拡張退避」を含む OFF ランプ
退避速度は急にアプローチされません。 OFF3 ランプを介してアプローチされます。
パラメータ p0893 は、ランプファンクションジェネレータに、ドライブ内蔵モーショ
ンの場合は OFF3 ランプによって作動される ESR 退避速度設定値を提供します。 セー
フティ設定値速度リミット p1051/p1052 および通常速度リミット r1084/r1087 が有効
です。
S ኦ዆ኁኳ኶ዙኖ
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S
S>&@
U
図 7-31
7.12.5.3
設定値チャンネルをランプファンクションジェネレータに接続
回生運転
この目的は、故障の場合に、DC リンクに接続されているすべてのドライブが ESR に
よりイネーブルされ、コンフィグレーションされた最終位置に到達するまで、DC リン
クをバッファすることです。 これを実現するために、例えば、スピンドルドライブな
どのドライブシリーズの適切なドライブが回生運転で制動されます。 DC リンク電圧は、
この時、Vdc_min コントローラにより監視されます。
476
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
ファンクションモジュール
7.12 拡張停止および退避
「回生運転」応答のコンフィグレーション
1. ドライブの回生運転は p0888 = 3 で設定されます。
2. Vdc コントローラはパラメータ設定しなければなりません。
3. 回生運転用の DC リンク電圧監視は p1240 = 2 で有効にされます。
4. DC リンクの、許容可能な下側電圧リミット Vdc_min は、p1248 で設定されます。
5. 電源装置は、DC リンク電圧が低下するような停電を検知し、そして、これがアラー
ム信号として伝達されます。
9
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㦘╈
図 7-32
7.12.6
W
DC リンク電圧設定値
ESR の制限
●
回生モードで複数軸を運転
DC リンクをバッファするために、速度制御される 1 軸のみを使用します。 パラメ
ータ設定された複数軸が存在する場合、故障が発生すると、それが相互に、そして
全体として一連のドライブシステムに好ましくない影響を及ぼす場合があります。
●
回生運転に適していないモータ
リニアモータ (1FN) およびトルクモータ (1FW) は、制動のための十分に高い DC リ
ンク電圧を必要とします。 これらのモータは、回生モードでの運転時に、DC リン
クをバッファするために適していません。
●
ESR および Safety Integrated
Safety Integrated 拡張機能が PROFIsafe を介して通信故障時に制御される場合、
Safety Integrated は、最大 800 ms の応答時間を一度だけ許容します (p9580/p9380)。
この時間が経過すると、Safety Integrated はパルスブロックを要求します。
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
477
ファンクションモジュール
7.12 拡張停止および退避
7.12.7
ESR のための PROFIdrive テレグラム
CU_STW1 のサイクルビットは、ESR 状態を監視するための PROFIdrive-DO テレグラ
ム 390、391、392、393、394 および 395 に存在します。
表 7- 10
CU_STW1
信号
意味
接続パラメータ
CU_STW1.2
ESR トリガ
p0890.9 = r2090.2
STW1 および MELDW 用のサイクルビットがテレグラムに存在します。
表 7- 11
信号
意味
接続パラメータ
STW1.9
1 = ESR 応答をイネーブル
p0889 = r2090.9
表 7- 12
信号
7.12.8
STW1
MELDW
意味
接続パラメータ
MELDW.2 1 = |n_act| < 速度スレッシホールド値 3 (p2161)
p2082[2] = r2199.0
MELDW.4 1 = Vdc_min コントローラ有効 (Vdc<p1248)
p2082[4] = r0056.15
MELDW.9 1 = ESR 応答開始済 / 回生運転有効
p2082[9] = r0887.12
ファンクションダイアグラムおよびパラメータ
ファンクションダイアグラム (『SINAMICS S120/S150 リストマニュアル』を参照)
●
2443 インターフェースモード SIMODRIVE 611 universal での STW1 の信号ターゲ
ット (p2038 = 1)
478
●
2456 MELDW の信号ソース
●
2495 CU_STW1 の信号ターゲット
●
3082 設定値チャンネル - 拡張停止および退避 (ESR、r0108.9 = 1)
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
ファンクションモジュール
7.13 慣性モーメント推定器
パラメータ (『SINAMICS S120/S150 リストマニュアル』を参照)
7.13
●
p0108[0..23] ドライブオブジェクト、ファンクションモジュール
●
r0108[9] ドライブオブジェクトファンクションモジュール - 拡張停止および退避
●
r0887 BO: ESR ステータスワード
●
p0888 ESR コンフィグレーション
●
p0889 BI: ESR 応答をイネーブル
●
p0890 BI: ESR トリガ
●
p0891 ESR OFF ランプ
●
p0892 ESR タイマ
●
p0893 ESR 速度
●
p1051 [0...n] CI: RFG での速度リミット、正側の回転方向
●
p1052 [0...n] CI: 速度リミット RFG、負側の方向
●
p1084 CO: 速度リミット
正側
有効
●
p1087 CO: 速度リミット
負側
有効
●
p1240[0...n] Vdc コントローラまたは Vdc 監視コンフィグレーション
●
p1248[0...n] DC リンク電圧スレッシホールド、下側
●
p1438 CO: 速度コントローラ、速度設定値
●
p9380 SI モーション、パルスブロック遅延バス故障 (モータモジュール)
●
p9580 SI モーション、パルスブロック遅延バス故障 (コントロールユニット)
慣性モーメント推定器
特徴
注記
この機能は、サーボ制御のドライブのみに対してのものです。 慣性モーメントは、ベ
クトル制御のドライブで測定されます。
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
479
ファンクションモジュール
7.13 慣性モーメント推定器
異なる質量慣性モーメントのツールが交互に 1 台のドライブに接続される場合、慣性モ
ーメント推定器が必要となります。 この状況の場合、継続的にモータ定数測定を繰り
返すことは複雑すぎます。
エンコーダレス運転では、モータおよび駆動される機械装置の慣性モーメントの合計が
知られていなければなりません。 加速段階で制御された運転 (p1755 未満の速度の場
合) では、モータストールは許容されません。 閉ループ運転 (p1755 を上回る速度) で
は、速度コントローラのダイナミックスを最適化するために、速度トルクプリコントロ
ールは正確な慣性モーメントを要求します。 加速段階の終了時の不正な慣性モーメン
トは、望まれないオーバーシュートまたはアンダーシュートに至ります。
エンコーダ付き運転で、慣性モーメント評価器を有効にすることもできます。 これを
行うためには、慣性モーメントがモータの閉ループ制御に含まれるように、速度/トル
クプリコントロールを有効化しなければなりません (p1402.4 = 1)。
説明
速度変更中に不明な負荷が存在する場合、慣性モーメントは決定できません。 実際の
モータトルク全体は知られています。 モータの加速および負荷の加速に使用されるパ
ーセンテージ (%) は不明です。 このため、加速または減速 (速度設定値を使用) は負荷
なしでなければなりません。
速度設定値変更中に機械加工タスクが行われる段階 (例、スレッド切断) では、慣性モ
ーメント推定器は BICO スイッチを介してフリーズさせることができます (p1502 = 1
のソース)。 つまり、以前正確に決定された慣性モーメントは間違った評価の結果によ
って変更されることはないということです。
速度が負荷なしで調整される断崖が要求されます。 慣性モーメントはモータトルクと
速度変化から決定され、その後処理されます。 初回の調整では、システムは、機械的
な過渡電流が原因で慣性モーメント全体の決定を誤らせることがないように、一定の測
定時間 (100 ms) 待機します。 エンコーダレス運転の場合、慣性モーメントの合計は制
御される範囲でのみ決定できます。 必要とされる速度実績値は、制御される範囲での
み決定できます。
エンコーダ付き運転では、慣性モーメント評価は速度範囲全体で作動します。 但し、
全ての場合で、制御動作での十分な速度変更中にのみ (|r1518[1]| > 0.05*|p1538 –
p1539|) – および、慣性モーメント評価値が p1502[0...n] = 1 でフリーズされない場合に
のみ。慣性モーメント評価器の開始値はパラメータ設定された慣性モーメント (p0341 *
p0341 + p1498) です。 慣性モーメント評価は、「開」制御範囲での初回加速時に、モ
ータストールが発生しないように、想定される最大慣性モーメントに設定されなければ
なりません。 パルスが削除されない限り、慣性モーメントの推定実績値は常にモータ
モデルで使用されます。 この値は、r1493 に保存されます。 推定された慣性モーメン
480
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
ファンクションモジュール
7.13 慣性モーメント推定器
トは、各パルスブロックによりパラメータ設定された値にリセットされます。 速度コ
ントローラは、推定された慣性モーメントに合わせては調整されません。
試運転
慣性モーメント推定器を有効化するために、以下の設定を行ってください:
●
p1400.18 = 1
●
r0108[axis number (軸数) - 1].10 = 1.
データセット切り替えを使用して、慣性モーメント推定器を有効化または無効化できま
す。 エンコーダ付き運転の場合、p1402.4 = 1 も設定されなければなりません。 BICO
テクノロジーを介して慣性モーメントを調整する機能 (p1497 に接続) が有効化されて
いる場合、慣性モーメント推定器は無効です。
慣性モーメント推定器を決定するための速度設定値変更は、負荷なしで行うようにして
下さい。 これを行うために、少なくとも 100 ms の測定時間が必要です。 この後、負
荷を接続することができます。 推定された慣性モーメントは r1493 で監視できます。
負荷が存在する時に速度設定値変更が実現されなければならない場合は、p1502 = 1 の
ソースを設定することで、この時間の間だけ現在の慣性モーメント推定値をフリーズさ
せて下さい。
主要パラメータ一覧 (『SINAMICS S120/S150 リストマニュアル』を参照)
●
p0108[0..23] ドライブオブジェクト、ファンクションモジュール
●
p0341[0...n] モータの慣性モーメント
●
p1400[0...n] 速度制御コンフィグレーション
●
p1402[0...n] 閉ループ電流制御およびモータモデルコンフィグレーション
●
r1493 CO: 慣性モーメント、合計
●
p1497[0...n] CI: 慣性モーメントスケーリング
●
p1498[0...n] 負荷慣性モーメント
●
p1502[0...n] BI: 慣性モーメント推定器をフリーズ
●
r1518[0...1] CO: 加速トルク
●
r1538 CO: 有効トルク上限
●
r1539 CO: 有効トルク下限
●
p1755[0...n] モータモデル切り替え速度
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
エンコーダレス運転
481
ファンクションモジュール
7.13 慣性モーメント推定器
482
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
8
監視・保護機能
8.1
パワーモジュール保護、概要
SINAMICS パワーユニットは、パワーコンポーネントを補講するための包括的な機能を
提供します。
表 8- 1
パワーユニットの一般的な保護
以下に対する保護:
過電流 1)
事前警告
応答
2 つのスレッシホールドでの監視:
• 最初のスレッシホールドを超過
A30031, A30032, A30033
位相の電流リミットが応答しました。
該当する位相のパルスがブロックされま
す。
頻繁すぎる超過の場合
F30017 –> OFF2
• 二番目のスレッシホールドを超
F30001 「過電流」 → OFF2
過
過電圧 1)
DC リンク電圧とハードウェアシャ
F30002 「過電圧」 → OFF2
ットダウンスレッシホールドの比較
不足電圧 1)
DC リンク電圧とハードウェアシャ
F30003 「不足電圧」 → OFF2
ットダウンスレッシホールドの比較
短絡 1)
• 過電流を確認する二番目の監視
F30001 「過電流」 → OFF2
スレッシホールド
• IGBT モジュールの Ucw 監視 (シ F30022 「Uce 監視」 → OFF2 (シャーシ
ャーシのみ)
接地故障
全ての相電流の合計の監視
のみ)
p0287 のスレッシホールド超過後:
F30021 「パワーユニット: 地絡」
→ OFF2
注意:
全ての相電流の合計は r0069[6] に表示さ
れます。 運転の場合、p0287[1] の値は、
絶縁が完全である時、位相電流の合計より
も大きくなければなりません。
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
483
監視・保護機能
8.2 温度監視と過負荷時の応答
以下に対する保護:
事前警告
応答
F30011 「主電源での電源相故障」 →
電源相故障検出 1)
OFF2
1) 監視スレッシホールドは恒常的にコンバータで定義され、変更できません。
8.2
温度監視と過負荷時の応答
パワーユニットの温度監視は、深刻な状況を特定します。 アラーム用スレッシホール
ドを超過すると、ユーザはパラメータ設定が可能な応答オプションを設定し、(例: 出力
低減で) 運転の継続や即時シャットダウンを回避することができます。 但し、パラメー
タ設定オプションでは、ユーザが変更できないシャットダウンスレッシホールド未満の
場合のみに介入することができます。
以下の温度監視オプションが使用可能です:
●
I2t 監視 - A07805 - F30005
I2t 監視は、半導体と比較して高い熱時定数のコンポーネントを保護するために使用
されます。 インバータ負荷 r0036 が 100% (定格運転に対する負荷、単位 %) よりも
大きな場合、 I2t に関連する過負荷が存在します。
●
ヒートシンク温度 - A05000 - F30004
は、パワー半導体 (IGBT) でヒートシンクの温度 r0037.0 を監視するために使用され
ます。
●
チップ温度 - A05001 - F30025
IGBT 接合障壁とヒートシンクの間で、かなりの温度差が生じる場合があります。
算出された接合障壁の温度が r0037[13...18] に表示されます; 監視により、指定され
た最大接合障壁の温度を超えていないことが保証されます。
これら 3 つの監視機能のいずれかとの関連で過負荷が発生する場合、アラームが最初に
出力されます。 アラーム用スレッシホールド p0294 (I2t 監視) は、シャットダウン (ト
リップ) 値に対してパラメータ設定することができます。
例
2 センサ間の温度差は、15 K (ケルビン) を超えてはいけません; ヒートシンクの温度監
視と吸気口に 5 K の温度差が設定されます。 つまり、15 K または停止スレッシホール
ド 5 K を下回ると、未処理の過熱に関するアラームが発行されます。 p0294 を使用し
て、アラームをより早く表示するためにのみ、アラームスレッシホールドを変更できま
す。 つまり、ドライブプロセスでの介入が可能だということです (例: 負荷を軽減、周
囲温度を低減)。
484
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
監視・保護機能
8.2 温度監視と過負荷時の応答
過負荷応答
パワーユニットは、アラーム A07805 で応答します。 コントロールユニットは、アラ
ームが発行されると同時に p0290 を介してパラメータ設定された応答を開始します。
可能な応答には以下のようなものがあります:
●
パルス周波数を低減 (p0290 = 2、3)
損失全体に占める切り替え損失の割合が高いため、これはパワーモジュールでの損
失の低減に非常に効果的な方法です。 多くのアプリケーションでは、パルス周波数
の温度低減がプロセス維持のために許容されます。
不利な点:
パルス周波数を低減させると電流リップルが大きくなり、反ってモータシャフトの
トルクリップルを大きくし、ノイズレベルが高くなる場合があります (低負荷イナー
シャの場合)。 電流制御回路のサンプリング時間が一定のまま変化しないため、パル
ス周波数を低減しても、電流制御回路のダイナミック応答には影響がありません。
●
出力周波数を低減 (p0290 = 0、2)
パルス周波数低減の必要がない場合やパルス周波数が既に最低レベルに設定されて
いる場合には、この設定が推奨されます。 更に、負荷には、ファンに類似する特性、
つまり、速度低下で 二乗逓減トルク特性も備わっているようにして下さい。 出力周
波数を低減させるとインバータ出力がかなり低減され、それによりパワーモジュー
ルの損失が低減されます。
●
低減なし (p0290 = 1)
パルス周波数も出力電流も低減できない場合には、このオプションを選定してくだ
さい。 アラーム用スレッシホールドを超えても、インバータは動作点を変更しませ
ん。つまり、それがシャットダウン値に達するまで、ドライブを動作させることが
できるということです。 シャットダウンスレッシホールドに到達すると、インバー
タはアラーム A05000 (パワーユニット: 過熱インバータヒートシンク)、A05001 (パ
ワーユニット: 過熱チップ) または A07850 (ドライブ: パワーユニット過負荷 I2t) で、
スイッチが切れます。 但し、シャットダウンまでの時間は定義されませんず、過負
荷に依存します。
●
コントロールユニット CU310-2 には電子的に制御されるファンが備わっています。
内蔵センサが過熱を検出すると、内蔵ファンはコントロールユニットを冷却するた
めに開始されます。
ファンクションダイアグラム (『SINAMICS S120/S150 リストマニュアル』を参照)
●
8014 温度監視、パワーモジュール
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
485
監視・保護機能
8.3 ロック保護
主要パラメータ一覧 (『SINAMICS S120/S150 リストマニュアル』を参照)
8.3
●
r0036 CO: パワーユニット過負荷 I2t
●
r0037 CO: パワーユニット温度
●
p0290 パワーユニット過負荷応答
●
p0294 I2t 過負荷用のパワーユニットアラーム
ロック保護
「モータロック」故障は、ドライブ速度が調整可能な速度スレッシホールド (p2175) 未
満の場合にのみ出力されます。 ベクトル制御では、速度コントローラが必ずリミット
にあることが保証されなければなりません。 U/f 制御の場合、電流リミットに既に到達
していなければなりません。
オンディレイ (p2177) が経過すると、メッセージ「モータロック」と故障 F07900 が生
成されます。
ロックされたモータ監視のイネーブルは、p2144 で無効にすることができます。
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ロック保護
ファンクションダイアグラム (『SINAMICS S120/S150 リストマニュアル』を参照)
●
486
8012 信号および監視機能 – トルクメッセージ、モータロック/ストール
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
監視・保護機能
8.4 ストール保護(ベクトル制御の場合のみ)
主要パラメータ一覧 (『SINAMICS S120/S150 リストマニュアル』を参照)
8.4
●
p2144 BI: モータロック監視イネーブル(反転)
●
p2175 モータブロック速度スレッシホールド
●
p2177 モータブロック遅延時間
ストール保護(ベクトル制御の場合のみ)
エンコーダ付き閉ループ速度制御の場合、ストール検出用の p1744 に設定された速度
スレッシホールドを超えると、r1408.11 (速度補正、速度偏差) が設定されます。
低速範囲 (p1755 * (100% - p1756) 未満) で、p1745 で設定された故障スレッシホール
ド値セットを超過する場合、r1408.12 (モータストール) が設定されます。
2 つの信号のうち一方が設定されると、p2178 の遅延時間後、に故障 F7902 (モータス
トール) が出力されます。
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ストール保護
ファンクションダイアグラム (『SINAMICS S120/S150 リストマニュアル』を参照)
●
6730 電流制御
●
8012 トルクメッセージ、モータロック/ストール
主要パラメータ一覧 (『SINAMICS S120/S150 リストマニュアル』を参照)
●
r1408 CO/BO: 制御ステータスワード 3
●
p1744 モータモデル速度スレッシホールドストール検出
●
p1745 モータモデル故障スレッシホールド値ストール検出
●
p1755 エンコーダなしモータモデル、切り替え速度
●
p1756 モータモデル切り替え速度ヒステリシス
●
p2178 モータストール遅延時間
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
487
監視・保護機能
8.5 モータ温度保護
8.5
モータ温度保護
モータ温度保護はモータ温度を監視し、アラームまたは故障で過熱状態に応答します。
モータ温度は、モータのセンサで測定されるか、モータの運転データからの温度モデル
を使用してセンサーなしで計算されます。 温度測定とモータ温度の考慮を組み合わせ
ることは可能です。 深刻なモータ温度が判断されると、モータを保護する対策が開始
されます。
温度センサでのモータ温度保護の場合、モータ温度はモータ巻線で直接測定されます。
温度センサは、コントロールユニット、モータモジュールまたは補助モジュールに接続
されます。 決定された温度値は、パラメータ設定に基づいて応答するコントロールユ
ニットに送られます。 停電後に再び電源を入れると、実際のモータ温度が直ちに使用
可能になります。
温度センサのないモータ温度保護では、異なるモータ熱モデルが計算に使用されます。
モータ熱モデルに基づく温度は、モータ運転データから計算されます。 3 マスモデルの
場合はモータパーツの質量と冷却タイプ、I2t モデル (同期モータの場合) の場合は運転
時間に対するモータ電流が、計算で考慮されます。 温度センサなしのモータ温度保護
の場合、p0600[0...n] が 0 に、p0612.00 が 1 に、そして p0612.01 が 1 に設定されます。
(詳細は「温度モデル」章を参照.)
モータリストからのモータ、または、DRIVE-CLiQ 接続内蔵のモータを使用されている
場合、関連するモータデータは自動的にコントロールユニットに伝送されます。
制御タイプ「ベクトル制御」では、p0610 を使用して、検出されたモータ過熱に対する
ドライブの反応をパラメータ設定することができます。 モータは直ちにスイッチ
「切」 - または、低減された出力、低減された負荷、調整された状況で運転を継続しま
す。
8.5.1
モータ熱モデル
モータ熱モデルは、温度センサがない、または、温度センサが無効化されている
(p0600 = 0) モータの熱的保護を保証するために使用されます。 温度センサとモータ熱
モデルの同時使用も有効です。 例えば、十分な時間でセンサで検出されない非常に速
い温度上昇は、潜在的にモータを破損することがあります。 この状況は、低い熱容量
のモータで発生する場合があります。
特定のモデルに依存し、温度上昇は、異なるモータパーツ (ステータ、ロータ) に割り
付けられるか、モータ電流および熱時定数から計算されます。 モータ熱モデルと他の
温度センサの組み合わせを用いることもできます。
488
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
監視・保護機能
8.5 モータ温度保護
警告
周囲温度
モータ熱モデルは十分にセンサの代用とはなりません。 モータ熱モデルは、正しく取
り付けられていない場合、上昇した周囲温度に対して、または、間違ったパラメータ
設定が行われた場合、モータを保護することができません。 温度センサがない場合、
モータ熱モデルは周囲温度や最初のモータ温度を特定したり考慮に入れることができ
ません。
8.5.1.1
モータ熱モデル 1
モータ熱モデル 1 は同期モータに対してのみ使用されます。 それは、連続電流測定に
基づいています。 モータのダイナミック負荷は、モータ電流およびモータ時定数から
決定されます。 モータ巻線温度実績値は、温度センサで測定し、その後考慮すること
ができます。
I2t モータ熱モデルは p0612.1 = 1 で有効化されます。
モータ利用率は、パラメータ r0034 に表示されます。 パラメータ r0034 は以下の値か
ら計算されます:
●
電流実績絶対値 r0068
●
I2t モータモデル熱時定数 p0611
●
モータストール電流 p0318
●
測定されたモータ温度 r0035
アラームスレッシホールド p0605 を超過すると、アラーム A07012 「モータ熱モデル
過熱」が出力されます。
故障スレッシホールド p0615 を超過すると、故障 F07011「モータ過熱」が出力されま
す。
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
489
監視・保護機能
8.5 モータ温度保護
8.5.1.2
モータ熱モデル 2
モータ熱モデル 2 はインダクションモータに使用されます。 それは熱的 3 マスモデル
です。
熱的 3 増すモデルは p0612.01 = 1 で有効化されます。p0344 にモータ質量の合計を入
力します。 3 マスモデルでは、モータ質量の合計が以下のように分割されます:
●
p0617 = 熱的活性鉄質量 (ステータ): 積層コアおよびフレーム) p0344 のパーセンテ
ージ (%) として
●
p0618 = 熱的活性銅質量 (ステータ: 巻線) p0344 のパーセンテージ (%) として
●
p0619 = 熱的活性ロータ質量 (ロータ)、p0344 のパーセンテージ (%) として
●
p0625 = 周囲温度
●
p0626 = 過熱、ステータ鉄芯
●
p0627 = 過熱、ステータ巻線
●
p0628 = ロータ巻線温度上昇
モータ温度上昇は、モータの測定値に基づいて計算されます。 計算された温度上昇は
以下のパラメータに表示されます:
●
r0630 モータ熱モデル
周囲温度
●
r0631 モータ熱モデル
ステータ鉄芯温度
●
r0632 モータ熱モデル
ステータ巻線温度
●
r0633 モータ熱モデル
ロータ温度
追加の KTY84 温度センサを使用した運転時に、モータ熱モデル 2 からの計算された温
度値は、温度測定値を追従するために継続的に補正されます。 p0600 = 0 で温度センサ
を無効化した後、計算は最後の温度測定値で継続されます。
8.5.1.3
モータ熱モデル 3
モータ熱モデル 3 は、1FK7Basis 構造のモータでの使用のためにのみ意図されていま
す。 このモータ構造では温度センサが内蔵されていません。 モータ熱モデル 3 は熱的
3 ますモデルです。 これは p0612.02 = 1 で有効化されます。必要なパラメータは、
DRIVE-CLiQ を介しての試運転時に、自動的に伝送されます。
490
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
監視・保護機能
8.5 モータ温度保護
モータ温度上昇は、モータの測定値に基づいて計算されます。 計算された温度上昇は
以下のパラメータに表示されます:
●
r0034 モータ使用 (率)
●
r0630 モータ熱モデル
周囲温度
●
r0631 モータ熱モデル
ステータ鉄芯温度
●
r0632 モータ熱モデル
ステータ巻線温度
●
r0633 モータ熱モデル
ロータ温度
表 8- 2
モータ一覧
モータタイプ
1
1FK7041 - 8GF71
2
1FK7042 - 8GF71
3
1FK7060 - 8GF71
4
1FK7063 - 8GF71
5
1FK7100 - 8FC71
6
1FK7101 - 8FC71
7
1FK7103 - 8FB71
8
1FK7105 - 8FB71
ファンクションダイアグラム (『SINAMICS S120/S150 リストマニュアル』を参照)
●
8016 モータ温度監視
●
8017 モータ熱モデル (同期モータの場合のみ、p0300 = xxx)
主要パラメータ一覧 (『SINAMICS S120/S150 リストマニュアル』を参照)
モータ熱モデル 1
●
r0034 CO: モータ使用 (率)
●
p0318[0...n] モータストール電流
●
p0605[0...n] mot_temp_mod スレッシホールド
●
p0612[0...n] モータ熱モデル有効化
●
p0615[0...n] mot_temp_mod 故障スレッシホールド
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
491
監視・保護機能
8.5 モータ温度保護
モータ熱モデル 2
●
p0344[0...n] モータ質量
●
p0612[0...n] モータ熱モデル有効化
●
p0617[0...n] ステータ熱関連鉄芯要素
●
p0618[0...n] ステータ熱関連銅要素
●
p0619[0...n] ロータ熱関連質量
●
p0625[0...n] モータ周囲温度
●
p0626[0...n] モータ周囲温度ステータ鉄芯
●
p0627[0...n] モータ周囲温度ステータ巻線
●
p0628[0...n] モータ周囲温度ロータ巻線
●
r0630[0...n] mot_temp_mod 周囲温度
●
r0631[0...n] mot_temp_mod ステータ鉄芯温度
●
r0632[0...n] mot_temp_mod ステータ巻線温度
●
r0633[0...n] mot_temp_mod ロータ温度
モータ熱モデル 3
8.5.2
●
p0612[0...n] モータ熱モデル有効化
●
r0630[0...n] mot_temp_mod 周囲温度
●
r0631[0...n] mot_temp_mod ステータ鉄芯温度
●
r0632[0...n] mot_temp_mod ステータ巻線温度
●
r0633[0...n] mot_temp_mod ロータ温度
モータ温度検出
温度センサ
モータ温度は、モータ巻線に組み込まれた温度センサを使用して検出されます。 使用
されるセンサは、標準で、以下の 4 種類の異なるセンサ対応から選択されます:
1. PTC
2. KTY84
3. PT100/PT1000
4. NC 接点を備えるバイメタルセンサ (略称、「バイメタル NC 接点」)
492
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
監視・保護機能
8.5 モータ温度保護
PTC の機能
温度センサは、該当する端子 (-Temp) および (+Temp) でセンサモジュールに接続され
ます (マニュアル『SINAMICS S120 コントロールユニットおよび補助システムコンポ
ーネント』の該当するセクションを参照)。 アラームまたは故障への切り替えスレッシ
ホールドは 1650 Ω です。
PTC は通常強い非リニア特性を備えており、その結果スイッチのように使用されます。
代表的な定格応答温度を超過すると、抵抗が急激に変化します (ステップ機能)。 トリ
ップ抵抗は ≥ 1650 Ohm です。
●
p0600 = 1 で、センサ 1 を使用したモータ温度検出を有効化します
●
p0601 = 1 で、PTC 温度センサタイプを設定します
KTY の機能
温度センサは、該当する端子 (-Temp) および (+Temp) でセンサモジュールに接続され
ます (マニュアル『SINAMICS S120 コントロールユニットおよび補助システムコンポ
ーネント』の該当するセクションを参照)。
KTY84/1C130 温度センサはほぼリニア特性を備えており、モータ温度の継続的測定お
よび表示にも適しています。 KTY センサは、-140 °C ~ +188.6 °C の範囲でモータ温
度を測定するために使用されます。この範囲以外の温度実績値は考慮されません。
●
p0600 = 1 で、センサ 1 を使用したモータ温度検出を有効化します
●
p0601 = 2 で、KTY 温度センサタイプを設定します
PT100/PT1000 の機能
PT100 または PT1000 は、原則的に、非常にリニア特性を備えた PTC で、継続的かつ
正確な温度測定に適しています。 全てのセンサ入力に PT100/PT1000 が対応している
わけではありません。
●
p0600 = 1 で、センサ 1 を使用したモータ温度検出を有効化します
●
p0601 = 5 で、PT100 温度センサタイプを設定します
バイメタル NC 接点の機能
一定の公称応答温度でのバイメタルスイッチはスイッチを作動させます。 トリップ抵
抗は <100 Ohm です。 全てのセンサ入力バイメタル NC 接点が対応しているわけでは
ありません。
●
p0600 = 1 で、センサ 1 を使用したモータ温度検出を有効化します
●
p0601 = 4 で、バイメタル NC 接点温度センサタイプを設定します
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
493
監視・保護機能
8.5 モータ温度保護
複数の温度チャンネルのための温度センサタイプ
複数の温度チャンネルがある場合、p0601 = 10 を設定してください。この場合、セン
サは BICO を介して接続されます
8.5.3
センサモジュール
センサモジュールは、追加温度センサが DRIVE-CLiQ を介して接続される場合に必要
とされます。 多様な温度センサがこのために使用可能です:
●
制御盤内でのレール取り付けのための制御盤取り付け型センサモジュール (SMC)
●
モータの近傍に取り付けられる、保護等級 IP67 の外部センサモジュール (SME)
PTC および KTY84 温度センサ – そして、一部の場合 – バイメタル NC 接点、はセンサ
モジュールに接続できます。
表 8- 3
温度センサ接続
+Tem -Temp 温度センサタイプ
p
デバイ
ス
インターフェ
ース
SMC10
X520
13
25
KTY84 / PTC
SMC20
X520
13
25
KTY84 / PTC
SMC30
X520
1
8
KTY84 / PTC
X531
4
3
KTY84 / PTC
SME20
X100
9
7
KTY84 / PTC
SME25
-
-
SME12
X200
下記参照:
KTY84/PTC/バイメタル NC 接点
X200
下記参照:
KTY84/PTC/バイメタル NC 接点
温度センサは接続できません
0
SME12
5
494
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
監視・保護機能
8.5 モータ温度保護
8.5.4
制御盤取り付け型のセンサモジュール
制御盤取り付け型のセンサモジュール (SMCx0) はセンサ信号を評価します。 それらの
結果は DRIVE-CLiQ を介して更なる処理のためにドライブに伝送されます。 SMCx0 は
制御盤内での運転用です。 SMC10、SMC20 および SMC30 は、センサインターフェー
スの点で異なっています。 これらのセンサには、モータ温度を検出するための同じ機
能が備わっています。 SMC30 では代替のエンコーダ接続が提供されます。 エンコー
ダは、インターフェース X520、15 ピン D サブコネクタ – またはインターフェース
X521/X531 に端子台を介して接続できます。
8.5.5
外部センサモジュール
外部センサモジュール (SME) は、センサインターフェースが制御盤外のモータセンサ
近傍に取り付けられる場合に必要です。 SME は保護等級 IP67 です。
8.5.6
センサモジュール SME 20/25
外部センサモジュール SME 20/25
SME20 および SME25 はmエンコーダおよびセンサデータを評価します。 計算された
値は DRIVE-CLiQ を介して伝送されます。 SME20 および SME25 は、エンコーダイン
ターフェースの点で異なります。
温度センサは、モータ温度を検出するために SME25 に接続することができません。 代
わりに、SME125 を使用してください。
8.5.7
外部センサモジュール SME 120/125
外部センサモジュール 120 (SME120) または外部センサモジュール 125 (SME125) は、
以下のアプリケーション条件の場合に必要とされます:
●
センサインターフェースが、制御盤外のモータの近傍に取り付けられている
●
複数のモータ温度チャンネルが必要とされる
●
モータ温度センサに安全保護分離が備わっていない
●
安全保護分離は不可能です。
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
495
監視・保護機能
8.5 モータ温度保護
SME12x は保護等級 IP67 です。 SME12x は、特に、リニアおよびトルクモータアプリ
ケーションに適しています。
r0458[0...2].8 = 1 の場合、最大 3 台の温度センサを端子台 X200 に接続できます。 各セ
ンサは温度チャンネルに割り付けられます。
SME12x は温度センサのデータを評価し、更なる処理のために DRIVE-CLiQ を介して
計算値を使用可能にします。
表 8- 4
端子
温度センサに対する、端子台 X200 の割り付け
機能
1
-Temp
2
+Temp
3
+Temp
4
-Temp
5
+Temp
6
-Temp
チャ
ンネ
ル
2
パラメー 温度センサタイプ
タ
p4601[0]
KTY84/PTC/バイメタル NC 接点
リニアおよびトルクモータ: KTY84
3
p4602[0]
KTY84/PTC/バイメタル NC 接点
リニアおよびトルクモータ: PTC - トリプレッ
ト 1 またはバイメタル NC 接点:
4
p4603[0]
KTY84/PTC/バイメタル NC 接点
リニアおよびトルクモータ: PTC - トリプレッ
トまたはバイメタル NC 接点:
温度測定
●
p0600 = 1/2/3 で、チャンネル 2 ~ 4 を介して追加のモータ温度測定が選択されま
す。
●
p0601 = 10 で、複数の温度チャンネル SME12x を介して評価が有効化されます。
●
p4601[0...n] ~ p4603[0...n] = 20 で、温度センサタイプ KTY を設定します。
●
パラメータ r4620[0...3] = -200 °C ではない場合、温度表示は有効です。 温度センサ
KTY84
の実績値が表示されます:
– r4620[1] チャンネル 2 からの温度センサ
– r4620[2] チャンネル 3 からの温度センサ
– r4620[3] チャンネル 4 からの温度センサ
496
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
監視・保護機能
8.5 モータ温度保護
PTC
●
p4601[0...n] ~ p4603[0...n] = 10/11/12 で、温度センサタイプ PTC、評価タイプを
設定し、評価を有効化します。
– p4601[0...n] = 10 PTC 故障
– p4601[0...n] = 11 PTC アラーム
– p4601[0...n] = 12 PTC アラームおよびタイマ
●
r4620[0...3] = -200 °C.
バイメタル NC 接点
●
p4601[0...n] to p4603[0...n] = 30/31/32 で、温度センサタイプバイメタル NC 接点、
評価タイプを設定し、評価を有効化します。
– p4601[0...n] = 30 バイメタル NC 接点故障
– p4601[0...n] = 31 バイメタル NC 接点アラーム
– p4601[0...n] = 32 バイメタル NC 接点アラームおよびタイマ
●
8.5.8
r4620[0...3] = -200 °C.
増設 I/O モジュール
ドライブシステムは追加のアナログおよびデジタル入/出力が提供された増設 I/O モジ
ュール これらは制御盤内での使用が意図されています。 増設 I/O モジュールは、ドラ
イブシステムと DRIVE-CLiQ を介して接続されます。 増設 I/O モジュール TM31、T
M120 および TM150 は、温度センサ用入力を提供します。
●
TM31 は 1 台の温度センサを評価できます。
●
TM120 は最大 4 台の温度センサを評価できます。 センサ入力は電気的に絶縁され
ています。
●
TM150 は最大 12 台の温度センサを評価できます。 センサは、最大で 3 つのグルー
プに分けることができます。 各センサは、それらのグループの 1 つに自由に割り付
けることができます。
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
497
監視・保護機能
8.5 モータ温度保護
表 8- 5
温度センサ接続
デバイ インターフェ
ス
ース
チャ
ンネ
ル
+Tem 温度センサタイプ
p
Temp
TM31
X522
0
7
8
KTY84 / PTC
TM120 X521
0
2
1
KTY84-1C130/PTC/バイメタル NC 接
点、リニアモータ: KTY84-1C130
1
4
3
KTY84-1C130/PTC/バイメタル NC 接
点、リニアモータ: KTY84-1C130
2
6
5
KTY84-1C130/PTC/バイメタル NC 接
点、リニアモータ: KTY84-1C130
3
8
7
KTY84-1C130/PTC/バイメタル NC 接
点、リニアモータ: KTY84-1C130
TM150 X5311)
X5321)
X5331)
X5341)
X5351)
X5361)
0
1
2
3
4
5
1
2
KTY84-1C130/PTC/バイメタル NC 接
3
4
点/PT100/PT1000
1
2
KTY84-1C130/PTC/バイメタル NC 接
3
4
点/PT100/PT1000
1
2
KTY84-1C130/PTC/バイメタル NC 接
3
4
点/PT100/PT1000
1
2
KTY84-1C130/PTC/バイメタル NC 接
3
4
点/PT100/PT1000
1
2
KTY84-1C130/PTC/バイメタル NC 接
3
4
点/PT100/PT1000
1
2
KTY84-1C130/PTC/バイメタル NC 接
3
4
点/PT100/PT1000
1) センサ接続の詳細は「TM 150」についての章を参照してください。
8.5.9
増設 I/O モジュール 31
増設 I/O モジュール 31 (TM31) は、追加のデジタルおよびアナログ出/入力が必要とさ
れる場合に使用されます。 温度センサは端子 X522 で接続されます。 故障および/また
はアラームスレッシホールド値は、p4102[0..1] で -48 °C ~ 251 °C で設定できます。
p4102 = 251°C では、アラームおよび故障スレッシホールドが無効化されます。 出荷
時設定は、アラームスレッシホールドが 100 °C、故障スレッシホールドが 120 °C です。
498
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
監視・保護機能
8.5 モータ温度保護
温度測定
●
p0600 = 10 で、モータ温度の測定は外部センサを介して有効化されます。
●
p0603 で、モータ温度の評価のための信号ソースが設定されます。
●
p4100 = 0 で、その評価が無効化されます。 この時、パラメータは r4105 = -300°C。
●
p4100 = 1 で、PTC 温度センサタイプが設定され、その評価が有効化されます。
●
r4105 で、以下の値が表示されます:
PTC
– 温度実績値が公称応答温度未満である場合、-50°C が表示されます。
– 温度実績値が公称応答温度を超える場合、250 °C が表示されます。
– 温度実績値が無効 (F35920 開始済み) の場合、-300°C が表示されます。
– p4100 = 0 の場合、-300°C が表示されます。
KTY84
●
p4100 = 2 で、KTY84 温度センサタイプが設定され、その評価が有効化されます。
●
r4105 で、以下の値が表示されます:
– 温度評価の温度実績値
– -300 °C、センサが選択されていない場合、または、温度実績値が無効な場合
8.5.10
増設 I/O モジュール 120
モータに取り付けられた温度センサに保護分離が備わっていない場合、増設 I/O モジュ
ール 120 (TM120) が必要となります。 最大 4 台の異なる温度センサを TM120 に接続
することができます。 TM120 は温度実績値を検出し、それらを評価します。 温度実績
値の故障およびアラームスレッシホールド (p4102) を -48 °C ~ 251°C で設定すること
ができます。上記の表に従って、温度センサは TM120 の端子台 X521 に接続されます。
このトピックについての詳細は、『SINAMICS S120 コントロールユニットおよび追加
コンポーネントマニュアル』を参照してください
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
499
監視・保護機能
8.5 モータ温度保護
温度測定
●
p0600[0...n] = 20 または 21 で、外部センサを介してモータ温度センサを有効化しま
す。
●
p0601[0...n] = 11 で、複数の温度チャンネルの評価を選定します。
●
p0608[0...3] で、モータ温度の温度チャンネルを信号ソース 2 に割り付けます。
●
p0609[0...3] で、モータ温度の温度チャンネルを信号ソース 3 に割り付けます。
●
p4100[0...n] = 0 で、温度評価を無効化します。
●
r4101[0...3] で、それぞれの温度センサの抵抗実績値を表示します。 最大測定可能
抵抗は 2170 Ω です。
●
p4102[0/2/4/6] で、-48 °C ~ 250 °C の間に温度センサのアラームスレッシホールド
を設定します。
●
p4102[1/3/5/7] で、-48 °C ~ 250 °C の間に温度センサの故障スレッシホールドを設
定します。
●
p4102[0...7] = 251 °C で、設定済みのアラームおよび/または故障メッセージを無効
化します。
●
p4610[0...n] ~ p4613[0...n] で、最大 4 台の温度センサをモータに割り付け、応答を
定義します。
●
r4620[0...3] ≠ -200 °C は、以下の意味です:
– KTY84 が接続されています
– 温度表示は有効です。
●
r4620[0...3] ≠ -200 °C は、以下の意味です:
– PTC またはバイメタル NC 接点が接続されています
– 温度センサは故障中です
– センサチャンネルは無効化されています
– 温度評価は無効化されています
KTY84
●
p4100[0...3] = 2 で、温度センサタイプ KTY84 を該当するチャンネル 1 ~ 4 に割り
付け、評価を有効化します。
●
r4105[0...3] は、温度評価の該当する測定チャンネルの温度実績値を表示します。
センサが選択されていない場合、または温度実績値が無効である場合、値 -300 ℃
がパラメータに表示されます。
500
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
監視・保護機能
8.5 モータ温度保護
PTC
●
p4100[0...3] = 1 で、温度センサタイプ PTC を該当するチャンネル 1 ... 4 に設定し、
その評価を有効化します。
●
r4105[0...3] で、温度評価の温度実績値を表示します。
– 温度実績値が定格応答温度未満である場合、r4105[0...3] は -50 °C が設定されま
す。
– 温度実績値が定格応答温度よりも大きい場合、r4105[0...3] は、250 °C が設定さ
れます。
– センサが選択されていない場合、または温度実績値が無効である場合、
r4105[0...3] は -300 ℃ に設定されます。
バイメタル NC 接点
●
p4100[0...3] = 4 で、温度センサタイプバイメタル NC 接点を設定し、その評価を有
効化します。
●
r4105[0...3] で、温度評価の温度実績値を表示します。
– 温度実績値が定格応答温度未満である場合、r4105[0...3] は -50 °C が設定されま
す。
– 温度実績値が定格応答温度よりも大きい場合、r4105[0...3] は、250 °C が設定さ
れます。
– センサが選択されていない場合、または温度実績値が無効である場合、
r4105[0...3] は -300 ℃ に設定されます。
8.5.11
増設 I/O モジュール 150
増設 I/O モジュール 150 (TM150) には、温度センサ用の 6x 4 極端子があります。 温度
センサは、1x2、1x3 または 1x4 巻線システムで接続できます。 2x2 巻線システムでは、
最大 12 の入力チャンネルが評価できます。 12 入力チャンネルが出荷時設定で評価で
きます。 TM150 の温度センサは、3 グループに区分し、一緒に評価することができま
す。
TM150 は、KTY84、PTC、バイメタル NC 接点、PT100 および PT1000 温度センサか
らの信号を取得し、それらを評価できます。 温度値の故障および/またはアラームスレ
ッシホールドは、 -99 °C ~ 251°C で設定することができます。上記の表に従って、温
度センサは端子台 X531 ~ X 536 に接続されます。
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
501
監視・保護機能
8.5 モータ温度保護
TM150 センサ入力は電気的に絶縁されていません。
詳細は、『SINAMICS S120/S150 リストマニュアル』のファンクションダイアグラム
9625、9626、および 9627 を参照してください。
センサタイプを選択
●
p4100[0...11] で、それぞれの温度チャンネルのセンサタイプを設定します。
●
r4105[0...11] で、温度チャンネルの実績値を表示します。
– 温度センサ、例えば、PTC とバイメタル NC 接点を切り替える場合、象徴的に 2
つのリミット値が表示されます:
– r4105[0...11] = -50°C: 温度実績値は、定格応答温度未満です。
– r4105[0...11] = -+250°C: 温度実績値は、定格応答温度を上回っています。
通知
PTC およびバイメタル NC 接点の場合、以下が適用されます:
r4105[0...11] の表示は、温度実績値とは一致しません。
表 8- 6
センサタイプを選択
p4100[0...11] の値
温度センサ
温度表示範囲 r4105[0...11]
0
評価無効済
-
1
PTC サーミスタ
-50°C または +250°C
2
KTY84
-99°C ~ +250°C
4
バイメタル NC 接点
-50°C または +250°C
5
PT100
-99°C ~ +250°C
6
PT1000
-99°C ~ +250°C
ケーブル抵抗を測定
測定精度を向上させるために、2 巻線センサ使用時、ケーブル抵抗を測定し、保存する
ことができます。 これを行うには、センサケーブルをできる限りセンサの近くで短絡
させます。 この手順は、『SINAMICS S120/150 リストマニュアル』の p4109[0...11]
で説明されています。 測定されたケーブル抵抗は、温度評価時に考慮されます。 ケー
ブル抵抗値は、p4110[0...11] に保存されます。
502
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
監視・保護機能
8.5 モータ温度保護
EMC 指令適合フィルタ
EMC 指令適合フィルタは、電源からのノイズを抑制するために有効化されます。
p4121 で、EMC 指令適合フィルタは周波数 50 Hz または 60 Hz に設定できます。
8.5.11.1
最大 6 つのチャンネルで測定:
2 巻線センサでの温度測定
p4108[0...5] = 0 で、端子 1 および 2 の 4 線接続で 2 巻線システムのセンサを評価しま
す。端子 3 および 4 は空きのままです。
3 巻線センサでの温度測定
p4108[0...5] = 2 で、端子 3 および 4 の 4 線接続で 3 巻線システムのセンサを評価しま
す。測定ケーブルは端子 1 に接続されます。端子 2 および 4 で短絡させなければなり
ません。
4 巻線センサでの温度測定
p4108[0...5] = 3 で、端子 4 および 3 の 4 線接続で 4 巻線システムのセンサを評価しま
す。測定ケーブルは端子 1 および 2 に接続されます。
詳細は、『SINAMICS S120/S150 リストマニュアル』のファンクションダイアグラム
9626 を参照してください。
8.5.11.2
最大 12 つのチャンネルで測定:
2 台の 2 巻線センサでの温度測定
p4108[0...5] = 1 で、2 巻線テクノロジーの 2 台のセンサからの信号を取得できます。
第一のセンサは端子 1 および 2 に接続されます。第二のセンサ (番号 = 第一のセンサ +
6) は端子 3 および 4 に接続されます。詳細は『SINAMICS S120/S150 リストマニュア
ル』のファンクションダイアグラム 9627 にを参照してください。
2 台の 2 巻線センサを端子 X531 に接続する時、第一のセンサは温度チャンネル 1 に、
第二センサはチャンネル 7 (1+6) に割り付けられます。
最大 12 台の温度センサを TM150 に接続することができます。
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
503
監視・保護機能
8.5 モータ温度保護
通知
12 温度チャンネルの接続ダイアグラム
TM150 に接続された温度センサは連番が当てられません。 最初の 6 温度チャンネル
は、それらの番号 0 ~ 5 を保持します。他の 6 温度チャンネルは、端子 X531 から始
まる 6 ~ 11 の連番が当てられます。 ファンクションダイアグラム
(「SINAMICS S120 / S150 リストマニュアル」のファンクションダイアグラム 9627
を参照)
8 温度チャンネルの例:
端子 X531 での 2x2 導体: p4108[0] = 1 ≙ センサ 1 はチャンネル 0 で、センサ 2 はチャ
ンネル 6
端子 X532 での 2x2 導体: p4108[1] = 1 ≙ センサ 1 はチャンネル 1 で、センサ 2 はチャ
ンネル 7
端子 X533 での 1x3 導体: p4108[2] = 2 ≙ センサ 1 はチャンネル 2
端子 X534 での 1x3 導体: p4108[3] = 2 ≙ センサ 1 はチャンネル 3
端子 X535 での 1x4 導体: p4108[4] = 3 ≙ センサ 1 はチャンネル 4
端子 X536 での 1x2 導体: p4108[5] = 0 ≙ センサ 1 はチャンネル 5
8.5.11.3
温度センサのグループ形成
パラメータ p4111[0...2] で、グループを形成するために温度チャンネルを組み合わせる
ことができます。 それぞれのグループで、以下の計算値が温度実績値 (r4105[0...11]) か
ら提供されます:
●
最大: r4112[0...2]、(インデックス 0、1、2 = グループ 0、1、2)
●
最小: r4113[0...2]
●
平均値: r4114[0...2]
例:
チャンネル 0、3、7 および 9 からの温度実績値をグループ 1 で組み合わせてください:
504
●
p4111[1].0 = 1
●
p4111[1].3 = 1
●
p4111[1].7 = 1
●
p4111[1].9 = 1
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
監視・保護機能
8.5 モータ温度保護
グループ 1 からの計算値は、以下の接続用パラメータで使用可能です:
●
r4112[1] = 最大値
●
r4113[1] = 最小値
●
r4114[1] = 平均値
通知
温度チャンネルのグループ形成
継続的に温度センサを測定するグループのみを形成 温度センサとバイメタル NC 接点
の切り替え温度は、状況に依存して、2 つの温度 - 50 ℃ と + 250 ℃ が割り付けられ
ます。 継続的温度実績値を含むグループ内で、温度最大値/最小値/平均値の計算は、
温度センサの切り替えを考慮することで、大幅な誤差が生じます。
8.5.11.4
温度チャンネルを評価
それぞれの 12 温度チャンネルに対して、アラームスレッシホールドと故障スレッシホ
ールドを p4102[0...23] で設定することができます。 偶数のパラメータインデックスに
はアラームスレッシホールドが、奇数のパラメータインデックスには故障スレッシホー
ルドが含まれています。 それぞれのチャンネルに対して、温度スレッシホールドを 99°C ~ +251°C で設定することができます。
p4105[0...11] からの温度実績値評価が p4102[0...23] で設定されたアラームスレッシホ
ールドを超過する場合、r4104.0...23 でアラームが出力されます。タイマ p4103[0...11]
が同時に開始されます。
タイマ経過後も温度実績値が引き続きアラームスレッシホールドを上回る場合、該当す
る故障が出力されます。 この故障は、温度実績値が再びアラームスレッシホールドを
下回ると、直ちに確認できます。
p4105[0...11] の温度実績値の評価が p4102[0...23] の故障スレッシホールドを上回る場
合、該当する故障が直ちに有効化されます。
p4118[0...11] で、p4102[0...23] のヒステリシスをそれぞれのチャンネルに対して設定
することができます。
p4119[0...11] で、それぞれのチャンネルに対して温度信号を平滑化するために、フィル
タが有効化されます。
このフィルタの時定数は、有効な今度チャンネル数に依存し、r4120 で読むことができ
ます。
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
505
監視・保護機能
8.5 モータ温度保護
センサ故障
パラメータ p4117[0...2] で、温度センサ故障への応答をグループ内で設定することがで
きます。
●
p4117 = 0 では、 故障したセンサは考慮されません。
●
p4117 = 1 では、 このグループは、最大値、最小値および平均値に対する出力に値
-300 °C を出力します。
8.5.12
モータモジュール/パワーモジュール
シャーシ
モータモジュールには、モータ温度センサ用の直接接続部が備わっています。 PTC、
KTY84、PT100 またはバイメタル NC 接点温度センサを評価できます。 モータモジュ
ールでの温度センサ端子は、その構造に依存します。
表 8- 7
モータモジュールでの温度センサ接続
デバイス
端子
+Temp
-Temp
シャーシのシングルモータモジュール
X41
4
3
ブックサイズのシングルモータモジュール
X21
1
2
ブックサイズコンパクトのシングルモータモジ X21
1
2
1/1
2/2
ュール
ブックサイズのダブルモータモジュール
X21/X22
温度センサの有効化
p0600[0...n] = 11 で、モータモジュールを介したモータ温度センサが有効化されます。
温度センサを設定
温度センサタイプは、p0601[0...n] で設定されます。
注記
バイメタル NC 接点は、ブックサイズの場合にのみ可能です
バイメタル NC 接点を使用した温度センサは、ブックサイズのモータモジュールでのみ
可能です。
注記
PT100 は、シャーシタイプの場合にのみ可能です。
PT100 を使用した温度センサは、シャーシのモータモジュールでのみ可能です。
506
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
監視・保護機能
8.5 モータ温度保護
r0192.15 = 1 が表示される場合、PT 100 温度センサタイプを p0601[0...n] = 5 で選択で
きます。
モータ温度オフセットは p0624 [0...n] で設定できます。
シャーシのパワーモジュール
シャーシのパワーユニットには 1 つの温度チャンネルがあり、PTC、KTY84 および
PT100 温度センサ (r0192.15 = 1) を評価することができます。
表 8- 8
8.5.13
パワーモジュールでの温度センサ接続
デバイス
端子
+Temp
-Temp
シャーシのパワーモジュール
X41
4
3
CU310-2/CUA31/CUA32
コントロールユニットアダプタ CUA31 および CUA32 には 1 つの温度チャンネルがあ
ります。 CUA31 の端子台には、モータ温度センサのためのインターフェースがありま
す。 温度センサは、エンコーダインターフェースを介して CUA32 と接続することもで
きます。
コントロールユニット CU310-2 DP/PN には独立した 2 つの温度チャンネルがあります。
モータ温度センサは 2 つのインターフェースを介して接続することができます。 チャ
ンネルの一方は、エンコーダインタフェースに、もう一方は端子台にあります。 PTC
または KTY84 温度センサを接続し、評価することができます。
表 8- 9
温度センサ接続
デバイス
CU 310-2
インターフ
ェース
+Temp -Temp
PTC
KTY
PT100
X120
1
2
あり
あり
--
端子台
X23
1
8
あり
あり
--
CUA31
端子台
X210
1
2
あり
あり
--
CUA32
端子台
X210
1
2
あり
あり
--
エンコーダイン
X220
1
8
あり
あり
--
DP/PN
エンコーダイン
ターフェース
ターフェース
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
507
監視・保護機能
8.5 モータ温度保護
CUA31
温度測定および温度チャンネルを設定:
●
p0600[0...n] = 11 で、CU 端子を介して温度チャンネルを設定します。
●
p0601[0...n] = 0/1/2/3/5 で、温度センサタイプおよび応答を設定します。
CUA32
温度測定および温度チャンネルを設定:
●
p0600[0...n] = 10 で、BICO 接続を介した温度検出を設定します。
●
p4600[0...n] で、温度チャンネル 1 に対するセンサタイプを設定します (エンコーダ
インターフェース)。
●
p4601[0...n] で、温度チャンネル 2 に対するセンサタイプを設定します (端子台)。
CU310-2 DP/PN (AC ドライブ)
温度検出および温度チャンネルを設定:
●
p0600[0...n] = 10 で、BICO 接続を介した温度検出を設定します。
●
p4600[0...n] で、温度チャンネル 1 に対するセンサタイプを設定します (エンコーダ
インターフェース)。
●
8.5.14
p4601[0...n] で、温度チャンネル 2 に対するセンサタイプを設定します (端子台)。
DRIVE-CLiQ 付きモータ
モータおよびエンコーダデータは、DRIVE-CLiQ 接続を備えたモータの電子銘版として
保存されています。 このデータは、試運転時にコントロールユニットに伝送されます。
その結果、このモータタイプの試運転時には、全ての必要なまらぺーたがプリセットさ
れ、自動的に設定されます。 モータ温度を監視するためのパラメータにも同じことが
当てはまります。 他の変更は必要とされません。
モータ温度監視のためのデフォルト設定は以下の通りです:
508
●
p0600 = 1 で、エンコーダ 1 を介した監視用のモータ温度センサ
●
p0601 = 2 では、モータ温度センサは KTY84 です。
●
p0604[0...n] モータ温度アラームスレッシホールド
●
p0605[0...n] モータ温度故障スレッシホールド
●
p0606[0...n] モータ温度タイマ (アラームから故障値への切り替え時間)。
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
監視・保護機能
8.5 モータ温度保護
8.5.15
温度センサの評価
KTY または PT100 を介した温度測定
●
アラームスレッシホールド p0604 を超過すると、アラーム A07910 が出力されます。
ベクトル制御の場合、パラメータ p0610 で、アラームが開始される時にドライブ応
答を設定することができます:
– 0: 応答なし、アラーム A07910 のみ、I_max 低減なし
– 1: アラーム A07910 および故障 F07011、I_max の低減
– 2: アラーム A07910 および故障 F07011、I_max の低減なし
●
故障スレッシホールド (p0605 を介して設定、出荷時設定 = 145 ℃) に到達すると、
p0610 での設定との組み合わせで故障 F07011 がトリガされます。
PTC を介した温度測定
●
PTC が応答すると、アラーム A07910 がトリガされます。
●
p0606 で定義される待機時間が経過すると、故障 F07011 がトリガされます
ケーブル断線/短絡のセンサ監視
●
センサケーブルの短絡に対するセンサ監視機能は、PTC および KTY84 の場合に可
能です。 断線監視は KTY84 センサで可能です。
温度値が指定範囲 -140 °C ~ +250 °C の外側にある場合、センサケーブルが断線ま
たは短絡している可能性があります。 アラーム A07015 「ドライブ: モータ温度セ
ンサアラーム」が開始されます。 p0607 の待機時間後、故障 F07016 「ドライブ:
モータ温度センサ故障」) が出力されます。
●
インダクションモータが接続されている場合、 故障 F07016 は p0607 = 0 を設定す
ることで禁止できます。ドライブはこの時 3 マスモデルで計算されたデータで運転
を継続します。
●
p0600 で設定されたモータ温度センサが接続されていない場合、アラーム A07820
「温度センサ未接続」がトリガされます。
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
509
監視・保護機能
8.5 モータ温度保護
8.5.16
ファンクションダイアグラムおよびパラメータ
ファンクションダイアグラム (『SINAMICS S120/S150 リストマニュアル』を参照)
●
8016 モータ温度監視
●
8017 I2t モータ熱モデル
●
9576 増設 I/O モジュール 31 - 温度評価 (KTY/PTC)
●
9605 増設 I/O モジュール 120 - 温度評価、チャンネル 1 および 2 (KTY/PTC/バイメ
タルスイッチ)
●
9606 増設 I/O モジュール 120 - 温度評価、チャンネル 3 および 4 (KTY/PTC/バイメ
タルスイッチ)
●
9625 増設 I/O モジュール 150 - 温度評価構造 (チャンネル 0 ~11)
●
9626 増設 I/O モジュール 150 - 温度評価 1x2、3、4 巻線 (チャンネル 0 ~5)
●
9627 増設 I/O モジュール 150 - 温度評価 2x2 導体 (チャンネル 6 ~11)
主要パラメータ一覧 (『SINAMICS S120/S150 リストマニュアル』を参照)
510
●
r0034 CO: モータ使用 (率)
●
r0035 CO: モータ温度
●
r0068 CO:電流実績絶対値
●
p0318[0...n] モータストール電流
●
p0600[0...n] 監視用モータ温度センサ
●
p0601[0..n] モータ温度センサタイプ
●
p0603 CI: モータ温度信号ソース
●
p0604[0...n] モータ温度アラームスレッシホールド
●
p0605[0...n] モータ温度故障スレッシホールド
●
p0606[0...n] モータ温度タイマ
●
p0607[0...n] 温度センサ故障タイマ
●
p0608[0...3] CI: モータ温度、信号ソース 2
●
p0609[0...3] CI: モータ温度、信号ソース 3
●
p0610[0...n] モータ過熱応答
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
監視・保護機能
8.5 モータ温度保護
●
p0624[0...n] モータ温度オフセット PT100
●
p0625[0...n] モータ周囲温度
●
p4600[0...n] モータ温度センサ 1 センサタイプ
●
p4601[0...n] モータ温度センサ 2 センサタイプ
●
p4602[0...n] モータ温度センサ 3 センサタイプ
●
p4603[0...n] モータ温度センサ 4 センサタイプ
●
r4620[0...3] 測定されたモータ温度
TM31 のための追加パラメータ
●
p4100 TM31 温度検出センサタイプ
●
p4102[0...1] TM31 温度評価、故障/アラームスレッシホールド
●
p4103 TM31 温度評価タイマ
●
r4104.0...1 BO: TM31 温度評価ステータス
●
r4105 CO: TM31 温度評価実績値
TM120 のための追加パラメータ
●
p4100[0...3] TM120 温度評価センサタイプ
●
r4101[0...3] TM120 温度評価、センサ抵抗
●
p4102[0...7] TM120 温度評価、故障/アラームスレッシホールド
●
p4103[0...3] TM120 温度評価、タイマ
●
r4104.0...7 BO: TM120 温度評価、ステータス
●
r4105 [0...3] CO: TM120 温度評価実績値
TM150 のための追加パラメータ
●
p4100[0...11] TM150 温度評価センサタイプ
●
r4101[0...11] TM150 温度評価センサ抵抗
●
p4102[0...23] TM150 温度評価、故障/アラームスレッシホールド
●
p4103[0...11] TM150 温度評価、タイマ
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
511
監視・保護機能
8.5 モータ温度保護
●
r4104.0...23 BO: TM150 温度評価、ステータス
●
r4105[0...11] CO: TM150 温度評価実績値
●
p4108[0...5] TM150 測定方法
●
p4109[0...11] TM150 ケーブル抵抗測定
●
p4110[0...11] TM150 ケーブル抵抗値
●
p4111[0...2] TM150 グループ、チャンネル割り付け
●
r4112[0...2] CO: TM150 グループ温度実績値、最大値
●
r4113[0...2] CO: TM150 グループ温度実績値、最小値
●
r4114[0...2] CO: TM150 グループ温度実績値、平均値
●
p4117[0...2] TM150 グループ、センサ故障の影響
●
p4118[0...11] TM150 故障/アラームスレッシホールド、ヒステリシス
●
p4119[0...11] TM150 平滑化を有効化/無効化
●
r4120 TM150 温度蛭田、時定数
●
p4121 TM150 フィルタ定格電源周波数
●
p0318[0...n] モータストール電流
●
p0335[0...n] モータ冷却タイプ/モータ冷却タイプ
●
p0344[0...n] モータ接地 (モータ熱モデル用)
●
p0611[0...n] I2t モータモデル、熱時定数
●
p0612[0...n] モータ熱モデルコンフィグレーション
●
p0615[0...n] I2t モータモデル、故障スレッシホールド
●
p0617[0...n] ステータの熱関連鉄芯
●
p0618[0...n] ステータの熱関連銅
●
p0619[0...n] ロータの熱関連質量
●
p0620[0...n] 熱調整
●
p0625[0...n] モータ周囲温度
モータ熱モデル
512
ステータおよびロータ抵抗
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
Safety Integrated の基本機能
9.1
9
最新情報
システムの運転上の安全を維持するための重要な注記:
警告
安全関連の特性を備えるシステムは、稼働する企業側の特殊な安全運転要件に従いま
す。 サプライヤも特殊な製品監視対策に準拠する義務があります。 このため、シーメ
ンスでは、安全関連運転時に関係する (またはその可能性がある) 製品開発や機能に関
する情報を含む、特別なニュースレターを発行しています。 最新情報を入手し、装置
をを適宜変更できるように、該当するニュースレターを定期購読するようにしてくだ
さい。
下記 URL にアクセスしてください:
http://automation.siemens.com
ニュースレターを定期購読するには、以下の手順に従ってください:
1. ウェブページで希望する言語を選択します。
2. メニュー項目 [Support] (サポート) をクリックします。
3. メニュー項目 [Newsletter] (ニュースレター) をクリックします。
注記
ニュースレーターを定期購読する場合には、登録し、ログインすることが必要で
す。 登録手続き中は、自動的にガイドされます。
4. [Login] (ログイン) をクリックし、お客さまのアクセスデータでログインします。
ログインおよびパスワードをお持ちでない場合、[Yes, I would like to register now]
(はい、登録を希望します) をクリックします。
以下のウィンドウで、それぞれのニュースレターを定期購読することができます。
5. [Select document type for topic and product newsletters] (「トピックおよび製品ニュ
ースレター」のドキュメントタイプを選択) で詳細を希望するドキュメントタイプを
選択します。
6. このページのヘッダー [Product Support] (「製品サポート」) に、現時点で利用可能
なニュースレターが表示されます。
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
513
Safety Integrated の基本機能
9.2 一般情報
7. トピック領域 [Safety Engineering - Safety Integrated] (セーフティエンジニアリン
グ - Safety Integrated)を開きます。
この特定のトピック領域またはテーマで利用可能なニュースレターが表示されます。
ボックスをクリックすることで、該当するニュースレターを定期購読できます。 こ
れらのニュースレターに関する詳細は、これらをクリックしてください。 十分な情
報が入手できる場所で、小さな補足ウィンドウが開きます。
8. 少なくとも、以下の製品範囲のニュースレターは登録してください。
– Safety Integrated for SIMOTION (SIMOTION 用 Safety Integrated)
– ドライブテクノロジー
9.2
一般情報
注記
このマニュアルでは、Safety Integrated の基本機能について説明します。
Safety Integrated 拡張機能に関しては次の文書に記載されています。
関連資料: /FHS/ SINAMICS S120 機能マニュアル Safety Integrated。
9.2.1
説明、規格、用語
Safety Integrated
「Safety Integrated」機能で、人と機械装置の保護のための高度に効果的なアプリケー
ション別機能の実装が可能になります。 この革新的なセーフティテクノロジーにより、
以下のメリットが提供されます:
514
●
向上した安全性
●
より経済的な運転
●
フレキシビリティの向上
●
プラント稼働率の向上
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
Safety Integrated の基本機能
9.2 一般情報
規格および指令
セーフティテクノロジーのための様々な規格およびガイドラインを遵守しなければなり
ません。 ガイドラインには、機械製造メーカと機械オペレータに対する拘束力があり
ます。
規格は一般的に最新テクノロジーを反映し、セーフティコンセプトの実装の基盤となる
ものです。 指令と異なり、規格には拘束力がありません。
セーフティテクノロジーのための規格およびガイドライン一覧は以下の通りです。
●
EC 機械指令 2006/42/EC
このガイドラインでは、セーフティテクノロジーのための基本的な保護対策が定義
されています。
●
EN 292-1
ベーシックテクノロジーと一般的設計原理
●
EN 954-1/ ISO 13849-1
制御システムの安全関連部
●
EN 1050
リスクアセスメント
●
EN 60204-1:2006
機械装置の安全性 - 機械設備の電気品 - 第 1 部: 機械設備の電気品 - 一般要求事項
●
IEC 61508
電気的および電子的システムの機能信頼性
この規格は「安全度水準」 (SIL) を定義します。この「安全度水準」はセーフティ関
連のソフトウェアの整合性の基準だけでなく、ハードウェアに関する量的エラー確
率範囲を定義するものです。
●
IEC 61800-5-2
可変速電力ドライブシステム
第 5-2 部: 安全要求事項 - 機能
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
515
Safety Integrated の基本機能
9.2 一般情報
注記
認証済のパーツとの組み合わせで、SINAMICS S120 ドライブシステムのセーフティ機
能は、以下の要求事項を満たします:
• EN 954-1/ ISO 13849-1 に準拠したカテゴリー 3
• IEC 61508 に準拠した安全度水準 2 (SIL 2)
更に、SINAMICS S120 セーフティ機能は、通常、独立認証検査機関により認証されて
います。 現時点で認証済みコンポーネントの一覧は、ご要望に応じて、お近くのシー
メンス取扱店で入手していただけます。
注記
乾燥地域で運転される場合、SINAMICS 機器と 3 相モータは低電圧指令 2006/95/EC に
適合しています。
2 チャンネル監視構造
Safety Integrated の主要なハードウェアおよびソフトウェアの機能は全て、2 つの独立
した監視チャンネルで実装されます (例: スイッチオフ信号経路、データ管理、データ
比較)。
2 つのドライブ監視チャンネルは、以下のコンポーネントを使用して実装されます:
●
コントロールユニット
●
ドライブに属するモータモジュール/パワーモジュール
各監視チャンネルの監視機能は、各アクションが実行されて各アクションの後に特定の
確認応答がされるまで、定義された状態が有効でなければならないという原則に基づい
て動作しなければなりません。
これらの監視チャンネルの想定が満たされない場合、ドライブは、フリーラン停止し
(2 チャンネル)、該当するメッセージが出力されます。
スイッチオフ信号経路
2 つの独立したスイッチオフ信号経路が使用可能です。 スイッチオフ信号経路は全てロ
ーアクティブであるため、コンポーネントが故障した場合やケーブルが断線した場合は、
システムは必ず安全な状態に切り替わります。
スイッチオフ信号経路内で故障が検出されると、「Safe Torque Off」機能が有効化され、
システムの再起動が禁止されます。
516
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
Safety Integrated の基本機能
9.2 一般情報
監視サイクル
セーフティ関連のドライブ機能は、クロックサイクル監視内でサイクリックに実行され
ます。
安全監視クロックサイクルは、最低 4 ms 続きます。電流コントローラサイクル
(r0115) を大きくすると、安全監視クロックサイクルも大きくなります。
データクロスチェック
2 つの監視チャンネルでの安全関連データはサイクリックにクロスチェックが実行され
ます。
データに一貫性がない場合、任意のセーフティ機能で停止応答がトリガされます。
パラメータ一覧 (『SINAMICS S120/S150 リストマニュアル』を参照)
9.2.2
●
r9780 SI 監視クロックサイクル (コントロールユニット)
●
r9880 SI 監視クロックサイクル (モータモジュール)
サポートされている機能
SINAMICS S ドライブシステムのセーフティ機能は以下の要件を満たします:
●
DIN EN ISO 13849-1 に準拠したカテゴリー 3
●
DIN EN ISO 13849-1 に準拠した性能レベル (PL)
●
IEC 61508 に準拠した安全度水準 2 (SIL 2)
●
EN 61800-5-2
更に、SINAMICS S の Safety-Integrated 機能は、独立機関により認証されています。
現時点で認証済みコンポーネントの一覧は、ご要望に応じて、お近くのシーメンス取扱
店で入手していただけます。
以下の Safety Integrated 機能 (SI 機能) が使用可能です:
●
Safety Integrated 基本機能
これらの機能は、ドライブの標準納品範囲の一部であり、追加ライセンスなしで使
用することができます:
– Safe Torque Off (STO)
STO は、EN 60204-1:2006 セクション 5.4 に準拠し、ドライブの不意の再起動
を防止します。
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
517
Safety Integrated の基本機能
9.2 一般情報
– Safe Stop 1 (SS1、時間制御)
Safe Stop 1 (安全停止 1) は、「Safe Torque Off」機能に基づくものです。 つま
り、EN 60204-1:2006 に準拠したカテゴリー 1 停止が実装できるということで
す。
– Safe Brake Control (SBC)
SBC 機能で、保持ブレーキの安全制御が可能になります。 特別要求事項:
ハードウェア
制限事項
パワー/モータモジュール ブックサ
–
イズ
パワー/モータモジュール シャーシ
注文番号 xxx3 以降
ブロックサイズのパワーモジュール
安全ブレーキリレーも必要となります
●
Safety Integrated 拡張機能 (基本機能を含む)
以下の Safety Integrated 拡張機能を使用するためには、追加ライセンスが必要です
(有料)。
– Safe Torque Off (STO)
– Safe Stop 1 (SS1、時間制御および加速制御)
– Safe Brake Control (SBC)
– Safe Stop 2 (SS2)
– Safe Operating Stop (SOS)
– Safely Limited Speed (SLS)
– Safe Speed Monitor (SSM)
– Safe Acceleration Monitor (SAM)
– Safe Brake Ramp (SBR)
– Safe Direction (SDI)
– Safety Info Channel (SIC)
– Safely-Limited Position (SLP)
– 安全な原点セット
– 安全位置値を伝送 (SP)
Safety Integrated 拡張機能は、以下の説明書で説明されています:
参照: 『SINAMICS S120 Safety Integrated ファンクションマニュアル』
518
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
Safety Integrated の基本機能
9.2 一般情報
9.2.3
Safety Integrated 機能の制御
Safety Integrated 機能のための以下の制御オプションが使用可能です:
表 9- 1
Safety Integrated 機能を制御
端子 (コント
ロールユニ
ットおよび
モータ/パワ
ーモジュー
ル上)
PROFIBUS
または
PROFINET
上の
PROFIsafe
TM54F
選択なしで
の制御
オンボード
F-DI/F-DO
(CU310-2)
基本機能
あり
あり
なし
なし
なし
拡張機能
なし
あり
あり
SLS および
あり
SDI のみ
通知
PROFIsafe または TM54F
コントロールユニットを使用して、制御は PROFIsafe または TM54F を介して可能で
す。 混在運転は許容されません。
9.2.4
パラメータ、チェックサム、バージョン、パスワード
Safety Integrated パラメータの特徴
以下が Safety Integrated パラメータに適用されます:
●
それらはそれぞれの監視チャンネルに対して保存されます。
●
起動中、チェックサム計算 (サイクリックな冗長性チェック、CRC) は、セーフティ
パラメータデータで実行され、確認されます。 表示パラメータは CRC に含まれま
せん。
●
データ保存: パラメータは不揮発性メモリカードに保存されます。
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
519
Safety Integrated の基本機能
9.2 一般情報
●
セーフティパラメータの出荷時設定
– p3900 および p0010 = 30 で、ドライブ固有の基盤でセーフティパラメータの出
荷時設定へのリセットは、セーフティ機能が有効でない場合 (p9301 = p9501 =
p9601 = p9801 = p10010 = 0) にのみ可能です。
– セーフティパラメータは、p0970 = 5 で出荷時設定にリセットできます。これを
行うためには、Safety Integrated パスワードが設定されなければなりません。
Safety Integrated が有効にされると、これは故障となり、アクセプタンステスト
の実施が要求されます。 パラメータを保存し、POWER ON を実行してください。
– 出荷時設定 (コントロールユニットの p0976 = 1 および p0009 = 30) への全ての
パラメータの完全なリセットは、セーフティ機能が有効な場合でも (p9301 =
p9501 = p9601 = p9801 = p10010 ≠ 0) 可能です。
●
意図しない変更または権限のない変更は、パスワードで保護されています。
チェックサムを確認
それぞれの監視チャンネルで、セーフティパラメータには、チェックサムの確認が行わ
れたセーフティパラメータの実際のチェックサムのための 1 つのパラメータが含まれま
す。
試運転中、実際のチェックサムは基準チェックサムのための該当するパラメータに伝送
されなければなりません。 パラメータ p9701 で、ドライブオブジェクトの全てのチェ
ックサムに対してこれを同時に行うことができます。
基本機能
●
r9798 SI 実際のチェックサム SI パラメータ (コントロールユニット)
●
p9799 SI 基準チェックサム SI パラメータ (コントロールユニット)
●
r9898 SI 実際のチェックサム SI パラメータ (モータモジュール)
●
p9899 SI 基準チェックサム SI パラメータ (モータモジュール)
それぞれの立ち上がり処理の間、実際のチェックサムがセーフティパラメータで算出さ
れ、その後基準チェックサムと比較されます。
実際のチェックサムと基準チェックサムが異なる場合、故障 F01650/F30650 または
F01680/F30680 が出力され、アクセプタンステストが要求されます。
520
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
Safety Integrated の基本機能
9.2 一般情報
Safety Integrated バージョン
セーフティファームウェアには、コントロールユニットおよびモータモジュールにそれ
ぞれ固有のバージョン ID があります。
基本機能の場合:
●
r9770 SI バージョン、ドライブの独立したセーフティ機能 (コントロールユニット)
●
r9870 SI バージョン (モータモジュール)
パスワード
セーフティパスワードにより、意図しないアクセスや許可されないアクセスからセーフ
ティパラメータが保護されます。
Safety Integrated (p0010 = 95) の試運転中、ドライブの p9761 に有効なセーフティパ
スワードを入力するまでセーフティパラメータを変更できません。
●
Safety Integrated の初回試運転時には、以下が適用されます:
– セーフティパスワード = 0
– p9761 = 0 用のデフォルト設定
換言すると:
セーフティパスワードを初回試運転中に設定する必要はありません。
●
セーフティ機能の連続試運転時またはスペアパーツ交換時に、以下が適用されます:
– セーフティパスワードは、メモリカードと STARTER プロジェクトに保存されま
す。
– スペアパーツの取り付け時に、セーフティパスワードは要求されません。
●
ドライブのパスワードを変更
– p0010 = 95 試運転モード
– p9761 = 「旧セーフティパスワード」を入力
– p9762 = 「新しいパスワード」を入力
– p9763 = 「新しいパスワード」を確認
– 確認された新しいセーフティパスワードは、直ちに有効になります。
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
521
Safety Integrated の基本機能
9.2 一般情報
セーフティパラメータを変更する必要があるけれどもセーフティパスワードが不明な場
合には、以下の通りの手順を行います:
1. ドライブユニット全体 (接続されたドライブ/コンポーネントのすべてを含むコント
ロールユニット) を出荷時設定に設定します。
2. ドライブユニットおよびドライブの再試運転を行います。
3. Safety Integrated の再試運転を行います。
または、お近くのシーメンス取扱店でパスワードの削除を依頼してください (完全なド
ライブプロジェクトを使用可能にしなければなりません)。
「パスワード」のための主要なパラメータの一覧 (『SINAMICS S120/S150 リスト
マニュアル』を参照)。
9.2.5
●
p9761 SI パスワードの入力
●
p9762 SI パスワード 新規
●
p9763 SI パスワード確認
強制休止エラー検出
強制点検エラー検出または Safety Integrated 基本機能のためのスイッチオフ信号経路のテスト
スイッチオフ信号経路での強制点検エラー検出機能は、時間内に両方の監視チャンネル
でのソフトウェア/ハードウェア故障を検出し、「Safe Torque Off」機能の有効化/無効
化により自動的に実行するために使用されます。
適切な時間でのエラー検出に関する ISO 13849-1 の要件を満たすために、2 つのスイッ
チオフ信号経路が適切に機能していることを確認するための規定時間内に少なくとも一
度はテストしなければなりません。 この機能は、強制点検エラー検出機能により、マ
ニュアルモードまたは自動プロセスでトリガされ、実装されなければなりません。
タイマにより、強制点検エラー検出のできるだけ迅速な実施が保証されます。
●
p9659 SI 強制点検エラー検出用タイマ
強制点検エラー検出は、このパラメータで設定された時間内に少なくとも一度は実施さ
れなければなりません。
この時間が経過するとアラームが出力されます。このアラームは強制点検エラー検出が
実施されるまで表示されます。
STO 機能が無効になる度に、タイマは設定値に戻ります。
522
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
Safety Integrated の基本機能
9.3 安全に関する注意事項
適切なセーフティ機器 (例: 防護ドア) が実装されている場合、稼働中の機械装置が人に
危険を及ぼさないと想定することができます。 このため、強制点検運転の時期がきた
ことをユーザに通知するアラームのみが出力されます。そして、次の可能な機会にこれ
を実行するように要求します。 このアラームは機械装置の運転に影響を及ぼしません。
アプリケーションに依存して、ユーザは強制点検エラー検出を実行する時間間隔を
0.00 ~ 9000.00 時間で設定しなければなりません。 (出荷時設定: 8.00 時間)。
強制点検エラー検出を実施する時間設定の例:
9.3
●
システムへの電源投入 (POWER ON) 後にドライブが停止している場合。
●
防護ドアが開放された時。
●
定義された間隔で (例: 8 時間毎)。
●
自動モードで (時間およびイベント依存)
安全に関する注意事項
安全に関する情報
警告
ハードウェアおよび/またはソフトウェアコンポーネントの変更あるいは交換後にシス
テムを起動し、ドライブを有効にするのは、保護装置を解除した場合にのみ許可され
ます。 危険エリアに立ち入らないでください。
一定の変更や交換を行った後には、検収試験の一部または全体、あるいは簡略化され
た機能テストの実施が必要な場合があります (「検収試験」の章を参照) 。
人が危険エリアに再度進入する前に、それらを正と負 (+/-) の両方向で少し移動させる
ことにより、安定した制御動作をドライブが示すことを確認するための試験を実施し
てください。
電源投入中は、以下に注意してください。
システム全体が起動した後、セーフティ関連機能は使用可能となり、有効にすること
ができます。
警告
EN 60204-1 (Safety Integrated の STO として定義される) に準拠したカテゴリー 0 ス
トップ機能では、ドライブはゼロ速度まで制動されませんが、停止までフリーラン停
止することになります (含まれる運動エネルギーレベルにより、時間がかかる場合が
あります)。 これは、防護ドアインターロックロジックに組み込まれていなければな
りません。
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
523
Safety Integrated の基本機能
9.4 Safe Torque Off / STO (安全トルクオフ)
警告
Safety Integrated では、機械製造メーカによるパラメータエラー検出ができません。
慎重に受け入れ試験を実施することが必要な安全レベルを保証する唯一の方法です。
警告
Safety Integrated の使用時には、p7826 = 1 による自動ファームウェア更新 (アップグ
レードおよびダウングレード) は、いかなる状況下でも無効化されてはいけません。
注意
パワーユニットの 2 つのパワートランジスタ (上位インバータブリッジに 1 つと 下位
インバータブリッジに 1 つのオフセット) が同時に故障すると、これが原因で一時的
にモータが動作する場合があります。
最大動作は以下の通りです。
同期ロータリモータ:最大動作 = 180 °/ 極対数
同期リニアモータ: 最大動作 = 極幅
注意
「自動再起動」機能は、セーフティ機能 STO/SBC および SS1 と併用することができ
ません。 その理由としては、9.2.5.4.2 章の EN 60204 パート 1 (1998) がこれを許可
しないためです (単に安全停止機能を解除することで、再起動が発生してはいけませ
ん)。
通知
例えば有効なセーフティ機能で、コンポーネントを p0105 で無効にすることはできま
せん。
9.4
Safe Torque Off / STO (安全トルクオフ)
機械的機能との組み合わせで、または、故障時に、「Safe Torque Off」 (STO) 機能が
トルク生成モータ電源を接続解除するために使用されます。
この機能を選択すると、ドライブユニットは「安全状態」になります。 このスイッチ
オン禁止機能により、ドライブの再起動が防止されます。
モータモジュール/パワーモジュールに統合された 2 チャンネルパルスブロック機能が
この機能の基盤です。
524
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
Safety Integrated の基本機能
9.4 Safe Torque Off / STO (安全トルクオフ)
「Safe Torque Off」の機能的特徴
●
この機能はドライブに内蔵されています; つまり、上位コントローラが必要ないと
いうことです。
●
この機能はドライブ固有です。つまり、各ドライブで使用可能で、それぞれ個別に
試運転されなければならないということです。
●
この機能は、パラメータを使用してイネーブルされなければなりません。
●
「Safe Torque Off」機能が選択された場合、以下が適用されます:
– モータが不意に動作することはありません。
– パルスブロックにより、トルク発生モータ電源は安全に接続解除されます。
– パワーモジュールとモータは電気的に絶縁されていません。
●
拡張確認:
STO が選択/選択解除 (および p9307.0/p9507.0 = 1 が設定された) される場合、安全
メッセージも自動的に取り消されます。
「拡張機能」に加え「端子を介した基本機能」も有効である場合、PROFIsafe また
は TM54F を介した STO の選択/選択解除に加え、端子を介した STO の選択/選択解
除により確認できます。これにより、STOP A または STOP B が開始されていない
限り、停止応答 STOP C、STOP D、STOP E および STOP F のメッセージのみを
確認するすることができます。
警告
エネルギー供給が接続解除された場合にモータが望ましくない動作をしないことを保
証するように、適切な対策が講じられなければなりません。例えば、フリーラン停止
や垂直/吊り下げ軸の場合、「Safe Brake Control」 (SBC) 機能をイネーブルするよう
にしてください。「Safe Brake Control (安全ブレーキ制御)」章も参照してください。
注意
パワーユニットの 2 つのパワートランジスタ (上位および下位インバータブリッジに 1
つずつ) が同時に故障すると、これが原因で短時間モータが動作する場合がありま
す。
以下のような最大動作が考えられます:
• 同期ロータリモータ: 最大動作 = 180 °/ 極対数
• 同期リニアモータ: 最大動作 = 極幅
●
「Safe Torque Off」 (STO) 機能のステータスは、パラメータ r9772、r9872、r9773
および r9774 で表示されます。
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
525
Safety Integrated の基本機能
9.4 Safe Torque Off / STO (安全トルクオフ)
「Safe Torque Off」機能をイネーブル
「Safe Torque Off」機能は、以下のパラメータでイネーブルされます:
●
端子を介した STO:
p9601.0 = 1、p9801.0 = 1
●
PROFIsafe での STO:
– p9601.0 = 0、p9801.0 = 0
– p9601.2 = 0、p9801.2 = 0
– p9601.3 = 1、p9801.3 = 1
●
PROFIsafe および端子を介した STO:
– p9601.0 = 1、p9801.0 = 1
– p9601.2 = 0、p9801.2 = 0
– p9601.3 = 1、p9801.3 = 1
「Safe Torque Off」の選択/選択解除
「Safe Torque Off」が選択されると、以下の動作が実行されます:
●
スイッチオフ信号経路を介して、安全パルスブロックがそれぞれの監視チャンネル
でトリガされます。
●
モータ保持ブレーキが「閉」じられます (接続され、コンフィグレーションされて
いる場合)。
「Safe Torque Off」の選択解除はセーフティの内部的確認を意味します。 故障原因が
取り除かれた場合、以下が実行されます:
●
スイッチオフ信号経路を介して、安全パルスブロックがそれぞれの監視チャンネル
でキャンセルされます。
●
セーフティ要件「モータ保持ブレーキの作動」がキャンセルされます。
●
任意の保留中の STOP F または STOP A コマンドがキャンセルされます
(r9772/r9872 参照)。
●
故障メモリ内のメッセージは、一般的な確認メカニズムを使用して追加で確認され
なければなりません。
注記
「Safe Torque Off」が選択され、p9650/p9850 での時間内に 1 チャンネルにより選
択解除される場合には、パルスはブロックされますが、信号は出力されません。
しかし、この場合にメッセージを表示したい場合、アラームまたは故障として
p2118 および p2119 で N01620/N30620 を再度コンフィグレーションしなければな
りません。
526
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
Safety Integrated の基本機能
9.4 Safe Torque Off / STO (安全トルクオフ)
「Safe Torque Off」機能選択後の再起動
1. この機能を選択解除
2. ドライブのイネーブル信号を出力します。
3. 「スイッチオン禁止」をキャンセルし、ドライブをスイッチオン状態に戻します。
– 入力信号 「ON/OFF1」の 1/0 エッジ (「スイッチオン禁止」をキャンセル)
– 入力信号 「ON/OFF1」で 0/1 エッジ (ドライブのスイッチオン)
「Safe Torque Off」のステータス
「Safe Torque Off」 (STO) 機能のステータスは、パラメータ r9772、r9872、r9773 お
よび r9774 を使用して表示されます。
代わりに、この機能のステータスをコンフィグレーション可能なメッセージ N01620 と
N30620 を使用して表示させることができます (p2118 および p2119 を使用したコンフ
ィグレーション)。
「Safe Torque Off」機能のための応答時間
入力端子でこの機能が選択/選択解除された場合の応答時間については、「応答時間」
の表を参照してください。
「Safe Torque Off」機能での内部電機子短絡
「内部電機子短絡」機能は、「STO」機能と同時に選択することができます。 しかし、
STO を選択すると OFF2 も必ずトリガされるため、この 2 つの機能で選択できるのは
一方のみです。 この OFF2 により、「内部電機子短絡」機能が無効になります。
同時に選択された場合には、「STO」機能が優先されます。 「STO」機能が開始され
ると、有効化されていた「内部電機子短絡」が無効化されます。
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
527
Safety Integrated の基本機能
9.5 Safe Stop 1 (SS1、時間制御)
主要パラメータ一覧 (『SINAMICS S120/S150 リストマニュアル』を参照)
●
p9601 SI イネーブル、ドライブに内蔵された機能 (コントロールユニット)
●
r9772 CO/BO: SI ステータス (コントロールユニット)
●
r9872 CO/BO: SI ステータス (モータモジュール)
●
r9773 CO/BO: SI ステータス (コントロールユニット + モータモジュール)
●
r9774 CO/BO: SI ステータス (グループ STO)
●
p0799 CU 入/出力サンプリング時間
●
r9780 SI 監視クロックサイクル (コントロールユニット)
●
p9801 SI イネーブル、ドライブに内蔵された機能 (モータモジュール)
●
r9880 SI 監視クロックサイクル (モータモジュール)
9.5
Safe Stop 1 (SS1、時間制御)
9.5.1
OFF3 を伴う SS1 (時間制御)
概説
「Safe Stop 1」 (SS1) 機能により、ドライブを EN 60204-1、停止カテゴリー 1 に準拠
して停止できます。p9652/p9852 で設定された遅延時間が経過し、「Safe Stop 1」が
選択されて「Safe Torque Off」に切り替えられると、ドライブは OFF3 ランプ (p1135)
により減速されます。
注意
p9652/p9852 で遅延をパラメータ設定することで、「Safe Stop 1」 (時間制御) 機能が
選択されると、STO を端子でもはや直接選択することができなくなります。
528
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
Safety Integrated の基本機能
9.5 Safe Stop 1 (SS1、時間制御)
「Safe Stop 1」の機能的特徴
SS1 は、p9652 および p9852 (遅延時間) を「0」以外に設定するとイネーブルされます。
●
設定パラメータ p9652/p9852 は以下ような影響を及ぼします:
設定
効果
p9652/p9852 = 0 STO イネーブル済
基本機能のための制御モード
端子を介して
STO イネーブル済および SS1 イ PROFIsafe を介して
ネーブルなし (そのため選択不可)
p9652/p9852 > 0 SS1 イネーブル済
●
PROFIsafe または端子を介して
SS1 が選択された場合、ドライブは OFF3 ランプ (p1135) に沿って制動がかけられ、
STO/SBC は自動的に遅延時間経過後 (p9652/p9852) に開始されます。
この機能が選択された後、この機能がこの時間中に選択解除されたとしても、遅延
タイマは切れます。 この場合、遅延時間経過後に STO/SBC 機能が選択され、その
後再度直ちに選択解除されます。
注記
ドライブが OFF3 ランプに沿って完全に停止し、存在するモータ保持ブレーキをすべて
適用できるように、遅延時間を以下のように設定してください:
• パラメータ設定されたモータ保持ブレーキ: 遅延時間 ≧ p1135 + p1228 + p1217
• パラメータ設定されていないモータ保持ブレーキ: 遅延時間 ≧ p1135 + p1228
●
この選択は 2 チャンネルで実現されますが、OFF3 ランプに沿った制動は 1 チャン
ネルでのみ実現されます。
前提条件
●
基本機能または STO が端子および/または PROFIsafe を介して有効化されています。
– p9601.0/p9801.0 = 1 (端子を介してイネーブル)
– p9601.3/p9801.3 = 1 (PROFIsafe を介してイネーブル)
●
1 チャンネルでの選択の場合でもドライブが停止状態まで制動されるためには、
p9652/p9852 の時間がデータクロスチェック (p9650/p9850 および p9658/p9858)
の合計よりも短くなければなりません。 そうしなければ、ドライブは p9650 +
p9658 の経過後、フリーラン停止することになります。
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
529
Safety Integrated の基本機能
9.5 Safe Stop 1 (SS1、時間制御)
「Safe Stop 1」のステータス
「Safe Stop 1」 (SS1) 機能のステータスは、パラメータ r9772、r9872、r9773 および
r9774 で表示されます。
代わりに、この機能の状態をコンフィグレーション可能なメッセージ N01621 と
N30621 を使用して表示させることができます (p2118 および p2119 を使用したコンフ
ィグレーション)。
9.5.2
OFF3 なしの SS1 (時間制御)
概説
注意
「OFF3 を伴わない Safe Stop 1 (時間制御)」機能は、EN 60204-1 の停止カテゴリー
1 に対応していません。
注意
「OFF3 を伴わない Safe Stop 1 (時間制御)」の遅延時間中 (p9652/p9852)、任意の
軸動作が位置コントローラの結果可能です。
「OFF3 を伴う/伴わない Safe Stop 1 (時間制御)」
OFF3 を伴わない「Safe Stop 1 (時間制御)」機能は、原則的に前章「OFF3 を伴う
Safe Stop 1 (時間制御)」で説明される方法と同じです。 但し、以下の相違点がある
ことに注意してください:
●
OFF3 を伴わない「Safe Stop 1 (時間制御)」を有効化するには、追加で p9653 を 1
に設定します。
●
SS1 が選択された場合、ドライブは OFF3 ランプ (p1135) に沿って制動がかけられ
ず、STO/SBC のみが自動的に遅延時間経過後 (p9652/p9852) に開始されます。 こ
の機能が選択された後、この機能がこの時間中に選択解除されたとしても、遅延タ
イマは切れます。この場合、遅延時間経過後に STO/SBC 機能が選択され、その後
再度直ちに選択解除されます。
530
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
Safety Integrated の基本機能
9.5 Safe Stop 1 (SS1、時間制御)
9.5.3
ファンクションダイアグラムおよびパラメータ
ファンクションダイアグラム (『SINAMICS S120/S150 リストマニュアル』を参照)
●
2810 STO (Safe Torque Off)、SS1 (Safe Stop 1)
●
2811 STO (Safe Torque Off)、安全パルスブロック
主要パラメータ一覧 (『SINAMICS S120/S150 リストマニュアル』を参照)
●
p1135[0...n] OFF3 立ち下がり時間
●
p1217 保持ブレーキ「閉」時間
●
p1228 パルスブロック遅延時間
●
p9601 SI イネーブル、ドライブに内蔵された機能 (コントロールユニット)
●
p9650 SI SGE 切り替え許容時間 (コントロールユニット)
●
p9651 SI STO/SBC/SS1 デバウンス時間 (コントロールユニット)
●
p9652 SI Safe Stop 1 遅延時間 (コントロールユニット)
●
p9658 SI 伝送時間 STOP F から STOP A (コントロールユニット)
●
r9772 CO/BO: SI ステータス (コントロールユニット)
●
r9773 CO/BO: SI ステータス (コントロールユニット + モータモジュール)
●
r9774 CO/BO: SI ステータス (グループ STO)
●
r9780 SI 監視クロックサイクル (コントロールユニット)
●
p9801 SI イネーブル、ドライブに内蔵された機能 (モータモジュール)
●
p9850 SI SGE 切り替え許容時間 (モータモジュール)
●
p9851 SI STO/SBC/SS1 デバウンス時間 (コントロールユニット)
●
p9852 SI Safe Stop 1 遅延時間 (モータモジュール)
●
p9858 SI 伝送時間 STOP F から STOP A (モータモジュール)
●
r9872 CO/BO: SI ステータス (モータモジュール)
●
r9880 SI 監視クロックサイクル (モータモジュール)
「OFF3 を伴わない Safe Stop 1 (時間制御)」の場合のみ
●
p9653 SI Safe Stop 1 ドライブに内蔵された制動応答
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
531
Safety Integrated の基本機能
9.6 Safe Brake Control (SBC)
9.6
Safe Brake Control (SBC)
「Safe Brake Control」 (SBC) は、フェールセーフ動作に基づいて作動する保持ブレー
キの制御に使用されます (例: モータ保持ブレーキ)。
ブレーキの「閉」または「開」コマンドは、DRIVE-CLiQ を介してモータモジュール/
パワーモジュールに伝送されます。モータモジュール/安全ブレーキリレーが動作を実
行し、ブレーキ出力を有効にします。
モータモジュール/安全ブレーキリレー上のブレーキ接続を介したブレーキの有効化に
は、安全な 2 チャンネル方式が含まれます。
注記
• この機能は、注文番号が ...xxx3 で終わるシャーシのコンポーネントでサポートされ
ます。 この構造では、安全ブレーキアダプタが追加で必要となります。
• ブロックサイズパワーモジュールでこの機能を使用できるようにするには、安全ブ
レーキリレーが使用されなければなりません (詳細は『製品マニュアル』を参照)。
パワーモジュールが自動的にコンフィグレーションされると、安全ブレーキリレー
が検出され、モータ保持ブレーキのタイプがデフォルトされます (p1278 = 0)。
警告
「Safe Brake Control」では機械的故障が検出されません。 システムは、ブレーキの
「開」/「閉」状態にかかわらず、ブレーキの摩耗や機械的な故障を検出しません。
ブレーキ巻線での断線または短絡は、ステータスが変更される場合、例えば、ブレー
キが「開」/「閉」される場合にのみ検出されます。
「Safe Brake Control」の機能的特徴
●
SBC は、「Safe Torque Off」 (STO) が選択されている時に実行されます。
●
従来のブレーキ制御と異なり、SBC は p1215 により 2 チャンネルで実行されます。
●
SBC は、ブレーキ制御や p1215 のモード設定に関係なく、実行されます。 但し、
p1215 = 0 または 3 の場合、SBC は推奨されません。
●
この機能は、パラメータを使用してイネーブルされなければなりません。
●
状態が変化する時に、例えば、ブレーキ配線の短絡やケーブル断線などの電気的な
故障が検出される場合があります。
532
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
Safety Integrated の基本機能
9.6 Safe Brake Control (SBC)
「Safe Brake Control」機能をイネーブル
「Safe Brake Control」機能は、以下のパラメータでイネーブルされます:
●
p9602 SI safe brake control をイネーブル (コントロールユニット)
●
p9802 SI safe brake control をイネーブル (モータモジュール)
少なくとも 1 つの安全監視機能が有効にされるまで (つまり、p9601 = p9801 ≠ 0)、
「Safe Brake Control」機能は使用できません。
2 チャンネルブレーキ制御
注記
ブレーキを接続
ブレーキはシャーシのモータモジュールに直接適用することができません。 接続端子
は、150 mA の DC 24 V 専用で設計されています; 安全ブレーキアダプタは、これより
大きな電流および電圧の場合に必要となります。
ブレーキは、基本的にコントロールユニットで制御されます。 ブレーキの作動には 2
つの信号経路を使用できます。
ነዐእዊዙወ䵾⷟
ነዐእዊዙወዃከአ
እ኿ዙኜ኿ንዂዙወ
⸘⏷ኳዉዙኊ዇ዉዙ
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ወ䵾⷟
%5
኿ዙኜ
ኳዉዙኊ峉㠼
7%
0
%5
0
%5
図 9-1
2 チャンネルブレーキ制御、ブロックサイズ (例)
「Safe Brake Control」機能では、モータ/パワーモジュールは、コントロールユニット
が故障または誤動作したときに、監視機能によりブレーキ電流が中断されてブレーキが
閉じることを想定しています。
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
533
Safety Integrated の基本機能
9.7 応答時間
ブレーキ診断は、ステータスが変わる時 (ブレーキの「開」または「閉」時) に、いず
れかのスイッチの誤作動 (TB+、TB-) のみを確実に検出することができます。
モータモジュールまたはコントロールユニットが故障を検出する場合、ブレーキ電流の
スイッチが切られ、安全ステータスに到達します。
「Safe Brake Control」機能の応答時間
入力端子でこの機能が選択/選択解除された場合の応答時間については、「応答時間」
の表を参照してください。
通知
「Safe Brake Control」のリレーによりブレーキが制御される場合:
「Safe Brake Control」を使用する場合、ブレーキ制御故障を開始する場合があるた
め、リレーを介してブレーキを切り替えることは許容されません。
9.7
応答時間
基本機能は、監視クロックサイクルで実行されます (p9780)。 PROFIsafe
テレグラムは PROFIsafe スキャンサイクルで評価されます、これは、監視クロックサ
イクルの二倍に一致します
(PROFIsafe スキャンサイクル = 2 × r9780)。
注記
ONLINE でドライブに接続している場合、監視クロックサイクル (r9780) の実績値のみ
がわかります。 但し、大まかに応答時間を計算するために以下の数値が使用できます:
534
p0115[0] = 31.25 μs または 62.5 μs または 125 μs
r9780 = 4 ms
p0115[0] = 250 μs
r9780 = 8 ms
p0115[0] = 400 μs または 500 μs
r9780 = 16 ms
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
Safety Integrated の基本機能
9.7 応答時間
コントロールユニットおよびモータモジュール上の端子を介した基本機能の制御 (CU310-2 および
CU320-2)
以下の表は、応答が実際に発生するまでの、端子を介した制御からの応答時間を示して
います。
表 9- 2
コントロールユニットおよびモータモジュール上の端子を介した制御の応答時間
機能
代表値
最悪の場合
STO
2 x r9780 + t_E
4 x r9780 + t_E
SBC
4 x r9780 + t_E
8 x r9780 + t_E
2 x r9780 + t_E + p9652
4 x r9780 + t_E + p9652
4 x r9780 + t_E + p9652
8 x r9780 + t_E + p9652
2 x r9780 + t_E + 2 ms
4 x r9780 + t_E + 2 ms
SS1 (時間制御)
STO が開始されるまでの選択
SS1 (時間制御)
SBC が開始されるまでの選択
SS1 (時間制御)
制動が開始されるまでの選択
t_E には以下が適用されます (使用中のデジタル入力 F-DI のデバウンス時間):
p9651 = 0
t_E = p0799 (デフォルト = 4 ms)
p9651 ≠ 0
t_E = p9651 + 1 ms
注意
端子を介して制御された STO のパワーモジュールの応答時間:
5 x r9780 + p0799
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
535
Safety Integrated の基本機能
9.8 コントロールユニットおよびモータ/パワーモジュール上の端子を介した制御
PROFIsafe を介した基本機能の制御 (CU310-2 および CU320-2)
下表は、特別な応答を開始するまでのコントロールユニットでの PROFIsafe テレグラ
ムを受信するまでの応答時間を示しています。
表 9- 3
PROFIsafe を介した制御時の応答時間
機能
代表値
最悪の場合
STO
5 x r9780
5 x r9780
SBC
6 x r9780
10 x r9780
5 x r9780 + p9652
5 x r9780 + p9652
6 x r9780 + p9652
10 x r9780 + p9652
2 x r9780 + 2 ms
4 x r9780 + 2 ms
SS1 (時間制御)
STO が開始されるまでの選択
SS1 (時間制御)
SBC が開始されるまでの選択
SS1 (時間制御)
制動が開始されるまでの選択
9.8
コントロールユニットおよびモータ/パワーモジュール上の端子を
介した制御
特徴
●
基本機能の場合のみ
●
2 つのデジタル入力を介した 2 チャンネル構造 (コントロールユニット/パワーユニ
ット)
●
デバウンス機能は、外乱信号またはテスト信号による不正なトリップを防止するた
めに、コントロールユニットおよびモータモジュールの端子に適用できます。 平滑
化時間は、パラメータ p9651 および p9851 を使用して設定されます。
●
タイプに依存して異なる端子ブロック
●
並列接続されたシャーシのパワーモジュールのためのコントロールユニット上の最
大 8 点のデジタル入力 (p9620[0...7]) の自動 ANDing
536
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
Safety Integrated の基本機能
9.8 コントロールユニットおよびモータ/パワーモジュール上の端子を介した制御
SINAMICS S120 のセーフティ機能端子一覧
SINAMICS S120 のパワーモジュールが異なると、セーフティ機能の入力端子の名称も
異なります。 これらは以下の表に示されています。
表 9- 4
セーフティ機能の入力
モジュール
1. スイッチオフ信号経
路 (p9620[0])
コントロールユニット
X122.1....6/X132.1…6
CU320-2
DI 0...7/16/17/20/21
2. スイッチオフ信号経路 (EP 端
子)
ブックサイズ/ブックサ (「CU320-2」を参照)
X21.3 および X21.4
イズコンパクトのシン
(モータモジュール上)
グルモータモジュール
シングルモータモジュ
(「CU320-2」を参照)
X41.1 および X41.2
ール/
パワーモジュール
シ
ャーシ
ブックサイズ/ブックサ (「CU320-2」を参照)
X21.3 および X21.4 (モータ接続部
イズコンパクトのダブ
X1)
ルモータモジュール
X22.3 および X22.4 (モータ接続部
X2)
(モータモジュール上)
CUA31/CUA32 を含む
(「CU320-2」を参照)
X210.3 および X210.4
(CUA31/CUA32 上)
ブロックサイズのパワ
ーモジュール
コントロールユニット
X120.3
CU310-2
X121.1...4
CU 310-2 を含むシャー (「CU310-2」を参照)
X120.4 および X120.5
X41.1 および X41.2
シのパワーモジュール
端子に関する詳細は、『製品マニュアル』を参照してください。
STO、SS1 (時間制御)、SBC 用端子
これらの機能は、2 つの端子を使用して、それぞれのドライブに対して個別に選択/選択
解除されます。
1. コントロールユニット スイッチオフ信号経路 (CU310-2/CU320-2)
望まれる入力端子は BICO 接続 (BI: p9620[0]) で選択されます。
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
537
Safety Integrated の基本機能
9.8 コントロールユニットおよびモータ/パワーモジュール上の端子を介した制御
2. スイッチオフ信号経路 (CUA3x または CU310-2) を含むモータモジュール/パワーモ
ジュール)
入力端子は「EP」端子です (「パルスイネーブル」)
EP 端子は、サンプリング時間で定期的に問い合わせます。サンプリング時間は電流
コントローラサイクルの整数倍に丸み付けされます。但し、最小 1 ms です (例: ti =
400 μs、tEP => 3 x ti = 1.2 ms)
許容時間 p9650/p9850 内に両方の端子が同時に励磁されなければなりません。そうし
なければ、故障が発生します。
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図 9-2
(39
(30
8
9
:
*
0
a
%5
%5
例: 「Safe Torque Off」用の端子: ブックサイズのモータモジュールおよび CU320-2 の例
ドライブをグループ化 (CU310-2 の場合を除く)
この機能が同時に複数のドライブで機能するように、対応するドライブの端子を以下の
ようにグループ化しなければなりません。
1. スイッチオフ信号経路
バイネクタ入力を 1 つのグループのドライブの接続入力端子に接続することで。
2. スイッチオフ信号経路 (CUA3x 付きモータモジュール/パワーモジュール)
グループに属する CUA31/CUA32 を含むそれぞれのモータモジュール/パワーモジュ
ール用端子に適切に配線することで。
538
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
Safety Integrated の基本機能
9.8 コントロールユニットおよびモータ/パワーモジュール上の端子を介した制御
注記
グループ化は両方の監視チャンネルで同一にしなければなりません。
ドライブの故障により「Safe Torque Off」(STO) が生じる場合、同一グループの他の
ドライブが自動的に「Safe Torque Off」(STO) に切り替わるということではありませ
ん。
スイッチオフ信号経路の試験中に割り付けが確認されます。この時、オペレータが
「Safe Torque Off」をそれぞれのグループに対して選択します。 この確認はドライブ
固有です。
例: 端子グループ
グループ 1 (ドライブ 1 および 2) とグループ 2 (ドライブ 3 および 4) で個別に「Safe
Torque Off」の選択/選択解除が可能でなければなりません。
このため、「Safe Torque Off」の同一グループ化がコントロールユニットおよびモータ
モジュールの両方で実現されなければなりません。
ኍወዙኴ
ት指㔭指㔭屲棳
ኍወዙኴ
ት指㔭指㔭屲棳
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S>@
;
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U
0
ኦ዆ኁኳ
S>@
ኍወዙኴ
図 9-3
ኍወዙኴ 例: ブックサイズのモータモジュールと CU320-2 の端子をグループ化
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
539
Safety Integrated の基本機能
9.8 コントロールユニットおよびモータ/パワーモジュール上の端子を介した制御
シャーシのモータモジュールの並列接続についての情報
シャーシモータモジュールが並列接続されている場合、安全 AND 要素が並列ドライブ
オブジェクトで生成されます。 p9620 のインデックス数は、p0120 の並列されるシャ
ーシコンポーネント数に一致します。
9.8.1
2 つの監視チャンネルの同時性および許容時間
「Safe Torque Off」機能は、入力端子を使用して両方の監視チャンネルで同時に選択/
選択解除しなければなりません。この機能は該当するドライブでのみ有効です。
1 信号: 機能を選択解除
0 信号: 機能を選択
機械的な切り替えプロセスによる不可避な遅延時間は、例えば、パラメータを介して調
整できます。p9850/p9650 で、2 つの監視チャンネルの選択/選択解除が「同時」と考
えられるように発生しなければならない許容時間を指定します。
注記
故障が不正にトリガされることを回避するために、これらの入力では許容時間は 2 つの
切り替えイベント (ON/OFF、OFF/ON) 間の最短時間よりも短い時間に設定されなけれ
ばなりません。
「Safe Torque Off」機能が許容時間内に選択/選択解除されない場合、これが相互デー
タ比較で検出され、故障 F01611 または F30611 (STOP F) が出力されます。 この場合、
一方のチャンネルで「Safe Torque Off」が設定された結果として、パルスが既にブロッ
クされています。
9.8.2
ビットパターンテスト
フェースセーフ出力のビットパターン出力
インバータは通常、直ちにフェールセーフ入力の信号変化に一致します。 以下の場合
にはこれは望ましいものではありません。 複数の制御モジュールがビットパターンテ
スト (オン/オフテスト) を使用してフェールセーフ出力をテストし、短絡またはクロス
回路により故障を特定する。 コントロールモジュールのフェールセーフ出力にインバ
ータのフェールセーフ入力を接続する場合、インバータはこれらのテスト信号に一致し
ます。
540
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
Safety Integrated の基本機能
9.9 「STO」機能、「SBC」機能、「SS1」機能の試運転
⏴┪≰⚆
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ኰአእኮኜዙዐኣኖእ
W
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W
図 9-4
ビットパターンテストへのインバータ応答
注記
テストパルスにより、Safety Integrated 機能が不意にトリガされる場合、端子入力のフ
ィルタリング (p9651/p9851 SI STO/SBC/SS1 デバウンス時間) をパラメータ設定しな
ければなりません。
主要パラメータ一覧 (『SINAMICS S120/S150 リストマニュアル』を参照)
●
p9651 SI STO/SBC/SS1 デバウンス時間 (コントロールユニット)
●
p9851 SI STO/SBC/SS1 デバウンス時間 (コントロールユニット)
9.9
「STO」機能、「SBC」機能、「SS1」機能の試運転
9.9.1
安全機能の試運転の概要
試運転に関する注記
通知
安全関連の理由により、STARTER 試運転ツール (または SCOUT) では、コントロー
ルユニットのセーフティ関連パラメータをオフラインでのみ設定できます。 モータモ
ジュールのセーフティ関連パラメータを設定するには、SINAMICS S120 へのオンラ
イン接続を確立し、セーフティコンフィグレーションの開始画面で [Copy parameter]
(パラメータをコピー) ボタンでパラメータをモータモジュールにコピーします。
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
541
Safety Integrated の基本機能
9.9 「STO」機能、「SBC」機能、「SS1」機能の試運転
注記
• 「STO」、「SBC」および「SS1」機能はドライブ固有です。 つまり、それらの機
能はそれぞれのドライブで個別に試運転されなければならないということです。
• モータモジュールのバージョンに互換性がない場合、コントロールユニットは、セ
ーフティ試運転モード (p0010 =95) への切り替え中に以下のような応答を行います:
– 故障 F01655 (SI CU: 監視機能を配列) が出力されます。 故障で停止応答 OFF2
が開始されます。
この故障は、セーフティ試運転モード (p0010 ≠ 95) が終了するまで確認できませ
ん。
– コントロールユニットは、セーフティスイッチオフ信号経路を介して安全パルス
ブロックをトリガします。
– パラメータ (p1215) が設定されいる場合、モータ保持ブレーキが適用されます。
– セーフティ機能 (p9601/p9801 および p9602/p9802) は、イネーブルできません
。
セーフティ機能を試運転するための前提条件
1. ドライブの試運転が完了されていなければなりません。
2. セーフティ関連ではないパルスブロックが存在しなければなりません (例:
OFF1 = 「0」または OFF2 = 「0」を介して)
モータ保持ブレーキが接続されて、パラメータ設定されている場合には保持ブレー
キが適用されます。
3. 「Safe Torque Off」の端子は配線されていなければなりません。
4. SBC での運転の場合、以下が適用されます:
保持ブレーキ付きモータは、モータモジュールの適切な端子に接続されていなけれ
ばなりません。
セーフティ機能の標準的な試運転
1. 試運転が実行され STARTER にアップロードされたプロジェクトは、安全パラメー
タ設定を失うことなく、別のドライブユニットに伝送できます。
2. ソースとターゲットデバイスのファームウェアバージョンが異なっている場合、基
準チェックサム (p9799、p9899) を適合させなければならない場合があります。 こ
れは、故障 F01650 で表示されます (故障値: 1000) および F30650 (故障値: 1000).
542
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
Safety Integrated の基本機能
9.9 「STO」機能、「SBC」機能、「SS1」機能の試運転
3. プロジェクトのターゲットデバイスへのダウンロードが完了すると、アクセプタン
ステストが実行されなければなりません (「アクセプタンステストおよびアクセプタ
ンスプロトコル」章を参照)。 これは、故障 F01650 で表示されます (故障値: 2004).
通知
プロジェクトのダウンロードが完了すると、これは不揮発性のメモリカードに保存
されなければなりません (RAM から ROM へコピー)。
より新しいファームウェアバージョンのモータモジュールと交換
1. モータモジュールの故障後、より新しいモータモジュールに新しいファームウェア
バージョンをインストールすることができます。
2. 新旧のデバイスのファームウェアバージョンが異なっている場合、基準チェックサ
ム (p9899) の調整が必要になる場合があります (以下の表を参照)。 これは、故障
F30650 により表示されます (故障値: 1000).
表 9- 5
番号
基準チェックサム (p9899) の適用
パラメータ
説明/備考
1
p0010 = 95
Safety Integrated: 試運転モードを設定します。
2
p9761 = 「値」
セーフティパスワードを入力します。
3
p9899 =
モータモジュールの基準チェックサムを適用します。
「r9898」
4
p0010 ≠ 95
Safety Integrated: 試運転モードを終了
5
POWER ON
POWER ON を実行
STARTER のセーフティ画面で基準チェックサムを適用します:
●
[Change settings] →
●
[Enter password] →
●
[Activate settings]
これらのチェックサムは自動的に「設定を有効化」後に適用されます。
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
543
Safety Integrated の基本機能
9.9 「STO」機能、「SBC」機能、「SS1」機能の試運転
9.9.2
"STO"、"SBC" および "SS1" の試運転手順
端子経由で「STO (安全トルクオフ)」、「SBC (安全ブレーキ制御)」および「SS1
(安全停止 1)」機能を試運転するには、以下のステップを実行します。
表 9- 6
「STO (安全トルクオフ)」、「SBC (安全ブレーキ制御)」および「SS1 (安全停止 1)」機能の試運
転
番号
1
パラメータ
p0010 = 95
説明/備考
Safety Integrated: 試運転モードを設定します。
• 以下のアラームと故障が出力されます。
– A01698 (SI CU: 試運転モードがアクティブ)
初回試運転時のみ。
– F01650 (SI CU: 検収試験が必要)、故障値 = 130 (モータモジュール
用セーフティパラメータなし) の場合。
– F30650 (SI MM: 検収試験が必要)、故障値 = 130 (モータモジュール用
セーフティパラメータなし) の場合
検収試験と合格証、ステップ 15 を参照。
• コントロールユニットおよびモータモジュールにより、パルスは安全に
ブロックされ、監視されます。
• 安全活性信号は、コントロールユニットおよびモータモジュールで監視
されます。
• コントロールユニットとモータモジュール間の停止応答の切り替え機能
は有効です。
• 定数設定されたモータ保持ブレーキは、既に適用されています。
• このモードでは、セーフティパラメータの初回変更後に、故障 F01650
または F30650、故障値 = 2003 が出力されます。
この動作はセーフティ試運転の期間中ずっと適用されます。つまり、これが
常に安全パルス禁止を強制するために、セーフティ試運転モードが有効であ
る間は「STO (安全トルクオフ)」機能を選択/解除することができません。
2
p9761 = 「値」
セーフティパスワードを入力します。
Safety Integrated の初回試運転時には、以下が適用されます。
• セーフティパスワード = 0
• デフォルト設定 p9761 = 0
つまり、セーフティパスワードを初回試運転中に設定する必要はありませ
ん。
544
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
Safety Integrated の基本機能
9.9 「STO」機能、「SBC」機能、「SS1」機能の試運転
番号
パラメータ
3
説明/備考
「Safe Torque Off (安全トルクオフ)」機能をイネーブルします。
p9601.0
コントロールユニット端子での STO
p9801.0
モータモジュール端子での STO
• セーフティ試運転モードが終了するまで (つまり、p0010 ≠ 95 の設定
時)、パラメータは変更されません。
• 両方のパラメータは、データクロスチェックに含まれるため、同一でな
ければなりません。
4
「Safe brake control (安全ブレーキ制御)」機能をイネーブルにします。
p9602 = 1
コントロールユニット上で「SBC (安全ブレーキ制御)」をイネーブルにし
p9802 = 1
ます。
モータモジュール上で「SBC (安全ブレーキ制御)」をイネーブルにしま
す。
• セーフティ試運転モードが終了するまで (つまり、p0010 ≠ 95 の設定
時)、パラメータは変更されません。
• 両方のパラメータは、データクロスチェックに含まれるため、同一でな
ければなりません。
• 少なくとも 1 つの安全監視機能が有効にされるまで「Safe Brake Control
(安全ブレーキ制御)」機能は有効になりません
(つまり、p9601 = p9801 ≠ 0)。
5
「Safe Stop 1 (安全停止 1)」機能をイネーブルにします。
p9652 > 0
コントロールユニット上で「SS1 (安全停止 1)」をイネーブルします。
p9852 > 0
モータモジュール上で「SS1 (安全停止 1)」をイネーブルします。
• セーフティ試運転モードが終了するまで (つまり、p0010 ≠ 95 の設定
時)、パラメータは変更されません。
• 両方のパラメータは、データクロスチェックに含まれるため、同一でな
ければなりません。
• 少なくとも 1 つの安全監視機能が有効にされるまで 「Safe Stop 1 (安全
停止 1)」機能は有効になりません (つまり、p9601 = p9801 ≠ 0)。
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
545
Safety Integrated の基本機能
9.9 「STO」機能、「SBC」機能、「SS1」機能の試運転
番号
パラメータ
6
説明/備考
「Safe Torque Off (安全トルクオフ)」 (STO) の端子を設定します。
p9620 = 「値」
コントロールユニット上で STO の信号ソースを設定します。
「EP」端子
モータモジュール上で「EP」端子 (パルスイネーブル) を配線します。
• コントロールユニットの監視チャンネル:
BI を適切に接続することで:p9620 それぞれのドライブで以下が可能で
す:
– STO の選択/解除
– STO 用端子のグループ化
• モータモジュールの監視チャンネル:
それぞれのモータモジュールの「EP」端子をこれに応じて配線すること
で、以下が可能になります:
– STO の選択/解除
– STO 用端子のグループ化
注記 :
STO 端子は両方の監視チャンネルで同じようにグループ化されなければな
りません。
7
F-DI 切り替え許容時間を設定します。
p9650 = 「値」
コントロールユニットの F-DI 切り替え許容時間
p9850 = 「値」
モータモジュールの F-DI 切り替え許容時間
• セーフティ試運転モードが終了するまで (つまり、p0010 ≠ 95 の設定
時)、パラメータは変更されません。
• 2 つの監視チャンネルでランタイムが異なるため、F-DI 切り替え (例:
STO の選択/解除) は、直ちに有効にはなりません。 F-DI 切り替えの
後、ダイナミックデータは、この許容時間中データクロスチェックの対
象にはなりません。
• 両方のパラメータは、データクロスチェックに含まれるため、同一でな
ければなりません。 1 つの安全監視クロックサイクルの差は、これらの
値で許容されます。
546
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
Safety Integrated の基本機能
9.9 「STO」機能、「SBC」機能、「SS1」機能の試運転
番号
パラメータ
8
説明/備考
STOP F から STOP A への移行期間を設定します。
p9658 = 「値」
コントロールユニットでの STOP F から STOP A への移行時間
p9858 = 「値」
モータモジュールでの STOP F から STOP A への移行時間
• セーフティ試運転モードが終了するまで (つまり、p0010 ≠ 95 の設定
時)、パラメータは変更されません。
• STOP F は、F01611 または F30611 (SI: 監視チャンネルでの不具合) の
結果、データクロスチェックに違反がある場合に有効となる停止応答で
す。 STOP F は、通常「停止応答なし」をトリガします。
• パラメータ設定された時間が経過すると、STOP A (直ちにセーフティパ
ルス禁止) が故障 F01600 または F30600 (SI: STOP A がトリガ) でトリ
ガされます。
p9658 および p9858 のデフォルト設定は 0 です (つまり、STOP F は直
ちに STOP A に移行します)。
• 両方のパラメータは、データクロスチェックに含まれるため、同一でな
ければなりません。1 つの安全監視クロックサイクルの差は、これらの
値で許容されます。
9
p9659 = 「値」
強制休止エラー検出およびセーフティスイッチオフ経路の実行時間
• この時間が経過すると、ユーザはアラーム A01699 (SI CU: スイッチオ
フ信号経路の試験が必要) の結果、スイッチオフ経路の試験が要求されま
す (つまり、STO の選択/解除)。
• 試運転調整エンジニアは、強制休止エラー検出の実行およびセーフティ
スイッチオフ経路の試験に必要な時間を変更することができます。
10
指定チェックサムを調整します。
p9799 = "r9798"
コントロールユニット上の指定チェックサム
p9899 = "r9898"
モータモジュール上の指定チェックサム
チェックサムが確認されたセーフティパラメータの有効チェックサムは、以
下のように表示されます。
• コントロールユニットでの実際のチェックサム: r9798
• モータモジュールでの実際のチェックサム: r9898
指定チェックサム用にパラメータで実際のチェックサムを設定することで、
試運転調整エンジニアはそれぞれの監視チャンネルのセーフティパラメータ
確認します。
STARTER および SINAMICS Safety Integrated の試運転ウィザードが使用
される場合、この手順は自動的に実行されます。
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
547
Safety Integrated の基本機能
9.9 「STO」機能、「SBC」機能、「SS1」機能の試運転
番号
パラメータ
11
説明/備考
新しいセーフティパスワードを設定します。
p9762 = 「値」
新しいパスワードを入力します。
p9763 = 「値」
新しいパスワードを認証します。
• 新しいパスワードは、p9762 で入力され、p9763 で認証されるまで有効
にはなりません。
• 現時点では、セーフティパラメータを変更するために、p9761 に新しい
パスワードを入力する必要があります。
• セーフティパスワードを変更しても、p9799 および p9899 のチェックサ
ムを変更する必要はありません。
12
p0010 ≠ 95 である
Safety Integrated: 試運転モードを終了します。
値
• 少なくとも 1 つの安全監視機能が有効である場合 (p9601 = p9801 ≠ 0)、
チェックサムが確認されます。
コントロールユニットのターゲットチェックサムが正しく適用されてい
ない場合、故障 F01650 (SI CU: 受け入れ試験が必要) が故障コード
2000 と共に出力され、セーフティ試運転モードを完了できなくなりま
す。
モータモジュールのターゲットチェックサムが正しく適用されていない
場合、故障 F01650 (SI CU: 受け入れ試験が必要) が故障コード 2001 と
共に出力され、セーフティ試運転モードを完了できなくなります。
• 安全監視機能が有効ではない場合 (p9601 = p9801 = 0)、セーフティ試運
転モードはチェックサムの確認をせずに終了します。
セーフティ試運転モードが完了すると、以下が実行されます:
• 新しいセーフティパラメータは、コントロールユニットおよびモータモ
ジュールで有効です。
13
すべてのドライブパラメータ (ドライブグループ全体または 1 軸のみ) は、
RAM から ROM へ手動で保存されなければなりません。 これらのデータは
自動的には保存されません !
14
548
電源投入 (POWER
電源投入を実行。
ON)
試運転後、電源投入によるリセットを実行しなければなりません。
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
Safety Integrated の基本機能
9.9 「STO」機能、「SBC」機能、「SS1」機能の試運転
番号
15
パラメータ
-
説明/備考
受け入れ試験を実行し、合格証を発行します。
セーフティ試運転終了後、試運転調整を担当するエンジニアは有効化された
安全監視機能の受け入れ試験を実施しなければなりません。
受け入れ試験の結果は、受け入れ試験合格証に記載されなければなりませ
ん。
9.9.3
セーフティ故障
Safety Integrated 基本機能の故障メッセージは、標準メッセージバッファに保存されて
おり、そこから読み出すことができます。
Safety Integrated 基本機能に関連した故障が発生すると、以下の停止応答が開始される
場合があります:
表 9- 7
停止応答
Safety Integrated 基本機能への停止応答
トリガされると ...
動作
効果
STOP A は 確認できないパルス
関連監視チャンネルの モータはフリーラン停止
確認できま ブロックを含む全て
スイッチオフ信号経路 する、または、保持ブレ
せん
の安全関連の故障の
を介した安全パルスブ ーキにより制動されま
場合
ロックをトリガ SBC
確認可能な全てのセ
での運転中:
ーフティ故障の場合
モータ保持ブレーキを
STOP A
STOP F の追従応答と
す。
適用。
して
STOP A は、EN 60204-1 の停止カテゴリー 0 に相当します。
STOP A で、モータは「Safe Torque Off (STO)」機能により直接 0 ト
ルクに切り替えられます。
停止状態のモータは、不意の再起動起こりえません。
回転中のモータはフリーラン停止します。 これは、例えば、保持ブレー
キや運転ブレーキなどの外部制動メカニズムを使用して防止できます。
STOP A の実行中、「Safe Torque Off (STO)」は有効です。
ドライブ機能
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549
Safety Integrated の基本機能
9.9 「STO」機能、「SBC」機能、「SS1」機能の試運転
停止応答
トリガされると ...
動作
効果
STOP F
データクロスチェッ
STOP A への移行。
セーフティ機能の 1 つが
クでエラーが発生す
選択されている場合、
る場合。
調整可能な遅延 (デフォ
ルト設定は「遅延な
し」) がある追従応答
STOP A
STOP F は、恒久的にデータクロスチェック (DCC) に割り付けられてい
ます。 このようにして、故障が監視チャンネルで検出されます。
STOP F の後、STOP A がトリガされます。
STOP A の実行中、「Safe Torque Off (STO)」は有効です。
警告
垂直軸または吊り下げられた負荷が存在する場合、STOP A/F がトリガされると、制
御不能な軸の動作が発生する危険性があります。 「Safe Brake Control (SBC)」 (安
全ブレーキ制御) および十分な保持力がある保持ブレーキ (セーフティブレーキではあ
りません !) を使用することで、これを防止できます。
セーフティ故障の確認
セーフティ関連の故障を確認するための複数のオプションが存在します (詳細は『S120
試運転マニュアル』を参照)。
1. Safety Integrated 基本機能に関連する故障は、以下のようにして確認されなければ
なりません:
- 故障の原因を取り除きます
- 「Safe Torque Off (STO)」を解除します
- 故障を確認します
セーフティ機能のスイッチが「切」にされる (p9601 = p9801 = 0 時には、p0010 ≠ 95)
時にセーフティ試運転モードが終了される場合、全てのセーフティ故障を確認すること
ができます。
セーフティ試運転モードが再び選択される (p0010 = 95) と、以前に発生した全ての故
障が再表示されます。
550
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
Safety Integrated の基本機能
9.10 出荷試験および証明書
2. 上位コントローラは、PROFIsafe テレグラム (STW ビット 7) を介して信号「内部
イベント ACK」を設定します。 この信号の立ち下がりエッジで「内部イベント」状
態をリセットし、故障を確認します。
通知
セーフティ故障は、ドライブユニットの電源を遮断した後に再度スイッチ「入」/
「切」する (POWER ON) ことでも、(他の全ての故障のように) 確認することができ
ます。
この動作で故障の原因を取り除くことができなかった場合、起動後直ちにその故障が
再表示されます。
故障およびアラームの説明
注記
SINAMICS Safety Integrated の故障とアラームは、以下の説明書で説明されています:
参照: 『SINAMICS S120/S150 リストマニュアル』
9.10
出荷試験および証明書
注記
Safety Integrated 機能の試運転後、文書化されるパラメータを含む検収報告テンプレー
トを作成するために STARTER を使用することができます ([STARTER] → [Drive unit] →
[Documentation] を参照)。
電動ドライブのセーフティ機能のためのアクセプタンステスト要件 (コンフィグレーシ
ョンチェック) は、DIN EN 61800-5-2、7.1 章 f 項) に準拠するものです。 アクセプタ
ンステスト「コンフィグレーションチェック」は、この規格での名称です。
●
写真を含むアプリケーションの説明
●
アプリケーションで使用されるセーフティ関連コンポーネントの説明 (ソフトウェ
アバージョンを含む)
●
PDS(SR) リスト [Power Drive System(Safety Related)] セーフティ機能使用
●
指定された試験手順での、セーフティ機能の全ての試験結果
●
PDS(SR) のセーフティ関連パラメータおよびパラメータ値の一覧
●
チェックサム、テストデータおよび検査官による確認
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
551
Safety Integrated の基本機能
9.10 出荷試験および証明書
Safety Integrated 機能 (SI 機能) でのシステムのアクセプタンステストは、ドライブシ
ステムで実装された Safety Integrated の監視および停止機能の機能評価を中心に扱っ
ています。 この試験の目的は、定義されたセーフティ機能とテストメカニズム (強制点
検エラー検出対策) が正しく実装されているかどうかを検証し、許容範囲外の値を明ら
かに入力した場合の特定の監視機能の応答を検査することです。 このテストは、ドラ
イブ固有の全ての Safety Integrated モーション監視機能および増設 I/O モジュール
TM54F (使用されている場合) の汎用の Safety Integrated 機能をカバーするものでなけ
ればなりません。
警告
SI 機能パラメータが変更された場合、新たにアクセプタンステストを実行し、出荷レ
ポートに記録しなければなりません。
注記
アクセプタンステストは、セーフティ機能が正しくパラメータ設定されていることを保
証するためのものです。 測定値 (例: 距離、時間) および特定されるシステム動作 (例:
特定の停止の開始) を使用して、設定されたセーフティ機能の妥当性を確認することが
できます。 アクセプタンステストの目的は、潜在的なコンフィグレーションエラーを
特定すること、および/または、正しいコンフィグレーション機能を文書化することで
す。 測定値は代表値です (最悪の値ではありません)。 これらは、測定時の機械装置
の動作を示すものです。 これらの測定は、実際値を引き出すためには使用することが
できません (例: オーバートラバース距離の最大値)。
9.10.1
検収試験の構成
有資格者、アクセプタンステスト報告書
各 SI 機能の試験は、有資格者が実行し、アクセプタンステスト報告書に記載しなけれ
ばなりません。 報告書はアクセプタンステストを担当した人物により署名されなけれ
ばなりません。 アクセプタンステスト報告書の内容は、該当する機械装置のログブッ
クに記載されなければなりません。 SI パラメータへのアクセス権は、パスワードによ
り保護されなければなりません。 アクセプタンステスト報告書には手順のみを記載し
てください - パスワード自体はそこには記載してはいけません。 ここでいう有資格者
とは、セーフティ機能に関する技術的トレーニングを受け、十分な知識を有し、製造メ
ーカからアクセプタンステストの実施権限が認められている人です。
552
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
Safety Integrated の基本機能
9.10 出荷試験および証明書
注記
• 「初回試運転の手順」章の情報を遵守してください。
• 以下のアクセプタンステスト報告書は一例でもあり、推奨されるものです。
• 電子フォーマットのアクセプタンステスト報告書用テンプレートは、お近くのシー
メンス取扱店で入手していただけます。
アクセプタンステストの必要性
完全なアクセプタンステスト (この章で説明) は、機械装置の Safety Integrated 機能の
初回試運転後に要求されます。 セーフティ関連の機能拡張、試運転設定の他の直列の
機械装置への伝送、ハードウェアの変更、ソフトウェアの更新などでは、必要に応じて、
対象範囲を限定したアクセプタンステストを実施することができます。 必要なテスト
範囲を決定する条件、およびこの状況での提案の要約は以下に示されています:
部分的なアクセプタンステストを定義するには、先ず最初にアクセプタンステストの対
象を指定し、次にアクセプタンステストの要素を表す論理グループを定義する必要があ
ります。 アクセプタンステストは、それぞれのドライブで個別に実行しなければなり
ません (機械装置が許容する限り)。
アクセプタンステストの前提条件
●
機械装置は正しく配線されています。
●
防護扉監視デバイス、ライトバリアまたは非常リミットスイッチなど、全てのセー
フティ機器が接続され、運転の準備が完了しています。
●
例えば、ドライブ制御の変更されたダイナミック応答の結果、オーバートラベル距
離が変化かもしれないため、開ループおよび閉ループ制御の試運転は完了されなけ
ればなりません。 これらには以下が含まれます。例:
– 設定値チャンネルのコンフィグレーション
– 上位コントローラでの位置制御
– ドライブ制御
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
553
Safety Integrated の基本機能
9.10 出荷試験および証明書
9.10.1.1
完全な検収試験の内容
A) 文書
機械装置およびセーフティ機能の文書
1. 機械装置の説明 (概要なし)
2. コントローラの使用 (それが存在する場合)
3. コンフィグレーションダイアグラム
4. 機能表:
– 運転モードおよび防護ドアに依存する有効な監視機能
– 保護機能を備える他のセンサ
– 表にはコンフィグレーション作業の一部または結果が示されます
5. 各ドライブの SI 機能
6. セーフティ機器に関する情報
B) セーフティ機能の機能試験
詳細な機能試験および使用された SI 機能の評価 一部の機能では、これに個々のパラメ
ータのトレース記録が含まれます。 その手順は、以下のセクション、検収試験 (ペー
ジ 560)で説明されています。
STO、SS1 および SBC 機能の試験時には、トレース記録を作成する必要がありません。
C) 強制休止エラー検出の機能試験
各ドライブでのセーフティ機能の強制休止エラー検出を試験します (各コントロールモ
ードで)。
●
ドライブでのセーフティ機能の強制休止エラー検出の試験
– 基本機能を使用している場合、STO をもう一度有効化し、無効化する必要があり
ます。
– 拡張機能を使用している場合、試験停止を実行する必要があります。
D) 報告書の結論
試験した試運転状態の報告および連署
1. SI パラメータの検査
2. チェックサムのロギング (各ドライブで)
3. セーフティパスワードの発行およびこの処理の文書化 (セーフティ用パスワードは報
告書に記載しないで下さい!)
4. RAM から ROM へのバックアップ、STARTER へのプロジェクトデータのアップロ
ードおよびプロジェクトのバックアップ
5. 連署
554
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
Safety Integrated の基本機能
9.10 出荷試験および証明書
9.10.1.2
部分的な検収試験の内容
A) 文書
機械装置およびセーフティ機能の文書
1. ハードウェアデータの拡張/変更
2. ソフトウェアデータの拡張/変更 (バージョンを指定)
3. コンフィグレーションダイアグラムの拡張/変更
4. 機能表の拡張/変更
– 運転モードおよび防護ドアに依存する有効な監視機能
– 保護機能を備える他のセンサ
– 表にはコンフィグレーション作業の一部または結果が示されます。
5. ドライブ毎の SI 機能の拡張/変更
6. セーフティ機器の仕様の拡張/変更
B) セーフティ機能の機能試験
詳細な機能試験および使用された SI 機能の評価 一部の機能では、これに個々のパラメ
ータのトレース記録が含まれます。 その手順は、以下のセクション、検収試験 (ペー
ジ 560)で説明されています。
機能試験は、それぞれのセーフティ機能のパラメータが変更されていない場合、省くこ
とができます。 それぞれの機能のパラメータのみが変更されている場合、これらの機
能のみを新たに試験する必要があります。
STO、SS1 および SBC 機能の試験時には、トレース記録を作成する必要がありません。
C) 強制休止エラー検出の機能試験
各ドライブでのセーフティ機能の強制休止エラー検出を試験します (各コントロールモ
ードで)。
●
ドライブでのセーフティ機能の強制休止エラー検出の試験
– 基本機能を使用している場合、STO をもう一度有効化し、無効化する必要があり
ます。
– 拡張機能を使用している場合、試験停止を実行する必要があります。
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
555
Safety Integrated の基本機能
9.10 出荷試験および証明書
D) 取得実績値の機能試験
1. 取得実績値の一般的な試験
– コンポーネントの交換後、両方向での初回の有効化と短時間の運転
警告
この処理中に、担当者は危険エリアを離れなければなりません。
2. フェールセーフ取得実績値の試験
– 拡張機能が使用されている場合のみ必要
– モーション監視機能が有効な場合 (例 : SLS またはヒステリシスを伴う SSM)、両
方向でドライブを短時間運転
E) 報告書の結論
試験した試運転状態の報告および連署
1. チェックサムの拡張 (各ドライブで)
2. 連署
9.10.1.3
特定の測定のための試験範囲
特殊な測定のための部分的アクセプタンステストの範囲
表で指定された測定およびポイントは、「部分的アクセプタンステストの内容」章で提
供される情報に基づくものです。
表 9- 8
特殊な測定のための部分的アクセプタンステストの範囲
測定
A) 文書
B) セーフティ機能 C) 強制点検エラー
の機能試験
検出の機能試験
D) 取得実績値
の機能試験
E) 報告書の
結論
エンコーダシ
不要
不要
不要
要
要
SMC/SME の
要、ポイント 1
不要
不要
要
要
交換
および 2
DRIVE-CLiQ
要、ポイント 1
不要
不要
要
要
付きモータの
および 2
ステムの交換
交換
556
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
Safety Integrated の基本機能
9.10 出荷試験および証明書
測定
A) 文書
B) セーフティ機能 C) 強制点検エラー
の機能試験
検出の機能試験
コントロール
要、ポイント 1
不要
ユニット/パワ および 2
D) 取得実績値
の機能試験
E) 報告書の
結論
要、ポイント 1 の
要、ポイント 1 要
み
のみ
ーユニットハ
ードウェアの
交換
パワーモジュ
要、ポイント 1
あり、ポイント 1
要、ポイント 1 の
要、ポイント 1 要
ールまたは安
および 2
または 2 および 3
み
のみ
TM54F の交
要、ポイント 1
要、但し、セーフ 要
要、ポイント 1 要
換
および 2
ティ機能の選択的
のみ
全ブレーキリ
レーの交換
試験のみ
要、ポイント 2
要、新しいセーフ 要
要、ポイント 1 要
ア - 更新 (CU/ のみ
ティ機能が使用さ
のみ
パワーユニッ
れる場合
ファームウェ
ト/センサモジ
ュール)
セーフティ機
要、ポイント 4
要、該当する機能 不要
能のシングル
および 5
を試験
要
要、但し、セーフ 要
要
要
要
要
パラメータへ
の変更 (例:
SLS リミッ
ト)
他の機械装置
へのプロジェ
ティ機能の選択的
クトデータの
試験のみ
伝送 (連続試
運転)
下記も参照
部分的な検収試験の内容 (ページ 555)
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
557
Safety Integrated の基本機能
9.10 出荷試験および証明書
9.10.2
セーフティログブック
説明
「セーフティログブック」機能は、関連する CRC サムに影響を及ぼすセーフティパラ
メータの変更を検出するために使用されます。 CRC は p9601/p9801 (SI イネーブル、
ドライブ CU/モータモジュール内蔵機能) が > 0 の場合にのみ生成されます。
データ変更は、SI パラメータの CRC が変化する場合に検出されます。 ドライブが SI
故障メッセージを出力せずに動作できるように、有効になる各 SI パラメータ変更には
基準 CRC の変更が必要とされます。 機能上のセーフティ変更に加えて、CRC が変更
された場合、ハードウェア交換の結果としてのセーフティ変更を検出できます。
以下の変更がセーフティログブックに記録されます:
●
機能変更は、チェックサム r9781[0] に記録されます:
– 各軸で、ドライブに内蔵されたセーフティ基本機能の機能的サイクリック冗長性
チェック (p9799、SI 設定値チェックサム SI パラメータ CU)
– ドライブ内蔵機能をイネーブル (p9601)
9.10.3
表 9- 9
関連マニュアル
機械の説明とダイアグラムの概要
名称
タイプ
シリアル番号
製造メーカ
エンドユーザ
電動軸
他の軸
スピンドル
機械装置の外観図
558
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
Safety Integrated の基本機能
9.10 出荷試験および証明書
表 9- 10
関連マシンデータの値
パラメータ
FW バージョン
-
コントロールユ
r0018 =
-
FW バージョン
SI バージョン
-
r9770 =
r0128 =
r9870 =
r0128 =
r9870 =
r0128 =
r9870 =
r0128 =
r9870 =
r0128 =
r9870 =
r0128 =
r9870 =
SI 監視クロックサイクル
SI 監視クロックサイクル
コントロールユニット
モータモジュール
r9780 =
r9880 =
r9780 =
r9880 =
r9780 =
r9880 =
r9780 =
r9880 =
r9780 =
r9880 =
r9780 =
r9880 =
SI 基準チェックサム SI パ
SI 基準チェックサム SI パラメ
ラメータ (コントロールユ
ータ (モータモジュール)
ニット
ドライブ番号
パラメータ
モータモジュー
ル
ドライブ番号
パラメータ
モータモジュー
ル
Safety Integrated チェックサム
基本機能
ドライブ番号
ニット)
p9799 =
表 9- 11
p9899 =
各ドライブの SI 機能
ドライブ番号
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
SI 機能
559
Safety Integrated の基本機能
9.10 出荷試験および証明書
表 9- 12
セーフティ機器の説明
例:
STO 端子の配線 (防護ドア、非常停止)、STO 端子のグループ化、垂直軸用の保持ブレーキ、など。
9.10.4
検収試験
9.10.4.1
検収試験に関する一般情報
注記
可能な範囲で、検収試験は、予想可能な最大制動距離および制動時間を決定するため
に、最大許容機械速度および加速度で実行する必要があります。
注記
緊急性のないアラーム
アラームバッファを評価する際、以下のアラームを許容することができます。
• A01697 SI モーション: 必要とされるモーション監視試験
• A01796 SI モーション CU: 通信を待機
これらのアラームは、毎システム起動後に発生し、緊急性のないものとして評価するこ
とができます。 これらのアラームを検収報告書に含める必要はありません。
560
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
Safety Integrated の基本機能
9.10 出荷試験および証明書
9.10.4.2
表 9- 13
「安全トルクオフ」(STO) の出荷試験
「Safe Torque Off」アクセプタンステスト
番号
説明
ステータス
注:
アクセプタンステストは、それぞれのコンフィグレーションされた制御に対して個別に実施されなけれ
ばなりません。
制御は端子および/または PROFIsafe を介して実現できます。
1.
初期状態
• 「Ready」状態 (p0010 = 0) のドライブ
• STO 機能イネーブル済 (オンボード端子 / PROFIsafe p9601.0 = 1 および/ま
たは p9601.3 = 1)
• セーフティ故障およびアラームなし (r0945[0...7]、r2122[0...7]); 「アクセプ
タンステスト」セクションの冒頭の「深刻ではないアラーム」を参照。
• r9772.17 = 0 (端子を介した STO 選択解除 - DI CU / EP 端子モータモジュー
ル); 端子を介して STO にのみ関連
• r9772.20 = 0 (PROFIsafe を介した STO 選択解除); PROFIsafe を介した
STO にのみ関連
• r9773.0 = r9773.1 = 0 (STO 選択解除かつ無効 – ドライブ)
• r9774.0 = r9774.1 = 0 (STO 選択解除済および無効 - グループ); グループ化
にのみ関連
2.
ドライブを作動します
• 正しいドライブが運転可能かどうか確認します
トラバースコマンドを発行時に STO を選択し、以下を確認します:
• ドライブはフリーラン停止する、または、機械式ブレーキの制動により停止
します。
• セーフティ故障およびアラームなし (r0945[0...7]、r2122[0...7])
• r9772.17 = 1 (端子を介して STO 選択 - DI CU / EP 端子モータモジュール);
端子を介して STO にのみ関連
• r9772.20 = 1 (PROFIsafe を介した STO 選択解除); PROFIsafe を介した
STO にのみ関連
• r9773.0 = r9773.1 = 1 (STO 選択済および有効 – ドライブ)
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
561
Safety Integrated の基本機能
9.10 出荷試験および証明書
番号
説明
ステータス
• r9774.0 = r9774.1 = 1 (STO 選択済および有効 - グループ); グループ化にの
み関連
3.
STO を選択解除し、以下を確認します:
• セーフティ故障およびアラームなし (r0945[0...7]、r2122[0...7])
• r9772.17 = 0 (端子を介した STO 選択解除 - DI CU / EP 端子モータモジュー
ル); 端子を介して STO にのみ関連
• r9772.20 = 0 (PROFIsafe を介した STO 選択解除); PROFIsafe を介した
STO にのみ関連
• r9773.0 = r9773.1 = 0 (STO 選択解除済および無効 – ドライブ)
• r9774.0 = r9774.1 = 0 (STO 選択解除済および無効 - グループ); グループ化
にのみ関連
4.
スイッチオン禁止を確認し、ドライブを作動します。正しいドライブが運転可能かどうか確認し
ます。
9.10.4.3
表 9- 14
安全停止 1、時間制御(SS1)の出荷試験
「Safe Stop 1」機能
番号
説明
ステータス
注:
アクセプタンステストは、それぞれのコンフィグレーションされた制御に対して個別に実施されなけれ
ばなりません。
制御は端子および/または PROFIsafe を介して実現できます。
1.
初期状態
• 「Ready」状態 (p0010 = 0) のドライブ
• STO 機能イネーブル済 (オンボード端子 / PROFIsafe p9601.0 = 1 および/ま
たは p9601.3 = 1)
• SS1 機能イネーブル済 (p9652 > 0)
• 「Auto-Hotspot」の場合のみ:
p9653 = 1
• セーフティ故障およびアラームなし (r0945[0...7]、r2122[0...7]); 「アクセプ
タンステスト」セクションの冒頭の「深刻ではないアラーム」を参照。
562
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
Safety Integrated の基本機能
9.10 出荷試験および証明書
番号
説明
ステータス
• r9772.22 = 0 (端子を介した SS1 選択解除 – DI CU / EP 端子モータモジュー
ル); 端子を介した SS1 にのみ関連
• r9772.23 = 0 (PROFIsafe を介した SS1 選択解除); PROFIsafe を介した
SS1 にのみ関連
• r9773.0 = r9773.1 = 0 (STO 選択解除済および無効 – ドライブ)
• r9773.5 = r9773.6 = 0 (SS1 選択解除済および無効 – ドライブ)
• r9774.0 = r9774.1 = 0 (STO 選択解除済および無効 - グループ); グループ化
にのみ関連
• r9774.5 = r9774.6 = 0 (SS1 選択解除済および無効 - グループ); グループ化
のみに関連
2.
ドライブを作動します
正しいドライブが運転可能かどうか確認します
トラバースコマンドを発行する際に SS1 を選択し、以下を確認してください:
• ドライブは OFF3 ランプに沿って制動します (p1135) (SS1 の場合を除く、
OFF3 を伴わない)
SS1 遅延時間 (p9652、p9852) が経過する前に、以下が適用されます:
• r9772.22 = 1 (端子を介した SS1 選択 – DI CU / EP 端子モータモジュール);
端子を介した SS1 にのみ関連
• r9772.23 = 1 (PROFIsafe を介した SS1 選択); PROFIsafe を介した SS1 に
のみ関連
• r9773.0 = r9773.1 = 0 (STO 選択解除済および無効 – ドライブ)
• r9773.5 = r9773.6 = 1 (SS1 選択済および有効 – ドライブ)
• r9774.0 = r9774.1 = 0 (STO 選択解除済および無効 - グループ); グループ化
にのみ関連
• r9774.5 = r9774.6 = 1 (SS1 選択済および有効 - グループ); グループ化のみ
に関連
SS1 遅延時間の経過後 (p9652、p9852)、STO が開始されます。
• セーフティ故障およびアラームなし (r0945[0...7]、r2122[0...7])
• r9773.0 = r9773.1 = 1 (STO 選択済および有効 – ドライブ)
• r9773.5 = r9773.6 = 1 (SS1 選択済および有効 – ドライブ)
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
563
Safety Integrated の基本機能
9.10 出荷試験および証明書
番号
説明
ステータス
• r9774.0 = r9774.1 = 1 (STO 選択済および有効 - グループ); グループ化にの
み関連
• r9774.5 = r9774.6 = 1 (SS1 選択済および有効 - グループ); グループ化のみ
に関連
3.
SS1 をキャンセル
• セーフティ故障およびアラームなし (r0945[0...7]、r2122[0...7])
• r9772.22 = 0 (端子を介した SS1 選択解除 – DI CU / EP 端子モータモジュー
ル); 端子を介した SS1 にのみ関連
• r9772.23 = 0 (PROFIsafe を介した SS1 選択解除); PROFIsafe を介した
SS1 にのみ関連
• r9773.0 = r9773.1 = 0 (STO 選択解除済および無効 – ドライブ)
• r9773.5 = r9773.6 = 0 (SS1 選択解除済および無効 – ドライブ)
• r9774.0 = r9774.1 = 0 (STO 選択解除済および無効 - グループ); グループ化
にのみ関連
• r9774.5 = r9774.6 = 0 (SS1 選択解除済および無効 - グループ); グループ化
のみに関連
4.
スイッチオン禁止を確認し、ドライブを作動します。 正しいドライブが運転可能かどうか確認し
ます。
9.10.4.4
表 9- 15
「安全ブレーキ制御」(SBC)の出荷試験
「Safe Brake Control」機能
番号
説明
ステータス
注:
アクセプタンステストは、それぞれのコンフィグレーションされた制御に対して個別に実施されなけれ
ばなりません。
制御は端子および/または PROFIsafe を介して実現できます。
1.
初期状態
• 「Ready」状態 (p0010 = 0) のドライブ
• STO 機能イネーブル済 (オンボード端子 / PROFIsafe p9601.0 = 1 および/ま
たは p9601.3 = 1)
• SBC 機能をイネーブル (p9602 = 1、p9802 = 1)
564
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
Safety Integrated の基本機能
9.10 出荷試験および証明書
番号
説明
ステータス
• シーケンス制御などのブレーキまたは常に「開」のブレーキ (p1215 = 1 ま
たは p1215 = 2)
• セーフティ故障およびアラームなし (r0945[0...7]、r2122[0...7]); 「アクセプ
タンステスト」セクションの冒頭の「深刻ではないアラーム」を参照。
• r9773.4 = 0 (SBC 必要なし - ドライブ)
• r9774.4 = 0 (SBC 必要なし - グループ); グループ化のみに関連
• r9773.1 = 0 (STO 無効 – ドライブ)
• r9774.1 = 0 (STO 無効 – グループ); グループ化のみに関連
2.
ドライブを運転 (適用される場合、ブレーキは「開」されます)
• 正しいドライブが運転可能かどうか確認します
トラバースコマンドを発行する際に、STO/SS1 を選択し、以下を確認してください:
• ブレーキが適用されます (SS1 の場合、ドライブは OFF3 ランプに沿ってそ
の前から減速されます)
• セーフティ故障およびアラームなし (r0945[0...7]、r2122[0...7])
• r9773.4 = 0 (SBC 必要なし - ドライブ)
• r9774.4 = 0 (SBC 必要なし - グループ); グループ化のみに関連
• r9774.1 = 0 (STO 無効 – グループ); グループ化のみに関連
3.
STO を選択解除し、以下を確認します:
• セーフティ故障およびアラームなし (r0945[0...7]、r2122[0...7])
• r9773.4 = 0 (SBC 必要なし - ドライブ)
• r9774.4 = 0 (SBC 必要なし - グループ); グループ化のみに関連
• r9774.1 = 0 (STO 無効 – グループ); グループ化のみに関連
4.
スイッチオン禁止を確認し、ドライブを作動します。正しいドライブが運転可能かどうか確認
します。
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
565
Safety Integrated の基本機能
9.10 出荷試験および証明書
9.10.5
検査証完成
SI パラメータ
指定値を確認しましたか?
はい
いいえ
コントロールユニット
モータモジュール
チェックサム
基本機能
ドライブ名
ドライブ名
ドライブ番号
ドライブ番号
SI 基準チェックサム
SI パラメータ (コント
ロールユニット)
SI 基準チェックサム SI
パラメータ (モータモジ
ュール)
p9799 =
p9899 =
p9799 =
p9899 =
p9799 =
p9899 =
p9799 =
p9899 =
p9799 =
p9899 =
p9799 =
p9899 =
SI 基準チェックサム
SI パラメータ (コント
ロールユニット)
SI 基準チェックサム SI
パラメータ (モータモジ
ュール)
p9399[0] =
p9729[0] =
p9399[1] =
p9729[1] =
p9729[2] =
p9399[0] =
p9729[0] =
p9399[1] =
p9729[1] =
p9729[2] =
566
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
Safety Integrated の基本機能
9.10 出荷試験および証明書
ドライブ名
ドライブ番号
SI 基準チェックサム
SI パラメータ (コント
ロールユニット)
SI 基準チェックサム SI
パラメータ (モータモジ
ュール)
p9399[0] =
p9729[0] =
p9399[1] =
p9729[1] =
p9729[2] =
p9399[0] =
p9729[0] =
p9399[1] =
p9729[1] =
p9729[2] =
p9399[0] =
p9729[0] =
p9399[1] =
p9729[1] =
p9729[2] =
p9399[0] =
p9729[0] =
p9399[1] =
p9729[1] =
p9729[2] =
セーフティログブック
機能的 1)
変更の機能的トラッキングのチェックサム
r9781[0] =
変更のハードウェア依存のトラッキングのチェックサム
r9781[1] =
変更の機能的トラッキングの時間スタンプ
r9782[0] =
変更のハードウェア依存のトラッキングの時間スタンプ
r9782[1] =
1) これらのパラメータはコントロールユニットのエキスパートリストにあります。
データバックアップ
保存場所
記憶媒体
タイプ
名称
日付
パラメータ
PLC プログラム
回路図
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
567
Safety Integrated の基本機能
9.11 パラメータとファンクションダイアグラムの概要
連署
試運転エンジニア
これは、試験と確認が適切に実行されたことを認証するものです。
日付
名称
社名/部署名
署名
機械製造メーカ
これは、記録された上記パラメータが正しいことを認証するものです。
日付
9.11
名称
社名/部署名
署名
パラメータとファンクションダイアグラムの概要
ファンクションダイアグラム (『SINAMICS S120/S150 リストマニュアル』を参照)
568
●
2800 パラメータマネージャ
●
2802 監視および故障/アラーム
●
2804 ステータスワード
●
2810 STO (Safe Torque Off)、SS1 (Safe Stop 1)
●
2814 SBC (Safe Brake Control)、SBA (Safe Brake Adapter)
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
Safety Integrated の基本機能
9.11 パラメータとファンクションダイアグラムの概要
パラメータ一覧 (『SINAMICS S120/S150 リストマニュアル』を参照)
表 9- 16
Safety Integrated のパラメータ
コントロールユニ モータモジュー
ット (CU) 番号
ル (MM) 番号
名称
以下への変更可
p9601
p9801
SI セーフティ機能有効
Safety Integrated 試
p9602
p9802
SI 安全ブレーキ制御をイネーブル
運転
p9610
p9810
SI PROFIsafe アドレス (コントロールユニ
(p0010 = 95)
ット)
p9620
-
Safe Torque Off 用 SI 信号ソース
p9650
p9850
SI SGE 切り替え、許容時間 (モータモジュ
ール)
p9651
p9851
SI STO/SBC/SS1 デバウンス時間 (コント
ロールユニット)
p9652
p9852
SI Safe Stop 1 遅延時間
p9658
p9858
SI 移行時間、STOP F から STOP A
p9659
-
SI タイマ、強制点検エラー検出用
p9761
-
SI パスワード入力
あらゆる運転モード
で
p9762
-
SI パスワード、新規
Safety Integrated 試
p9763
-
SI パスワード確認
運転
r9770[0...2]
r9870[0...2]
SI ドライブに内蔵されたセーフティ機能バ
-
(p0010 = 95)
ージョン
r9771
r9871
SI 共通機能
-
r9772
r9872
SI CO/BO: ステータス
-
r9773
-
SI CO/BO: ステータス (コントロールユニッ ト + モータモジュール)
r9774
-
SI CO/BO: ステータス (Safe Torque Off グ
-
ループ)
r9780
r9880
SI 監視クロックサイクル
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
-
569
Safety Integrated の基本機能
9.11 パラメータとファンクションダイアグラムの概要
コントロールユニ モータモジュー
ット (CU) 番号
ル (MM) 番号
名称
以下への変更可
r9794
r9894
SI 交差比較リスト
-
r9795
r9895
SI 診断、STOP F 用
-
r9798
r9898
SI 実際のチェックサム SI パラメータ
-
p9799
p9899
SI ターゲットチェックサム SI パラメータ
Safety Integrated 試
運転
(p0010 = 95)
570
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
10
通信
通知
IT セキュリティ (産業用セキュリティ)
システムの安全運転を保証するために、例えば、産業用セキュリティまたはネットワ
ークセグメンテーションなどの適切な対策を講じなければなりません。 産業用セキュ
リティについての詳細は、以下の URL を参照して下さい:
www.siemens.de/industrialsecurity
10.1
PROFIdrive に準拠した通信
PROFIdrive は、製造および加工オートメーションシステムで幅広いアプリケーション
を備えるドライブテクノロジー用 PROFIBUS および PROFINET プロファイルです。
PROFIdrive は使用されるバスシステム (PROFIBUS、PROFINET) に依存しません。
注記
ドライブテクノロジー向けの PROFINET は標準化され、以下の文書で説明されていま
す:
• PROFIBUS プロファイル PROFIdrive–Profile ドライブテクノロジー、バージョン
V4.1、2006 年 5 月、PROFIBUS 協会
Haid-und-Neu-Straße 7, D-76131 Karlsruhe, http://www.profibus.com
注文番号 3.172、spec. 第 6 章
• IEC 61800-7
PROFIdrive デバイスクラス
表 10- 1
PROFIdrive デバイスクラス
PROFIdrive
PROFIBUS DP
PROFINET IO
周辺機器 (P デバイス)
DP スレーブ (I スレーブ) IO デバイス
コントローラ (上位コントロ
クラス 1 DP マスタ
IO コントローラ
クラス 2 DP マスタ
IO Supervisor
ーラまたはオートメーション
システムのホスト)
スーパバイザ (エンジニアリ
ングステーション)
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
571
通信
10.1 PROFIdrive に準拠した通信
コントローラ、スーパバイザおよびドライブユニットの特徴
表 10- 2
コントローラ、スーパバイザおよびドライブユニットの特徴
特徴
コントロー スーパバイ
ラ
ザ
ドライブユニット
バスノードとして
アクティブ
パッシブ
送信メッセージ
外部要求なしに許可
コントローラによる要求でのみ可能
受信メッセージ
制約なしで可能
受信および確認のみ許可
●
ドライブユニット (PROFIBUS: スレーブ、PROFINET IO: IO デバイス)
例:CU320-2 コントロールユニット
●
コントローラ (PROFIBUS: マスタクラス 1、PROFINET IO: IO コントローラ)
コントローラは、オートメーションプログラムが実行される代表的な上位コントロ
ーラです。
例: SIMATIC S7 および SIMOTION
●
スーパバイザ (PROFIBUS: マスタクラス 2、PROFINET IO: IO Supervisor)
バス運転中のコンフィグレーション、オペレータ制御および監視用デバイス – およ
び
ドライブユニットとコントローラで非サイクリックデータのみを交換するデバイス。
例: プログラミングデバイス、マンマシンインターフェース
通信サービス
2 つの通信サービスが PROFIdrive プロファイルで定義されます; つまり、サイクリッ
クデータ交換と非サイクリックデータ交換。
●
サイクリックデータチャンネルを介したサイクリックデータ交換:
モーションコントロールシステムは、開ループおよび閉ループ制御運転で更新され
たデータをサイクリックに要求します。 データは、通信システムを介して、設定値
の形式でドライブに送られ、実績値の形式でドライブユニットから伝送されなけれ
ばなりません。 このデータ伝送は通常タイムクリティカルです。
●
非サイクリックデータチャンネルを介した非サイクリックデータ交換:
コントローラ/スーパバイザおよびドライブユニット間のパラメータ交換用の非サイ
クリックパラメータチャンネルは追加で使用可能です。 このデータへのアクセスは
タイムクリティカルではありません。
●
アラームチャンネル
アラームは、イベントドリブンベースで出力され、発生および故障状態の経過を示
します。
572
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
通信
10.1 PROFIdrive に準拠した通信
インターフェース IF1 および IF2
CU320-2 コントロールユニットは、2 つの異なるインターフェース (IF1 および IF2) を
介して通信することができます。
表 10- 3
IF1 および IF2 の特徴
IF1
IF2
PROFIdrive
可
不可
スタンダードテレグラム
可
不可
クロックサイクル同期
可
可
ドライブオブジェクトの
全て
全て
タイプ
以下で使用可能:
PROFINET IO、PROFIBUS PROFINET IO、PROFIBUS
DP
DP、CANopen
サイクリック運転可能
可
可
PROFIsafe 可能
可
可
注記
IF1 および IF2 インターフェースに関する詳細は、本マニュアルの「通信インターフェ
ースの並列運転」を参照してください。
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
573
通信
10.1 PROFIdrive に準拠した通信
10.1.1
アプリケーションクラス
説明
アプリケーションプロセスのタイプに準拠して、PROFIdrive には様々なアプリケーシ
ョンクラスがあります。 PROFIdrive には 6 つのアプリケーションクラスがあり、その
うちの 4 つのクラスをここで説明します。
アプリケーションクラス 1 (標準ドライブ)
最も基本的な場合、殆どのドライブは PROFIBUS/PROFINET からの速度設定値を介し
て制御されます。 この場合、速度制御は完全にドライブコントローラで処理されます。
代表的なアプリケーション例は、ポンプやファン制御用の単純なインバータです。
$XWRPDWLRQ
7HFKQRORJ\
352),%86352),1(7
6SHHGVHWSRLQW
6SHHGDFWXDOYDOXH
'ULYH
'ULYH
2SHQ/RRS6SHHG&RQWURO
&ORVHG/RRS6SHHG&RQWURO
2SHQ/RRS6SHHG&RQWURO
&ORVHG/RRS6SHHG&RQWURO
2SHQ/RRS6SHHG&RQWURO
&ORVHG/RRS6SHHG&RQWURO
M
M
M
図 10-1
574
'ULYH
(QFRGHU
RSWLRQDO
(QFRGHU
RSWLRQDO
(QFRGHU
RSWLRQDO
アプリケーションクラス 1
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
通信
10.1 PROFIdrive に準拠した通信
アプリケーションクラス 2 (テクノロジーファンクション付き標準ドライブ)
全体のプロセスは複数の下位プロセスに区分され、ドライブ間に配置されます。 つま
り、オートメーション機能はセントラル方式のオートメーションデバイスのみに存在す
るのではなく、ドライブコントローラにも配置されるということです。
勿論、この配置は、通信があらゆる方向で、つまり、それぞれのドライブコントローラ
のテクノロジーファンクション間の交差通信でも可能であることを想定しています。
具体的なアプリケーションには、設定値のカスケード、巻線ドライブ装置および連続ウ
ェブによる連続処理のための速度同期制御アプリケーションがあります。
$XWRPDWLRQ
7HFKQRORJ\
352),%86352),1(7
7HFKQRORJLFDO$FWXDO9DOXHV3URFHVV6WDWHV
7HFKQRORJLFDO5HTXHVWV6HWSRLQWV
'ULYH
'ULYH
'ULYH
7HFKQRORJ\
7HFKQRORJ\
7HFKQRORJ\
&ORVHG/RRS6SHHG&RQWURO
&ORVHG/RRS6SHHG&RQWURO
3HULSKHUDOV,2
M
3HULSKHUDOV,2
M
(QFRGHU
図 10-2
&ORVHG/RRS6SHHG&RQWURO
3HULSKHUDOV,2
M
(QFRGHU
(QFRGHU
アプリケーションクラス 2
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
575
通信
10.1 PROFIdrive に準拠した通信
アプリケーションクラス 3 (位置決めドライブ)
ドライブ制御に加えて、ドライブには位置制御も含まれます。つまり、上位テクノロジ
ープロセスがコントローラで実行されている間、それが独立した 1 軸位置決めドライブ
として動作します。 位置決め要求は、PROFIBUS/PROFINET を介してドライブコント
ローラに伝送され、実行されます。 位置決めドライブには、充填プラントのキャップ
の取り付けや取り外し、フィルム裁断機のカッター位置など、非常に幅広いアプリケー
ションがあります。
$XWRPDWLRQ
7HFKQRORJ\
352),%86352),1(7
5XQ5HTXHVW
&RQILUPDWLRQRIWKH5XQ5HTXHVW
3RVLWLRQLQJ&WUO:RUG'HVWLQDWLRQ3RV
3RVLWLRQLQJ6WDWXV:RUG$FWXDO3RV
'ULYH
'ULYH
,QWHUSRODWLRQ
3RVLWLRQ&RQWURO
図 10-3
576
,QWHUSRODWLRQ
3RVLWLRQ&RQWURO
&ORVHG/RRS6SHHG&RQWURO
&ORVHG/RRS6SHHG&RQWURO
M
M
(QFRGHU
(QFRGHU
アプリケーションクラス 3
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
通信
10.1 PROFIdrive に準拠した通信
アプリケーションクラス 4 (セントラル方式のモーションコントロール)
このアプリケーションクラスは、多軸ドライブの同期制御されるモーションを伴うロボ
ットや工作機械に必要とされるドライブの速度制御とコントローラの位置制御を実行す
る速度設定値インターフェースを定義します。
モーションコントロールは、主にセントラル方式の数値制御 (CNC) により実装されま
す。 位置制御ループはバスを介して閉じられています。コントローラおよびドライブ
内の閉ループコントローラ位置制御サイクルの同期には、PROFIBUS DP および IRT
に対応した PROFINET IO により提供されるクロック同期が要求されます。
$XWRPDWLRQ
7HFKQRORJ\
,QWHUSRODWLRQ
3RV&RQWURO
352),%86352),1(7
&ORFN
6WDWXV:RUG$FWXDO3RVLWLRQ
&RQWURO:RUG6SHHG6HWSRLQW
&ORFNV\QFKURQLVP
'ULYH
'ULYH
図 10-4
'ULYH
&ORVHG/RRS6SHHG&RQWURO
&ORVHG/RRS6SHHG&RQWURO
&ORVHG/RRS6SHHG&RQWURO
M
M
M
(QFRGHU
(QFRGHU
(QFRGHU
アプリケーションクラス 4
Dynamic Servo Control (DSC)
PFOFIdrive プロファイルには「Dynamic Servo Control」コントロールコンセプトが含
まれます。 これは、単純な方法でアプリケーションクラス 4 での位置制御のダイナミ
ックな安定性を高めるために使用することができます。
このため、速度設定値インターフェースで代表的なデッドタイムは追加測定することで
最小限にされます (「ダイナミックサーボ制御」の章も参照)。
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
577
通信
10.1 PROFIdrive に準拠した通信
アプリケーションクラスに対するテレグラムの選択
以表に表示されるテレグラム (「テレグラムおよびプロセスデータ」章も参照) は、以
下のアプリケーションクラスで使用することができます:
表 10- 4
アプリケーションクラスに対するテレグラムの選択
クラス 1 クラス 2 クラス 3 クラス 4
説明
テレグラ
ム (p0922
= x)
1
速度設定値、16 ビット
x
x
2
速度設定値、32 ビット
x
x
3
速度設定値、1 台の位置エンコーダ付き 32 ビット
4
速度設定値、2 台の位置エンコーダ付き 32 ビット
x
5
速度設定値、1 台の位置エンコーダと DSC 付き
x
x
x
32 ビット
6
速度設定値、2 台の位置エンコーダと DSC 付き
x
32 ビット
7
位置決め、テレグラム 7 (簡易位置決め)
x
9
位置決め、テレグラム 9 (直接入力を含む簡易位置
x
決め)
20
速度設定値、16 ビット VIK-NAMUR
x
x
81
エンコーダテレグラム、1 エンコーダチャンネル
x
82
拡張エンコーダテレグラム、1 x エンコーダチャ
x
ンネル + 速度実績値 16 ビット
83
拡張エンコーダテレグラム、1 x エンコーダチャ
x
ンネル + 速度実績値 32 ビット
102
速度設定値、1 台の位置エンコーダとトルク逓減
x
を伴う 32 ビット
103
速度設定値、2 台の位置エンコーダとトルク逓減
x
を伴う 32 ビット
105
速度設定値、1 台の位置エンコーダ、トルク逓減
x
および DSC を伴う 32 ビット
106
速度設定値、2 台の位置エンコーダ、トルク逓減
x
および DSC を伴う 32 ビット
578
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
通信
10.1 PROFIdrive に準拠した通信
説明
テレグラ
ム (p0922
= x)
110
クラス 1 クラス 2 クラス 3 クラス 4
MDI 付き簡易位置決め、オーバーライドおよび
x
XIST_A
111
MDI モードの簡易位置決め
116
速度設定値、2 台の位置エンコーダ (エンコーダ
x
x
1 およびエンコーダ 2)、トルク逓減および DSC
に加えて負荷、トルク、出力および電流実績値を
伴う 32 ビット
118
x
速度設定値、2 台の外部位置エンコーダ (エンコ
ーダ 2 およびエンコーダ 3)、トルク逓減および
DSC に加えて負荷、トルク、出力および電流実績
値を伴う 32 ビット
125
トルク逓減付き DSC、1 台の位置エンコーダ (エ
x
ンコーダ 1)
126
トルクプリセット付き DSC、2 台の位置エンコー
x
ダ (エンコーダ 1 およびエンコーダ 2)
136
トルクプリセット付き DSC、2 台の位置エンコー
x
ダ (エンコーダ 1 およびエンコーダ 2)、4 つのト
レース信号
138
トルクプリセット付き DSC、2 台の外部位置エン
x
コーダ (エンコーダ 2 およびエンコーダ 3)、4 つ
のトレース信号
139
DSC およびトルクプリセットでの閉ループ速度 /
x
位置制御、1 台の位置エンコーダ、クランプ状
態、補助実績値
220
速度設定値、金属産業用 32 ビット
x
352
速度設定値、16 ビット、PCS7
x
x
370
電源装置
x
x
x
x
371
電源装置、金属産業
x
390
デジタル入/出力を備えたコントロールユニット
x
x
x
x
391
デジタル入/出力と 2 つの測定プローブを備えたコ x
x
x
x
ントロールユニット
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
579
通信
10.1 PROFIdrive に準拠した通信
392
クラス 1 クラス 2 クラス 3 クラス 4
説明
テレグラ
ム (p0922
= x)
デジタル入/出力と 6 つの測定プローブを備えたコ x
x
x
x
x
x
x
x
ントロールユニット
393
デジタル入/出力、8 つのプローブとアナログ入力
を備えたコントロールユニット
394
デジタル入/出力を備えたコントロールユニット
x
x
x
x
395
デジタル入/出力と 16 の測定プローブを備えたコ
x
x
x
x
x
x
x
x
ントロールユニット
999
10.1.2
フリーテレグラム
サイクリック伝送
サイクリック通信とは、タイムクリティカルなプロセスデータを送受信するときに使用
される通信手段です。
10.1.2.1
電文およびプロセスデータ
p0922 でテレグラムが選択されると、伝送されるドライブユニット (コントロールユニ
ット) プロセスデータが決定されます。
ドライブユニット側から見ると、受信プロセスデータは、送信ワードを受信ワードおよ
び送信ワードを伝送することができるプロセスデータのことです。
受信ワードと送信ワードは以下の要素で構成されます:
●
受信ワード: コントロールワードまたは設定値
●
送信ワード: ステータスワードまたは実績値
PROFIdrive テレグラム
1. スタンダードテレグラム
スタンダードテレグラムは PROFIdrive プロファイルに準拠して構成されます。 内
部プロセスデータリンクは、テレグラム番号設定に準拠して自動的に確立されます。
580
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
通信
10.1 PROFIdrive に準拠した通信
p0922 を介して、以下のスタンダードテレグラムを設定できます:
– 1 速度設定値、16 ビット
– 2 速度設定値、32 ビット
– 3 速度設定値、1 台の位置エンコーダ付き 32 ビット
– 4 速度設定値、2 台の位置エンコーダ付き 32 ビット
– 5 速度設定値、1 台の位置エンコーダと DSC 付き 32 ビット
– 6 速度設定値、2 台の位置エンコーダと DSC 付き 32 ビット
– 7 位置決め、テレグラム 7 (簡易位置決め)
– 9 位置決め、テレグラム 9 (直接入力の簡易位置決め)
– 20 速度設定値、16 ビット VIK-NAMUR
– 81 エンコーダテレグラム、1 エンコーダチャンネル
– 82 拡張エンコーダテレグラム、1 つのエンコーダチャンネル + 速度実績値 16 ビ
ット
– 83 拡張エンコーダテレグラム、1 つのエンコーダチャンネル + 速度実績値 32 ビ
ット
2. 製造メーカ固有のテレグラム
製造メーカ固有のテレグラムは、製造メーカ独自の方法で構成されています。 内部
プロセスデータリンクは、テレグラム番号設定に準拠して自動的に確立されます。
p0922 を介して以下のベンダー固有のテレグラムを設定することができます:
– 102 速度設定値、1 台の位置エンコーダとトルク逓減を伴う 32 ビット
– 103 速度設定値、2 台の位置エンコーダとトルク逓減を伴う 32 ビット
– 105 速度設定値、1 台の位置エンコーダ、トルク逓減および DSC を伴う 32 ビッ
ト
– 106 速度設定値、2 台の位置エンコーダ、トルク逓減および DSC を伴う 32 ビッ
ト
– 110 位置決め、テレグラム 10 (MDI、オーバーライドおよび XistA 付き簡易位置
決め)
– 111 位置決め、テレグラム 11 (MDI モードの簡易位置決め)
– 116 速度設定値、2 台の位置エンコーダ、トルク逓減と DSC に加えて負荷、トル
ク、出力および電流実績値を伴う 32 ビット
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
581
通信
10.1 PROFIdrive に準拠した通信
– 118 速度設定値、2 台の位置エンコーダ、トルク逓減と DSC に加えて負荷、トル
ク、出力および電流実績値を伴う 32 ビット
– 125 トルクプリセット付き DSC、1 x 位置エンコーダ (エンコーダ 1)
– 126 トルクプリセット付き DSC、2 x 位置エンコーダ (エンコーダ 1 およびエン
コーダ 2)
– 136 トルクプリセット付き DSC、2 x 位置エンコーダ (エンコーダ 1 およびエン
コーダ 2)、4 x トレース信号
– 138 トルクプリセット付き DSC、2 x 位置エンコーダ (エンコーダ 2 およびエン
コーダ 3)、4 x トレース信号
– 139 DSC およびトルクプリセット付き/なし閉ループ速度/位置制御、1 台の位置
エンコーダ、クランプ状態、補助実績値
注記
テレグラム 139 は、WEISS スピンドルドライブに合わせて調和されます。 テレ
グラム 139 はテレグラム 136 に基づきます。テレグラムの互換性は、WEISS ス
ピンドル内でのみ保証されます。 他のユーザに対して、このテレグラムを使用す
る場合に不一致 (互換性) に関する問題が生じる場合があります。
– 220 速度設定値、金属産業用 32 ビット
– 352 速度設定値、16 ビット、PCS7 (SINAMICS G のみ)
– 370 電源装置
– 371 電源装置、金属産業
– 390 デジタル入/出力付きコントロールユニット
– 391 デジタル入/出力と 2 点の測定プローブを備えたコントロールユニット
– 392 デジタル入/出力と 6 点の測定プローブを備えたコントロールユニット
– 393 デジタル入/出力、8 点のプローブと 1 点のアナログ入力を備えたコントロー
ルユニット
– 394 デジタル入/出力付きコントロールユニット
– 395 デジタル入/出力と 16 点の測定プローブを備えたコントロールユニット
– 700 安全情報チャンネル
582
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
通信
10.1 PROFIdrive に準拠した通信
3. フリーテレグラム (p0922 = 999)
送/受信テレグラムは、送/受信プロセスデータを接続するために BICO テクノロジー
を使用して、要求される通りにコンフィグレーションすることができます。
SERVO
、TM41
VECTOR
CU_S
A_INF
、
B_INF
、
S_INF
TB30、TM31、
TM15DI_DO
ENCODE
R
TM120、TM150
受信プロセスデータ
DWORD
r2060[0 .. r2060[0 ..
コネクタ
. 18]
-
-
-
r2060[0 ... 2]
r2050[0 ... 4]
r2050[0 ... 3]
. 30]
出力
WORD コ r2050[0 .. r2050[0 ..
ネクタ出
. 19]
. 31]
r2050[0 .. r2050[0
. 4]
... 4]
力
バイネク
r2090.0 ... 15
r2090.0 ... 15
r2090.0 ...
タ出力
r2091.0 ... 15
r2091.0 ... 15
15
r2092.0 ... 15
r2091.0 ...
r2093.0 ... 15
15
r2092.0 ...
15
r2093.0 ...
15
フリーバ
p2080[0 ... 15]、p2081[0 ... 15]、p2082[0 ... 15]、p2083[0 ... 15]、
p2084[0...15] / r2089[0 ... 4]
イネク
タ・コネ
クタコン
バータ
送信プロセスデータ
DWORD
p2061[0 .. p2061[0 ..
コネクタ
. 26]
. 30]
-
-
-
p2061[0 ...
10]
入力
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
583
通信
10.1 PROFIdrive に準拠した通信
SERVO
、TM41
VECTOR
CU_S
A_INF
、
B_INF
、
S_INF
TB30、TM31、
TM15DI_DO
TM120、TM150
WORD コ p2051[0 .. p2051[0 .. p2051[0 .. p2051[0 p2051[0 ... 4]
ネクタ入
. 27]
. 31]
. 14]
ENCODE
R
... 7]
p2051[0 ...
11]
力
フリーコ
p2099[0 ... 1] / r2094.0 ... 15、r2095.0 ... 15
ネクタ・
バイネク
タコンバ
ータ
テレグラムの接続
●
p0922 = 999 (出荷時設定) を p0922 ≠ 999 に変更すると、テレグラムが接続され、
自動的にブロックされます。
●
ここでの例外はテレグラム 20、111、220 および 352 です。ここでは、選択された
PZD が送/受信テレグラムで要求される通りに接続できます。
●
p0922 ≠ 999 から p0922 = 999 に変更すると、以前のテレグラムの接続を保持し、
変更することができます。
●
p0922 = 999 の場合、テレグラムを p2079 で選択することができます。 テレグラム
の接続は自動的に実行およびブロックされます。 テレグラムは拡張することもでき
ます。
これは、既存のテレグラムをベースに拡張テレグラムの接続を行う簡単な方法です。
テレグラムの構造
●
パラメータ p0978 にはサイクリックな PZD 交換を使用するドライブオブジェクト
が含まれます。 ゼロは、PZD を交換しないドライブオブジェクトを削減するため
に使用されます。
●
値 255 が p0978 に書き込まれると、ドライブユニットは PROFIBUS マスタに表示
される空のドライブオブジェクトをエミュレーションします。 これにより、以下の
場合、PROFIBUS マスタのサイクリック通信が可能になります:
– コンフィグレーションの変更が不要で、異なるドライブオブジェクトを備えるド
ライブユニットと。
– プロジェクトの変更が必要ではない、無効化されたドライブオブジェクトと。
584
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
通信
10.1 PROFIdrive に準拠した通信
●
PROFIdrive プロファイルに適合するように、以下を適用してください:
– コントロールワード 1 (STW1) として PZD 受信ワード 1 を接続します。
– ステータスワード 1 (STW1) として PZD 送信ワード 1 を接続します。 (PZD1 に
WORD フォーマットを使用します)
●
1 PZD = 1 ワード。
●
接続パラメータ (p2051 または p2061) の 1 つだけが PZD ワードで 0 以外の値とな
る場合があります。
●
フィジカルワード値およびダブルワード値は、基準変数としてテレグラムに挿入さ
れます。
●
p200x は基準変数として適用 (入力変数の値が p200x の場合、ダブルワード用テレ
グラムの内容 = 4000 hex または 4000 0000 hex)。
テレグラムの構造
テレグラムの構造については、以下のファンクションダイアグラムの『SINAMICS
S120/S150 リストマニュアル』を参照してください:
●
2420: スタンダードテレグラムおよびプロセスデータの概要
●
2422: PROFIdrive - 製造メーカ固有のメッセージフレームおよびプロセスデータ 1
●
2423: PROFIdrive - 製造メーカ固有のテレグラムおよびプロセスデータ 2
●
2424: PROFIdrive - 製造メーカ固有/フリーテレグラムおよびプロセスデータ
ドライブオブジェクトによっては、使用できるテレグラムが決まっています:
テレグラム (p0922)
ドライブオブジェクト
A_INF
370, 371, 999
B_INF
370, 371, 999
S_INF
370, 371, 999
SERVO
1, 2, 3, 4, 5, 6, 102, 103, 105, 106, 116, 118, 125, 126,
136, 138, 139, 220, 999
SERVO (EPOS)
7, 9, 110, 111, 999
SERVO (閉ループ位置制御)
139, 999
VECTOR
1, 2, 20, 220, 352, 999
VECTOR (EPOS)
7, 9, 110, 111, 999
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
585
通信
10.1 PROFIdrive に準拠した通信
テレグラム (p0922)
ドライブオブジェクト
ENCODER
81, 82, 83, 999
TM15DI_DO
事前に定義されたテレグラムなし。
TM31
事前に定義されたテレグラムなし。
TM41
3, 999
TM120
事前に定義されたテレグラムなし。
TM150
事前に定義されたテレグラムなし。
TB30
事前に定義されたテレグラムなし。
CU_S
390, 391, 392, 393, 394, 395, 999
ユーザ定義のテレグラム構造の場合、ドライブオブジェクトにより以下のプロセスデー
タの最大数を転送することができます。
PZD の最大数
ドライブオブジェクト
586
送信
受信
A_INF
10
10
B_INF
10
10
S_INF
10
10
SERVO
28
20
VECTOR
32
32
ENCODER
12
4
TM15DI_DO
5
5
TM31
5
5
TM41
28
20
TM120
5
5
TM150
5
5
TB30
5
5
CU
25
20
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
通信
10.1 PROFIdrive に準拠した通信
インターフェースモード
インターフェースモードを使用して、コントロールワードとステータスワードの割り付
けを他のドライブシステムおよび標準インターフェースと同様に調整します。
このインターフェースモードは、以下のように設定することができます:
値
インターフェースモード
p2038 = 0
SINAMICS (出荷時設定)
p2038 = 1
SIMODRIVE 611 universal
p2038 = 2
VIK-NAMUR
手順:
1. p0922 ≠ 999 を設定します。
2. p2038 = で、必要なインターフェースモードを設定をします。
テレグラム 102、103、105、106、116、118、125、126、136、138 および 139 が設
定されている場合、インターフェースモードは恒久的に指定され (p2038 = 1)、変更す
ることができません。
位置決めテレグラム 7、9、110 および 111 が設定されると、インターフェースモジュ
ールはデフォルト (p2038 = 0) で設定され、変更することができません。
スタンダードテレグラム 20 が設定されると、インターフェースモードはデフォルト
(p2038 = 2) で設定され、変更することができません。
インターフェースモード (例: p0922 = 102) を指定するテレグラムが異なるテレグラム
(例: p0922 = 3) に変更される場合、p2038 の設定は保持されます。
ファンクションダイアグラム (『SINAMICS S120/S150 リストマニュアル』を参照)
●
2410 PROFIdrive - PROFIBUS (PB) / PROFINET (PN)、アドレスおよび診断
●
2498 E_DIGITAL 接続
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
587
通信
10.1 PROFIdrive に準拠した通信
10.1.2.2
コントロールワードと設定値の説明
注記
本章では、SINAMICS インターフェースモード (p2038 = 0) のプロセスデータの割り付
けと意味を説明します。
関連プロセスデータのために、基準パラメータも指定されます。 プロセスデータは、
一般的にパラメータ p2000 ~ r2004 に準拠して標準化されます。
以下のスケーリングが適用されます:
• 温度 100°C は 100% に、0°C は 0% に相当します。
• 電気的角度 90° も 100 % に、 0°も 0% に相当します。
コントロールワードおよび設定値の一覧
表 10- 5
コントロールワードと設定値、プロファイル仕様の一覧、ファンクションダイアグラム [2439] を
参照。
略称
STW1
名称
コントロールワード 1
信号番
号
データタイ
プ 1)
接続パラメー
タ
1
U16
(ビットシリア
ル)2)
STW2
コントロールワード 2
3
U16
(ビットシリア
ル)2)
NSOLL_A
速度設定値 A (16 ビット)
5
I16
p1155
p1070 (外部設
定値)
NSOLL_B
速度設定値 B (32 ビット)
7
I32
p1155
p1070 (外部設
定値)
p1430 (DSC)
G1_STW
エンコーダ 1 コントロールワード
9
U16
p0480[0]
G2_STW
エンコーダ 2 コントロールワード
13
U16
p0480[1]
G3_STW
エンコーダ 3 コントロールワード
17
U16
p0480[2]
A_DIGITAL
デジタル出力 (16 ビット)
22
U16
(ビットシリア
ル)
588
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
通信
10.1 PROFIdrive に準拠した通信
略称
名称
A_DIGITAL _1
デジタル出力 (16 ビット)
信号番
号
データタイ
プ 1)
接続パラメー
タ
23
U16
(ビットシリア
ル)
XERR
位置偏差
25
I32
p1190
KPC
位置コントローラゲイン係数
26
I32
p1191
SATZANW
ブロック選択
32
U16
(ビットシリア
ル)
MDI_TARPOS
MDI 目標位置
34
I32
p2642
MDI_VELOCIT
MDI 速度
35
I32
p2643
MDI_ACC
MDI 加速
36
I16
p2644
MDI_DEC
MDI 遅延
37
I16
p2645
MDI_MOD
MDI モード指定
38
U16
(ビットシリア
Y
ル)
STW2_ENC
コントロールワード 2 ENCODER
80
U16
1) PROFIdrive プロファイル V4 に準拠したデータタイプ:
I16 = Interger16、I32 = Integer32、U16 = Unsigned16、U32 = Unsigned32
2) ビットシリアル接続: 以下のページを参照:
表 10- 6
コントロールワードと設定値、製造メーカ仕様の一覧、ファンクションダイアグラム [2440] を参
照。
略称
名称
信号番
号
データタイ
プ 1)
接続パラメー
タ
MOMRED
トルク逓減
101
I16
p1542
M_VST
トルクプリセット値
112
U16
p1513
DSC_STW
DSC スプラインのコントロールワード
114
U16
p1194
T_SYMM
対称化定数
115
U16
p1195
MT_STW
測定プローブコントロールワード
130
U16
p0682
POS_STW
位置コントロールワード
203
U16
(ビットシリア
ル)
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
589
通信
10.1 PROFIdrive に準拠した通信
略称
名称
信号番
号
データタイ
プ 1)
オーバーライド 位置決めモードのオーバーライド
205
I16
p2646
POS_STW1
220
U16
(ビットシリア
位置コントロールワード 1
接続パラメー
タ
ル)
POS_STW2
位置コントロールワード 2
222
U16
(ビットシリア
ル)
MDI_MODE
MDI モード
229
U16
p2654
M_LIM
トルクリミット
310
U16
P1503、
p1552、p1554
M_ADD
補助トルク
311
U16
p1495
E_STW1
コントロールワード 1、アクティブ電源装置
320
U16
(ビットシリア
用 (アクティブラインモジュール、スマートラ
ル)2)
インモジュール)
STW1_BM
コントロールワード 1、金属産業用仕様 (BM)
322
U16
(ビットシリア
ル)2)
STW2_BM
コントロールワード 2、金属産業用仕様 (BM)
324
U16
(ビットシリア
ル)2)
E_STW1_BM
コントロールワード 1、電源装置用、金属産
326
U16
業 (アクティブラインモジュール、ベーシック
(ビットシリア
ル)2)
ラインモジュール、スマートラインモジュー
ル)
CU_STW1
コントロールユニット用コントロールワード
500
1
U16
(ビットシリア
ル)
1) PROFIdrive プロファイル V4 に準拠したデータタイプ:
I16 = Interger16、I32 = Integer32、U16 = Unsigned16、U32 = Unsigned32
2) ビットシリアル接続: 以下のページを参照:
590
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
通信
10.1 PROFIdrive に準拠した通信
STW1 (コントロールワード 1)
ファンクションダイアグラム [2442] を参照
表 10- 7
STW1 (コントロールワード 1) の説明
ビッ
ト
0
意味
ON/OFF1
備考
0/1
ON
BICO
BI: p0840
パルスイネーブル可能
0
OFF1
ランプファンクションジェネレータでの
制動、その後パルスブロックおよびスイ
ッチオン準備完了。
1
OFF2
1
OFF2 なし
BI: p0844
イネーブル可能
0
即時パルスブロックおよびスイッチオン
禁止
注記:
制御信号 OFF2 は BI: p0844 および BI: p0845 により生成されます。
2
OFF3
1
OFF3 なし
BI: p0848
イネーブル可能
0
急停止 (OFF3)
OFF3 ランプ p1135 での制動、その後パ
ルスブロックおよびスイッチオン禁止。
注記:
制御信号 OFF3 は BI: p0848 および BI: p0849 の ANDing により生成されます。
3
運転をイネーブル
1
0
運転をイネーブル
BI:
パルスイネーブル可能
p0852、
運転を無効化
p1224.1
パルスブロック
(拡張ブレ
ーキ制御
でのみ)
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
591
通信
10.1 PROFIdrive に準拠した通信
ビッ
ト
意味
4
ランプファンクションジェネレー
BICO
備考
1
タをイネーブル
動作条件
BI: p1140
ランプファンクションジェネレータイネ
ーブル可能
0
ランプファンクションジェネレータを禁
止
ランプファンクションジェネレータ出力
を 0 に設定
5
ランプファンクションジェネレー
1
タを開始
ランプファンクションジェネレータを開
BI: p1141
始
0
ランプファンクションジェネレータを停
止
注記:
ジョグモードの p1141 (r0046.31 = 1) ではランプファンクションジェネレータは停止できませ
ん。
6
速度設定値をイネーブル
1
設定値イネーブル
0
設定値を禁止
BI: p1142
ランプファンクションジェネレータを 0
に設定
7
故障を確認
0/1
故障を確認
0
効果なし
BI: p2103
注記:
故障は BI: p2103 または BI: p2104 または BI: p2105 を介して 0/1 エッジで確認されます。
8
予備
-
-
-
9
予備
-
-
-
10
PLC によるマスタ制御
1
PLC によるマスタ制御
BI: p0854
PROFIdrive を介して転送されるプロセス
データが受け付けられ、有効になるよう
に信号を設定しなければなりません。
0
PLC にマスタ制御はありません
PROFIdrive を介して転送されたプロセス
データは無効です - つまり、0 と想定され
ます。
592
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
通信
10.1 PROFIdrive に準拠した通信
ビッ
ト
意味
BICO
備考
注記:
PROFIdrive が ZSW1.9 = 「1」を介して適切なステータスに戻るまで、このビットを「1」に設定
しないでください。
11
12
13
1
設定値反転
0
設定値反転なし
1
無条件に「開」
0
無条件に「開」しない
電動ポテンショメータ、設定値、
1
電動ポテンショメータ、設定値、増
増
0
電動ポテンショメータ、設定値、増 選択
設定値反転
無条件に保持ブレーキを「開」
BI: p1113
BI: p0855
BI: p1035
なし
14
電動ポテンショメータ、設定値、
1
電動ポテンショメータ、設定値、減
減
0
電動ポテンショメータ、設定値、減 選択
BI: p1036
なし
注記:
電動ポテンショメータ設定値増および減が同時に 0 または 1 である場合、電流設定値は停止され
ます。
15
-
予備
-
-
STW1 (コントロールワード 1)、位置決めモード、r0108.4 = 1
ファンクションダイアグラム [2475] を参照
表 10- 8
STW1 (コントロールワード 1)、位置決めモードの説明
ビッ
ト
0
意味
ON/OFF1
備考
0/1
ON
パラメー
タ
BI: p0840
パルスイネーブル可能
0
OFF1
ランプファンクションジェネレータでの
制動、その後パルスブロックおよびスイ
ッチオン準備完了。
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
593
通信
10.1 PROFIdrive に準拠した通信
ビッ
ト
1
意味
OFF2
備考
1
OFF2 なし
パラメー
タ
BI: p0844
イネーブル可能
0
OFF2
即時パルスブロックおよびスイッチ
「入」禁止
注記:
制御信号 OFF2 は BI: p0844 および BI: p0845 により生成されます。
2
OFF3
1
OFF3 なし
BI: p0848
イネーブル可能
0
急停止 (OFF3)
OFF3 ランプ p1135 での制動、その後パ
ルスブロックおよびスイッチオン禁止。
注記:
制御信号 OFF3 は BI: p0848 および BI: p0849 の ANDing により生成されます。
3
運転をイネーブル
1
運転をイネーブル
BI: p0852
パルスイネーブル可能
0
運転を無効化
パルスブロック
4
トラバースタスクを拒否
1
トラバースタスクを拒否してはいけませ
BI: p2641
ん
5
6
中間ストップ
トラバースタスクを有効化
0
トラバースタスクを拒否
1
中間ストップなし
0
中間ストップ
0/1
設定値イネーブル
BI:
0
効果なし
p2631、
0/1
故障を確認
BI: p2103
0
効果なし
BI: p2640
p2650
注記:
接続 p2649 = 0 も実行されます。
7
594
故障を確認
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
通信
10.1 PROFIdrive に準拠した通信
ビッ
ト
8
意味
ジョグ 1
備考
1
ジョグ 1 ON
パラメー
タ
BI: p2589
『SINAMICS S120/150 リストマニュア
ル』のファンクションダイアグラム 3610
も参照
9
ジョグ 2
0
効果なし
1
ジョグ 2 ON
BI: p2590
『SINAMICS S120/150 リストマニュア
ル』のファンクションダイアグラム 3610
も参照
10
PLC によるマスタ制御
0
効果なし
1
PLC によるマスタ制御
BI: p0854
PROFIdrive を介して転送されるプロセス
データが受け付けられ有効になるよう
に、この信号は設定されなければなりま
せん。
0
PLC による制御なし
PROFIdrive を介して転送されるプロセス
データは無効にされます - つまり、0 と想
定されます。
注記:
PROFIdrive が ZSW1.9 = 「1」を介して適切なステータスに戻る時にのみ、このビットを「1」に
設定してください。
11
原点セット開始
1
原点セット開始
0
原点セット停止
BI: p2595
12
予備
-
-
-
13
外部ブロック変更
0/1
外部設定変更が初期化されます
BI: p2633
0
効果なし
14
予備
-
-
-
15
予備
-
-
-
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
595
通信
10.1 PROFIdrive に準拠した通信
STW2 (コントロールワード 2)
ファンクションダイアグラム [2444] を参照
表 10- 9
STW2 (コントロールワード 2) の説明
ビッ
ト
意味
0
ドライブデータセット選択 DDS ビ
備考
-
ット 0
1
ドライブデータセット選択 DDS ビ
ドライブデータセット選択
BI:
(5 ビットカウンタ)
p0820[0]
-
BI:
ット 1
2
ドライブデータセット選択 DDS ビ
p0821[0]
-
BI:
ット 2
3
ドライブデータセット選択 DDS ビ
p0822[0]
-
BI:
ット 3
4
ドライブデータセット選択 DDS ビ
p0823[0]
-
BI:
ット 4
5...6 予備
7
軸のパーキング
パラメー
タ
p0824[0]
-
-
-
1
軸のパーキングを要求 (ZSW2 ビット 7
BI: p0897
と応答確認)
8
固定端への移動
0
要求なし
1
「固定端への移動」選択
(テレグラム 9、110 以外で)
BI: p1545
固定端に到達する前に信号を設定する必
要があります。
1/0
「固定端への移動」解除
固定端に到達する前に信号が設定されな
ければなりません
9
予備
-
-
-
10
予備
-
-
-
11
モータ切り替え
0/1
モータの切り替え完了
BI:
0
効果なし
p0828[0]
596
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
通信
10.1 PROFIdrive に準拠した通信
ビッ
ト
意味
備考
12
マスタのサインオブライフビット 0 -
13
マスタのサインオブライフビット 1 -
14
マスタのサインオブライフビット 2 -
15
マスタのサインオブライフビット 3 -
ユーザデータ統合 (4 ビットカウンタ)
パラメー
タ
CI: p2045
STW1_BM (コントロールワード 1、金属産業)
ファンクションダイアグラム [2425] を参照。
表 10- 10
STW1_BM (コントロールワード 1、金属産業) の説明
ビッ
ト
0
意味
ON/OFF1
備考
0/1
ON
パラメー
タ
BI:p0840
パルスイネーブル可能
0
OFF1
ランプファンクションジェネレータでの
制動、その後パルス禁止およびスイッチ
オン禁止
1
OFF2
1
OFF2 なし
BI:p0844
イネーブル可能
0
即時パルス禁止およびスイッチオン禁止
注記:
制御信号 OFF2 が BI:p0844 および BI:p0845 の ANDing により生成されます。
2
OFF3
1
OFF3 なし
BI:p0848
イネーブル可能
0
急停止 (OFF3)
OFF3 ランプ p1135 での制動、その後パ
ルス禁止およびスイッチオン禁止。
注記:
制御信号 OFF3 は BI:p0848 および BI:p0849 の ANDing により生成されます。
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
597
通信
10.1 PROFIdrive に準拠した通信
ビッ
ト
3
意味
運転イネーブル
備考
1
0
パラメー
タ
運転イネーブル
BI:
パルスイネーブル可能
p2816.0
運転の無効
パルス禁止
4
ランプファンクションジェネレー
1
タイネーブル
動作条件
BI: p1140
ランプファンクションジェネレータ有効
可能
0
ランプファンクションジェネレータ禁止
ランプファンクションジェネレータ出力
を 0 に設定
5
ランプファンクションジェネレー
1
タ再起動
ランプファンクションジェネレータ再起
BI: p1141
動
0
ランプファンクションジェネレータ停止
注記:
ジョグモードの p1141 (r0046.31 = 1) ではランプファンクションジェネレータは停止できませ
ん。
6
速度設定値イネーブル
1
設定値イネーブル
0
設定値禁止
BI: p1142
ランプファンクションジェネレータを 0
に設定
7
故障リセット
0/1
故障リセット
0
効果なし
BI:p2103
注記:
故障は以下を介して 0/1 エッジでリセットされます。 BI : p2103 または BI : p2104 または BI :
p2105
8
予備
-
-
-
9
予備
-
-
-
598
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
通信
10.1 PROFIdrive に準拠した通信
ビッ
ト
10
意味
PLC によるマスタ制御
備考
1
PLC によるマスタ制御
パラメー
タ
BI:p0854
PROFIdrive を介して転送されるプロセス
データが受け入れられ、有効になるよう
に信号を設定しなければなりません。
0
PLC にマスタ制御はありません
PROFIdrive を介して転送されたプロセス
データは無効です - つまり、0 と想定され
ます。
注記:
PROFIdrive が ZSW1_BM.9 = 「1」を介して適切なステータスに戻るまで、このビットを「1」に
設定しないでください。
11
-
予備
-
-
...
15
STW2_BM (コントロールワード 2、金属産業)
ファンクションダイアグラム [2426] を参照。
表 10- 11
STW2_BM (コントロールワード 2、金属産業) の説明
ビッ
ト
0
意味
コマンドデータセット選択 CDS
備考
パラメー
タ
-
-
p0810
-
-
p0811
ドライブデータセット選択 DDS、 -
-
p0820
-
p0821
-
p0822
ビット 0
1
コマンドデータセット選択 CDS
ビット 1
2
ビット 0
3
ドライブデータセット選択 DDS、 ビット 1
4
ドライブデータセット選択 DDS、 ビット 2
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
599
通信
10.1 PROFIdrive に準拠した通信
ビッ
ト
意味
5
ランプファンクションジェネレー
備考
1
タをバイパス
ファンクションモジュール「拡張設定値
パラメー
タ
p1122
ジェネレータ」が選択されなければなり
ません。
6
予備
-
-
-
7
負荷補正イネーブル
1
速度コントローラ 1 コンポーネントを設
p1477
定
8
ドループイネーブル
1
ドループフィードバックのスケーリング
p1492
設定 (サーボには
適用不可)
9
速度コントローライネーブル
1
(ブレーキを含む)
速度コントローラおよびブレーキイネー
p0856、
ブル。
p2093.9
r2093.9 でコントローラをイネーブルにし
ます。パラメータ p0856 は「拡張ブレー
キ制御」用に接続可能な状態のままで
す。
10
予備
-
-
-
11
速度/トルク制御運転
1
スレーブドライブトルク制御
p1501
速度制御とトルク制御間の切り替え用信
号ソースの設定
12
予備
-
-
-
13
予備
-
-
-
14
予備
-
-
-
15
ライフトグルビットのコントロー
1
トグルビット通信有効
r2081.15
ラ信号
0
トグルビット通信無効
600
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
通信
10.1 PROFIdrive に準拠した通信
STW2_ENC
ファンクションダイアグラム [2433] を参照。
表 10- 12
STW2_ENC の説明 (コントロールワード 2 エンコーダ)
ビッ
ト
意味
0...6 予備
7
故障を確認
備考
パラメー
タ
–
–
–
0/1
故障を確認
BI: p2103
注記:
故障は BI: p2103 または BI: p2104 または BI: p2105 を介して 0/1 エッジで確認されます。
8, 9 予備
–
–
–
10
1
PLC によるマスタ制御
BI: p0854
PLC によるマスタ制御
PROFIdrive を介して転送されるプロセス
データが受け付けられ有効になるよう
に、この信号は設定されなければなりま
せん。
0
PLC によるマスタ制御なし
PROFIdrive を介して転送されるプロセス
データは無効にされます - つまり、0 と想
定されます。
注記:
PROFIdrive が E_ZSW1.9 = 「1」を介して適切なステータスに戻るまで、このビットを「1」に
設定しないでください。
11
予備
–
12
コントローラ サインオブライフビ –
–
–
p2045
ット 0
13
コントローラ サインオブライフビ –
p2045
ット 1
14
コントローラ サインオブライフビ –
p2045
ット 2
15
コントローラ サインオブライフビ –
p2045
ット 3
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
601
通信
10.1 PROFIdrive に準拠した通信
NSET_A (速度設定値 A (16 ビット))
●
信号ビットでの 16 ビットの分解能を含む速度設定値
●
ビット 15 が設定値符号を決定します。
– ビット = 0 → 正の設定値
– ビット = 1 → 負の設定値
●
速度は p2000 を介してスケーリングされます。
p2000 で NSET_A = 4000 hex または 16384 dec ≐ 速度
NSET_B (速度設定値 B (32 ビット))
●
信号ビットでの 32 ビットの分解能を含む速度設定値
●
ビット 31 が設定値符号を決定します。
– ビット = 0 → 正の設定値
– ビット = 1 → 負の設定値
●
速度は p2000 を介してスケーリングされます。
p2000 で NSET_B = 4000 0000 hex または 1 073 741 824 dec ≐ 速度
Q
S
KH[
KH[
図 10-5
162//B$
162//B%
速度のスケーリング
注記
弱め界磁領域でのモータの運転
モータを弱め界磁領域 > 2:1 で運転する場合、 パラメータ p2000 の値を 1/2 x ドライ
ブオブジェクトの最大速度以下に設定しなければなりません。
Gn_STW (エンコーダ n コントロールワード)
このプロセスデータは、エンコーダインターフェースに属します。
602
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
通信
10.1 PROFIdrive に準拠した通信
A_DIGITAL
MT_STW
CU_STW1
これらのプロセスデータは、セントラル方式のプロセスデータの一部です。
XERR (位置偏差)
ダイナミックサーボ制御 (DSC) の位置偏差は、この設定値を介して転送されます。
XERR のフォーマットは、G1_XIST1 のフォーマットと同一です。
KPC (位置コントローラゲイン係数)
ダイナミックサーボ制御 (DSC) の位置コントローラゲイン係数は、この設定値経由で
転送されます。
転送フォーマット: KPC は 0.001 1/s 単位で転送されます。
値の範囲: 0 ~ 4000.0
特殊なケース : KPC = 0 の場合、「DSC (ダイナミックサーボ制御)」機能は無効にされ
ます。
例:
A2C2A hex ≐ 666666 dec ≐ KPC = 666.666 1/s ≐ KPC = 40 1000/min
DSC_STW
DSC スプラインのコントロールワード
表 10- 13
DSC_STW の説明
ビッ
ト
0
1...3
意味
スプラインがオンの DSC
予備
備考
1
スプラインがオンの DSC
0
スプラインがオフの DSC
–
–
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
パラメー
タ
CI: p1194
–
603
通信
10.1 PROFIdrive に準拠した通信
ビッ
ト
4
意味
備考
スプラインがオンの DSC の速度 1
プリセット
0
パラメー
タ
スプラインがオンの DSC の速度プリセッ CI: p1194
ト
スプラインがオフの DSC の速度プリセッ
ト
5
スプラインがオンの DSC のトル 1
スプラインがオンの DSC のトルクプリセ CI: p1194
クプリセット
ット
0
スプラインがオフの DSC のトルクプリセ
ット
6...15 予備
-
-
T_SYMM
DSC 対称化時定数
スプライン付き DSC のための対称化時定数 T_SYMM の信号ソースを設定します。
●
T_SYMM = 0:
対称化は無効にされています
●
T_SYMM > 0:
位置設定値は常に左右対称にされます。
対称化時定数 T_SYMM は符号なし 16 フォーマットで 10 µs 単位です。
10.1.2.3
MOMRED
MOMRED (トルク逓減)
この設定値は、ドライブで現在有効なトルクリミットを逓減するために使用することが
できます。
MOMRED コントロールワードを含むメーカ固有の PROFIdrive テレグラムを使用する
場合、信号フローは自動的にトルクリミットがスケーリングされるポイントに接続され
ます。
604
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
通信
10.1 PROFIdrive に準拠した通信
0BOLPLWB
S
S
S
S!
ኖ኎ዙ዇ዐኍ
+H[
S
>@
S[
S
S
ᨺቊ
0205(' >@
√ᇬ
0BOLPLWB
S
S!
S
>@
図 10-6
S
S
S[
ኖ኎ዙ዇ዐኍ
+H[
S
S
ᨺቊ
MOMRED 設定値
MOMRED は、トルクリミットの逓減率 (%) を指定します。 この値は、内部的にトル
クが p1544 により逓減されスケーリングされる総数に変換されます。
SATZANW (位置決めモード、p0108.4 =1)
ファンクションダイアグラム [2476] を参照
表 10- 14
SATZANW (位置決めモード、p0108.4 = 1) の説明
ビッ
ト
意味
備考
パラメー
タ
0
1 = ブロック選択、ビット 0 (20)
ブロック選択
BI: p2625
1
1 = ブロック選択、ビット 1 (21)
トラバースブロック 0 ~ 63
BI: p2626
2
1 = ブロック選択、ビット 2 (22)
BI: p2627
3
1 = ブロック選択、ビット 3 (23)
BI: p2628
4
1 = ブロック選択、ビット 4 (24)
BI: p2629
5
1 = ブロック選択、ビット 5 (25)
BI: p2630
6
予備
-
-
-
MDI 有効
1
MDI 有効
p2647
0
MDI 無効化
...
14
15
注記:
以下も参照: 『SINAMICS S120/S150 ファンクションマニュアル』の「簡易位置決め」章
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
605
通信
10.1 PROFIdrive に準拠した通信
POS_STW (位置決めモード、r0108.4 = 1)
ファンクションダイアグラム [2462] を参照。
表 10- 15
POS_STW (位置決めモード、p0108.4 = 1) の説明
ビット
0
意味
トラッキングモード
1
原点セットポイントを設定
備考
1
トラッキングモードを有効化
0
トラッキングモード無効
1
原点セットポイントを設定
0
原点セットポイントの設定を行わないで
パラメー
タ
BI: 2655
BI: 2596
ください
2
1
基準機械リミット有効
0
基準カム無効
予備
-
-
-
インクリメンタルジョグ
1
インクリメンタルジョグ有効
BI: 2591
0
ジョグ速度有効
-
-
基準機械リミット
3 ... 4
5
6 ... 15 予備
BI: 2612
-
注記:
以下も参照: 『SINAMICS S120/S150 ファンクションマニュアル』の「簡易位置決め」章
POS_STW1 (コントロールワード 1、位置決めモード、r0108.4 = 1)
ファンクションダイアグラム [2463] を参照。
表 10- 16
POS_STW1 (コントロールワード 1) の説明
意味
ビ
ッ
ト
0
備考
EPOS トラバースブロック選択 トラバースブロック選択
パラメー
タ
BI: p2625
ビット 0
1
EPOS トラバースブロック選択
BI: p2626
ビット 1
606
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
通信
10.1 PROFIdrive に準拠した通信
ビ
ッ
ト
意味
2
EPOS トラバースブロック選択
備考
パラメー
タ
BI: p2627
ビット 2
3
EPOS トラバースブロック選択
BI: p2628
ビット 3
4
EPOS トラバースブロック選択
BI: p2629
ビット 4
5
EPOS トラバースブロック選択
BI: p2630
ビット 5
6...7 予備
8
-
-
-
EPOS 直接設定値入力/MDI
1
絶対位置決めが選択されます。
BI: p2648
位置決めのタイプ
0
相対位置決めが選択されます。
「直接設定値入力/MDI」モード
での位置決めのタイプのための
信号ソースを設定します。
9
10
EPOS 直接設定値入力/MDI、正
「設定」中:
側方向選択
両方向 (p2651、p2652) が
EPOS 直接設定値入力/MDI、負
選択または解除されると、この軸は静止状態
のままです。
側方向選択
BI: p2651
BI: p2652
「位置決め」中:
BI: p2651 / BI: p2652
0/0
最短ルートでの絶対位置決め。
1/0
正方向での絶対位置決め。
0/1
負方向での絶対位置決め。
1/1
最短ルートでの絶対位置決め
-
-
-
値の連続受け付け
BI: p2649
11
予備
12
EPOS 直接設定値入力/MDI、受 1
け付け方法の選択
13
「直接設定値入力/MDI」モード 0
での値の受け付け方法のための
値は、
信号ソースを設定します。
場合のみ受け付けられます。
予備
-
BI: p2650 = 0/1 信号 (立ち上がりエッジ) の
-
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
-
607
通信
10.1 PROFIdrive に準拠した通信
意味
ビ
ッ
ト
14
備考
EPOS 直接設定値入力/MDI、セ 1
ットアップ選択
0
「直接設定値入力/MDI」モード
パラメー
タ
BI: p2653
Set-up を選択。
位置決めを選択。
での設定のための信号ソースを
設定します。
15
EPOS 直接設定値入力/MDI 選
1
MDI 有効
BI: p2647
択
0
MDI 無効化
「直接設定値入力/MDI」モード
選択のための信号ソースを設定
します。
POS_STW2 (コントロールワード 2、位置決めモード、r0108.4 = 1)
ファンクションダイアグラム [2464] を参照
表 10- 17
ビッ
ト
0
1
POS_STW2 (コントロールワード 2、位置決めモード、r0108.4 = 1) の説明
意味
トラッキングモード
原点セットポイントを設定
備考
1
トラッキングモードを有効化
0
トラッキングモード無効
1
原点セットポイントを設定
0
原点セットポイントの設定を行わないで
パラメー
タ
BI: p2655
BI: p2596
ください
2
基準機械リミット
1
基準機械リミット有効
0
基準カム無効
BI: p2612
3
予備
-
-
-
4
予備
-
-
-
5
インクリメンタルジョグ
1
インクリメンタルジョグ有効
BI: p2591
0
ジョグ速度有効
6
予備
-
-
-
7
予備
-
-
-
608
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
通信
10.1 PROFIdrive に準拠した通信
ビッ
ト
8
9
意味
原点セットのタイプ選択
原点セットポイントアプローチ開
備考
1
フライング原点セット
0
原点セットポイントアプローチ
1
負側方向で開始
0
正側方向で開始
1
測定プローブ 2 は、BI: p2509 = 0/1 エッ
パラメー
タ
BI: p2597
BI: p2604
始方向
10
LR 測定プローブ評価、選択
ジの場合に有効化されます。
測定プローブ選択のための信号ソ
ースを
0
設定します。
11
LR 測定プローブ評価エッジ
BI: p2510
測定プローブ 1 は、BI: p2509 = 0/1 エッ
ジの場合に有効化されます。
1
測定プローブの立ち下がりエッジ (p2510) BI: p2511
測定プローブのエッジ評価のため
は、BI: p2509 = 0/1 エッジの場合に有効
の信号ソースを設定します。
化されます。
0
測定プローブの立ち上がりエッジ (p2510)
は、BI: p2509 = 0/1 エッジの場合に有効
化されます。
12
予備
-
-
-
13
予備
-
-
-
14
EPOS ソフトウェアリミットスイ
1
軸で原点セットポイントの設定が行われ
BI: p2582
ッチ有効
(r2684.11 = 1) そして BI: p2582 = 1 信
「ソフトウェアリミットスイッ
号。
チ」の有効化のための信号ソース
を設定します。
0
ソフトウェアリミットスイッチ無効:
- モジュロオフセット有効 (BI: p2577 = 1
信号)。
- 原点セットポイントアプローチが実行さ
れます。
15
EPOS STOP 機械リミット有効
1
BI: p2568 = 1 信号 → STOP 機械リミット BI: p2568
「STOP 機械リミット」の有効の
の評価負側 (BI: p2569) および STOP 機械
ための信号ソースを設定します。
リミット正側 (BI: p2570) が有効です。
0
STOP 機械リミットの評価が無効です。
注記:
以下も参照: 「簡易位置決め」章
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
609
通信
10.1 PROFIdrive に準拠した通信
オーバーライド (Pos 速度オーバーライド)
このプロセスデータで速度オーバーライド率を定義します。
スケーリング: 4000 hex (16384 dec) = 100 %
値の範囲: 0 ... 7FFF hex
この範囲外の値は 0 % と解釈されます。
MDI_TARPOS (MDI 位置)
このプロセスデータで MDI セット位置を定義します。
スケーリング: 1 は 1 LU に対応します
MDI_VELOCITY (MDI 速度)
このプロセスデータで MDI セットの速度を定義します。
スケーリング: 1 は 1000 LU/min に対応します
MDI_ACC (MDI 加速)
このプロセスデータで MDI セットの加速を定義します。
スケーリング: 4000 hex (16384 dec) = 100 %
この値は、内部的に 0.1 ... 100% に制限されます。
MDI_DEC (MDI 減速オーバーライド)
このプロセスデータは、MDI セットの減速オーバーライド率を定義します。
スケーリング:4000 hex (16384 dec) = 100 %
この値は、内部的に 0.1 ... 100% に制限されます。
610
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
通信
10.1 PROFIdrive に準拠した通信
MDI_MOD
詳細な表は、ファンクションダイアグラム [2480] を参照。
表 10- 18
MDI_MOD の信号ターゲット (位置設定モード、r0108.4 = 1)
ビッ
ト
意味
接続パラメータ
0
0 = 相対位置決めが選択されます。
p2648 = r2094.0
1 = 絶対位置決めが選択されます。
1
0 = 最短距離による絶対位置決め
p2651 = r2094.1
2
1 = 正方向での絶対位置決め
p2652 = r2094.2
2 = 負方向での絶対位置決め
3 = 最短距離による絶対位置決め
3...
予備
-
-
-
-
15
MDI_MODE
このプロセスデータで MDI セットのモードを定義します。
前提条件 : p2654 > 0
MDI_MODE = xx0x hex –> 絶対
MDI_MODE = xx1x hex –> 相対
MDI_MODE = xx2x hex –> Abs_pos (モジュロ補正でのみ)
MDI_MODE = xx3x hex –> Abs_neg (モジュロ補正でのみ)
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
611
通信
10.1 PROFIdrive に準拠した通信
E_STW1 (電源装置のためのコントロールワード)
ファンクションダイアグラム [2447] を参照。
表 10- 19
E_STW1 (電源装置用コントロールワード) の説明
ビッ
ト
0
意味
ON/OFF1
備考
0/1
ON
パラメー
タ
BI: p0840
パルスイネーブル可能
0
OFF1
ランプ (p3566) を介して DC リンク電圧
を低減し、その後パルスブロック/ライン
コンタクタ「開」が続きます
1
OFF2
1
OFF2 なし
BI: p0844
イネーブル可能
0
OFF2
即時パルスブロックおよびスイッチ
「入」禁止
注記:
制御信号 OFF2 は BI: p0844 と BI: p0845 の ANDing で生成されます。
2
予備
-
-
-
3
運転をイネーブル
1
運転イネーブル
BI: p0852
パルスイネーブルが存在します
0
運転を無効化
パルスブロックが存在します
4
予備
-
-
-
5
力行運転を禁止
1
力行運転を禁止
BI: p3532
ステップアップコンバータとしての力行
運転が禁止されます。
0
力行運転有効
昇圧コンバータとしての力行運転はイネ
ーブルされます。
注記:
「力行運転禁止」中も、電力は DC リンクから引き続き印加されます。 この場合、DC リンク電
圧はもはや制御されません。 電圧レベルは、この時の電源電圧が整流化された値と同一です。
612
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
通信
10.1 PROFIdrive に準拠した通信
ビッ
ト
6
意味
回生を禁止
備考
1
回生運転を禁止
パラメー
タ
BI: p3533
回生運転は禁止されます。
0
回生運転をイネーブル
回生運転はイネーブルにされます。
注記:
回生運転が禁止され、電力が DC リンク (例: モータの制動による) に供給される場合、DC リン
ク電圧が大きくなります (F30002)。
7
故障を確認
0/1
故障を確認
BI: p2103
注記:
故障は BI: p2103 または BI: p2104 または BI: p2105 を介して 0/1 エッジで確認されます。
8...9
10
予備
-
-
-
PLC によるマスタ制御
1
PLC によるマスタ制御
BI: p0854
PROFIdrive を介して転送されるプロセス
データが受け付けられ有効になるよう
に、この信号は設定されなければなりま
せん。
0
PLC による制御なし
PROFIdrive を介して転送されるプロセス
データは無効にされます - つまり、0 と想
定されます。
注記:
PROFIdrive が E_ZSW1.9 = 「1」を介して適切なステータスに戻るまで、このビットを「1」に
設定しないでください。
11...
予備
-
-
-
15
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
613
通信
10.1 PROFIdrive に準拠した通信
E_STW1_BM (電源装置のためのコントロールワード、金属産業)
ファンクションダイアグラム [2427] を参照。
表 10- 20
E_STW1_BM (電源装置のためのコントロールワード、金属産業) の説明
ビッ
ト
0
意味
ON/OFF1
備考
0/1
ON
パラメー
タ
BI: p0840
パルスイネーブル可能
0
OFF1
ランプ (p3566) を介して DC リンク電圧
を低減し、その後パルスブロック/ライン
コンタクタ「開」が続きます
1
OFF2
1
OFF2 なし
BI: p0844
イネーブル可能
0
OFF2
即時パルスブロックおよびスイッチ
「入」禁止
注記:
制御信号 OFF2 は BI: p0844 と BI: p0845 の ANDing で生成されます。
2
予備
-
-
-
3
運転をイネーブル
1
運転イネーブル
BI: p0852
パルスイネーブルが存在します
0
運転を無効化
パルスブロックが存在します
4
予備
-
-
-
5
電源装置
1
力行運転を禁止
p3532
6
電源装置
1
回生運転を禁止
p3533
7
故障を確認
0/1
故障を確認
BI:p2103
注記:
故障は BI:p2103 または BI:p2104 または BI:p2105 を介して 0/1 エッジで確認されます。
8...9 予備
614
-
-
-
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
通信
10.1 PROFIdrive に準拠した通信
ビッ
ト
10
意味
PLC によるマスタ制御
備考
1
PLC によるマスタ制御
パラメー
タ
BI: p0854
PROFIdrive を介して転送されるプロセス
データが受け付けられ有効になるよう
に、この信号は設定されなければなりま
せん。
0
PLC による制御なし
PROFIdrive を介して転送されるプロセス
データは無効にされます - つまり、0 と想
定されます。
注記:
PROFIdrive が E_ZSW_BM.9 = 「1」を介して適切なステータスに戻るまで、このビットを「1」
に設定しないでください。
11... 予備
-
-
-
ライフトグルビットのコントロー
1
トグルビット通信有効
r2081.15
ラ信号
0
トグルビット通信無効
14
15
M_ADD
テレグラム 220 での補助トルク (金属産業)。
M_LIM
テレグラム 220 でのトルクリミット (金属産業)。
V/f 制御モードでは使用不可です。
M_VST
プリセット値の合計はこの設定値を介して伝送されます。
●
ダイナミック M 設定値 + (準) 定常 M 設定値
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
615
通信
10.1 PROFIdrive に準拠した通信
10.1.2.4
ステータスワードおよび現在値の説明
注記
本章では、SINAMICS インターフェースモード (p2038 = 0) のプロセスデータの割り付
けと意味を説明します。
関連プロセスデータのために、基準パラメータも指定されます。 プロセスデータは、
一般的にパラメータ p2000 ~ r2004 に準拠して標準化されます。
以下のスケーリングが適用されます:
• 温度 100°C は 100 % に相当します
• 電気角度 90° も 100 % に相当します。
ステータスワードおよび実績値の一覧
表 10- 21
ステータスワードと実績値の一覧、プロファイル固有、ファンクションダイアグラム [2449] を参
照
略称
名称
信号番号
データタ
イプ 1)
接続パラメー
タ
ZSW1
ステータスワード 1
2
U16
r2089[0]
ZSW2
ステータスワード 2
4
U16
r2089[1]
NACT_A
速度設定値 A (16 ビット)
6
I16
r0063 (サーボ)
r0063[0] (ベク
トル)
NACT_B
速度設定値 B (32 ビット)
8
I32
r0063 (サーボ)
r0063[0] (ベク
トル)
G1_ZSW
エンコーダ 1 ステータスワード
10
U16
r0481[0]
G1_XIST1
エンコーダ 1 位置実績値 1
11
U32
r0482[0]
G1_XIST2
エンコーダ 1 位置実績値 2
12
U32
r0483[0]
G2_ZSW
エンコーダ 2 ステータスワード
14
U16
r0481[1]
G2_XIST1
エンコーダ 2 位置実績値 1
15
U32
r0482[1]
G2_XIST2
エンコーダ 2 位置実績値 2
16
U32
r0483[1]
G3_ZSW
エンコーダ 3 ステータスワード
18
U16
r0481[2]
G3_XIST1
エンコーダ 3 位置実績値 1
19
U32
r0482[2]
616
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
通信
10.1 PROFIdrive に準拠した通信
略称
名称
信号番号
データタ
イプ 1)
接続パラメー
タ
G3_XIST2
エンコーダ 3 位置実績値 2
20
U32
r0483[2]
E_DIGITAL
デジタル入力 (16 ビット)
21
U16
r2089[2]
E_DIGITAL _1
デジタル入力 (16 ビット)
22
U16
XIST_A
位置実績値 A
28
I32
r2521[0]
AKTSATZ
EPOS 選択されたブロック
33
U16
r2670
IAIST_GLATT
出力電流
平滑後
51
I16
r0068[1]
ITIST_GLATT
有効電流
平滑後
52
I16
r0078[1]
MIST_GLATT
トルク実績値、平滑後
53
I16
r0080[1]
PIST_GLATT
有効電力実績値、平滑後
54
I16
r0082[1]
NIST_A_GLATT 速度実績値 A (16 ビット)、平滑後
57
I16
r0063[1]
MELD_
NAMUR メッセージビットバー
58
U16
r3113
IAIST
出力電流実績値
59
I16
r0068[0]
MIST
トルク実績値
60
I16
r0080[0]
ZSW2_ENC
ステータスワード 2 エンコーダ
81
U16
–
S_ZSW1B
PROFIsafe を備えた PROFIdrive のセーフテ
92
U16
r2139
NAMUR
ィステータスワード 1B
1) PROFIdrive プロファイル V4 に準拠したデータタイプ:
I16 = Integer16、I32 = Integer32、U16 = Unsigned16、U32 = Unsigned32
2) ビットシリアル接続: 以下のページを参照、バイネクタ/コネクタコンバータを介した r2089
表 10- 22
ステータスワードと実績値の一覧、製造メーカ固有、ファンクションダイアグラム [2450] を参照
略称
名称
信号番号
データタ
イプ 1)
接続パラメー
タ
MELDW
メッセージワード
102
U16
r2089[2]
MSOLL_GLATT
トルク設定値、平滑後
120
I16
r0079[1]
AIST_GLATT
トルク使用率、フィルタ後段
121
I16
r0081
MT_ZSW
プローブステータスワード
131
U16
r0688
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
617
通信
10.1 PROFIdrive に準拠した通信
略称
MT1_ZS_F
名称
信号番号
データタ
イプ 1)
プローブ 1 タイムスタンプ、立ち下がりエッ
132
U16
r0687[0]
133
U16
r0686[0]
134
U16
r0687[1]
135
U16
r0686[1]
136
U16
r0687[2]
137
U16
r0686[2]
138
U16
r0687[3]
139
U16
r0686[3]
140
U16
r0687[4]
141
U16
r0686[4]
142
U16
r0687[5]
143
U16
r0686[5]
144
U16
r0687[6]
145
U16
r0686[6]
146
U16
r0687[7]
147
U16
r0686[7]
接続パラメー
タ
ジ
MT1_ZS_S
プローブ 1 タイムスタンプ、立ち上がりエッ
ジ
MT2_ZS_F
プローブ 2 タイムスタンプ、立ち下がりエッ
ジ
MT2_ZS_S
プローブ 2 タイムスタンプ、立ち上がりエッ
ジ
MT3_ZS_F
プローブ 3 タイムスタンプ、立ち下がりエッ
ジ
MT3_ZS_S
プローブ 3 タイムスタンプ、立ち上がりエッ
ジ
MT4_ZS_F
プローブ 4 タイムスタンプ、立ち下がりエッ
ジ
MT4_ZS_S
プローブ 4 タイムスタンプ、立ち上がりエッ
ジ
MT5_ZS_F
プローブ 5 タイムスタンプ、立ち下がりエッ
ジ
MT5_ZS_S
プローブ 5 タイムスタンプ、立ち上がりエッ
ジ
MT6_ZS_F
プローブ 6 タイムスタンプ、立ち下がりエッ
ジ
MT6_ZS_S
プローブ 6 タイムスタンプ、立ち上がりエッ
ジ
MT7_ZS_F
プローブ 7 タイムスタンプ、立ち下がりエッ
ジ
MT7_ZS_S
プローブ 7 タイムスタンプ、立ち上がりエッ
ジ
MT8_ZS_F
プローブ 8 タイムスタンプ、立ち下がりエッ
ジ
MT8_ZS_S
プローブ 8 タイムスタンプ、立ち上がりエッ
ジ
618
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
通信
10.1 PROFIdrive に準拠した通信
略称
名称
信号番号
データタ
イプ 1)
接続パラメー
タ
POS_ZSW
位置決めステータスワード
204
U16
r2683
POS_ZSW1
位置ステータスワード 1
221
U16
r2089[3]
POS_ZSW2
位置ステータスワード 2
223
U16
r2089[4]
FAULT_CODE
故障コード
301
U16
r2131
WARN_CODE
アラームコード
303
U16
r2132
E_ZSW1
ステータスワード 1、アクティブ電源装置用
321
U16
r2089[1]
323
U16
r2089[0]
325
U16
r2089[1]
327
U16
r2080
(アクティブラインモジュール、スマートライ
ンモジュール)
ZSW1_BM
ステータスワード 1、金属産業バージョン
(BM)
ZSW2_BM
ステータスワード 2、金属産業バージョン
(BM)
E_ZSW1_BM
電源装置のステータスワード 1、金属産業バ
ージョン (ベーシックラインモジュール、ス
マートラインモジュール、アクティブライン
モジュール)
SP_ZSW
クランプシステム、ステータスワード
400
U16
–
SP_XIST_A
クランプシステム、位置実績値アナログ
401
U16
–
SP_XIST_D
クランプシステム、位置実績値デジタル
402
U16
–
SP_KONFIG
クランプシステム、実際のコンフィグレーシ
403
U16
–
501
U16
r2089[1]
61001
U32
-
ョン
CU_ZSW1
コントロールユニット用ステータスワード 1
S_V_LIMIT_B
SLS 速度リミット
1) PROFIdrive プロファイル V4 に準拠したデータタイプ:
I16 = Integer16、I32 = Integer32、U16 = Unsigned16、U32 = Unsigned32
2) ビットシリアル接続: 以下のページを参照、バイネクタ/コネクタコンバータを介した r2089
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
619
通信
10.1 PROFIdrive に準拠した通信
ZSW1 (ステータスワード 1)
ファンクションダイアグラム [2452] を参照
表 10- 23
ZSW1 (ステータスワード 1) の説明
ビッ
ト
0
意味
電源投入準備完了
備考
1
スイッチオン準備完了
パラメータ
BO: r0899.0
電源供給、制御回路初期化完了、必要に応
じラインコンタクタ開放済み、パルス禁
止。
1
運転準備完了
0
スイッチオン準備が完了していません
1
運転準備完了
BO: r0899.1
ラインモジュールの電圧 (つまり、ラインコ
ンタクタ閉鎖 (使用される場合))、磁界形成
中。
0
運転準備が完了していません
理由: ON コマンドが存在しません
2
運転イネーブル済
1
運転イネーブル済
BO: r0899.2
制御回路およびパルスをイネーブルし、そ
の後有効設定値まで加速。
3
故障有効
0
運転禁止済
1
故障 有効
BO: r2139.3
ドライブは故障しています。それ故、使用
できません。 故障がリセットされ、原因が
解明されると、ドライブは「スイッチオン
禁止済」に切り替わります。
実際の故障は故障バッファに保存されま
す。
0
有効な故障なし
故障バッファに有効な故障はありません。
4
フリーラン停止有効 (OFF2)
1
OFF2 有効なし
0
フリーラン停止有効 (OFF2)
BO: r0899.4
OFF2 コマンドは有効です。
620
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
通信
10.1 PROFIdrive に準拠した通信
ビッ
ト
5
意味
急停止有効 (OFF3)
備考
1
OFF3 有効なし
0
急停止有効 (OFF3)
パラメータ
BO: r0899.5
OFF3 コマンドは有効です。
6
電源投入禁止
1
スイッチオン禁止
BO: r0899.6
OFF1 による場合のみ再起動が可能、その
後スイッチオン。
0
「スイッチオン禁止」なし
スイッチオンは可能です。
7
アラーム有効
1
有効なアラーム
BO: r2139.7
ドライブは再度運転可能です。 リセットの
必要なし。
有効なアラームはアラームバッファに保存
されます。
0
有効なアラームなし
アラームバッファに有効なアラームはあり
ません。
8
速度
1
許容範囲内の設定値/実績値監視
設定値と実績値の偏差が許容
実績値は許容範囲内 ; t < tmax でのダイナミ
帯域内
ックオーバーシュートまたはアンダーシュ
BO: r2197.7
ートは許容。
例: n = nset±
f = fset± など。
tmax のパラメータ設定可能。
9
PLC への制御要求
0
設定値/実績値の監視は許容範囲外
1
制御要求
BO: r0899.9
PLC は制御を実行するように要求されまし
た。 アイソクロノスモードのアプリケーシ
ョン向け条件: ドライブが PLC システム
と同期。
0
ローカルでの運転
デバイスでの制御のみ可能
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
621
通信
10.1 PROFIdrive に準拠した通信
ビッ
ト
10
意味
備考
f または n 比較値到達または
1
f または n 比較値到達または超過
超過
0
f または n 比較値未達。
パラメータ
BO: r2199.1
注記:
メッセージは以下のようにパラメータ設定されます:
p2141 スレッシホールド値
p2142 ヒステリシス
11
12
13
14
15
I、M または P リミット到達
1
I、M、P リミットに未達
または超過
0
I、M または P リミット到達または超過
1
保持ブレーキ
開済み
0
保持ブレーキ
閉
1
モータ過熱アラーム無効
0
モータ過熱アラーム有効
1
実際の速度 ≧ 0
0
実際の速度 < 0
アラーム、インバータ熱的過
1
有効なアラームなし
負荷
0
アラーム、インバータ熱的過負荷
保持ブレーキ
開
モータ過熱アラームなし
n_act ≧ 0
BO: r1407.7
BO: r0899.12
BO: r2135.14
BO: r2197.3
BO: r2135.15
インバータの過熱アラームは有効です。
ZSW1 (ステータスワード 1、位置決めモード、r0108.4 = 1)
ファンクションダイアグラム [2479] を参照
*p0922 = 111 で有効 (テレグラム 111)。
*p0922 = 110 で有効 (テレグラム 110): ビット 14 および 15 を確保。
622
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
通信
10.1 PROFIdrive に準拠した通信
表 10- 24
ZSW1 (ステータスワード 1、位置決めモード) の説明
ビッ
ト
0
意味
電源投入準備完了
備考
1
スイッチオン準備完了
パラメータ
BO:r0899.0
電源供給、制御回路初期化完了、必要に応
じラインコンタクタ開放済み、パルス禁
止。
1
運転準備完了
0
スイッチオン準備が完了していません
1
運転準備完了
BO:r0899.1
ラインモジュールの電圧 (つまり、ラインコ
ンタクタ閉鎖 (使用される場合))、磁界形成
中。
0
運転準備が完了していません
理由: ON コマンドが存在しません
2
運転イネーブル済
1
運転イネーブル済
BO:r0899.2
制御回路およびパルスをイネーブルし、そ
の後有効設定値まで加速。
3
故障有効
0
運転禁止済
1
故障 有効
BO:r2139.3
ドライブは故障しています。それ故、使用
できません。 故障がリセットされ、原因が
解明されると、ドライブは「スイッチオン
禁止済」に切り替わります。
有効な故障は、故障バッファに保存されま
す。
0
有効な故障なし
故障バッファに有効な故障はありません。
4
フリーラン停止有効 (OFF2)
1
OFF2 有効なし
0
フリーラン停止有効 (OFF2)
BO:r0899.4
OFF2 コマンドは有効です。
5
急停止有効 (OFF3)
1
OFF3 有効なし
0
急停止有効 (OFF3)
BO:r0899.5
OFF3 コマンドは有効です。
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
623
通信
10.1 PROFIdrive に準拠した通信
ビッ
ト
6
意味
電源投入禁止
備考
1
スイッチオン禁止
パラメータ
BO:r0899.6
OFF1 による場合のみ再起動が可能、その
後スイッチオン。
0
「スイッチオン禁止」なし
スイッチオンは可能です。
7
アラーム有効
1
有効なアラーム
BO:r2139.7
ドライブは再度運転可能です。 リセットは
不要。
有効なアラームは、アラームバッファに保
存されます。
0
有効なアラームなし
アラームバッファに有効なアラームはあり
ません。
8
許容範囲内の追従誤差
1
許容範囲内の設定値/実績値監視
BO: r2684.8
許容帯域内の実績値;
許容範囲をパラメータ設定することができ
ます。
9
PLC への制御要求
0
設定値/実績値の監視は許容範囲外
1
制御要求
BO:r0899.9
PLC は制御を実行するように要求されまし
た。アイソクロノスモードのアプリケーシ
ョン向け条件: ドライブが PLC システム
と同期。
0
ローカルでの運転
デバイスでの制御のみ可能
10
11
12
624
1
目標位置に到達
0
目標位置に未到達
1
原点セットポイントの設定
0
原点セットポイント未設定
リセット、トラバースブロッ
0/1
リセット、トラバースブロック
ク有効
0
効果なし
目標位置に到達
原点セットポイントの設定
BO: r2684.10
BO: r2684.11
BO: r2684.12
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
通信
10.1 PROFIdrive に準拠した通信
ビッ
ト
13
14*
15*
意味
備考
1
停止状態のドライブ
0
停止状態ではないドライブ
軸加速
1
軸は加速しています。
(テレグラム 111)
0
軸は加速していません。
軸減速
1
軸は減速しています。
(テレグラム 111)
0
軸は減速していません。
停止状態のドライブ
パラメータ
BO: r2199.0
BO: r2684.4
BO: r2684.5
ZSW2 (ステータスワード 2)
ファンクションダイアグラム [2454] を参照
表 10- 25
ビッ
ト
ZSW2 (ステータスワード 2) の説明
意味
備考
パラメータ
0
DDS 有効、ビット 0
–
有効なドライブデータセット (5 ビットカウ BO: r0051.0
1
DDS 有効、ビット 1
–
ンタ)
2
DDS 有効、ビット 2
–
BO: r0051.2
3
DDS 有効、ビット 3
–
BO: r0051.3
4
DDS 有効、ビット 4
–
BO: r0051.4
5
アラームクラスビット 0
–
ビット 5 ~ 6: SINAMICS ドライブ装置のア BO: r2139.11
6
アラームクラスビット 1
–
ラームステージ、以下のアラームメッセー
ジの属性として伝送済
BO: r0051.1
BO: r2139.12
値 = 0: アラーム (前のアラームステージ)
値 = 1: アラームクラス A
値 = 2: アラームクラス B
値 = 3: アラームクラス C
7
8
9
軸のパーキング
固定端への移動
予備
1
軸のパーキング有効
0
軸のパーキング無効
1
固定端への移動
0
固定端への移動なし
–
–
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
BO: r0896.0
BO: r1406.8
–
625
通信
10.1 PROFIdrive に準拠した通信
ビッ
ト
10
11
12
意味
パルスイネーブル済
データセット切り替え
スレーブのサインオブライフ
備考
パラメータ
BO:r0899.11
1
パルスイネーブル済
0
パルスイネーブルされていません
1
データセット切り替え有効
0
データセット切り替え有効
–
ユーザデータ統合 (4 ビットカウンタ)
暗黙的に接続
–
–
–
–
–
–
–
–
–
BO: r0835.0
ビット 0
13
スレーブのサインオブライフ
ビット 1
14
スレーブのサインオブライフ
ビット 2
15
スレーブのサインオブライフ
ビット 3
ZSW1_BM (ステータスワード 1、金属産業)
ファンクションダイアグラム [2428] を参照。
表 10- 26
ZSW1_BM (ステータスワード 1、金属産業) の説明
ビッ
ト
0
意味
開始準備完了
備考
1
スイッチ「入」準備完了
パラメータ
BO: r0899.0
電源供給「オン」、制御回路開始完了、必
要に応じラインコンタクタ開放済み、パル
スブロック済。
1
準備完了
0
開始準備完了していません
1
運転準備完了
BO: r0899.1
ラインモジュールの電圧 (つまり、ラインコ
ンタクタ「閉」 (使用される場合))、磁界形
成中。
0
運転準備が完了していません
理由: ON コマンドが存在しません
626
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
通信
10.1 PROFIdrive に準拠した通信
ビッ
ト
2
意味
運転イネーブル済
備考
1
運転イネーブル済
パラメータ
BO: r0899.2
制御回路およびパルスをイネーブルし、そ
の後有効設定値まで立ち上がり。
3
故障有効
0
運転禁止済
1
故障有効
BO: r2139.3
ドライブは故障しています。そのため使用
できません。 故障が確認され、原因が解明
されると、ドライブは「スイッチ「入」禁
止済」に切り替わります。
実際の故障は故障バッファに保存されま
す。
0
故障無効
故障バッファに有効な故障はありません。
4
フリーラン停止有効 (OFF2)
1
OFF2 無効
0
フリーラン停止有効 (OFF2)
BO: r0899.4
OFF2 コマンドは有効です。
5
急停止有効 (OFF3)
1
OFF3 無効
0
急停止有効 (OFF3)
BO: r0899.5
OFF3 コマンドは有効です。
6
スイッチ「入」禁止
1
スイッチ「入」禁止
BO: r0899.6
OFF1 による場合のみ再起動が可能、その
後 ON。
0
「スイッチ「入」禁止」なし
スイッチ「入」は可能です。
7
アラーム有効
1
アラーム有効
BO: r2139.7
ドライブは再び運転可能な状態です。 確認
の必要なし。
有効なアラームはアラームバッファに保存
されます。
0
アラーム無効
アラームバッファに有効なアラームはあり
ません。
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
627
通信
10.1 PROFIdrive に準拠した通信
ビッ
ト
8
意味
速度
備考
1
許容範囲内の設定値/実績値監視
許容範囲内の設定値と実績値
許容範囲内の実績値; t < tmax でのダイナミ
の偏差
ックオーバーシュートまたはアンダーシュ
パラメータ
BO: r2197.7
ートは許容。
例: n = nset±
f = fset±、など。
tmax のパラメータ設定可能。
9
PLC への制御要求
0
設定値/実績値の監視は許容範囲外
1
制御要求
BO: r0899.9
PLC は制御を想定するように要求されま
す。 アイソクロノスモードでのアプリケー
ションのための条件: PLC システムと同期
されたドライブ。
0
ローカルでの運転
デバイスでの制御のみ可能
10
f または n 比較値到達または
1
f または n 比較値到達または超過
超過
0
f または n 比較値未達。
BO: r2199.1
注記:
メッセージは以下のようにパラメータ設定されます:
p2141 スレッシホールド値
p2142 ヒステリシス
11
12
13
I、M または P リミット到達
1
I、M、P リミットに未達
または超過
0
I、M または P リミット到達または超過
保持ブレーキ「開」
1
保持ブレーキ「開」済
0
保持ブレーキ「閉」済
1
モータ過熱アラーム無効
0
モータ過熱アラーム有効
モータ過熱アラームなし
BO: r1407.7
BO: r0899.12
BO: r2135.14
14
予備
-
-
-
15
予備
-
-
-
628
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
通信
10.1 PROFIdrive に準拠した通信
ZSW2_BM (ステータスワード 2、金属産業)
ファンクションダイアグラム [2429] を参照。
表 10- 27
ビッ
ト
ZSW2_BM (ステータスワード 2、金属産業) の説明
意味
備考
パラメータ
0
予備
-
-
-
1
予備
-
-
-
2
予備
-
-
-
3
予備
-
-
-
4
予備
-
-
-
5
アラームクラスビット 0
–
ビット 5 ~ 6:SINAMICS ドライブ装置の
BO:r2139.11
6
アラームクラスビット 1
–
アラームステージ。以下のアラームメッセ
BO:r2139.12
ージの属性として転送。
値 = 0:アラーム (前のアラームステージ)
値 = 1:アラームクラス A
値 = 2:アラームクラス B
値 = 3:アラームクラス C
7
予備
-
-
-
8
予備
-
-
-
9
速度設定値を制限
1
速度設定値を制限済
r1407.11
0
速度設定値が制限されていない
1
トルク上側リミットに到達
0
トルク上側リミットに未達
1
トルク下側リミットに到達
0
トルク下側リミットに未達
10
11
トルク上側リミット
トルク下側リミット
r1407.8
r1407.9
12
予備
-
-
-
13
Safe Stop 1 (安全停止 1)
1
PROFIsafe で PROFIdrive に従ってスケー
r9773.2
リングされた信号
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
629
通信
10.1 PROFIdrive に準拠した通信
ビッ
ト
14
意味
Safe Torque Off (安全トルク
備考
1
オフ) が有効
PROFIsafe で PROFIdrive に従ってスケー
パラメータ
r9773.1
リングされた信号
(安全停止)
15
コントローラのサインオブラ
1
トグルビット通信有効
イフ
0
トグルビット通信無効
トグルビット
r2093.15
ZSW2_ENC (ステータスワード 2 エンコーダ)
ファンクションダイアグラム [2434] を参照。
表 10- 28
ZSW2_ENC (ステータスワード 2 エンコーダ) の説明
ビッ
ト
意味
0...2 予備
3
故障有効
備考
パラメータ
–
–
–
1
故障有効
BO: r2139.3
ドライブは故障しています。そのため使用
できません。故障が確認され、原因が解明
されると、ドライブは「スイッチ「入」禁
止済」に切り替わります。
実際の故障は故障バッファに保存されま
す。
0
故障無効
故障バッファに有効な故障はありません。
4...6 予備
7
8
630
アラーム有効
予備
–
–
–
1
アラーム有効
r2139.7
0
アラーム無効
–
–
–
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
通信
10.1 PROFIdrive に準拠した通信
ビッ
ト
9
意味
PLC への制御要求
備考
1
制御要求
パラメータ
BO: r0899.9
PLC は制御を想定するように要求されま
す。アイソクロノスモードでのアプリケー
ションのための条件:PLC システムと同期さ
れたドライブ。
0
ローカルでの運転
デバイスでの制御のみ可能
10
予備
–
–
–
11
予備
–
–
–
12
DO のサインオブライフビッ
r2050(3)
ト0
13
DO のサインオブライフビッ
r2050(3)
ト1
14
DO のサインオブライフビッ
r2050(3)
ト2
15
DO のサインオブライフビッ
r2050(3)
ト3
NACT_A (速度設定値 A (16 ビット))
●
16 ビット分解能の速度実績値。
●
速度実績値は設定値と同様に正規化されます (NSOLL_A を参照)。
NACT_B (速度設定値 B (32 ビット))
●
32 ビット分解能の速度実績値。
●
速度実績値は設定値と同様に正規化されます (NSOLL_B を参照)。
Gn_ZSW (エンコーダ n ステータスワード)
Gn_XIST1 (エンコーダ n 位置実績値 1)
Gn_XIST2 (エンコーダ n 位置実績値 2)
このプロセスデータは、エンコーダインターフェースに属します。
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
631
通信
10.1 PROFIdrive に準拠した通信
E_DIGITAL
E_DIGITAL1
MT_ZSW
MT_n_ZS_F/MT_n_ZS_S
CU_ZSW1
これらのプロセスデータは、セントラル方式のプロセスデータの一部です。
IAIST
電流実績絶対値。
IAIST_GLATT
p0045 で平滑化された電流実績絶対値が表示されます。
ITIST_GLATT
p0045 で平滑化された電流実績値が表示されます。
MIST
トルク実績値。
MIST_GLATT
p0045 で平滑化されたトルク実績値が表示されます。
PIST_GLATT
p0045 で平滑化された有効電力が表示されます。
NIST_A_GLATT
p0045 で平滑化された速度実績値が表示されます。
MSOLL_GLATT
p0045 で平滑化されたトルク設定値が表示されます。
632
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
通信
10.1 PROFIdrive に準拠した通信
AIST_GLATT
p0045 で平滑化されたトルク利用率が表示されます。
MELDW (メッセージワード)
ファンクションダイアグラム [2456] を参照
表 10- 29
MELDW (メッセージワード) の説明
ビッ
ト
0
意味
立ち上がり/立ち下がり完了/
備考
1
ランプファンクションジェネ
立ち上がり/立ち下がり完了。
パラメータ
BO: r2199.5
• 速度設定値が変更されると、立ち上がり
レータ有効
動作が完了されます。
1/0 立ち上がり開始。
立ち上がり動作の開始は以下の状態によっ
て検出されます:
• 速度設定値が変更され、
そして、
• 設定された許容帯域 (p2164) を出まし
た。
0
ランプファンクションジェネレータ有効
• 速度設定値が変更されても、立ち上がり
動作は引き続き有効です。
0/1 立ち上がり終了。
立ち上がり動作の終了は、以下のように検
出されます:
• 速度設定値が一定で、
そして、
• 速度実績値が許容範囲内にあり、速度設
定値に到達しました。
そして、
• 遅延時間 (p2166) が経過しました。
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
633
通信
10.1 PROFIdrive に準拠した通信
ビッ
ト
1
意味
トルク利用率 < p2194
備考
1
トルク利用率 < p2194
パラメータ
BO: r2199.11
• トルク利用率の現在値は、設定されたト
ルク利用率のスレッシホールド (p2194)
を下回っています、
または
• 立ち上がりがまだ完了していません。
0
トルク利用率 > p2194
• 現在のトルク利用率は、設定されたトル
ク利用率のスレッシホールド (p2194) を
上回っています。
アプリケーション:
このメッセージは、モータが過負荷状態にあり、問題を解決するために適切な処置が行われる必
要があることを示しています (例: モータ停止または負荷低減)。
2
|n_act| < p2161
1
|n_act| < p2161
BO: r2199.0
速度実績値は設定されたスレッシホールド
値 (p2161) を下回っています。
0
|n_act| ≥ p2161
速度実績絶対値は設定されたスレッシホー
ルド値 (p2161) 以上です。
注記:
メッセージは以下のようにパラメータ設定されます:
p2161 スレッシホールド値
p2150 ヒステリシス
アプリケーション:
システムを保護するため、速度が設定されたスレッシホールド値を下回るまで、ギアは機械的に
切り替えられません。
3
|n_act| ≤ p2155
1
|n_act| ≦ p2155
BO: r2197.1
速度実績絶対値は設定されたスレッシホー
ルド値 (p2155) 未満です。
0
|n_act| > p2155
速度実績絶対値は設定されたスレッシホー
ルド値 (p2155) を上回っています。
634
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
通信
10.1 PROFIdrive に準拠した通信
ビッ
ト
意味
備考
パラメータ
注記:
メッセージは以下のようにパラメータ設定されます:
p2155 スレッシホールド値
p2140 ヒステリシス
アプリケーション:
速度監視。
4
5
Vdc_min コントローラ有効
1
Vdc_min コントローラ有効
(Vdc < p1248)
0
Vdc_min コントローラ無効
変数信号機能
1
SERVO 軸の監視された信号が指定された
r0056.15
BO: r3294
スレッシホールド値を超過しました。
0
SERVO 軸の監視信号が指定されたスレッ
シホールド値以内であるか、または信号機
能が無効です。
6
モータ過熱アラームなし
1
モータ過熱アラームなし
BO: r2135.14
モータ温度は許容範囲内です。
0
アラーム、モータ過熱
モータ温度は設定されたモータ温度スレッ
シホールド値 (p0604) を上回っています。
注記:
• モータ温度スレッシホールドが超過されると、これを警告するために、先ずアラームのみが出
力されます。 温度がアラームスレッシホールドを下回ると、アラームは自動的にキャンセルさ
れます。
• 過熱が p0606 を介して設定された値よりも長く存在すると、これを警告するために故障が出力
されます。
• モータ温度の監視は p0600 = 0 を介してスイッチ「切」にできます。
用途:
このメッセージには、負荷を低減し、設定時間の経過後にモータが「モータ過熱」という故障で
遮断されることを防ぐことで応答できます。
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
635
通信
10.1 PROFIdrive に準拠した通信
ビッ
ト
意味
7
パワーユニットで熱過負荷ア
備考
1
ラームなし
パワーユニットで熱過負荷アラームなし
パラメータ
BO: r2135.15
パワーユニットのヒートシンク温度は許容
範囲内です。
0
パワーユニットで熱過負荷アラームなし
パワーユニットでヒートシンク温度は許容
範囲外です。
過熱が存在し続けると、ドライブは約 20 秒
後にスイッチ「切」になります。
8
1
速度設定値と実績値の偏差が
許容値 t_on 内
速度設定値/実績値の偏差は許容値 (p2163)
BO: r2199.4
内です: この信号は、p2167 で指定した遅延
時間が経過するとスイッチ「入」になりま
す。
0
9
速度設定値/実績値の偏差は許容値外です。
ESR 応答開始済 / 回生運転有 1
ESR 応答開始済
効
ESR 応答が開始されていません
0
r0887.12
10
予備
-
-
-
11
コントローライネーブル
1
コントローライネーブル
BO: r0899.8
12
ドライブ準備完了
1
ドライブ準備完了
BO: r0899.7
13
パルスイネーブル済
1
パルスイネーブル済
BO: r0899.11
モータを駆動するためのパルスがイネーブ
ルされました。
0
パルスブロック済み
用途:
電機子短絡保護は、パルスブロックの場合のみスイッチ「入」にしなければなりません。
電機子短絡保護を有効な場合、複数ある条件の 1 つとしてこの信号を評価することが可能です。
14,
予備
-
-
-
15
MELD_NAMUR
NAMUR メッセージビットバーの表示。
636
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
通信
10.1 PROFIdrive に準拠した通信
AKTSATZ
ファンクションダイアグラム [3650] を参照。
表 10- 30
AKTSATZ (有効なトラバースブロック/MDI 有効) の説明
ビット
0
意味
有効なトラバースブロッ
備考
–
ク、ビット 0
1
有効なトラバースブロッ
パラメータ
有効なトラバースブロック (6 ビットカウン BO: r2670.0
タ)
–
BO: r2670.1
–
BO: r2670.2
–
BO: r2670.3
–
BO: r2670.4
–
BO: r2670.5
ク、ビット 1
2
有効なトラバースブロッ
ク、ビット 2
3
有効なトラバースブロッ
ク、ビット 3
4
有効なトラバースブロッ
ク、ビット 4
5
有効なトラバースブロッ
ク、ビット 5
6 ... 14
15
予備
–
–
–
MDI 有効
1
MDI 有効
BO: r2670.15
0
MDI 無効
POS_ZSW
ファンクションダイアグラム [3645] を参照。
表 10- 31
ビッ
ト
0
1
POS_ZSW (ステータスワード、位置決めモード) の説明
意味
トラッキングモード有効
速度リミット有効
備考
1
トラッキングモード有効
0
トラッキングモード無効
1
有効
0
無効
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
パラメータ
BO: r2683.0
BO: r2683.1
637
通信
10.1 PROFIdrive に準拠した通信
ビッ
ト
2
3
4
5
6
意味
備考
BO: r2683.2
1
設定値固定
0
設定値が固定ではない
1
位置設定値に到達
0
位置設定値に未到達
1
軸は前方に移動
0
軸は静止または後方に移動
1
軸は後方に移動
0
軸は静止または前方に移動
マイナスソフトウェアリミッ
1
マイナス SW リミットスイッチ実行済
トスイッチ実行済
0
マイナス SW リミットスイッチ実行されて
設定値固定
位置設定値に到達
軸は前方に移動
軸は後方に移動
パラメータ
BO: r2683.3
BO: r2683.4
BO: r2683.5
BO: r2683.6
いません
7
プラスソフトウェアリミット
1
プラス SW リミットスイッチ実行済
スイッチ実行済
0
プラス SW リミットスイッチ実行されてい
BO: r2683.7
ません
8
9
10
11
12
13
14
15
638
位置実績値 ⇐ カムスイッチ位
1
位置実績値 ⇐ カムスイッチ位置 1
置1
0
カム切り替え位置 1 通過済
位置実績値 ⇐ カムスイッチ位
1
位置実績値 ⇐ カムスイッチ位置 2
置2
0
カム切り替え位置 2 通過済
トラバースブロックによる直
1
直接出力 1 有効
接出力 1
0
直接出力 1 無効
トラバースブロックによる直
1
直接出力 1 有効
接出力 2
0
直接出力 1 無効
固定端に到達
1
固定端に到達
0
固定端へ未達
固定端クランピングトルク到
1
固定端クランピングトルク到達
達
0
固定端クランピングトルクに未達
固定端への移動有効
1
固定端への移動有効
0
固定端への移動無効
–
–
予備
BO: r2683.8
BO: r2683.9
BO: r2683.10
BO: r2683.11
BO: r2683.12
BO: r2683.13
BO: r2683.14
–
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
通信
10.1 PROFIdrive に準拠した通信
POS_ZSW1 (ステータスワード 1、位置決めモード、r0108.4 = 1)
ファンクションダイアグラム [2466] を参照。
表 10- 32
POS_ZSW1 (ステータスワード 1、位置決めモード、r0108.4 = 1)
ビッ
ト
意味
0
有効なトラバースブロック、
備考
–
ビット 0
1
有効なトラバースブロック、
パラメータ
有効なトラバースブロック (6 ビットカウン BO:r2670.0
タ)
–
BO:r2670.1
–
BO:r2670.2
–
BO:r2670.3
–
BO:r2670.4
–
BO:r2670.5
ビット 1
2
有効なトラバースブロック、
ビット 2
3
有効なトラバースブロック、
ビット 3
4
有効なトラバースブロック、
ビット 4
5
有効なトラバースブロック、
ビット 5
6
予備
–
–
–
7
予備
–
–
–
8
停止機械リミット負側が有効
1
–
BO: r2684.13
9
停止機械リミット正側が有効
1
–
BO: r2684.14
10
ジョグ有効
1
ジョグ有効
BO: r2094.0
0
ジョグ無効
BO: r2669.0
原点セットポイントアプロー
1
原点セットポイントアプローチが有効
BO: r2094.1
チが有効
0
原点セットポイントアプローチが無効
BO: r2669.1
フライング原点セット
1
フライング原点セット
BO: r2684.1
0
フライング原点セットが無効
1
トラバースブロックが有効
BO: r2094.2
0
トラバースブロックが無効
BO: r2669.2
1
Set-up が有効
BO: r2094.3
0
Set-up が無効
BO: r2669.4
11
12
13
14
トラバースブロックが有効
Set-up が有効
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
639
通信
10.1 PROFIdrive に準拠した通信
ビッ
ト
15
意味
MDI 有効
備考
1
MDI 有効
0
MDI 無効
パラメータ
BO: r2670.15
POS_ZSW2 (ステータスワード 2、位置決めモード、r0108.4 = 1)
ファンクションダイアグラム [2467] を参照。
表 10- 33
POS_ZSW2 (ステータスワード 2、位置決めモード、r0108.4 = 1)
ビッ
ト
0
1
2
3
4
5
6
意味
備考
1
トラッキングモード有効
0
トラッキングモード無効
1
有効
0
無効
1
設定値固定
0
設定値が固定ではない
プリントインデックスが外側
1
フライング/ パッシブ原点セットが無効
ウィンドウの外
0
フライング / パッシブ原点セットが有効
軸は前方に移動します
1
軸は前方に移動します
0
軸は静止または後方に移動します
1
軸は後方に移動します
0
軸は静止または前方に移動します
負側ソフトウェアリミットス
1
負側 SW リミットスイッチ実行済
イッチ実行済
0
負側 SW リミットスイッチ実行されていま
トラッキングモード有効
速度リミット有効
設定値固定
軸は後方に移動します
パラメータ
BO: r2683.0
BO: r2683.1
BO: r2683.2
BO: r2684.3
BO: r2683.4
BO: r2683.5
BO: r2683.6
せん
7
正側ソフトウェアリミットス
1
正側 SW リミットスイッチ実行済
イッチ実行済
0
正側 SW リミットスイッチ実行されていま
BO: r2683.7
せん
8
640
位置実績値 ⇐ カム切り替え位
1
位置実績値 ⇐ カム切り替え位置 1
置1
0
カム切り替え位置 1 通過済
BO: r2683.8
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
通信
10.1 PROFIdrive に準拠した通信
ビッ
ト
意味
9
位置実績値 ⇐ カム切り替え位
1
位置実績値 ⇐ カム切り替え位置 2
0
カム切り替え位置 2 通過済
トラバースブロックによる直
1
直接出力 1 有効
接出力 1
0
直接出力 1 無効
トラバースブロックによる直
1
直接出力 1 有効
接出力 2
0
直接出力 1 無効
固定端に到達
1
固定端に到達
0
固定端へ到達していません
1
固定端クランプトルク到達
0
固定端クランピングトルクに到達していま
置2
10
11
12
13
備考
固定端クランプトルク到達
パラメータ
BO: r2683.9
BO: r2683.10
BO: r2683.11
BO: r2683.12
BO: r2683.13
せん
14
15
固定端への移動有効
トラバースコマンド有効
1
固定端への移動有効
0
固定端への移動無効
1
軸が移動中
0
軸が静止
BO: r2683.14
BO: r2684.15
XIST_A
位置実績値が表示されます。
スケーリング: 1 は 1 LU に対応します
SP_ZSW
クランプシステム、ステータスワード
SP_XIST_A
クランプシステム: 位置 (アナログ実績値)
SP_XIST_D
クランプシステム: 位置 (デジタル測定情報)
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
641
通信
10.1 PROFIdrive に準拠した通信
SP_KONFIG
クランプシステム: センサコンフィグレーション
S_ZSW1B
安全情報チャンネル: ステータスワード
表 10- 34
説明 S_ZSW1B
ビッ
ト
0
1
2
3
4
5
6
7
意味
STO 有効
SS1 有効
SS2 有効
SOS 有効
SLS 有効
SOS 選択済
SLS 選択済
内部イベント
8…11 予備
12
13
642
SDI 正側選択済
SDI 負側選択済
備考
パラメー
タ
1
STO 有効
r9734.0
0
STO 無効
1
SS1 有効
0
SS1 無効
1
SS2 有効
0
SS2 無効
1
SOS 有効
0
SOS 無効
1
SLS 有効
0
SLS 無効
1
SOS 選択済
0
SOS 選択されていません
1
SLS 選択済
0
SLS 選択されていません
1
内部イベント
0
内部イベントなし
–
–
–
1
SDI 正側選択済
r9734.12
0
SDI 正側選択されていません
1
SDI 負側選択済
0
SDI 負側選択されていません
r9734.1
r9734.2
r9734.3
r9734.4
r9734.5
r9734.6
r9734.7
r9734.13
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
通信
10.1 PROFIdrive に準拠した通信
ビッ
ト
14
15
意味
ESR 退避要求済
セーフティメッセージ有効
備考
1
ESR 退避要求済
0
ESR 退避要求されていません
1
セーフティメッセージ有効
0
セーフティメッセージ無効
パラメー
タ
r9734.14
r9734.15
S_V_LIMIT_B
信号ビットでの 32 ビットの分解能を含む SLS 速度リミット。
●
SLS 速度リミットは r9733[2] で使用可能です。
●
ビット 31 が値符号を決定します:
– ビット = 0 → 正の値
– ビット = 1 → 負の値
●
SLS 速度リミットは p2000 を介して標準化されます。
S_V_LIMIT_B = 4000 0000 hex ≐ p2000 の速度
WARN_CODE
アラームコードの表示 (ファンクションダイアグラム 8065 を参照)。
FAULT_CODE
故障コードの表示 (ファンクションダイアグラム 8060 を参照)。
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
643
通信
10.1 PROFIdrive に準拠した通信
E_ZSW1 (電源装置のステータスワード)
ファンクションダイアグラム [2457] を参照。
表 10- 35
E_ZSW1 (電源装置のステータスワード) の説明
ビッ
ト
0
1
意味
開始準備完了
運転準備完了
備考
1
開始準備完了
0
開始準備完了していません
1
運転準備完了
パラメータ
BO: r0899.0
BO: r0899.1
DC リンクの予備充電完了、パルスブロック
済
2
運転イネーブル済
0
運転準備完了していません
1
運転イネーブル済
BO: r0899.2
Vdc = Vdc_setp
3
4
故障有効
OFF2 無効
0
運転禁止済
1
故障有効
0
故障なし
1
OFF2 無効
0
OFF2 有効
BO: r2139.3
BO: r0899.4
5
予備
–
–
–
6
スイッチ「入」禁止
1
スイッチ「入」禁止
BO: r0899.6
故障有効
7
アラーム有効
0
「スイッチ「入」禁止」 無効
1
アラーム有効
0
アラーム無効
8
予備
–
–
9
PLC への制御要求
1
制御要求
r2139.7
–
BO: r0899.9
PLC は制御を想定するように要求されます。
アイソクロノスモードでのアプリケーション
のための条件: PLC システムと同期されたド
ライブ。
0
ローカルでの運転
デバイスでの制御のみ可能
644
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
通信
10.1 PROFIdrive に準拠した通信
ビッ
ト
意味
備考
10
予備
–
–
11
予備充電完了
1
バイパス励磁済
パラメータ
–
BO:
予備充電が完了し、予備充電抵抗器用のバイ
r0899.11
パスリレーが励磁されています。
0
バイパスが励磁されていません。
予備充電が完了していません。
12
ラインコンタクタ有効
13... 予備
1
ラインコンタクタ有効
0
コンタクタは励磁されません
–
–
BO:
r0899.12
–
15
E_ZSW1_BM (電源装置のステータスワード、金属産業)
ファンクションダイアグラム [2430] を参照。
表 10- 36
E_ZSW1_BM (電源装置のステータスワード、金属産業) の説明
ビッ
ト
0
1
意味
開始準備完了
準備完了
備考
1
開始準備完了
0
開始準備完了していません
1
運転準備完了
パラメータ
BO:r0899.0
BO: r0899.1
DC リンクの予備充電完了、パルスブロッ
ク済
2
運転イネーブル済
0
運転準備完了していません
1
運転イネーブル済
BO: r0899.2
Vdc = Vdc_setp
3
4
故障有効
OFF2 無効
0
運転禁止済
1
故障有効
0
故障なし
1
OFF2 無効
0
OFF2 有効
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
BO: r2139.3
BO: r0899.4
645
通信
10.1 PROFIdrive に準拠した通信
ビッ
ト
意味
備考
パラメータ
5
予備
–
–
–
6
スイッチ「入」禁止
1
スイッチ「入」禁止
BO: r0899.6
故障有効
7
アラーム有効
0
「スイッチ「入」禁止」 無効
1
アラーム有効
0
アラームなし
BO: r2139.7
8
予備
–
–
–
9
PLC への制御要求
1
制御要求
BO: r0899.9
PLC は制御を想定するように要求されま
す。アイソクロノスモードでのアプリケー
ションのための条件:PLC システムと同期さ
れたドライブ。
0
ローカルでの運転
デバイスでの制御のみ可能
10
予備
–
–
–
11
バイパス励磁済
1
バイパス励磁済
BO: r0899.11
予備充電が完了し、予備充電抵抗器用のバ
イパスリレーが励磁されています。
0
バイパスが励磁されていません。
予備充電が完了していません。
12
1
ラインコンタクタ有効
BO: r0899.12
–
–
–
ライフトグルビットの
1
トグルビット通信有効
r2090.15
コントローラ信号トグルビッ
0
トグルビット通信無効
ラインコンタクタ有効
13.. 予備
14
15
ト
646
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
通信
10.1 PROFIdrive に準拠した通信
10.1.2.5
エンコーダ用のコントロールワード/ステータスワード
エンコーダ用のプロセスデータは様々なテレグラムで使用可能です。 例えば、テレグ
ラム 3 は 1 台の位置エンコーダでの速度制御用に提供され、エンコーダ 1 のプロセス
データを伝送します。
以下のプロセスデータがエンコーダに対して利用可能です:
●
Gn_STW エンコーダ n コントロールワード (n = 1、2、3)
●
Gn_ZSW エンコーダ n ステータスワード
●
Gn_XIST1 エンコーダ n 位置実績値 1
●
Gn_XIST2 エンコーダ n 位置実績値 2
注記
エンコーダ 1: モータエンコーダ
エンコーダ 2: 直接測定システム
エンコーダ 3: 追加測定システム
エンコーダ 3 は p2079 およびスタンダードテレグラムを介して接続できます。
エンコーダインターフェースの例
352),%86
*B67:
*B67:
0DVWHU
6ODYH
*B=6:
*B=6:
図 10-7
*B;,67
*B;,67
*B;,67
エンコーダインターフェースの例 (エンコーダ 1: 2 つの実績値、エンコーダ
2: 1 つの実績値)
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
647
通信
10.1 PROFIdrive に準拠した通信
エンコーダ n コントロールワード (Gn_STW、n = 1、2、3)
エンコーダコントロールワードでエンコーダ機能を制御します。
ファンクションダイアグラム [4720] を参照
表 10- 37
ビッ
ト
Gn_STW の各信号の説明
名称
信号ステータス、説明
0
基準マーク検索 機能
ビット 7 = 0 の場合、基準マーク検索が要求されます:
1
または速度サー
ビ
2
チ
ッ
3
意味
ト
0
機能 1
基準マーク 1
1
機能 2
基準マーク 2
2
機能 3
基準マーク 3
3
機能 4
基準マーク 4
ビット 7 = 1 の場合、速度サーチが要求されます:
0
機能 1
プローブ 1 の立ち上がりエッジ
1
機能 2
プローブ 2 の立ち下がりエッジ
2
機能 3
プローブ 3 の立ち上がりエッジ
3
機能 4
プローブ 4 の立ち下がりエッジ
注記:
• ビット x = 1
ビット x = 0
機能を要求
機能を要求しない
• 複数の機能が有効である場合、以下が適用されます:
有効な各機能が終了し、これがステータスビットで確認される
まで (ZSW.0/.1/.2/.3 が再度「0」になる)、全ての機能の値は読
み出せません。
• 基準マーク検索
基準マークを検索することができます。
• 等価ゼロマーク
• 速度サーチ
立ち上がりエッジと立ち下がりエッジの両方を同時に選択にす
ることができます。
648
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
通信
10.1 PROFIdrive に準拠した通信
ビッ
ト
名称
4
信号ステータス、説明
ビット 6、 5、 4
コマンド
意味
5
000
機能なし
6
001
選択されたファンクションを有効化
010
生成された値を読み出し
011
機能を終了
(x: ビット 0 ~ 3 で選択された機能)
7
0...
モード
1
速度サーチ (p0418 の設定で高分解能)
0
基準マーク検索 (p0418 を介して高分解能)
予備
-
サイクリックな絶対値を要求
1
12
13
Gn_XIST2 における絶対位置実績値のサイクリック伝送を要
求
使用 (例):
• 追加の測定システム監視
• 立ち上がり中の同期制御
14
エンコーダのパーキング
0
要求なし
1
エンコーダのパーキングを要求 (Gn_ZSW ビット 14 でのハ
ンドシェーク)
15
エンコーダ故障を確認
0
要求なし
0/1
エンコーダの故障リセット要求
*QB=6:
ኅዐነዙኝ㟔椫
*QB67:
ኅዐነዙኝ㟔椫ት䭉崜
*QB=6:
ኅዐነዙኝ㟔椫䭉崜㦘╈
㟔椫ቑⓙ棳
≰⚆ቒዃዙና቎ቫቆ቉዇ኘአእሸቯቍሴቯቓቍቭቡሾቶᇭ
0
要求なし
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
649
通信
10.1 PROFIdrive に準拠した通信
例 1: 基準マーク検索
この例での想定:
●
距離コード化された基準マーク
●
2 点の基準マーク (機能 1/機能 2)
●
エンコーダ 1 での位置制御
኿ዙኦ
*B67: ኲቾዐኌኔዄዐ
*B67: ኲቾዐኌኔዄዐ
*B67: ☮䍈ኘአእኻዙኌ
☮䍈ኘአእኻዙኌ
☮䍈ኘአእኻዙኌ
☮䍈ኘአእኻዙኌ
ነኻዐኦ
*B67: 㳮厌ት㦘╈▥
*B67: ⊳ቑ崼ቢ♥ቭ
☮䍈ኘአእኻዙኌ㮫侱
ኲቾዐኌኔዄዐት㦘╈▥
崼ቢ♥ቭ
⊳
崼ቢ♥ቭ
⊳
ኲቾዐኌኔዄዐ㦘╈
*B=6: ኲቾዐኌኔዄዐ㦘╈
ኲቾዐኌኔዄዐ㦘╈
*B=6: ⊳∎䞷♾厌
*B=6: *[B;,67
ኲቾዐኌኔዄዐ㦘╈
⊳
∎䞷♾厌
⊳
∎䞷♾厌
☮䍈ኘአእኻዙኌቊ
ቑ⇜函⸮働⊳
☮䍈ኘአእኻዙኌቊ
ቑ⇜函⸮働⊳
☮䍈ኘአእኻዙኌ
⸮働⊳↬抐
≰⚆ቒዃዙና቎ቫቭ዇ኘአእሸቯቍሴቯቓቍቭቡሾቶᇭ
図 10-8
650
「基準マーク検索」のためのシーケンスチャート
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
通信
10.1 PROFIdrive に準拠した通信
例 2: 速度サーチ
この例での想定:
●
立ち上がりエッジでの測定プローブ (機能 1)
●
エンコーダ 1 での位置制御
኿ዙኦ
*B67: ኲቾዐኌኔዄዐ
*B67: ነኻዐኦ
*B67: 㳮厌ት㦘╈▥
*B67: ⊳ቑ崼ቢ♥ቭ
㳮厌㦘╈
*B=6: ∎䞷♾厌ቍ⊳
*B67: 抮ㄵኒዙኞ
ኴዊዙኳ䵚ቄₙሯቭኅአን
ኲቾዐኌኔዄዐት㦘╈▥
⊳ት崼ቢ♥ቭ
ኲቾዐኌኔዄዐ㦘╈
ኴዊዙኳ⋞ぽሥቭ
*B=6:
ኴዊዙኳኅአን
⸮働⊳↬抐
⊳∎䞷♾厌
≰⚆ቒዃዙና቎ቫቭ዇ኘአእሸቯቍሴቯቓቍቭቡሾቶᇭ
図 10-9
「速度サーチ」のシーケンスチャート
エンコーダ 2 コントロールワード (G2_STW)
●
G1_STW を参照
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
651
通信
10.1 PROFIdrive に準拠した通信
エンコーダ n ステータスワード (Gn_ZSW、n = 1、2)
エンコーダのステータスワードは状態、故障、確認を表示するために使用されます。
ファンクションダイアグラム [4730] を参照
表 10- 38
Gn_ZSW の各信号の説明
ビッ 名称
ト
信号ステータス、説明
0
「基準マー
1
ク検索」 ま 機能 1 ~ 4
2
たは 「速度 有効
3
ステータス: 「基準マーク検索」および「速度サーチ」に有効
サーチ」
ビッ
意味
ト
0
機能 1
基準マーク 1
プローブ 1 立ち上がりエッジ
1
機能 2
基準マーク 2
プローブ 1 立ち下がりエッジ
2
機能 3
基準マーク 3
プローブ 2 立ち上がりエッジ
3
機能 4
基準マーク 4
プローブ 2 立ち下がりエッジ
注記:
• ビット x = 1 機能有効
ビット x = 0 機能無効
4
ステータス: 「基準マーク検索」および「速度サーチ」に有効
5
値1~4有
6
効
7
ビッ
意味
ト
4
値1
基準マーク 1
プローブ 1 立ち上がりエッジ
652
5
値2
プローブ 1 の立ち下がりエッジ
6
値3
プローブ 2 の立ち上がりエッジ
7
値4
プローブ 2 の立ち下がりエッジ
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
通信
10.1 PROFIdrive に準拠した通信
ビッ 名称
ト
信号ステータス、説明
注記:
• ビット x = 1 値が存在
ビット x = 0 値が存在しない
• 一度に読み出せる値は 1 つだけです。
理由: 値を読み出すためには、1 つの共有ステータスワード
Gn_XIST2 しか使用できません。
• プローブはコントロールユニットの「高速入力」にコンフィグレー
ションされなければなりません。
8
9
プローブ 1
1
プローブ偏差あり (High 信号)
偏差あり
0
プローブ偏差なし (Low 信号)
1
プローブ偏差あり (High 信号)
0
プローブ偏差なし (Low 信号)
1
エンコーダ故障確認有効
プローブ 2 偏差あり
10
予備
11
エンコーダ故障確認有効
-
注記:
STW.15 (エンコーダ故障を確認) を参照。
12
予備
13
サイクリックに絶対値を
0
確認無効
1
Gn_STW.13 (サイクリックに絶対値を要求) に対する確認
-
伝送
注記:
絶対値のサイクリックな伝送は優先順位の高い機能によって
中断される可能性があります。
• Gn_XIST2 を参照
14
エンコーダのパーキング
0
確認なし
1
エンコーダのパーキング有効 (つまり、エンコーダのパーキン
グはスイッチオフ)
15
エンコーダ故障
0
エンコーダのパーキング無効
1
エンコーダまたは実績値検出からの故障が有効です。
注記:
故障コードは Gn_XIST2 に記録されます。
0
故障なしは有効です。
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
653
通信
10.1 PROFIdrive に準拠した通信
エンコーダ 1 位置実績値 1 (G1_XIST1)
●
分解能: エンコーダライン ∙ 2n
n: 高分解能、内部乗算用のビット数
高分解能は p0418 を介して指定されます。
●
コントローラへの位置実績値のサイクリック伝送に使用されます。
●
伝送された値は、相対的なフリーラン実績値です。
●
オーバーフローが発生した場合は、マスタコントローラによって評価されなければ
なりません。
␔捷⃦並
ኅዐነዙኝኮወኖ
崂便
%LW
*[B;,67䞷Sኅዐነዙኝᨺ
図 10-10
●
⒉嘆㣑岼⸩
Gx_XIST1 の分割および設定
インクリメンタルエンコーダのエンコーダライン
– sin/cos 1Vpp エンコーダの場合:
エンコーダライン = 正弦波信号周期数
●
電源投入後: Gx_XIST1 = 0
●
Gx_XIST1 にオーバーフローが発生した場合は、マスタコントローラにより監視さ
れなければなりません。
●
654
ドライブ側で Gx_XIST1 のモジュロ演算はありません。
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
通信
10.1 PROFIdrive に準拠した通信
エンコーダ 1 位置実績値 2 (G1_XIST2)
Gx_XIST2 には機能に依存して異なる値が入力されます。
●
Gx_XIST2 のための優先順位
Gx_XIST2 に入力される値は、以下の優先順位を考慮するようにしてください:
ኅዐነዙኝቑኮዙኊዐኍ᧻
*[B=6: ቒሧ
*[B;,67 ሧሧራ
ኅዐነዙኝኅ዆ዙ᧻
*[B=6: ቒሧ
*[B;,67
ኅ዆ዙነዙኦ
ቒሧ
*[B;,67
尐㻑ሸቯቂ⊳S
ቒሧ
*[B;,67
倅⺍⊳S
ሧሧራ
☮䍈ኘአእኻዙኌ㮫侱
ቡቂቒ抮ㄵኒዙኞ᧻
*[B=6:
ቡቂቒ
ቡቂቒ
ቡቂቒ
ሧሧራ
倅⺍⊳ትኒኁኌ዇አኌ቎
↬抐ሼቮ᧻
*[B=6: ሧሧራ
図 10-11
機能の優先順位と Gx_XIST2
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
655
通信
10.1 PROFIdrive に準拠した通信
●
分解能: エンコーダパルス ∙ 2n
n: 高分解能、内部乗算用のビット数
␔捷⃦並
ኅዐነዙኝኮወኖ
崂便㍔⫀
⒉嘆㣑岼⸩
⪉䄥ኻዙኌቡቂቒ抮ㄵኒዙኞ቎栱ሺ቉ቒᇬⅴₚሯ拸
S
䞷ሸቯቡሼ
S
S*B;,67ቑ⫃⚗ኅዐነዙኝ
S*B;,67ቑ⫃⚗ኅዐነዙኝ
倅⺍⊳ቑ崼ቢ⒉ሺ(Q'DWኅዐነዙኝቑ⫃⚗ᇬⅴₚሯ拸䞷ሸቯቡሼ
S*B;,67ቑ⫃⚗ኅዐነዙኝ
S*B;,67ቑ⫃⚗ኅዐነዙኝ
図 10-12
●
Gx_XIST2 の分割および設定
インクリメンタルエンコーダのエンコーダライン
– sin/cos 1Vpp エンコーダの場合:
エンコーダライン = 正弦波信号周期数
Gn_XIST2 のエラーコード
表 10- 39
Gn_XIST2 のエラーコード
n_XIST2
1
考えられる原因 / 説明
意味
エンコーダ故障
エンコーダに 1 つまたは複数の故障が存在。
ドライブメッセージに準拠した詳細。
2
ゼロマーク監視
–
3
エンコーダのパーキ
• ドライブオブジェクトのパーキングが既に選択されています。
ングを中止
4
基準マーク検索を中
• 故障が存在します (Gn_ZSW.15 = 1)。
止
• エンコーダにゼロマーク (基準マーク) がありません。
• 基準マーク 2、3 または 4 が要求されています。
• 基準マーク検索中の「速度サーチ」への切り替え
• 基準マーク検索中にコマンド「値 x を読み出し」が設定されました
• 距離コード化された基準マークを含む一貫性のない位置測定値
656
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
通信
10.1 PROFIdrive に準拠した通信
n_XIST2
5
考えられる原因 / 説明
意味
中止、基準値後退
• 5 つの値以上が要求されました
• 値が要求されていません
• 要求された値は使用可能ではありません
6
速度サーチを中止
• プローブは p0488、p0489 でコンフィグレーションされていません
• 速度サーチの実行時に「基準マーク検索」への切り替え
• 速度サーチ測定中にコマンド「値 x の読み出し」が設定されました
7
測定値取得を中止
• 2 つの値以上が要求されました
• 値が要求されていません
• 要求された値は使用可能ではありません
• エンコーダのパーキング有効
• ドライブオブジェクトのパーキング有効
8
絶対値伝送を中止
• 絶対値エンコーダを使用できません
• 絶対値プロトコルのアラームビットが設定されました
3841
機能はサポートされ
–
ていません
エンコーダ 2 ステータスワード (G2_ZSW)
●
Gn_ZSW を参照
エンコーダ 2 位置実績値 1 (G2_XIST1)
●
Gn_XIST1 を参照
エンコーダ 2 位置実績値 2 (G2_XIST2)
●
Gn_XIST2 を参照
ファンクションダイアグラム (『SINAMICS S120/S150 リストマニュアル』を参照)
●
4720 エンコーダインターフェース、受信信号、エンコーダ n
●
4730 エンコーダインターフェース、送信信号、エンコーダ n
●
4735 等価ゼロマークを使用した基準マーク検索、エンコーダ n
●
4740 測定プローブの処理、測定値メモリ、エンコーダ n
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
657
通信
10.1 PROFIdrive に準拠した通信
主要パラメータ一覧 (『SINAMICS S120/S150 リストマニュアル』を参照)
設定パラメータドライブ、CU_S パラメータはマークされます
●
p0418[0...15] 高分解能 Gx_XIST1
●
p0419[0...15] 高分解能 Gx_XIST2
●
p0480[0...2] CI: エンコーダコントロールワード Gn_STW の信号ソース
●
p0488[0...2] 測定プローブ 1 の入力端子
●
p0489[0...2] 測定プローブ 2 の入力端子
●
p0490 測定プローブ反転 (CU_S)
表示パラメータドライブ
10.1.2.6
●
r0481[0...2] CO: エンコーダステータスワード Gn_ZSW
●
r0482[0...2] CO: エンコーダ位置実績値 Gn_XIST1
●
r0483[0...2] CO: エンコーダ位置実績値 Gn_XIST2
●
r0487[0...2] CO: 診断用エンコーダコントロールワード Gn_STW
●
r0979[0...30] PROFIdrive エンコーダフォーマット
拡張エンコーダ評価
標準パラメータ r0979[0...30] は、テレグラムコンフィグレーションビューからの割り
付けを説明します。
インデックス 1 はエンコーダタイプを説明します。 サブインデックス 1 はエンコーダ
の更なる特性を提供します:
表 10- 40
ビット
信号
0
=0
ロータリエンコーダ
=1
リニアエンコーダ
=0
高分解能不可
=1
高分解能可
=0
64 ビット不可
=1
予備
1
2
658
r0979 サブインデックス 1
説明
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
通信
10.1 PROFIdrive に準拠した通信
ビット
信号
3 - 28
29
30
31
10.1.2.7
説明
PROFIdrive プロファイル定義に準拠
=0
エンコーダ切り替え可能
=1
エンコーダ切り替え不可能
=0
インターフェース情報が引き続き受信されます
=1
更なるインターフェース情報は受信されません
=0
下位構造のデータは無効です
=1
下位構造のデータは有効です
中央コントロールワード/ステータスワード
説明
セントラル方式のプロセスデータは様々なテレグラムで使用可能です。 例えば、テレ
グラム 391 は測定時間とデジタル入力/出力の伝送のために使用されます。
以下のセントラル方式のプロセスデータは使用可能です:
受信信号:
●
CU_STW1 コントロールユニットコントロールワード
●
A_DIGITAL デジタル出力
●
A_DIGITAL_1 デジタル出力
●
MT_STW プローブのコントロールワード
伝送信号:
●
CU_ZSW1 コントロールユニットステータスワード
●
E_DIGITAL デジタル入力
●
E_DIGITAL_1 デジタル入力
●
MT_ZSW プローブのステータスワード
●
MT_DIAG プローブ診断ワード
●
MTn_ZS_F プローブ n 測定時間、立ち下がりエッジ (n = 1-16)
●
MTn_ZS_S プローブ n 測定時間、立ち上がりエッジ (n = 1-16)
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
659
通信
10.1 PROFIdrive に準拠した通信
CU_STW1 (コントロールユニットのコントロールワード、CU)
ファンクションダイアグラム [2495] を参照。
表 10- 41
ビッ
ト
0
1
CU_STW1 (コントロールユニットのコントロールワード) の説明
意味
同期フラグ
RTC PING
備考
–
–
パラメー
タ
この信号は、コントローラとドライブユニットの共通シス BI:
テム時間を同期制御するために使用されます。
p0681[0]
この信号は、PING イベントを使用した UTC 時間の設定
BI: p3104
に使用されます。
2
ESR トリガ
1
ESR 機能のトリガ用信号ソースを設定
BI:
• 0 = NCK 用トリガ
p0890.0
• 1 = SI STOP E 用トリガ
• 2 = SI STOP F 用トリガ
• 3 = SI 通信エラー用トリガ
• 4 = トリガは自由に接続可能
3...6 予備
7
故障を確認
–
–
–
0/1
故障を確認
BI:
p2103[0]
8...9 予備
10
制御を転送済
-
-
-
0
CU が制御
p3116
伝播した故障が全てのドライブオブジェクトで確認される
と、ドライブオブジェクト 1 (DO1 ≙ CU) でもその故障が
暗黙的に確認されます。
1
外部制御が制御
伝播した故障を全てのドライブオブジェクトで確認し、ド
ライブオブジェクト 1 (DO1 ≙ CU) でも明示的に確認され
なければなりません。
660
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
通信
10.1 PROFIdrive に準拠した通信
ビッ
ト
意味
備考
11
予備
–
12
マスタのサインオブ –
パラメー
タ
-
マスタのサインオブライフ
CI: p2045
ライフビット 0
13
マスタのサインオブ –
ライフビット 1
14
マスタのサインオブ –
ライフビット 2
15
マスタのサインオブ –
ライフビット 3
A_DIGITAL (デジタル出力)
このプロセスデータはコントロールユニットの出力を制御するために使用されます。
ファンクションダイアグラム [2497] を参照。
表 10- 42
ビット
0
A_DIGITAL (デジタル出力) の説明
意味
デジタル入/出力 8
備考
–
(DI/DO 8)
1
デジタル入/出力 9
デジタル入/出力 10
–
デジタル入/出力 11
–
デジタル入/出力 12
–
デジタル入/出力 13
–
デジタル入/出力 14
(DI/DO 14)
コントロールユニットの DI/DO 11 は出力としてパラメ
BI: p0741
コントロールユニットの DI/DO 12 は出力としてパラメ
BI: p0742
ータ設定されなければなりません (p0728.12 = 1)。
–
(DI/DO 13)
6
BI: p0740
ータ設定されなければなりません (p0728.11 = 1)。
(DI/DO 12)
5
コントロールユニットの DI/DO 10 は出力としてパラメ
ータ設定されなければなりません (p0728.10 = 1)。
(DI/DO 11)
4
コントロールユニットの DI/DO 9 は出力としてパラメー BI: p0739
タ設定されなければなりません (p0728.9 = 1)。
(DI/DO 10)
3
コントロールユニットの DI/DO 8 は出力として設定され BI: p0738
なければなりません (p0728.8 = 1)。
(DI/DO 9)
2
パラメー
タ
コントロールユニットの DI/DO 13 は出力としてパラメ
BI: p0743
ータ設定されなければなりません (p0728.13 = 1)。
–
コントロールユニットの DI/DO 14 は出力としてパラメ
BI: p0744
ータ設定されなければなりません (p0728.14 = 1)。
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
661
通信
10.1 PROFIdrive に準拠した通信
ビット
意味
備考
7
デジタル入/出力 15
–
(DI/DO 15)
パラメー
タ
コントロールユニットの DI/DO 15 は出力としてパラメ
BI: p0745
ータ設定されなければなりません (p0728.15 = 1)。
8 ... 15 予備
–
–
–
注記:
双方向デジタル入/出力 (DI/DO) は入力または出力のどちらとしても使用することができます (伝送信号
E_DIGITAL も参照)。
MT_STW
「セントラルプローブ」機能用のコントロールワード。 r0685 で表示。
表 10- 43
ビット
MT_STW (コントロールユニットのコントロールワード) の説明
意味
備考
0
立ち下がりエッジ
プローブ 1
–
次の立ち下がりエッジで測定時間の決定を有
1
立ち下がりエッジ
プローブ 2
–
効化
2
立ち下がりエッジ
プローブ 3
–
3
立ち下がりエッジ
プローブ 4
–
4
立ち下がりエッジ
プローブ 5
–
5
立ち下がりエッジ
プローブ 6
–
6
立ち下がりエッジ
プローブ 7
–
7
立ち下がりエッジ
プローブ 8
–
8
立ち上がりエッジ
プローブ 1
–
次の立ち上がりエッジで測定時間の決定を有
9
立ち上がりエッジ
プローブ 2
–
効化
10
立ち上がりエッジ
プローブ 3
–
11
立ち上がりエッジ
プローブ 4
–
12
立ち上がりエッジ
プローブ 5
–
13
立ち上がりエッジ
プローブ 6
–
14
立ち上がりエッジ
プローブ 7
–
15
立ち上がりエッジ
プローブ 8
–
662
パラメー
タ
CI: p0682
テレグラム 392 の場合、更に、プローブ 3 お
よび プローブ 6
テレグラム 393 の場合、更に、プローブ 7 お
よび プローブ 8
テレグラム 392 の場合、更に、プローブ 3 お
よび プローブ 6
テレグラム 393 の場合、更に、プローブ 7 お
よび プローブ 8
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
通信
10.1 PROFIdrive に準拠した通信
CU_ZSW1 (DO1 テレグラム (テレグラム 39x) のステータスワード)
ファンクションダイアグラム [2496] を参照。
表 10- 44
CU_ZSW1 (CU のステータスワード) の説明
ビッ
ト
意味
備考
パラメータ
0
予備
-
-
-
1
予備
-
-
-
2
予備
-
-
-
3
故障有効
有効な故障は、故障バッファに保存されま
BO: r2139.3
1
す
発生中の故障なし
0
故障バッファに故障はありません
4
予備
-
–
-
5
予備
-
-
-
6
予備
-
-
-
7
アラーム有効
1
有効なアラームは、アラームバッファに保
BO: 2139.7
存されます
アラーム無効
0
アラームバッファにはアラームがありませ
ん。
8
SYNC
TM17 の SYNC ビットが、スレーブの同期が完了 BO: r0899.8
したことを示しています。
9
アラームが有効です
1
スレーブが同期されました。
0
スレーブが同期されませんでした。
1
モジュールシステムにアラームはありませ
BO: r3114.9
ん。
0
モジュールグループでアラームは有効で、
モジュールシステムのコントロールユニッ
トを含む全ての DO で OR されます。
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
663
通信
10.1 PROFIdrive に準拠した通信
ビッ
ト
10
意味
保留中の故障
備考
1
モジュールシステムの故障のためのグルー
パラメータ
BO: r3114.10
プビットなし。
0
モジュールシステムに対するアラームは有
効で、伝播を含む、モジュールシステムの
コントロールユニットを含む全ての DO で
OR されます。
11
Safety Integrated のモジュー
1
SI 故障のグループビットなし
ルシステムグループメッセー
0
SI 故障のためのグループビットが有効で、
ジ
BO: r3114.11
伝播を含む、モジュールシステムのコント
ロールユニットを含む全てのドライブオブ
ジェクトで OR されます。
12
13
14
15
スレーブのサインオブライフ
1-
ビット 0
15
0
初期化、サインオブライフなし
スレーブのサインオブライフ
1-
サイクリックな進行
ビット 1
15
0
初期化、サインオブライフなし
スレーブのサインオブライフ
1-
サイクリックな進行
ビット 2
15
0
初期化、サインオブライフなし
スレーブのサインオブライフ
1-
サイクリックな進行
ビット 3
15
0
664
サイクリックな進行
暗黙的に接続
初期化、サインオブライフなし
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
通信
10.1 PROFIdrive に準拠した通信
E_DIGITAL (デジタル入力)
ファンクションダイアグラム [2498] を参照。
表 10- 45
ビッ
ト
0
E_DIGITAL (デジタル入力) の説明
意味
デジタル入/出力 8
備考
–
(DI/DO = 8)
1
デジタル入/出力 9
デジタル入/出力 10
–
デジタル入/出力 11
–
デジタル入/出力 12
–
–
デジタル入/出力 13
(DI/DO = 13)
6
デジタル入/出力 14
(DI/DO = 14)
7
デジタル入/出力 15
p0722.13
コントロールユニットの DI/DO 14 は入力としてパラメ BO:
ータ設定されなければなりません (p0728.14 = 0)。
–
p0722.12
コントロールユニットの DI/DO 13 は入力としてパラメ BO:
ータ設定されなければなりません (p0728.13 = 0)。
–
p0722.11
コントロールユニットの DI/DO 12 は入力として設定し BO:
てください (p0728.12 = 0)。
–
p0722.10
コントロールユニットの DI/DO 11 は入力としてパラメ BO:
ータ設定されなければなりません (p0728.11 = 0)。
(DI/DO = 12)
5
BO: p0722.9
コントロールユニットの DI/DO 10 は入力としてパラメ BO:
ータ設定されなければなりません (p0728.10 = 0)。
(DI/DO = 11)
4
コントロールユニットの DI/DO 9 は入力としてパラメ
ータ設定されなければなりません (p0728.9 = 0)。
(DI/DO = 10)
3
BO: p0722.8
ータ設定されなければなりません (p0728.8 = 0)。
(DI/DO = 9)
2
コントロールユニットの DI/DO 8 は入力としてパラメ
パラメータ
p0722.14
コントロールユニットの DI/DO 15 は入力としてパラメ BO:
(DI/DO = 15)
ータ設定されなければなりません (p0728.15 = 0)。
p0722.15
8
デジタル入力 0 (DI 0) –
コントロールユニットのデジタル入力 DI 0
BO: r0722.0
9
デジタル入力 1 (DI 1) –
コントロールユニットのデジタル入力 DI 1
BO: r0722.1
10
デジタル入力 2 (DI 2) –
コントロールユニットのデジタル入力 DI 2
BO: r0722.2
11
デジタル入力 3 (DI 3) –
コントロールユニットのデジタル入力 DI 3
BO: r0722.3
12
デジタル入力 4 (DI 4) –
コントロールユニットのデジタル入力 DI 4
BO: r0722.4
13
デジタル入力 5 (DI 5) –
コントロールユニットのデジタル入力 DI 5
BO: r0722.5
14
デジタル入力 6 (DI 6) –
コントロールユニットのデジタル入力 DI 6
BO: r0722.6
15
デジタル入力 7 (DI 7) –
コントロールユニットのデジタル入力 DI 7
BO: r0722.7
注記:
双方向デジタル入/出力 (DI/DO) は入力、出力のどちらとしても使用することができます (受信信号
A_DIGITAL も参照)。
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
665
通信
10.1 PROFIdrive に準拠した通信
MT_ZSW
「セントラルプローブ評価」機能のステータスワード。
表 10- 46
ビット
MT_ZSW (「セントラルプローブ評価」機能のステータスワード) の説明
意味
備考
0
デジタル入力プローブ 1
–
デジタル入力表示
1
デジタル入力プローブ 2
–
テレグラム 392 の場合、更に、プローブ 3 お
2
デジタル入力プローブ 3
–
3
デジタル入力プローブ 4
–
4
デジタル入力プローブ 5
–
5
デジタル入力プローブ 6
–
6
デジタル入力プローブ 7
–
7
デジタル入力プローブ 8
–
8
サブサンプリングプローブ 1
–
テレグラム 392 の場合、更に、プローブ 3 お
9
サブサンプリングプローブ 2
–
よび プローブ 6
10
サブサンプリングプローブ 3
–
11
サブサンプリングプローブ 4
–
12
サブサンプリングプローブ 5
–
13
サブサンプリングプローブ 6
–
14
サブサンプリングプローブ 7
–
15
サブサンプリングプローブ 8
–
パラメー
タ
CO: r0688
よび プローブ 6
テレグラム 393 の場合、更に、プローブ 7 お
よび プローブ 8
テレグラム 393 の場合、更に、プローブ 7 お
よび プローブ 8
MTn_ZS_F および MTn_ZS_S
決定された測定時間の表示
測定時間は 0.25 μs の分解能の 16 ビット値で指定されます。
666
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
通信
10.1 PROFIdrive に準拠した通信
MT_DIAG
プローブの最大測定回数は DP サイクルにつき最大 8 つの立ち上がりと 8 つの立ち下
がりエッジです。 測定値バッファの測定値は、この上限を超えると上書きされます。
MT_DIAG Bit 8..15 では、「MTx_MESSPUFFER_VOLL」が指定されたプローブに対し
て設定されます。 測定回数を減らすと、測定値バッファの早すぎる上書きが阻止され
ます。
テレグラムで転送できる以上のプローブエッジが DP サイクルで発生すると、測定値が
失われる可能性があります。 MT_DIAG ビット 0..7 では、該当するビット
「MTx_MESSPUFFER_VOLL」が設定されます。 これは、測定値の損失を示します。
測定回数を減らすか、より大きな伝送容量のあるテレグラムブロックを選択することで、
測定値の損失が回避されます。
注記
プローブ診断
「測定値バッファフル」ビットにより、テレグラムの測定値がもはや測定時間の最初の
エッジを示さないことが識別できます。なぜならば、測定値バッファの全ての測定値は
既により新しい値に上書きされたためです。
プローブ診断ワード PZD は BiCo パラメータで、テレグラムブロックの選択時に、自
動的に新しい表示パラメータ r0567 で接続されます。 DP サイクルあたり複数の測定値
に対する測定機能が有効になった後、診断ビットは、伝送のために r0567 のしてプロー
ブのために保存されます。
表 10- 47
プローブ診断ワード r0567
ビット
名称
0
MT1_TELEGRAMM_VOLL
1
MT2_TELEGRAMM_VOLL
2
MT3_TELEGRAMM_VOLL
3
MT4_TELEGRAMM_VOLL
4
MT5_TELEGRAMM_VOLL
5
MT6_TELEGRAMM_VOLL
6
MT7_TELEGRAMM_VOLL
7
MT8_TELEGRAMM_VOLL
8
MT1_MESSPUFFER_VOLL
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
667
通信
10.1 PROFIdrive に準拠した通信
ビット
名称
9
MT2_ MESSPUFFER_VOLL
10
MT3_ MESSPUFFER_VOLL
11
MT4_ MESSPUFFER_VOLL
12
MT5_ MESSPUFFER_VOLL
13
MT6_ MESSPUFFER_VOLL
14
MT7_ MESSPUFFER_VOLL
15
MT8_ MESSPUFFER_VOLL
診断ビット「Telegram full」または「MESSPUFFER_VOLL」の設定後、測定機能も動
作を継続します。 ハンドシェークなしに、MT_DIAG の診断ビットは、ゼロまたは新し
いステータスで書き換えられる前に、1 DP サイクルだけ伝送されます。
プローブタイムスタンプ
テレグラム 395 の場合、タイムスタンプからプローブおよびエッジへのテレグラム位
置基準はありません。 従って、割り付けはプローブ基準を使用して 4 つのタイムスタ
ンプに対して行われます。
表 10- 48
プローブ
タイプスタンプ基準
ビット
MT_ZSB1
基準 ZS1
ビット 0 ~ 3
基準 ZS2
ビット 4...7
基準 ZS3
ビット 8 ~ 11
基準 ZS4
ビット 12...15
基準 ZS5
ビット 0...3
基準 ZS6
ビット 4...7
基準 ZS7
ビット 8...11
基準 ZS8
ビット 12...15
基準 ZS9
ビット 0...3
基準 ZS10
ビット 4...7
基準 ZS11
ビット 8...11
基準 ZS12
ビット 12...15
MT_ZSB2
MT_ZSB3
668
割り付け、タイムスタンプのプローブタイムスタンプ基準
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
通信
10.1 PROFIdrive に準拠した通信
プローブ
タイプスタンプ基準
ビット
MT_ZSB4
基準 ZS13
ビット 0...3
基準 ZS14
ビット 4...7
基準 ZS15
ビット 8...11
基準 ZS16
ビット 12...15
テレグラムブロックが選択される時に、自動的に新しい表示パラメータ r0566[4] で接
続されるプローブタイムスタンプ基準 PZDs および BiCo パラメータ DP サイクルあた
り複数の測定値に対して測定機能を有効にした後、タイムスタンプ基準は r0566[4] の
インデックスでの伝送のために保存されます。
テレグラムブロックが選択される時に、自動的に新しい表示パラメータ r0566[4] で接
続されるプローブタイムスタンプ基準 PZDs および BiCo パラメータ DP サイクルあた
り複数の測定値に対して測定機能を有効にした後、タイムスタンプ基準は r0566[4] の
インデックスでの伝送のために保存されます。
DP サイクルあたり複数の測定値に対して測定機能を有効にした後、タイムスタンプ基
準は r0566[4] のインデックスでの伝送のために保存されます。 タイムスタンプの値の
みが基準とされたタイプスタンプが有効化測定値であるかどうかを識別するために使用
できます。 有効なタイムスタンプの場合、タイムスタンプ基準への一貫性が各 DP サ
イクルで保証されなければなりません。
表 10- 49
MT_ZSB1 (display r0566[0...3]) のビット割り付け
プローブ
タイプスタンプ ビット
基準
MT_ZSB1
基準 ZS1
パラメー
タ
ビット 0 ~ 2:
ビット 3:
0x0: MT1 からの
1: MT_ZS1 立ち上がり
MT_ZS1
エッジ
0x1: MT2 からの
0: MT_ZS1 立ち下がり
MT_ZS1
エッジ
r0566[0]
0x2: MT3 からの
MT_ZS1
0x3: MT4 からの
MT_ZS1
0x4: MT5 からの
MT_ZS1
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
669
通信
10.1 PROFIdrive に準拠した通信
プローブ
タイプスタンプ ビット
基準
パラメー
タ
0x5: MT6 からの
MT_ZS1
0x6: MT7 からの
MT_ZS1
0x7: MT8 からの
MT_ZS1
基準 ZS2
ビット 4 ~ 6:
ビット 7:
0x0: MT1 からの
1: MT_ZS2 立ち上がり
MT_ZS2
エッジ
0x1: MT2 からの
0: MT_ZS2 立ち下がり
MT_ZS2
エッジ
r0566[1]
0x2: MT3 からの
MT_ZS2
0x3: MT4 からの
MT_ZS2
0x4: MT5 からの
MT_ZS2
0x5: MT6 からの
MT_ZS2
0x6: MT7 からの
MT_ZS2
0x7: MT8 からの
MT_ZS2
基準 ZS3
ビット 8 ~ 10:
ビット 11:
0x0: MT1 からの
1: MT_ZS3 立ち上がり
MT_ZS3
エッジ
0x1: MT2 からの
0: MT_ZS3 立ち下がり
MT_ZS3
エッジ
r0566[2]
0x2: MT3 からの
MT_ZS3
0x3: MT4 からの
MT_ZS3
670
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
通信
10.1 PROFIdrive に準拠した通信
プローブ
タイプスタンプ ビット
基準
パラメー
タ
0x4: MT5 からの
MT_ZS3
0x5: MT6 からの
MT_ZS3
0x6: MT7 からの
MT_ZS3
0x7: MT8 からの
MT_ZS3
基準 ZS4
ビット 12 ~ 14:
ビット 15:
0x0: MT1 からの
1: MT_ZS4 立ち上がり
MT_ZS4
エッジ
0x1: MT2 からの
0: MT_ZS4 立ち下がり
MT_ZS4
エッジ
r0566[3]
0x2: MT3 からの
MT_ZS4
0x3: MT4 からの
MT_ZS4
0x4: MT5 からの
MT_ZS4
0x5: MT6 からの
MT_ZS4
0x6: MT7 からの
MT_ZS4
0x7: MT8 からの
MT_ZS4
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
671
通信
10.1 PROFIdrive に準拠した通信
セントラルプローブ評価の特徴
●
複数のドライブにおけるプローブからのタイムスタンプは、1 つのテレグラム内で
同時に伝送することができます。
●
コントローラとドライブユニットの時間は、CU_STW1 と CU_ZSW1 を介して同期
されます。
注記: コントローラが時間制御をサポートしていなければなりません!
●
上位レベルコントローラは、タイムスタンプを使用して、複数のドライブの位置実
績値を決定します。
●
プローブの測定時間決定機能が既に使用されている場合、システムはメッセージを
出力します (p0488、p0489、p0580 を参照)。
例、セントラルプローブ評価
この例での想定:
●
プローブ 1 の立ち上がりエッジの検出によるタイムスタンプ MT1_ZS_S の決定
●
プローブ 2 の立ち上がりエッジおよび立ち下がりエッジの検出によるタイムスタン
プ MT2_ZS_S および MT2_ZS_F の決定
●
コントロールユニットの DI/DO 9 上のプローブ 1 (p0680[0] = 1)
●
コントロールユニットの DI/DO 10 上のプローブ 2 (p0680[1] = 2)
●
製造メーカ固有のテレグラム p0922 = 391 が設定されます。
07B67:
ኴዊዙኳ
∎䞷♾厌ቍ⊳
07B=6B6
07B67:
07B67:
ኴዊዙኳ
∎䞷♾厌ቍ⊳
07B=6B6
∎䞷♾厌ቍ⊳
07B=6B)
図 10-13
672
セントラルプローブのシーケンスチャート
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
通信
10.1 PROFIdrive に準拠した通信
10.1.2.8
PROFIdrive経由のモーションコントロール
「PROFIBUS でのモーションコントロール」または「PROFINET でのモーションコン
トロール」機能は、1 台のマスタと 1 台以上のスレーブとの間に PROFIBUS フィール
ドバスを介してアイソクロナスドライブリンクを確立したり、PROFINET を介してア
イソクロノスドライブリンクを確立することができます。
注記
アイソクロナスドライブリンクは以下の文書で定義されます。
参照: /P5/ PROFIdrive プロファイルドライブテクノロジー
特徴
●
この機能を有効にするために、バスコンフィグレーションに加えてパラメータを追
加入力する必要はありません。この機能 (PROFIBUS) の場合、マスタもスレーブも
プリセットのみを行わなければなりません。
●
マスタ側のデフォルト設定は、ハードウェアコンフィグレーション、例えば、
SIMATIC S7 で B. HWConfig を介して行われます。 スレーブ側のデフォルト設定は、
バスが立ち上がっている時に、パラメータテレグラムを介して行われます。
●
固定サンプリング時間は、全てのデータ通信に使用されます。
●
PROFIBUS 上のグローバルコントロール (GC) クロック情報は、各サイクルの前に
伝送されます。
●
クロックサイクル長は、バスのコンフィグレーションに依存します。 クロックサイ
クルが選択されると、バスコンフィグレーションツール (例: HWConfig) がサポート
します:
– スレーブ/ドライブユニットあたりのドライブ数が多い → 長めのサイクル
– スレーブ/ドライブユニットあたりのドライブ数が多い → 長めのサイクル
●
サインオブライフカウンタは、ユーザデータ伝送およびクロックパルスエラーを監
視するために使用されます。
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
673
通信
10.1 PROFIdrive に準拠した通信
閉ループ制御の概要
●
スレーブ上の位置実績値の検出は、以下を使用して実行することができます:
– 間接測定システム (モータエンコーダ)
– 追加の直接測定システム
●
エンコーダインターフェースは、プロセスデータでコンフィグレーションしなけれ
ばなりません。
●
制御ループは、PROFIBUS を介して閉じられます。
●
位置コントローラは、マスタに備わっています。
●
電流および速度制御システムおよび実績値検出 (エンコーダインターフェース) は、
スレーブに備わっています。
●
位置コントローラのクロックサイクルは、バスを通じてスレーブに伝送されます。
●
スレーブは、その速度制御ループおよび電流制御ループのサイクルをマスタの位置
コントローラのサイクルと同期します。
●
速度コントローラは、マスタにより指定されます。
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図 10-14
674
「PROFIBUS でのモーションコントロール」の概要 (例: マスタおよび 3
x スレーブ)
ドライブ機能
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通信
10.1 PROFIdrive に準拠した通信
データサイクルの構造
データサイクルは以下の要素で構成されます:
1. グローバルコントロールテレグラム (PROFIBUS のみ)
2. サイクリックパート
– 設定値および実績値
3. 非サイクリックパート
– パラメータおよび診断データ
4. 予備 (PROFIBUS のみ)
– トークンパス (トークン保持時間、TTH)。
– ドライブラインナップでの新しいノードの検索用 (GAP)
– 次のサイクルまでの待機時間
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R1
R1
R1
R1
R1
R1
R1
R1
5 ኿ዙኜⓅ㈰ኜኖኌ
図 10-15
PROFIdrive 対応のアイソクロナスドライブリンク/モーションコントロール
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
675
通信
10.1 PROFIdrive に準拠した通信
10.1.2.9
サイクリック通信のための診断チャンネル
アラームと故障は、2 つの独立した診断チャンネル DS0 および DS1 を介して伝送でき
ます。 伝送された情報は、故障の場合パラメータ r0945[8] に、アラームの場合
r2122[8] に保存されます。 これにより、SINAMICS ドライブからのアラームおよび故
障を上位コントローラのシステム診断に統合し、HMI に自動的に表示させることができ
ます。 この機能は、PROFINET および PROFIdrive に対して認証されています。
この機能は、例えば HW Config または TIA Portal を使用して、使用中のコンフィグレ
ーションツールの該当するパラメータを介して有効化されます。 この機能は、その後、
次回電源投入時にドライブに伝送されます。
診断チャンネルのメッセージは、データ伝送にに使用されているバスシステムに依存し
ます。
PROFIdrive エラーク
SINAMICS メッセージ
ラス
DP
PN
故障
アラーム
故障
アラーム
故障/アラーム
GSD
あり
なし
なし
なし
検出され、ローカラ
TIA
あり
なし
なし
なし
イズ
GSD
あり
あり
なし
なし
TIA
あり
あり
あり
あり
検出されローカライ
ズ、問題を直接解決
バスシステムに関するメッセージ
●
アラームおよび故障は、PROFIdrive プロファイルで定義されたエラークラスに一致
します。
●
アラームおよび故障が上位コントローラに SINAMICS メッセージとして伝送、ある
いは PROFIdrive プロファイルのエラークラスを使用して伝送することを選択でき
ます。
●
アラームおよび故障は標準リソース (例: 標準スレーブ、GSD、GSDML) でマップ
できます。
676
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
通信
10.1 PROFIdrive に準拠した通信
●
アラームまたは故障は論理的にローカルで信号出力されます:
– アラームまたは故障番号で
– ドライブオブジェクトの割り付け、メッセージ値およびハードウェアコンポーネ
ントの割り付け
– ユーザフレンドリーな方法で明瞭なメッセージテキストで
– ドライブオブジェクトおよびコンポーネントをユーザ定義の名称で表示
– SINAMICS は発生順にメッセージを伝送します
– SINAMICS は全くタイムスタンプを記録しません
– タイムスタンプは、メッセージ受信時に上位コントローラから生成されます
– SINAMICS メッセージを伝送するには、拡張チャンネル診断が使用されます
●
既存のメカニズム TIA および S7 シャーシが使用可能です
●
メッセージは PROFINET コントローラと互換性があります
●
アラームまたは故障は、既に知られている確認ルーチンを使用して確認されます。
●
伝送は IF1 および/または IF2 を介して可能
注記
制限事項
シェアドデバイスが有効化されると、拡張診断は不可能になります。
サイクリック通信用のデータ伝送には、以下が適用されます:
●
PROFINET の場合、サイクリック通信のスロットへのドライブオブジェクトの一意
の割り付けがあります。 診断は、MAP/PAP サブモジュールで発行されます。
非サイクリック通信用のデータ伝送には、以下が適用されます:
●
診断を発行できる、コンフィグレーションされたスロットまたはサブスロットが存
在しません。
●
発生する故障またはアラームは BICO 接続に沿ってドライブオブジェクトまで布線
されます。
PROFIdrive に準拠したエラークラスの表示:
●
PROFINET での伝送の場合、PROFIdrive エラークラスと拡張チャンネル診断
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
677
通信
10.1 PROFIdrive に準拠した通信
10.1.3
通信インターフェースの並列運転
サイクリックプロセスデータ (設定値/実績値) は、インターフェース IF1 および IF2 を
使用して処理されます。 以下のインターフェースが使用されます:
●
PROFIBUS DP または PROFINET のためのコントロールユニットのオンボードイ
ンターフェース
●
オプションとして、コントロールユニットでの挿入のための PROFINET (CBE20)
または CANopen (CBE10) の追加インターフェース (COMM - BOARD)
パラメータ p8839 は、コントロールユニットオンボードインターフェースおよび
SINAMICS システムの COMM - BOARD の並列使用を設定するために使用されます。
この機能は、インデックスを使用してインターフェース IF1 および IF2 に割り付けられ
ます。
例えば、以下のアプリケーションが可能です:
●
制御用 PROFIBUS DP および
ドライブの実績値/測定値を取得するための PROFINET
●
PROFIBUS DP は制御用、PROFINET はエンジニアリング専用
●
2 つのマスタによる混合モード (1 台は論理および調整用、もう 1 台はテクノロジ
ー用)。
●
IF2 (CBE20) を介した SINAMICS リンク; IF1 を介したスタンダードテレグラムおよ
び PROFISafe
●
冗長通信インターフェースの運転
通信インターフェースのサイクリックインターフェースへの割り付け
設定値および実績値用に 2 点のサイクリックインターフェースが存在しますが、これら
は使用されるパラメータの範囲 (BICO テクノロジーなど) および使用可能な機能が異な
ります。 これらのインターフェースは、サイクリックインターフェース 1 (IF1) およ
びサイクリックインターフェース 2 (IF2) で指定されます。
出荷時設定 p8839 = 99 で、通信インターフェースは、通信システム、例えば
PROFIBUS DP、PROFINET、CANopen に依存して、サイクリックインターフェース
(IF1、IF2) の 1 つに正しく割り付けられます。
通信インターフェースの割り付けは、通信インターフェースの並列運転のためのユーザ
パラメータにより自由に定義できます。
678
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
通信
10.1 PROFIdrive に準拠した通信
サイクリックインターフェース IF1 および IF2 の特性
以下の表は、2 サイクリックインターフェースの異なる特徴を示すものです:
表 10- 50
サイクリックインターフェース IF1 および IF2 の特性
特徴
IF1
IF2
設定値 (BICO 信号ソース)
r2050、r2060
r8850、r8860
実績値 (BICO 信号シンク)
p2051、p2061
p8851、p8861
PROFIdrive 準拠
可
不可
PROFIdrive テレグラム選択 (p0922)
可
不可
クロックサイクル同期 (アイソクロナスモード) 可能
可
可
PROFIsafe 可能 (p8815[1])
可
可
スレーブ・スレーブ間通信 (PROFIBUS のみ)
可
可
ドライブオブジェクトのリスト (p0978)
可
可
最大 PZD (16 ビット) 設定値 / 実績値 SERVO
20 / 28
20 / 28
最大 PZD (16 ビット) 設定値 / 実績値 ベクトル
32 / 32
32 / 32
最大 PZD (16 ビット) 設定値 / 実績値 電源ユニット
5/8
5/8
最大 PZD (16 ビット) 設定値 / 実績値 エンコーダ
4 / 12
4 / 12
最大 PZD (16 ビット) 設定値 / 実績値 TM41
20 / 28
20 / 28
最大 PZD (16 ビット) 設定値 / 実績値 TM31
5/5
5/5
最大 PZD (16 ビット) 設定値 / 実績値 TM15DI_DO
5/5
5/5
最大 PZD (16 ビット) 設定値 / 実績値 TM120
5/5
5/5
最大 PZD (16 ビット) 設定値 / 実績値 TM150
7/7
7/7
最大 PZD (16 ビット) 設定値 / 実績値 TB30
5/5
5/5
最大 PZD (16 ビット) 設定値/実績値 CU (デバイス)
5 / 21
5 / 21
(p8815[0])
ドライブ機能
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679
通信
10.1 PROFIdrive に準拠した通信
表 10- 51
p8839[0] = p8839[1] = 99 の場合、サイクリックインターフェースへのハードウェアの暗黙的な割
り付け
プラグ接続されたハードウェアインターフェース
IF1
IF2
オプションなし、コントロールユニットオンボード コントロールユニット
インターフェースを使用してのみ
--
オンボード
(PROFIBUS、PROFINET または USS)
CU320-2 DP と CBE20 (オプションの PROFINET COMM BOARD
コントロールユニットオ
インターフェース)
ンボード PROFIBUS ま
たはコントロールユニッ
トオンボード USS
CU320-2 PN と CBE20 (オプションの PROFINET コントロールユニット
COMM BOARD
インターフェース)
オンボード PROFINET
PROFINET
CAN オプション CBC10
コントロールユニット
COMM BOARD
オンボード
パラメータ p8839[0,1] は、ハードウェアインターフェースの並列運転とコントロール
ユニットドライブオブジェクトのためのサイクリックインターフェース IF1 および IF2
を設定するために使用されます。
IF2 を介したプロセスデータ交換のオブジェクトシーケンスは、IF1 からのオブジェク
トシーケンスに依存します;「ドライブオブジェクトのリスト」 (p0978) を参照してく
ださい。
出荷時設定 p8839[0,1] = 99 により、暗黙的な割り付けをイネーブルします (上表参照)。
割り付けが無効な場合またはパラメータ設定が矛盾する場合には、アラームが生成され
ます。
注記
PROFIBUS および PROFINET の並列運転
アイソクロナスアプリケーションのデータは、2 つのインターフェース IF1 または IF2
の一方を介してのみ処理できます (p8815)。 2 つのパラメータ設定オプションは、追加
で PROFINET モジュール CBE20 が CU320-2 DP に挿入されている場合、可能です:
- p8839[0] = 1 および p8839[1] = 2: PROFIBUS アイソクロナス、PROFINET サイクリ
ック
- p8839[0] = 2 および p8839[1] = 1: PROFINET アイソクロナス、PROFIBUS サイクリ
ック
680
ドライブ機能
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通信
10.1 PROFIdrive に準拠した通信
IF2 用のパラメータ
以下のパラメータは PROFIBUS または PROFINET インターフェースのための IF2 の
使用を最適化するために使用可能です:
●
送信および受信プロセスデータ:
r8850、p8851、r8853、r8860、p8861、r88631)
●
診断パラメータ:
r8874、r8875、r88761)
●
バイネクタ・コネクタコンバータ
p8880、p8881、p8882、p8883、p8884、r88891)
●
コネクタ・バイネクタコンバータ
r8894、r8895、p8898、p88991)
1)
88xx の重要性は 20xx と同一
注記
HW Config コンフィグレーションツールを使用して、2 つのインターフェースを備える
PROFIBUS / PROFINET スレーブは表示できません。 そのため並列運転の場合、物理
に一つしか存在しなくても、SINAMICS がプロジェクト内で二回、または二つのプロジ
ェクト内で表示されるのはこのためです。
相互関係、クロックサイクル同期、PROFIsafe および SINAMICS リンク
表 10- 52
相互関係、クロックサイクル同期、PROFIsafe および SINAMICS リンク
バージョン
インター
フェース
クロックサイク PROFIsafe
ル同期
SINAMICS リンク
可能
1
IF1
不可
不可
不可
IF2
不可
不可
不可
IF1
不可
不可
不可
IF2
不可
可
不可
IF1
不可
可
不可
IF2
不可
不可
不可
IF1
不可
不可
不可
IF2
可
不可
可 (IF2 として CBE20
2
3
4
に)
ドライブ機能
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681
通信
10.1 PROFIdrive に準拠した通信
バージョン
インター
フェース
クロックサイク PROFIsafe
ル同期
SINAMICS リンク
可能
5
IF1
不可
不可
不可
IF2
可
可
不可
IF1
不可
可
不可
IF2
可
不可
可 (IF2 として CBE20
6
に)
7
IF1
可
不可
可 (IF1 として CBE20
に)
8
9
IF2
不可
不可
不可
IF1
可
可
不可
IF2
不可
不可
不可
IF1
可
不可
可 (IF1 として CBE20
に)
IF2
不可
可
不可
パラメータ
p8839
PZD インターフェースハードウェアの割り付け
説明:
PZD インターフェース 1 およびインターフェース 2 を介したサイクリック通信のハー
ドウェア割り付け。
値:
0: 無効
1: コントロールユニットオンボード
2: COMM BOARD
99: 自動
682
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
通信
10.1 PROFIdrive に準拠した通信
p8839 では、以下の規則が適用されます:
●
p8839 の設定は、コントロールユニットの全てのドライブオブジェクトに適用され
ます (デバイスパラメータ)。
●
p8839[0] = 99、p8839[1] = 99 (自動割り付け、出荷時設定) 設定の場合、使用される
ハードウェアは自動的にインターフェース IF1 および IF2 に割り付けられます。 両
方のインデックスは、自動割り付けが有効化されるように選択されなければなりま
せん。 両方のインデックスが選択されない場合、アラームが出力され、設定
p8839[x] = 99 が「無効」のように扱われます。
●
同じハードウェア (コントロールユニットオンボードまたは COMM BOARD) が
p8839[0] と p8839[1] で選択されると、アラームが発行されます。 p8839[0] の設定
が有効で – p8839[1] の設定が「無効」のように扱われます。
●
CAN モジュールが使用される場合 (CBC10)、p8839[0] = 2 の入力は許容されません
(CAN モジュールの IF1 への割り付けなし)。 その後、アラームが発行されます。
●
p8839[x] = 2 が設定され、COMM - BOARD が不足/欠陥がある場合、該当するイン
ターフェースは、コントロールユニットオンボードインターフェースからの自動的
に給電されません。 メッセージ A08550 が代わりに出力されます。
主要パラメータ一覧 (『SINAMICS S120/S150 リストマニュアル』を参照)
●
p0922 IF1 PROFIdrive テレグラム選択
●
p0978[0...24] ドライブオブジェクトのリスト
●
p8815[0...1] IF1/IF2 機能を選択します
●
p8839[0...1] PZD インターフェースハードウェアの割り付け
●
p9601 SI イネーブル、ドライブに内蔵された機能 (コントロールユニット)
10.1.4
非サイクリック伝送
10.1.4.1
非サイクリック伝送の概要
サイクリック通信と異なり非サイクリック通信では、明示的な要求があったときだけデ
ータ転送を行います (例: パラメータの読み出し/書き込み)。
「読み出しデータ記録」および「書き込みデータ記録」は非サイクリック通信で使用可
能です。
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
683
通信
10.1 PROFIdrive に準拠した通信
以下のオプションは、パラメータの読み出しと書き込みに使用できます:
●
S7 プロトコル
このプロトコルは、PROFIBUS を介したオンラインモードなどで試運転ツール
STARTER を使用します。
●
次のデータセットを含む PROFIdrive パラメータチャンネル:
– PROFIBUS: データブロック 47 (0x002F)
DPV1 サービスは,マスタクラス 1 とマスタクラス 2 で使用可能です。
– PROFINET: データブロック 47 および 0xB02F al グローバルアクセス、ローカル
アクセスとしてデータセット 0xB02E
注記
非サイクリック通信についての詳細は、以下の文書を参照してください:
参考: PROFIdrive プロファイル V4.1、2006 年 5 月、注文番号: 3.172
アドレス指定:
• PROFIBUS DP、アドレス指定は論理アドレスまたは診断アドレスを介して実
行されます。
• PROFINET IO、アドレス指定は、ソケット 1 でモジュールに割り付ける診断
アドレスのみを使用して行います。パラメータはソケット 0 を介してアクセ
スすることはできません。
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⒉
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崼
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ቍ
崼ቢ⒉ ሺቑ
ሺ尐㻑
ኮ዆ኾዙኜ
㉫䷣
図 10-16
684
ቭቑ
ኤዙኜሥ ኾዙኜ㉫䷣
ኮ዆
䷣
㉫
ሺ
崼ቢ⒉
ኮ዆ኾዙኜ㉫䷣
データの読み出し/書き込み
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
通信
10.1 PROFIdrive に準拠した通信
パラメータチャンネルの特性
●
パラメータ番号とサブインデックスにそれぞれ 1 つ の 16 ビットアドレス。
●
複数の PROFIBUS マスタ (マスタクラス 2) または PROFINET IO スーパバイザ
(例: 試運転ツール) による同時アクセス。
●
一度のアクセスで様々なパラメータの伝送 (マルチパラメータ要求)。
●
配列の全体または一部の伝送が可能。
●
一度に 1 つのパラメータ要求のみが処理されます (パイプライン処理なし)。
●
1 つのパラメータ要求/応答は、1 つのデータセット (最大 240 バイト) に適合してい
なければなりません。
●
10.1.4.2
タスクまたは応答ヘッダはユーザデータです。
命令と応答の構造
パラメータ要求とパラメータ応答の構造
パラメータ要求
書き込みア
要求ヘッダ
クセス専用
の値
1. パラメータアドレス
オフセ
ット
要求参照
要求 ID
0
軸
パラメータ数
2
属性
要素数
4
パラメータ番号
6
サブインデックス
8
...
n 番目のパラメータアドレ 属性
ス
要素数
パラメータ番号
サブインデックス
1. パラメータ値
フォーマット
数値数
値
...
...
n 番のパラメータ値
フォーマット
数値数
値
...
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
685
通信
10.1 PROFIdrive に準拠した通信
パラメータ応答
読出し用の
オフセ
ット
応答ヘッダ
値
否定応答の
場合はエラ
1. パラメータ値
要求参照 ミラード
応答 ID
0
軸 ミラード
パラメータ数
2
フォーマット
数値数
4
6
値またはエラー値
ー値
...
...
n 番のパラメータ値
フォーマット
数値数
値またはエラー値
...
DPV1 パラメータ要求および応答でのフィールドの記述
フィールド
要求参照
データタイプ
Unsigned8
値
備考
0x01 ~ 0xFF
マスタのための要求/応答ペアの一意的な識別。 マスタは新しいタスク毎にタ
スク参照を変えます。 スレーブは応答で要求参照とミラーします。
要求 ID
Unsigned8
0x01
0x02
書き込みタスク
タスクの種類を特定します。
書き込み要求の場合、揮発性メモリ(RAM) に変更が加えられます。 保存操作
を行い、データを不揮発性メモリに伝送します(p0971、p0977)。
応答 ID
Unsigned8
0x01
読み出しタスク(+)
0x02
書き込みタスク(+)
0x81
読み出しタスク(-)
0x82
書き込みタスク(-)
要求識別子を反映し、要求実行がプラスまたはマイナスかを特定します。
否定応答の意味:
タスクの一部または全部を実行できません。
各応答で値の代わりにエラー値が伝送されます。
686
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
通信
10.1 PROFIdrive に準拠した通信
フィールド
データタイプ
値
0x00 ~ 0xFF
備考
ドライブオブジェクト
Unsigned8
番号
2 つ以上のドライブオブジェクトを含むドライブユニットのドライブオブジ
数
ェクト数の入力 個別のパラメータ番号範囲の異なるドライブオブジェクト
は、同じ DPV1 接続でアクセス可能です。
パラメータ数
Unsigned8
0x01 ~ 0x27
No. 1 ~ 39
DPV1 テレグラム長により制
限されます
マルチパラメータ要求の場合のパラメータアドレスおよび/またはパラメータ
値の隣接領域数を定義します。
パラメータ数 = 単一要求に 1。
属性
Unsigned8
0x10
値の
0x20
説明
0x30
テキスト (実装されていませ
ん)
アクセスされたパラメータ要素のタイプ。
要素数
Unsigned8
0x00
特殊機能
0x01 ~ 0x75
No. 1 ~ 117
DPV1 テレグラム長により制
限されます
アクセスされた配列要素のタイプ。
パラメータ番号
Unsigned16
0x0001 ~ 0xFFFF No. 1 ~ 65535
アクセスされたパラメータをアドレスしています。
サブインデックス
Unsigned16
0x0000 ~ 0xFFFF No. 0 ~ 65535
アクセスされるパラメータの最初の配列要素をアドレス指定します。
ドライブ機能
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687
通信
10.1 PROFIdrive に準拠した通信
フィールド
フォーマット
データタイプ
Unsigned8
値
備考
0x02
データタイプ 整数 8 ビット
0x03
データタイプ 整数 16 ビット
0x04
データタイプ 整数 32 ビット
0x05
データタイプ 符号なし 8 ビッ
0x06
ト
0x07
データタイプ 符号なし 16 ビッ
0x08
ト
他の値
データタイプ 符号なし 32 ビッ
ト
データタイプ 浮動小数点
PROFIdrive Profile V3.1 を参
照してください。
0x40
ゼロ (書き込みタスクに対する
肯定応答としての値以外)
0x41
0x42
バイト
0x43
ワード
0x44
ダブルワード
エラー
フォーマットと番号は、テレグラムの値を含む隣接領域を指定します。
PROFIdrive プロファイルに準拠したデータタイプは書き込みアクセスに適し
ています。 バイト、ワードおよびダブルワードも代用することができます。
数値数
Unsigned8
0x00 ~ 0xEA
No. 0 ~ 234
DPV1 テレグラム長により制限
されます
後続値の番号を指定します。
エラー値
Unsigned16
0x0000 ~ 0x00FF エラー値の意味
→ 以下の表「DPV1 パラメー
タ応答のエラー値」を参照
否定応答の場合のエラー値
値が奇数のバイトを構成する場合、ゼロバイトが追加されます。 これによ
り、テレグラムのワード構造の統合が保証されます。
688
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
通信
10.1 PROFIdrive に準拠した通信
フィールド
データタイプ
Unsigned16
値
値
備考
0x0000 ~ 0x00FF
読み出しまたは書き込みアクセス用のパラメータ値。
値が奇数のバイトを構成する場合、ゼロバイトが追加されます。 これによ
り、テレグラムのワード構造の統合が保証されます。
DPV1 パラメータ応答におけるエラー値
表 10- 53
DPV1 パラメータ応答におけるエラー値
エラー
値
意味
備考
追加情報
0x00
不正なパラメータ番号
存在しないパラメータへのアクセス
–
0x01
パラメータ値の変更ができませ
変更できないパラメータ値への変更アクセス。
サブイン
ん
0x02
上限又は下限を超過
デックス
リミット外側の値への変更アクセス
サブイン
デックス
0x03
無効なサブインデックス
存在しないパラメータへのアクセス
サブイン
デックス
0x04
配列なし
インデックがないパラメータへのサブインデック
–
スでのアクセス
0x05
間違ったデータタイプ
パラメータのデータタイプに一致しない値での変
–
更アクセス
0x06
0x07
不正な設定操作 (リセットのみ 許可されていない場合 0 以外の値での変更アクセ サブイン
許可)
ス。
デックス
記述要素は変更できません
変更できない記述要素への変更アクセス。
サブイン
デックス
0x09
記述データなし
存在しない記述へのアクセス (パラメータ値は存 –
在します)。
0x10
0x0B
読み取りジョブは実行されませ
読み取りジョブは、ノウハウ保護が有効であるた
ん
めに拒否されます。
操作の優先順位なし
操作の優先順位なしでの変更アクセス。
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
–
689
通信
10.1 PROFIdrive に準拠した通信
エラー
値
0x0F
意味
テキスト配列は存在しません
備考
追加情報
存在しないテキスト配列へのアクセス (パラメー –
タ値は存在します)。
0x11
0x14
要求は、操作状態により実行で
不明な理由により、アクセスが一時的に不可能で
きません
す。
不正な値
リミット内だが他のパラメータに関する理由に不
–
サブイン
正な値での変更アクセス (定義された個別の値を デックス
含むパラメータ)
0x15
応答が長すぎます
現在の応答長は最大伝送長を超えています。
–
0x16
不正なパラメータアドレス
属性、エレメント数、パラメータ番号、サブイン
–
デックスのいずれか、または、組み合わせが不正
であるか、サポートされていません。
0x17
不正なフォーマット
書き込み要求: 不正な、またはサポートされてい
–
ないパラメータデータフォーマット
0x18
数値数が矛盾
書き込み要求: パラメータデータの数値数とパラ
–
メータアドレスの要素数の間に不一致が存在しま
す。
0x19
0x65
ドライブオブジェクトが存在し
存在しないドライブオブジェクトにアクセスしよ
ません
うとしました。
現在無効。
使用可能だが、現在機能を実行していないパラメ
–
–
ータにアクセスしようとしました (例: U/f 制御
パラメータへの n 制御セットおよびアクセス)。
0x6B
パラメータ %s [%s]: イネーブ
–
–
–
–
–
–
–
–
ルされたコントローラのための
書き込みアクセスなし
0x6C
パラメータ %s [%s]: 不明のユ
ニット
0x6D
パラメータ %s [%s]: 試運転ス
テータスでのみの書き込みアク
セス、エンコーダ (p0010 =
4)。
0x6E
パラメータ %s [%s]: 試運転ス
テータスでのみの書き込みアク
セス、モータ (p0010 = 3)。
690
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
通信
10.1 PROFIdrive に準拠した通信
エラー
値
0x6F
意味
パラメータ %s [%s]: 試運転ス
備考
追加情報
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
パラメータ %s [%s] はダウンロ –
–
テータスでのみの書き込みアク
セス、パワーユニット (p0010 =
2)。
0x70
パラメータ %s [%s]: 高速試運
転モードでのみの書き込みアク
セス (p0010 = 1)。
0x71
パラメータ %s [%s]: 準備完了
モードでのみの書き込みアクセ
ス (p0010 = 0)。
0x72
パラメータ %s [%s]: 試運転ス
テータスでのみの書き込みアク
セス、パラメータリセット
(p0010 = 30)。
0x73
パラメータ %s [%s]: 試運転ス
テータスでのみの書き込みアク
セス、セーフティ (p0010 = 95).
0x74
パラメータ %s [%s]: 試運転ス
テータスでのみの書き込みアク
セス、テクのロジーアプリケー
ション/ユニット (p0010 = 5)。
0x75
パラメータ %s [%s]: 試運転ス
テータスでのみの書き込みアク
セス (p0010 ≠ 0)。
0x76
パラメータ %s [%s]: 試運転ス
テータスでのみの書き込みアク
セス、ダウンロード (p0010 =
29)。
0x77
ード時に書かれない場合があり
ます。
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
691
通信
10.1 PROFIdrive に準拠した通信
エラー
値
0x78
意味
パラメータ %s [%s]: 試運転ス
備考
追加情報
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
テータスでのみの書き込みアク
セス、ドライブコンフィグレー
ション (デバイス: p0009 = 3)。
0x79
パラメータ %s [%s]: 試運転ス
テータスでのみの書き込みアク
セス、ドライブタイプを定義
(デバイス: p0009 = 2)。
0x7A
パラメータ %s [%s]: 試運転ス
テータスでのみの書き込みアク
セス、データベースコンフィグ
レーション (デバイス: p0009 =
4)。
0x7B
パラメータ %s [%s]: 試運転ス
テータスでのみの書き込みアク
セス、デバイスコンフィグレー
ション (デバイス: p0009 = 1)。
0x7C
パラメータ %s [%s]: 試運転ス
テータスでのみの書き込みアク
セス、デバイスダウンロード
(デバイス: p0009 = 29)。
0x7D
パラメータ %s [%s]: 試運転ス
テータスでのみの書き込みアク
セス、デバイスパラメータリセ
ット (デバイス: p0009 = 30)。
0x7E
パラメータ %s [%s]: 試運転ス
テータスでのみの書き込みアク
セス、デバイス準備完了 (デバ
イス: p0009 = 0)。
0x7F
パラメータ %s [%s]: 試運転ス
テータスでのみの書き込みアク
セス、デバイス (デバイス:
p0009 ≠ 0)。
692
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
通信
10.1 PROFIdrive に準拠した通信
エラー
値
0x81
意味
備考
パラメータ %s [%s] はダウンロ –
追加情報
–
ード時に書かれない場合があり
ます。
0x82
–
–
パラメータ %s [%s]: 要求され
BICO 出力は浮動値を提供しません。 BICO 入力
–
た BICO 接続は不可
は、しかし、浮動値を要求しています。
パラメータ %s [%s]: パラメー
–
–
–
–
書き込みジョブは実行されませ
書き込みジョブは、ノウハウ保護が有効であるた
–
ん
めに拒否されます。
有効値未満。
「絶対」リミット以内だが、現在地が下限を下回
制御権限 (マスタ) の伝送は
BI: p0806 により禁止されま
す。
0x83
0x84
タ変更禁止
(p0300、p0400、p0922 を参照)
0x85
パラメータ %s [%s]: アクセス
方法が定義されていません。
0x87
0xC8
–
っている値に対する変更要求。
0xC9
有効値を上回っている。
「絶対」リミット以内だが、現在地が下限を下回
–
っている値に対する変更要求 (例: 現在のコンバ
ータ定格により支配)。
0xCC
10.1.4.3
書き込みアクセスは許容されま
アクセスキーが使用できないため、書き込みアク
せん
セスは許容されません。
–
ドライブオブジェクト番号の設定
ドライブシステムの詳細(ドライブオブジェクト番号等)は、パラメータ p0101、r0102、
p0107/r0107 を使用して以下の通りに設定します。
1. ドライブオブジェクト/軸 1 の r0102(ドライブオブジェクト数)のパラメータ値は読
出しタスクで表示します。
ドライブオブジェクト 1 はコントロールユニット(CU)であり、これは各ドライブシ
ステムに最低限必要です。
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
693
通信
10.1 PROFIdrive に準拠した通信
2. 上記の読出しタスク結果に応じて、ドライブオブジェクト 1 の読出しタスクを使用
して、パラメータ r0102 の設定値に応じたパラメータ p0101(ドライブオブジェクト
番号)のインデックスが読み出されます。
例:
ドライブオブジェクト数が「5」の場合、パラメータ p0101 のインデックス 0 ~ 4 の
値が読み出されます。 これらのインデックスを一度に読み出すことができます。
注記
上記の 2 項目により、次の情報が得られます。
• ドライブシステム内に存在するドライブオブジェクト数
• 現在のドライブオブジェクト数
3. 続いて、各ドライブオブジェクト/軸に対してパラメータ r0107/p0107(ドライブオブ
ジェクトタイプ)が読み出されます(ドライブオブジェクト番号ごとに表示されます)。
ドライブオブジェクトに応じて、パラメータ 107 は設定パラメータまたは表示パラ
メータとなります。
r0107/p0107 のパラメータ値はドライブオブジェクトタイプを示します。 ドライブ
オブジェクトタイプの割付けはパラメータリストに記載されています。
4. 各ドライブオブジェクトについてはパラメータリストを参照してください。
10.1.4.4
例 1: パラメータの読出し
前提条件
1. PROFIdrive コントローラの試運転が完了し、完全に動作できる状態にあります。
2. コントローラと機器間の PROFIdrive 通信が動作できる状態にあります。
3. コントローラは PROFIdrive DPV1 に準拠してデータセットの読み出し/書き込みが
できる。
タスクの説明
ドライブ 2 (ドライブオブジェクト番号 2) で少なくとも 1 つの故障の発生に続き
(ZSW1.3 = 「1」)、実際のエラーコードを故障バッファ r0945[0]...r0945[7] から読み出
さなければなりません。
要求は要求データブロックと応答データブロックで処理されます。
694
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
通信
10.1 PROFIdrive に準拠した通信
基本的な処理
1. パラメータ読み出し要求を作成します。
2. 要求を呼び出します。
3. 応答を評価します。
チェック項目
1. 要求を作成します。
パラメータ要求
要求ヘッダ
オフセ
ット
要求リファレンス = 25
要求 ID = 01 hex
0+1
パラメータ数 = 01 hex
2+3
要素数 = 08 hex
4+5
hex
軸 = 02 hex
パラメータアドレス 属性 = 10 hex
パラメータ番号 = 945 dec
6
サブインデックス = 0 dec
8
パラメータ要求に関する情報:
●
要求リファレンス:
値は有効値範囲からランダムに選択されます。 要求リファレンスは要求と応答の関
係を確立します。
●
要求 ID:
01 hex ––> この識別子は読み出し要求に必要です。
●
軸:
02 hex → ドライブ 2、ドライブおよびデバイス固有の故障を含む故障バッファ
●
パラメータ数:
01 hex → 1 つのパラメータが読み出されます。
●
属性:
10 hex → パラメータ値が読み出されます。
●
要素数:
08 hex → 8 つの故障を含む実際の故障イベントが呼び出されます。
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
695
通信
10.1 PROFIdrive に準拠した通信
●
パラメータ番号:
945 dec → p0945 (故障コード) が読み出されます。
●
サブインデックス:
0 dec → インデックス 0 で読み出しが始まります。
1. パラメータ要求を初期化。
ZSW1.3 = 「1」の場合 → パラメータ要求を初期化
2. パラメータ応答を評価します。
パラメータ応答
応答ヘッダ
オフセ
ット
応答 ID = 01 hex
0+1
軸反映 = 02 hex
パラメータ数 = 01 hex
2+3
形式 = 06 hex
値の数 = 08 hex
4+5
要求リファレンス 反映
= 25 hex
パラメータ値
1. 値 = 1355 dec
6
2. 値 = 0 dec
8
...
...
8. 値 = 0 dec
20
パラメータ応答に関する情報:
●
要求リファレンス反映:
この応答は、要求リファレンス 25 の要求に対するものです。
●
応答 ID:
01 hex → 正数で読出し要求、値は 1 つめの値として保存
●
反映軸、パラメータ数:
この値は要求の値に一致します。
●
タイプ:
06 hex → パラメータ値は符号なし 16 タイプです。
●
値の数:
08 hex → 8 つのパラメータ値が利用可能です。
●
1. 番目の値 ... 8 番目の値
故障は、ドライブ 2 の故障バッファの値 1 に入力されます。
696
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
通信
10.1 PROFIdrive に準拠した通信
10.1.4.5
例 2: パラメータの書込み(マルチパラメータタスク)
前提条件
1. PROFIdrive コントローラの試運転が完了し、完全に操作可能です。
2. コントローラとデバイス間の PROFIdrive 通信が操作可能です。
3. コントローラは PROFIdrive DPV1 に準拠してデータセットの読み出しおよび書き込
みができます。
この例に固有の必要事項:
4. 制御方式: ベクトル制御、「拡張設定値チャンネル」ファンクションモジュールを有
効にしたサーボ制御
タスクの説明
ドライブ 2 (ドライブオブジェクト番号 2 も同様) 用にジョグ 1、2 をコントロールユニ
ットの入力端子を介して設定しなければなりません。 パラメータ要求は以下のように
該当するパラメータを書き込むために使用します:
• BI: p1055 = r0722.4
ジョグビット 0
• BI: p1056 = r0722.5
ジョグビット 1
• p1058 = 300 1/min
ジョグ 1 速度設定値
• p1059 = 600 1/min
ジョグ 2 速度設定値
この要求は、要求データブロックおよび応答データブロックで処理されます。
9
;
',
;
',
S>&@
U
ኾኁዐ岼⸩⊳
%,቎⏴┪Sርቫቖ%,S
ኇኳንኄኌእ
ኤክኁኖ
&8
ቀቯ呹⇢ቛቑ揜偩
ኮ዆ኾዙኜ䟹⚆
S>&@
U
ንዄኍ岼⸩⊳
S
QBVHWB
ኁዐኤአኌኖ䟹⚆
U
'+H[
U
'+H[
ንዄኍ岼⸩⊳
S
岼⸩⊳ት≬ⷧ
図 10-17
マルチパラメータ要求のタスクの記述 (例)
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
697
通信
10.1 PROFIdrive に準拠した通信
基本的な手順
1. パラメータを書き込むための要求を作成します。
2. 要求を呼び出します。
3. 応答を評価します。
チェック項目
1. 要求を作成します。
パラメータ要求
要求ヘッダ
オフセ
ット
要求リファレンス =
要求 ID = 02 hex
0+1
パラメータ数 = 04 hex
2+3
要素数 = 01 hex
4+5
40 hex
軸 = 02 hex
1. パラメータアド 属性 = 10 hex
レス
パラメータ番号 = 1055 dec
6
サブインデックス = 0 dec
8
2. パラメータアド 属性 = 10 hex
レス
12
サブインデックス = 0 dec
14
1. パラメータ値
要素数 = 01 hex
16 + 17
パラメータ番号 = 1058 dec
18
サブインデックス = 0 dec
20
4. パラメータアド 属性 = 10 hex
レス
10 + 11
パラメータ番号 = 1056 dec
3. パラメータアド 属性 = 10 hex
レス
要素数 = 01 hex
要素数 = 01 hex
22 + 23
パラメータ番号 = 1059 dec
24
サブインデックス = 0 dec
26
フォーマット = 07
数値数 = 01 hex
28 + 29
hex
698
値 = 02D2 hex
30
値 = 0404 hex
32
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
通信
10.1 PROFIdrive に準拠した通信
パラメータ要求
2. パラメータ値
オフセ
ット
フォーマット = 07
数値数 = 01 hex
34 + 35
hex
3. パラメータ値
値 = 02D2 hex
36
値 = 0405 hex
38
フォーマット = 08
数値数 = 01 hex
40 + 41
hex
4. パラメータ値
値 = 4396 hex
42
値 = 0000 hex
44
フォーマット = 08
数値数 = 01 hex
46 + 47
hex
値 = 4416 hex
48
値 = 0000 hex
50
パラメータ要求についての情報:
●
要求リファレンス:
この値は、有効値範囲からランダムに選択されます。 要求リファレンスは、要求と
応答の関係を確立します。
●
要求 ID:
02 hex –> この識別子は書き込み要求に必要です。
●
軸:
02 hex –> パラメータはドライブ 2 に書き込まれます。
●
パラメータ数
04 hex –> マルチパラメータ要求は 4 つのパラメータ要求で構成されます。
1. 第 1 のパラメータアドレス ~ 第 4 のパラメータアドレス
●
属性:
10 hex –> パラメータ値が書き込まれる予定です。
●
要素数
01 hex –> 1 つの配列要素が書き込まれます。
●
パラメータ番号
書き込まれるパラメータの番号を指定します (p1055、p1056、p1058、p1059)。
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
699
通信
10.1 PROFIdrive に準拠した通信
●
サブインデックス:
0 dec –> 第 1 の配列要素の ID
1. 第 1 のパラメータ値 ~ 第 4 のパラメータ値
●
フォーマット:
07 hex–> データタイプ、符号なし 32 ビット
08 hex → データタイプ、浮動小数点
●
数値数:
01 hex –> 値は設定されたフォーマットで各パラメータに書き込まれます。
●
値:
BICO 入力パラメータ: 信号ソースを入力します。
設定パラメータ: 値を入力します
2. パラメータ要求を開始します
3. パラメータ応答を評価します。
パラメータ応答
応答ヘッダ
オフ
セッ
ト
要求リファレンス ミラード = 40
応答 ID = 02 hex
0
パラメータ数 = 04 hex
2
hex
軸 ミラード = 02 hex
パラメータ応答についての情報:
●
要求リファレンス ミラード:
この応答は、要求リファレンス 40 の要求に属するものです。
●
応答 ID:
02 hex ––> 書き込み要求 (+)
●
軸反映:
02 hex –> この値は要求の値と一致します。
●
パラメータ数:
04 hex –> この値は要求の値と一致します。
700
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
通信
10.2 PROFIBUS DP 経由の通信
10.2
PROFIBUS DP 経由の通信
10.2.1
PROFIBUSの概要
10.2.1.1
SINAMICSで使用するPROFIBUSの概要
PROFIBUS はオープンな国際フィールドバス規格で、産業機械の制御システムやプロ
セス制御システムにおいて幅広く使用されています。
以下の規格により、オープン性、およびマルチベンダシステムが保証されています:
●
国際規格 EN 50170
●
国際規格 IEC 61158
PROFIBUS は、フィールドレベルでの高速かつタイムクリティカルなデータ通信のた
めに最適化されています。
注記
ドライブテクノロジー向けの PROFIBUS は標準化され、以下の文書で説明されていま
す。
参考: /P5/ PROFIdrive プロファイルドライブテクノロジー
注意
アイソクロナス PROFIBUS に同期する前に、ドライブオブジェクトの全てのパルス
をブロックしなければなりません。これは PROFIBUS を介して制御されないドライ
ブにも当てはまります。
CBE20 がプラグイン接続される場合、サイクリック PZD チャンネルは無効化されま
す!
注意
CAN ケーブルは、インターフェース X126 に接続してはいけません。 CAN ケーブル
が接続された場合、CU320-2 および他の CAN bus ノードが破損される場合がありま
す。
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
701
通信
10.2 PROFIBUS DP 経由の通信
マスタおよびスレーブ
●
マスタおよびスレーブの特性
表 10- 54
マスタおよびスレーブの特性
特徴
マスタ
スレーブ
バスノードとして
アクティブ
パッシブ
送信メッセージ
外部要求なしに許可
マスタによる要求でのみ可
能
受信メッセージ
●
制約なしで可能
受信および確認のみ許可
マスタ
マスタは以下のクラスに分類されます:
– マスタクラス 1 (DPMC1):
サイクリックおよび非サイクリックモードでスレーブとデータを交換するセント
ラルオートメーションステーション。 マスタ間通信も可能です。
例: SIMATIC S7、SIMOTION
– マスタクラス 2 (DPMC2):
バス運転中のコンフィグレーション、試運転、オペレータ制御および監視用デバ
イス 非サイクリックモードでスレーブとデータ交換するだけのデバイス
例: プログラミングデバイス、マンマシンインターフェース
●
スレーブ
PROFIBUS との関連で、SINAMICS ドライブユニットはスレーブです。
バスアクセス方式
PROFIBUS はトークンパス方式を使用、つまり、アクティブなステーション (マスタ)
が送信権限が定義された時間枠内でのみ受け付けられる論理リングの中に配置されます。
この時間枠内で、送信権限を備えるマスタは、他のマスタと通信するか、マスタ・スレ
ーブ手順で割り付けられたスレーブと通を処理します。
702
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
通信
10.2 PROFIBUS DP 経由の通信
サイクリックデータ伝送および非サイクリックサービスのための PROFIBUS テレグラム
サイクリックなプロセスデータ交換をサポートする各ドライブユニットは、全てのプロ
セスデータを送信および受信するためにテレグラムを使用します。 一つの PROFIBUS
アドレスで、全ての非サイクリックサービス (パラメータの読み出し/書き込み) を実行
するために、個別のテレグラムが送信されます。 非サイクリックデータは、サイクリ
ックデータ伝送後に低い優先順位で伝送されます。
テレグラムの全長は、プロセスデータ交換に含まれるドライブオブジェクト数と共に大
きくなります。
テレグラム内のドライブオブジェクトのシーケンス
ドライブ側では、ドライブオブジェクトのシーケンスは、ここで変更が可能な
p0978[0...24] を介して表示されます。
STARTER 試運転ツールを使用して、オンラインモードで試運転されたドライブシステ
ムのためのドライブオブジェクトのシーケンス→ [Drive unit] → [Communication]→
[Telegram configuration] を表示します。
コントローラ側でコンフィグレーションを作成する場合 (例: HWConfig)、アプリケーシ
ョン用のプロセスデータ処理可能なドライブオブジェクトはこのシーケンスでテレグラ
ムに追加されます。
以下のドライブオブジェクトはプロセスデータの交換ができます:
●
アクティブ電源装置 (A_INF)
●
ベーシック電源装置 (B_INF)
●
コントロールユニット (CU_S)
●
ENCODER
●
スマート電源装置 (S_INF)
●
SERVO
●
増設 I/O カード 30 (TB30)
●
増設 I/O モジュール 15 (TM15)
●
増設 I/O モジュール 31 (TM31)
●
増設 I/O モジュール 41 (TM41)
●
増設 I/O モジュール 120 (TM120)
●
増設 I/O モジュール 150 (TM150)
●
VECTOR
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
703
通信
10.2 PROFIBUS DP 経由の通信
注記
HW Config におけるドライブオブジェクトのシーケンスは、ドライブシステム内のシー
ケンス (p0978) と同じでなければなりません。
テレグラムの構造は、コンフィグレーション中に考慮されたドライブオブジェクトに依
存します。 ドライブシステムに存在する全てのドライブオブジェクトを考慮しないコ
ンフィグレーションも許容されます。
例:
例えば、以下のコンフィグレーションが可能です:
10.2.1.2
●
SERVO、SERVO、SERVO でのコンフィグレーション
●
A_INF、SERVO、SERVO、SERVO、TB30 でのコンフィグレーション
●
など
例: サイクリック伝送の電文構造
Task
ドライブシステムは以下のドライブオブジェクトから構成されます。
●
コントロールユニット(CU_S)
●
アクティブ電源装置(A_INF)
●
SERVO 1 (1 つのモータモジュールおよびその他のモジュールで構成)
●
SERVO 2 (2 つのモータモジュール端子 X1 およびその他のモジュールで構成)
●
SERVO 3 (2 つのモータモジュール端子 X2 およびその他のモジュールで構成)
●
増設 I/O カード 30(TB30)
プロセスデータは、ドライブオブジェクトと上位のオートメーションシステムとの間で
交換されます。
●
使用する電文:
– シーメンス電文 370(アクティブ電源装置用)
– 標準電文 6(サーボ用)
– ユーザー定義の電文(増設 I/O カード 30 用)
704
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
通信
10.2 PROFIBUS DP 経由の通信
モジュールと電文の構造
モジュール構成の定義に応じて、電文構造は下図の通りになります。
ነዐእዊ
ዙወዃከ
አእ
7%
ነዐኺዙኪዐእቑ㱚抯
ኣዉኍ዆ኽቑ㱚抯
+HDGHU
図 10-18
ቿኌኣኀ
ኳ዆ኁዐ
኿ንዂዙ
ወ
ኔዐኍወ ኝኳወ኿
኿ዙኜ኿ ዙኜ኿ን
ንዂዙወ ዂዙወ
$FWLYH
,QIHHG
6(592 6(592 6(592
7UDLOHU
モジュールと電文の構造
電文の順序は p0978[0...15]に表示され、変更することもできます。
コンフィグレーションの設定(SIMATIC S7 の HWConfig 等)
コンフィグレーション用にモジュールはオブジェクトに割り付けられます。
図に示した電文構造の場合、「DP スレーブのプロパティ」の概要でオブジェクトは次
の通りに設定されなければなりません。
• アクティブ電源装置(A_INF):
電文 370
• SERVO 1:
標準電文 6
• SERVO 2:
標準電文 6
• SERVO 3:
標準電文 6
• 増設 I/O カード 30(TB30):
ユーザー定義
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
705
通信
10.2 PROFIBUS DP 経由の通信
DP スレーブのプロパティ – 概要
図 10-19
スレーブのプロパティ – 概要
[Details]をクリックすると、設定された電文構造のプロパティが表示されます(I/O アド
レス、軸セパレータ等)。
706
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
通信
10.2 PROFIBUS DP 経由の通信
DP スレーブのプロパティ – 詳細
図 10-20
スレーブのプロパティ – 詳細
軸セパレータは次のように電文内のオブジェクトを分離します。
• スロット 4、5:
オブジェクト 1 --> アクティブ電源装置
(A_INF)
• スロット 7、8:
オブジェクト 2 ––> SERVO 1
• スロット 10、11:
オブジェクト 3 ––> SERVO 2
など
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
707
通信
10.2 PROFIBUS DP 経由の通信
10.2.2
PROFIBUSのスタートアップ
10.2.2.1
PROFIBUS インターフェースの設定
インターフェースおよび診断用 LED
コントロールユニットには、診断 LED およびアドレススイッチ付きの PROFIBUS イ
ンターフェースが標準で搭載されています。
/('
5'<
'3
237
;
352),%86
352),%86
ቿኦዉኖኖኁአኞ
/('℗⌨
図 10-21
708
インターフェースおよび診断用 LED
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
通信
10.2 PROFIBUS DP 経由の通信
●
PROFIBUS インターフェース
PROFIBUS インターフェースは、以下の文書で説明されています:
参照: 『SINAMICS S120 コントロールユニットおよびオプションコンポーネント用
製品マニュアル』
●
PROFIBUS 診断用 LED
注記
リモート診断のためにテレサービスアダプタを PROFIBUS インターフェース (X126)
に接続することができます。
CU320-2 では、PROFIBUS アドレスは、2 つのロータリコードスイッチを使用して 16
進の値で設定されます。 0dec (00hex) および 127dec (7Fhex) 間の値がアドレスとして設定
できます。 The upper rotary coding switch (H) is used to set the hexadecimal value
for 161 and the lower rotary coding switch (L) is used to set the hexadecimal value
for 160.
表 10- 55
PROFIBUS アドレススイッチ
ロータリコードスイッ
チ
'3
+
'3
/
意味
例
21dec
35dec
126dec
15hex
23hex
7Ehex
161 = 16
1
2
7
160 = 1
5
3
E
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
709
通信
10.2 PROFIBUS DP 経由の通信
PROFIBUS アドレスの設定
ロータリコードスイッチの出荷時設定は 0dec (00hex) です。
PROFIBUS アドレスを設定する方法には二通りあります。
1. パラメータ p0918 の使用
– STARTER を使用して PROFIBUS ノードのバスアドレスを設定するには、最初
にロータリコードスイッチを 0dec (00hex) および/または 127dec (7Fhex)に設定しま
す。
– その後、パラメータ p0918 を、1 ~ 126 の値へのアドレス指定を設定するために
使用します。
2. コントロールユニットの PROFIBUS アドレススイッチの使用
– アドレスは手動で、ロータリコードスイッチを使用して 1 ~ 126 の値に設定され
ます。 この場合、p0918 は、アドレスを読み出すためのみに使用されます。
注記
PROFIBUS アドレスの設定に使用されるロータリコードスイッチは、ブランキングカ
バーの真下にあります (Auto-Hotspot)。
注記
アドレス 126 は試運転に使用されます。 許可される PROFIBUS アドレスは 1 ~ 126
です。
複数のコントロールユニットが PROFIBUS ケーブルに接続されている場合、出荷時設
定以外のアドレス指定を設定します。 それぞれの PROFIBUS ケーブル上で、アドレス
の割り付けは一度だけ可能です。 ロータリコーディングスイッチを使用して絶対値で
PROFIBUS アドレスを設定するか – 選択的にパラメータ p0918 で設定します。 バスア
ドレスに対して行った変更は、POWER ON まで有効になりません。
ロータリコーディングスイッチの現在の設定アドレスは、パラメータ r2057 に表示され
ます。
注記
1 ~ 126 (7Ehex) の値のみが PROFIBUS アドレスに対して有効です。 127 より上の値
が設定される場合、設定値は「0」として解釈されます。 値「0」または「127」を設定
した場合、PROFIBUS アドレスはパラメータ p0918 の値で定義されます
710
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
通信
10.2 PROFIBUS DP 経由の通信
10.2.2.2
運転中の PROFIBUS インターフェース
GSD ファイル
GSD ファイルは明示的に完全に PROFIBUS スレーブの特性を定義します。
GSD ファイルは以下の場所にあります:
●
インターネット上:
http://support.automation.siemens.com/WW/llisapi.dll?func=cslib.csinfo2&aktprim=9
9&lang=de、その後、インデックス検索で [GSD files] を検索します。
●
試運転ツール STARTER の CD 上
注文番号 6SL3072-0AA00-0AGx
●
ディレクトリのメモリカード上
\\SIEMENS\SINAMICS\DATA\CFG\
図 10-22
スレーブ・スレーブ通信機能性を含む GSD ファイルのハードウェアカ
タログ
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
711
通信
10.2 PROFIBUS DP 経由の通信
SINAMICS S DXB GSD ファイルには、とりわけ、スタンダードテレグラム、フリーテ
レグラムおよびスレーブ・スレーブ通信をコンフィグレーションするためのスレーブ・
スレーブテレグラムが含まれます。ユーザは、ドライブユニットのためのテレグラムを
構成するために、各ドライブオブジェクト後段に、これらのテレグラムパートおよび軸
セパレータを使用しなければなりません。
HW Config での GSD ファイルの処理は、SIMATIC 説明書に記載されています。
PROFIBUS コンポーネントのサプライヤは、独自のバスコンフィグレーションツール
を提供することができます。 それぞれのバスコンフィグレーションツールの説明は、
関連文書に記載されています。
VIK–NAMUR の試運転に関する注意事項
SINAMICS ドライブを VIK-NAMUR ドライブとして動作させるためには、スタンダー
ドテレグラム 20 を設定し、p2042 =1 によって VIK-NAMUR 識別番号を有効にしなけ
ればなりません。
デバイスの識別
各スレーブの識別により、診断が容易になり、PROFIBUS 上のノードが一覧表示され
ます。
各スレーブの情報は、コントロールユニット固有の以下のパラメータに保存されていま
す:
r0964[0...6] デバイスの識別
バス終端抵抗およびシールド
PROFIBUS を介した信頼性の高いデータ伝送は、とりわけ、バス終端抵抗の設定と
PROFIBUS ケーブルのシールド加工に依存します。
●
バス終端抵抗
PROFIBUS プラグ内のバス終端抵抗は、以下のようにして設定しなければなりませ
ん:
– ライン上の最初と最後のノード: 終端抵抗をスイッチ「入」
– ライン上のその他のノード:終端抵抗をスイッチ「切」
●
PROFIBUS ケーブルのシールド加工
ケーブルシールドは、両端で大きな表面積を通じてプラグ接続されなければなりま
せん。参照:/GH1/ SINAMICS S120 コントロールユニットとオプションコンポーネ
ントの製品マニュアル
712
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
通信
10.2 PROFIBUS DP 経由の通信
10.2.2.3
PROFIBUS の試運転
試運転のための前提条件および想定
PROFIBUS スレーブ
●
アプリケーションのために設定する PROFIBUS アドレスは把握されています。
●
各ドライブオブジェクトのテレグラムタイプはアプリケーションにより把握されま
す。
PROFIBUS マスタ
●
SINAMICS S120 スレーブの通信プロパティは、マスタで利用可能でなければなり
ません (GSD ファイルまたはドライブ ES スレーブ OM)。
試運転ステップ (SIMATIC S7 での例)
1. スレーブ上の PROFIBUS アドレスを設定します。
2. スレーブ上でテレグラムタイプを設定します。
3. HWConfig で以下を実行します:
– PROFIBUS にドライブを接続し、アドレスを割り付けます。
– テレグラムタイプを設定します。
スレーブ上のテレグラムタイプと同じテレグラムタイプは、PROFIBUS 経由でプ
ロセスデータを交換する各ドライブオブジェクトに設定してください。
マスタは、スレーブが使用するよりも多くのプロセスデータを送信できます。 ド
ライブオブジェクト STARTER に割り付けられたよりも大きな PZD 番号を含む
テレグラムをマスタ上でコンフィグレーションすることができます。
ドライブオブジェクトにより提供されない PZD は 0 で満たされます。
「PZD なし」設定は、ノードまたはオブジェクトで定義できます (例: 端子経由で
のインフィード制御)。
4. I/O アドレスは、ユーザプログラムと一致して割り付けられなければなりません。
10.2.2.4
診断オプション
標準スレーブ診断は、HW config でオンライン読出しできます。
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
713
通信
10.2 PROFIBUS DP 経由の通信
10.2.2.5
SIMATIC HMI アドレス指定
SIMATIC HMI を PROFIBUS マスタ (マスタクラス 2) として、SINAMICS に直接アク
セスするために使用することができます。 SIMATIC HMI との関係では、SINAMICS は
SIMATIC S7 のように動作します。 ドライブパラメータへアクセスする場合、以下の簡
単なルールが適用されます。
●
パラメータ番号 = データブロック番号
●
パラメータサブインデックス = データブロックオフセットのビット 0 ... 9
●
ドライブオブジェクト番号 = データブロックオフセットのビット 10 ... 15
Pro Tool および WinCC flexible
SIMATIC HMI は、"Pro Tool" または "WinCC flexible" でフレキシブルにコンフィグレー
ションすることができます。
ドライブの以下の特別な設定は、Pro Tool または WinCC flexible でコンフィグレーシ
ョンを実施する場合に遵守されなければなりません。
コントローラ: プロトコルは常に「SIMATIC S7 - 300/400」
表 10- 56
他のパラメータ
フィールド
値
ネットワークパラメータプロファイル
DP
ネットワークパラメータボーレート
任意
通信パートナーのアドレス
ドライブユニットの PROFIBUS アドレス
通信パートナー
注意不要、0
スロット/サブラック
表 10- 57
タグ: 「全般」タグ
フィールド
714
値
名称
任意
制御
任意
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
通信
10.2 PROFIBUS DP 経由の通信
フィールド
タイプ
値
アドレス指定されたパラメータ値に依
存、例:
INT: 整数 16 の場合
DINT: 整数 32 の場合
WORD: 符号なし 16 の場合
REAL: フロートの場合
エリア
DB
DB
パラメータ番号
(データブロック番号)
1 ... 65535
DBB、DBW、DBD
ドライブオブジェクト番号およびサブイ
(データブロックオフセット)
ンデックス
ビット 15 ... 10: ドライブオブジェクト番
号 0 ... 63
ビット 9 ... 0: サブインデックス 0 ... 1023
または、別の表現をすると
DBW = 1024 * ドライブオブジェクト番号
+ サブインデックス
長
有効ではありません
取得サイクル
任意
要素数
1
小数点以下
任意
注記
• 存在するコントローラに関係なく、SIMATIC HMI をドライブユニットと共に運転す
ることができます。
ベーシックな「ポイントツーポイント」接続は 2 つのノード (デバイス) 間でのみ確
立することができます。
• 「可変」 HMI 機能はドライブユニットに使用できます。 他の機能は使用できません
(例: 「メッセージ」または「レシピ」)。
• それぞれのパラメータ値にアクセスできます。 列全体、説明、またはテキストはア
クセスできません。
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
715
通信
10.2 PROFIBUS DP 経由の通信
10.2.2.6
監視: 伝送エラー
テレグラムエラー監視時、SINAMICS は 2 つの場合を区別します:
1. バス故障によるテレグラムエラー
テレグラムエラー後に監視時間 (p2047) が経過すると、ビット r2043.0 が「1」に設
定され、アラーム A01920 が出力されます。 バイネクタ出力 r2043.0 は、例えば、
急停止に使用することができます。
遅延時間 p2044 が経過すると、故障 F01910 が出力されます。 故障 F01910 は、電
源装置の故障応答 OFF2 (パルスブロック) および SERVO/VECTOR の OFF3 (急停
止) をトリガします。 OFF 応答がトリガされない場合、故障応答を適宜再パラメー
タ設定できます。
故障 F01910 は、直ちに確認することができます。 この時、ドライブは PROFIdrive
を使用することなく運転できます。
'XULQJEXVIDXOW
S
U
ኻኖኜሮቬቑ
ኒኁኌ዇አኌኣዉኍ዆ኽ
7 $
S
W
6 4
7 )
5 4
図 10-23
716
バスの故障によるテレグラムエラーの監視
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
通信
10.2 PROFIBUS DP 経由の通信
2. CPU 停止によるテレグラムエラー
テレグラムエラー後、ビットは r2043.0 は「1」に設定されます。 バイネクタ出力
r2043.0 は、例えば、急停止に使用することができます。
遅延時間 p2044 が経過すると、故障 F01910 が出力されます。 故障 F01910 は、電
源装置の故障応答 OFF2 (パルスブロック) および SERVO/VECTOR の OFF3 (急停
止) をトリガします。 OFF 応答がトリガされない場合、故障応答を適宜再パラメー
タ設定できます。
故障 F01910 は、直ちに確認することができます。 この時、ドライブは PROFIdrive
を使用することなく運転できます。
'XULQJ&38VWRS
U
ኻኖኜሮቬቑ
ኒኁኌ዇አኌኣዉኍ዆ኽ
S
W
6 4
7 )
5 4
図 10-24
CPU 停止によるテレグラムエラーの監視
例: テレグラムエラーを使用した非常停止
前提条件:
●
アクティブラインモジュールとシングルモータモジュールを含むドライブユニット。
●
VECTOR モードが有効です。
●
2 秒の立ち下がり時間 (p1135) が経過すると、ドライブは停止します。
設定:
●
CU p2047 = 20 ms
●
A_INF p2044 = 2 ms
●
VECTOR p2044 = 0 ms
シーケンス:
テレグラムエラーに続いて追加監視時間 (p2047) が経過すると、ドライブオブジェクト
CU のバイネクタ出力 r2043.0 が「1」に切り替わります。 同時に、A_INF ドライブオ
ブジェクトにはアラーム A01920 が出力され、VECTOR にはアラーム A01920 と故障
F01910 が出力されます。 F01910 が出力されると、ドライブに対して OFF3 がトリガ
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
717
通信
10.2 PROFIBUS DP 経由の通信
されます。 2 秒の遅延時間 (p2044) が経過すると、電源装置で故障 F01910 が出力され、
OFF2 がトリガされます。
注記
追加監視時間パラメータ p2047 は、サイクリック通信でのみ使用できます。 アイソク
ロナス通信中、できる限り早急に応答するため、テレグラムエラーを直ちに記録するよ
うにしてください。
10.2.3
PROFIBUS経由のモーションコントロール
PROFIBUS 経由のモーションコントロール/アイソクロノス接続
70$3& 7'3
⇜函ነዐእዊዙ዆ኒኁኌወ
7'3
70
ኻኖኜ
⇜函ነዐእዊዙ዆
06*
5(6
*&
'[ '[ '[
5
5
06*
5(6
70
7';
5
*&
'[ '[ '[
06*
5(6
*&
'[ '[ '[
5
5
06*
榊㿐
ነዐእዊዙ዆ኒኁኌወ
ኖዉዙኳ
ᨺ
5 5
5 5
5 5
5
5
5
5
5
7,
図 10-25
5
5
5
5
5
5
5
5
5
5
5
5
5
5
5
5
5
5
7,
5
5
5
5
5
5
5
5
5
72
5
5
5
5 5
5
5
5
5
5
5
5
5
5
5
5 55
5 5
5
5
5
7,
PROFIBUS 経由のモーションコントロール/アイソクロノス接続、TMAPC = 2 ∙ TDP で最適化された
サイクル
718
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
通信
10.2 PROFIBUS DP 経由の通信
閉ループ制御システムへのデータ伝送手順
1. 各サイクル開始前の時間 TI に、位置現在値 G1_XIST1 が電文イメージに読み込まれ、
次のサイクルでマスターに伝送されます。
2. マスターの閉ループ制御は、各位置制御ループサイクル開始後の時間 TM に開始し、
スレーブから読み込んだ現在値を使用します。
3. 次のサイクルで、マスターは計算された設定値をスレーブの電文イメージに伝送し
ます。 速度設定値コマンド NSOLL_B がサイクル開始後の時間 TO に閉ループ制御シ
ステムに発行されます。
モーションコントロールの場合の名称および説明
表 10- 58
名称
時間設定と意味
リミット値
説明
TBASE_DP 250 μsec
TDP のタイムベース
TDP
DP サイクルタイム
TDP ≧ TDP_MIN
TDP = Dx + MSG + RES + GC
TDP_MIN ≦ TDP ≦ TDP_MAX
TDP = 整数倍 x TBASE_DP
TDP_MIN = 1 ms
TDP_MAX =32 ms
TMAPC
マスタアプリケーションのサイクルタイム
これは、マスタアプリケーションが新しい設定値を生成する時間枠
です (例: 位置コントローラサイクルで)
TMAPC = 整数倍 * TDP
TBASE_IO 125 μsec
TI、TO のタイムベース
TI
実績値検出時間
TI_MIN ≦ TI < TDP
これは、各サイクル開始前に位置実績値が検出される時間です。
TI = TBASE_IO
の整数倍
TI_MIN は、ドライブユニットのドライブオブジェクト
(SERVO/VECTOR) の最も長い電流コントローラサイクル
(p0115[0])、最低 125 μs に一致します。
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
719
通信
10.2 PROFIBUS DP 経由の通信
名称
TO
リミット値
TDX + TO_MIN ≦ TO < TDP
説明
設定値伝送時間
サイクル開始後に、閉ループ制御システムが伝送された設定値 (速
度設定値) を受け付ける時間です。
TO = TBASE_IO の整数倍
TO_MIN は、ドライブユニットのドライブオブジェクト
(SERVO/VECTOR) の最長の速度コントローラサイクル
(p0115[1])、最低 125 μsec に一致します。
TDX
TDX < TDP
データ交換時間
これは 1 サイクル内でプロセスデータを全てのスレーブに伝送する
のに必要な時間です。
TPLL_W
-
PLL ウィンドウ
TPLL_D
-
PLL 遅延時間
GC
グローバルコントロールテレグラム (ブロードキャストテレグラム)
Dx
Data_Exchange
このサービスはマスタとスレーブ 1 ~ n 間のユーザデータ交換の
ために使用されます。
MSG
非サイクリックサービス
このサービスは、非サイクリックベースでの、マスタとスレーブ 1
~ n 間のユーザデータ交換のために使用されます。
RES
予約: アイソクロナスサイクルが経過するまで「有効休止」
R
マスタまたはスレーブでの演算時間、速度または位置コントローラ
TM
マスタ時間
閉ループマスタ制御の開始
720
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
通信
10.2 PROFIBUS DP 経由の通信
時間に関する設定基準
●
サイクル (TDP)
– TDP は、全てのバスノードで同じ値に設定してください。
– TDP > TDX および TDP > TO
TDP は、このように全てのバスノードとの通信をイネーブルするために十分な大
きさです。
通知
PROFIBUS マスタで TDP を変更した場合は、ドライブシステムをスイッチオン
(POWER ON) にするか、パラメータ p0972 = 1 (ドライブユニットをリセット) を設定
しなければなりません。
●
TI および TO
– TI および TO の時間をできる限り小さく設定することで、位置制御ループのデッ
ドタイムを短くすることができます。
– TO > TDX + TOmin
●
設定および最適化はツールを使用して行うことができます (例: SIMATIC S7 での
HW Config)。
予約の最小時間
表 10- 59
予約の最小時間
データ
必要な時間 [μs]
ベーシック負荷
300
スレーブあたり
20
ユーザデータのバイトあたり
1.5
追加のクラス 2 マスタ
500
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
721
通信
10.2 PROFIBUS DP 経由の通信
ユーザデータ統合
ユーザデータの統合は、サインオブライフ (4 ビットカウンタ) によって、両方の伝送方
向 (マスタ <--> スレーブ) で検証されます。
サインオブライフカウンタは 1 ~ 15 まで位置ずつ増し、その後 1 から再開します。
●
マスタのサインオブライフ
– マスタのサインオブライフには STW2.12 ... STW2.15 が使用されます。
– マスタのサインオブライフカウンタは、各マスタアプリケーションサイクル
(TMAPC) で増します。
– サインオブライフの許容エラー数は、p0925 を介して設定することができます。
– p0925 = 65535 と設定すると、スレーブでのサインオブライフ監視が無効化され
ます。
– 監視
マスタのサインオブライフはスレーブで監視され、サインオブライフエラーが適
宜評価されます。
サインオブライフの最大許容エラー数は、p0925 を介して設定することができま
す。
p0925 で設定されたサインオブライフ許容エラー数を超えた場合、応答は以下の
ように行われます:
– 該当するメッセージが出力されます。
– スレーブのサインオブライフとして値 0 が出力されます。
– マスタのサインオブライフを使用した同期が開始されます。
●
スレーブのサインオブライフ
– スレーブのサインオブライフには ZSW2.12 ... ZSW2.15 が使用されます。
– スレーブのサインオブライフカウンタは、DP サイクル (TDP) 毎に増します。
例: SIMOTION D4x5 および/または CX モジュールを使用した SINAMICS ベクトルドラ
イブ
プロジェクトをダウンロードした後に SINAMICS ドライブユニットのサイクルを決定
するため、最初に HW Config で信頼性の高いサイクル値を設定するようにしてくださ
い。
以下の設定と順序が推奨されます:
1. TDP = 3.0 ms (TDP = DP サイクルタイム)
722
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
通信
10.2 PROFIBUS DP 経由の通信
2. TI = To = 1.5 ms (TI = 実績値取得時間、To = 設定値伝送時間)
3. TMAPC = 6.0 ms (TMAPC = マスタアプリケーションサイクルタイム)
パラメータのダウンロードが正常終了した後、全ての電流および速度コントローラのサ
イクルを決定することができます。 これらのサイクルは、必要に応じて HW Config で
最適化することができます。
サイクルは、HW Config で SINAMICS ドライブユニット (例: SIMOTION D4x5 のスレ
ーブ、マスタ) の DP スレーブ特性にある [Clock synchronization] タブで設定します。
10.2.4
スレーブ間通信
PROFIBUS DP の場合、マスタが DP サイクルで全てのスレーブに順次問い合わせます。
この際、マスタは出力データ (設定値) を特定のスレーブに送信し、応答として入力デ
ータ (実績値) を受信します。 「スレーブ・スレーブ間通信」機能を使用すると、マス
タから直接関与がない、ドライブ (スレーブ) 間の高速分散型データ交換が可能です。
以下の用語は本章で説明される機能に使用されます:
●
スレーブ・スレーブ間通信
●
データ交換ブロードキャスト (DXB.req)
●
スレーブ・スレーブ通信 (が以下で使用されます)。
ነዐኲኀኍዉዙኔዄዐ
ኌ዆ኖኻኖኜ
√6,0$7,&ᇫ6
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+:&RQILJ
'ULYH(6%DVLF
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⒉┪ኤዙኜ
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6,1$0,&6
6ODYH
6,1$0,&6
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6XEVFULEHU
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ኌ዆ኖኻኖኜ⌃ሮቬ尚቉
図 10-26
パブリッシャとサブスクライバモデルのスレーブ・スレーブ間通信
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
723
通信
10.2 PROFIBUS DP 経由の通信
パブリッシャ
「スレーブ/スレーブ間通信」機能を使用するには、少なくとも 1 台以上のスレーブが
パブリッシャ として動作しなければなりません。
パブリッシャは、変更されたレイヤ 2 ファンクションコード (DXB.req) で出力データが
伝送された時、マスタによってアドレス指定されます。 パブリッシャはマスタへの入
力データを、ブロードキャストテレグラムとして全てのバスノードに送信します。
サブスクライバ
サブスクライバは、パブリッシャから送信されたブロードキャストテレグラムを処理し、
このデータを設定値として使用します。 マスタから受信した設定値に加えて、設定さ
れたテレグラム構造 (p0922) に対応するこれらのパブリッシャからの設定値が使用され
ます。
リンクおよびタップ
サブスクライバで設定されたリンク (パブリッシャ との接続) には以下の情報が含まれ
ます:
●
どのパブリッシャから入力データを受信するか
●
入力データの内容
●
どこで追加設定値が受け付けられるのか
リンク内で複数のタップが可能です。 互いに関連付けされていない複数の入力データ
または入力データ領域を、タップを介して設定値として使用することができます。
独自のドライブユニットへのリンクは可能です。 例えば、ダブルモータモジュールの
データはドライブ A からドライブ B に伝送できます。この内部リンクは、タイミング
に関しては PROFIBUS を介したリンクに相当します。
前提条件
「スレーブ・スレーブ間通信」機能では、以下の前提条件が遵守されなければなりませ
ん:
●
STARTER バージョン 4.2 以降
●
コンフィグレーション:
– Drive ES Basic、Drive ES SIMATIC または Drive ES PCS7 バージョン 5.3 SP3
以降
– 選択肢として GSD ファイルを使用
724
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
通信
10.2 PROFIBUS DP 経由の通信
●
ファームウェアバージョン 4.3 以降
●
ドライブあたりのプロセスデータの最大数は [r2050 – 既に使用されたリソース] の
値から特定できます。
●
パブリッシャへの最大 16 のリンク
注記
「スレーブ・スレーブ」通信」機能は CU310-2 PN では使用できません。
アプリケーション
例えば、以下のアプリケーションは「スレーブ・スレーブ間通信」機能を使用すること
で実装可能です。
10.2.4.1
●
軸カップリング (これはアイソクロナスモードとの併用で現実的です)
●
別のスレーブからのバイネクタ接続を指定
サブスクライバにおける設定値の割付け
設定値についての情報:
●
設定値数
バス通信が確立されると、マスタは設定テレグラム (ChkCfg) を使用して、伝送され
る設定値 (プロセスデータ) の数をスレーブに信号で出力します。
●
設定値の内容
「SINAMICS スレーブ」用のローカルのプロセスデータコンフィグレーションを使
用して、データの構造および内容が決定されます。
●
「標準」スレーブとしての運転
ドライブユニット (スレーブ) は、その設定値をマスタからの出力データとして受信
します。
●
サブスクライバとしての運転
スレーブがサブスクライバとして動作する場合、いくつかの設定値はマスタではな
く 1 つまたは複数のパブリッシャで定義されます。
バス通信の確立中に、パラメータ設定とコンフィグレーションテレグラムを使用し
て割り付けがスレーブに送信されます。
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
725
通信
10.2 PROFIBUS DP 経由の通信
10.2.4.2
スレーブ・スレーブ間通信を有効化/無効化
「スレーブ・スレーブ間通信」機能は、パブリッシャとサブスクライバの両方で有効に
されなければなりません。それにより、サブスクライバのみがコンフィグレーションさ
れることになります。 パブリッシャは、自動的にバス起動中に有効化されます。
パブリッシャでの有効化
マスタは、サブスクライバリンクのコンフィグレーションにより、変更されたレイヤ 2
のファンクションコード (DXB req) で、どのスレーブにパブリッシャとしてアクセスす
るかという情報が提供されます。
パブリッシャは、入力データをマスタに送るだけでなく、ブロードキャストテレグラム
として全てのバスノードに送信します。
これらの設定は自動的にバスコンフィグレーションツール (例: HW Config) を使用して
行われます。
サブスクライバでの有効化
サブスクライバとして使用されるスレーブにはフィルタテーブルが必要です。 スレー
ブは、どの設定値をマスタから受信し、どの設定値をパブリッシャから受信したのかを
区別しなければなりません。
このフィルタテーブルは、自動的にバスコンフィグレーションツール (例: HW Config)
を介して作成されます。
下表は、フィルタテーブルに含まれる情報を示します。
726
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
通信
10.2 PROFIBUS DP 経由の通信
パラメータ設定テレグラム (SetPrm)
フィルタテーブルは、バス通信が確立されるとパラメータ設定テレグラムによりマスタ
からスレーブへ専門ブロックが伝送されます。
%ORFNKHDGHU
ኲኀወኜ嫷
ኵአኝዙ
%ORFN/HQ
ದ
&RPPDQG
[(
6ORW
[
6SHFLILHU
[
ክዙንዄዐ巧⒴⷟
[(
዇ዐኌ㟿
ದ
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2IIVHW/LQNQ
/LQN
ኮኳ዇አኔዀ'3ቿኦዉኖ
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ኒኳኖኌ዆ኁክቑኜዙ኏አእኇኲኘአእ
ኤዙኜቿኌኘኖ栆
ኜአኴ
/LQN
ኮኳ዇አኔዀ'3ቿኦዉኖ
ክኁእቊ◧⇜㖖⸩
ክዙንዄዐ,'ሮቬ岗並
図 10-27
パラメータ設定テレグラムのフィルタブロック (SetPrm)
コンフィグレーションテレグラム (ChkCfg)
コンフィグレーションテレグラムを使用して、スレーブは、マスタからいくつの設定値
が受信され、いくつの実績値がマスタに送信されるのかを把握します。
スレーブ・スレーブ通信の場合、特殊なスペース ID がそれぞれのタップで要求されま
す。 PROFIBUS コンフィグレーションツール (例: HW Config) がこの ID を生成します。
この ID はこの後 ChkCfg とともにサブスクライバとして運転するドライブに伝送され
ます。
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
727
通信
10.2 PROFIBUS DP 経由の通信
10.2.4.3
PROFIBUSスレーブ間通信の試運転
追加の Drive ES パッケージを使用した 2 つの SINAMICS ドライブデバイス間のスレー
ブ・スレーブ間通信の試運転について、例を挙げて説明します。
HW Config の設定
以下のプロジェクトの例に基づき、スタンダードテレグラム使用時の HW Config の設
定が説明されます。
図 10-28
728
HW Config での PROFIBUS ネットワークのプロジェクトの例
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
通信
10.2 PROFIBUS DP 経由の通信
手順
1. 例えば、SIMATIC Manager および HW Config でプロジェクトを作成したとします。
プロジェクト例では、CPU 314 コントローラをマスタとして、2 台の SINAMICS
S120 コントロールユニットをスレーブとして定義しています。 スレーブでは、1 台
の CU320-2 DP がパブリッシャで、もう 1 台の CU310-2 DP がサブスクライバとさ
れています。
2. CU320-2 DP コントロールユニットをスレーブとして選択します。
3. 一覧のプロパティダイアログで、接続されたドライブオブジェクトのためのテレグ
ラムをコンフィグレーションします。
図 10-29
ドライブオブジェクトのテレグラムの選択
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
729
通信
10.2 PROFIBUS DP 経由の通信
4. その後、詳細ビューに切り替えます。
– スロット 4/5 には、最初のドライブオブジェクト、例えば SERVO、用の実績値
および設定値が含まれます。
– スロット 7/8 には、二番目のドライブオブジェクト、例えば CU310-2 DP 用の実
績値および設定値が含まれます。
図 10-30
スレーブコンフィグレーションの詳細ビュー
5. スロット挿入 [Insert slot] ボタンは、既存の設定値スロット 5 の背後に最初のドライ
ブオブジェクトの追加設定値スロット 6 を作成するために使用されます。
図 10-31
730
新しいスロットを挿入
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
通信
10.2 PROFIBUS DP 経由の通信
6. [PROFIBUS Partner] 列で、「出力」タイプから「スレーブ・スレーブ通信」タイプ
へ新しい設定値スロット 6 を変更します。
7. 最初の列で、パブリッシャの PROFIBUS DP アドレスを選択します。この例では
「6」です。
実績値を読み出すことができる、全ての PROFIBUS DP スレーブはここに記載され
ています。 また、同一ドライブデバイス内で、スレーブ・スレーブ間通信を介して
データを共有することも可能です。
8. [I/O address] 列には、各ドライブオブジェクトの開始アドレスが表示されます。
読み出されるドライブオブジェクトのデータの開始アドレスを選択します。 この例
では「268」が提案されています。
パブリッシャの完全なデータが読み込まれない場合、[Length] 列を使用してこれを
設定します。 選択肢として、必要とされるデータがドライブオブジェクトのテレグ
ラムの内容のセンタセクション読み出せるように、アクセスの開始アドレスをシフ
トすることができます。
図 10-32
スレーブ・スレーブ間通信のノードのコンフィグレーション
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
731
通信
10.2 PROFIBUS DP 経由の通信
9. [Data Exchange Broadcast - Overview] タブでは、設定したスレーブ・スレーブ間通
信の関係が示されています。これは、HW Config のコンフィグレーションの現在の
状態に相当するものです。
図 10-33
[Data Exchange Broadcast - Overview]
10. スレーブ・スレーブ間通信のリンクが作成されると、ドライブオブジェクトの
[Standard telegram 2] が表示される代わりに、[Configuration Overview] (コンフィグ
レーション一覧) に [User-defined] (ユーザ定義) テレグラムが現れます。
図 10-34
732
スレーブ・スレーブ間通信のテレグラムの割り付け
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
通信
10.2 PROFIBUS DP 経由の通信
11. ドライブデバイスのドライブオブジェクトのスレーブ・スレーブ間通信リンクの作
成後の詳細は、以下の通りです:
図 10-35
スレーブ・スレーブ間通信リンクの作成後の詳細
12. 実際にスレーブ・スレーブ通信に参加することになる選択されたドライブデバイス
の各ドライブオブジェクトのためのテレグラムを、それに合わせて調整する必要が
あります。
ドライブ機能
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733
通信
10.2 PROFIBUS DP 経由の通信
STARTER による試運転
スレーブ・スレーブ間通信は HWConfig で設定しますが、これは既存のテレグラムを拡
張したものにすぎません。 STARTER はテレグラム拡張をサポートしています。
図 10-36
STARTER でのスレーブ・スレーブ間通信リンクの設定
ドライブオブジェクトのスレーブ・スレーブ通信のコンフィグレーションを完了させる
ために、STARTER のドライブオブジェクトのテレグラムポーションは HW Config の
テレグラムポーションと一致させ、拡張されなければなりません。 このコンフィグレ
ーションは、それぞれのドライブデバイスのコンフィグレーションを介してセントラル
方式で行われます。
734
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
通信
10.2 PROFIBUS DP 経由の通信
手順
1. PROFIBUS テレグラムの概要で、ドライブオブジェクトのテレグラムコンポーネン
ト、ここでは SERVO_01 にアクセスできます。この例では、テレグラムタイプ
[Free telegram configuration with BICO] を選択します。
2. HW Config の設定に従って入力データおよび出力データのテレグラム長を入力しま
す。スレーブ・スレーブ通信リンクの場合、入力データはマスタのテレグラムポー
ションとスレーブ・スレーブ間通信データで構成されます。
3. その後、テレグラムの選択で、[Standard telegram] へのテレグラムポーションを設
定します (例: standard telegram 2])。その後、テレグラムタイプの表示が分割されま
す (スタンダードテレグラム + テレグラム拡張)。 テレグラム拡張は、スレーブ・ス
レーブ間通信のテレグラムの一部を表示します。
図 10-37
テレグラム拡張の表示
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
735
通信
10.2 PROFIBUS DP 経由の通信
プロジェクトナビゲータでドライブオブジェクト [SERVO_01] に対して
[Communication -> Protocol selection to PROFIBUS] を選択することで、受信および送
信方向で PROFIBUS テレグラムの構造を取得します。
PZD5 からのテレグラム拡張はスレーブ・スレーブ間通信のコンポーネントです。
図 10-38
736
STARTER での PROFIBUS スレーブ・スレーブ通信のコンフィグレーション
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
通信
10.2 PROFIBUS DP 経由の通信
ドライブオブジェクトをスレーブ・スレーブ通信を介して受信されるプロセスデータに
接続するには、該当するコネクタを対応する信号シンクに接続することも必要です。
コネクタの一覧には、接続に使用可能な全ての信号が表示されます。
図 10-39
スレーブ・スレーブ通信の PZD をスタンダードテレグラムにリンク
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
737
通信
10.2 PROFIBUS DP 経由の通信
10.2.4.4
運転中の GSD
GSD ファイル
特殊な GSD ファイルでは、SINAMICS のための PROFIBUS スレーブ・スレーブ通信
を使用するために、 PROFIBUS の特性が一意的に完全に説明されています。
GSD ファイルは以下の場所にあります:
●
インターネット上:
http://support.automation.siemens.com/WW/llisapi.dll?func=cslib.csinfo2&aktprim=9
9&lang=de、その後、インデックス検索で [GSD files] を検索します。
●
試運転ツール STARTER の CD 上
注文番号 6SL3072-0AA00-0AGx
●
ディレクトリのメモリカード上
\\SIEMENS\SINAMICS\DATA\CFG\
738
ドライブ機能
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通信
10.2 PROFIBUS DP 経由の通信
図 10-40
スレーブ・スレーブ通信機能性を含む GSD ファイルのハードウェアカ
タログ
ドライブ機能
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739
通信
10.2 PROFIBUS DP 経由の通信
SINAMICS S DXB GSD ファイルには、とりわけ、スタンダードテレグラム、フリーテ
レグラムおよびスレーブ・スレーブ通信をコンフィグレーションするためのスレーブ・
スレーブテレグラムが含まれます。ユーザは、ドライブユニットのためのテレグラムを
構成するために、各ドライブオブジェクト後段に、これらのテレグラムパートおよび軸
セパレータを使用しなければなりません。
HW Config での GSD ファイルの処理は、SIMATIC 説明書に記載されています。
PROFIBUS コンポーネントのサプライヤは、独自のバスコンフィグレーションツール
を提供することができます。 それぞれのバスコンフィグレーションツールの説明は、
関連文書に記載されています。
デバイスの識別
各スレーブの識別により、診断が容易になり、PROFIBUS 上のノードが一覧表示され
ます。
各スレーブの情報は、コントロールユニットパラメータ r0964[0...6] デバイスの識別 に
保存されています。
10.2.4.5
STARTER での PROFIBUS スレーブ・スレーブ通信の診断
PROFIBUS スレーブ・スレーブ間通信はブロードキャストテレグラムをベースに実装
されるため、サブスクライバのみが、例えば、パブリッシャデータ長を介して接続やデ
ータのエラーを検出できます (「コンフィグレーションテレグラム」を参照)。
パブリッシャは、DP マスタ (A01920、F01910) へのサイクリック接続の切断のみを検
出し、報告することができます。 サブスクライバへのブロードキャストテレグラムに
はフィードバックがありません。 サブスクライバの故障は、スレーブ・スレーブ間通
信を介してフィードバックされなければなりません。 但し、「マスタドライブ」1:n の
場合、一定限度の量のフレームワーク (「リンクと要求」を参照) を維持するようにし
てください。 n 個のサブスクライバに、スレーブ・スレーブ間通信によって「マスタド
ライブ」(パブリッシャ) にその状態を直接レポートさせることはできません!
診断は、診断パラメータ r2075 (「受信 PROFIBUS 診断テレグラムオフセット PZD」)
および r2076 (「送信 PROFIBUS 診断テレグラムオフセット PZD」) を使用して実行で
きます。 パラメータ r2074 (「PROFIBUS 診断、バスアドレス PZD を受信」) には、
個々の PZD の設定値ソースの DP アドレスが表示されます。
r2074 および r2075 により、スレーブ・スレーブ間通信関連のソースがサブスクライバ
で検証できます。
注記
サブスクライバは、アイソクロナスパブリッシャサインオブライフの有無を監視しませ
ん。
740
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
通信
10.3 PROFINET IO 通信
PROFIBUS スレーブ・スレーブ間通信の故障およびアラーム
アラーム A01945 は、ドライブデバイスの少なくとも一つのパブリッシャへの接続が見
つからないか故障が発生していることを示す信号を出力します。 パブリッシャの中断
は、影響を受けたドライブオブジェクトでの故障 F01946 によっても報告されます。
そのため、パブリッシャの故障は、該当するドライブオブジェクトのみに影響を及ぼし
ます。
これらのメッセージに関する詳細は以下を参照してください:
参照: 『SINAMICS S120/S150 リストマニュアル』
10.3
PROFINET IO 通信
10.3.1
PROFINET IOの概要
一般情報
PROFINET IO は、オープンな産業用 Ethernet 規格であり、産業機械の制御システムや
プロセス制御システムで幅広く使用されています。 PROFINET IO は産業用 Ethernet
の規格に基づき、TCP/IP および IT 規格に準拠しています。
産業用ネットワークでは、リアルタイムの時間確定性のある信号処理が重要です。
PROFINET IO は、これらの要件を満たします。
以下の規格により、オープン性、およびマルチベンダシステムが保証されています:
●
国際規格 IEC 61158
PROFINET IO はフィールドレベルでの高速、かつタイムクリティカルなデータ伝送に
対して最適化されています。
PROFINET IO
Totally Integrated Automation (TIA) において、PROFINET IO は、以下のシステムを系
統的に発展させたものです:
1. PROFIBUS DP、定評のあるフィールドバス、
2. 産業用 Ethernet、セルレベルの通信バス
両方のシステムでの経験が PROFINET IO に統合されました。 PROFIBUS International
(PROFIBUS 協会) が定義した Ethernet ベースのオートメーション規格としての
PROFINET IO は、ベンダーに依存しない通信かつエンジニアリングモデルを定義しま
す。
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
741
通信
10.3 PROFINET IO 通信
PROFINET IO は、IO コントローラ (「マスタ機能」として知られるもの備えたデバイ
ス) と IO デバイス (「スレーブ機能」として知られるものを備えたデバイス) データ交
換のあらゆる側面と、パラメータ設定および診断の実行を定義します。 PROFINET IO
システムは、実際には PROFIBUS システムと同じ方法でコンフィグレーションされま
す。
PROFINET IO システムは、以下のデバイスで構成されます:
●
IO コントローラがオートメーションタスクを制御します。
●
IO デバイスは IO コントローラによって制御、監視されます。 IO デバイスは、複
数のモジュールとサブモジュールで構成されます。
●
IO Supervisor は、それぞれの IO デバイス (ドライブユニット) がパラメータ設定さ
れ診断される代表的な PC ベースのエンジニアリングツールです。
IO デバイス: PROFINET インターフェースを併用したドライブユニット
●
CU320-2 DP と SINAMICS S120 および挿入された CBE20
●
CU320-2 PN と SINAMICS S120
●
CU310-2 PN と SINAMICS S120
PROFINET インターフェースを搭載した全てのドライブユニットで、IRT による
PROFINET IO または RT を使用したサイクル通信が可能です。 これは、同一のネット
ワーク内で、他の標準プロトコルを使用しても問題のない通信が保証されるということ
です。
注記
ドライブテクノロジー向けの PROFINET は標準化され、以下の文書で説明されていま
す:
PROFIBUS Profile PROFIdrive – Profile Drive Technology
Version V4.1、May 2006、
PROFIBUS User Organization e. V (PROFIBUS 協会)
Haid-und-Neu-Straße 7,
D-76131 Karlsruhe
http://www.profibus.com
注文番号 3.172、spec. 第 6 章
• IEC 61800-7
742
ドライブ機能
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通信
10.3 PROFINET IO 通信
注意
CBE20 が挿入された CU320-2 DP の場合、PROFIBUS DP のサイクリックな PZD チ
ャンネルが無効化されます。 パラメータ p8839 = 1 を設定する時、PZD チャンネルが
再び有効化できます (「通信インターフェースの並列運転」参照)。
10.3.1.1
リアルタイム通信(RT) およびアイソクロノスリアルタイム通信(IRT)
リアルタイム通信
TCP/IP 経由で通信を行う場合、転送時間が長くなり決定性が失われることによって、
生産オートメーションの要求事項を満たせない場合があります。 従って、タイムクリ
ティカルな IO ユーザデータを答申する場合、PROFINET IO は TCP/IP ではなく、独自
のリアルタイムチャンネルを使用します。
決定性
決定性とは、システムが予期できる (「決定された」) 方法で応答することを意味しま
す。
PROFINET IO では、転送時間を詳細に決定 (予測) することができます。
RT (リアルタイム) による PROFINET IO
リアルタイムとは、システムが決められた期間内に外部イベントを処理することを意味
します。
PROFINET IO システム内では、プロセスデータとアラームは必ずリアルタイム (RT)
で転送されます。 RT 通信は、PROFINET IO とのデータ交換のベースとなります。 リ
アルタイムデータは、TCP(UDP)/IP データよりも高い優先度で扱われます。 タイムク
リティカルなデータの送信は、保証された時間間隔で実行されます。
IRT (アイソクロノスリアルタイム) による PROFINET IO
アイソクロノスリアルタイム Ethernet: PROFINET IO のリアルタイム特性では、IO
コントローラと IO デバイス (ドライブユニット) 間の最高の同期制御とパフォーマンス
を得るため、IRT テレグラムが計画された通信パス経由で、定義された順序で確定的に
転送されます。 これは、ネットワーク構造に関する知識を利用したタイムスケジュー
ル通信としても知られています。 IRT には、計画されたデータ転送をサポートする特
別なネットワークコンポーネントが必要です。
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
743
通信
10.3 PROFINET IO 通信
この転送方式を使用すると、500 μs の最小サイクルタイムと 1 μs 未満のジッタ精度が
得られます。
ቂቋራቓᇬPVኒኁኌወ
㦏⺞ピ
℗⌨乓⦁
ኖ኎ንዂዙወ⮥抩≰
ኒኁኌ዇አኌኖ኎ንዂዙወ
↬抐
䥲尥ₚ቎ሥቮ棟䟛䍈
図 10-41
10.3.1.2
䥲尥ₚ቎ሥቮ棟䟛䍈
帯域幅分散/予約、PROFINET IO
アドレス
MAC アドレス
全ての Ethernet および PROFINET インターフェースには、それぞれ世界で 1 つのデバ
イス ID が工場で割り付けられます。 この 6 バイトのデバイス識別子が MAC アドレス
です。 MAC アドレスは以下の通り分割されます:
●
製造メーカ ID の 3 バイト
●
3 バイトのデバイス識別子 (連続番号)
MAC アドレスはラベルに印刷されているか (CBE20)、銘板で指定されています
(CU320-2 PN および CU310-2 PN)、例: 08-00-06-6B-80-C0。
コントロールユニット CU320-2 PN および CU310-2 PN には 2 つの内蔵インターフェ
ースがあります:
●
1 つの Ethernet インターフェース
●
2 ポートを備えた PROFINET インターフェース
Ethernet および PROFINET インターフェースの 2 つの MAC アドレスは、銘版に刻印
されています。
IP アドレス
TCP/IP プロトコルは、接続を確立し、定数設定を行うための前提条件です。 産業用
Ethernet 上で PROFINET デバイスをノードとしてアドレス指定を許可するには、この
デバイスに対してネットワーク内で重複しない IP アドレスが必要となります。 IP アド
744
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
通信
10.3 PROFINET IO 通信
レスは、範囲が 0 ~ 255 の数字 4 組から成ります。この数字はドット (.) で分けられま
す。 IP アドレスは以下のように構成されます:
●
ノード (通常、ホストまたはネットワークノードと呼ばれる) のアドレス
●
(サブ)ネットワークのアドレス
IP アドレスの割り付け
IO デバイスの IP アドレスは、IO コントローラによって割り付けられ、常に IO コント
ローラと同じサブネットワークマスクを有します。 この場合、IP アドレスは恒久的に
は保存されません。 この IP アドレスのエントリは、POWER ON/OFF 後に失われます。
IP アドレスを不揮発性メモリに保存する場合、Primary Setup Tool (PST) を使ってアド
レスが割り付けられなければなりません。
これは、STEP 7 の HW Config で実行することもできます。ここでは、その機能は
[Edit Ethernet node] と呼ばれます。
通知
オンボードインターフェースの IP アドレス
Ethernet インターフェースおよび PROFINET インターフェースの IP アドレス域が同
一であることは許容されません。 Ethernet インターフェース X127 の IP アドレスの
出荷時設定は 169.254.11.22 です; サブネットマスクは 255.255.0.0. です。
注記
ネットワークが既存の Ethernet 企業内ネットワークの一部である場合、ネットワーク
管理者から情報 (IP アドレス) を入手してください。
デバイス名 (NameOfStation)
出荷時には、IO デバイスにデバイス名がありません。 IO Supervisor によって IO デバ
イスにデバイス名が割り付けられると、起動時のプロジェクトエンジニアリングデータ
(IP アドレスを含む) の伝送、またはサイクリック動作でのユーザデータ交換のために、
IO コントローラによってのみ IO デバイスをアドレス指定することができます。
通知
デバイス名は、一次設定ツール (PST) または STEP 7 の HW Config のいずれかを使用
して、非不揮発性メモリに保存しなければなりません。
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
745
通信
10.3 PROFINET IO 通信
注記
パラメータ p8920、p8921、p8922 および p8923 を使用して、STARTER の内部
PROFINET ポート X150 P1 および P2 用のアドレスデータをエキスパートリストに入
力することができます。
パラメータ p8940、p8941、p8942 および p8943 を使用して STARTER のオプション
の CBE20 モジュールのポート用アドレスデータをエキスパートリストに入力すること
ができます。
CU320-2 DP/PN および CU310-2 PN コントロールユニット (IO デバイス) を交換
IP アドレスおよびデバイス名が不揮発性メモリに保存されている場合、これらのデー
タは、コントロールユニットのメモリカードを使って引き継ぐこともできます。
デバイスまたはモジュールの故障により、コントロールユニット全体を交換する必要が
ある場合、新品のコントロールユニットは、メモリカードのデータを使用して自動的に
パラメータ設定やその他の設定を行います。 その後、サイクリックなユーザデータの
交換が再開します。 PROFINET デバイスが故障した場合、IO Supervisor を使用せず、
メモリカードによってモジュールを交換することができます。
10.3.1.3
データ転送
特徴
ドライブユニットの PROFINET インターフェースは以下の内容の同時操作をサポート
します:
●
IRT - アイソクロナスリアルタイム Ethernet
●
RT – リアルタイム Ethernet
●
スタンダード Ethernet サービス (TCP/IP、LLDP、UDP、および DCP)
サイクリックデータ伝送の PROFIdrive テレグラム、非サイクリックサービス
プロセスデータの送信および受信するためのテレグラムは、プロセスデータのサイクリ
ック通信を行うドライブ装置のそれぞれのドライブオブジェクトで使用できます。
サイクリックデータ伝送に加え、非サイクリックサービスをドライブユニットのパラメ
ータ設定およびコンフィグレーションに使用することができます。 これらの非サイク
リックサービスは、IO supervisor または IO コントローラで使用することができます。
746
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
通信
10.3 PROFINET IO 通信
テレグラム内のドライブオブジェクトのシーケンス
ドライブ側では、ドライブオブジェクトのシーケンスは、ここで変更が可能な
p0978[0...24] を介して表示されます。
STARTER 試運転ツールを使用して、オンラインモードで試運転されたドライブシステ
ムのためのドライブオブジェクトのシーケンス→ [Drive unit] → [Communication]→
[Telegram configuration] を表示します。
コントローラ側でコンフィグレーションを作成する場合 (例: HWConfig)、アプリケーシ
ョン用のプロセスデータ処理可能なドライブオブジェクトはこのシーケンスでテレグラ
ムに追加されます。
以下のドライブオブジェクトはプロセスデータの交換ができます:
●
アクティブ電源装置 (A_INF)
●
ベーシック電源装置 (B_INF)
●
コントロールユニット (CU_S)
●
ENCODER
●
スマート電源装置 (S_INF)
●
SERVO
●
増設 I/O カード 30 (TB30)
●
増設 I/O モジュール 15 (TM15)
●
増設 I/O モジュール 31 (TM31)
●
増設 I/O モジュール 41 (TM41)
●
増設 I/O モジュール 120 (TM120)
●
増設 I/O モジュール 150 (TM150)
●
VECTOR
注記
HW Config におけるドライブオブジェクトのシーケンスは、ドライブシステム内のシー
ケンス (p0978) と同じでなければなりません。
テレグラムの構造は、コンフィグレーション中に考慮されたドライブオブジェクトに依
存します。 ドライブシステムに存在する全てのドライブオブジェクトを考慮しないコ
ンフィグレーションも許容されます。
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
747
通信
10.3 PROFINET IO 通信
例:
例えば、以下のコンフィグレーションが可能です:
10.3.1.4
●
SERVO、SERVO、SERVO でのコンフィグレーション
●
A_INF、SERVO、SERVO、SERVO、TB30 でのコンフィグレーション
●
など
PROFINET の通信チャンネル
PROFINET 接続チャンネル
●
コントロールユニットには、Ethernet インターフェース (X127) が内蔵されていま
す。
●
PROFINET バージョン CU320-2PN および CU310-2PN には、それぞれ 2 つのオン
ボードポートを備えた PROFINET インターフェース (X150) があります: P1 および
P2
●
CU320-2PN または CU310-2PN コントロールユニットは同時に合計で 8 つの通信
リンクを、内蔵 PROFINET インターフェースを介して確立することができます。
CBE20 を備えたコントロールユニット
通信カードは、オプションで、コントロールユニット CU320-2PN/DP に挿入すること
ができます:
●
CBE20 通信カードは、4 つの追加 PROFINET ポートを備えた PROFINET スイッチ
です。
注記
PROFINET 布線
布線は、オンボードインターフェース X127 および X150 間でも – コントロールユニッ
ト 320-2PN のオンボードインターフェースおよび CBE20 間でも不可能です。
748
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
通信
10.3 PROFINET IO 通信
主要パラメータ一覧 (『SINAMICS S120/S150 リストマニュアル』を参照)
内蔵 PROFINET インターフェース
●
p8920[0...239] PN ステーション名
●
p8921[0...3] PN ステーションの IP アドレス
●
p8922[0...3] PN ステーションのデフォルトゲートウェイ
●
p8923[0...3] PN ステーションのサブネットマスク
●
p8925 PN インターフェースコンフィグレーション
●
p8929 PN リモートコントローラ数
●
r8930[0...239] PN 有効なステーション数
●
r8931[0...3] PN 有効なステーションの IP アドレス
●
r8932[0...3] PN 有効なステーションのデフォルトゲートウェイ
●
r8933[0...3] PN 有効なステーションのサブネットマスク
●
r8935[0...5] PN ステーションの MAC アドレス
●
r8936[0...1] PN サイクリック接続ステータス
●
r8937[0...5] PN 診断
●
p8829 CBE20 リモートコントローラ数
●
p8940 CBE20 ステーション名
●
p8941 CBE20 ステーションの IP アドレス
●
p8942 CBE20 ステーションのデフォルトゲートウェイ
●
p8943 CBE20 ステーションのサブネットマスク
●
p8944 CBE20 DHCP モード
●
p8945 CBE20 インターフェースコンフィグレーション
●
p8950 CBE20 有効なステーション名
●
p8951 CBE20 有効なステーションの IP アドレス
●
p8952 CBE20 有効なステーションのデフォルトゲートウェイ
●
p8953 CBE20 有効なステーションのサブネットマスク
●
r8954 CBE20 有効な DHCP モード
●
r8955 CBE20 ステーションの MAC アドレス
●
r8959 CBE20 DAP ID
CBE20
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
749
通信
10.3 PROFINET IO 通信
10.3.2
PROFINET でのドライブ制御
CU310-2PN、CU320-2 DP および CU320-2 PN 用の PROFINET インターフェース
コントロールユニット CU310-2 PN および CU320-2 PN には 2 ポートを備えた
PROFINET インターフェースが内蔵されています。
CBE20 オプションカードは、 CU320-2 DP または CU320-2 PN のオプションスロット
に追加して挿入することができます。 CBE20 は 4 ポートの PROFINET スイッチです。
通知
CBE20 を備えた CU320-2 PN 上の PROFINET インターフェース
CU320-2 PN の内蔵 PROFINET インターフェースは、オプションで挿入された
CBE20 モジュールから独立しています。 この 2 つの PROFINET インターフェースは
相互には接続されていません。 2 つの PROFINET インターフェース間の布線は不可
能です。
注記
リングトポロジー
ポートを接続する場合、標準アプリケーションでは、リングトポロジーが構築されない
ことが保証されなければなりません。 リングトポロジーについての追加情報は、「メ
ディア冗長性」章にあります。
リファレンス
●
PROFINET IO システムで SINAMICS S120 と CU310-2 PN/CU320-2 DP/CU320-2
PN を統合する方法は、「SIMOTION SCOUT 通信」システムマニュアルで詳細に
説明されています。
●
PROFINET IO を介してコントロールユニットを SIMATIC S7 にリンクする方法の
例については、インターネット上の「S7-CPU と SINAMICS S120 間の PROFINET
IO 通信」に関する FAQ を参照してください。
●
CBE20 の説明とドライブでの使用法については、以下の文書を参照してください:
『SINAMICS S120 製品マニュアルコントロールユニット』。
●
CU310-2 PN ユニット上の PROFINET インターフェースは、以下の文書を参照し
てください: 『SINAMICS S120 AC ドライブマニュアル』。
750
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
通信
10.3 PROFINET IO 通信
PROFINET IO によるクロックの生成 (アイソクロナス通信)
CU310-2 PN/CU320-2 DP/CU320-2 PN を併用した SINAMICS S120 は、PROFINET
IO ネットワーク内で同期制御スレーブの役割のみを想定することができます。
CU310-2 PN/CU320-2 DP/CU320-2 PN と CBE20 モジュールの場合、以下が適用され
ます:
●
伝送形式 IRT、IO デバイスは同期スレーブでアイソクロナスであり、クロックサイ
クル送信はパスに適用されます: コントロールユニットがバスと同期し、クロック
サイクル送信がコントロールユニットのサイクルになります。
●
RT または IRT (オプションドライブユニットが「アイソクロナスでない」) がコン
フィグレーションされました。 SINAMICS は、SINAMICS でコンフィグレーション
されたローカルクロックサイクルを使用します。
以下は CBE20 がコンフィグレーションされているにもかかわらず存在しない CU320-2
DP/CU320-2 PN に適用されます:
●
SINAMICS は、ローカルクロック (SINAMICS 内でコンフィグレーションされたク
ロック) を使用します; PROFINET を介したデータ交換がない場合、アラーム
A01487 が出力されます (「トポロジー: 比較オプションスロットコンポーネントが
実際のトポロジーで不足しています」)。
PROFINET を介したアクセスは使用可能ではありません。
テレグラム
PROFIdrive テレグラムは、PROFINET IO を介したサイクリック通信のために使用す
ることができます (セクション「PROFIdrive に従った通信」、サイクリック通信を参
照)。
DCP 点滅
この機能は、モジュールとそのインターフェースの正しい割り当てを確認するために使
用されます。 この機能は CU310-2 PN および CBE20 が挿入された CU320-2DP/PN で
サポートされます。
1. HW Config または STEP7 Manager で、メニュー項目 [Target system] → [Ethernet]
→ [Edit Ethernet node] を選択します。
2. [Edit Ethernet node] ダイアログボックスが開きます。
3. [Browse] ボタンをクリックします。
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
751
通信
10.3 PROFINET IO 通信
4. [Browse Network] ダイアログボックスが開き、接続されたノードが表示されます。
5. CBE20 がプラグ接続された CU310-2 PN または CU320-2 DP がノードとして選択
された後、「点滅」ボタンで「DCP 点滅」機能が有効化されます。
DCP 点滅は、CU310-2 PN/CU320-2 DP の RDY LED で (READY LED 2 Hz、緑色/橙色
または赤色/橙色に点滅) で有効になります。
LED は、ダイアログが開いているかぎり点滅を続けます。 ダイアログを閉じると、
LED は自動的に消えます。 この機能は、STEP7 V5.3 SP1 以降で Ethernet を介して使
用できます。
CBE20 を使用する場合の STEP 7 の布線
CBE20 は、PROFIBUS と PROFINET IO 間の STEP 7 配線をサポートしていません。
PG/PC を STARTER 試運転ツールで接続します。
STARTER 試運転ツールを使用して PG/PC 付きコントロールユニットを試運転するた
めに、接続オプション PROFIBUS、PROFINET または Ethernet が存在します。
Ethernet インターフェース X127 は、試運転および診断用です。 Ethernet インターフ
ェースの IP アドレスは、恒久的に 169.254.11.22 に設定されています。 PG/PC および
コントロールユニット間の接続を確立するためにはクロスリンクケーブルが必要です。
コントローラとの通信は、選択された内蔵インターフェースに依存して、PROFIBUS
または PROFINET を介して確立できます。 可能なトポロジー例は以下の図に提供され
ています:
752
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
通信
10.3 PROFINET IO 通信
እኺዊንዙ
(7ት⅚ሺቂ抩≰ᇬ␔捷352),1(7ት⅚ሺ቉ኤክኁኖሮቬነዐእዊዙ዆ቛ
ኤክኁኖ
√&831
3*3&
ነዐእዊዙ዆
√6&38
;
(7
(7
31
3%
31
እኺዊንዙ
(7ት⅚ሺቂ抩≰ᇬ␔捷&%(352),1(7ት⅚ሺ቉ኤክኁኖሮቬነዐእዊዙ዆ቛ
ነዐእዊዙ዆
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ኤክኁኖ
√&8'3
3*3&
;
(7
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3%
3%
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እኺዊንዙ
(7ት⅚ሺቂ抩≰ᇬ␔捷352),1(7ት⅚ሺ቉ኤክኁኖሮቬነዐእዊዙ዆ቛ
ኤክኁኖ
√&831
3*3&
ነዐእዊዙ዆
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;
(7
(7
31
3%
31
እኺዊንዙ
(7ት⅚ሺቂ抩≰ᇬ␔捷352),%86ት⅚ሺ቉ኤክኁኖሮቬነዐእዊዙ዆ቛ
ኤክኁኖ
√&8'3
3*3&
ነዐእዊዙ዆
√6&38
;
(7
図 10-42
10.3.2.1
(7
3%
3%
31
PG/PC を含むポロジー Ethernet/PROFINET
メディア冗長性
PROFINET の可用性を高めるために、冗長目的でリングトポロジーを構築することが
できます。 ある点でリングが中断されると、デバイス間のデータ経路は自動的に再び
コンフィグレーションされます。 再コンフィグレーション後に、デバイスはもう一度
結果として新しいトポロジーでアクセスできます。
メディア冗長性でリングトポロジーを構築するためには、ラインタイプの PROFINET
トポロジーの 2 つの終端を一つのデバイス、つまり Scalance デバイスに布線します。
リニアバストポロジーの閉鎖は、Scalance デバイスの 2 つのポート (リングポート) を
使用して実現されます。 Scalance デバイスは冗長性マネージャです。 この冗長背うマ
ネージャは、PROFINET リングのデータテレグラムを監視します。 接続された他の全
ての PROFINET ノードは冗長クライアントです。
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
753
通信
10.3 PROFINET IO 通信
メディア冗長性プロトコル (MRP) はメディア冗長性の標準的な手順です。 この方式で、
最大 50 のデバイスがそれぞれのリングに参加できます。 ケーブルの中断の際には、デ
ータ伝送はシステムが冗長データ経路に切り替わる時に短時間中断されるだけです。
短時間の中断でも許容されない場合、データ伝送は [IRT High Performance] に設定され
なければなりません。 無停電 MRRT が自動的に設定されます。
コントロールユニット CU320-2 PN および CU310-2 PN の 2 つの内蔵された
PROFINET IO インターフェースは、冗長クライアントとしてコンフィグレーションで
きます。
CBE20 から、最初の 2 ポートのみがリングトポロジーを構築することができます。 内
蔵 PROFINET IO インターフェースと CBE20 との間の布線はできません。
メディア冗長性のコンフィグレーション
リングトポロジーは、STEP7 で個別に参加デバイスを適切にコンフィグレーションす
ることでコンフィグレーションされます。
10.3.3
PROFINET IO の RT クラス
PROFINET IO は、Ethernet テクノロジーに基づいた、スケーラブルなリアルタイム通
信システムです。 スケーラブルなアプローチは、3 つのリアルタイムクラスで示されま
す。
RT
RT 通信は、標準 Ethernet を基盤にしています。 データは優先される Ethernet テレグ
ラムを介して伝送されます。 標準 Ethernet が同期メカニズムをサポートしていないた
め、アイソクロナス運転は RT 対応の PROFINET IO では使用できません! このリアル
タイム機能は、現在の 12 MBaud の PROFIBUS DP ソリューションと比較することが
できます。つまり、同一のラインで IT サービスの並行伝送を可能とするのに十分な帯
域幅が使用できるということです。
サイクリックデータが交換される実際のアップデートサイクルは、バスの負荷、使用し
ているデバイス、および I/O データの量的なフレームワークに依存します。 アップデ
ートサイクルは、送信サイクルの倍数になります。
IRT
この RT クラスでは、以下の 2 つのオプションが使用できます:
754
●
IRT 「high flexibility」
●
IRT 「high performance」
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
通信
10.3 PROFINET IO 通信
IRT をコンフィグレーションするためのソフトウェア前提条件:
●
STEP 7 5.4 SP4 (HW Config)
注記
I/O コントローラおよび I/O デバイス用の PROFINET インターフェースの設定の詳細に
ついては、以下の文書を参照してください: 『SIMOTION SCOUT 試運転システムマニ
ュアル』
IRT 「high flexibility」
テレグラムは決定性サイクル (アイソクロナスリアルタイム) でサイクリックに送信さ
れます。 これらのテレグラムは、ハードウェアが予約した帯域幅内で交換されます。 1
つの IRT 時間間隔と 1 つの標準 Ethernet 時間間隔が、各サイクルに対して作成されま
す。
注記
IRT 「high flexibility」 アイソクロナスのアプリケーションでは使用できません。
IRT 「high performance」
テレグラムトラフィックは、帯域幅の予約に加えて、トポロジーの構成によっても更に
最適化されます。 これにより、データ交換時および決定性のパフォーマンスが向上し
ます。 従って、IRT 時間間隔は、IRT 「high flexibility」に対して、更に最適化または最
小化することができます。
IRT が提供するアイソクロナスデータ送受信に加え、デバイス内でのアプリケーション
自体 (位置制御サイクル、IPO サイクル) をアイソクロナスとすることができます。 こ
れは、閉ループ軸制御およびバス経由の同期制御では必須の条件です。1 ミリ秒を大幅
に下回るサイクルタイムと 1 マイクロ秒未満のサイクル起動の変動 (ジッタ) のアイソ
クロナスデータ送受信は、厳しい要求のモーションコントロールアプリケーションにも
十分な予備性能を提供します。
HW Config の同期制御設定のコンフィグレーションエリアで、IRT 「high flexibility」お
よび IRT 「high performance」の RT クラスをオプションとして選択することができま
す。以下の説明では、この両方のクラスを単に「IRT」としています。
標準 Ethernet および RT 対応の PROFINET IO に対し、IRT 対応の PROFINET IO のテ
レグラムはスケジュールに従って伝送されます。
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
755
通信
10.3 PROFINET IO 通信
RT と IRT の比較
表 10- 60
RT と IRT の比較
RT クラス
RT
IRT 「high flexibility」
IRT 「high
performance」
伝送モード
MAC アドレスベースの
MAC アドレスを使った
トポロジーベースの計画
スイッチ; Ethernet-Prio
切り替え;
に従ったパスベースの切
(VLAN tag) を使用した
IRT 「high flexibility」フ り替え; IRT 「high
RT テレグラムの優先順
レームのみが伝送され、 performance」 間隔で
位付け
TCP/IP フレームなどは
TCP/IP フレームおよび
伝送されない IRT 「high IRT 「high flexibility」フ
IO コントローラの
flexibility」間隔の予約に
レームは伝送されませ
よる帯域幅の予約
ん。
なし
なし
あり
開始された TCP/IP テレ
予約済み帯域幅により現 正確に計画された伝送;
アイソクロナスアプリケ
ーション
決定性
グラムにより伝送期間が 在のサイクルでの IRT
変動
任意のトポロジーに対し
「high flexibility」テレグ て、伝送および受信時間
ラムの伝送を保証しま
が保証されます。
す。
変更後のネットワークコ 該当なし
IRT 「high flexibility」間 トポロジーまたは通信関
ンフィグレーションをリ
隔サイズの修正が必要に 係に
ロード
なった場合のみ (位置の
変更がある都度
予約が可能)。
最大切り替え深さ (同一
1 ms で 10
61
32
ライン上のスイッチ数)
可能な送信サイクルについては、「調整可能な送信サイクルとアップデートサイクル」表内の「RT ク
ラスの送信サイクルとアップデートサイクル」を参照してください。
RT クラスを設定
RT クラスは、IO コントローラのコントローラインターフェースの特性を使用して設定
されます。 RT クラス IRT 「high performance」を設定した場合、IO コントローラで
IRT 「high flexibility」はデバイスは操作することができず、その逆の作業もできません。
IRT クラスの設定に関係なく、RT の IO デバイスは常に操作することができます。
756
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
通信
10.3 PROFINET IO 通信
該当する PROFINET デバイスの HW Config で RT クラスを設定できます。
1. HW Config で、モジュールの PROFINET インターフェース項目をダブルクリックし
ます。
[Properties] ダイアログボックスが開きます。
2. [Synchronization] タブの RT クラスで、RT クラスを選択します。
3. [IRT] を選択すると、[high flexibility] および [high performance] オプションを選択で
きます。
4. [OK] で承認します。
同期ドメイン
同期されるべき全ての合計によって、同期ドメインが形成されます。 全体のドメイン
は、同期のために単一の特定 RT クラス (リアルタイムクラス) に設定しなければなりま
せん。ことなる同期ドメインは RT を介して相互に通信可能です。
IRT の場合、全ての IO デバイスおよび IO コントローラが共通の同期マスタと同期させ
なければなりません。
RT により IO コントローラは同期ドメイン外のドライブユニットと通信、または他の
同期ドメインを「介して」通信することができます。 STEP 7 のバージョン 5.4 SP1 以
降では、単一の Ethernet サブネットの複数の同期ドメインをサポートします。
例:
●
同期ドメイン IRT: SIMOTION2 と SINAMICS
●
SIMOTION1 の IO システムに割り当てられた SINAMICS は、その RT 通信が IRT
同期ドメインを通じて確率されなければならないように、トポロジー内に構成され
ます。
⚛㦮ኦኾኁዐ
,57
⚛㦮ኦኾኁዐ
,57
6,1$0,&6
6,1$0,&6
6,027,21
6,1$0,&6
6,027,21
⚛㦮ኦኾኁዐ⮥ቑ抩≰
図 10-43
同期ドメインの制限を越えた RT 通信
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
757
通信
10.3 PROFINET IO 通信
RT クラスのアップデートサイクルと送信サイクル
アップデート時間/送信サイクルの定義:
PROFINET IO システムの 1 つの IO デバイスを例とすると、アップデート時間中に IO
コントローラからこのデバイスに新規データ (出力) が供給され、このデバイスは IO コ
ントローラに新規データ (入力) を伝送します。 送信サイクルが最短のアップデートサ
イクルです。
全てのサイクリックデータは送信サイクル中に伝送されます。 実際の送信サイクルは、
以下の様々な要素に依存して設定されます:
●
バス負荷
●
使用されるデバイスのタイプ
●
IO コントローラで使用可能な演算能力
●
同期ドメイン A の代表的な送信サイクルに参加する PROFINET デバイスでサポー
トされる送信クロックは、例えば、1 ms です
以下の表は、IRT 「high performance」、IRT 「high flexibility」および RT の送信サイ
クルとアップデート時間で設定可能な低減比を示しています。
表 10- 61
設定可能な送信サイクルとアップデートサイクル
送信サイクル
アップデートと送信サイクルの間の低減比
RT
IRT 「high
範囲
250, 500,
「偶数」 1)
1000 μs
範囲
「奇数」
3)
IRT 「high performance」
flexibility」4)
1.2.4.8.16.32.64.128.256.512
1.2.4.8.16 2)
2000 μs
1.2.4.8.16.32.64.128.256
1.2.4.8.16 2)
4000 μs
1.2.4.8.16.32.64.128
1.2.4.8.16 2)
375, 625, 750,
サポートされていません 5)
1
875, 1125,
1250 μs ...
3875 μs
(インクリメント
125 μs)
注記
「偶数」と「奇数」範囲の送信サイクルには交点がありません!
758
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
通信
10.3 PROFINET IO 通信
上記の表の説明:
1) RT クラス「RT」の IO デバイスが同期ドメインに割り当てられている場合、「奇
数」範囲のみの送信サイクルを設定することができます。 同様に、「偶数」範囲の低
減比のみを「奇数」範囲の送信サイクル設定に設定することができます。
2) 一般的に、アイソクロナスモードで動作している IO デバイス (ET200S IM151-3 PN
HS、SINAMICS S) のアップデート時間および送信サイクルだけに低減比 1:1 を設定す
ることができます。 この場合、アップデートサイクルモードは必ず [fixed factor] (I/O
装置特性の [IO cycle] タブ、[Mode] プルダウンメニュー) に設定されなければなりませ
ん。 つまり、STEP 7 はアップデートサイクルを自動的には調整しないため、アップデ
ートサイクルが送信サイクルと必ず一致することになります。
3) 「奇数」範囲の送信サイクルは、同期ドメインに RT クラス「RT」の IO デバイスが
ない場合のみ設定することができます。 同様に、「奇数」範囲の低減比のみを「奇
数」範囲の送信サイクル設定に設定することができます。
4) アイソクロナス操作は IRT 「high flexibility」と互換性がありません。
5) 同期制御ドメインに割り当てられた IO システムに RT または IRT 「high flexibility」
デバイスがない場合のみ、奇数の送信サイクルを使用することができます。
更に、実際に設定できる送信サイクルは、同期ドメインの全てのデバイスでサポートさ
れる送信サイクルの交点で決定されます。
IO デバイスのアップデートサイクルと送信サイクルの低減比は、該当するデバイスの
PROFINET インターフェースの [Properties] で設定されます。
SINAMICS ドライブユニットの送信サイクル
IRT をサポートする PROFINET インターフェースのある SINAMICS ドライブユニット
では、0.5 ms ~ 4.0 ms の間で 250 μs の時間枠で送信サイクルを設定できます。
トポロジー規則
RT のトポロジー規則
●
RT のトポロジーは設定することができますが、必要ではありません。 トポロジー
を設定した場合、デバイスをトポロジーに合わせて配線しなければなりません。
●
それ以外の場合、デバイス間の配線は完全に任意となります。
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
759
通信
10.3 PROFINET IO 通信
IRT のトポロジー規則
●
STEP 7 V5.4 SP4 では混合操作がサポートされていません。つまり、同一の同期ド
メイン内で IRT 「high performance」を IRT 「high flexibility」と組み合わせること
はできません。
●
IRT 「high performance」の同期ドメインは、 IRT 「high performance」アイラン
ドを 1 つだけ含めることができます。 「アイランド」は、設定したトポロジーに合
わせてデバイスを接続する必要があることを意味します。 1 つの同期マスタが関連
のアイランドに配置されなければなりません。
●
IRT 「high flexibility」には IRT 「high performance」と同一のトポロジー規則が適
用されますが、トポロジーを設定する必要がないという点だけが異なります。 但し、
トポロジーが設定された場合、デバイスをトポロジーに合わせて配線されなければ
なりません。
HW Config でのデバイスの選択
ハードウェアカタログ:
次に、適切なユニットファミリーエントリーからドライブユニットがコンフィグレーシ
ョンされなければなりません。 RT クラス IRT の場合、これらは終端識別子「... PNV2.2」を有する全ての入力です。
GSD:
IRT を含むデバイスの GSD ファイル名は PN-V2.2. で終わります。
10.3.4
PROFINET GSDML
SINAMICS S を PROFINET ネットワークに組み込むために、SINAMICS S120 は 2 つ
の異なる PROFINET GSDML バージョン (GSD ファイル) をサポートしています:
●
コンパクトモジュール用 PROFINET GSDML
●
サブスロットコンフィグレーションの PROFINET GSDML
コンパクトモジュール用 PROFINET GSDML
PROFINET GSDML で、ドライブオブジェクト (Drive Object = DO) と一致するモジュ
ール全体を正確にコンフィグレーションすることができます。 これらのモジュールに
はそれぞれ 2 つのサブスロットが含まれています: パラメータアクセスポイント (PAP)
およびプロセスデータ伝送のための PZD テレグラム ファイル名の以下の構造により、
コンパクトモジュールの PROFINET GSD を特定することができます:
GSDML-V2.2-Siemens-Sinamics_S_CU3x0-20090101.xml (例)
760
ドライブ機能
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通信
10.3 PROFINET IO 通信
サブスロットコンフィグレーションの PROFINET GSDML
サブスロットのコンフィグレーションを含む PROFINET GSDML により、スタンダー
ドテレグラムを PROFIsafe テレグラムと組み合わせ、- 必要に応じて、テレグラム拡張
を行うことができます。 それらのモジュールにはそれぞれ 4 つのサブスロットがあり
ます: プロセスデータを伝送するためのモジュールアクセスポイント (MAP)、
PROFIsafe テレグラム、PZD テレグラム、必要な場合には PZD 拡張用テレグラム 追
加 [SL] で、ファイル名の以下の構成により、サブスロットコンフィグレーションの
PROFINET GSDML を特定することができます:
GSDML-V2.2-Siemens-Sinamics_S_CU3x0_SL-20090101.xml (例)
下表は、特別なドライブオブジェクトに依存した可能なサブモジュールを示しています。
表 10- 62
特定のドライブオブジェクトに依存したサブモジュール
モジュール
サブスロ
ット 1
MAP
サブスロット
2
PROFIsafe
サブスロット 3
PZD テレグラム
サブスロット 4
PZD 拡張
PZD の最
大数
サーボ
MAP
テレグラム
テレグラム: 1...220
PZD-2/2、-2/4、-
20/28
30/31/901/902 フリー PZD-16/16
ベクトル
MAP
テレグラム
テレグラム: 1...352
30/31/901/902 フリー PZD-16/16、
2/6
PZD-2/2、-2/4、-
32/32
2/6
32/32
電源装置
エンコーダ
MAP
MAP
TB30、TM31、 MAP
予備
予備
予備
TM15 DI_DO、
テレグラム: 370, 371
PZD-2/2、-2/4、-
10/10
フリー PZD-4/4
2/6
テレグラム: 81, 82, 83
PZD-2/2、-2/4、-
フリー PZD-4/4
2/6
テレグラム: なし
予備
5/5
予備
7/7
予備
20/28
4/12
フリー PZD-4/4
TM120
TM150
MAP
予備
テレグラム:なし
フリー PZD-4/4
TM41
MAP
予備
テレグラム: 3
フリー PZD-4/4、16/16
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
761
通信
10.3 PROFINET IO 通信
モジュール
サブスロ
ット 1
MAP
コントロールユ MAP
サブスロット
2
PROFIsafe
サブスロット 3
PZD テレグラム
サブスロット 4
PZD 拡張
PZD の最
大数
予備
テレグラム: 390, 391,
予備
5/21
392, 393, 394, 395
ニット
フリー PZD-4/4
TM15/TM17
サポートされていません。
注記:
サブスロット 2、3 および 4 のテレグラムは、自由にコンフィグレーションできます、つまり、それらは空
のままでも構わないということです。
コンフィグレーション
3 つのバージョンのコンフィグレーションを以下で簡略に説明します:
●
コンパクトモジュール (以前同様):
– モジュール 「DO Servo/Vector/...」を挿入します。
– I/O アドレスを割り付けます。
●
新しい機能のないサブスロットコンフィグレーション:
– モジュール「DO with telegram xyz」を挿入します。
– サブモジュール「PZD telegram xyz」を挿入します。
– I/O アドレスを割り付けます。
●
オプション PROFIsafe および PZD 拡張でのサブスロットコンフィグレーション:
– モジュール 「DO Servo/Vector/...」を挿入します。
– オプションのサブモジュール「PROFIsafe telegram 30」を挿入します。
– サブモジュール「PZD telegram xyz」を挿入します。
– オプションのサブモジュール「PZD extension」を挿入します。
– モジュールおよびサブモジュールのための I/O アドレスを割り付けます。
HW Config の GSDML ファイル処理の詳細は SIMATIC 説明書を参照してください。
762
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
通信
10.3 PROFINET IO 通信
10.3.5
PROFINET経由のモーションコントロール
PROFINET 経由のモーションコントロール/アイソクロノス接続
7&$&) [7'&&$&) ⇜函ነዐእዊዙ዆ኒ
ኁኌወ
7'&
7&$B6WDUW
ኻኖኜ
⇜函ነዐእዊዙ዆
5
5
7&$B6WDUW
7&$B9DOLG
5
'[ '[ '[
'[ '[ '[
5
5
'[ '[ '[
榊㿐
ነዐእዊዙ
዆ኒኁኌወ
,2ኤክኁኖ
5
ᨺ
5
5
5
5
5
5
5
7,2B,QSXW
図 10-44
5
5
5
7,2B,QSXW
5
5
5
5
7,2B2XWSXW
5
5
5
5
5
5
7,2B,QSXW
PROFINET 経由のモーションコントロール/アイソクロノス接続、CACF = 2 で
最適化されたサイクル
閉ループ制御システムへのデータ伝送手順
1. 各サイクル開始前の時間 TIO_Input に、位置現在値 G1_XIST1 が電文イメージに読み込
まれ、次のサイクルでマスターに伝送されます。
2. マスターの閉ループ制御は、各位置制御ループサイクル開始後の時間 TCA_Start に開
始し、スレーブから読み込んだ現在値を使用します。
3. 次のサイクルで、マスターは計算された設定値をスレーブの電文イメージに伝送し
ます。 速度設定値コマンド NSOLL_B がサイクル開始後の時間 TIO_Output に閉ループ
制御システムに発行されます。
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
763
通信
10.3 PROFINET IO 通信
モーションコントロールの場合の名称および説明
表 10- 63
時間設定と意味
名称
TDC_BASE
リミット値
-
説明
サイクルタイム TDC
の基準時間の計算:
TDC_BASE =T_DC_BASE × 31.25 μs = 4 × 31.25 μs = 125 μs
TDC
T_DC_MIN ≤ T_DC ≤
サイクルタイム
T_DC_MAX
TDC = T_DC × TDC_BASE 、T_DC: 整数係数
TDC_MIN = T_DC_MIN × TDC_BASE = 4 × 125 μs = 500 μs
TDC_MAX = T_DC_MAX × TDC_BASE = 32 × 125 μs = 4 ms
TCACF
CACF = 1-14
IO コントローラアプリケーションのサイクルタイム
これは IO コントローラアプリケーションが新しい設定値を作
成する時間枠です (例: 位置コントローラサイクル)。
計算例: T
CACF = CACF x T_DC= 2 x 500 μs = 1 ms
TCA_Valid
TCA_Valid < TDC
サイクルの開始から測定された時間。全ての IO デバイスのコ
ントローラアプリケーションプロセス (位置制御) で実績値を
使用可能。
TCA_Start
TCA_Start > TCA_Valid
サイクルの開始から測定された、コントローラアプリケーショ
ンプロセス (位置制御) が起動する時間。
TIO_BASE
TIO_Input のタイムベース、TIO_Output
TIO_BASE = T_IO_BASE × 1 ns = 125000 × 1 ns = 125 μs
TIO_Input
T_IO_InputMIN ≤
実績値取得の時間
T_IO_Input < T_DC
これは、新規のサイクルが始まる前に実績値を取得した時間で
す。
TIO_Input = T_IO_Input × TIO_BASE
T_IO_Input: 整数係数
TIO_InputMIN
TIO_Input
の最小値計算: TIO_InputMIN = T_IO_InputMIN × TIO_BASE = 375 μs
764
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
通信
10.3 PROFINET IO 通信
名称
TIO_Output
リミット値
説明
T_IO_Output_valid +
設定値伝送時間
T_IO_OutputMIN ≦
これはサイクルの開始から計算された、閉ループ制御システム
T_IO_Output < T_DC
が伝送された設定値 (速度設定値) を受け取る時間です。
TIO_Output = T_IO_Output × TIO_BASE
T_IO_Output: 整数係数
TIO_OutputMIN
TIO_Output
の最小値計算: TIO_OutputMIN = T_IO_OutputMIN × TIO_BASE =
250 μs
T_IO_Output_valid
新しい制御出力データ (設定値) がドライブオブジェクトで使
用可能である後の時間
Dx
Data_Exchange
このサービスは IO コントローラと IO デバイス 1 ~ n 間のユ
ーザデータ交換のために使用します。
R または Rx
演算時間、電流または位置コントローラ
時間に関する設定基準
●
サイクル (TDC)
– TDC は、全てのバスノードで同じ値に設定されなければなりません。 TDC は、
SendClock の整数倍です。
– TDC > TCA_Valid および TDC ≧ TIO_Output
TDC は、このように、全てのバスノードとの通信をイネーブルするため十分な大
きさです。
●
TIO_Input および TIO_Output
– TIO_Input と TIO_Output の時間をできる限り短く設定することで、位置制御ループの
デッドタイムを短縮することができます。
– TIO_Output > TCA_Valid + TIO_Output_MIN
●
設定と最適化はツールを介して行うことができます (例: SIMATIC S7 での
HWConfig)。
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
765
通信
10.3 PROFINET IO 通信
ユーザデータ統合
ユーザデータの統合は、サインオブライフ (4 ビットカウンタ) によって、両方の伝送方
向 (IO コントローラ <––> IO デバイス) で検証します。
サインオブライフカウンタは 1 ~ 15 まで位置ずつ増し、その後 1 から再開します。
●
IO コントローラ サインオブライフ
– IO コントローラのサインオブライフとして、STW2.12 ... STW2.15 が使用されま
す。
– IO コントローラのサインオブライフカウンタは、各 IO コントローラ適用サイク
ル (TCACF) で増します。
– サインオブライフの許容エラー数は、p0925 を介して設定することができます。
– p0925 = 65535 と設定すると、IO デバイスでのサインオブライフ監視が無効化さ
れます。
– 監視
IO コントローラのサインオブライフは IO デバイスで監視され、サインオブライ
ンエラーが適宜評価されます。
履歴なしの IO コントローラサインオブライフエラーの許容最大数は p0925 を介
して設定できます。
p0925 で設定されたサインオブライフ許容エラー数を超えた場合、応答は以下の
ように行われます:
1. 該当するメッセージが出力されます。
2. IO デバイスのサインオブライフとして値「0」が出力されます。
3. IO コントローラのサインオブライフを使用した新しい同期が開始されます。
●
IO デバイスサインオブライフ
– ZSW2.12 ... ZSW2.15 は、IO デバイスのサインオブライフとして使用されます。
– IO デバイスのサインオブライフカウンタは、各 DC サイクル (TDC) で増します。
10.3.6
CBE20 での通信
CBE20 は、異なる通信プロファイルでフレキシブルに使用でき、運転可能な通信カー
ドです。 通信プロファイルの 1 ファームウェアだけはいつでもロードできます。 使用
可能なファームウェアファイルは、コントロールユニットのメモリカードの UFW ファ
イルの通信ファイルで保存されます。
766
ドライブ機能
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通信
10.3 PROFINET IO 通信
必要なファイルは、パラメータ p8835 を使用して選択されます。 POWER ON は、希
望の UFW ファイルを選択した後に実行されなければなりません。 後続のシステム起動
中、該当する UFW ファイルがロードされます。 新たな選択がこの時有効になります。
表 10- 64
UFW ファイルとポインタファイルにおける選択
メモリカード上の UFW ファイルとフォルダ
機能 (p8835)
/SIEMENS/SINAMICS/CODE/CB/CBE20_1.UFW
PROFINET デバイス
1
/SIEMENS/SINAMICS/CODE/CB/CBE20_2.UFW
PN_Gate
2
/SIEMENS/SINAMICS/CODE/CB/CBE20_3.UFW
SINAMICS リンク
3
/SIEMENS/SINAMICS/CODE/CB/CBE20_4.UFW
EtherNet/IP
4
/OEM/SINAMICS/CODE/CB/CBE20.UFW
カスタマイズされた
99
ポインタファイルの内
容
ファームウェアバージョンの識別
パラメータ r8858 を使用して、PROFINET インターフェースのロードされたファーム
ウェアバージョンが一意に識別できます。
主要パラメータ一覧 (『SINAMICS S120/S150 リストマニュアル』を参照)
10.3.6.1
●
p8835 CBE20 ファームウェア選択
●
r8858[0...39] COMM BOARD 診断チャンネルを読み出す
EtherNet/IP
SINAMICS S120 は、フィールドバス EtherNet Industrial Protocol (EtherNet/IP または
EIP も) での通信をサポートします。 EtherNet/IP は、オートメーション産業界で幅広
く使用されている Ethernet に基づくオープン規格です。 EtherNet/IP は、Open
DeviceNet Vendor Association (ODVA) によりサポートされています。
EtherNet/IP での通信の場合、Ethernet CBE20 オプションカードが必要になります。
p8835 = 4 を設定することで、通信プロファイル EtherNet/IP を選択することができま
す。 POWER ON 後、このプロファイルが有効になります。
ドライブ機能
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767
通信
10.3 PROFINET IO 通信
10.3.7
PN Gate
SINAMICS PN Gate は、インターフェースをユーザ独自の PROFINET ネットワークに
統合するためだけの、制御メーカおよび機械メーカのための PROFINET ソリューショ
ンです。 CBE20 オプションカードは、PROFINET およびユーザの制御ネットワーク間
のインターフェースです。 コントロールユニット CU320-2PN は、CBE20 を介してユ
ーザのネットワークと通信します。
352),1(7,57
㲨䄥
(WKHUQHWኁዐኜዙኲኄዙኖ
Ⅵ䯍完ነዐእዊዙ዆
኏ዙእ3&
図 10-45
10.3.7.1
6,1$0,&66
SINAMICS PN Gate の回路図
PN Gate から伝送された機能
PN Gate から伝送された機能
機能
説明
通信チャンネル
• サイクリックデータ通信:
– IRT
– RT
• 非サイクリックデータ通信:
- PROFINET アラーム
- データセットの読み出し/書き込み
- TCP/IP
PROFINET 基本サービス
• LLDP
• DC
• SNMP
768
ドライブ機能
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通信
10.3 PROFINET IO 通信
機能
説明
データを処理するためのアク
プロセスイメージへのアクセス:
セス
- 細分されたサブスロット
– デバイス固有
サイクリックデータの一貫性
それぞれのプロセスデータ通信には、IRT および RT
通信用コンポーネントが含まれる場合があります
ネットワークトポロジー
• ライン
• スター
• ツリー
PN Gate からの情報
• デバイス番号
• 該当するサブスロット番号付きスロット番号
• IO アドレス
• 診断アドレス
• モジュール ID (ベンダ ID およびモジュール ID)
• 送信サイクルおよびアップデート時間
有効化/無効化
アラームトリガなしに API を介したデバイスの有効化
および無効化
自動アドレスの割り付け
トポロジーベースの初期化
IO デバイス数
最大 64 のデバイス
コントローラにおける IO 領
• それぞれ 4096 バイト、入/出力
域
• 最大スロット数: 2048
• スロット/モジュールサイズあたりの最大バイト:
254 バイト
送信サイクル:
• RT 通信: 1ms
アップデート時間 RT 2n with n = 0 ~ 9x 送信サイ
クル
• IRT 通信
32 デバイスの場合 1 ms の 250 μs 最小送信サイク
ルの増加分における 1 ms ~ 4 ms。 デバイスあた
りのデータを削減することは可能です
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
769
通信
10.3 PROFINET IO 通信
10.3.7.2
PN Gate のための前提条件
ハードウェア
●
SINAMICS CU320-2PN ファームウェアバージョン 4.5 以降
●
通信カード Ethernet 20 (CBE20)
●
CBE20 および CU320-2 PN (X 132) を接続するための短い Ethernet ケーブル
推奨: 注文番号 MLFB 付き Ethernet ケーブル: 6SL3060-4AB00-0AA0
●
制御ハードウェアと Ethernet (100 Mbit/s 以上)、
例、SIMATIC Box IPC 427C。
ソフトウェア
●
SIMATIC Step7 ファームウェアバージョン 5.5 SP2 以降
●
STARTER ファームウェアバージョン 4.3、または
●
SIMOTION SCOUT ファームウェアバージョン 4.3 以降
PROFINET バージョン
●
SINAMICS PN Gate V2 は PROFINET V2.2 と互換性があります
納入範囲 PN Gate Dev-Kit (開発キット)
PN Gate 開発キットは DVD で提供され、以下のコンポーネントを含んでいます:
1. Step7 アドオンセットアップ
– CD1
Step7 5.2 SP2 (最低要件)
一般リリース: Step7 5.5 SP2、Starter 4.3、SINAMICS V4.5
2. PN Gate ドライバ
– Bin
Tar フォーマットでのドライバのバイナリファイル
– Src
ZIP ファイルと ZIP されていないファイルとしてのソースファイル
– Doc
ZIP ファイルとしての Doxygen 文書。 Doxygen 文書は HTML および PDF フォ
ーマットで使用可能です。
770
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
通信
10.3 PROFINET IO 通信
3. アプリケーション例
– PROFIdrive Basic
– 完了されたアプリケーションのバイナリコード例 (PROFIdrive)
– プロジェクト例 STEP 7 HW-Config
3 つのシミュレーションされた軸を含む 1 つの CU320-2 PN プロジェクト
3 つのシミュレーションされた軸と ET200S を含む 1 つの CU320-2 PN プロジェ
クト
– ソースコードでのアプリケーション例 (PROFIdrive)
– Doxygen 文書
4. 文書
– ドイツ語
ドイツ語での PN Gate 資料
5. 英語
– 英語の PN Gate 資料。
STEP7 用 PN Gate アドオンセットアップ (全ての必要な OM の取り付け、
SINAMICS PN Gate DevKit CD で提供)
詳細は『SINAMICS 120 PN Gate コンフィグレーションマニュアル』を参照してくだ
さい。
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
771
通信
10.3 PROFINET IO 通信
10.3.8
2 つのコントローラを備えた PROFINET
10.3.8.1
コントロールユニットの設定
SINAMICS S120 では、例えば、オートメーションコントローラ (A-CPU) およびセーフ
ティコントローラ (F-CPU) を PROFINET を介して同時に 2 つのコントロールシステム
に接続できます。
SINAMICS S は、この通信では、スタンダードテレグラム 30 および 31、そして、セー
フティコントロール用のシーメンステレグラム 901 および 902 をサポートしています。
以下の図は、CU320-2 PN または CU310-2 PN の例に基づくこの接続バージョンを示
すものです。
$&38
)&38
3 3
;
ኦ዆ኁኳኇኳንኄኌእ
6,1$0,&66
&831&831
図 10-46
772
PROFINET トポロジーの概要
ドライブ機能
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通信
10.3 PROFINET IO 通信
例
以下の図は、3 軸ドライブのコンフィグレーション例を示しています。 A-CPU は軸 1
に対してスタンダードテレグラム 105 を、軸 2 に対してスタンダードテレグラム 102
を送信します。 F-CPU は、軸 1 および 3 に対して、PROFIsafe テレグラム 30 を送信
します。
$&38
憇
)&38
憇
憇
憇
ኘዙኲኣኀ ኘዙኲኣኀኣ
ኣዉኍ዆ኽ
ዉኍ዆ኽ
ኣዉኍ዆ኽ ኣዉኍ዆ኽ
33
;
憇
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&831
図 10-47
例、通信シーケンス
コンフィグレーション
接続をコンフィグレーションするには、以下の手順を行います:
●
パラメータ p8929 = 2 を使用して、2 つのコントロールシステムからのデータが
PROFINET インターフェースを介して受信されるように定義します。
●
パラメータ p9601.3 = p9801.3 = 1 を使用して、軸 1 および 2 に対して PROFIsafe
をイネーブルします。
●
HW Config で、PROFINET 通信をコンフィグレーションします (セクション「コン
トローラのコンフィグレーション」を参照)。
●
システムの起動時に p8929 = 2 を使用して、ドライブシステムは、PROFINET テレ
グラムが 2 つの制御システムから想定されていることを特定し、HW Config でコン
フィグレーションに相当する通信を確立します。
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
773
通信
10.3 PROFINET IO 通信
注記
起動時に、ドライブシステムは、最初に A-CPU のコンフィグレーションデータを要求
し、その後予定される PROFIsafe テレグラムを考慮して、この CPU へのサイクリッ
ク通信を確立します。
ドライブシステムが F-CPU のコンフィグレーションデータを受け取ると直ちに、ここ
でもサイクリック通信が確立され、PROFIsafe テレグラムが考慮されます。
注意
CPU 故障
2 チャンネルを介した通信は、相互に独立して機能します。 CPU の故障時には、他の
CPU との通信は中断されず、中断なしに動作を継続します。 故障したコンポーネン
トについてのエラーメッセージが出力されます。 故障を解決して、メッセージを確認
します; 故障した CPU への通信は自動的に回復されます。
10.3.8.2
シェアドデバイスのコンフィグレーション
HW Config で、2 つの コントローラ A-CPU および F-CPU をコンフィグレーションす
る場合、以下の 2 つのオプションがあります:
1. 共通プロジェクトでシェアドデバイス機能を使用して両方のコントローラをコンフ
ィグレーションできます
2. GDSML を使用して、それ自体のプロジェクトでそれぞれのコントローラを独立し
てコンフィグレーションします。
以下の例で、最初のコンフィグレーションオプションを説明します。
注記
HW Config でのコンフィグレーションに関する詳細は、STEP7 の説明書にあります。
774
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
通信
10.3 PROFINET IO 通信
例: 共通プロジェクトの 2 台のコントローラ
これを行うためには、STEP7 を起動:
1. S7 の下で、新しいプロジェクトのドライブ制御を構築します、例では、いわゆる ACPU で、SIMATIC 300 がベースです。
図 10-48
新しい S7 プロジェクトの作成
2. HW Config で、[CPU 315-2 PN/DP control] を選択し、通信ネットワークとして
PROFINET IO に接続します。 ドライブ制御として S120 を選択します (例では
CU320-2 PN)。
図 10-49
HW Config で作成されたドライブ制御
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
775
通信
10.3 PROFINET IO 通信
3. [Station\Save and compile] (Ctrl+S) をクリックします
以前のプロジェクトが保存されます。
4. S120 ドライブの [context menu] を開き、[Open object with STARTER] をクリック
し、STARTER でドライブをコンフィグレーションします。
図 10-50
HW Config から STARTER へ伝送された新規プロジェクト
STARTER ウィンドウが自動的に開かれます
このプロジェクトは、ナビゲーションウィンドウに表示されます。
1. コントロールユニットのエキスパーツリストで、パラメータ p8929 = 2 を設定しま
す
776
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
通信
10.3 PROFINET IO 通信
図 10-51
コントロールユニットのエキスパーツリストから p8929
2. サーボ制御の電源装置と 3 台のドライブをコンフィグレーションします。 電源装置
通信にテレグラム 370 とドライブにスタンダードテレグラム 1、2 および 3 を選択
しました。
– プロジェクトの下の [Save and recompile all] をクリックします。
– ナビゲーションウィンドウの下の [Communication\Telegram configuration] をク
リックします。
図 10-52
PROFIdrive チャンネル IF1 のためのテレグラムの概要
3. [.....] の下に、1 番目と 3 番目のドライブに対して、セーフティテレグラム 30 を加
えます:
– この表で、PROFIsafe で開始を希望するドライブをクリックします。
– ボタン [Adapt telegram configuration] をクリックし、[Add PROFIsafe] を選択し
ます。
図 10-53
ドライブに PROFIsafe テレグラムを加えます
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
777
通信
10.3 PROFINET IO 通信
4. PROFIsafe テレグラムは、PROFIdrive 表に加えられました:
図 10-54
使用可能なテレグラムの一覧
5. [Create addresses] をクリックし、HW Config にテレグラムの変更を伝送します。
図 10-55
これらのテレグラムは HW Config で配列されました
6. テレグラムが正常に HW Config に伝送された後、赤い「!」マークがチェックマー
クに代わります。
778
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
通信
10.3 PROFINET IO 通信
セーフティコントロールのコンフィグレーション:
1. HW Config ウィンドウで、[S120] コンポーネントをクリックします。
図 10-56
HW Config で更新されたプロジェクト
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
779
通信
10.3 PROFINET IO 通信
2. 全てのテレグラムへのアクセスは、フル (100%) に設定されます。 PROFIsafe 制御
がテレグラム 30 にアクセスできるようにこれをイネーブルしなければなりません。
– S120 コンポーネントを右クリックしてコンテクストメニューを開き、[Object
properties ...] を左クリックします。
3. 以下のウィンドウで、A-CPU に対する PROFIsafe テレグラムの値へのアクセスを
ロックします。
図 10-57
780
イネーブルされた A-CPU のセーフティテレグラム
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
通信
10.3 PROFINET IO 通信
STEP7 での PROFIsafe 制御の挿入
STEP7 でのドライブ制御と全く同じ方法で PROFIsafe 制御をコンフィグレーションし
ます。
HW Config での F-CPU のコンフィグレーション
1. ドライブ制御の場合と異なり、この時、PROFIsafe と互換線のあるコントローラ、
例えば、CPU 317F-2 PN/DP を選択します。 PROFIsafe 制御を「F-CPU」と名称を
手動で変更しました。
2. 通信を確立するために、PROFINET IO を再び選択しなければなりません。
図 10-58
PROFIsafe 制御のコンフィグレーション
3. HW-Config で、[Station\Save and compile] をクリックします。
4. ドライブ制御のウィンドウで S120 コンポーネントをクリックします。
5. [Edit\Copy] でコピーを開始します。
6. HW Config ウィンドウで、[PROFIsafe control] に戻ります。
7. [PROFINET line] を右クリックします。
8. コンテクストメニューで、[Paste shared] を選択します。
S120 ドライブ制御は、PROFIsafe 制御の PROFINET に接続されます。 表では、
PROFIsafe 制御は、自動的に PROFIsafe テレグラム 30 に対してフルアクセスを割
り付けました。
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
781
通信
10.3 PROFINET IO 通信
図 10-59
HW Config で完成された新規プロジェクト
9. HW-Config で、[Station\Save and compile] をクリックします。
10. その後、[Open object with STARTER] を再びクリックします。
最後の保存作業後に STARTER ウィンドウで、PROFIsafe テレグラムが PN-IO-1 に
ドライブテレグラムが PN-IO に割り付けられたことがわかります。
図 10-60
782
STARTER で完成された新規プロジェクト
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
通信
10.3 PROFINET IO 通信
STARTER のそれぞれのテレグラムタイプの後にチェックマークがあれば、シェアドデ
バイスが完全にコンフィグレーションされたことになります。
10.3.8.3
重要なパラメータの一覧
主要パラメータ一覧 (『SINAMICS S120/S150 リストマニュアル』を参照)
10.3.9
●
p8929 PN リモートコントローラ数
●
p9601 SI イネーブル、ドライブに統合された機能 (コントロールユニット)
●
p9801 SI イネーブル、ドライブに統合された機能 (モータモジュール)
PROFIenergy
PROFIenergy は、PROFINET 通信プロトコルに基づく製造プラントようのエネルギー
管理システムです。 PROFIenergy 機能は 1 つのプロファイルで組み合わされています。
PROFIenergy 機能を備えたドライブユニットは、認可された認証機関での認証が可能
です。 認証されたデバイスは PROFIenergy コマンドをサポートし、それに従って要件
および運転状態に応答します。
PROFIenergy の適用分野
PROFIenergy を使用すると、非稼働時のエネルギー利用の分析、制限および最適化が
可能です。
●
ドライブユニットは、プロセスの要求通りに有効化および無効化されます。
●
ドライブユニットは分析のための標準化された消費データを提供します。
●
ノードの PROFIenergy 状態が表示されます。
●
一時的に要求されないドライブは特定されて、要求に依存してスイッチ「切」され
ます。
●
PROFIenergy 状態は更なる処理、例えば、必要とされない二次システムの電源遮断
のために BICO 接続で使用可能です。
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
783
通信
10.3 PROFINET IO 通信
PROFIenergy の適用分野
省エネ
使用分析
省エネの可能性
エネルギーフローの測定
使用回避
使用制御
無効電力補正
"一時的停止"
スタンドバイ/休止
製造 (運転)
テクノロジーの最適化
最適なエネルギー „standby"
プロセスの最適化
"on time" 再び製造
効率の最適化
Sector Industry DT MC
RD 16, Dr. Uhl
/ September
200 9
© Siemens AG 2008 - Subject to change without
prior notice
図 10-61
PROFIenergy アプリケーション
PROFIenergy のタスク
PROFIenergy は、ドライブおよびドライブシステムの効率を向上します。 PLC は
PROFIenergy コマンドを該当するデバイスに送信します。 実際の運転状態および
PROFIenergy 要件に基づき、それらのデバイスは該当する PROFIenergy 機能で応答し
ます。
以下のオブジェクトは、一時的な電源遮断または使用されないドライブおよび機器の停
止により実現されます:
●
エネルギーコストの削減
●
熱排出の削減
●
実際の稼働時間を低減することでより長い耐用期間
SINAMICS S120 ドライブシステムの PROFIenergy の特性
SINAMICS S120 ドライブシステムは以下の要件を満たします:
784
●
SINAMICS S120 デバイスは PROFIenergy 認証を取得しています。
●
SINAMICS S120 デバイスは PROFIenergy クラスタイプ 3 をサポートします
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
通信
10.3 PROFINET IO 通信
PROFIenergy コマンド
パラメータ番号
PROFIenergy コマンド
r5600
PE_Mode_ID
p5601
PE_Mode_Attributes
p5602[0...1]
Time_min_Pause
r5603[0...1]
Time_to_Pause
r5604[0...1]
Time_to_operate
r5605[0...1]
Time_min_length_of_stay
p5606[0...1]
Time_max_length_of_stay
p5607
Mode_Power_Consumption
r5608
Energy_Consumption_to_Pause
r5609
Energy_Consumption_to_Operate
r5610
Energy_Consumption_to_Destination
p5611
省エネを一般的にイネーブル/禁止
p5612[0...1]
デバイス省エネをイネーブル/禁止
r5613
BO: 省エネ有効/無効
パラメータ r5600 ~ r5610 は標準 PROFIenergy パラメータです。
p5611 以降のパラメータは、製造メーカ固有の PROFIenergy パラメータです。
10.3.9.1
ファンクションダイアグラムおよびパラメータ
ファンクションダイアグラム (『SINAMICS S120/S150 リストマニュアル』を参照)
●
2610 実行制御
主要パラメータ一覧 (『SINAMICS S120/S150 リストマニュアル』を参照)
●
r5600 PE_Mode_ID
●
p5602[0...1] PE 最小省エネモード アイドリング時間
●
p5606[0...1] PE 最大省エネモード ドゥエル時間
●
p5611 PE 省エネを一般的にイネーブル/無効化
●
p5612[0...1] PE 省エネ特性イネーブル/無効化
●
r5613 BO: 省エネ有効/無効
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
785
通信
10.4 SINAMICS リンク経由の通信
10.4
SINAMICS リンク経由の通信
10.4.1
SINAMICS リンクの基本原理
殆どのドライブユニット (ノード番号付き) は、接続されたドライブオブジェクト (DO)
と含むコントロールで構成されます。 SINAMICS リンクでは、データを最大 64 台のコ
ントロールユニット CU320-2PN または CU320-2DP または CUD 間で直接交換するこ
とができます。 SINAMICS リンク機能には CBE20 補助モジュールが必要です。 全て
の参加するコントロールユニットには CBE20 が装備されていなければなりません。 可
能なアプリケーションは、例えば:
●
n 台のドライブのトルク配分
●
n 台のドライブの設定値カスケード
●
素材ウェブにより結合されたドライブの負荷配分
●
電源ユニットのマスタ/スレーブ
●
SINAMICS DC-MASTER と SINAMICS S120 間のリンク
前提条件
以下の前提条件が SINAMICS リンクを運転するために満たされなければなりません:
●
r2064[1]: バスタイムサイクル (Tdp) は、p0115[0] (電流コントローラクロックサイ
クル) の整数倍でなければなりません。
●
r2064[2]: マスタサイクルタイム (Tmapc) は、p0115[1] (速度コントローラサイクル)
の整数倍でなければなりません。
●
電流コントローラクロックサイクルは 250 μs または 500 μs に設定されなければな
りません。 400 μs の 1 クロックは許容されません。 400 μs の場合、アラーム
A01902[4] が出力されます。 対策として、この時、電流コントローラクロックサイ
クルを p0115[0] で 500 μs に設定します。
注記
「SINAMICS リンク」機能は、CU310-2 では使用できません。
786
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
通信
10.4 SINAMICS リンク経由の通信
注記
シャーシ用 SINAMICS リンク
シャーシの以下のデバイスの場合、手動でパラメータ p0115[0] を 250 μs または 500
μs に設定しなければなりません:
• 3 AC 380 ~ 480 V: 定格電流 ≥ 605 A の全てのデバイス
• 3 AC 500 ~ 690 V: 全てのユニット
送信および受信データ
SINAMICS リンクテレグラムには、プロセスデータ (PZD1...16) のための 16 のスロッ
ト (0...15) が含まれています。 各 PZD は正確に 1 ワード長です (= 16 ビット)。 必要と
されないスロットは自動的にゼロ (0) が当てられます。
スロ
0
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
ット
PZD
SINAMICS リンクテレグラムの内容
各伝送クロックサイクルで、全ての SINAMICS リンクノードは 16 PZD の 1 テレグラ
ムを送信することができます。 各ノードは、送信されたテレグラムの全てを受信しま
す。 各伝送クロックサイクルで、ノードは受信された全てのテレグラムからの 16 PZD
を検索し、処理することができます。 シングルワードとダブルワードが送信および受
信できます。 2 つの連続する PZD でダブルワードを書き込まなければなりません。
制限:
●
テレグラムでは、PZD が一度送信および受信されたものである場合があります。
PZD がテレグラムで二度以上発生する場合、アラーム A50002 または A50003 が出
力されます。
●
ユーザ独自の送信データを読み取ることはできません。 その後、アラームが出力さ
れます。
●
受信および送信可能な PZD の最大数は、ドライブオブジェクトに依存します。 評
価可能な PZD 数は、PROFIdrive に準拠した通信に一致します; しかし、SINAMICS
リンクの場合、それは 16 PZD の最大値に制限されます。
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
787
通信
10.4 SINAMICS リンク経由の通信
伝送時間
SINAMICS リンク で、1000 μs の伝送時間が可能です (最大コントローラサイクル 500
μs で; 同期バスサイクル、500 μs)。
バスサイクルとノード数
SINAMICS Link のバスサイクルを、同期させて、または、同期させずに、電流コント
ローラサイクルで運転することができます。
同期運転は p8812[0] = 1 で設定されます。最大 16 台のノードが互いに SINAMICS Link
を介して通信できます。 これを行うには、ノードの最大数を p8811 = 16 で設定します。
非同期モードでは、SINAMICS リンクのバスサイクルは、1000 μs および 2000 μs 間に、
p8812[1] で設定できます。 この後、p8811 を介して、最大 64 台の SINAMICS リンク
ノードが互いに通信することができます。
パラメータ p8811 および p8812 を切り替えた後、この設定を受け付けるために
POWER ON を実行します。
10.4.2
トポロジー
以下の構造を含むライントポロジーのみが SINAMICS リンクに許容されています。 コ
ントロールユニットとドライブオブジェクトのエキスパーツリストのパラメータを手動
で設定しなければなりません。 この目的で STARTER 試運転ツールの使用が推奨され
ます。
352),%86352),1(7
6,1$0,&6
S &%(
3
6,1$0,&6
S &%(
3
3
6,1$0,&6
S &%(
3
3
6,1$0,&6
S &%(
3
6,1$0,&6/LQN
図 10-62
788
最大トポロジー
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
通信
10.4 SINAMICS リンク経由の通信
●
SINAMICS リンクが設定されると、CBE20 は常に IF1 を介して動作します。
●
例えば、PROFIBUS または PROFINET 用のコントロールユニットの内蔵バスイン
ターフェースは、IF2 を介して動作します。
●
様々なノードの番号を 1 から昇降順に、パラメータ p8836 に手動で入力します。
●
p8836 が 0 に設定されると、ノードおよび完全な以下のラインは SINAMICS Link
に対して電源遮断されます。
●
連続していない番号は許容されません。
●
該当する IP アドレスが自動的に割り付けられますが、表示されません。
●
番号 1 のノードは、自動的に通信リンクの同期マスタになります。
●
最大台の 64 ノードが 1000 μs および 2000 μs 間の通信サイクルで可能です。
●
最大 16 台のノードが 500 μs でのアイソクロナスモードで可能です。
●
CBE20 のポートは、上の図と確実に一致するように接続されなければなりません。
ノード n+1 のポート 2 (P2) をノード n のポート 1 (P1) に必ず接続しなければな
りません。
●
10.4.3
CBE20 のポート 3 および 4 は SINAMICS リンクモードで電源遮断されます。
コンフィグレーションおよび試運転
試運転は以下のように行います:
1. コントロールユニットパラメータ p0009 = [Device configuration] に設定します。
2. コントロールユニットパラメータ p8835 = 3 (SINAMICS Link) に設定します。
3. ドライブオブジェクトのパラメータ p2037 を [2] に設定します。
4. パラメータ p8836 のノードを SINAMICS リンクノード番号に割り付けます。 最初
のコントロールユニットには常に番号 1 が割り付けられます。ノード番号 0 は、こ
のコントロールユニットの場合、SINAMICS リンクが電源遮断されたことを意味し
ます。 「トポロジー」の下の仕様に注意してください。
5. コントロールユニットパラメータ p0009 = 1 -> [Ready] を設定します。
6. その後、[Copy RAM to ROM] を実行します。
7. POWER ON を実行します (コントロールユニットのスイッチ「切」/「入」を行いま
す)。
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
789
通信
10.4 SINAMICS リンク経由の通信
データ送信
この例では、最初のノードには、コントロールユニット 1、2 台のドライブオブジェク
ト、ドライブ 1 および 2 があります。データを送信するためには以下のような手順を
行います:
1. それぞれのドライブオブジェクトでは、該当するパラメータ p2051[0...15] で、送ら
れるべきデータ (PZD) を定義します。 データは同時に p8871[0...15] の送信スロッ
トで同時に受信されます。
2. p2061[x] にダブルワードを入力しなければなりません。 ダブルワードデータは、同
時に p8861[0...15] に書き込まれます。
3. それぞれのドライブオブジェクトに対して、p8871[0...15] の送信パラメータをそれ
自体のノードの送信スロットに割り付けます。
表 10- 65
ドライブ 1 (DO2) の送信データを編集します
r2051[x r2061[x] 目次
]
インデ
インデ ックス
ックス
送信バッファ p8871[x]
のスロット
x
PZD
0
-
ZSW1
r0899
0
PZD 1
-
1
速度実績値 パート 1
r0061[0]
1
PZD 2
2
PZD 3
3
PZD 4
4
PZD 5
5
PZD 6
...
...
15
PZD 16
-
速度実績値 パート 2
3
5
15
トルク実績値 パート 1
r0080
トルク実績値 パート 2
-
...
790
パラメー
タから
現在の故障コード
r2131
...
-
0
0
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
通信
10.4 SINAMICS リンク経由の通信
表 10- 66
ドライブ 2 (DO3) の送信データを編集します
r2051[x r2061[x] 目次
]
インデ
インデ ックス
ックス
パラメー
タから
送信バッファ p8871[x]
のスロット
x
PZD
0
-
ZSW1
r0899
6
PZD 7
-
1
速度実績値 パート 1
r0061[0]
7
PZD 8
8
PZD 9
9
PZD 10
10
PZD 11
11
PZD 12
...
...
15
PZD 16
-
速度実績値 パート 2
3
5
表 10- 67
-
現在の故障コード
r2131
...
-
0
0
コントロールユニット 1 (DO1) の送信データを編集します
r2051[x r2061[x] 目次
]
インデ
インデ ックス
ックス
0
r0080
トルク実績値 パート 2
...
15
トルク実績値 パート 1
-
パラメー
タから
送信バッファ p8871[x]
のスロット
コントロールワード、故障/ア r2138
x
PZD
12
PZD 13
13
PZD 14
14
PZD 15
...
...
15
PZD 16
ラーム
-
1
不足しているイネーブル信号
r0046
パート 1
-
不足しているイネーブル信号
パート 2
...
15
...
-
0
0
送信スロット PZD 16 はこのテレグラムに対して必要がないため、0 が当てられます。
1. ダブルワード (例: 1 + 2) は、2 つの連続した送信スロットに割り付けられます、例
えば、p2061[1] => p8871[1] = PZD 2 および p8871[2] = PZD 3。
2. 以下の PZD を後続するパラメータスロット p2051[x] または p2061[2x] に入力しま
す。
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
791
通信
10.4 SINAMICS リンク経由の通信
3. p8871 の使用されないスロットは 0 が当てられます。
4. このノードの送信テレグラムの PZD のシーケンスは、必要なスロットでの入力によ
り、パラメータ p8871[0...15] で定義されます。
5. テレグラムは、次のバスクロックサイクルで送信されます。
データの受信
全てのノードの送信テレグラムは SINAMICS リンクで同時に使用可能です。 それぞれ
のテレグラムは 16 PDA の長さです。 それぞれのテレグラムには、送信者のマーカが
あります。 全てのテレグラムから、受け付けを希望する PZD を選択します。 最大 16
PZD を処理することができます。
注記
ビット 10 の評価を p2037 = 2 で無効化していない場合、受信データ (PZD 1) の最初の
ワードは、ビット 10 = 1 が設定されているコントロールワードでなければなりませ
ん。
この例では、コントロールユニット 2 はコントロールユニット 1 のテレグラムからの
選択されたデータを受信します。データを受信するには以下のような手順を行ってくだ
さい:
1. パラメータ p8872[ 0…15] で、一つ以上の PZD の読み取りを希望するノードのアド
レスを入力します (例: p8872[ 3] = 1 => ノード 1 から、PZD 4 での読み取り、
p8872[15] = 0 ≙ PZD 16 で読み取りません)。
2. パラメータ r2050[0…15] で、読み取りたい PZD の番号を入力します。
3. PZD がダブルワードの場合、パラメータ p2060[0…15] に PZD 番号を入力します。
表 10- 68
コントロールユニット 2 のための受信データ
送信者から
から伝送
受信者
Tel. word アドレス
p8871[x] p8872[x]
受信バッフ 伝送されるデータ
ァ p8870[x]
p2050[x] p2060[x] パラメー 目次
タ
p2051[0]
0
1
PZD 1
0
-
r0899
ZSW1
p2061[1]
1
1
PZD 2
-
1
r0061[0]
速度実績値 パート 1
2
1
PZD 3
-
r0061[0]
速度実績値 パート 2
792
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
通信
10.4 SINAMICS リンク経由の通信
送信者から
から伝送
p2061[2]
受信者
Tel. word アドレス
p8871[x] p8872[x]
受信バッフ 伝送されるデータ
ァ p8870[x]
p2050[x] p2060[x] パラメー 目次
タ
3
r0080
3
1
PZD 4
-
4
1
PZD 5
-
p2051[5]
5
1
PZD 6
5
-
r2131
現在の故障コード
p2051[4]
6
1
PZD 7
6
-
r0899
ZSW1
p2061[5]
7
1
PZD 8
-
7
r0061[0]
速度実績値 パート 1
8
1
PZD 9
-
9
1
PZD 10
-
10
1
PZD 11
-
p2051[7]
11
1
PZD 12
11
-
r2131
現在の故障コード
p2051[8]
12
1
PZD 13
12
-
2138
コントロールワード、
p2061[6]
トルク実績値 パート 1
トルク実績値 パート 2
速度実績値 パート 2
9
r0080
トルク実績値 パート 1
トルク実績値 パート 2
故障/アラーム
p2061[9]
13
1
PZD 14
-
13
r0046
不足しているイネーブ
ル信号 パート 1
14
1
PZD 15
-
不足しているイネーブ
ル信号 パート 2
-
15
1
PZD 16
15
-
0
空
Tel. word = テレグラムワード
注記
ダブルワードの場合、2 PZD が連続して読み出されなければなりません。 ノード 2 の
テレグラムの PZD 2+PZD 3 にある 32 ビット設定値を読み出し、これをノード 1 の
PZD 2+PZD 3 にマッピングします:
p8872[1] = 2、p8870[1] = 2、p8872[2] = 2、p8870[2] = 3
有効化
SINAMICS リンク接続を有効化するために、全てのノードで POWER ON を実行しま
す。 p2051[x]/2061[2x] の割り付けおよび読み出しパラメータ r2050[x]/2060[2x] は
POWER ON なしでも変更できます。
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
793
通信
10.4 SINAMICS リンク経由の通信
10.4.4
例
課題
アイソクロナスデータ伝送の 3 つのノードのために SINAMICS リンクをコンフィグレ
ーションします。 この例のそれぞれのノードは、CU320-2PN、CBE20 およびサーボド
ライブを含むドライブトレインで構成されます。 それぞれのノードは、テレグラムを
送信し、PZD (プロセスデータワード) を SINAMICS リンクで使用可能なテレグラムか
ら取得します。 ドライブオブジェクト 2 からのトルク実績値は、ドライブオブジェク
ト 3 のトルク設定値として接続するようにしてください。以下の値が伝送されることに
なります。
6,1$0,&6዇ዐኌ
ካዙኦ
6,1$0,&6዇ዐኌ
ካዙኦ
6,1$0,&6዇ዐኌ
ካዙኦ
6,1$0,&66
ቋ&%(
6,1$0,&66
ቋ&%(
6,1$0,&66
ቋ&%(
抐≰ክአኲቾ7
ነዐእዊዙወ
ዃከአእ
Sb b
Sb b
&%(
3
♦≰ክአኲቾ7
ኦ዆ኁኳኇኳን
ኄኌእ
ኦ዆ኁኳ
図 10-63
794
3='
3='
抐≰
♦≰
抐≰
♦≰
ኣዉኍ዆ኽ
6,1$0,&6዇
ዐኌ
抐≰ክአኲቾ7
ነዐእዊዙወዃ
ከአእ
Sb b
Sb b
3
3='
抐≰
♦≰
抐≰ክአኲቾ7
ነዐእዊዙወዃ
ከአእ
Sb b
Sb b
3
&%(
3
♦≰ክአኲቾ7
ኦ዆ኁኳኇኳን
ኄኌእ
ኦ዆ኁኳ
&%(
♦≰ክአኲቾ7
ኦ዆ኁኳኇኳን
ኄኌእ
ኦ዆ኁኳ
SINAMICS リンクコンフィグレーション例
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
通信
10.4 SINAMICS リンク経由の通信
送信:
●
最初のテレグラム: ノード 1 からの送信データ
– r0898 CO/BO: コントロールワード 1 ドライブオブジェクト 1 (1 x PZD)
– r0062 CO: 速度設定値ドライブオブジェクト 2 (2 x PZD)
– r0079 CO: トルク設定値の合計 (2 x PZD)
●
二番目のテレグラム: ノード 2 からの送信データ
– r0899 CO/BO: ステータスワード 1 ドライブオブジェクト 2 (1 x PZD)
– r0021 CO: 速度実績値ドライブオブジェクト 2 (2 x PZD)
– r0031 CO: トルク実績値ドライブオブジェクト 2 (2 x PZD)
●
三番目のテレグラム: ノードからの送信データ
– r0899 CO/BO: ステータスワード 1 ドライブオブジェクト 3 (1 x PZD)
– r0021 CO: 速度実績値ドライブオブジェクト 3 (2 x PZD)
– r0031 CO: トルク実績値ドライブオブジェクト 3 (2 x PZD)
受信:
●
最初のノード: ノード 2 および 3 からの実績値を含む受信データ
– r0899 CO/BO: ステータスワード 1 ドライブオブジェクト 2 (1 x PZD)
– r0021 CO: 速度実績値ドライブオブジェクト 2 (2 x PZD)
– r0031 CO: トルク実績値ドライブオブジェクト 2 (2 x PZD)
– r0899 CO/BO: ステータスワード 1 ドライブオブジェクト 3 (1 x PZD)
– r0021 CO: 速度実績値ドライブオブジェクト 3 (2 x PZD)
– r0031 CO: トルク実績値ドライブオブジェクト 3 (2 x PZD)
●
二番目のノード: ノード 1 からの設定値の受信データ
– r0898 CO/BO: コントロールワード 1 ドライブオブジェクト 1
(1 x PZD): ノード 1
– r0062 CO: 速度設定値ドライブオブジェクト 2 (2 x PZD): ノード 1
●
三番目のノード: ノード 1 および 2 からの設定値の受信データ
– r0898 CO/BO: コントロールワード 1 ドライブオブジェクト 1
(1 x PZD): ノード 1
– r0031 CO: トルク実績値ドライブオブジェクト 2 (2 x PZD): ノード 2
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
795
通信
10.4 SINAMICS リンク経由の通信
凡例 (図中の番号)
●
r0898 CO/BO: ノード 1 からのコントロールワード 1: STW1_T1
●
r0899 CO/BO: ノード 2 からのステータスワード 1: ZSW1_T2
●
r0021 CO: 速度実績値ドライブオブジェクト: n_act_A2_a および n_act_A2_b
●
r0062 CO: 速度設定値: n_set_A2_a および n_set_A2_b
●
r0031 トルク実績値ドライブオブジェクト: m_act_A2_a および m_act_A2_b
●
r0079 CO: トルク設定値ドライブオブジェクト: m_set_A2_b および m_set_A2_b
●
テレグラム 1/2/3 = ノード 1/2/3 のテレグラム
STW および ZSW は各 1 ワード (16 ビット) 長で、テレグラムで 1 PZD を要求します。
n_act、n_set、m_act および m_set は、それぞれ 2 ワード (32 ビット) 長で、2 つの連
続する PZD を要求します。
表 10- 69
インデックス
インデックス
目次
A1
ドライブオブジェクト 1
A2
ドライブオブジェクト 2
A3
ドライブオブジェクト 3
T1
ノード 1
T2
ノード 2
T3
ノード 3
a
データワードのビット 0 ~ 15 (パート 1)
b
データワードのビット 16 ~ 31 (パート 2)
手順
パラメータは、ドライブオブジェクトのエキスパーツリストでのみ設定できます。
1. プログラミングデバイスは、ノード 1 で接続されます。
2. 全てのノード (コントロールユニット) に対して、デバイスコンフィグレーションを
変更するために p0009 = 1 を設定します。
796
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
通信
10.4 SINAMICS リンク経由の通信
3. 参加しているコントロールユニットに対して、SINAMICS リンクモードを設定しま
す:
– p8835 = 3
4. 該当するデバイスに対してノード番号を割り付けます:
– ノード 1:p8836 = 1
– ノード 2: p8836 = 2
– ノード 3:p8836 = 3
5. p8812.0 = 1 を設定することで、全ての CBE20 をアイソクロナス運転に設定します。
6. p8811 = 16 で最大ノード数を設定します。
7. 運転のためには、p0009 = 0 にリセットします。
8. コントロールユニットでの変更された設定を保存するために、[RAM to ROM copy]
を実行します。
9. 変更されたコンフィグレーションと CBE20 の新しい設定を有効化するために
POWER ON を実行します。
SINAMICS リンクのコンフィグレーションをするためのパラメータはこの時表示さ
れます。
送信データを定義
ノード 1 からの送信データを定義します (コントロールユニットとドライブオブジェク
ト 1)。 コントロールワード STW1、速度設定値およびトルク設定値はドライブオブジ
ェクト 1 から送信されるべきです:
1. パラメータ r0898 を送信パラメータ p2051[0] に置きます。p2051[0] は、送信スロッ
ト p8871[0] に書かれ、PZD 1 に割り付けられます。
2. パラメータ r0062 が 32 ビット長であるため、r0062 を送信パラメータ p2061[1] に
保存します。p2061[1] は送信スロット p8871[1] および p8871[2] に書かれ、PZD 2
および PZD 3 に割り付けられます。
3. パラメータ r0079 が 32 ビット長であるため、r0079 を送信パラメータ p2061[3] に
保存します。p2061[3] は送信スロット p8871[3] および p8871[4] に書かれ、PZD 4
および PZD 5 に割り付けられます。
4. 残りのスロットは空の状態です。
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
797
通信
10.4 SINAMICS リンク経由の通信
表 10- 70
ノード 1 からの送信テレグラム
送信パラメータ 送信されたパラ 目次
メータ
p8871[x] テレグラムのスロット
x
p2051[0]
r0898
STW1_T1
0
PZD 1
p2061[1]
r0062
n_set_A2_a
1
PZD 2
n_set_A2_b
2
PZD 3
m_set_A2_a
3
PZD 4
m_set_A2_b
4
PZD 5
p2061[3]
r0079
...
0
0
...
...
p2051[15]
0
0
15
PZD 16
ノード 2 からの送信データを定義します (ドライブオブジェクト 2)。 ステータスワー
ド ZSW1、速度設定値およびトルク設定値は、ドライブオブジェクト 2 から送信され
るべきです:
1. パラメータ r0899 を送信パラメータ p2051[0] に置きます。p2051[0] は、送信スロッ
ト p8871[0] に書かれ、PZD 1 に割り付けられます。
2. パラメータ r0021 が 32 ビット長であるため、r0021 を送信パラメータ p2061[1] に
保存します。p2061[1] は送信スロット p8871[1] および p8871[2] に書かれ、PZD 2
および PZD 3 に割り付けられます。
3. パラメータ r0031 も 32 ビット長です。 そのため、パラメータ r0031 を送信パラメ
ータ p2061[3] に保存します。p2061[3] は送信スロット p8871[3] および p8871[4] に
書かれ、PZD 4 および PZD 5 に割り付けられます。
4. 残りのスロットは空の状態です。
表 10- 71
ノード 2 からの送信テレグラム
送信パラメータ 送信されたパラ 目次
メータ
x
p2051[0]
r0899
ZSW1_T2
0
PZD 1
p2061[1]
r0021
n_act_A2_a
1
PZD 2
n_act_A2_b
2
PZD 3
m_act_A2_a
3
PZD 4
m_act_A2_b
4
PZD 5
p2061[3]
798
p8871[x] テレグラムのスロット
r0031
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
通信
10.4 SINAMICS リンク経由の通信
送信パラメータ 送信されたパラ 目次
メータ
p8871[x] テレグラムのスロット
x
...
0
空
...
...
2051[15]
0
空
15
PZD 16
ノード 3 からの送信データを定義します (ドライブオブジェクト 3)。 ステータスワー
ド ZSW1、速度設定値およびトルク設定値は、ドライブオブジェクト 3 から送信され
るべきです:
1. パラメータ r0899 を送信パラメータ p2051[0] に置きます。p2051[0] は、送信スロッ
ト p8871[0] に書かれ、PZD 1 に割り付けられます。
2. パラメータ r0021 が 32 ビット長であるため、r0021 を送信パラメータ p2061[1] に
保存します。p2061[1] は送信スロット p8871[1] および p8871[2] に書かれ、PZD 2
および PZD 3 に割り付けられます。
3. パラメータ r0031 も 32 ビット長です。 そのため、パラメータ r0079 を送信パラメ
ータ p2061[3] に保存します。p2061[3] は送信スロット p8871[3] および p8871[4] に
書かれ、PZD 4 および PZD 5 に割り付けられます。
4. 残りのスロットは空の状態です。
表 10- 72
ノード 3 からの送信テレグラム
送信パラメータ 送信されたパラ 目次
メータ
p8871[x] テレグラムのスロット
x
p2051[0]
r0899
ZSW1_T3
0
PZD 1
p2061[1]
r0021
n_act_A2_a
1
PZD 2
n_act_A2_b
2
PZD 3
m_act_A2_a
3
PZD 4
m_act_A2_b
4
PZD 5
p2061[3]
r0031
...
0
空
...
...
2051[15]
0
空
15
PZD 16
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
799
通信
10.4 SINAMICS リンク経由の通信
送信データを定義
ノード 1 に対して、受信データの送信者を定義します:
1. 受信を希望するデータのノードを決定できます:
テレグラム 2 からの PZD 1: p8872[0] = 2
テレグラム 3 からの PZD 1: p8872[1] = 3
テレグラム 2 からの PZD 2: p8872[2] = 2
テレグラム 2 からの PZD 3: p8872[3] = 2
テレグラム 3 からの PZD 2: p8872[4] = 3
テレグラム 3 からの PZD 3: p8872[5] = 3
テレグラム 2 からの PZD 4: p8872[6] = 2
テレグラム 2 からの PZD 5: p8872[7] = 2
テレグラム 3 からの PZD 4: p8872[8] = 3
テレグラム 3 からの PZD 5: p8872[9] = 3
2. テレグラムからの PZD が保存される入力バッファ (p8870) のスロットを指定します。
p8870[0]= 1 の PZD 1 (テレグラム 2 からの PZD 1)
p8870[1]= 2 の PZD 1 (テレグラム 3 からの PZD 1)
p8870[2] = 3 の PZD 2 (テレグラム 2 からの PZD 2、p2061[1] のパート 1)
p8870[3] = 3 の PZD 3 (テレグラム 2 からの PZD 3、p2061 [1] のパート 2)
p8870[4] = 4 の PZD 2 (テレグラム 3 からの PZD、p2061[1] のパート 1)
p8870[5] = 5 の PZD 3 (テレグラム 3 からの PZD 3、p2061[1] のパート 2)
p8870[6] = 6 の PZD 4 (テレグラム 2 からの PZD 4、p2061[3] のパート 1)
p8870[7] = 7 の PZD 5 (テレグラム 2 からの PZD 5、p2061[3] のパート 2)
p8870[4] = 8 の PZD 4 (テレグラム 3 からの PZD 4、p2061[1] のパート 1)
p8870[5] = 9 からの PZD 5 (テレグラム 3 からの PZD 5、p2061[1] のパート 2)
残りの PZD は空のままです。
3. 伝送後、ノード 2 と 3 のテレグラムからのデータは、p8870 を介してパラメータ
r2050 [x] と r2060 [x] にコピーされなければなりません。
表 10- 73
ノード 1 からの受信データ
送信者
p8872[x]
800
受信バッ
ファ
p8870[x]
p2050[x]
への伝送
p2060[x]
への伝送
パラメータ
目次
ノード
x
2
1
PZD 1
0
-
r0899
ZSW1_T2
3
2
PZD 2
1
-
r0899
ZSW1_T3
2
3
PZD 3
-
2
r0021
n_act_T2_a
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
通信
10.4 SINAMICS リンク経由の通信
送信者
p8872[x]
受信バッ
ファ
p8870[x]
p2050[x]
への伝送
p2060[x]
への伝送
パラメータ
目次
ノード
x
2
4
PZD 4
-
3
5
PZD 5
-
3
6
PZD 6
-
2
7
PZD 7
-
2
8
PZD 8
-
3
9
PZD 9
-
3
10
PZD 10
-
0
...
...
...
...
0
空
0
16
PZD 16
15
-
0
空
n_act_T2_b
4
r0021
n_act_T3_a
n_act_T3_b
6
r0031
m_act_T2_a
m_act_T2_b
8
r0031
m_act_T3_a
m_act_T3_b
ノード 2 に対して、受信データの送信者を定義します:
1. 受信を希望するデータのノードを決定できます:
テレグラム 1 からの PZD 1: p8872[0] = 1
テレグラム 1 からの PZD 2: p8872[1] = 1
テレグラム 1 からの PZD 3: p8872[2] = 1
2. テレグラムからの PZD を保存する入力バッファ (p8870) のスロットを指定します。
p8870[0] = 1 の PZD 1 (テレグラム 1 からの PZD 1)
p8870[1] = 2 の PZD2 (テレグラム 1 からの PZD 1、p2061[1] のパート 1)
p8870[2] = 3 の PZD 3 (テレグラム 1 からの PZD 2、p2061[1] のパート 2)
3. 伝送後、ノード 1 のテレグラムからのデータは、p8870 を介してパラメータ r2050
[x] と r2060 [x] にコピーされなければなりません。
表 10- 74
ノード 2 のための受信データ
送信者
p8872[x]
受信バッ
ファ
p8870[x]
p2050[x]
への伝送
p2060[x]
への伝送
パラメータ
目次
ノード
x
1
1
PZD 1
0
-
r0899
ZSW1_T2
1
2
PZD 2
-
1
r0060
n_set_A2_a
1
3
PZD 3
-
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
n_set_A2_b
801
通信
10.4 SINAMICS リンク経由の通信
送信者
p8872[x]
受信バッ
ファ
p8870[x]
p2050[x]
への伝送
p2060[x]
への伝送
パラメータ
目次
ノード
x
0
...
...
...
...
0
空
0
16
PZD 16
15
-
0
空
ノード 3 に対して、受信データの送信者を定義します:
1. 受信を希望するデータのノードを決定できます:
テレグラム 1 からの PZD 1: p8872[0] = 1
テレグラム 1 からの PZD 2: p8872[1] = 2
テレグラム 1 からの PZD 3: p8872[2] = 2
2. テレグラムからの PZD を保存する入力バッファ (p8870) のスロットを指定します。
p8870[0] = 1 の PZD 1 (テレグラム 1 からの PZD 1)
p8870[1] = 2 の PZD2 (テレグラム 1 からの PZD 2、p2061[1] のパート 1)
p8870[2] = 3 の PZD 3 (テレグラム 1 からの PZD 2、p2061[1] のパート 2)
3. 伝送後、ノード 1 と 2 のテレグラムからのデータは、p8870 を介してパラメータ
r2050 [x] と r2060 [x] にコピーされなければなりません。
表 10- 75
ノード 3 のための受信データ
送信者
p8872[x]
受信バッ
ファ
p8870[x]
p2050[x]
への伝送
p2060[x]
への伝送
パラメータ
目次
ノード
x
1
1
PZD 1
0
-
r0899
ZSW1_T2
2
2
PZD 2
-
1
r0031
m_act_T2_a
2
3
PZD 3
-
0
...
...
...
...
0
空
0
16
PZD 16
15
-
0
空
m_act_T2_b
SINAMICS リンクは、現在コンフィグレーションされています。
802
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
通信
10.4 SINAMICS リンク経由の通信
10.4.5
起動時またはサイクリック運転時の通信エラー
少なくとも 1 つの送信者が試運転後に正しく起動していない場合、または、サイクリッ
ク運転に失敗した場合は、他のノードにアラーム A50005 が出力されます。 [Sender
was not found on the SINAMICS Link] (SINAMICS リンク上で送信者が見つかりません
でした)。
このメッセージには故障したノード番号が含まれます。 該当するノードで故障が解決
され、システムがノードを特定した後に、システムは自動的にアラームを解除します。
複数のノードが該当する場合、このメッセージは、異なるノード番号で連続して複数回
表示されます。 全ての故障が解決されると、システムは自動的にアラームを解除しま
す。
ノードがサイクリック運転にしっぱんすると、アラーム A50005 に加えて、故障
F08501 が出力されます: [COMM BOARD: Monitoring time, process data expired]
ファンクションダイアグラム (『SINAMICS S120/S150 リストマニュアル』を参照)
●
2211 データ伝送
主要パラメータ一覧 (『SINAMICS S120/S150 リストマニュアル』を参照)
●
r2050[0...19] CO: IF1 PROFIdrive PZD 受信ワード
●
p2051[0...14] CI: IF1 PROFIdrive PZD 送信ワード
●
r2060[0...18] CO: IF1 PROFIdrive PZD 受信ダブルワード
●
p2061[0...26] CI: IF1 PROFIdrive PZD 送信ダブルワード
●
p8811 SINAMICS リンクプロジェクト選択
●
p8812[0...1] SINAMICS リンク設定
●
p8835 CBE20 ファームウェア選択
●
p8836 SINAMICS Link アドレス
●
p8870 SINAMICS Link テレグラムワード PZD 受信
●
p8871 SINAMICS リンクテレグラムワード PZD 送信
●
p8872 SINAMICS リンクアドレス PZD 受信
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
803
通信
10.4 SINAMICS リンク経由の通信
804
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
11
アプリケーション
11.1
VECTOR ドライブオブジェクトを使用したドライブオブジェクト
X_INF の切り替え
説明
ኦ዆ኁኳኇኳንኄኌእ
;B,1) 榊䄟孔函ቊቑ拚慱
ኦ዆ኁኳኇኳንኄኌእ
9(&725
榊䄟孔函ቊቑ拚慱
U
S
%,㟔椫ት䭉崜
S>&@
%,$5㘴倩
S
榊䄟孔函㟔椫
U
%,榊䄟孔函㟔椫
S
%,212))
S>&@
榊䄟孔函㟔椫
U
%,榊䄟孔函㟔椫
S
዆ኁዐነዐኜኌኜትⓅ㈰
U
዇ኘአእት岼⸩
ነኻዐኦ
U
$5ቒ㦘╈ቊሼ
U
዆ኁዐነዐኜኌኜትⓅ㈰
U
዆ኁዐ
ነዐኜኌኜ
図 11-1
BICO 接続
この BICO 接続を使用することで、ドライブオブジェクト (DO) X_INF1) は、VECTOR
ドライブオブジェクトを使用して切り替えることができます。 1 つのラインモジュール
と 1 つのモータモジュールのみが使用される場合、このスイッチオンバージョンは主に
シャーシユニットに使用されます。 アプリケーションに自動再起動機能 (AR) が必要な
場合、以下のような手順を行ってください:
●
自動再起動機能は、VECTOR ドライブオブジェクト上で有効化されます (p1210)。
●
自動再起動機能に加えて、以下の条件が満たされなければなりません:
– 瞬停再始動 (p1200) は、瞬停再始動が実行できるように、VECTOR ドライブオブ
ジェクトで有効化されなければなりません。
– 電源電圧は、電源モジュールで十分に使用可能でなければなりません (スイッチ
オンコマンド前に、存在するラインコンタクタまたはモータリレーが閉じられて
いなければなりません)。
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
805
アプリケーション
11.2 説明
再起動時の個別ステップ:
●
電源が戻り、制御回路が起動された後、自動再起動の結果 VECTOR ドライブオブ
ジェクトで発生した故障は p1210 の設定に依存して確認されます。
●
The faults of the X_INF ドライブオブジェクトの故障は、r1214.3 から p2105 までの
BICO 接続を介して確認されます。
●
電源装置の ON コマンド (p0840) は、VECTOR ドライブオブジェクトのバイネクタ
出力「ラインコンタクタ制御」を介して生成されます (p0863.1)。
●
スイッチオン試行は、再起動中に、電源モジュールに故障が発生すると中断されま
す (ドライブオブジェクト X_INF)。 上記の p1208.0 ~ r2139.3 の BICO 接続を介し
て、故障は VECTOR ドライブオブジェクトに通信されます。
●
電源モジュールの自動再起動は、説明されたスイッチオンバージョンには全く重要
ではありません。
1)
X_INF は、全てのドライブオブジェクト「電源装置」; つまり、 A_INF、B_INF、
S_INF
11.2
説明
モータの切り替えは、例えば、以下のような場合に使用されます:
●
異なるモータとエンコーダ間の切り替え
●
1 つのモータでの異なる結線への切り替え (例: スター/デルタの切り替え)
●
モータデータの補正
1 台のモータモジュールで複数のモータを交互に駆動する場合、モータ台数と同じ数の
ドライブデータセットを作成しなければなりません。
注記
「ベクトル」制御モードで、以下が適用されます:
回転中のモータを接続するには、「瞬停再始動」機能 (p1200) が有効化されなければな
りません。
通知
ドライブデータセットを保持ブレーキが組み込まれた物理的に存在する複数のモータ
間で切り替える場合、内部ブレーキ制御を使用することは許容されません。
806
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
アプリケーション
11.2 説明
4 台のエンコーダのモータ切り替えの例 (エンコーダレス)
前提条件
●
初回の試運転が完了しました。
●
4 つのモータデータセット (MDS)、p0130 = 4
●
4 つのドライブデータセット (DDS)、p0180 = 4
●
外部コンタクタの制御用 4 つのデジタル出力
●
外部コンタクタの監視用 4 つのデジタル入力
●
データセット選択用の 2 デジタル入力
●
補助接点 (1 つの NO 接点) 付きの 4 つの補助コンタクタ
●
安全解離機能補助接点 (3 つの NC 接点、1 つの NO 接点) 付きの 4 つのモータコン
タクタ
●
4 台のモータ、1 台のコントロールユニット、1 台の電源装置、1 台のモータモジュ
ール
6
6
U
U
U
U
U
S
S
.+
.
.
.+
図 11-2
.+
.+
.
.
.+
.+
.+
.+
.
.
.
.
S>@
S>@
S>@
S>@
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
モータ切り替えの例
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
807
アプリケーション
11.2 説明
表 11- 1
この例での設定
パラメータ
設定
備考
p0130
4
4 つの MDS をコンフィグレーション。
p0180
4
4 つの DDS をコンフィグレーション。
p0186[0...3]
0, 1, 2, 3
MDS が DDS に割り付けられます。
p0820、p0821
デジタル入力 DDS
DDS 選択によりモータの切り替え用デジタル
選択
入力が選択されます。 バイナリコードが使用
p0822 ~ p0824 0
されます (p0820 = ビット 0、など)。
p0826[0...3]
0, 1, 2, 3
異なる番号は、異なる熱モデルを示します。
p0827[0...3]
0, 1, 2, 3
p0830 のビットの MDS への割り付け。 例え
ば、p0827[0] = 1 の場合、DDS0 を介して
MDS0 を選択するとビット p0830.1 が設定さ
れます。
p0830.0 ~
デジタル出力、コン コンタクタのデジタル出力を、ビットに割り
p0830.3
タクタ
p0831[0...3]
デジタル入力、補助 モータコンタクタのフィードバック信号用デ
p0833.0..2
付けられます。
接点
ジタル入力を割り付けます。
0, 0, 0
ドライブは、コンタクタ回路とパルスブロッ
クを制御します。 パーキングビット
(Gn_ZSW14) が設定されます。
モータデータセットの切り替え手順
1. 開始条件:
同期モータの場合、実際の速度は弱め界磁の開始時の速度より低くなければなりま
せん。 これにより、回生電圧が端子電圧の超過が防止されます。
2. パルスブロック:
p0820 から p0824 を選択して新しいドライブデータセットを選択した後、パルスは
ブロックされます。
3. モータコンタクタを開きます:
モータコネクタ 1 が「開」にされ、r0830 = 0 およびステータスビット「モータの切
り替え有効」 (r0835.0) が設定されます。
808
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
アプリケーション
11.2 説明
4. ドライブデータセットを切り替え:
要求されたデータセットが有効化されます (r0051 = 要求されたデータセット)。
5. モータコンタクタを励磁します:
モータコンタクタ 1 のフィードバック信号 (モータコンタクタ「開」) の後に、
r0830 の適切なビットが設定され、モータコンタクタ 2 が励磁されます。
6. パルスをイネーブルします:
モータコンタクタ 2 のフィードバック信号 (モータコンタクタがクローズ) 後に、ビ
ット「モータの切り替え有効」 (r0835.0) がリセットされ、パルスがイネーブルされ
ます。 モータはこの時切り替えられました。
スター/デルタの切り替え例 (速度スレッシホールドを介して: エンコーダレス)
前提条件
●
初回の試運転が完了しました。
●
2 つのモータデータセット (MDS)、p0130 = 2
●
2 つのドライブデータセット (DDS)、p0180 = 2
●
外部コンタクタの制御用 2 つのデジタル出力
●
外部コンタクタの監視用 2 つのデジタル入力
●
1 つのフリー速度監視 (p2155)
●
補助接点 (1 つの NO 接点) 付きの 2 つの補助コンタクタ
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
809
アプリケーション
11.2 説明
●
安全解離機能補助接点 (1 つの NC 接点、1 つの NO 接点) 付きの 2 つのモータコン
タクタ
●
1 台のモータ、1 台のコントロールユニット、1 台の電源装置、1 台のモータモジュ
ール
U
U
U
.+
.+
.
.
S>@
S>@
.
.
.+
.+
.
.
8
9
:
図 11-3
表 11- 2
8
9
:
例: スター/デルタ切り替え
この例での設定
パラメータ
設定
備考
p0130
2
2 つの MDS をコンフィグレーション。
p0180
2
2 つの DDS をコンフィグレーション。
p0186[0...1]
0, 1
MDS が DDS に割り付けられます。
p0820
p2197.2
p2155 の速度を超過した後のデルタ接続
p0821 ~ p0824 0
0
への切り替え
p0826[0...1]
0; 0
同じ番号は同じ熱モデルを示します。
p0827[0...1]
0, 1
p0830 のビットの MDS への割り付け。
例えば、p0827[0] = 1 の場合、DDS0 を介
して MDS0 を選択すると、ビット r0830.1
が設定されます。
r0830.0 および
デジタル出力、コン コンタクタのデジタル出力を、ビットに割
r0830.1
タクタ
p0831[0...1]
デジタル入力、補助 モータコンタクタのフィードバック信号用
接点
810
り付けられます。
デジタル入力を割り付けます。
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
アプリケーション
11.2 説明
パラメータ
p0833.0..2
設定
0, 0, 0
備考
ドライブは、コンタクタ回路とパルスブロ
ックを制御します。 パーキングビット
(Gn_ZSW14) が設定されます。
p2155.0...1
切り替え速度
回路をデルタに変更しなければならない速
度を設定します。
注記:
p2140 を使用して、切り替え用の追加ヒ
ステリシスを定義することができます
(『SINAMICS S120/150 リストマニュア
ル』、ファンクションダイアグラム 8010
参照)。
スター/デルタ切り替えの手順
1. 開始条件:
同期モータの場合、実際の速度はスター弱め界磁の速度より小さくなければなりま
せん。 これにより、回生電圧が端子電圧の超過が防止されます。
2. パルスブロック:
切り替え速度 (p2155) に到達後、パルスはブロックされます。
3. モータコンタクタを開きます:
モータコンタクタ 1 は「開」にされ、r0830 = 0 およびステータスビット「モータ切
り替え有効」 (r0835.0) が設定されます。
4. ドライブデータセットを切り替え:
要求されたデータセットが有効化されます (r0051 = 要求されたデータセット)。
5. モータコンタクタを励磁します:
モータコンタクタ 1 のフィードバック信号 (モータコンタクタ「開」) の後に、
r0830 の適切なビットが設定され、モータコンタクタ 2 が励磁されます。
6. パルスをイネーブルします:
モータコンタクタ 2 のフィードバック信号 (モータコンタクタがクローズ) 後に、ビ
ット「モータの切り替え有効」 (r0835.0) がリセットされ、パルスがイネーブルされ
ます。 切り替えは完了です。
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
811
アプリケーション
11.2 説明
ファンクションダイアグラム (『SINAMICS S120/S150 リストマニュアル』を参照)
●
8565 ドライブデータセット (DDS)
●
8570 エンコーダデータセット (EDS)
●
8575 モータデータセット (MDS)
主要パラメータ一覧 (『SINAMICS S120/S150 リストマニュアル』を参照)
812
●
r0051 0...4 CO/BO: ドライブデータセット DDS 有効
●
p0130 モータデータセット (MDS) 数
●
p0140 エンコーダデータセット (EDS) 数
●
p0180 ドライブデータセット (DDS) 数
●
p0186 [0...n] モータデータセット (MDS) 数
●
p0187 [0...n] エンコーダ 1 エンコーダデータセット数
●
p0188 [0...n] エンコーダ 2 エンコーダデータセット数
●
p0189 [0...n] エンコーダ 3 エンコーダデータセット数
●
p0820 BI: ドライブデータセット選択 DDS、ビット 0
●
...
●
p0824 BI: ドライブデータセット選択 DDS、ビット 4
●
p0826 [0...n] モータ切り替えモータ数
●
p0827 [0...n] モータ切り替えステータスワードビット数
●
p0828 [0...n] BI: モータ切り替えフィードバック
●
r0830.0...15 CO/BO: モータ切り替えステータスワード
●
p0831 [0...15] BI: モータ切り替えコンタクタフィードバック
●
p0833 データセット切り替え設定
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
アプリケーション
11.3 DMC20 を含むアプリケーション例
11.3
DMC20 を含むアプリケーション例
特徴
DRIVE-CLiQ ハブモジュールキャビネット 20 (DMC20) には、以下の特徴があります:
●
独自のドライブオブジェクト
●
6 つの DRIVE-CLiQ ポート
●
独自の故障とアラーム
代表的なアプリケーション:
●
DRIVE-CLiQ ケーブルを介した分散型トポロジーの実装
●
ホットプラグ (DRIVE-CLiQ 接続は動作中に取り外されます)
DME20
DME20 は、DMC20 と同じ機能を提供します。 但し、これは、制御盤外での取り付け
用のハウジング保護等級 IP67 であるという相違です。
説明
DRIVE-CLiQ ハブモジュールキャビネット 20 (DMC20/DME20) は DRIVE-CLiQ ケーブ
ルをスター結線で接続するために使用します。 DMC20 を使用すると、軸グループは、
サブグループ追加用の 4 DRIVE-CLiQ ソケットで拡張することができます。
コンポーネントは、特に、DRIVE-CLiQ ケーブル、つまり、データ交換処理を中断せず
に、DRIVE-CLiQ ノードをグループ内から取り除くことを要求するアプリケーションに
適しています。
例: 分散型構造
複数の直接距離測定システムが 1 台の機器で使用されます。 これらは制御盤で統合さ
れ、1 本の DRIVE-CLiQ ケーブルでコントロールユニットに接続されます。
DMC20 を使用する場合、最大 5 つの測定システムを組み合わせることができます。
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
813
アプリケーション
11.3 DMC20 を含むアプリケーション例
ነዐእዊዙወኊዀኰኪአእ
榊䄟孔函
ኦ዆ኁኳ
ኦ዆ኁኳ
ኦ዆ኁኳ
$FWLYH
/LQH
0RGXOH
6LQJOH
0RWRU
0RGXOH
6LQJOH
0RWRU
0RGXOH
6LQJOH
0RWRU
0RGXOH
;
;
;
;
;
;
;
;
;
;
;
;
;
;
;
&8
;
ነዐእዊዙወኊዀኰኪአእᇬ
ኻኔዐ⌃
'0&
;
0
;
;
;
;
;
60&
60&
60&
;
;
;
;
60(
0
'5,9(&/L4
ኅዐነዙኝ
図 11-4
DMC20 を使用した分散型トポロジーの例
例: ホットプラグ
ホットプラグ機能を使用して、DRIVE-CLiQ ケーブル上で動作中のドライブ装置から
(その他のコンポーネントの操作を継続させながら) コンポーネントを取り外すことがで
きます。 これは、該当するドライブオブジェクトまたはコンポーネントの全てがあら
かじめパラメータ p0105 または STW2.7 を使用して、最初に無効化/パーキングされな
ければならないことを意味します。
以下の要求事項が満たさなければなりません:
ホットプラグは、ドライブオブジェクトがコントロールユニットまたは DRIVE-CLiQ
ハブ DMC20/DME20 に対してスター結線で接続されている場合のみ機能します。
システムは、その他の DRIVE-CLiQ コンポーネント間の DRIVE-CLiQ 接続の切り離し、
例えば、センサまたは増設 I/O モジュールでモータモジュールを、モータモジュールで
モータモジュールの取り外しをサポートしていません。
完全なドライブオブジェクト (モータモジュール、モータエンコーダ、センサモジュー
ル) は p0105 を介して無効化されます。
814
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
アプリケーション
11.3 DMC20 を含むアプリケーション例
STW2.7 を使用して、モータ制御 (モータモジュール、モータエンコーダ) に割り付ける
全てのコンポーネントに「軸のパーキング」機能が設定されます。 Encoder_2 または
Encoder_3 に属する全てのコンポーネントは有効のままです。 「軸のパーキング」機
能は、ZSW2.7 ビットをパルスブロックと組み合わせて、設定することでのみイネーブ
ルされます。
注記
セーフティ機能がイネーブルされたドライブを無効にしてはいけません。詳細は、
「Safety Integrated」の章を参照してください。
&8
$FWLYH
/LQH
0RGXOH
6LQJOH
0RWRU
0RGXOH
6LQJOH
0RWRU
0RGXOH
6LQJOH
0RWRU
0RGXOH
6LQJOH
0RWRU
0RGXOH
6LQJOH
0RWRU
0RGXOH
;
;
;
;
;
;
;
;
;
;
;
;
;
;
;
;
;
;
;
;
;
6LQJOH
0RWRU
0RGXOH
6LQJOH
0RWRU
0RGXOH
;
;
;
'0&
;
;
;
;
;
;
図 11-5
;
;
;
;
'5,9(&/L4
ベクトル V/f_control モードでのホットプラグ用トポロジーの例
注記
パワーユニットを DC リンクから切断して絶縁するには、DC リンク配線アダプタおよ
び DC リンク電源切断器を介した DC リンク配線などの追加手段を適用しなければなり
ません。 安全に関する情報および製品マニュアルの説明を十分に遵守しなければなり
ません。
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
815
アプリケーション
11.4 DCC 軸巻上げ機
STARTER によるオフライン試運転の指示
STARTER の自動オンラインコンフィグレーションで、DMC20 が検出され、トポロジ
ーに統合されます。 以下の手順でオフライン試運転を実施しなければなりません:
1. オフラインでドライブユニットをコンフィグレーション
2. [Topology] を右クリック -> [Insert New Object] -> [DRIVE-CLiQ Hub]
3. トポロジーをコンフィグレーション
主要パラメータ一覧 (『SINAMICS S120/S150 リストマニュアル』を参照)
11.4
●
p0105 ドライブオブジェクトを有効化/無効化
●
r0106 ドライブオブジェクトの有効/無効
●
p0897 BI: 軸のパーキングの選択
●
r0896.0 BO: 軸のパーキングのステータスワード
●
p0151 DRIVE-CLiQ ハブコンポーネント番号
●
p0154 LED を使用した DRIVE-CLiQ ハブの定数測定
●
p0157 DRIVE-CLiQ ハブ EPROM データバージョン
●
p0158 DRIVE-CLiQ ハブファームウェアバージョン
DCC 軸巻上げ機
「DCC 軸ワインダ」機能は、ワインダのさまざまな用途に対応しています。
適切なデバイスコンフィグレーションで、この機能によって、ワインダまたはアンワイ
ンダを多くの用途用にコンフィグレーションできます。その例として、フィルム製造プ
ラント、印刷機、コーティングプラント、伸線機のコイルワインダまたは織機がありま
す。
一般的に軸ワインダソリューションは、ワインダドライブ、連続ウェブと、場合によっ
てはセンサで構成されます。 軸ワインダは、定義された張力での連続ウェブの巻き取
りまたは巻き戻しのために使用されます。 巻き上げられるロールの直径は、巻き上げ
処理中に変化します。 製品の厚さは、巻き上げまたは巻き戻しプロセス中に増減しま
す。 ドライブシステムでは、用途に応じ、システム変数を基に現在の直径を計算し、
速度やトルクに作用させ、ウェブの張力または速度が指定どおりに維持されるようにし
ます。 これには、ウェブの現在の速度とワインダ軸の回転速度が必要とされます。
816
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
アプリケーション
11.4 DCC 軸巻上げ機
特徴
●
速度補正またはトルクリミットおよび間接的な閉ループ張力制御による直接的な閉
ループ張力制御などの、
様々な巻き上げおよび制御方法を適用することができます。
●
閉ループ制御は、「トルクリミットに基づく張力コントローラ」または「速度設定
値に基づく張力コントローラ」
により実装できます。
●
直径または慣性に基づく張力コントローラおよび速度コントローラゲインの調整
●
直径ベースの巻き取り強度特性
●
直径の計算
●
加速ベースのトルクプリコントロール
●
フレキシブルなセンサ処理 (例: ダンサロール、ロードセル)
注記
DCC 軸ワインダ向け標準アプリケーションの取扱説明書は、SIEMENS 取扱店の担
当者にお問い合わせの上、入手していただけます。
ファンクションブロック
「DCC 軸ワインダ」機能には、次の DCB (ドライブ制御ブロック - ドライブ制御用フ
ァンクションブロック) が含まれます:
注記
ファンクションブロックの詳細情報は、『SINAMICS SIMOTION Function Manual
DCC Block Description』および『SINAMICS SIMOTION Programming manual DCC
Editor』を参照してください。
1. TTCU ブロック: 巻き取り強度特性
このブロックは、実際の直径に対する張力設定値の定義に使用されます。 この設定
値は、選択可能な特性曲線に基づいて補正されます。
2. DCA ブロック: 直径計算機
DCA (直径計算機) は、軌道速度およびモータの速度に基づいて、巻かれているロー
ルの実際の直径を決定するために使用されます。 計算された直径は、その妥当性が
確認されます。
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
817
アプリケーション
11.4 DCC 軸巻上げ機
3. INCO ブロック: トルクのプリコントロールのイナーシャをダイナミック計算、速度
コントローラの Kp 補正
(図「軸ワインダのセットアップ」を、略称はブロックの説明を参照)。
ブロックで、モータ側に適用される巻き取りロールの質量慣性モーメントが計算さ
れます。 (DCA からの) 直径に加えて、ブロックにはワインダおよび巻線製品の形状
および物質特性に関する情報も含まれます。
モータ側に適用される静的な質量慣性モーメントは、パラメータ r1493 を介して
DCC ブロックに渡されます。 この結果は、スケーリング用パラメータ p1497 (静的
慣性モーメント) を介して基本システムにフィードバックされます。
DEN
DMIN ነቿ䦃㈓
SCL
侯㧟⹕ㄵኖ኎ዙ዇ዐኍ
D ⸮椪ቑ䦃㈓
V
侯㧟抮ㄵ
OFS
⦉⸩㏲㊶኿ዙኾዐእ
W 侯㧟ピ
n2
DMAX
㦏⮶り偩㈓
n1: ኿ዙኜ抮ㄵ
ኋቿኹአኌኖኳዊአኌ
Mb
n2: ዌኁዐኝ抮ㄵ
M b: ┯抮እወኌᇬ኿ዙኜ⌃
GF = n1/n2
図 11-6
n1: ኿ዙኜ抮ㄵ
ኋቿኹአኌኖ㹣
軸ワインダのセットアップ
動作原理
連続ウェブの張力を一定に維持するために、ドライブトルクは、巻き取りロールが大き
くなると直線的に大きくなり、その直径が小さくなると直線的に小さくなります。
巻き取られる素材を保護するために、巻き取りロールが大きくなるにつれて、特性に従
って張力が低減されます。
連続的に変化する慣性モーメントを計算することで、ワインダの速度が一定して増減す
る間にトルクプリコントロールが可能になります。
エンコーダを使用して、ワインダの速度制御操作が可能になります。 張力トルクリミ
ット用の 2 つのスケーリングパラメータ p1552 および p1554 を使用し (トルクリミッ
トを参照)、張力トルクを制御することで、ワインダをエンコーダなしで操作できます。
818
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
アプリケーション
11.4 DCC 軸巻上げ機
トルクプリコントロールの慣性モーメントの計算
以下のファンクションダイアグラムセクションは、エンコーダ付き [5042] / エンコーダ
なし [5210] のサーボ制御の計算の流れを示しています:
┯抮䆣並
ኅዐነዙኝⅧሰኒዙኹ>@
ኅዐነዙኝቍሺኒዙኹ>@
dn/dt
弯嘆ቑ㏲㊶኿ዙኾዐእ
>NJP@
S
+
0BSUHFRQWUROB
>@
r1493
+
኿ዙኜቑ㏲㊶0BPRP
>NJP@
S
p1497
1
኿ዙኜቑ㏲㊶኿ዙኾዐእ
>@
S
図 11-7
サーボ制御でのトルクプリコントロール
以下のファンクションダイアグラムは、ベクトル制御 [6031] の計算の流れを示してい
ます:
0BSUHFRQWUROB
>@
┯抮䆣並
኶ኌእወ
>@
dn/dt
DBSUHኖ኎ዙ዇ዐኍ
S
p1497
1
኿ዙኜቑ㏲㊶0BPRP
>NJP@
S
r1493
DBSUHኖ኎ዙ዇ዐኍ
S
኿ዙኜቑ㏲㊶኿ዙኾዐእ
>@
S
図 11-8
ベクトル制御でのトルクプリコントロール
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
819
アプリケーション
11.4 DCC 軸巻上げ機
ダイナミックな速度制限のある速度コントローラ出力の制限
0BPD[XSSHUHII
r1538
0BPD[XSSHUWRWDO
r1534
0BPD[ZRRIIVFDO
p1552
0BOLPYDUIL[HG6BVUF
√
1
2))㦘╈ p1551
r0899.5
0
抌┯እወኌ
ሮቬቑእወኌ
[5060 .7]
抮ㄵነዐእዊዙ዆
ሮቬቑእወኌ
0BOLQⓜቑ0BVHW
[5060 .4]
0BPD[ORZHUWRWDO
+
r1509
[5610.3]
r1535
1
0BPD[ORZRIIVFDO
p1554
0
[5060 .7]
እወኌኴ዇ነዐእዊዙወ
ሮቬቑእወኌ
0BPD[ORZHUHII
r1539
図 11-9
ダイナミック速度制限 (SERVO の例) による速度コントローラ出力の制限。
VECTOR アプリケーションの 6060 参照
張力コントローラによるトルクリミットの補正
この方法は、ワインダのアプリケーションで、ウェブが破損した場合にワインダが外れ
ないようにするために使用されます。
この目的のために、ドライブは過変調速度コントローラで運転することができます。
これにより、速度設定値は、直径に対して計算されます (「DCA ブロック」参照)。 張
力コントローラの制御信号は、トルクリミットに設定されます。 つまり、通常運転で、
ドライブはトルクリミットで動作するということです。 ウェブが破損した場合、これ
により張力コントローラがアクティブにトルクを生成するのを防止されます。 ワイン
ダの速度は、速度設定値によって制限されます。
ファンクションダイアグラム (『SINAMICS S120/S150 リストマニュアル』を参照)
●
5042 サーボ制御、速度コントローラ、トルク/エンコーダによる速度プリコントロ
ール
820
●
5060 サーボ制御、トルク設定値
●
5210 サーボ制御、エンコーダなしの速度コントローラ
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
アプリケーション
11.5 電源装置制御のないコントロールユニット
●
5610 トルクリミット/低減/インタポレータ
●
5620 力行/回生トルクリミット
●
6031 ベクトル制御、プリコントロールバランス
●
6060 サーボ制御、トルク設定値
主要パラメータ一覧 (『SINAMICS S120/S150 リストマニュアル』を参照)
11.5
●
p0341[0...n] モータの慣性モーメント
●
p0342[0...n] 慣性モーメントの合計とモータの慣性モーメントの合計との比
●
p1455[0...n] CI:速度コントローラ、P ゲイン補正信号
●
r1493 CO:慣性モーメント、合計
●
p1496[0...n] 加速プリコントロールスケーリング
●
p1497[0...n] CI:慣性モーメントスケーリング
●
p1498[0...n] 負荷慣性モーメント
●
p1551[0...n] BI: トルクリミット、可変/固定信号ソース
●
p1552[0...n] CI: トルクリミット、オフセットなしの上側スケーリング
●
p1554[0...n] CI: トルクリミット、オフセットなしの下側スケーリング
電源装置制御のないコントロールユニット
ドライブ装置が十分に機能するように、ドライブが電源装置の動作時に DC リンクから
のみ電力を引き込むように特に注意しなければなりません。 1 台のコントロールユニッ
トのみにより制御され、ドライブオブジェクト X_INF1) を含む DC リンクシステムでは、
BICO 接続 p0864 = p0863.0 が試運転中に自動的に確立されます。
以下のような場合、BICO 入力 p0864 が手動で提供されなければなりません:
●
DRIVE-CLiQ なしスマートラインモジュール (5 kW および 10 kW)
●
複数のコントロールユニットを備える DC リンクシステム
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
821
アプリケーション
11.5 電源装置制御のないコントロールユニット
例: 「電源装置準備完了」を接続
DRIVE-CLiQ なしスマートラインモジュール (5 kW および 10 kW)
6PDUW/LQH0RGXOH
&RQWURO8QLW
>@
U
',
;
5HDG\
;
ದ
ኦ዆ኁኳ
S
U >@
ኦ዆ኁኳ
S
U
>@
>[[[[@ኲቾዐኌኔዄዐኝኁቿኍ዆ኽ䟹⚆
図 11-10
例: DRIVE-CLiQ なしスマートラインモジュールを接続
複数のコントロールユニットを備える DC リンクシステム
以下の例では、同じ DC リンクに接続された 2 台のコントロールユニットドライブ。
「電源装置での運転」信号のソースは、デジタル入力の場合もあります。
','2
;
&RQWURO8QLW
S U
>@
>@
U
$FWLYH,QIHHG0RGXO
>@
','2
;
U
>@
&RQWURO8QLW
ದ
ኦ዆ኁኳ
S U
>@
ኦ዆ኁኳ
>[[[[@ኲቾዐኌኔዄዐኝኁቿኍ዆ኽ䟹⚆
図 11-11
例: 複数のコントロールユニットとの接続
1) X_INF は、全てのドライブオブジェクト「電源装置」を示します; つまり: A_INF、
B_INF、S_INF
822
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
アプリケーション
11.6 用途: 電源の故障による緊急停止および/または緊急停止(サーボ)
主要パラメータ一覧 (『SINAMICS S120/S150 リストマニュアル』を参照)
11.6
●
r0722 CO/BO:CU デジタル入力、ステータス
●
r0863.0...2 CO/BO:ドライブカップリングのステータスワード/コントロールワード
●
p0864 BI: 電源装置運転
用途: 電源の故障による緊急停止および/または緊急停止(サーボ)
ドライブシステムは、一般的に、制御電源モジュールおよびブレーキモジュールが使用
されても、OFF2 を伴う電源故障時に応答します。 つまり、接続されたモータがフリー
ラン停止するということです。 制御電源モジュールは、電源システムまたは DC リン
クを介して制御回路に電源を供給します。 このような方法で、DC リンク電圧があれば
停電が発生した場合でも制御動作が可能になります。 以下のセクションでは、停電が
発生した場合に全てのドライブで急停止 (OFF3) を行う方法を説明します。
/
/
/
3(
/
/ Ⅵቑ弯嘆
/
3(
榊䄟拽㠼⣷
䆞㾸榊㿐
≬帆孔函ኇኴኔዄ
ዐ
ᨺQ♿ቑ኿ዙኜ኿ንዂዙወ
0
,!
,!
,!
'&3
'&1
ኯዂዙኗ
ኒዙኊአእ
ኳዉዙኈ
዆ኁዐ
'2 ነዐኜኌ
&8 ኜኇኴ
'&9
/LQH
0RGXOH
0RWRU
0RGXOHV
ኔዄዐ
0
0
'&3
'&1
'&3
'&1
&RQWURO
6XSSO\
0RGXOHV
%UDNLQJ
0RGXOH
;
5
5
;
',
&8
',ᇬኳዉዙኊ኿ንዂዙወት䰐㷱
(0&㖖ⅳ拸⚗ኲ
ኀወኜ
Ⓟ╤㕄㔦⣷
/('
V
'2ᇬ9 ኴ዇ቿ዆ዙኽ,Wᇫ榊䄟拽㠼
'2ᇬ
ᇷ9ᇸ 㟔椫ኳዉನኊ
኿ንዂዙወ䰐㷱
㘴⦿
5($'<
'&/,1.
$&዇ቿኌእወ
;
8
9
:
8
9
:
8
9
:
㘴⦿
;
8
9
:
図 11-12
例: 停電または非常停止による急停止の接続
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
823
アプリケーション
11.6 用途: 電源の故障による緊急停止および/または緊急停止(サーボ)
上記のコンポーネントの配線に加え、停電があった場合に急停止を行うドライブオブジ
ェクトがそれぞれパラメータ設定される必要があります。 パラメータ設定が実行され
ない場合で、DC リンクの不足電圧が特定された場合には、ドライブはフリーラン停止
します (OFF2)。 OFF3 機能 (急停止) を搭載するには、以下のパラメータが設定される
必要があります:
●
p1240 = 5 (Vdc_min 監視を有効化)
常に有効な DC リンクの監視に加えて、別の可変アラームスレッシホールドを有効
にします。これは p1248 の低電圧シャットダウンスレッシホールドの 360 V +/2 %
より上の値に設定するようにしてください。
●
p1248 ≤ 570 V (アクティブラインモジュールの場合)
p1248 ≤ 510 V (スマートラインモジュールの場合)
このアラームレベル (単位ボルト) は、設定された値を下回ったことを示します。 こ
のスレッシホールドに到達した場合、故障 F07403 がトリガされます。
●
p2100.0 = 7403
ここで、故障 F07403 への応答を変更します。
●
824
p2101.0 = 3 (OFF3) は p2100.0 で入力された故障に応答します
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
12
ドライブシステムに関する基礎知識
12.1
パラメータ
パラメータは、以下の設定パラメータと表示パラメータが使用可能です:
●
設定パラメータ (書き込み/読み出し)
このタイプのパラメータは、機能の動作に直接影響します。
例: ランプアップファンクションジェネレータの立ち上がり/立ち下がり時間
●
表示パラメータ (読み出しのみ)
これらのパラメータは内部変数を表示するために使用されます。
例: モータ電流実績値
ኮ዆ኾዙኜ
崼ቢ♥ቭU
%,&2⒉┪
図 12-1
抩デ
崼ቢ♥ቭኮ዆ኾዙኜ
崼ቢ♥ቭ㦇ሰ手ቢS
%,&2⏴┪
抩デ
崼ቢ♥ቭ㦇ሰ手ቢኮ዆ኾዙኜ
パラメータタイプ
これら全てのインバータパラメータは PROFIdrive プロファイルで定義されたメカニズ
ムによって、PROFIBUS 経由で読み出し、p パラメータで変更することができます。
パラメータカテゴリー
個々のドライブオブジェクトのパラメータは、以下のようにデータセットで分類されま
す:
●
データセットに依存しないパラメータ
これらパラメータはドライブオブジェクトあたり一度のみ存在します。
●
データセットに依存するパラメータ
これらのパラメータは各ドライブオブジェクトに対して複数回存在することが可能
で、パラメータインデックスを介して読み取りおよび書き込みを行うことができま
す。 様々なタイプのデータセットで区別が行われます:
– CDS: コマンドデータセット
複数のコマンドデータセットを定数設定し、それらを切り替えることで、事前に
設定した各種信号ソースでドライブを運転することができます。
– DDS: ドライブデータセット
ドライブデータセットには、ドライブ制御に関する各種設定を切り替えるための
パラメータが含まれています。
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
825
ドライブシステムに関する基礎知識
12.1 パラメータ
CDS と DDS は、通常運転中に切り替えることができます。 他のタイプのデータセッ
トもありますが、これらは DDS の切り替えによって間接的にのみ有効化できます。
●
EDS エンコーダデータセット
●
MDS モータデータセット
⬦岼,2኿ንዂዙወ
ኇኴኔዄዐኈዙኦ
榊䄟孔函
ኦ዆ኁኳQ
ኦ዆ኁኳ
ኦ዆ኁኳ
ኤዙኜኘአእ቎∬ⷧሺቍሧኮ዆ኾዙኜ
ኦ዆ኁኳኮ዆ኾዙኜ
&'6ነኻዐኦኤዙኜኘአእ
''6'ULYH'DWD6HW
኿ዙኜ指㔭
ኅዐነዙኝ指㔭
ኅዐነዙኝ指㔭
ኅዐነዙኝ指㔭
('6ኅዐነዙኝኤዙኜኘአእ
0'6኿ዙኜኤዙኜኘአእ
図 12-2
826
パラメータカテゴリー
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
ドライブシステムに関する基礎知識
12.1 パラメータ
不揮発性メモリへのパラメータの保存
変更されたパラメータ値は、揮発性の RAM に保存されます。 ドライブシステムをスイ
ッチ「切」にすると、これらのデータは失われます。
以下の説明に従ってデータをメモリカードに永久的に保存し、次回ドライブのスイッチ
を「入」にした時に使用できるようにしなければなりません。
●
パラメータを保存 - デバイスおよび全てのドライブ
p0977 = 1; 自動的に 0 にリセットされます。
●
STARTER でのパラメータ保存
[Copy RAM to ROM] 機能を参照
パラメータのリセット
以下の手順で、パラメータを出荷時設定にリセットすることができます:
●
パラメータのリセット - 現在のドライブオブジェクト
p0970 = 1; 自動的に 0 にリセットされます。
●
パラメータリセット - ドライブオブジェクト「コントロールユニット」 (CU_*) の全
てのパラメータ
p0009 = 30 パラメータリセット
p0976 = 1; 自動的に 0 にリセットされます
アクセスレベル
パラメータはアクセスレベルに下位区分されます。 パラメータの表示、および変更が
可能なアクセスレベルが『SINAMICS S120/S150 リストマニュアル』で指定されてい
ます。 必要なアクセスレベル 0 ~ 4 は p0003 で設定できます。
表 12- 1
アクセスレベル
アクセスレベル
備考
0 ユーザ定義
ユーザ定義リストのパラメータ (p0013)
1 標準
最も単純なオペレータ機能のパラメータ (例: p1120 = ランプフ
ァンクションジェネレータの立ち上がり時間)
2 拡張
デバイスの基本機能を操作するためのパラメータ
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
827
ドライブシステムに関する基礎知識
12.2 データセット
アクセスレベル
3 エキスパート
備考
このパラメータに関しては、専門知識が要求されます (例: BICO
パラメータ設定に関する知識)。
4 サービス
アクセスレベル 4 (サービス) のパラメータのパスワードを入手
するには、お近くのシーメンス取扱店にお問い合わせくださ
い。 パスワードをパラメータ p3950 に入力しなければなりませ
ん。
注記
パラメータ p0003 は、CU 専用 (コントロールユニットに属する) です。
12.2
データセット
12.2.1
CDS:コマンドデータセット
BICO パラメータ (バイネクタおよびコネクタ入力) は、コマンドデータセット (CDS)
で組み合わされています。 これらのパラメータは、ドライブの信号ソースを接続する
ために使用されます。
複数のコマンドデータセットを定数設定し、それらを切り替えることで、事前に設定し
た各種信号ソースでドライブを運転することができます。
コマンドデータセットには以下 (例) が含まれます:
●
制御コマンドのバイネクタ入力 (デジタル信号)
– ON/OFF、イネーブル信号 (p0844、など.)
– ジョグ (p1055、など)
●
設定値用コネクタ入力 (アナログ入力)
– V/f 制御用の電圧設定値 (p1330)
– トルクリミットおよびスケーリング係数 (p1522、p1523、p1528、p1529)
ドライブオブジェクトは – タイプに依存して – 最大 4 つのコマンドデータセットを管
理することができます。 コマンドセータセットの数は、p0170 でコンフィグレーショ
ンされます。
828
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
ドライブシステムに関する基礎知識
12.2 データセット
以下のパラメータは、コマンドデータセットの選択および現在選択されているコマンド
データセットの表示 - 例えば、ベクトルモードで、に使用することができます:
バイネクタ入力 p0810 ~ p0811 は、コマンドデータセットの選択に使用されます。 こ
れらは、コマンドデータセットの数 (0 ~ 3) をバイナリ形式で表したものです (p0811
が最上位ビット)。
●
p0810 BI: コマンドデータセット選択 CDS ビット 0
●
p0811 BI: コマンドデータセット選択 CDS ビット 1
存在しないコマンドデータセットが選択されると、現在のデータセットが有効のままに
なります。 選択されたデータセットがパラメータ (r0836) を使用して表示されます。
例: コマンドデータセット 0 および 1 間の切り替え
&'6
S
U U &'6指㔭䂗
S
S
S
&'6㦘╈
W
⒖ቭ㦎ራ㣑栢
U U W
図 12-3
12.2.2
コマンドデータセットの切り替え (例)
DDS:ドライブデータセット
ドライブデータセット (DDS) には、開ループおよび閉ループドライブ制御に関連する
様々な設定パラメータが含まれています:
●
モータデータセットおよびエンコーダデータセット数:
– p0186: 割り付けられたモータデータセット (MDS)
– p0187 ~ p0189: 最大 3 つの割り付けされたエンコーダデータセット (EDS)
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
829
ドライブシステムに関する基礎知識
12.2 データセット
●
様々な制御パラメータ、例:
– 固定速度設定値 (p1001 ~ p1015)
– 速度リミット最小値/最大値 (p1080、 p1082)
– ランプファンクションジェネレータの特性データ (p1120 ff)
– コントローラの特性データ (p1240 ff)
– ...
ドライブデータセットにグループ化されているパラメータは、『SINAMICS S リストマ
ニュアル』の「データセット DDS」で特定され、インデックス [0...n] が割り付けられ
ます。
複数のドライブデータセットがパラメータ設定できます。 該当するドライブデータセ
ットを選択することで、異なるドライブコンフィグレーション (コントロールモード、
モータ、エンコーダ) を容易に切り替えることができます。
1 つのドライブオブジェクトで、最大 32 個のドライブデータセットを管理することが
できます。 ドライブデータセット数は、p0180 でコンフィグレーションされます。
バイネクタ入力 p0820 ~ p0824 は、ドライブデータセットの選択に使用されます。 こ
れらは、ドライブデータセット数 (0 ~ 31) をバイナリ形式で表したものです (p0824 が
最上位ビット)。
●
p0820 BI: ドライブデータセット選択 DDS、ビット 0
●
p0821 BI: ドライブデータセット選択 DDS、ビット 1
●
p0822 BI: ドライブデータセット選択 DDS、ビット 2
●
p0823 BI: ドライブデータセット選択 DDS、ビット 3
●
p0824 BI: ドライブデータセット選択 DDS、ビット 4
補足条件および推奨
●
1 つのドライブに対するドライブデータセット数の推奨
1 つのドライブ用のドライブデータセット数は、切り替え操作に一致するようにし
てください。 従って、以下の式が適用されます:
p0180 (DDS) ≥ max. (p0120 (PDS)、p0130 (MDS))
●
830
1 つのドライブオブジェクトに対する DDS 最大数 = 32 DDS
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
ドライブシステムに関する基礎知識
12.2 データセット
12.2.3
EDS:エンコーダデータセット
エンコーダデータセット (EDS) には、ドライブのコンフィグレーションに関する、接
続されたエンコーダの様々な設定パラメータが含まれています: 例:
●
エンコーダインターフェースのコンポーネント番号 (p0141)
●
エンコーダコンポーネント番号 (p0142)
●
エンコーダタイプの選択 (p0400)
エンコーダデータセットにグループ化されているパラメータは、パラメータリストで
「データセット EDS」で特定され、インデックス [0...n] が割り付けられます。
コントロールユニットによって制御されるそれぞれのエンコーダに対して、エンコーダ
データセットが必要です。 パラメータ p0187、p0188、および p0189 を介して、最大
3 個のエンコーダデータセットが割り付けられます。
DDS 切り替えを使用してのみ、エンコーダデータセットを切り替えることができます。
パルスブロックなしのエンコーダデータセット切り替え (モータは給電中) は、補正さ
れたエンコーダでのみ実行可能です (磁極位置定数測定が実行されるか、絶対値エンコ
ーダに対して決定された転流角)。
ドライブ内で、それぞれのエンコーダは、常にそれぞれのドライブデータセットでエン
コーダ 1、エンコーダ 2 またはエンコーダ 3 でなければなりません。
EDS 切り替えアプリケーションの 1 つとして、複数のモータが交流で動作するために
のパワーユニットの使用が考えられます。 コンタクタを切り替え、パワーユニットが
別のモータに接続できるようにします。 各モータはエンコーダを取り付けることも、
エンコーダなしで運転することもできます。 各エンコーダは、それ自体の SMx に接続
されなければなりません。
DDS を切り替えてエンコーダ 1 (p0187) を切り替える場合、MDS も切り替えなければ
なりません。
注記
複数のエンコーダ間の切り替え
EDS 切り替え機能を使用して複数缶のエンコーダを切り替えることができるように、
これらのエンコーダを様々なセンサモジュールまたは DRIVE-CLiQ ポートを介して接
続しなければなりません。
複数のエンコーダに同じ接続を使用する際、同じ EDS および同じエンコーダシステム
が使用されなければなりません。 この場合、アナログ側 (例: SMC の) 切り替えが推奨
されます。 A switchover on the DRIVE-CLiQ 側での切り替えは、DRIVE-CLiQ 通信を
確立するための許容される挿入サイクルおよび長めの時間のために、ある制限つきで許
容されます。
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
831
ドライブシステムに関する基礎知識
12.2 データセット
モータがあるときにはエンコーダ 1 で、別の場合にはエンコーダ 2 で運転される場合、
2 つの異なる MDS が同一のモータデータで作成されなければなりません。
1 つのドライブオブジェクトで、最大 16 のエンコーダデータセットを管理できます。
コンフィグレーション済みのエンコーダデータセット数は、p0140 で指定されます。
ドライブセットが選択される際に、割り付けられたエンコーダデータセットも選択され
ます。
通知
セーフティモードでの EDS
セーフティ機能のために使用されるエンコーダは、データセットが切り替えられる際
に、変更してはいけません。 セーフティ機能は、セーフティ関連のエンコーダデータ
を、データセット切り替え後に確認します: 変更が検出されると、故障 F01670 が故障
値 10 で表示されます。これは確認できない STOP A に至ります。
従って、様々なデータセット内のセーフティ関連のエンコーダデータは同一でなけれ
ばなりません。
12.2.4
MDS:モータデータセット
モータデータセット (MDS) には、ドライブのコンフィグレーションに関する、接続さ
れたモータの様々な設定パラメータが含まれています: これには、特定の表示パラメー
タと計算データも含まれます。
●
設定パラメータ、例:
– モータのコンポーネント番号 (p0131)
– モータタイプの選択 (p0300)
– 定格モータデータ (p0304 ff)
– ...
●
表示パラメータ、例:
– 計算された定格データ (p0330 ff.)
– ...
モータデータセットにグループ化されているパラメータは、『SINAMCS S120/S150 リ
ストマニュアル』の「データセット MDS」で特定され、インデックス [0...n] が割り付
けられています。
832
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
ドライブシステムに関する基礎知識
12.2 データセット
モータモジュールを介してコントロールユニットで制御される各モータのために、個別
のモータデータセットが要求されます。 モータデータセットは、パラメータ p0186 で
ドライブデータセットに割り付けられます。
モータデータセットは、DDS を切り替えることによってのみ変更できます。 モータデ
ータセットの切り替えは、以下のような場合に使用されます:
●
異なるモータの切り替え
●
1 つのモータでの異なる結線への切り替え (例: スター/デルタの切り替え)
●
モータデータの補正
1 台のモータモジュールで複数のモータを交互に駆動する場合、モータ台数と同じ数の
ドライブデータセットを作成しなければなりません。 モータ切り替えについての詳細
は、この説明書の「モータ切り替え」章を参照してください。
1 ドライブオブジェクトで、最大 16 のモータデータセットが管理できます。 p0130 で
設定するモータデータセット数は、p0180 のドライブデータセット数を超えてはいけま
せん。
611U インターフェースモード (p2038 = 1) の場合、ドライブデータセットは 8 個ずつ
のグループ (1 ~ 8 ; 9 ~ 16; ...) に分割されます。 グループ内では、モータデータセッ
トへの割り付けは同一でなければなりません:
p0186[0] = p0186[1] = ... = p0186[7]
p0186[8] = p0186[9] = ... = p0186[15]
p0186[16] = p0186[17] = ... = p0186[23]
p0186[24] = p0186[25] = ... = p0186[31]
この規則が遵守されない場合、アラーム A07514 が出力されます。 611U のデータセッ
ト構造を正確に表示したい場合は、32 個のドライブデータセットと 4 個のモータデー
タセットがコンフィグレーションされなければなりません。
ドライブ機能
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833
ドライブシステムに関する基礎知識
12.2 データセット
データセットの割り付け例
表 12- 2
DDS
12.2.5
例、データセットの割り付け
モータ
(p0186)
エンコーダ 1
(p0187)
エンコーダ 2
(p0188)
エンコーダ 3
(p0189)
DDS 0
MDS 0
EDS 0
EDS 1
EDS 2
DDS 1
MDS 0
EDS 0
EDS 3
-
DDS 2
MDS 0
EDS 0
EDS 4
EDS 5
DDS 3
MDS 1
EDS 6
-
-
ファンクションダイアグラムおよびパラメータ
ファンクションダイアグラム (『SINAMICS S120/S150 リストマニュアル』を参照)
●
8560 コマンドデータセット (CDS)
●
8565 ドライブデータセット (DDS)
●
8570 エンコーダデータセット (EDS)
●
8575 モータデータセット (MDS)
主要パラメータ一覧 (『SINAMICS S120/S150 リストマニュアル』を参照)
834
●
p0120 パワーモジュールデータセット (PDS) 数
●
p0130 モータデータセット (MDS) 数
●
p0139 モータデータセット (MDS) のコピー
●
p0140 エンコーダデータセット (EDS) 数
●
p0170 コマンドデータセット (CDS) 数
●
p0180 ドライブデータセット (DDS) 数
●
p0186 モータデータセット (MDS) 数
●
p0187 エンコーダ 1 エンコーダデータセット数
●
p0188 エンコーダ 2 エンコーダデータセット数
●
p0189 エンコーダ 3 エンコーダデータセット数
ドライブ機能
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ドライブシステムに関する基礎知識
12.3 ドライブオブジェクト
12.3
●
p0809 コマンドデータセット (CDS) のコピー
●
p0810 BI: コマンドデータセット選択 CDS ビット 0
●
p0811 BI: コマンドデータセット選択 CDS ビット 1
●
p0812 BI: コマンドデータセット選択 CDS ビット 2
●
p0813 BI: コマンドデータセット選択 CDS ビット 3
●
p0819[0...2] ドライブデータセット (DDS) のコピー
●
p0820 BI:ドライブデータセット選択 DDS、ビット 0
●
p0821 BI:ドライブデータセット選択 DDS、ビット 1
●
p0822 BI:ドライブデータセット選択 DDS、ビット 2
●
p0823 BI:ドライブデータセット選択 DDS、ビット 3
●
p0824 BI: ドライブデータセット選択 DDS、ビット 4
ドライブオブジェクト
ドライブオブジェクト (DO)は、個別のパラメータと更には個別の故障、アラームを有
する「独立した」ソフトウェア機能です。 ドライブオブジェクトは標準での提供 (例:
入/出力の処理)、またはシングルオブジェクト (例: 増設 I/O カード) やマルチオブジェ
クト (例: ドライブコントロール) を追加することができます。
ኦ዆ኁኳኇኳንኄኌእ
&RQWURO8QLW
峤∰ኇዐ
ኹዙኦ,2
榊䄟孔函
Ⓟ㈰
ኦ዆ኁኳⓅ
㈰
ኦ዆ኁኳⓅ
㈰
⬦岼,2
ኈዙኦ峤
∰
⬦岼,2
኿ንዂዙወ
峤∰
⬦岼,2
኿ንዂዙወ
峤∰
7HUPLQDO
0RGXOH
7HUPLQDO
0RGXOH
7HUPLQDO
%RDUG
/LQH
0RGXOH
図 12-4
0RWRU
0RGXOH
0RWRU
0RGXOH
ドライブオブジェクト
ドライブ機能
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835
ドライブシステムに関する基礎知識
12.3 ドライブオブジェクト
ドライブオブジェクトの概要
●
ドライブ制御
ドライブコントロールはモータの閉ループ制御を処理します。 1 台以上のモータモ
ジュール、少なくとも 1 台以上のモータ、および 3 台までのセンサがドライブコン
トロールに割り付けられます。
様々なドライブ制御モジュールをコンフィグレーションすることができます (例: サ
ーボ制御、ベクトル制御、など)。
コントロールユニットの性能やドライブ制御システムの要求に応じて、複数のドラ
イブ制御をコンフィグレーションすることができます。
●
コントロールユニット、入/出力
コントロールユニットの入/出力は、ドライブオブジェクトで処理されます。 双方向
デジタル入/出力以外に、プローブの高速入力がここで処理されます。
●
ドライブオブジェクトの特徴
– 個別のパラメータスペース
– STARTER の個別のウィンドウ
– 個別の故障/アラームシステム
– プロセスデータのための個別の PROFIdrive テレグラム
●
電源: DRIVE–CLiQ インターフェース付きのラインモジュールの電源制御
ドライブシステムへの配電に DRIVE–CLiQ インターフェース付きアクティブライン
モジュールを使用している場合、該当するドライブオブジェクト内でコントロール
ユニットにて開ループ/閉ループ制御が行われます。
●
電源: DRIVE–CLiQ インターフェース付きのラインモジュールの電源制御
DRIVE–CLiQ インターフェースなしのラインモジュールをドライブシステムへの配
電に使用している場合、コントロールユニットが信号 (RESET、READY) の有効化
と処理を行わなければなりません。
●
オプションカードの評価
追加のドライブオブジェクトは、挿入されたオプションカードの評価を行います。
個別の運転方法は、オプションカードのタイプに依存します。
●
増設 I/O モジュール評価
弧熱のドライブオブジェクトがそれぞれのオプションの増設 I/O モジュールの評価
を行います。
836
ドライブ機能
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ドライブシステムに関する基礎知識
12.3 ドライブオブジェクト
●
外部 ENCODER を評価
専用のドライブオブジェクトが接続可能なオプションの追加エンコーダの評価を行
います。
注記
ドライブオブジェクト/ドライブオブジェクト
全てのドライブオブジェクトのリストは、『SINAMICS S120/150 リストマニュアル』
の「パラメータ一覧」章を参照してください。
ドライブオブジェクトをコンフィグレーション
コントロールユニットで処理される「ドライブオブジェクト」は、初回試運転中にパラ
メータをコンフィグレーションして STARTER にセットアップされます。 1 台のコン
トロールユニット中に多様なドライブオブジェクトを作成できます。
ドライブオブジェクトは、設定ファンクションブロックであり、個別のドライブ機能を
実行するために使用されます。
初回試運転後に追加のドライブオブジェクトを設定、または既存のドライブオブジェク
トを削除する必要がある場合、ドライブシステムをコンフィグレーションモードに切り
替えなければなりません。
ドライブオブジェクトのコンフィグレーションが完了し、コンフィグレーションモード
から定数設定モードに切り替えるまで、ドライブオブジェクトのパラメータにアクセス
できません。
注記
インストールされた各ドライブオブジェクトは、初回試運転中に一意的に識別するため
0 ~ 63 の数字が割り当てられます。
主要パラメータ一覧 (『SINAMICS S120/S150 リストマニュアル』を参照)
●
p0101 ドライブオブジェクト番号
●
r0102 ドライブオブジェクト数
●
p0107 ドライブオブジェクトタイプ
●
p0108[0...23] ドライブオブジェクトコンフィグレーション (「コントロールユニッ
ト」ドライブオブジェクトの場合のみ)
●
r0108 ドライブオブジェクトコンフィグレーション (他の全てのドライブオブジェク
ト)
ドライブ機能
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837
ドライブシステムに関する基礎知識
12.4 BICO テクノロジ: 信号の内部接続
12.4
BICO テクノロジ: 信号の内部接続
それぞれのドライブには、多くの接続可能な入力および出力変数および内部制御変数が
含まれます。
BICO テクノロジー (バイネクタコネクタテクノロジー) により、ドライブを広範な要件
に合わせて調整することができます。
BICO パラメータの要求に応じて接続できるデジタルおよびアナログ信号は、パラメー
タ名の接頭辞 BI、BO、CI または CO で特定されます。
これらのパラメータは、パラメータリストまたはファンクションダイアグラムで適宜特
定されます。
注記
STARTER 試運転ツールは、BICO テクノロジーを使用する際に推奨されます。
12.4.1
バイネクタ、コネクタ
バイネクタ、BI: バイネクタ入力、BO: バイネクタ出力
バイネクタは、0 または 1 の値を取る、単位がないデジタル (バイナリ) 信号です。
バイネクタには、バイネクタ入力 (信号シンク) とバイネクタ出力 (信号ソース) があり
ます。
表 12- 3
略称
BI
バイネクタ
シンボル
名称
説明
バイネクタ入力
ソースであるバイネクタ出力に内部接続
します。
(信号シンク)
パラメータ値にバイネクタ出力の番号を
入力しなければなりません。
BO
バイネクタ出力
バイネクタ入力のソースとして使用する
ことができます。
(信号ソース)
838
ドライブ機能
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ドライブシステムに関する基礎知識
12.4 BICO テクノロジ: 信号の内部接続
コネクタ、CI:コネクタ入力、CO:コネクタ出力
コネクタはデジタル信号 (例:32 ビット形式) です。 これは、ワード (16 ビット)、ダ
ブルワード (32 ビット)、またはアナログ信号のエミュレートに使用することができま
す。 コネクタにはコネクタ入力 (信号シンク) とコネクタ出力 (信号ソース) があります。
表 12- 4
略称
コネクタ
シンボル
CI
名称
コネクタ入力
説明
ソースであるコネクタ出力に内部接続し
ます。
(信号シンク)
パラメータ値にコネクタ出力の番号を入
力しなければなりません。
CO
コネクタ出力
コネクタ入力のソースとして使用するこ
とができます。
(信号ソース)
12.4.2
BICOテクノロジーを使用した信号の内部接続
2 つの信号を接続するには、BICO 入力パラメータ (信号シンク) が必要とされる BICO
出力パラメータ (信号ソース) に割り付けられなければなりません。
バイネクタ/コネクタ入力を、バイネクタ/コネクタ出力に接続するには、以下の情報が
要求されます:
●
バイネクタ: パラメータ番号、ビット番号、ドライブオブジェクト ID
●
インデックスなしのコネクタ: パラメータ番号およびドライブオブジェクト ID
●
インデックス付きコネクタ: パラメータ番号、インデックスおよびドライブオブジ
ェクト ID
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
839
ドライブシステムに関する基礎知識
12.4 BICO テクノロジ: 信号の内部接続
●
データタイプ (コネクタ出力パラメータの信号ソース)
%2ክኁኪኌኜ⒉┪
&2ነኪኌኜ⒉┪
≰⚆ኚዙኖ
%,ክኁኪኌኜ⏴┪
&,ነኪኌኜ⏴┪
≰⚆ኔዐኌ
%2
U
%,
S[[[[\
&2ኁዐኤአኌኖቍሺ
U
&,
S[[[[\
&2ኁዐኤአኌኖሥቭ
,QGH[ >@ U
>@ U
>@ U
>@ U
図 12-5
&,
S[[[[\
>@
BICO テクノロジーを使用した接続信号
注記
コネクタ入力 (CI) は、コネクタ出力 (CO、信号ソース) と接続できません。 同じこと
がバイネクタ入力 (BI) とバイネクタ出力 (BO) に適用されます。
それぞれの CI および BI パラメータで、パラメータリストは、「データタイプ」の下の
パラメータデータタイプに関する情報および BICO パラメータのデータタイプに関する
情報にあります。
CO パラメータおよび BO パラメータに関しては、BICO パラメータのデータタイプの
みが示されています。
注記:
データタイプ BICO 入力: データタイプパラメータ / データタイプ BICO パラメータ
例: 符号なし 32 ビット / 整数 16 ビット
データタイプ BICO 出力: データタイプ BICO パラメータ
例: FloatingPoint32
BICO 入力 (信号シンク) と BICO 出力 (信号ソース) 間で可能な接続は、以下の文書に
記載されています。
参照: 『SINAMICS S120/S150 リストマニュアル』
セクション「パラメータのリストの説明」内の表「BICO 接続の可能な組み合わせ」。
BICO パラメータは、複数のコマンドデータセット (CDS) で実装することができます。
データセットを切り替えることで、異なる接続が有効化されます。 複数のドライブオ
ブジェクト間での接続も可能です。
840
ドライブ機能
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ドライブシステムに関する基礎知識
12.4 BICO テクノロジ: 信号の内部接続
12.4.3
バイネクタ/コネクタ出力パラメータの内部コーディング
PROFIBUS 経由で BICO 入力パラメータを書き込むには、内部コードが必要です。
ኦ዆ኁኳ
ኇኳንኄኌእ
ኮ዆ኾዙኜ䟹⚆
%LW
ಹ
ಹ
ኁዐኤአኌኖ䟹⚆
ಹ
ኤክኁኖ√&8
䕻呹ቑኇኳንኄኌእ
≰⚆ኚዙኖቑ√
図 12-6
12.4.4
ELQ
GHF
ELQ
GHF
ELQ
GHF
()&KH[ದದ!&2>@
ELQ
ELQ
ELQ
KH[ದದ!)HVWHರರ
ELQ
ELQ
ELQ
KH[ದದ!)HVWHರರ
バイネクタ/コネクタ出力パラメータの内部コーディング
内部接続の例
例 1: デジタル信号の接続
ジョグ 1 およびジョグ 2 を使用してコントロールユニット上の端子 DI 0 および DI 1 を
介してドライブを運転したいと仮定します。
%2ክኁኪኌኜ⒉┪
≰⚆ኚዙኖ
%,ክኁኪኌኜ⏴┪
≰⚆ኔዐኌ
9
;
',
;
',
;
',
;
',
S&
U
S&
U
9
図 12-7
U
U
ንዄኍ
ንዄኍ
␔捷
S&
ንዄኍ
␔捷
S&
ንዄኍ
デジタル信号の接続 (例)
ドライブ機能
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841
ドライブシステムに関する基礎知識
12.4 BICO テクノロジ: 信号の内部接続
例 2: 複数のドライブへの OC/OFF3 の接続
OFF3 信号は、コントロールユニットの端子 DI 2 を介して 2 台のドライブに接続され
ます。
それぞれのドライブには、2 点のバイネクタ入力、「1st OFF3」と「2nd OFF3」があ
ります。 この 2 つの信号は、STW1.2 (OFF3) の AND ゲートを介して処理されます。
%2ክኁኪኌኜ⒉┪
≰⚆ኚዙኖ
%,ክኁኪኌኜ⏴┪
≰⚆ኔዐኌ
ኦ዆ኁኳ
9
;
',
S&
U
S&
2))
2))
2))
ኦ዆ኁኳ
S&
S&
図 12-8
12.4.5
2))
2))
2))
複数のドライブへの OFF3 の接続 (例)
BICOテクノロジ:
他のドライブへの BICO 内部接続
他のドライブへの BICO 内部接続には、以下のパラメータを使用します。
●
r9490 他のドライブへの BICO 内部接続数
●
r9491[0...15] 他のドライブへの BICO 内部接続の BI/CI
●
r9492[0...15] 他のドライブへの BICO 内部接続の BO/CO
●
p9493[0...15] 他のドライブへの BICO 内部接続のリセット
ドライブのコピー
ドライブをコピーする際は、内部接続もコピーされます。
842
ドライブ機能
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ドライブシステムに関する基礎知識
12.4 BICO テクノロジ: 信号の内部接続
バイネクタ/コネクタ変換器、コネクタ/バイネクタ変換器
バイネクタ-コネクタコンバータ
●
デジタル信号が 32 ビットのダブルワードまたは 16 ビットの 1 ワードに変換されま
す。
●
p2080[0...15] BI: PROFIdrive PZD 送信ビット
コネクタ-バイネクタコンバータ
●
32 ビットのダブルワードまたは 16 ビットの 1 ワードがデジタル信号に変換されま
す。
●
p2099[0...1] CI: PROFIdrive PZD 受信ビット選択
BICO テクノロジーを使用した固定値の内部接続
固定設定値の内部接続には、以下のコネクタ出力を使用します。
●
p2900[0...n] CO: 固定 value_%_1
●
p2901[0...n] CO: 固定 value_%_2
●
p2930[0...n] CO: 固定 value_M_1
例:
これらのパラメータは、メイン設定値のスケーリング係数の内部接続または補助トルク
の内部接続に使用します。
ドライブ機能
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843
ドライブシステムに関する基礎知識
12.4 BICO テクノロジ: 信号の内部接続
12.4.6
スケーリング
アナログ出力用信号
表 12- 5
アナログ出力用の信号リスト
信号
パラメータ
単位
スケーリング
(100 % = ...)
r0060
RPM
p2000
r0061
RPM
p2000
速度実績値
r0063
RPM
p2000
ドライブ出力周波数
r0066
Hz
基準周波数
電流実績絶対値
r0068
Aeff
p2002
DC リンク電圧実績値
r0070
V
p2001
トルク設定値の合計
r0079
Nm
p2003
有効電力実績値
r0082
kW
r2004
制御偏差
r0064
RPM
p2000
変調深さ
r0074
%
基準変調深さ
電流設定値、トルク生成
r0077
A
p2002
トルク実績値、トルク生成
r0078
A
p2002
磁束設定値
r0083
%
基準磁束
磁束実績値
r0084
%
基準磁束
速度コントローラ
r1480
Nm
p2003
r1482
Nm
p2003
設定値フィルタ前段の速度設定
値
速度実績値
モータエンコーダ
PI トルク出力
速度コントローラ
I トルク出力
スケーリングパラメータの変更 p2000 ~ p2007
注意
パー (/) 単位の表示が選択され、基準パラメータがそれにより変更された場合 (例:
p2000)、一部の制御パラメータの (/) 単位の表示は自動的に制御動作が変化しないよ
うに調整されます。
844
ドライブ機能
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ドライブシステムに関する基礎知識
12.4 BICO テクノロジ: 信号の内部接続
12.4.7
故障の伝搬
コントロールユニットへの故障の伝送
コントロールユニットドライブオブジェクトで故障がトリガされると、常にドライブユ
ニットの中枢機能が影響を受けることが想定されます。 このため、これらの故障は全
ての他のドライブオブジェクトにも伝送されます (伝搬)。 故障応答は、コントロール
ユニットドライブオブジェクトおよび全ての他のドライブオブジェクトに作用します。
この動作は、DCC ブロックにより、コントロールユニット上の DCC チャートで設定
される故障にも適用されます。
コントロールユニットから伝搬された故障は、この故障が伝送された全てのドライブオ
ブジェクトで確認されなければなりません。 このように、コントロールユニット上の
この故障は自動的に確認されます。 選択肢として、ドライブオブジェクトの故障はコ
ントロールユニット上でも確認できます。
アラームは、コントロールユニットから伝搬、つまり他のドライブオブジェクトに伝送
されません。
例
ドライブオブジェクトの故障はドライブにのみ伝送されます。つまり、TB30 の故障は
ドライブを停止させますが、ドライブの故障が TB30 を停止させることはありません。
BICO 接続による故障の伝送
複数のドライブオブジェクトが BICO 接続を介して接続される場合、コントロールユニ
ットタイプのドライブオブジェクト TB30、DMC20、DME20、全ての増設 I/O モジュ
ールまたは ENCODER DO の接続は、閉ループ制御機能、例えば、電源ユニットまた
はモータモジュールのドライブオブジェクトに伝送されます。 これら 2 つのドライブ
オブジェクトタイプのグループ内部では、故障は伝送されません。
この動作は、DCC STM を用いて上記のドライブオブジェクトタイプの DCC チャート
で設定した故障にも適用されます。
ドライブ機能
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845
ドライブシステムに関する基礎知識
12.5 入/出力
12.5
入/出力
以下のデジタル入/出力とアナログ入/出力が使用可能です:
表 12- 6
入/出力の概要
コンポーネント
デジタル
アナログ
入力
双方向の入/出力
出力
入力
出力
CU320-2
121)
82)
-
-
-
CU310-2
5+33)
8+13)
-
1
-
TB30
4
-
4
2
2
TM15DI_DO
-
24
-
-
-
TM31
8
4
-
2
2
4
-
1
-
リレー出力: 2
温度センサ入力: 1
TM41
4
インクリメンタルエンコーダのエミュレーション: 1
TM120
温度センサ入力: 4
1) 変数: 非絶縁または絶縁
2) そのうち 6 は「高速入力」
3) Safety Integrated 基本機能のための追加入力
注記
I/O のハードウェア特性の詳細については、以下の文書を参照してください:
『SINAMICS S120 製品マニュアルコントロールユニット』。
コンポーネントの全ての I/O の構造的関係とそのパラメータの詳細については、以下の
文書のファンクションダイアグラムを
参照してください。 『SINAMICS S120/S150 リストマニュアル』
846
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
ドライブシステムに関する基礎知識
12.5 入/出力
12.5.1
デジタル入/出力
デジタル入力を使用した信号処理は、以下のファンクションダイアグラムに示されます。
特徴
●
デジタル入力は「High active」です。
●
入力端子の開放時は、「Low」として解釈されます。
●
固定デバウンス設定
遅延時間 = 1 ~ 2 x 電流コントローラサイクル (p0115[0])
●
様々な接続で使用可能な入力信号
– バイネクタ出力として反転または非反転
– コネクタ出力として
●
シミュレーションモードの設定とパラメータ設定が可能
●
ブロックごとに絶縁、ジャンパで設定。
– ジャンパ「開」: 電気的絶縁。
基準電位に接続されている場合のみ、デジタル入力機能。
– ジャンパ閉、非フローティング。
デジタル入力の基準電位はコントロールユニットの接地です。
●
デジタル入/出力のサンプリング時間は調整可能です (p0799)
ファンクションダイアグラム (『SINAMICS S120/S150 リストマニュアル』を参照)
コントロールユニット 320-2:
●
2120 デジタル入力、電気的絶縁 (DI 0 ... DI 3)
●
2121 デジタル入力、電気的絶縁 (DI 4 ... DI 7)
TB30:
●
9100 デジタル入力、電気的絶縁 (DI 0 ... DI 3)
TM15:
●
9550 デジタル入力、電気的絶縁 (DI 0 ... DI 3)
●
9552 デジタル入力、電気的絶縁 (DI 4 ... DI 7)
TM41:
●
9660 デジタル入力、電気的絶縁 (DI 0 ... DI 3)
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
847
ドライブシステムに関する基礎知識
12.5 入/出力
コントロールユニット 310-2:
●
2020 – デジタル入力、電気的絶縁 (DI 0 … DI 3、DI 22)
●
2021 – デジタル入力、電気的絶縁 (DI 16 ... DI 21)
●
2030 - デジタル入/出力、双方向 (DI/DO 8 ... DI/DO 9)
●
2031 - デジタル入/出力、双方向 (DI/DO 10 ... DI/DO 11)
●
2032 - デジタル入/出力、双方向 (DI/DO 12 ... DI/DO 13)
●
2033 - デジタル入/出力、双方向 (DI/DO 14 ... DI/DO 15)
●
2038 – デジタル出力 (DO 16)
デジタル出力
デジタル出力を使用した信号処理は、以下のファンクションダイアグラムに示されます。
特徴
●
デジタル出力用に個別の電源を使用
●
出力信号ソースをパラメータで選択可能
●
パラメータの設定により信号の反転が可能
●
出力信号のステータスを表示可能
– バイネクタ出力として
– コネクタ出力として
注記
デジタル出力を機能させる前に、デジタル出力の制御電源が接続されなければなりませ
ん。
ファンクションダイアグラム (『SINAMICS S120/S150 リストマニュアル』を参照)
コントロールユニット CU310-2:
●
2038 – デジタル出力 (DO 16)
TB30:
●
9102 電気的絶縁デジタル出力 (DO 0 ~ DO 3)
TM31:
●
848
9556 デジタルリレー出力、電気的絶縁 (DO 0 および DO 1)
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
ドライブシステムに関する基礎知識
12.5 入/出力
双方向デジタル入/出力
双方向入/出力を使用した信号処理は、以下のファンクションダイアグラムに示されま
す。
特徴
●
デジタル入力またはデジタル出力として設定可能
●
デジタル入力として設定した場合:
– コントロールユニットに 6 点の「高速入力」
これらの入力をたとえば「瞬停再始動」に使用する場合「高速入力」となり、実
績値の保存時には、実質的に遅延時間がほとんどありません。
– 「純粋な」デジタル出力特性が適用されます。
●
デジタル出力として設定された場合:
– 「純粋な」デジタル出力特性が適用されます。
●
CU と上位コントローラによる双方向入/出力リソースの共有 (セクション「CU の双
方向デジタル入/出力の使用」を参照)
ファンクションダイアグラム (『SINAMICS S120/S150 リストマニュアル』を参照)
コントロールユニット CU310-2:
●
2030 - デジタル入/出力、双方向 (DI/DO 8 ... DI/DO 9)
●
2031 - デジタル入/出力、双方向 (DI/DO 10 ... DI/DO 11)
●
2032 - デジタル入/出力、双方向 (DI/DO 12 ... DI/DO 13)
●
2033 - デジタル入/出力、双方向 (DI/DO 14 ... DI/DO 15)
コントロールユニット CU320--2:
●
2130 双方向デジタル入/出力 (DI/DO 8 および DI/DO 9)
●
2131 双方向デジタル入/出力 (DI/DO 10 および DI/DO 11)
●
2132 双方向デジタル入/出力 (DI/DO 12 および DI/DO 13)
●
2133 双方向デジタル入/出力 (DI/DO 14 および DI/DO 5)
TM15:
●
9400 双方向デジタル入/出力 (DI/DO 0 ... DI/DO 7)
●
9401 双方向デジタル入/出力 (DI/DO 8 ... DI/DO 15)
●
9402 双方向デジタル入/出力 (DI/DO 16 ... DI/DO 23)
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
849
ドライブシステムに関する基礎知識
12.5 入/出力
●
TM31:
●
9560 双方向デジタル入/出力 (DI/DO 8 および DI/DO 9)
●
9562 双方向デジタル入/出力 (DI/DO 10 および DI/DO 1)
TM41
12.5.2
●
9661 双方向デジタル入/出力 (DI/DO 0 および DI/DO 1)
●
9662 - デジタル入/出力、双方向 (DI/DO 2 および DI/DO 3)
CU の双方向デジタル入/出力の使用
説明
CU (DO1) の X122 および X132 端子の双方向入/出力は、上位コントローラだけでなく
ドライブオブジェクトでも使用できます (リソース共有)。
端子への割り付けは、BICO 接続を DO1 テレグラム p0922 = 39x を介してコントロー
ラに接続するか、ドライブオブジェクトに接続することで定義されます。
パラメータ p0729 の設定は、デジタル出力がコントロールユニットにどのように割り
付けられているかを示します。つまり、オンボード端子 X122 または X132 の出力が直
接コントロールユニットに割り付けられているか、PROFIBUS を介して上位コントロ
ーラに接続されているかを示します。
●
r0729 = 0: 出力は、使用できないドライブまたは端子出力のコントロールユニット
に割り付けられています。
●
r0729 = 1: 出力は上位コントローラに割り付けられています (PROFIBUS 接続)。
コントローラへの割り付けの意味は:
– 端子が出力 x (p0728.x =1) としてパラメータ設定されている、そして、
– 端子は p2901 と BICO を介して接続されている、つまり、コントローラは出力を
DO1 テレグラム (p0922 = 39x) と組み合わせて使用している。
– コントローラの高速バイパスチャンネルを介して、内蔵プラットフォームに端子
の出力信号を使用 (DO1 テレグラムのある標準チャンネルは常に並行して書き込
まれます)。
以下の場合、パラメータ r0729 が更新されます:
850
●
オンボード端子の方向が変更された場合 (p0728)
●
出力 (p0738 ff) の信号ソースが変更された。
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
ドライブシステムに関する基礎知識
12.5 入/出力
アクセス優先度
●
出力制御のパラメータ再設定 --> パラメータ p0738 ff を介した出力ドライブ
ドライブ出力は、DO1 テレグラムを使用した、標準制御出力より優先されますが、
コントロールによる端子への直接アクセス (バイパスする) は、ドライブ出力より優
先されます。
出力がドライブへ再設定される場合、新規のコンフィグレーションを有効にするた
めにコントロールが端子へのバイパスをキャンセルする必要があります (設定され
ている場合)。
●
入力ドライブの再コンフィグレーション --> 出力制御
コントローラの出力が優先されます。 これが指定された動作です。
ドライブには変更が通知され、影響のあるアプリケーションがアラームを発行でき
ます。
●
出力ドライブの再コンフィグレーション --> 出力制御
コントローラの出力は優先されます。
これは指定された動作です。
ドライブがその変更を通知されるように、影響を受けたアプリケーションがアラー
ム/故障メッセージを発行することが必要です。 出力情報のリードバックはドライ
ブに問題を発生させることがあります。つまり、ドライブアプリケーションは「自
身」の端子の接続状態を確認します。 ドライブ機能の要求に従って端子がドライブ
I/O 装置に割り付けられたままであるのに、コントロール端子にも同時に割り当て
られていると、ドライブ機能の正常な動作は保証されません。
制御障害に対する故障応答
障害に対応して、コントローラに割り付けられたオンボード I/O が安全状態に切り替わ
ります。
これは、コントローラのバイパスチャンネルで信号が伝送される端子にも適用されます。
この状態は DO1 テレグラムの障害で通知されます (サインオブライフ障害)。
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
851
ドライブシステムに関する基礎知識
12.5 入/出力
12.5.3
アナログ入力
アナログ入力を使用した信号処理は、以下のファンクションダイアグラムに示されます。
特徴
●
恒久的に設定されたハードウェア入力フィルタ
●
パラメータ設定可能なシミュレーションモード
●
設定可能なオフセット
●
信号はバイネクタ入力を介して挿入できます
●
設定可能な絶対値生成
●
騒音抑制 (p4068)
●
バイネクタ入力を介した入力のイネーブル
●
コネクタ出力を介した出力信号が使用可能
●
スケーリング
●
平滑化
通知
スケーリングパラメータ p4057 ~ p4060 電圧値/電流値を制限しません (TM31 の場
合、入力は電流入力として使用できます)。
コントロールユニット 310-2 のアナログ入力
コントロールユニット CU310-2 には、端子台 X131、端子 7 および 8 に内蔵アナログ
入力と 1 点のアナログ入力があります。 入力は、DIP スイッチ S5 として電流または電
圧入力としてプリセットされます。 入力は p0756 [x] を使用して更に区別できます:
表 12- 7
852
p0756 の設定
p0756[x]
入力機能
0
0 ... 10 V
2
0 ... 20 mA
3
4 ... 20 mA
4
-10 V ~ + 10 V
5
-20 mA ~ + 20 mA
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
ドライブシステムに関する基礎知識
12.5 入/出力
アナログ入力の特徴は、パラメータ p0757 ~ P0760 を使用してスケーリングできます。
アナログ入力は r0755 から読み出すことができます。
ファンクションダイアグラム (『SINAMICS S120/S150 リストマニュアル』を参照)
●
9104 アナログ入力 (AI 0 および AI 1)
●
9566 アナログ入力 0 (AI 0)
●
9568 アナログ入力 1 (AI 1)
●
9663 アナログ入力 (AI 0)
CU310-2:
●
2040 アナログ入力 (AI 0)
パラメータ
●
r0752[0] CO: CU アナログ入力
●
p0753[0] CU アナログ入力
平滑時定数
●
p0761[0] CU アナログ入力
断線監視応答スレッシホールド
●
p0762[0] CU アナログ入力
断線監視遅延時間
●
CU アナログ入力
オフセット
●
CU アナログ入力
絶対値生成を有効化
●
BI: CU アナログ入力
入力電圧
信号ソースをイネーブル
CU310-2:
●
r0755[0] CO: CU アナログ入力実績値 単位 (%)
●
p0756[0]: CU アナログ入力タイプ
●
p0757[0] CU アナログ入力特性値 x1
●
p0758[0] CU アナログ入力特性値 y1
●
p0759[0] CU アナログ入力特性値 x2
●
p0760[0] CU アナログ入力特性値 y2
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
853
ドライブシステムに関する基礎知識
12.6 不揮発性メモリをバックアップ
12.5.4
アナログ出力
アナログ出力を使用した信号処理は、以下のファンクションダイアグラムに示されます。
特徴
●
設定可能な絶対値生成
●
バイネクタ入力を介した反転
●
設定可能な平滑化
●
設定可能な伝送特性
●
出力信号は視覚化パラメータを介して表示できます
通知
スケーリングパラメータ p4077 ~ p4080 電圧値/電流値を制限しません (TM31 の場
合、出力は電流出力として使用できます)。
ファンクションダイアグラム (『SINAMICS S120/S150 リストマニュアル』を参照)
12.6
●
9106 アナログ出力 (AO 0 および AO 1)
●
9572 アナログ出力 (AO 0 および AO 1)
不揮発性メモリをバックアップ
運転関連のデータのために、CU320-2 および CU310-2 には不揮発性メモリ NVRAM
(不揮発性ランダムアクセスメモリ) が備わっています。 故障バッファ、診断バッファ
およびメッセージバッファのデータがこのメモリに保存されます。
一定の状況、例えば、コントロールユニットでの故障または、コントロールユニットが
交換された場合、このデータのバックアップが要求されます。 ハードウェアが交換さ
れた後、バックアップされたデータをコントロールユニットの NVRAM に伝送します。
これらの操作をパラメータ p7775 を使用して実行できます:
1. p7775 = 1 で、メモリカード上の NVRAM がバックアップされます。
2. p7775 = 2 で、メモリカードの NVRAM データを NVRAM にコピーします。
3. p7775 = 3 で、NVRAM のデータが削除されます。
データが正常に削除されると、POWER ON が自動的に実行されます。
854
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
ドライブシステムに関する基礎知識
12.6 不揮発性メモリをバックアップ
p7775 は、操作が成功した場合に 、自動的に 0 に設定されます。 操作が成功しなかっ
た場合、p7775 が該当する故障値を表示します。 故障値の詳細は、『SINAMICS
S120/150 リストマニュアル』にあります。
注記
NVRAM データ変更
NVRAM のデータは、パルスブロックが設定される場合に保存または削除できます。
NVRAM データをバックアップ
p7775 = 1 で、スタンドアローンのコントロールユニットの NVRAM データはサブダイ
レクトリに保存されます: メモリカード上の "...
\USER\SINAMICS\NVRAM\PMEMORY.ACX" この名前のファイルが既にメモリカード
上のフォルダに存在する場合、これは [...\PMEMORY.BAK] と名前が変更されます。
コントロールユニットがコントロールシステムに統合されている場合、NVRAM データ
はこのサブディレクトリに保存されます: メモリカード上の "...
\USER\SINAMICS\NVRAM\xx\PMEMORY.ACX" [xx] は DRIVE-CLiQ ポートに相当しま
す。
保存時に、全てのデータは NVRAM からバックアップされます。
通知
NVRAM データをバックアップ
NVRAM データのメモリカードへのバックアップは、パルスがイネーブルされている
場合にも可能です。 但し、NVRAM データの伝送中にドライブが操作される場合、バ
ックアップされたデータが NVRAM と一貫しない場合があります。
NVRAM データを修復
p7775 = 2 で、NVRAM データはメモリカードからコントロールユニットに伝送されま
す。 修復時、必要でコピーを希望するデータを決定します。
修復される NVRAM データを必要とする理由は二つあります。
1. コントロールユニットを交換
2. データエラーが存在する場合があるために NVRAM データの特別な修復。
修復時、コントロールユニットは常に「PMEMORY.ACX」ファイルを最初に検索しま
す。 このファイルが有効なチェックサムで使用可能な場合、それはロードされます。
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
855
ドライブシステムに関する基礎知識
12.6 不揮発性メモリをバックアップ
「PMEMORY.ACX」ファイルが見つからない場合、コントロールユニットは
「PMEMORY.BAK」ファイルを検索し、そのチェックサムが有効な場合には、それが
ロードされます。
コントロールユニットを交換:
コントロールユニットが交換されなければならない場合、変更されたコントロールユニ
ットのシリアル番号により、これが SINAMICS で特定されます。 POWER ON 後、コ
ントロールユニットの NVRAM が最初に削除されます。 新しい NVRAM データがその
後ロードされます。
NVRAM 修復:
保存された NVRAM データの特殊な修復は p7775 = 2 を設定して開始されます。
NVRAM のオリジナルファイルが最初に削除されます。 このファイル
「PMEMORY.ACX」が有効なチェックサムで使用可能な場合、それは NVRAM にロー
ドされます。
以下のデータが再びインポートされることはありません:
●
コントロールユニット運転時間カウンタ、
●
コントロールユニット温度
●
セーフティログブック
●
クラッシュ診断データ
NVRAM データを削除
p7775 = 3 で、NVRAM データが削除されます。
以下のデータは削除されません:
●
コントロールユニット運転時間カウンタ、
●
コントロールユニット温度
●
セーフティログブック
●
クラッシュ診断データ
注記
NVRAM およびノウハウ保護
ノウハウ保護および書き込み保護がパラメータ p7775 に適用されます。 有効化された
保護メカニズムにもかかわらず、パラメータが読み取り可能である場合、p7775 は例外
リストに置かれなければなりません。
856
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
ドライブシステムに関する基礎知識
12.7 ベーシック操作パネル: BOP20 を使用した定数設定
注記
NVRAM および書き込み保護
書き込み保護が有効有効化される場合、p7775 は上位コントローラからサイクリック通
信を使用してのみ上書きできます。
故障バッファ、診断バッファおよびメッセージバッファについての情報は、
『SINAMICS S120 試運転マニュアル』にあります。
12.7
ベーシック操作パネル: BOP20 を使用した定数設定
12.7.1
BOP20 の概要
BOP20 は、試運転段階中のスイッチ「入」/「切」、パラメータの表示および修正のた
めに使用できます。 故障の診断や確認もできます。
BOP20 は、コントロールユニットにスナップ接続されます。 これを行うためには、ブ
ランキングカバーを取り外されなければなりません (取り付けについての詳細は
『SINAMICS S120 コントロールユニットおよび補助システムコンポーネント』を参照
してください。
表示およびボタン
'ULYH1R
581
6
図 12-9
3
&
表示およびボタンの概要
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
857
ドライブシステムに関する基礎知識
12.7 ベーシック操作パネル: BOP20 を使用した定数設定
表示についての情報
表 12- 8
LED
表示
意味
左上
BOP の有効なドライブオブジェクトは、ここに表示されます。
2 箇所
表示とボタン操作は、常にこのドライブオブジェクトを参照します。
RUN
少なくとも一つのドライブシステムのドライブが RUN 状態 (運転中) である場合
に点灯。
RUN は、ドライブのビット r0899.2 を介しても表示されます。
右上
以下がこのフィールで表示されます:
2 箇所
• 7 桁以上: 存在するが表示されない文字
(例: 「r2」––> 右側の 2 文字が表示されません。「L1」––> 左側の 1 文字が表
示されません)
• 故障: 故障している他のドライブを選択/表示
• BICO 入力 (bi、ci) の名称
• BICO 出力 (bo、co) の名称
• 有効効なオブジェクト以外のドライブオブジェクトへの BICO 接続のソースオ
ブジェクト
S
少なくとも 1 つのパラメータが変更され、値が非揮発性メモリに伝送されなかっ
た場合に点灯 (明) します。
P
パラメータの場合で、値が P ボタンを押した後にのみ有効になる場合に、点灯
(明) します
C
少なくとも 1 つのパラメータが変更され、一貫性のあるデータ管理の計算がまだ
開始されていない場合に、点灯 (明) します。
下段、6 桁
例えば、パラメータ、インデックス、故障、アラームを表示します。
ボタンについての情報
表 12- 9
ボタン
ボタン
名称
ON
意味
コマンド「ON/OFF1」が BOP から与えられるドライブの電源投入。
このボタンを使用して、バイネクタ出力 r0019.0 を設定します。
858
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
ドライブシステムに関する基礎知識
12.7 ベーシック操作パネル: BOP20 を使用した定数設定
ボタン
名称
OFF
意味
コマンド「ON/OFF1」、「OFF2」または「OFF3」が BOP から与えられるドラ
イブの電源遮断。
このボタンを押すと、バイネクタ出力 r0019.0、r0019.1、r0019.2 が同時にリセッ
トされます。 このボタンを解除すると、バイネクタ出力 r0019.1 と r0019.2 が再
度「1」信号に設定されます。
注記:
上記のボタンの有効性は、BICO を適切にパラメータ設定することで定義できます
(例: これらのボタンを使用して、既存ドライブを全て同時に制御することができ
ます)。
機能
このボタンの意味は、実際の表示に依存します。
注記:
故障確認のためのボタンの有効性は、適切な BiCo パラメータ設定によって定義す
ることができます。
パラメー このボタンの意味は、実際の表示に依存します。
タ
このボタンを 3 秒間押し続けると、[Copy RAM to ROM] 機能が実行されます。
BOP に表示されていた「S」が消えます。
増
減
これらのボタンの意味は、実際の表示に依存し、値を増減するために使用されま
す。
BOP20 の機能
表 12- 10
機能
名称
バックライト
説明
p0007 を使用して、操作を行わないまま設定時間が経過すると、バックライト
が自動的に消灯するように設定できます。
有効なドライブの切り p0008 を使用するか、FN ボタンと上矢印ボタンを使用して、BOP を操作する
替え
上で有効なドライブを設定します。
単位
単位は BOP に表示されません。
アクセスレベル
BOP のアクセスレベルは p0003 で設定します。
アクセスレベルが高くなると、BOP を使用して、より多くのパラメータを選択
できるようになります。
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
859
ドライブシステムに関する基礎知識
12.7 ベーシック操作パネル: BOP20 を使用した定数設定
名称
説明
パラメータフィルタ
p0004 でパラメータフィルタを使用することにより、特定の機能に対応する利
用可能なパラメータをフィルタリングすることができます。
運転表示の選択
実績値と設定値が運転表示に表示されます。
運転表示は p0006 で設定します。
ユーザパラメータリス p0013 のユーザパラメータリストを使用して、アクセスのためのパラメータを
ト
選択することができます。
電圧が印加されている BOP は、電圧が印加された状態で取り外したり、取り付けたりすることができ
状態でのプラグの取り ます。
外し
• ON ボタンおよび OFF ボタンには機能があります。
取り外しすると、ドライブは停止されます。
取り付け後、ドライブは再びスイッチ「入」されなければなりません。
• ON ボタンおよび OFF ボタンには機能がありません。
取り外しおよび取り付けはドライブに影響しません。
作動ボタン
以下が「P」ボタンおよび「FN」ボタンに適用されます:
• 「P」ボタンまたは「FN」ボタンを他のキーと組み合わせて使用される場
合、初めに「P」キーまたは「FN」キーを押してから他のキーを押すように
しなければなりません。
主要パラメータ一覧 (『SINAMICS S120/S150 リストマニュアル』を参照)
全てのドライブオブジェクト
●
p0005 BOP 運転表示の選択
●
p0006 BOP 運転表示モード
●
p0013 BOP ユーザ定義リスト
●
p0971 ドライブオブジェクト、パラメータを保存
ドライブオブジェクト、コントロールユニット
860
●
r0002 コントロールユニット
●
p0003 BOP アクセスレベル
●
p0004 BOP 表示フィルタ
●
p0007 BOP バックライト
●
p0008 BOP ドライブオブジェクト選択
ステータス表示
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
ドライブシステムに関する基礎知識
12.7 ベーシック操作パネル: BOP20 を使用した定数設定
●
p0009 機器の試運転、パラメータフィルタ
●
p0011 BOP パスワード入力 (p0013)
●
p0012 BOP パスワード確認 (p0013)
●
r0019 CO/BO: コントロールワード、BOP
●
p0977 全てのパラメータを保存
他のドライブオブジェクト (例: SERVO、VECTOR、X_INF、TM41 など)
●
12.7.2
p0010 パラメータフィルタの試運転
BOP20 の表示と操作
特徴
●
ステータスインディケータ
●
有効なドライブオブジェクトの変更
●
パラメータの表示/変更
●
故障およびアラームの表示/確認
●
BOP20 を使用したドライブの制御
ステータスインディケータ
それぞれのドライブオブジェクトの運転表示は、p0005 および p0006 を使用して設定
できます。 動産表示を使用して、パラメータ表示や別のドライブオブジェクトに変更
できます。 以下の機能が可能です:
●
有効なドライブオブジェクトの変更
– [FN] ボタンと上向き矢印を押す -> 左上のドライブオブジェクト番号が点滅
– 矢印ボタンを使用して必要なドライブオブジェクトを選択
– 「P」ボタンを使用して確認
●
パラメータ表示
– 「P」ボタンを押します。
– 必要なパラメータは、矢印ボタンを使用して選択できます。
– [FN] ボタンを押す-> [r00000] を表示
– 「P」ボタンを押す-> 運転表示に切り替え
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
861
ドライブシステムに関する基礎知識
12.7 ベーシック操作パネル: BOP20 を使用した定数設定
パラメータ表示
パラメータは、その番号を使用して BOP20 で選択されます。 「P」ボタンを押すこと
で、パラメータ表示は、運転表示から行われます。 パラメータは、矢印ボタンを使用
して検索できます。 パラメータ値は、「P」ボタンを再び押すことで表示されます。
「FN」ボタンおよび矢印ボタンを同時に押すことで、ドライブオブジェクト間でトグ
ルできます。 [r00000] とパラメータ表示で「FN」を押すことで最後に表示されたパラ
メータとの間でトグルすることができます。
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ቡቂቒ
⊳嫷䯉
ኮ዆ኾዙኜ嫷䯉
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ራቮሶቋሯቊሰቡሼᇭ
図 12-10
862
パラメータ表示
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
ドライブシステムに関する基礎知識
12.7 ベーシック操作パネル: BOP20 を使用した定数設定
値表示
パラメータ表示から値表示に切り替えるには、「P」ボタンを押します。 値表示で、設
定可能なパラメータ値は、矢印を使用して増減できます。 カーソルは「FN」ボタンを
使用して選択できます。
拁㟿
√S
㠃㟿
√S
拁㟿
√U
㣑栢
√U
KPVPV
+拁㟿
[$)%
䟹⚆⏷⇢ት⮘㦃
ኈዙኚወ
図 12-11
ቀቯቁቯቑ㫐ት⮘㦃
ኇ዇ንኧወቑ⊳ት嫷䯉
値表示
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
863
ドライブシステムに関する基礎知識
12.7 ベーシック操作パネル: BOP20 を使用した定数設定
例: パラメータを変更
前提条件: 適切なアクセスレベルが設定されます
(この特殊な例では、p0003 = 3)。
[
ኮ዆ኾዙኜ嫷䯉
[
[
⊳嫷䯉
図 12-12
864
例: p0013[4] を 0 から 300 へ変更
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
ドライブシステムに関する基礎知識
12.7 ベーシック操作パネル: BOP20 を使用した定数設定
例: バイネクタおよびコネクタ入力パラメータを変更
ドライブオブジェクト 2 のバイネクタ入力 p0840[0] (OFF1) の場合、コントロールユニ
ット (ドライブオブジェクト 1) のバイネクタ出力 r0019.0 が接続されます。
[
図 12-13
例: インデックス付きバイネクタパラメータを変更
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
865
ドライブシステムに関する基礎知識
12.7 ベーシック操作パネル: BOP20 を使用した定数設定
12.7.3
故障とアラームの表示
故障の表示
⏷቉ቑ㟔椫ት
዇ኘአእ
)㟔椫)DXOW
ኦ዆ኁኳኇኳንኄኌእ
ቑ㟔椫
㶰ቑ
㟔椫
ኦ዆ኁኳኇኳንኄኌእ
ቑ宖㟿ቑ㟔椫
㦘╈ቍኦ዆ኁኳኇኳንኄኌእⅴ⮥
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ኦ዆ኁኳ䟹⚆ሯ䍈
䅔ሺቡሼ
㦘╈ቍኦ዆ኁኳኇኳንኄኌእር
ቫቖ⒴ቑኦ዆ኁኳኇኳንኄኌእ
ሮቬ
宖㟿ቑ㟔椫
図 12-14
⮘㦃
故障
アラームの表示
㦘╈ቍኦ዆ኁኳርቫቖ
⒴ቑኦ዆ኁኳሮቬ宖㟿
ቑቿ዆ዙኽ
$ቿ዆ዙኽ
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ዐሯ
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䱡㈛
䱡㈛
図 12-15
866
アラーム
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
ドライブシステムに関する基礎知識
12.7 ベーシック操作パネル: BOP20 を使用した定数設定
12.7.4
BOP20 によるドライブの制御
ドライブを試運転する場合、それを BOP20 を介して制御することができます。 コント
ロールワードは、この目的のためにドライブなどの適切なバイネクタ入力と接続できる
コントロールユニットドライブオブジェクト (r0019) で使用可能です。
PROFIdrive スタンダードテレグラムが選択されている場合には接続が接続解除できな
いため、この接続が機能しません。
表 12- 11
BOP20 コントロールワード
ビット
(r0019)
名称
例、接続パラメータ
0
ON / OFF (OFF1)
p0840
1
フリーラン停止なし/フリーラン停止
p0844
(OFF2)
2
急停止なし/急停止 (OFF3)
p0848
注記:
簡易試運転の場合、ビット 0 のみを接続するようにしてください。 ビット 0 ~ 2 を
接続する時、システムは、以下の優先順位に基づいて電源遮断されます: OFF2、
OFF3、OFF1。
7
故障確認 (0 -> 1)
p2102
13
電動ポテンショメータ、増
p1035
14
電動ポテンショメータ、減
p1036
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
867
ドライブシステムに関する基礎知識
12.8 モジュール交換例
12.8
モジュール交換例
注記
ファームウェアバージョンの機能を完全に利用できるように、ドライブ装置内のすべて
のコンポーネントを同じファームウェアバージョンに統一することを推奨します。
説明
比較のタイプが最高位に設定されている場合、以下の例が適用されます。
以下のケースに分かれます。
●
異なる注文番号含むコンポーネント
●
同じ注文番号を含むコンポーネント
– コンポーネント交換後のトポロジー比較は有効 (p9909 = 1)
– コンポーネント交換後のトポロジー比較
無効 (p9909 = 0)
p9909 = 1 の場合、新しく交換したコンポーネントのシリアル番号とハードウェアバー
ジョンが、実際のトポロジーからターゲットトポロジーに自動転送され、その後不揮発
性メモリに保存されます。
p9909 = 0 の場合、シリアル番号とハードウェアバージョンは自動転送されません。 こ
の場合、電子銘板のデータが一致すると、p9904 = 1 または p9905 = 1 を使用して転送
が行われます。
交換したコンポーネントで、以下のデータに関しては、電子銘板が一致しなければなり
ません:
●
コンポーネントタイプ (例:「SMC20」)
●
注文番号 (例: 6SL3055–0AA00–5Bxx)
例 : 異なる注文番号のコンポーネントに交換
前提条件 :
●
868
異なる注文番号のコンポーネントに交換
ドライブ機能
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ドライブシステムに関する基礎知識
12.8 モジュール交換例
表 12- 12
例 : 異なる注文番号のコンポーネントに交換
動作
応答
備考
• 電源をスイッチオフ
• 故障したコンポーネント
を取り外し、新しいコン
ポーネントを接続
• 電源を投入
• アラーム A01420
• プロジェクトをコントロ • アラームが消えます。
新しい注文番号はコントロ
ールユニットから
ールユニットの RAM に保
STARTER (PG) へロー
存され、p0977 = 1 および
ド
p0971 = 1 で不揮発性メモ
• 交換後のドライブをコン
リにコピーされなければな
フィグレーションし、現
りません。その代わりに、
在のコンポーネントを選
STARTER で「RAM to
択
ROM (RAM から ROM
• プロジェクトをコントロ
ールユニット (ターゲッ
トシステム) へロード
へ)」操作でデータをバッ
クアップするために使用さ
れます。
コンポーネントは正常に交換されました。
例 : (p9909 = 1) 同一注文番号での故障コンポーネントの交換
前提条件 :
●
同じ注文番号を持つコンポーネントに交換
●
コントロールユニットのターゲットトポロジーに、新規に交換したコンポーネント
のシリアル番号を含まないでください。
●
コンポーネント交換後のトポロジー比較は有効 (p9909 = 1)
シーケンス:
コントロールユニットの起動時に、新しいコンポーネントのシリアル番号がターゲット
トポロジーに自動転送され、保存されます。
ドライブ機能
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869
ドライブシステムに関する基礎知識
12.8 モジュール交換例
例 : (p9909 = 0) 同一注文番号での故障コンポーネントの交換
前提条件 :
●
同じ注文番号を持つコンポーネントに交換
●
コンポーネント交換後のトポロジー比較は無効 (p9909 = 0)
表 12- 13
例 : モータモジュールの交換
動作
応答
備考
• 電源をスイッチオフ
• 故障したコンポーネント
を取り外し、新しいコン
ポーネントを接続
• 電源を投入
• p9905 を「1」に設定
• アラーム A01425
• アラームが消えます。
シリアル番号はコントロー
• シリアル番号がターゲッ ルユニットの RAM に保存
トトポロジーにコピーさ され、p0977 = 1 および
れます。
p0971 = 1 で不揮発性メモ
リにコピーされなければな
りません。その代わりに、
STARTER で「RAM to
ROM (RAM から ROM
へ)」操作でデータをバッ
クアップするために使用さ
れます。
コンポーネントは正常に交換されました。
例 : 定格出力の異なるモータモジュール/パワーモジュールの交換
前提条件:
●
定格出力の異なるパワーユニットを交換
●
ベクトル: モータモジュール/パワーモジュールの定格出力電流は、モータ電流の 4
倍以下
870
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
ドライブシステムに関する基礎知識
12.8 モジュール交換例
表 12- 14
例 : 定格出力の異なるパワーユニットを交換
動作
応答
備考
• 電源をスイッチオフ
• 故障したコンポーネント
を取り外し、新しいコン
ポーネントを接続
• 電源を投入
• アラーム A01420
p9906 = 2 の場合: 注意
• ドライブオブジェクト
CU:
– p0009 = 1
• デバイスコンフィグレー
ション
すべての (!) コンポーネ
ントのトポロジー監視
– p9906 = 2
• コンポーネントの比較
は、DRIVE-CLiQ ケーブ
– p0009 = 0
• コンフィグレーションの
ルが間違って交換された
– p0977 = 1
終了
• データバックアップ
• ドライブオブジェクトの
場合にこれが検出されな
いように、かなり減少さ
れます。
新しい注文番号はコント
コンポーネント:
• コード番号の使用
– p0201 = r0200
• 試運転の終了
– p0010 = 0
• データバックアップ
– p0971 = 1
ロールユニットの RAM
に保存され、p0977 = 1
および p0971 = 1 で不
揮発性メモリにコピーさ
れなければなりません。
その代わりに、
STARTER で「RAM to
ROM (RAM から ROM
へ)」操作でデータをバ
ックアップするために使
用されます。
コンポーネントは正常に交換されました。
SINAMICS Sensor Module Integrated または DRIVE-CLiQ Sensor Integrated を備えたモータの交換
内蔵 DRIVE-CLiQ インターフェース (SINAMICS Sensor Module Integrated) 付きモータ
で故障が発生した場合、お近くのシーメンス取扱店に連絡し、修理を依頼してください。
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
871
ドライブシステムに関する基礎知識
12.9 DRIVE–CLiQ トポロジー
12.9
DRIVE–CLiQ トポロジー
はじめに
SINAMICS で使用されるトポロジーという用語は、DRIVE-CLiQ ケーブルによるワイヤ
ハーネスを表現するために使用されます。 起動時に、各コンポーネントに固有のコン
ポーネント番号が割り付けられます。
DRIVE–CLiQ (IQ 付きドライブコンポーネントリンク) は、多様な SINAMICS コンポー
ネント (例: コントロールユニット、ラインモジュール、モータモジュール、モータ、
エンコーダ) を接続する通信システムです。
DRIVE–CLiQ は、以下の機能をサポートします:
●
コントロールユニットによるコンポーネントの自動検出
●
全てのコンポーネントへの標準インターフェース
●
コンポーネントレベルまで標準化された診断
●
コンポーネントレベルまで標準化されたサービス
電子銘板
電子銘板には以下のデータが含まれます:
●
コンポーネントタイプ (例: SMC20)
●
注文番号 (例: 6SL3055-0AA0-5BA0)
●
製造メーカ (例: シーメンス)
●
ハードウェアバージョン (例: A)
●
シリアル番号 (例: T-PD3005049)
●
技術仕様 (例: 定格電流)
実際のトポロジー
実際のトポロジーは、実際の DRIVE–CLiQ ワイヤハーネスに相当します。
ドライブシステムコンポーネントの起動時に、実際のトポロジーが DRIVE–CLiQ 経由
で自動的に検出されます。
872
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
ドライブシステムに関する基礎知識
12.9 DRIVE–CLiQ トポロジー
ターゲットトポロジー
ターゲットトポロジーはコントロールユニットのメモリカードに保存され、コントロー
ルユニットの起動時に実際のトポロジーと比較されます。
ターゲットトポロジーは、以下の二通りの方法で指定され、メモリカードに保存できま
す:
●
STARTER を使用
コンフィグレーションを作成し、これをドライブにロードします。
●
クイック試運転による方法 (自動設定):
実際のトポロジーが読み出され、ターゲットトポロジーがメモリカードに書き込ま
れます。
POWER ON 時のトポロジーの比較
トポロジーを比較することで、コンポーネントが不正に制御されたり処理されたりする
ことを防止します (例: ドライブ 1 と 2)。
ドライブシステムが起動すると、コントロールユニットは検出された実際のトポロジー
と電子銘板をメモリカードに保存されたターゲットトポロジーを比較します。
電子銘板の比較方法を、コントロールユニットの全てのコンポーネントに対して p9906
で指定することができます。 続いて、比較タイプをそれぞれのコンポーネントで変更
することができます。 変更は、 p9908 を使用して、または、STARTER のトポロジー
表示でマウスを右クリックして行います。 デフォルトでは、電子銘板の全てのデータ
が比較されます。
p9906/9908 の設定に応じて、ターゲットトポロジーと実際のトポロジーとの間で以下
のデータが比較されます:
●
p9906/p9908 = 0 コンポーネントタイプ、注文番号、製造メーカ、シリアル番号
●
p9906/p9908 = 1 コンポーネントタイプ、注文番号
●
p9906/p9908 = 2 コンポーネントタイプ
●
p9906/p9908 = 3 コンポーネントクラス (例: センサモジュールまたはモータモジュ
ール)
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
873
ドライブシステムに関する基礎知識
12.10 DRIVE–CLiQ の配線ルール
図 12-16
STARTER のトポロジービュー
通知
コントロールユニットとオプションカードは監視されません。 コンポーネントの交換
は自動的に受け付けられ、表示されません。
12.10
DRIVE–CLiQ の配線ルール
DRIVE–CLiQ でのコンポーネントの配線に適用される規則 「拘束力のある DRIVECLiQ 規則」 (無条件に遵守されなければならない規則) と「推奨規則」 (STARTER オ
フラインで作成されたトポロジーがもはや変更されることがないように維持されるべき
規則) という区別が行われます。
最大 DRIVE-CLiQ コンポーネント数および可能な配線タイプは、以下の要因に依存し
ます:
●
拘束力がある DRIVE-CLiQ 配線規則
●
有効化されたドライブ数およびタイプと、該当するコントロールユニット上の機能
●
該当するコントロールユニットの処理能力
●
設定された処理および通信サイクル
以下では、拘束力がある配線規則と他の推奨事項、並びに、DRIVE-CLiQ 配線のいくつ
かのサンプルトポロジーが紹介されます。
こえらの例で使用されたコンポーネントは、取り外し、他のコンポーネントとの交換ま
たは補足が可能です。 コンポーネントが別のタイプと交換される、または、追加コン
ポーネントが加えられる場合、SIZER ツールでそのトポロジーを確認するようにして
ください。
実際のトポロジーが STARTER によりオフラインで作成されたトポロジーと一致しな
い場合、オフライントポロジーをダウンロード以前に適宜変更されなければなりません。
874
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
ドライブシステムに関する基礎知識
12.10 DRIVE–CLiQ の配線ルール
12.10.1
STARTERオフラインでのトポロジーの変更
デバイストポロジーは、トポロジーツリーのコンポーネントをシフトすることで、
STARTER で変更できます。
表 12- 15
例: DRIVE-CLiQ トポロジーの変更
トポロジーツリービュー
備考
DRIVE-CLiQ コンポーネントを選
択します。
マウスボタンをクリックしたま
ま、このコンポーネントを必要な
DRIVE-CLiQ インターフェースに
ドラッグし、マウスボタンを離し
ます。
STARTER でトポロジーが変更さ
れました。
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
875
ドライブシステムに関する基礎知識
12.10 DRIVE–CLiQ の配線ルール
12.10.2
拘束力がある DRIVE-CLiQ 規則
DRIVE-CLiQ 規則
以下の配線規則は、標準サイクルタイム (サーボ制御 125 μs、ベクトル制御 250 μs) に
適用されます。 サイクルタイムが該当する標準サイクルタイムよりも短い場合、追加
の制限事項がコントロールユニットの処理能力のために適用されます (SIZER コンフィ
グレーションツールを使用したコンフィグレーション)。
一般的な DRIVE-CLiQ 規則
以下の一般的に拘束力がある DRIVE-CLiQ 規則は、ドライブの安全な運転を保証する
ために、遵守されなければなりません。
1. 最大 14 の DRIVE-CLiQ ノードがコントロールユニットの同一の DRIVE-CLiQ ライ
ンに接続できます、例: 12 U/f 軸 + 1 電源モジュール + 1 追加モジュール。 以下の例
では、DRIVE-CLiQ ラインにドライブオブジェクト 1 ~ 14 が含まれます。
2. 最大 8 台のモータモジュールが 1 台のコントロールユニットに接続できます。 多軸
モジュールの場合、それぞれの軸を個別に数えます (1 ダブルモータモジュール = 2
モータモジュール)。 例外: U/f 制御では、最大 12 台のモータモジュールを接続する
ことが許容されます。
3. ベクトル U/f 制御では、コントロールユニットの DRIVE-CLiQ ラインに 5 台以上の
ノートを接続することだけが許容されます
4. コンポーネントのリング配線は許容されません。
5. コンポーネントの二重配線は許容されません。
ነዐእዊ
ዙወ
ዃከአእ
;
;
;
;
ℛ摜揜偩
ቑ䰐㷱
図 12-17
876
዇ዐኍ揜偩
䰐㷱
例: コントロールユニットの X103 DRIVE-CLiQ 接続部に接続された
DRIVE-CLiQ
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
ドライブシステムに関する基礎知識
12.10 DRIVE–CLiQ の配線ルール
6. トポロジー内の不明な DRIVE-CLiQ コンポーネントタイプは機能的にサポートされ
ません。 DRIVE-CLiQ 信号はループスルーされます。
以下の基準は、不明なタイプであることを示します:
– コンポーネントの特性が使用可能ではありません。
– 副となるドライブオブジェクトは定義されていません。
– 判明しているドライブオブジェクト (DO) へのコンポーネントの割り付けが定義
されていません。
7. CU リンクおよび DRIVE-CLiQ 接続を含む DRIVE-CLiQ トポロジーでは、コントロ
ールユニット 1 台のみが CU リンクマスタ/DRIVE-CLiQ マスタとして許容されます。
8. CU リンク接続が検出される場合、DRIVE-CLiQ ベーシッククロックサイクル 0
(r0110[0]) は 125 μs に設定され、この DRIVE-CLiQ ソケットに割り付けられます。
9. 以下がブックサイズに適用されます:
– サーボおよびベクトル U/f 制御運転モードでは、1 台のラインモジュールだけを
コントロールユニットに接続することができます。 ベクトル制御運転モードでは、
最大 3 つの追加ラインモジュールが並列接続できます (つまり、合計で 4 台のラ
インモジュール)。
– 1 台のラインモジュールとモータモジュールがサーボ制御モードで DRIVE-CLiQ
ラインに一緒に接続されることは許容されます。
– 1 台のラインモジュールとモータモジュールは、ベクトル制御モードで個別の
DRIVE-CLiQ に接続されなければなりません。
– ブックサイズの場合、電源モジュールまたはモータモジュールの並列接続はでき
ません。
10. シャーシでは以下が適用されます:
– ラインモジュール (アクティブライン、ベーシックライン、スマートライン) およ
びモータモジュールは、個別の DRIVE-CLiQ ラインに接続しなければなりません。
11. シャーシのパワーユニットの並列運転:
– 電源モジュールおよびモータモジュールの並列接続は、ベクトル制御または V/f
制御の場合にのみ許容されます。
– 最大 4 台の電源モジュールが並列接続内で許容されます。
– 最大 4 台のモータモジュールが並列接続内で許容されます。
– モータモジュールの 1 つだけの並列接続だけが許容されます。 並列接続では、単
一のドライブオブジェクトがこのトポロジーで構築されます。
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
877
ドライブシステムに関する基礎知識
12.10 DRIVE–CLiQ の配線ルール
12. モータモジュールの並列接続の場合、内蔵 DRIVE-CLiQ インターフェース付きモー
タ 1 台のみ (SINAMICS Sensor Module Integrated) がそれぞれのモータモジュール
に対して許容されます。
13. 異なるモータ間での切り替えは並列接続では許容されません。
14. 電源モジュールまたはモータモジュールの混合運転:
– 様々な性能値を備える電源モジュールまたはモータモジュールの運転は、並列接
続内では許容されません。
– シャーシフォーマットのラインモジュールの場合で、二つの並列接続がスマート
ラインモジュールとベーシックラインモジュールの混合運転の場合には許容され
ます。
– ラインモジュールの以下の組み合わせは許容されません:
アクティブラインモジュール (ALM) とベーシックラインモジュール (BLM)
アクティブラインモジュール (ALM) とスマートラインモジュール (SLM)
15. フォーマットの混合運転:
– シャーシのモータモジュールとブックサイズのモータモジュールは個別の
DRIVE-CLiQ ラインに接続しなければなりません。
16. 制御タイプの混合運転:
– サーボ制御とベクトル制御の混合使用は許容されません。
– サーボ制御とベクトル U/f 制御の混合使用は許容されます。
– ベクトル制御と U/f 制御の混合使用は許容されます。
17. 制御サイクルの混合運転:
以下の組み合わせは許容されます:
– 62.5 μs のサーボと 125 μs のサーボ
– 125 μs のサーボと 250 μs のサーボ
– 250 μs のサーボと 500 μs のサーボ
18. 電圧検出モジュール (VSM) 付きの運転:
– 単一の電圧検出モジュール (VSM) は 1 つのラインモジュールに接続できます。
例外: 「電源トランス」機能が有効化される場合、二番目の VSM が接続できます。
– 最大 2 VSM が 1 台のモータモジュールに接続できます。
– VSM は、該当するラインモジュールまたはモータモジュールの空の DRIVE-CLiQ
ソケットにせつぞくされなければなりません (VSM の自動割り当てをサポートす
るため)。
878
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
ドライブシステムに関する基礎知識
12.10 DRIVE–CLiQ の配線ルール
19. ドライブオブジェクト「SERVO」または「VECTOR」で、最大 3 エンコーダデー
タセットがそれぞれのドライブデータセットに対して作成されます。 エンコーダデ
ータセットの最大数は、量構造と電流コントローラクロックサイクルに依存します:
– コントローラサイクル 125 μs のサーボ制御の 6 軸と 1 台のラインモジュールの
量構造では、最大 9 台のエンコーダを接続することが可能です。
– 125 μs の電流コントローラサイクルのサーボ制御の 5 軸では、最大 15 台のエン
コーダが接続できます。
20. 最大 24 台のドライブオブジェクト (DO) が接続できます。
21. CU320-2 コントロールユニットで、最大 16 台の増設 I/O モジュールが接続できま
す。
注記: TM15 Base、TM31、TM54F または TM41 が接続されている場合、接続された
標準軸数を減らす必要があります。
22. CU310-2 コントロールユニットでは、最大 8 台の増設 I/O モジュール、タイプ
TM15BASE および TM31 が接続できます。
23. CU310-2 コントロールユニットでは、最大 3 台の増設 I/O モジュール、タイプ
TM15、TM17 または TM41 が接続できます。
24. TM31 のサイクルタイム
最大 3 台の増設 I/O モジュール 31 (TM31) が 2 ms タイムスライスの間、接続でき
ます。
注記
1 台のダブルモータモジュール、1 台の DMC20、1 台の DME20、1 台の TM54F お
よび CUA32 は、それぞれ 2 つの DRIVE-CLiQ ノードに相当します。 これは、1 つ
のドライブだけがコンフィグレーションされている、ダブルモータモジュールにも
適用されます。
25. DRIVE-CLiQ ラインに接続されている全てのコンポーネントの通信基本クロックサ
イクル (p0115[0] および p4099) は、互いを除算した場合に整数で割り切れなければ
なりません。
– 最小通信基本クロックサイクルは 125 μs です。
– 例外は、62.5 μs 通信基本クロックサイクルの 3 つのサーボ制御軸または 31.25
μs 通信基本クロックサイクルの 1 本のサーボ制御軸です。
26. 電流コントローラクロックサイクル Ti < 125 μs の場合、モータモジュール - 同じコ
ントローラクロックサイクルでも - 2 点の DRIVE-CLiQ ポートに左右対称に接続さ
れなければんなりません。
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
879
ドライブシステムに関する基礎知識
12.10 DRIVE–CLiQ の配線ルール
27. サーボ制御モードのドライブオブジェクトの最速のサンプリング時間は以下のよう
に獲得されます:
– Ti = 31.25 μs: サーボ制御の単一のドライブオブジェクト (CU 320-2 のみ)
– Ti = 62.5 μs: サーボ制御の最大 3 台のドライブオブジェクト (CU310-2 での最大
値)
– Ti = 125 μs: サーボ制御の最大 6 台のドライブオブジェクト
28. ベクトル制御モードのドライブオブジェクトの最速のサンプリング時間は以下のよ
うに獲得されます:
– Ti = 250 μs: ベクトル制御の最大 3 台のドライブオブジェクト
– Ti = 400 μs: ベクトル制御の最大 5 台のドライブオブジェクト
– Ti = 500 μs: ベクトル制御の最大 6 台のドライブオブジェクト
29. ベクトル U/f 制御モードのドライブオブジェクトの最速のサンプリング時間は以下
のように与えられます:
– Ti = 500 μs: U/f 制御の最大 12 台のドライブオブジェクト
30. コントロールユニット 320-2 の DRIVE-CLiQ ライン上の DRIVE-CLiQ ノードの最
大数は、DRIVE-CLiQ ラインの基本クロックサイクルに依存します:
– 31.25 μs の電流コントローラサイクルの場合、最大 3 台の DRIVE-CLiQ ノードが
許容されます
– 62.5 μs の電流コントローラサイクルの場合、最大 5 台の DRIVE-CLiQ ノードが
許容されます
– 125 μs の電流コントローラサイクルの場合、最大 14 台の DRIVE-CLiQ ノードが
許容されます
– 250 μs の電流コントローラサイクルの場合、最大 20 台の DRIVE-CLiQ ノードが
許容されます
– 500 μs の電流コントローラサイクルの場合、最大 30 台の DRIVE-CLiQ ノードが
許容されます
31. コントロールユニット 310-2 の DRIVE-CLiQ ライン上の DRIVE-CLiQ ノードの最
大数は、DRIVE-CLiQ ラインの基本クロックサイクルに依存します:
– 125 μs の電流コントローラサイクルから、最大 8 台の DRIVE-CLiQ ノードが許
容されます
880
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
ドライブシステムに関する基礎知識
12.10 DRIVE–CLiQ の配線ルール
32. 例、62.5 μs クロックレベルの CU320-2:
– トポロジー 1: 1 x ALM (250 μs) + 2 x サーボ (62.5 μs) + 2 x サーボ (125 μs) + 3 x
TM15 + TM54F + 4 x Safety Integrated 拡張機能とエンコーダ SI モーション監視
クロックサイクル (p9500) = 12 ms + SI モーション実績値検出クロックサイクル
(p9511) = 4 ms + 4 x 直接測定システム
– トポロジー 2: 1 x ALM (250 μs) + 2 x サーボ (62.5 μs) + 2 x U/f (500 μs) + 3 x
TM15 Base 2 ms +2 x Safety Integrated 拡張機能とエンコーダ SI モーション監視
クロックサイクル (p9500) = 12 ms + SI モーション実績値検出クロックサイクル
(p9511) = 4 ms + 2 x Safety Integrated 拡張機能センサレス + 2 x 直接測定システ
ム
– トポロジー 3: 1 x サーボ (62.5 μs) + 4 x U/f は Safety Integrated と組み合わせる
ことができません。
33. 例、31.25 μs クロックレベルの CU320-2:
– トポロジー 1: ライン上に 1 ALM (250 μs)、ライン上に 1 x サーボ (31.25 μs)、ラ
イン上に直列で 3 x 増設 I/O モジュール
– トポロジー 2: ライン上に 1 ALM (250 μs)、ライン上に 1 x サーボ (31.25 μs)、ラ
イン上に 1 x 直接測定システム
34. 1 台のドライブオブジェクトの電流コントローラサンプリング時間 Ti は、DRIVECLiQ ラインの他のドライブオブジェクトと一致しないサンプリング時間での変更が
必要な場合、以下のソリューションが使用可能です:
– 個別の DRIVE-CLiQ ラインに変更されたドライブオブジェクトを挿入します。
– 電流コントローラサンプリング時間および/または他のドライブオブジェクトの入
/出力を同じように変更し、変更されたサンプリング時間が再び一致するようにし
てください。
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
881
ドライブシステムに関する基礎知識
12.10 DRIVE–CLiQ の配線ルール
35. 同一のサンプリング時間を持つコンポーネントのみを、サンプリング時間 Ti
= 31.25 μs で使用していない DRIVE-CLiQ 接続部に接続できます。
以下のコンポーネントが許容されます:
– センサモジュール
– 高周波ダンピングモジュール (HF ダンピングモジュール)
– HF フィルタモジュールのライン内のブックサイズのアクティブラインモジュー
ル
– HF フィルタモジュールのライン内のブックサイズのスマートラインモジュール
– 追加の DRIVE-CLiQ ラインは追加コンポーネントのために使用されなければなり
ません:
サーボ制御、ベクトル制御、U/f 制御の追加のモータモジュールまたは増設 I/O モ
ジュール。
36. 以下のコンポーネントの接続は、サンプリング時間 Ti = 31.25 μs の間は許容されま
せん:
– サーボ制御での更なるモータモジュール。
– U/f 制御での更なるモータモジュール。
– 310-2 コントロールユニットを使用する際
37. TM54F を使用するための規則:
– TM54F は DRIVE-CLiQ を介してコントロールユニットに直接接続しなければな
りません。
– コントロールユニットに接続できる TM54F 増設 I/O モジュールは 1 台だけです。
– TM54F では、センサモジュールおよび増設 I/O モジュールなどの他の DRIVECLiQ ノードが接続できますが、別の TM54F は接続できません。
– CU310-2 コントロールユニットの場合、TM54F をパワーモジュールの DRIVECLiQ ラインに接続することができません。 TM54F は、コントロールユニットの
単独の DRIVE-CLiQ X100 ソケットにのみ接続できます。
38. 最大 4 台の Safety 拡張機能付きモータモジュールが 1 本の DRIVE-CLiQ ライン上
で運転できます (TI = 125 μs の場合のみ)。 追加の DRIVE-CLiQ コンポーネントは、
この DRIVE-CLiQ ラインに接続できない場合があります。
39. 軸に 1 台のエンコーダが備わっている場合で、セーフティ機能がこの軸に対して有
効化される場合、このエンコーダはモータモジュールまたはハブモジュール DMC20
にのみ接続できます。
882
ドライブ機能
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ドライブシステムに関する基礎知識
12.10 DRIVE–CLiQ の配線ルール
40. 以下は、コントロールユニットへの CX/NX の DRIVE-CLiQ 接続に適合されます:
PROFIBUS address of the コントロールユニットへの接続は、CX/NX の PROFIBUS
アドレスから獲得されます
(10 → X100、11 → X101、12 → X102、13 → X103、14 → X104、15 → X105)。
41. SIMOTION マスタコントロールユニットと SINUMERIK スレーブコントロールユニ
ットを組み合わせることは許容されません。
42. SINUMERIK マスタコントロールユニットと SIMOTION スレーブコントロールユニ
ットを組み合わせることは許容されません。
CU310-2 コントロールユニットの場合、以下が適用されます:
1. CU310-2 は、PM340 パワーモジュールにプラグ接続された 1 軸コントロールモジ
ュールです
2. プラグ接続されると、運転中、最大 125.00 μs の電流コントローラサンプリング時
間が選択できます。
3. DRIVE-CLiQ 接続 X100 を介して選択可能な最小電流コントローラクロックサイク
ルは 62.5 μs です。
4. 31.25 μs の電流コントローラクロックサイクルは不可能です。
5. シャーシタイプへの接続は DRIVE-CLiQ 接続 X100 を介して確立されます。
12.10.3
推奨される DRIVE-CLiQ 規則
注記
「自動コンフィグレーション」機能がエンコーダをドライブに割り付けることができる
ように、以下の推奨規則が遵守されなければなりません。
推奨される DRIVE-CLiQ 規則
1. 以下は、コントロールユニットを例外として、全ての DRIVE-CLiQ コンポーネント
に適合されます: DRIVE-CLiQ ソケット Xx00 は、DRIVE-CLiQ 入力で、他の
DRIVE-CLiQ ソケットはソケットです。
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
883
ドライブシステムに関する基礎知識
12.10 DRIVE–CLiQ の配線ルール
2. シングルラインモジュールは、コントロールユニットの X100 DRIVE-CLiQ ソケッ
トに直接接続するようにしてください。
– 複数のラインモジュールは 1 本のラインに接続するようにしてください。
– X100 DRIVE-CLiQ ソケットが使用できない場合、次に高い DRIVE-CLiQ ソケッ
トを使用するようにしてください。
3. 31.25 μs の電流コントローラの場合、フィルタモジュールがコントロールユニット
の DRIVE-CLiQ ソケットに直接接続されるようにしてください。
4. シャーシの場合、250 μs の電流コントローラサイクルのモータモジュールは、コン
トロールユニットの DRIVE-CLiQ ソケット X101 に接続されるようにしてください。
必要に応じて、それらは 1 本のラインに接続されるようにしてください。
– X101 DRIVE-CLiQ ソケットが使用できない場合、次に高い DRIVE-CLiQ ソケッ
トをこれらのモータモジュールに使用するようにしてください。
5. シャーシの場合、400 μs の電流コントローラサイクルのモータモジュールは、コン
トロールユニットの DRIVE-CLiQ ソケット X102 に接続されるようにしてください。
必要に応じて、それらは 1 本のラインに接続されるようにしてください。
– X102 DRIVE-CLiQ ソケットが使用できない場合、次に高い DRIVE-CLiQ ソケッ
トをこれらのモータモジュールに使用するようにしてください。
6. 異なるパルス周波数を備えるシャーシのモータモジュール (フレームサイズ FX、GX、
HX、JX) は個別の DRIVE-CLiQ ラインに接続されるようにしてください。
7. シャーシのラインモジュールおよびモータモジュールは個別の DRIVE-CLiQ ライン
に接続されるようにしてください。
8. 周辺機器 (例: 増設 I/O モジュール、TM) は、1 本のラインで、コントロールユニッ
トの DRIVE-CLiQ ソケット X103 に接続されるようにしてください。
– DRIVE-CLiQ ソケット X103 が使用できない場合、任意の空の DRIVE-CLiQ ソケ
ットを周辺機器のために選択することができます。
9. サーボ制御モードでは、ブックサイズのモータモジュールを 1 本のラインでコント
ロールユニットの DRIVE-CLiQ ソケット X100 に接続されるようにしてください。
– X100 DRIVE-CLiQ ソケットが使用できない場合、次に高い DRIVE-CLiQ ソケッ
トをこれらのモータモジュールに使用するようにしてください。
10. ダブルモータモジュールの最初のドライブ用のモータエンコーダは、該当する
DRIVE-CLiQ ソケット X202 に接続されるようにしてください。
11. ダブルモータモジュールの二番目のドライブ用のモータエンコーダは、該当する
DRIVE-CLiQ ソケット X203 に接続されるようにしてください。
884
ドライブ機能
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ドライブシステムに関する基礎知識
12.10 DRIVE–CLiQ の配線ルール
12. モータエンコーダは該当するモータモジュールに接続されるようにしてください:
DRIVE-CLiQ を介したモータエンコーダの接続:
– ブックサイズのシングルモータモジュールを端子 X202 に
– ブックサイズのダブルモータモジュール
モータ X1 を端子 X202 に、モータ X2
を端子 X203 に
– シャーシのシングルモータモジュールを端子 X402 に
– CUA31 を備えるブロックサイズのパワーモジュール: エンコーダを端子 X202 へ
– CU310-2 を備えるブロックサイズのパワーモジュール: エンコーダを端子 X100
へ、または、TM31 を介して X501 へ
– シャーシのパワーモジュールを端子 X402 に
注記
モータモジュールに追加のエンコーダを接続する場合、このドライブに自動コン
フィグレーションでエンコーダ 2 として割り付けます。
13. DRIVE-CLiQ ソケットは、できる限り、左右対称に配線するようにしてください。
例: Do not connect 8 つの DRIVE-CLiQ ノードを直列で CU の 1 つの DRIVE-CLiQ
ソケットに接続しないでください - 代わりに、2 台のノードを 4 つの DRIVE-CLiQ
ソケットのそれぞれに接続します。
14. コントロールユニットからの DRIVE-CLiQ ケーブルは、最初のブックサイズのパワ
ーユニットの DRIVE-CLiQ ソケット X200 または最初のシャーシパワーユニットの
X400 に接続されるようにしてください。
15. パワーユニット間の DRIVE-CLiQ 接続は、必ず後続のコンポーネントの DRIVECLiQ ソケット X201 を X200 および/または X401 を X400 に接続されるようにして
ください。
16. CUA31 併用のパワーモジュールは DRIVE-CLiQ ラインの最後に接続されるように
してください。
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8QLW
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図 12-18
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例: DRIVE-CLiQ ライン
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
885
ドライブシステムに関する基礎知識
12.10 DRIVE–CLiQ の配線ルール
17. 最後のノードのみ、必ず DRIVE-CLiQ ライン内のコンポーネントの空き DRIVECLiQ ソケットに接続されるようにしてください (例: 直列接続されたモータモジュー
ル)。例えば、1 台のセンサモジュールや 1 台の増設 I/O モジュールなど、後続のコ
ンポーネントへの配線がないもの。
18. 可能な場合は、直接測定システムの増設 I/O モジュールとセンサモジュールをモー
タモジュールの DRIVE-CLiQ ラインにではなく、コントロールユニットの空いてい
る DRIVE-CLiQ ソケットに接続されるようにしてください。
注: この制限は、セスター結線には適用されません。
19. TM54F はモータモジュールと同じ DRIVE-CLiQ ラインで使用しないようにしてく
ださい。例外: CU310-2 以前のセクションを参照
20. 増設 I/O モジュール TM15、TM17、および TM41 のサンプルサイクルは TM31 およ
び TM54F よりも高いです。 この理由により、2 つの増設 I/O モジュールグループが
異なる DRIVE-CLiQ ラインに接続されるようにしてください。
21. サーボ制御とベクトル U/f 制御運転モードとの混合運転の場合、個別の DRIVECLiQ ラインがモータモジュールに使用されるようにしてください。
– ダブルモータモジュール上では、運転モードの組み合わせは不可能です。
22. 電源検出モジュール (VSM) がラインモジュールの DRIVE-CLiQ ソケット X202 (ブ
ックサイズユニット) または X402 (シャーシ) に接続されるようにしてください。
– X202/X402 DRIVE-CLiQ ソケットが使用できない場合、ラインモジュールの空の
DRIVE-CLiQ ソケットを使用するようにしてください。
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図 12-19
;
;;
;;
960
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ブックサイズおよびシャーシのコンポーネントのための VSM を含むトポロジ
ー例
886
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
ドライブシステムに関する基礎知識
12.10 DRIVE–CLiQ の配線ルール
表 12- 16
VSM 接続
コンポーネント
VSM 接続
ブックサイズのアクティブライン X202
モジュール
シャーシのアクティブラインモジ X402
ュール
シャーシのパワーモジュール
X402
シャーシのモータモジュール
X402 (PEM エンコーダレスおよび「瞬停再始動」
機能で有効)
12.10.4
ベクトル制御モードでのドライブの配線例
例1
同一のパルス周波数の 3 台のシャーシのモータモジュールまたはベクトル制御の 3 台
のブックサイズのモータモジュールで構成されるドライブシリーズ
同一のパルス周波数のシャーシのモータモジュールまたはベクトル制御モードのブック
サイズのモータモジュールは、コントロールユニットの 1 つの DRIVE-CLiQ インター
フェースに接続できます。
以下の図では、3 台のモータモジュールが DRIVE-CLiQ ソケット X101 に接続されてい
ます。
注記
このトポロジーは STARTER でオフラインで作成したプロジェクトのトポロジーと異
なっており、手動で変更しなければなりません。
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
887
ドライブシステムに関する基礎知識
12.10 DRIVE–CLiQ の配線ルール
榊䄟孔函
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図 12-20
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榊┪
同一のパルス周波数のドライブシステム (シャーシ)
異なるパルス周波数の 4 台のシャーシのモータモジュールで構成されるドライブシリーズ
異なるパルス周波数のモータモジュールをコントロールユニットの異なる DRIVE-CLiQ
ソケットに接続することにはメリットがあります。 それらは、同じ DRIVE-CLiQ ライ
ンで接続することもできます。
以下の図では、2 台のモータモジュール (400 V、出力 ≤ 250 kW、パルス周波数 2 kHz)
がインターフェース X101 に接続され、2 台のモータモジュール (400 V、出力 >
250 kW、パルス周波数 1.25 kHz) がインターフェース X102 に接続されています。
注記
このトポロジーは STARTER でオフラインで作成したプロジェクトのトポロジーと異
なっており、手動で変更しなければなりません。
888
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
ドライブシステムに関する基礎知識
12.10 DRIVE–CLiQ の配線ルール
榊䄟孔函
ነዐእዊ
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図 12-21
12.10.5
'5,9(&/L4
ኅዐነዙኝ
榊┪
異なるパルス周波数のシャーシのドライブシステム
ベクトル制御モードでのモータモジュールの並列接続の配線例
同一タイプの 2 台の並列接続されたシャーシのラインモジュールおよびモータモジュールを含むド
ライブシステム
並列接続された同一タイプのシャーシのラインモジュールおよびシャーシのモータモジ
ュールは、コントロールユニットの DRIVE-CLiQ ソケットに接続することができます。
下の図では 2 台のアクティブラインモジュールと 2 台のモータモジュールが X100 また
は X101 ソケットに接続されています。
並列接続に関する詳細は、『SINAMICS S120 ファンクションマニュアル』の「パワー
ユニットの並列接続」の章を参照してください。
注記
このトポロジーは STARTER でオフラインで作成したプロジェクトのトポロジーと異
なっており、手動で変更しなければなりません。
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
889
ドライブシステムに関する基礎知識
12.10 DRIVE–CLiQ の配線ルール
榊䄟孔函
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ኅዐነዙኝ
榊┪
図 12-22
890
並列接続されたシャーシのパワーユニットを含むドライブシステム
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
ドライブシステムに関する基礎知識
12.10 DRIVE–CLiQ の配線ルール
12.10.6
配線例:パワーモジュール
ブロックサイズ
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図 12-23
ኅዐነዙኝ
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ブロックサイズのパワーモジュールの配線例
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
891
ドライブシステムに関する基礎知識
12.10 DRIVE–CLiQ の配線ルール
シャーシ
'5,9(&/L4
;
&RQWURO
8QLW
3RZHU0RGXOH&KDVVLV
;
;
60&
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70
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ኅዐነዙኝ኎ዙኳወ
図 12-24
892
シャーシのパワーモジュールの配線例
ドライブ機能
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ドライブシステムに関する基礎知識
12.10 DRIVE–CLiQ の配線ルール
12.10.7
サーボドライブの配線例
下の図は、最大制御可能数のサーボドライブと追加コンポーネントを示しています。
個々のシステムコンポーネントのサンプリング時間は以下の通りです。
●
アクティブラインモジュール : p0115[0] = 250 µs
●
モータモジュール : p0115[0] = 125 µs
●
増設 I/O モジュール / 増設 I/O カード p4099 = 1 ms
60\
60[
60[
60[
60[
60[
60[
;
;
;
;
;
;
;
600
600
;
;
;
;
;
;
;
;
;
;
70[
&RQWURO
8QLW
'00
600
600
;
;
;
;
;
;
;
;
;
60\
;
;
;
;
60\
$/0
;
;
;
;
図 12-25
サーボトポロジーの例
トポロジ例の凡例 :
ALM = アクティブラインモジュール
SMM = シングルモータモジュール
DMM = ダブルモータモジュール
SMx = モータエンコーダ
SMy = 直接測定システム
TMx = TM31、TM15DI/DO、TB30
ドライブ機能
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893
ドライブシステムに関する基礎知識
12.11 DRIVE-CLiQ コンポーネントの非常運転モード
12.10.8
ベクトル V/f ドライブの配線例
以下の図は、最大制御可能数のベクトル V/f ドライブと追加コンポーネントを示してい
ます。 個々のシステムコンポーネントのサンプリング時間は以下の通りです:
●
アクティブラインモジュール: p0115[0] = 250 μs
●
モータモジュール:p0115[0] = 500 μs
●
増設 I/O モジュール/増設 I/O カード p4099 = 2 ms
●
最大 12 軸が V/f モードで制御できます
;
;
70[
600
600
600
600
&8
;
;
;
;
;
;
;
;
;
;
;
;
;
;
$/0
600
600
600
600
;
;
;
;
;
;
;
;
;
;
;
;
;
;
;
;
;
図 12-26
12.11
$/0 $FWLYH/LQH0RGXOH
600 6LQJOH0RWRU0RGXOH
70[ 7070','2
ベクトル V/f 制御用サンプルトポロジー
DRIVE-CLiQ コンポーネントの非常運転モード
コントロールユニットまたは DRIVE-CLiQ の通信 (例: スピンドルの回転中) に障害が発
生した場合にドライブシステムを過電圧から保護するため、DRIVE-CLiQ コンポーネン
ト内に以下の機能の非常運転モード (自立運転) が統合されています。
●
チョッパモード (外部制動抵抗器と組み合わせたベーシックラインモジュール 20kW
/ 40kW の場合)。
●
高運動エネルギーを有するマシンの内部電圧保護 (DC リンク電圧に基づいてモータ
モジュールに制御される電機子短絡)
894
ドライブ機能
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ドライブシステムに関する基礎知識
12.11 DRIVE-CLiQ コンポーネントの非常運転モード
特徴
●
非常モード (クロックサイクル条件が変更されていない場合のみ) や POWER ON し
ない場合にも、DRIVE-CLiQ 通信を再開および再同期化
●
コンポーネントの POWER ON なしで非常運転から通常運転への切り替え
●
出荷時設定値/プロジェクトのダウンロードでの定義された応答。
注記
自立 (非常) 運転は、注文番号の末尾が ...3、例: 6SL3130-6TE21-6AA3 のモータモジュ
ールおよびベーシックラインモジュールでのみ可能です。
動作原理
2 つのタスクプロファイルは自立運転から取得されます:
●
コンポーネントが深刻な状況に陥り、保護機能が維持されなければならないことを
認識してください。
●
上位レベルコントローラで通信を回復します。
保護機能を維持するため、タイムスライスシステムは有効な状態のままでなければなり
ません。
安全な状態に到達しタイムスライスを無効化できるという信号を保護機能が送信するま
で、ログオン済みタイムスライスシステムは有効のままです。 通信を再開する時、
DRIVE-CLiQ マスタが以前のパラメータ設定との関連でバスタイミングの変更が行われ
なかったという信号を出力する場合、同期が可能です。 タイムスライスは依然と同じ
ままです。
注記
自立運転の全てのアルゴリズムは、コンポーネントのバックグラウンド処理で実行され
ます。 従って、これらはコンポーネントがサイクリックに使用するコンピュータのリ
ソースに影響を与えません。
通信再開には、非常運転中のトポロジー検出を含みます。
注記
コンポーネントは、非常モードで運転している場合、無効化することはできません。
ドライブ機能
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895
ドライブシステムに関する基礎知識
12.11 DRIVE-CLiQ コンポーネントの非常運転モード
自立タイムスライス運転の準備
アプリケーションは (ベーシックシステム DRIVE-CLiQ スレーブコンポーネントに) 自
立タイムスライス運転の準備信号を送信します。 これは、例えば、「電機子短絡」保
護機能が有効な場合やチョッパ運転で実行されます。
通常運転から自立運転への切り替え
アプリケーションは自立タイムスライス運転を有効化します。 切り替えは直ちに実行
されます。
通常運転から自立運転への切り替え
POWER ON なしでも通常運転に常に切り替えることができます。
自立モード有効時の DRIVE-CLiQ 通信の再開
以下の 2 つの運転状態を区別しなければなりません:
●
コンポーネントの直近の起動以降、クロックサイクル設定などの DRIVE-CLiQ バス
タイミングが変更されていない:
DRIVE-CLiQ コンポーネントがサイクリックモードで起動されました。
●
DRIVE-CLiQ タイミングが変更された:
あらゆる手段で自立運転を継続しなければなりません。 DRIVE-CLiQ コンポーネン
トは、アプリケーションから自立運転を必要としないことを示す信号を受信するま
で起動しません。 その後、コンポーネントは変更されたクロックサイクル設定で再
起動することができます。
二度目のダウンロードを実行する際、コンポーネントが既に動作していなければなりま
せん。 二度目ダウンロード (再パラメータ設定、出荷時設定、...) を許可するためには、
DRIVE-CLiQ マスタが保護機能を「無効化」し (選択している場合)、自立タイムスライ
ス運転も無効化しなければなりません。 この状態で、全てのタイミング変更が許可さ
れます。
DRIVE-CLiQ マスタがダウンロードの妥当性チェックを実行します (この場合の妥当性
は、コンポーネントのタイムスライス動作に影響する設定のみを意味します)。
「タイミング変更」のメッセージで DRIVE-CLiQ スレーブに接続しなければならない
再設定は以下の通りです。
896
●
コンポーネントの DRIVE-CLiQ クロックサイクルの変更
●
タイムスライスシステムの内部再設定が必要なオーバーサンプリング設定への変更
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ドライブシステムに関する基礎知識
12.12 システムサンプリング時間および制御可能なドライブ数
以下にも注意してください:
●
コンポーネントの接続変更やコンポーネント間の長いケーブルには、信号転送遅延
に対する調整が必要なため、タイミングも変化します。
12.12
システムサンプリング時間および制御可能なドライブ数
システムに組み込まれたソフトウェア機能は、サイクリックに異なるサンプリング時間
で実行されます (p0115、p0799、p4099)。
機能のサンプリング時間は、ドライブユニットのコンフィグレーション時に自動的に再
び割り付けられます。
これらの設定は選択されたモード (ベクトル/サーボ)、接続されているコンポーネント、
および有効な機能 に基づくものです。
サンプリング時間は、パラメータ p0112 (サンプリング時間、p0115 プリセット)、
p0113 (パルス周波数、最小選択) または直接 p0115 を使用して、調整することができ
ます。
p0092 = 1 の場合、サンプリング時間は、アイソクロナス運転と制御が可能となるよう
にプリセットされます。 アイソクロナス運転は、サンプリング時間の設定により可能
ではありません。その時、該当するメッセージが出力されます (A01223、A01224)。 自
動コンフィグレーションの前に、サンプリング時間が適切に設定されるように、パラメ
ータ p0092 を「1」に設定してください。
注記
プリセットされたサンプリング時間の変更は、専門担当者が行ってください。
12.12.1
制御可能なドライブ数についての注意
制御される軸の数およびタイプ、および、本プロジェクトの追加機能は、ファームウェ
アの設定により拡大できます。 特に要求が厳しいコンフィグレーションの場合 (例えば、
ハイダイナミック性能のドライブ、または、特殊機能を追加使用する多くの軸が存在す
る場合)、機器選定ツール SIZER によるチェックを推奨します。
SIZER はプロジェ
クトの実現可能性を計算します。
最大許容の機能性は、使用するコントロールユニットの性能とコンフィグレーションさ
れたコンポーネントに応じて異なります。
ドライブ機能
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897
ドライブシステムに関する基礎知識
12.12 システムサンプリング時間および制御可能なドライブ数
この章では、コントロールユニットで運転可能な軸数が示されています。 軸数は、サ
イクロタイムおよび制御モードに依存します。 他の利用可能な残存演算時間は、オプ
ション (例: DCC) で使用可能です。
サーボ制御のサイクルタイム
以下の表は、サーボ制御モードでのコントロールユニットで運転可能な軸数が示されて
います。 軸数は、コントローラのサイクロタイムにも依存します。
表 12- 17
サーボ制御用のサンプリング時間の設定
サイクルタイム [μs]
数
軸
電源装置
TM1) / TB
モータ / 直接測
定システム
電流コント
ローラ
速度コントロー
ラ
125
125
6
1 [250 μs]
6/6
3 [2000 μs]
62,5
62,5
3
1 [250 μs]
3/3
3 [2000 μs]
31,252)
31,252)
1
1 [250 μs]
1/1
3 [2000 μs]
1) TM31 または TM15IO で有効; TM54F、TM41、TM15、TM17、TM120、TM150 の場合 - 設定された
サンプリング時間に依存し、制限が存在する場合があります。
2) サイクルレベル 31.25 μs では、以下のオブジェクトを作成することができます:
- 現在のファームウェアおよびハードウェアをサポートする外部センサモジュール (SME) および
SMC20 これらは注文番号の末尾 ... 3 で理解されます。
- 追加の軸はこのサイクルレベルでは運転できません。
以下の組み合わせは、電流コントローラの混在運転で許容されます:
●
125 μ および 250 μs でのサーボ (最大 2 クロックサイクルベルを混合できます)
●
62.5 μs および 125 μs でのサーボ (最大 2 クロックサイクルレベルを混合できます)
以下に注意してください: 31.25 μs の 1 軸は以下に相当します:
898
●
62.5 μs の 2 サーボ軸
●
125 μs の 4 サーボ軸
●
500 μs の 8 U/f 軸
ドライブ機能
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ドライブシステムに関する基礎知識
12.12 システムサンプリング時間および制御可能なドライブ数
ベクトル制御のサイクルタイム
以下の表は、ベクトル制御モードでのコントロールユニットで運転可能な軸数が示され
ています。 軸数は、コントローラのサイクロタイムにも依存します。
表 12- 18
ベクトル制御用のサンプリング時間の設定
サイクルタイム [μs]
数
電源 2)
軸
モータ / 直接測
定システム
TM1) / TB
電流コント
ローラ
速度コントロー
ラ
500 μs
2000 μs
6
1 [250 μs]
6/6
3 [2000 μs]
4003) μs
1600 μs
5
1 [250 μs]
5/5
3 [2000 μs]
250 μs
1000 μs
3
1 [250 μs]
3/3
3 [2000 μs]
1) TM31 または TM15IO で有効; TM54F、TM41、TM15、TM17、TM120、TM150 の場合 - 設定された
サンプリング時間に依存し、制限が存在する場合があります。
2) シャーシのパワーユニットの場合、電源サイクルは、そのモジュールの定格出力に依存し、400 μs、
375 μs または 250 μs を想定することができます。
3) この設定により、短い残存計算時間に至ります。
閉ループベクトル制御では、電流コントローラサイクルは 250 μs と 500 μs で混在でき
ます。
通知
シャーシタイプに対する制限
エッジ変調およびウォブリングが同時にそれぞれ p1802 ≥ 7 および p1810.2 = 1 で有
効化される場合、ベクトル制御の量構造は半分にされます。 この時、500 μs で最大 3
軸、400 μs で 2 軸または 250 μs で 1 軸が許容されます。
U/f 制御用のサイクルタイム
以下の表は、U/f 制御モードでのコントロールユニットで運転可能な軸数が示されてい
ます。 軸数は、電流コントローラクロックサイクルに依存します:
表 12- 19
U/f 制御用のサンプリング時間設定
サイクルタイム [μs]
電流コント
ローラ
速度コントロー
ラ
500
2000
数
ドライブ /
12
ドライブ機能
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電源装置
1 [250 μs]
モータ / 直接測
定システム
-/-
TM/TB
3 [2000 μs]
899
ドライブシステムに関する基礎知識
12.12 システムサンプリング時間および制御可能なドライブ数
サーボ制御と U/f 制御の混在運転
サーボ制御と U/f 制御での混在運転では、125 μs のサーボ制御の 1 軸は、500 μs での
U/f 制御の 2 軸と全く同じ演算性能を使用します。 サーボ制御との組み合わせで、最大
11 軸が許容されます (1 サーボ + 10 ベクトル U/f)。
表 12- 20
混在サーボ制御運転での軸数
U/f 制御での軸数
サーボ制御での軸数
6
125 μs
5
125 μs
4
125 μs
3
125 μs
2
125 μs
1
125 μs
0
3
2
1
62.5 μs
62.5 μs
62.5 μs
0
0
2
500 μs
4
500 μs
6
500 μs
8
500 μs
10
500 μs
12
500 μs
ベクトル制御と U/f 開ループ制御の混在運転
ベクトル制御と U/f 制御での混在運転では、250 μs のベクトル制御の 1 軸は、500 μs
での U/f 制御の 2 軸と全く同じ演算性能を使用します。 ベクトル制御との組み合わせ
で、最大 11 軸が許容されます (1 ベクトル + 10 U/f)。
表 12- 21
混在ベクトル制御運転での軸数
U/f 制御での軸数
ベクトル制御での軸数
6
500 μs
5
500 μs
4
500 μs
3
500 μs
2
500 μs
1
500 μs
0
900
3
2
1
0
250 μs
250 μs
250 μs
0
2
500 μs
4
500 μs
6
500 μs
8
500 μs
10
500 μs
12
500 μs
ドライブ機能
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ドライブシステムに関する基礎知識
12.12 システムサンプリング時間および制御可能なドライブ数
サーボ制御モートでの CU310-2 のサイクルタイム
表 12- 22
サーボ制御用のサンプリング時間の設定
サイクルタイム [μs]
DQ を介して
数
軸
電源装置
3)
スナップ接続
先
モータモジュ
ール
パワーモジュ
ール
TM1) / TB
電流コント
ローラ
速度コントロー
ラ
125
125
1
-
-
1
3 [2000 μs]
62,5
62,5
1
-
-
1
3 [2000 μs]
31,252)
31,252)
1
-
-
1
3 [2000 μs]
125
125
1
1 [250 μs]
1
-
3 [2000 μs]
62,5
62,5
1
1 [250 μs]
1
-
3 [2000 μs]
31,252)
31,252)
1
1 [250 μs]
1
-
3 [2000 μs]
1) TM15、TM17 または TM41 で有効; TM54F、TM31、TM120、TM150 の場合 - 設定されたサンプリン
グ時間に依存し、制限が存在する場合があります。
2) サイクルレベル 31.25 μs では、以下のオブジェクトを作成することができます:
- 現在のファームウェアおよびハードウェアをサポートする外部センサモジュール (SME) および
SMC20 これらは注文番号の末尾 ... 3.3 で識別できます。
) DQ = DRIVE-CLiQ
CU310-2 は、X100 DRIVE-CLiQ ポートを介して接続された 1 台のモータモジュールと
の組み合わせで 31.25 μs のクロックサイクルレベルのみを有することができます。 こ
のアプリケーションでは、コントロールユニットをパワーユニットにスナップ接続する
ことは許容されません。
310-2 コントロールユニットが PM340 パワーモジュールにスナップ接続される場合、
62.5 μs の最小電流コントローラクロックサイクルが可能です。
DCC の使用
使用可能な残存計算時間は DCC に使用できます。 この場合、以下の追加条件が適用さ
れます:
●
2 ms タイムスライスの場合、最大 75 DCC ブロックが省略/解除可能な 125 μs のそ
れぞれのサーボ軸に対してコンフィグレーション可能です (≙ 2 U/f 軸、500 μs).
●
2 ms タイムスライス用の 75 DCC ブロックは 500 μs の 2 U/f 軸に相当します。
●
2 ms タイムスライス用の 50 DCC ブロックは 500 μs の 1.5 U/f 軸に相当します。
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901
ドライブシステムに関する基礎知識
12.12 システムサンプリング時間および制御可能なドライブ数
EPOS を使用
以下の表は、簡易位置決め (EPOS) を使用した時の SINAMICS S120 で運転可能な軸数
が示されています。 軸数は、電流コントローラクロックサイクルに依存します。
表 12- 23
EPOS 使用時のサンプリングタイム
サイクルタイム [μs]
サイクルタイム [ms]
電流コントロー 速度コントロー 位置コントロー
ラ
ラ
ラ
数
位置決め
軸
電源装置
250
250
2
8
6
1 [250 μs]
250
250
1
4
5
1 [250 μs]
125
125
1
4
4
1 [250 μs]
ファンクションモジュール EPOS に必要な CPU 処理時間は (1 ms 位置コントローラ/4
ms 位置決めで) 500 μs の 0.5 U/f 軸の同じ CPU 処理時間に一致します。
CUA31/CUA32 を使用
コントロールユニットアダプタ CUA31 または CUA32 の使用に関する情報:
12.12.2
●
CUA31/32 は、CUA31/32 トポロジーの最初のコンポーネントです: 5 軸
●
CUA31/32 は、CUA31/32 の最初のコンポネントではありません: 6 軸
●
62.5 μs 電流コントローラの場合、1 軸のみが 1 台の CUA31/32 で可能です。
サンプリング時間の設定
以下のためのサンプリング時間:
902
●
電流コントローラ (p0115[0])
●
速度コントローラ (p0115[1])
●
磁束コントローラ (p0115[2])
●
設定値チャンネル (p0115[3])
●
位置コントローラ (p0115[4])
●
位置決め (p0115[5])
●
テクノロジーコントローラ (p0115[6])
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ドライブシステムに関する基礎知識
12.12 システムサンプリング時間および制御可能なドライブ数
これらのサンプリング時間は、要求される性能レベルに応じて p0112 で閉ループ制御
構成に適切な値 (単位 µs) を選択し、それを p0115[0...6] にコピーして設定します。 性
能レベルは、xLow から xHigh までです。
サンプリング時間の設定方法に関する詳細は、『SINAMICS S120/S150 リストマニュ
アル』に設定されています。
STARTER を使用したオンライン操作でのパルス周波数の設定
p0113 に最小パルス周波数を入力します。 アイソクロナス運転 (p0092 = 1) では、結果
の電流コントローラサイクルが 125 μs の整数倍になるようにパラメータを設定しなけ
ればなりません。 必要とされるパルス周波数は、試運転後 (p0009 = p0010 = 0) に
p1800 で設定できます。
表 12- 24
アイソクロナス運転用のパルス周波数
p0115[0]
p0113
電流コントローラサイクル / μs
パルス周波数 / kHz
250
2
125
4
500
1
250
2
制御タイプ
サーボ
ベクトル
試運転終了後 (p0009 = p0010 = 0)、有効なパルス周波数 (p1800) は、p0113 に依存し
て適切にプリセットされ、後で修正することができます。
サンプリング時間の設定
p0112 > 1 では設定できないサンプリング時間が必要な場合、p0115 を使用してサンプ
リング時間を直接設定することができます。 この場合、p0112 は「0」 (エキスパート)
に設定されなければなりません。
p0115 がオンラインで変更される場合、上位のインデックス値が自動的に変更されます。
STARTER がオフラインモードの時には p0115 の変更は推奨されません。 これは、パ
ラメータ設定が不正な場合、プロジェクトのダウンロードが中断されるからです。
ドライブ機能
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903
ドライブシステムに関する基礎知識
12.12 システムサンプリング時間および制御可能なドライブ数
12.12.3
サンプリング時間を設定するときのルール
サンプリング時間を設定するときは、以下の規則が適用されます:
1. ドライブオブジェクト (DO) の電流コントローラのサンプリング時間と、コントロー
ルユニット、TM モジュール、TB モジュールの入/出力サンプリング時間は、125 µs
の整数倍にならなければなりません。 DRIVE-CLiQ ケーブル 31.25 μs または 62.5
μs コントローラサンプリング時間のサーボ制御軸を含む DRIVE-CLiQ ケーブルは例
外です。
2. TB30 の入/出力のサンプリング時間 (p4099[0...2]) は、DRIVE-CLiQ グループに接続
されているドライブオブジェクトの電流コントローラサンプリング時間 (p0115[0])
の整数倍でなければなりません。
– 入/出力のサンプリング時間 p4099[0...2]: TB30 の場合
3. Safety Integrated 拡張機能を使用する場合 (『Safety Integrated ファンクションマニ
ュアル』を参照)、電流コントローラのサンプリング時間 (p0115[0]) は、31.25 μs、
62.5 μs、125 μs、250 μs、375 μs、400 μs または 500 μs でなければなりません。
4. ブックサイズのアクティブラインモジュール (ALM) の場合、設定できる電流コント
ローラのサンプリング時間は 125.0 μs または 250.0 μs のみです。
5. シャーシタイプのアクティブラインモジュール (ALM) の場合、設定できる電流コン
トローラのサンプリング時間は 250.0 μs または 400.0 μs / 375.0 μs (p0092 = 1 の場
合は 375 μs) のみです。
6. ベーシックラインモジュール (BLM) の場合、設定できる電流コントローラのサンプ
リング時間は 2000 μs だけです。
7. シャーシタイプのモータモジュールの場合、設定できる電流コントローラの最小サ
ンプリング時間は 125 μs です (125 μs ≦ p0115[0] ≦ 500 μs)。 これは、サーボおよ
びベクトル制御タイプに適用されます。
8. ブロックサイズのモータモジュールの場合、設定できる電流コントローラのサンプ
リング時間は 62.5 μs、125.0 μs、250.0 μs、500.0 μs です (2 kHz の倍数のパルス周
波数のみ許容)。
9. シャーシユニットが DRIVE-CLiQ ラインに接続されている場合、電流コントローラ
の最小サンプリング時間は少なくとも 125 μs 以上でなければなりません。 これは、
サーボ制御タイプのみに適用されます。
例:
DRIVE-CLiQ ラインでのシャーシとブックサイズのユニット混在
10. 設定可能な電流コントローラの最小サンプリング時間は 31.25 μs ~ 250.0 μs です
(31.25 μs ≦ p0115[0] ≦ 250.0 μs)。
904
ドライブ機能
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ドライブシステムに関する基礎知識
12.12 システムサンプリング時間および制御可能なドライブ数
11. 設定可能な電流コントローラの最小サンプリング時間は 125.0 μs ~ 500.0 μs です
(125.0 μs ≦ p0115[0] ≦ 500.0 μs)。
12. 電流コントローラのサンプリング時間が p0115[0] = 62.5 μs に設定されたサーボド
ライブの場合、以下が適用されます:
– ブックサイズおよびブロックサイズでのみ可能です。
最大コンポーネント/デバイス数:
– ブックサイズ: p0115[0] = 62.5 μs + ラインモジュール (異なる DRIVE-CLiQ ライ
ンに接続) のサーボ 2 台
– ブロックサイズ: p0115[0] = 62.5 μs のサーボ 1 台
– DRIVE-CLiQ ライン上で、ブックサイズのサーボドライブと p0115[0] = 125.0 μs
のサーボを組み合わせることができます (但し、台数構成は同じであること)。
13. アイソクロナス PROFIBUS 通信 (p0092 = 1 を設定):
– 電流コントローラのサンプリング時間は、125.0 μs、62.5 μs または 31.25 μs の
整数倍でなければなりません。
14. ベクトルおよびベクトル U/f 制御モートで、サインフィルタ (p0230 > 0) を使用し
ている場合、デフォルト値の複数の整数ステップに関連する DO の電流コントロー
ラサンプリング時間のみ変更が許容されます。
15. シャーシの場合:
– ベクトル制御の 3 台のドライブの場合 (速度制御: r0108.2 = 1)、電流コントロー
ラの最小サンプリング時間は 250.0 μs に設定できます
(250.0 μs ≦ p0115[0] ≦ 500 μs)。
この規則も最大 4 モータモジュールの並列接続に適用されます。
– 4 ベクトルドライブの場合 (速度制御: r0108.2 = 1)、電流コントローラの最小サン
プリング時間は 375.0 μs に設定できます
(375.0 μs ≦ p0115[0] ≦ 500 μs)。
注記
ベクトル制御のシャーシ用の軸数制限
エッジ変調およびワォブリングが有効な場合は軸の半数のみ許容されます。
16. ベクトル制御がベクトル U/f 制御を組み合わせられて運転される場合、最大 11 個の
軸が可能です (ALM、TB および TM を追加で可能):
ドライブ機能
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905
ドライブシステムに関する基礎知識
12.12 システムサンプリング時間および制御可能なドライブ数
17. コントロールユニットで、ユニットの最小サンプリング時間が他のユニットの最小
サンプリング時間の整数倍でない場合には、最大 2 つの DRIVE–CLiQ ケーブルが使
用可能です。
例 1:
コントロールユニット X100 で: 250 μs でのアクティブラインモジュール
コントロールユニット X101 で: 455 μs のベクトルドライブオブジェクト 1 台
(p0113 = 1.098 kHz)
この設定は可能です。
その他の DRIVE-CLiQ ラインは最低サンプリング時間が 250 μs または 455 μs 以上
でなければなりません。
12.12.4
サンプリング時間のデフォルト設定
初回試運転時に、電流コントローラサンプリング時間 (p0115[0]) は自動的に出荷時設定
でプリセットされます:
表 12- 25
出荷時設定
取付構造
数
p0112
p0115[0]
p1800
アクティブ電源
1
2 (Low)
250 μs
-
400 V / ≤ 300 kW
1
2 (Low)
250 μs
-
690 V / ≤ 330 kW
1
2 (Low)
250 μs
-
400 V / > 300 kW
1
0 (エキスパート)
375 μs (p0092 = 1)
-
690 V / > 330 kW
1
1 (xLow)
400 μs (p0092 = 0)
-
1
2 (Low)
250 μs
-
400 V / ≤ 355 kW
1
2 (Low)
250 μs
-
690 V / ≤ 450 kW
1
2 (Low)
250 μs
-
400 V / > 355 kW
1
2 (Low)
250 μs
-
690 V / > 450 kW
1
2 (Low)
250 μs
-
ブックサイズ
シャーシ
シャーシ
スマート電源装置
ブックサイズ
シャーシ
シャーシ
906
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ドライブシステムに関する基礎知識
12.12 システムサンプリング時間および制御可能なドライブ数
取付構造
p0112
数
p0115[0]
p1800
ベーシック電源装置
ブックサイズ
1
4 (High)
250 μs
-
シャーシ
1
3 (標準)
2000 μs
-
ブックサイズ
1~6
3 (標準)
125 μs
4 kHz
シャーシ
1~6
1 (xLow)
250 μs
2 kHz
ブロックサイズ
1~5
3 (標準)
125 μs
4 kHz
ブックサイズ
1 ~ 3 のみ n_ctrl
3 (標準)
250 μs
4 kHz
シャーシ
1 ~ 6 のみ U/f
サーボ
ベクトル
2 kHz
400 V / ≤ 250 kW
ブックサイズ
4 ~ 12
0 (エキスパート)
500 μs
4 kHz
2 kHz
シャーシ
400 V / ≤ 250 kW
シャーシ
1 ~ 4 のみ n_ctrl
0 (エキスパート)
375 μs (p0092 = 1)
1.333 kHz
> 250 kW
1 ~ 5 のみ U/f
0 (エキスパート)
400 μs (p0092 = 0)
1.25 kHz
690 V
1 ~ 6 のみ n_ctrl
1 (xLow)
500 μs (p0092 = 1)
2 kHz
注意
ブロックサイズのパワーモジュールがコントロールユニットに接続される場合、全てのベクトルドライ
ブのサンプリング時間は、ブロックサイズのパワーモジュールの規則に従って設定されます (250 μs ま
たは 500 μs のみ可能)。
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907
ドライブシステムに関する基礎知識
12.12 システムサンプリング時間および制御可能なドライブ数
12.12.5
サンプリング時間/パルス周波数の変更例
例: パラメータ p0112 を使用して電流コントローラのサンプリング時間を 62.5 µs へ変更
注記
該当するドライブオブジェクトのエキスパートリストで、以下でリストされているパラ
メータ設定を行います。
前提条件:
●
最大 2 台のドライブ、ブックサイズ
●
サーボ制御のドライブ
手順:
1. p0009 = 3 (オフライン運転は除く)。
2. 最初のサーボドライブオブジェクトに切り替えます。
3. p0112 = 4。
4. 2 番目のサーボドライブオブジェクトに切り替え、ステップ 3 の手順を繰り前しま
す。
5. p0009 = 0 (オフライン運転は除く)。
6. STARTER がオフラインモードの場合: ドライブへのダウンロードします。
7. [Copy RAM to ROM] 機能を使用して、パラメータの変更を不揮発性メモリに保存し
ます (『試運転マニュアル』も参照)。
8. コントローラの設定を再度計算することを推奨します (p0340 = 4)。
例: パラメータ p0113 でパルス周波数を変更
前提条件:
●
STARTER はオンラインモードです。
前提条件:
908
●
TB30 が挿入されています。
●
サーボ制御のドライブ
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12.12 システムサンプリング時間および制御可能なドライブ数
手順:
1. p0009 = 3 (オフライン運転は除く)。
2. 最初のサーボドライブオブジェクトに切り替えます。
3. p0112 = 0。
4. p0113 で最小パルス周波数を入力します。
周波数のパルスがサンプリング時間設定の規則 1 に反する場合、アラームが出力さ
れ、p0114 に推奨される適切なパルス周波数が表示されます。 ドライブオブジェク
ト (DO) の電流コントローラのサンプリング時間と、コントロールユニット、TM モ
ジュール、TB モジュールの入/出力サンプリング時間は、125 μs の整数倍にならな
ければなりません。 これは、p0113 に入力することができます (必ずサンプリング
時間設定の規則を考慮してください)。
5. 2 番目のサーボドライブオブジェクトに切り替え、ステップ 3 と 4 の手順を繰り返
します。
6. ドライブオブジェクト TB30 に切り替えます。
7. 3 つのサンプリング時間 p4099[0..2] をサーボドライブにおける電流コントローラの
サンプリング時間の整数倍に設定します。
8. p0009 = 0。
注記: p1800 のパルス周波数は、自動的に調整されます。
9. [Copy RAM to ROM] 機能を使用して、パラメータの変更を不揮発性メモリに保存し
ます (『SINAMICS S120 試運転マニュアル』も参照)。
10. コントローラの設定を再度計算することを推奨します (p0340 = 4)。
12.12.6
主要なパラメータの一覧 (「SINAMICS S120 / S150 リストマニュアル」を参
照)
●
p0009 機器の試運転、パラメータフィルタ
●
p0092 アイソクロノス PROFIBUS 操作、プリセット/チェック
●
p0097 ドライブオブジェクトタイプの選択
●
r0110 [0...2] DRIVE-CLiQ ベーシックサンプリング時間
●
p0112 サンプリング時間、プリセット p0115
●
p0113 最小パルス周波数の選択
●
r0114 最小パルス周波数の推奨値
ドライブ機能
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909
ドライブシステムに関する基礎知識
12.13 ライセンス
12.13
●
p0115[0...6] 内部制御ループのサンプリング時間
●
r0116 ドライブのサンプリング時間の推奨値
●
p0118 電流コントローラ計算デッドタイム
●
p0799 CU 入/出力サンプリング時間
●
p1800 パルス周波数
●
p4099 入/出力サンプリング時間
●
r9780 SI 監視クロックサイクル (コントロールユニット)
●
r9880 SI 監視クロックサイクル (モータモジュール)
ライセンス
説明
SINAMICS S120 ドライブシステムと有効オプションを使用するために、ハードウェア
に対してライセンスを設定する必要があります。 その際、ユーザは関連オプションと
ハードウェアを電子的にリンクさせるライセンスキーを受け取ります。
ライセンスキーとは、1 つ以上のソフトウェアのライセンスを取得していることを示す
電子的なライセンス認証です。
ライセンスが必要となるソフトウェアに対する使用許諾の照合は、ライセンスの証明と
呼ばれます。
注記
基本機能とライセンスが必要となる機能に関しては、注文ドキュメント (例:カタログ)
を参照してください。
オプション用の十分なライセンスがない場合のシステム応答
オプション用のライセンスが不十分な場合、以下のアラームとコントロールユニットの
LED が表示されます。
●
A13000 ライセンスが不十分
●
LED RDY が 0.5 Hz で緑色/赤色が点滅
通知
試運転時と点検時のみ、ドライブはオプション用のライセンスが不十分でも運転が可
能です。
ドライブの運転には十分なライセンスが必要となります。
910
ドライブ機能
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ドライブシステムに関する基礎知識
12.13 ライセンス
ファンクションモジュール用の十分ではないライセンスの場合のシステム応答
ファンクションモジュール用のライセンスが不十分であることは、以下の故障およびコ
ントロールユニット上の LED で表示されます。
●
F13010 ライセンス、ファンクションモジュールのライセンスがありません
●
ドライブは OFF1 応答で停止します。
●
LED RDY は赤く点灯します
通知
ファンクションモジュール用のライセンスが十分ではないドライブシステムを運転す
ることはできません。
ドライブの運転には十分なライセンスが必要となります。
性能拡張に関する情報
性能オプション (注文番号: 6SL3074-0AA01-0AA0) は、 演算時間利用率が 50% を超え
る場合に必要です。 残りの演算時間は、パラメータ r9976[2] に表示されます。 CPU
使用率が 50% を超過すると、アラーム A13000 が発生して、コントロールユニットの
「READY」LED が 0.5 Hz の周期で緑色/赤色に点滅します。
OA アプリケーション用の十分ではないライセンスの場合のシステム応答
OA アプリケーション用のライセンスが不十分であることは、以下の故障およびコント
ロールユニット上の LED で表示されます。
●
F13009 ライセンス、OA アプリケーションのライセンスがありません
●
ドライブは OFF1 応答で停止します。
●
LED READY は赤く点灯します
通知
OA アプリケーション用のライセンスが十分ではないドライブシステムを運転するこ
とはできません。 ドライブの運転には十分なライセンスが必要となります。
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911
ドライブシステムに関する基礎知識
12.13 ライセンス
ライセンスキーの特徴
●
特定のメモリカードに割り付けられる。
●
不揮発性メモリカードに保存されます。
●
転送は不可。
●
ライセンスデータベースから、「WEB License Manager」 (WEB ライセンスマネー
ジャ) を使用して取得可能です。
「WEB License Manager (WEB ライセンスマネージャ)」を介してライセンスキーを生成
以下の情報が必要です。
●
メモリカードのシリアル番号 (メモリカードに印刷)
●
ライセンス番号、ライセンスの配達受領書番号 (ライセンス証明書に記載)
1. 「WEB License Manager (WEB ライセンスマネージャ)」」を読み出します。
http://www.siemens.com/automation/license
2. [Direct access] を選択。
3. ライセンス番号と配達受領証番号を入力。
--> [Next] をクリック。
4. メモリカードのシリアル番号を入力します。
5. 製品、例「SINAMICS S CU320-2 DP」を選択します。
--> [Next] をクリック。
6. [Available license numbers] を選択。
--> [Next] をクリック。
7. 割り付けを確認します。
--> [Assign] をクリック。
8. ライセンスが正しく割り付けられていることを確認したら、[OK] をクリック。
9. ライセンスキーが表示され、入力することが可能になります。
912
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12.13 ライセンス
ライセンスキーを STARTER に入力
STARTER 試運転ツールでは、ASCII 文字をコードで入力せず、ライセンス証明書に記
載されているライセンスキーの文字と数字を直接入力できます。 パラメータ p9920 に
は必ず大文字で入力してください。
この場合、STARTER がバックグランドで ASCII コード化を行います
ライセンスキーの例:
E1MQ-4BEA = 69 49 77 81 45 52 66 69 65 dec (ASCII コード)
ライセンスキーの入力手順 (例を参照):
p9920[0] = E 1 番目の文字
...
p9920[8] = A 9 番目の文字
注記
p9920[x] を値 0 に変更すると、それ以降のインデックスも全て 0 に設定されます。
ライセンスキー入力後、以下のようにしてライセンスキーを有効にします。
●
p9921 = 1 ライセンス、ライセンスキーの有効化
パラメータは自動的に 0 にリセットされます。
BOP20 によるライセンスキー入力
BOP20 を使ってライセンスキーを入力する場合、キーの ASCII コードを入力します
(例: 上記参照)。 下表では、ライセンスキーの特性および関連する 10 進数を入力でき
ます。
表 12- 26
ライセンスキー表
文字/数字
10 進
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913
ドライブシステムに関する基礎知識
12.13 ライセンス
ASCII コード
表 12- 27
ASCII コード抜粋
文字/数字
10 進
文字/数字
10 進
-
45
I
73
0
48
J
74
1
49
K
75
2
50
L
76
3
51
M
77
4
52
N
78
5
53
O
79
6
54
P
80
7
55
Q
81
8
56
R
82
9
57
S
83
A
65
T
84
B
66
U
85
C
67
V
86
D
68
W
87
E
69
X
88
F
70
Y
89
G
71
Z
90
H
72
ブランク
32
主要パラメータ一覧 (『SINAMICS S120/S150 リストマニュアル』を参照)
914
●
p9920 ライセンス、ライセンスキーの入力
●
p9921 ライセンス、ライセンスキーの有効化
●
p9976[0...2] システム利用率
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12.14 書き込みおよびノウハウ保護
12.14
書き込みおよびノウハウ保護
ユーザ独自のプロジェクトを変更、権限のない閲覧またはコピーから保護するために、
SINAMICS S120 には書き込み保護およびノウハウ保護機能 (KHP) があります。
KHP = Know-how-protection
12.14.1
書き込み保護
書き込み保護は、設定の不注意な変更を防止します。 書き込み保護に、パスワードは
必要ありません。
書き込み保護のセットアップおよび有効化
1. コントロールユニットをプログラミングデバイスに接続します。
2. STARTER を開きます。
3. プロジェクトをダウンロードします。
4. ターゲットデバイスへの接続を確立します (オンラインで)。
5. STARTER プロジェクトのナビゲーションウィンドウで希望するドライブユニット
を選択します。
6. ショートカットで、[Write protection drive unit] を選択します。
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915
ドライブシステムに関する基礎知識
12.14 書き込みおよびノウハウ保護
7. [Activate] を左クリックします。
図 12-27
書き込み保護の有効化
8. この時、書き込み保護は有効化されました。 エキスパートリストで、全ての調整可
能なパラメータの入力フィールドがグレーの影で表示されていることで、書き込み
保護が有効であることを認識することができます。
設定を恒久的に伝送するために、書き込み保護変更後、[Ram to Rom] データ保存作業
を実行しなければなりません。
通知
有効な書き込み程でのノウハウ保護
書き込み保護が有効な場合、ノウハウ保護設定は変更できません。
注記
フィールドバスを介したアクセス
出荷時設定では、書き込み保護にもかかわらず、パラメータは非サイクリックアクセス
でフィールドバスを介して変更可能です。 書き込み保護がフィールドバスを介してア
クセス操作に有効である場合、エキスパートリスで p7762 を 1 に設定しなければなり
ません。
916
ドライブ機能
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12.14 書き込みおよびノウハウ保護
書き込み保護の無効化
書き込み保護の無効化は、有効化と全く同じ方法で動作します。 違いは、[Activate] の
代わりに [Deactivate] をクリックしなければならないことです。 エキスパートリストの
グレーの影は無効化の後に消えます。 パラメータは再び設定可能です。
書き込み保護のないパラメータ
一定のパラメータは、ドライブの機能および操作可能性を危険に晒さないように、書き
込み保護から除外されています。 これらのパラメータリストは『SINAMICS S120/150
リストマニュアル』の「書き込み保護およびノウハウ保護用のパラメータ」章の
「WRITE_NO_LOCK 付きパラメータ」に記載されています。
[restore factory settings] 機能も、書き込み保護が有効化されている場合、ロックされて
いません。
12.14.2
ノウハウ保護
ノウハウ保護 (KHP) は、例えば、コンフィグレーションおよびパラメータ割り付け用
の非常に機密性の高い企業ノウハウが読み出されることを防止します。
ノウハウ保護にはパスワードが必要です。 このパスワードは、1 ~ 30 文字で構成され
なければなりません。
注記
パスワードセキュリティ
ユーザにはパスワードのセキュリティを確保する責任があります。 大文字と小文字、
特殊文字を含む、十分な長さのパスワードの使用が推奨されます。
ネットワーク接続を介してパスワードを設定する場合、承認されない人物が「築かれる
ことなく」盗聴する場合があります。 そのため、パスワードを設定するために、コン
トロールユニットに直接接続を確立することが推奨されます。
ノウハウ保護の有効化時の特性:
●
一定のパラメータはロックされます。 エキスパートリストで、これらのパラメータ
の値は読み出したり、変更できません。
●
STARTER のエキスパートリストのロックされたパラメータで、テキスト [knowhow protected] がパラメータ値の代わりに、ピンクの背景に黒い文字で表示されま
す。
ドライブ機能
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ドライブシステムに関する基礎知識
12.14 書き込みおよびノウハウ保護
●
エキスパートリストのロックされたパラメータは、フィルタを使用して非表示にす
ることができます。
– これを行うには。[Online value of the Control Unit] のドロップダウンリストの三
角形をクリックします。
– 入力 [Without know-how protection] を選択すると、ノウハウ保護されたパラメー
タが非表示になります。
●
表示パラメータの値は表示されたままになります。
●
画面フォームの内容は、ノウハウ保護が有効である場合、表示されません。
●
ノウハウ保護は、コピー保護と組み合わせることができます。
ノウハウ保護を使用する機能保護
以下にリストされた機能は、ノウハウ保護が有効な場合に禁止されます:
●
ダウンロード
●
エクスポート/インポート
●
トレース機能
●
ファンクションジェネレータ
●
測定機能
●
自動コントローラ設定
●
停止/回転測定
●
アラーム履歴の削除
●
アクセプタンス文書の作成
ノウハウ保護のために実行可能な機能
以下にリストされた機能は、ノウハウ保護が有効化されているにもかかわらず、引き続
き実行可能です:
●
出荷時設定へのリセット
●
アラームの確認
●
アラームと警告の表示
●
アラーム履歴の表示
●
診断バッファの読み出し
●
コントロールパネルへの切り替え (マスタ制御、全てのボタンと設定パラメータの
取得)
●
918
ノウハウ保護でロックされていないパラメータのアップロード
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12.14 書き込みおよびノウハウ保護
ノウハウ保護が有効な場合、変更可能なパラメータ
有効なノウハウ保護にもかかわらず、一定のパラメータは変更および読み出し可能です。
これらのパラメータリストは『SINAMICS S120/150 リストマニュアル』の「書き込み
保護およびノウハウ保護用のパラメータ」章の「書き込みおよびノウハウ保護
/WRITE_NO_LOCK 付きパラメータ」に記載されています。
ノウハウ保護が有効な場合、読み出し可能なパラメータ
有効なノウハウ保護にもかかわらず、追加パラメータは読み出し可能ですが、変更に対
してはロックされています。 これらのパラメータリストは『SINAMICS S120/150 リス
トマニュアル』の「書き込み保護およびノウハウ保護用のパラメータ」章の
「KHP_ACTIVE_READ 付きパラメータ」に記載されています。
通知
ノウハウ保護用のパスワード確認
Windows の言語設定が変更されると、ノウハウ保護有効化の後、パスワードを確認す
るとエラーが発生する場合があることに注意してください。 このため、パスワードに
は ASWCII 文字のみを使用して下さい。
注記
メモリカードのデータセキュリティ
ノウハウ保護を設定し有効化した後に、メモリカード上の暗号化されたデータバックア
ップの場合、以前にバックアップされた暗号化されていない SINAMICS ソフトウェア
のデータは削除されます。 これは、標準的な削除方法で、メモリカードの入力のみが
削除されます。 データ自体は引き続き利用可能で、再構築されます。
ノウハウ保護を保証するには、仕様前にメモリカード上の関連データを特に削除するこ
とが推奨されます。
メモリカード上の以前のデータを完全に削除するには、ノウハウ保護を有効化するため
に、適切な PC ツールを使用してこのデータを確実に削除しなければなりません。 デ
ータは以下のディレクトリのメモリカードにあります:
- \\USER\SINAMICS\DATA。
通知
ノウハウ保護の下での診断
ノウハウ保護が有効な場合で、サービスまたは診断が必要な場合には、OEM パートナ
ーと協力して、シーメンス (Siemens AG) のみがサポートを提供することができま
す。
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919
ドライブシステムに関する基礎知識
12.14 書き込みおよびノウハウ保護
12.14.2.1
コピー保護
有効化されたコピー保護
コピー保護は、プロジェクトのコピーや他のコントロールユニットへの伝送を防止しま
す。 追加機能は以下を含みます:
●
コピー保護は、ノウハウ保護との組み合わせでのみ有効化できます。
●
コピー保護が有効な場合、メモリカードおよびコントロールユニットは互いに、1
つの機能だけに接続されます。
●
コピー保護は、コントロールユニットで使用中の任意のメモリカードの使用を防止
します。
12.14.2.2
●
コントロールユニットのデータは別のメモリカードにコピーできません。
●
メモリカード上でコピー保護されたデータは読み出しまたはコピーできません。
ノウハウ保護の使用
概要
ノウハウ保護を有効化するために、以下の条件が満たされなければなりません:
●
ドライブユニットが十分に試運転された。
(コンフィグレーション、ドライブユニットへのダウンロード、試運転を完了。
STARTER プロジェクトにドライブで計算されたパラメータをアップロードするた
めに、アップロードをしました)
●
OEM 例外リストが作成されました
●
パスワードが最後に入力されます。
パスワード設定後、[RAM to ROM] で、次回システムがスイッチ「切」にされた時
にも保護されるようにバックアップしなければなりません。
●
ノウハウ保護を保証するには、プロジェクトがファイル形式でエンドユーザに残ら
ないようにしなければなりません。
OEM 例外リストを作成
有効なノウハウ保護にもかかわらず引き続き読み出しや書き取りが可能なこの例外リス
トにパラメータを入力します。 例外リストはエキスパートリストを介してのみ作成で
きます。 例外リストは、STARTER の入力画面スクリーンに影響を及ぼしません。
p7763 で、例外リストの必要なパラメータ番号を定義します。 例外リストには最大
500 パラメータを入力することができます。 p7764[0...n] で、必要なパラメータ番号を
920
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
ドライブシステムに関する基礎知識
12.14 書き込みおよびノウハウ保護
それぞれの p7763 のインデックスに割り付けます。 最後に、変更が有効になるように、
コントロールユニットにそれらを伝送します。
例外リストの出荷時設定:
●
p7763 = 1 (例外リストには、単一のパラメータが含まれます)
●
p7764[0] = 7766 (パスワード入力のためのパラメータ番号)
注意
例外リストのパラメータは確認されません
コントロールユニットは、例外リストにどの間らメータが含まれたのかまたは削除さ
れたのかを確認しません。
絶対ノウハウ保護
p7764[0] = 0 の例外リストからパラメータ p7766 を取り除くことで、コントロールユ
ニットおよびユーザのプロジェクト設定の全てのデータへの任意のアクセスを防止しま
す。 保護されたデータを読み出したり変更することはこの時不可能になります。 ノウ
ハウ保護およびコピー保護はもはやキャンセルも無効化もできません。
ノウハウ保護の有効化
1. コントロールユニットをプログラミングデバイスに接続します。
2. STARTER を開きます。
3. プロジェクトを開きます。
4. ターゲットデバイスへの接続を確立します (オンラインで)。
5. STARTER プロジェクトのプロジェクトナビゲータで希望するドライブユニットを
選択します。
6. ショートカットで、[Know-how protection drive unit] を選択します。
7. [Activate] を左クリックします。
ダイアログウィンドウ [Activate know-how protection] が開きます。
8. パスワードを入力して [OK] をクリックします。
– このパスワードは、1 ~ 30 文字で構成することができます。
– [Copy RAM to ROM] のチェックマークを設定すると、ノウハウ保護は恒久的にコ
ントロールユニットに保存されます。
9. ノウハウ保護はこれで有効化されます。 テキスト [Know-how protected] は内容の代
わりにエキスパートリストの全ての保護されたパラメータにあります。
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
921
ドライブシステムに関する基礎知識
12.14 書き込みおよびノウハウ保護
ノウハウ保護の無効化
ノウハウ保護の無効化は、有効化と全く同じ方法で動作します。 リストボックスの
[Deactivate] をクリックするだけです。
1. ダイアログウィンドウ [Deactivate know-how protection] が開きます。
2. [temporarily] または [permanently] にノウハウ保護を削除するかどうかを選択します。
– [temporarily] 無効化: ノウハウ保護は、スイッチ「切」/「入」後に再び有効にな
ります。
– [permanently] 無効化: ノウハウ保護は、スイッチ「切」/「入」後でさえ無効化さ
れたままになります。
– [permanently] を選択すると、[RAM to ROM] でコントロールユニットでバックア
ップもすることができます。
3. パスワードを入力して [OK] をクリックします。
4. ノウハウ保護はこれで無効化されます。 全てのパラメータ値が再び表示されます。
パスワードの変更
ノウハウ保護のパスワードを変更するには、コントロールユニットをプログラミングデ
バイスに接続しなければなりません。
1. ノウハウ保護は有効化されなければなりません。
2. コントロールユニットをプログラミングデバイスに接続します。
3. STARTER を開きます。
4. プロジェクトをダウンロードし、オンラインで操作します。
5. STARTER プロジェクトのナビゲーションウィンドウで希望するドライブユニット
を選択します。
6. ショートカットで、[Know-how protection drive unit] を選択します。
7. [Change password] を左クリックします。 [Change Password] 入力フィールドが開
きます。
8. 最上部のテキストボックスに古いパスワードを入力します。 以下のテキストボック
スに新しいパスワードを入力し、一番下のテキストボックスでそれを再入力します。
9. その後 [RAM to ROM] データ保存を実行したいかどうかを選択します。
10. [OK] で入力フィールドを閉じます。
11. 新しいパスワードはこれで有効です。
922
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
ドライブシステムに関する基礎知識
12.14 書き込みおよびノウハウ保護
12.14.2.3
コピー保護でノウハウ保護されたデバイスの交換
「コピー保護によるノウハウ保護」機能により、例えば、OEM 機械装置からのコンフ
ィグレーション設定がコピーされ、他社製デバイスに伝送されることを防止します。
但し、コントロールユニットを交換可能にするには、機械製造メーカ (OEM) がその機
械装置の STARTER プロジェクトのファイルを所持していなければなりません。
以下の手順は、コントロールユニットを交換するのに必要です:
1. エンドユーザが OEM に新しいコントロールユニット (r7758) と新しいメモリカード
(r7843) のシリアル番号を送信し、- そして、コントロールユニットが取り付けられ
ている機械装置を指定します。
2. OEM は、コントロールユニット (p7759) とメモリカード (p7769) の新しいシリアル
番号を、その機械装置に関連する as reference serial numbers in the expert list of the
STARTER プロジェクトのエキスパートリストに基準シリアル番号として入力しま
す。
3. OEM は、コピー保護でノウハウ保護を有効化します。
4. OEM は、[Copy RAM to ROM] を実行します。
5. OEM は、メモリカードの「ユーザ」ダイレクトリをエンドユーザに送ります (例: email で)。
6. エンドユーザは、「ユーザ」ディレクトリを新しいメモリカードにコピーし、それ
を新しいコントロールユニットに挿入します。
7. エンドユーザがドライブのスイッチをオンにします。
8. 電源投入時、コントロールユニットは、新しいシリアル番号を確認し、一致する場
合に p7759 および p7769 の値を削除します。
9. 正常に電源投入されると、コントロールユニットは運転準備完了です。 ノウハウ保
護は有効です。
シリアル番号が一致しない場合、F13100 が出力されます。
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
923
ドライブシステムに関する基礎知識
12.14 書き込みおよびノウハウ保護
例
この例は、エキスパートリストのどのパラメータに、コントロールユニットとメモリカ
ードのシリアル番号が存在するのかを示しています。 シリアル番号を取得する最も簡
単な方法は STARTER 試運転ツールを使用してコントロールユニットのエキスパート
リストからです。 これには、STARTER 試運転ツールが動作しているプログラミング
デバイスを、スイッチ「入」されたコントロールユニットに接続します。 プログラミ
ングデバイスとコントロールユニット間のデータ接続を開始します (オンラインで)。
コントロールユニットのエキスパートリストを開くと、パラメータ r7758 と r7843 か
らシリアル番号を読み出すことができます。 パラメータ値と指定されたインデックス
の正確なのメモを作成し、OEM にこれらの値を提供します。 任意の値を省いたり、新
しい値を挿入しないでください。 また、内容のないインデックスもシリアル番号を識
別するために必要です。
ユーザとして、新しいユーザデータを受け付けた後、そのデータを読み取りデバイスを
使用して新しいメモリカードにデータを伝送します。 そして、メモリカードを新しい
コントロールユニットに挿入します。 システムの初回の電源投入時に、シリアル番号
は自動的にパラメータ r7758 と r7843 に入力されます。 新しいシリアル番号が正しい
ものであると特定されると、パラメータ p7759 と p7769 の値が削除されます。 デバイ
スは準備完了です。
銘版またはパラメータ r7758 からコントロールユニットのシリアル番号を読み取
り:
r7758 KHP コントロールユニットシリアル番号
r7758[00] KHP コントロールユニットシリアル番号 T
r7758[01] KHP コントロールユニットシリアル番号 r7758[02] KHP コントロールユニットシリアル番号 X
r7758[03] KHP コントロールユニットシリアル番号 4
r7758[04] KHP コントロールユニットシリアル番号 2
r7758[05] KHP コントロールユニットシリアル番号 0
r7758[06] KHP コントロールユニットシリアル番号 3
r7758[07] KHP コントロールユニットシリアル番号 3
r7758[08] KHP コントロールユニットシリアル番号 9
r7758[09] KHP コントロールユニットシリアル番号 0
r7758[10] KHP コントロールユニットシリアル番号 1
r7758[11] KHP コントロールユニットシリアル番号
924
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
ドライブシステムに関する基礎知識
12.14 書き込みおよびノウハウ保護
メモリカードの基準シリアル番号をパラメータ r7843 から読み出し:
r7843[11] KHP メモリカードシリアル番号
r7843[12] KHP メモリカードシリアル番号
0
r7843[13] KHP メモリカードシリアル番号
0
r7843[13] KHP メモリカードシリアル番号
C
r7843[13] KHP メモリカードシリアル番号
C
r7843[16] KHP メモリカードシリアル番号
7
r7843[17] KHP メモリカードシリアル番号
9
r7843[18] KHP メモリカードシリアル番号
D
r7843[19] KHP メモリカードシリアル番号
2
コントロールユニットの基準シリアル番号をパラメータ p7759 に入力
p7759 KHP コントロールユニット基準シリアル番号
p7759[00] KHP コントロールユニット基準シリアル番号
T
p7759[01] KHP コントロールユニット基準シリアル番号
-
p7759[02] KHP コントロールユニット基準シリアル番号
X
p7759[03] KHP コントロールユニット基準シリアル番号
4
p7759[04] KHP コントロールユニット基準シリアル番号
2
p7759[05] KHP コントロールユニット基準シリアル番号
0
p7759[06] KHP コントロールユニット基準シリアル番号
3
p7759[07] KHP コントロールユニット基準シリアル番号
3
p7759[08] KHP コントロールユニット基準シリアルシリアル 9
番号
p7759[09] KHP コントロールユニット基準シリアル番号
0
p7759[10] KHP コントロールユニット基準シリアル番号
1
p7759[11] KHP コントロールユニット基準シリアル番号
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
925
ドライブシステムに関する基礎知識
12.14 書き込みおよびノウハウ保護
メモリカードの基準シリアル番号をパラメータ p7769 に入力
p7769 KHP メモリカード基準シリアル番号
p7769[00] KHP メモリカード基準シリアル番号
0
p7769[01] KHP メモリカード基準シリアル番号
0
p7769[02] KHP メモリカード基準シリアル番号
C
p7769[03] KHP メモリカード基準シリアル番号
C
p7769[04] KHP メモリカード基準シリアル番号
7
p7769[05] KHP メモリカード基準シリアル番号
9
p7769[06] KHP メモリカード基準シリアル番号
D
p7769[07] KHP メモリカード基準シリアル番号
2
p7769[08] KHP メモリカード基準シリアル番号
12.14.3
重要なパラメータの一覧
主要パラメータ一覧 (『SINAMICS S120/S150 リストマニュアル』を参照)
926
●
r7758[0...19] KHP コントロールユニットシリアル番号
●
p7759[0...19] KHP コントロールユニット基準シリアル番号
●
r7760 書き込み保護/ノウハウ保護状態
●
p7761 書き込み保護
●
p7762 書き込み保護
●
p7763 KHP OEM 例外リスト p7764 用インデックス数
●
p7764[0...n] KHP OEM 例外リスト
●
p7765 KHP メモリカードコピー保護
●
p7766[0...29] KHP パスワード入力
●
p7767[0...29] KHP 新規パスワード
●
p7768[0...29] KHP 確認用パスワード
●
p7769[0...20] KHP メモリカード基準シリアル番号
●
r7843[0...20] メモリカードシリアル番号
マルチマスタフィールドシステムアクセス動作
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
A
付録
A.1
使用可能なハードウェアモジュール
表 A- 1
2006 年 3 月時点で使用可能なハードウェアコンポーネント
HW コンポーネント
番号
1
AC ドライブ (CU320、
注文番号
バージ
ョン
更新
カタログを参照
新規
PM340)
2
SMC30
6SL3055-0AA00-5CA1
SSI サポートで
3
DMC20
6SL3055-0AA00-6AAx
新規
4
TM41
6SL3055-0AA00-3PAx
新規
5
SME120
6SL3055-0AA00-5JAx
新規
SME125
6SL3055-0AA00-5KAx
6
BOP20
6SL3055-0AA00-4BAx
新規
7
CUA31
6SL3040-0PA00-0AAx
新規
表 A- 2
2007 年 8 月時点で使用可能なハードウェアコンポーネント
HW コンポーネント
番号
注文番号
バージ
ョン
更新
1
TM54F
6SL3055-0AA00-3BAx
新規
2
アクティブインターフェー
6SL3100-0BExx-xABx
新規
6SL3130-1TExx-0AAx
新規
6FX2001-5xDxx-0AAx
新規
スモジュール (ブックサイ
ズ)
3
ベーシックラインモジュー
ル (ブックサイズ)
4
DRIVE-CLiQ エンコーダ
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
927
付録
A.1 使用可能なハードウェアモジュール
番号
5
HW コンポーネント
CUA31
注文番号
バージ
ョン
更新
6SL3040-0PA00-0AA1
新規
PROFIsafe および TM54 を
介した Safety (Integrated)
拡張機能に適した
6
CUA32
6SL3040-0PA01-0AAx
新規
7
SMC30 (30 mm 幅)
6SL3055-0AA00-5CA2
新規
表 A- 3
番号
2008 年 10 月時点で使用可能なハードウェアコンポーネント
HW コンポーネント
注文番号
バージ
ョン
更新
1
TM31
6SL3055-0AA00-3AA1
新規
2
TM41
6SL3055-0AA00-3PA1
新規
3
DME20
6SL3055-0AA00-6ABx
新規
4
SMC20 (30 mm 幅)
6SL3055-0AA00-5BA2
新規
5
ブックサイズのアクティブ
6SL3100-0BE21-6ABx
新規
6SL3100-0BE23-6ABx
新規
6SL3430-6TE21-6AAx
新規
ブックサイズコンパクトモ
6SL3420-1TE13-0AAx
新規
ータモジュール
6SL3420-1TE15-0AAx
インターフェースモジュー
ル 16 kW
6
ブックサイズのアクティブ
インターフェースモジュー
ル 36 kW
7
ブックサイズコンパクトの
スマートラインモジュール
8
6SL3420-1TE21-0AAx
6SL3420-1TE21-8AAx
6SL3420-2TE11-0AAx
6SL3420-2TE13-0AAx
6SL3420-2TE15-0AAx
928
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
付録
A.1 使用可能なハードウェアモジュール
番号
HW コンポーネント
9
ブロックサイズの液冷式パ
6SL3215-1SE23-0AAx
ワーモジュール
6SL3215-1SE26-0AAx
注文番号
バージ
ョン
更新
新規
6SL3215-1SE27-5UAx
6SL3215-1SE31-0UAx
6SL3215-1SE31-1UAx
6SL3215-1SE31-8UAx
10
50 mm コンポーネント用補 6SL3162-2DB00-0AAx
新規
強 DC リンクバスバー
11
100 mm コンポーネント用
6SL3162-2DD00-0AAx
新規
補強 DC リンクバスバー
表 A- 4
番号
1
2009 年 11 月時点で使用可能なハードウェアコンポーネント
HW コンポーネント
注文番号
コントロールユニット 320- 6SL3040-1MA00-0AA1
バージ
ョン
更新
4.3
新規
2DP
2
TM120
6SL3055-0AA00-3KA0
4.3
新規
3
SMC10 (30 mm 幅)
6SL3055-0AA00-5AA3
4.3
新規
表 A- 5
番号
1
2011 年 1 月時点で使用可能なハードウェアコンポーネント
HW コンポーネント
注文番号
コントロールユニット 320- 6SL3040-1MA01-0AA1
バージ
ョン
更新
4.4
新規
6SL3100-1AE23-5AA0
4.4
新規
2PN
2
ブックサイズコンパクトの
ブレーキモジュール
3
SLM 55kW ブックサイズ
6TE25-5AAx
4.4
新規
4
TM120 最大 4 台のモータ
6SL3055-0AA00-3KAx
4.4
新規
温度センサの評価
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
929
付録
A.1 使用可能なハードウェアモジュール
表 A- 6
番号
1
2011 年 4 月時点で使用可能なハードウェアコンポーネント
HW コンポーネント
注文番号
S120 Combi 3 軸
6SL3111-3VE21-6FA0
パワーモジュール
6SL3111-3VE21-6EA0
バージ
ョン
更新
4.4
新規
4.4
新規
4.4
新規
4.4
新規
4.4
新規
バージ
ョン
更新
6SL3055- 0AA0-3LA0
4.5
新規
6SL3111-3VE22-0HA0
2
S120 Combi 4 軸
6SL3111-4VE21-6FA0
パワーモジュール
6SL3111-4VE21-6EA0
6SL3111-4VE22-0HA0
3
S120 Combi
6SL3420-1TE13-0AA0
シングルモータモジュール
6SL3420-1TE15-0AA0
6SL3420-1TE21-0AA0
6SL3420-1TE21-8AA0
4
S120 Combi
6SL3420-2TE11-7AA0
ダブルモータモジュール
6SL3420-2TE13-0AA0
6SL3420-2TE15-0AA0
5
ブックサイズのブレーキモ
6SL3100-1AE31-0AB0
ジュール
表 A- 7
2012 年 1 月時点で使用可能なハードウェアコンポーネント
番号 HW コンポーネント
1
TM150 最大 12 台のモータ
注文番号
温度センサの評価
2
CU310-2 PN
6SL3040-1LA00-0AA0
4.5
新規
3
CU310-2 DP
6SL3040-1LA01-0AA0
4.5
新規
930
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
付録
A.1 使用可能なハードウェアモジュール
表 A- 8
2012 年第 4 四半期時点で使用可能なハードウェアコンポーネント
番号 HW コンポーネント
注文番号
バージ
ョン
更新
1
アダプタモジュール 600
6SL3555-2BC10-0AA0
4.5
新規
2
SINAMICS S120M
6SL3532-6DF71-0Rxx
4.5
新規
6SL3540-6DF71-0Rxx
6SL3542-6DF71-0Rxx
6SL3562-6DF71-0Rxx
6SL3563-6DF71-0Rxx
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
931
付録
A.2 SW 機能の可用性
A.2
SW 機能の可用性
表 A- 9
新機能、ファームウェア 2.2
SW 機能
番号
サー
ボ
ベクト
ル
1
テクノロジーコントローラ
x
x
2
2 つのコマンドデータセット
-
x
3
拡張ブレーキ制御
x
x
4
ベクトルおよびスマートラインモジュール 5/10 kW の自動
-
x
x
x
x
x
x
x
HW コンポーネン
ト
再起動
5
1 つの CU でサーボおよびベクトル V/f 制御モードの混合運
転能力
6
最大 480 V 入力電圧の制御された Vdc は、アクティブライ
ンモジュールの場合に、パラメータ設定が可能です。
7
ブックサイズのアクティブラインモジュールのスマートモ
ード
8
拡張された設定値チャンネルは有効化できます
x
-
9
評価、リニア測定システム
x
-
10
DRIVE-CLiQ レゾルバ付き同期モータ 1FT6/1FK6/1FK7
x
-
サー
ボ
ベクト
ル
x
x
表 A- 10
新機能、ファームウェア 2.3
SW 機能
番号
1
モータデータセットの切り替え (8 つのモータデータセッ
HW コンポーネン
ト
ト)
2
故障/アラームのバッファ
x
x
3
ロータ/磁極位置検出
x
x
4
一部のトポロジーでの起動、軸/エンコーダのパーキング、
x
x
コンポーネントの無効化/有効化
5
特性曲線上の 10 ポイントの摩擦特性、自動メカロス測定
x
x
6
使用率の表示
x
x
932
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
付録
A.2 SW 機能の可用性
SW 機能
番号
サー
ボ
ベクト
ル
7
上位レベルコントローラの間隔コード化ゼロマークの評価
x
-
8
吊り下げ/軸下/上位コントローラへの電子的重量均等化
x
-
9
SIMATIC S7 OP は直接接続が可能です
x
x
10
PROFIBUS NAMUR スタンダードテレグラム
-
x
11
並列接続
-
x
HW コンポーネン
ト
シャーシのドライ
ブユニット用
12
x
エッジ変調
x
シャーシのドライ
ブユニット用
13
x
サーボ制御タイプ
-
シャーシのドライ
ブユニットでも使
用
14
増設 I/O モジュール TM15 (DI/DO 機能)
x
x
15
1FN1、1FN3 リニアモータ
x
-
16
1FW6 トルクモータ
x
-
17
1FE1 同期ビルトインモータ
x
-
18
2SP1 同期スピンドル
x
-
19
1FU8 SIMOSYN モータ
x
-
20
1FS6 耐圧防爆モータ
x
-
21
SME20/25 インクリメンタルおよび絶対値エンコーダ処理
x
x
用外部センサモジュール
表 A- 11
新しい機能、ファームウェア 2.4 または 2.4 SP1
SW 機能
番号
サー
ボ
ベクト
ル
1
AC ドライブ (CU310 DP/PN) 用 SINAMICS S120 機能
x
x
2
簡易位置決め
x
x
3
エンコーダデータセット切り替え (ドライブデータセット毎
x
x
x
x
HW コンポーネン
ト
に 3 つの EDS エンコーダデータセット)
4
2 つのコマンドデータセット (CDS)
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
933
付録
A.2 SW 機能の可用性
SW 機能
番号
サー
ボ
ベクト
ル
5
ユニット切り替え SI / US/ %
x
x
6
モータデータ定数測定サーボ
x
FW2.1
HW コンポーネン
ト
以降
7
同期モータのトルク精度の向上 (kt 推定器)
x
-
8
ハブ機能 (ホットプラグ、分散型エンコーダ、DMC20 によ
x
x
るスター結線)
9
ベーシック操作パネル BOP20
x
x
10
SSI エンコーダ (SMC30) 評価
x
x
6SL3055–0AA00–
5CA1
11
パルスエンコーダのエミュレーション TM41
x
x
12
アクティブラインモジュールによる自動再起動
x
x
13
PROFIBUS 拡張機能:
– スレーブ・スレーブ間通信
x
x
– Y リンク
x
x
– サーボ用でもあるテレグラム 1
x
FW2.1
FW2.
以降
1 以降
x
x
x
– ベクトル用でもあるテレグラム 2、3、4
14
安全関連の時間に関する Safety Integrated 停止カテゴリー
1 (SS1)
15
測定ギアボックス
x
x
16
詳細なパルス周波数グリッドの設定
x
x
17
設定可能なコントローラクロックサイクル
x
x
18
DRIVE-CLiQ ライン上の混合クロックサイクルの可能性
x
x
19
右回転/左回転ビット (回転磁界の変更と同様)
x
x
20
保護分離が行われた 1FN、1FW6 用のセンサモジュール
x
-
x
x
(SME120/125)
21
アラームのみタイムスタンプ
CU320、
6SL3040- ....0AA1 およびバー
ジョン C 以降
22
934
トルクモータ用エンコーダなし閉ループ速度制御
-
x
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
付録
A.2 SW 機能の可用性
SW 機能
番号
サー
ボ
ベクト
ル
23
エンコーダ付き他励式同期モータ
-
x
24
インバータ/インバータ、インバータ/電源電圧 (バイパス) 同
x
x
25
HW コンポーネン
ト
シャーシのドライ
期
ブユニット用
アクティブラインモジュール用電圧検出モジュール (VSM)
ブックサイズのド
ライブユニットで
も使用
26
電機子短絡ブレーキ、同期モータ
x
-
27
CANopen 拡張機能 (ベクトル、フリープロセスデータアク
x
x
セス、プロファイル DS301)
28
オプションモジュール CBE20 との PROFINET IO 通信
x
x
29
新しいハードウェアコンポーネントはサポートされていま
x
x
x
x
す (AC ドライブ、SME120/125、BOP20、DMC20、TM41)
30
トルクモータの位置トラッキング (EPOS 以外)
CU320、
6SL3040- ....0AA1 およびバー
ジョン C 以降
31
1FW3 トルクモータ
表 A- 12
x
-
新しい機能、ファームウェア 2.5 または 2.5 SP1
番号
SW 機能
サー
ボ
ベクト
ル
1
グラフィカル接続エディタ (DCC-Editor) 付き DCC (ドライ
x
x
HW コンポーネン
ト
ブコントロールチャート):
• グラフィカル設定可能モジュール (論理、計算、および
制御機能)
• 自由にインスタンス化できるモジュールタイプ (コンポ
ーネント/デバイスの柔軟な数)
• SIMOTION および SINAMICS コントローラ (DCC
SINAMICS、DCC SIMOTION) 上で動作可能
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
935
付録
A.2 SW 機能の可用性
SW 機能
番号
2
Safety Integrated 拡張機能:
サー
ボ
ベクト
ル
HW コンポーネン
ト
x
x
Safety Integrated
拡張機能は以下で
• ドライブで統合され、PROFIsafe (PROFIBUS) または安
全な増設 I/O モジュール TM54F により制御可能な安全
のみ対応:
機能
• モータモジュ
ール
• STO Safe Torque Off (以前の安全停止 (SH))
(6SL3xxx-
• SBC Safe Brake Control
xxxxx-0AA3)
• SS1 Safe Stop 1、遅延時間経過後の STO、トルクなし
• CUA31
の停止
(6SL3040-
• SOS Safe Operating Stop、最大トルクによる安全停止
0PA00-0AA1)
• SS2 Safe Stop 2; 遅延時間経過後の SOS、最大トルクに
よる停止
• SLS Safely Limited Speed
• SSM Safe Speed Monitor、安全な出力での安全速度監視
フィードバック (n < nx)
注記:
Safety Integrated 基本機能 STO および SBC は V2.1 以降、
SS1 は V2.4 以降で実装されています (オンボード端子によ
る制御)。
3
x
EPOS 機能拡張:
x
• トラバースブロック / 新しいタスク: 「固定端への移動」
• トラバースブロック / 新しい継続条件: 「外部ブロックリ
レー」
• 絶対値エンコーダの位置トラッキングの完了 (負荷ギア)
• ジャークリミット
• 中間停止を伴う「原点セットポイントの設定」 (トラバ
ースブロックおよび MDI)
• 原点セット用機械リミットなしの原点セット実行での機
械リミット反転機能
936
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
付録
A.2 SW 機能の可用性
SW 機能
番号
4
新しいモータシリーズ/タイプへの対応
サー
ボ
ベクト
ル
x
1PL6 の
HW コンポーネン
ト
み
• 1FT7 (同期サーボモータ)
• 1FN3 連続負荷 (連続負荷向けリニアモータ)
• 1PL6 (機能リリース V2.1 以降、現在はリストモータと
して使用可能)
5
新しいコンポーネントのサポート
x
x
x
x
x
x
x
x
• ブックサイズのベーシックラインモジュール (BLM)
6
新しいコンポーネントのサポート
• アクティブインターフェースモジュール (AIM)、ブック
サイズ
• TM54F (増設 I/O モジュールフェールセーフ)
• CUA32 (PM340 用コントロールユニットアダプタ)
• DRIVE-CLiQ エンコーダ (マシンエンコーダ)
7
データ (モータデータおよびエンコーダデータ) を DRIVECLiQ 付きモータのセンサモジュールからメモリカードに保
存し、「空の」センサモジュールへロード
8
AC ドライブコントローラ CU310 上の SSI エンコーダ (オ
CU310 専用
(6SL3040-0LA00-
ンボードインターフェース) の評価
0AA1)
9
ベクトル制御タイプのエッジ変調 (高出力電圧)、ブックサ
-
x
イズデバイスでも使用
モータモジュール
のみ使用可
(6SL3xxx-xxxxx0AA3)
10
DC ブレーキ
x
x
11
電機子短絡: 内部
x
x
12
電機子短絡: 脈動電圧保護
x
-
モータモジュール
のみ使用可
(6SL3xxx-xxxxx0AA3)
13
DRIVE-CLiQ コンポーネントのファームウェア自動更新
x
x
14
STARTER プロジェクトを直接メモリカードに保存
x
x
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
937
付録
A.2 SW 機能の可用性
番号
SW 機能
サー
ボ
ベクト
ル
HW コンポーネン
ト
15
ブックサイズ電源装置 (BLM、SLM、ALM) の端子領域は、
x
x
ブックサイズタイ
3 AC 230 V にパラメータ設定することができます。
プの電源装置のみ
(6SL3xxx-xxxxx0AA3)
16
x
速度コントローラの自動設定
FW2.1
以降
17
テクノロジーポンプ機能
-
x
18
CU320 上の PROFIBUS および PROFINET の同時サイクリ
x
x
x
FW2.2
ック運転
19
サーボによる自動再起動
以降
20
500 μs での PROFINET I/O 動作
x
-
21
レゾルバによる絶対位置情報 (X_IST2)
x
x
22
電源電圧に依存する DC リンク電圧監視
x
x
23
電源周波数自動検出
x
x
24
ランプファンクションジェネレータ出力の加速信号
x
x
25
パラメータ (p0972) を介したドライブデバイスのリセット
x
x
26
ベクトル付き CU320 のドライブ数に依存するサンプリング
-
x
x
x
時間の自動再調整時の基本サンプリング時間を変更 (400 μs
から 500 μs)
27
ダイナミックエネルギー管理、Vdc_min、Vdc_max 制御の
拡張
28
無限トレース
x
x
29
タイマおよびバイネクタによる拡張 PROFIBUS 監視
x
x
30
インデックス付き実績値の取得
x
x
複数エンコーダの同時評価
938
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
付録
A.2 SW 機能の可用性
表 A- 13
新機能、ファームウェア 2.6
SW 機能
番号
サー
ボ
ベクト
ル
1
同期ドライブシステムのオフセットパルス
x
x
2
Safety Integrated 拡張機能:
x
x
HW コンポーネン
ト
Safety Integrated
拡張機能は以下で
内部電機子短絡および内蔵電圧保護
のみ対応:
• モータモジュ
ール
(6SL3xxxxxxxx-xxx3)
• CUA31
(6SL30400PA00-0AA1)
3
PROFINET を介した PROFIsafe
x
x
4
パルス周波数ワブリング
-
x
シャーシタイプの
モータモジュー
ル: (6SL3xxxxxxxx-xxx3)
5
複数のドライブデータセット (DDS) を含む位置制御負荷ギ
x
x
-
x
x
-
ア
6
センサレスベクトル制御 (SLVC)、
受動負荷の新規閉ループ制御
7
変数信号機能
8
インダクションモータのためのクイック励磁
9
インダクションモータの磁束低減
x
-
10
コンポーネントステータス表示
x
x
11
ダウングレードの無効
x
x
12
モータの並列接続
x
x
13
モータモジュールの並列接続
-
x
14
パワーユニットの並列接続
x
x
15
電源装置のマスタ/スレーブ機能
x
x
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
x
939
付録
A.2 SW 機能の可用性
SW 機能
番号
16
モータ温度監視
サー
ボ
ベクト
ル
x
-
HW コンポーネン
ト
同期モータ用の I2t モデル
17
新規 PROFIdrive テレグラム 116、118、220、371
x
x
18
PROFINET IO の新しい RT クラス
x
x
19
CU の双方向デジタル入/出力の使用
x
x
20
DRIVE-CLiQ コンポーネントの自立運転モード
x
x
21
ドライブオブジェクトの「スイッチオン準備完了」ステー
x
x
x
-
タスのセントラル信号
22
サポートされる新しいモータシリーズ/タイプ:
1FN6 連続負荷 (継続負荷運転用のリニアモータ)
表 A- 14
新機能、ファームウェア 4.3
SW 機能
番号
サー
ボ
ベクト
ル
1
1FN6 モータシリーズがサポートされています
x
-
2
スター/デルタ切り替えを備えた DRIVE-CLIQ 付きモータが
x
-
x
-
-
x
x
x
x
x
HW コンポーネン
ト
サポートされています
3
エンコーダインターフェースを介して一回転あたりの複数
のゼロマークでの原点セット
4
永久磁石式モータは、エンコーダを使用する必要なしにゼ
ロ速まで制御することができます
5
「SINAMICS リンク」: 複数の SINAMICS S120 間の直接通
信
6
Safety Integrated:
• PROFIsafe を介したの基本機能の制御
• インダクションモータ用のエンコーダなしの SLS
• インダクションモータ用のエンコーダなし SBR
• SBR 用のそれ自体のスレッシホールド値パラメータ:
現時点まで、SSM はパラメータ p9546 を使用
940
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
付録
A.2 SW 機能の可用性
SW 機能
番号
7
ドライブオブジェクトエンコーダ:
サー
ボ
ベクト
ル
-
x
x
x
HW コンポーネン
ト
エンコーダドライブオブジェクトでエンコーダを直接読み
取り、TO 外部エンコーダを使用して SIMOTION により評
価できます。
8
新しいコンポーネントのサポート
• CU320-2
• TM120
9
Profisafe 用に拡張された GSDML ファイル
x
x
10
インターフェース X140 での USS プロトコル
x
x
11
通常運転モードとして許容された U/f 診断 (p1317)
x
-
12
以前の実績値ベースの利用率表示に代わる、設定値ベース
x
x
x
x
x
x
の利用率表示
13
パフォーマンスライセンスは、これまでの 50 % 以上の利
用率からの代わりに、現時点では第 4 軸 (サーボ/ベクトル
用) から、または第 7 U/f 軸から必要とされます。
14
許容エンコーダの監視、パート 2:
• 監視、許容帯域、パルス数
• 方形波エンコーダのための切り替え可能なエッジ評価
• パルスエンコーダ信号評価のためのゼロ速測定時間の設
定
• 測定方式の切り替え、方形波エンコーダの実績値検出
• [LED check] (LED 確認) エンコーダ監視
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
941
付録
A.2 SW 機能の可用性
表 A- 15
新機能、ファームウェア 4.4
SW 機能
番号
1
Safety Integrated 機能
サー
ボ
ベクト
ル
x
x
x
x
HW コンポーネン
ト
• SDI (安全方向)、インダクションモータ (エンコーダ付き
/なし)、エンコーダ付き同期モータ用
• エンコーダなしセーフティのための補足条件 (インダク
ションモータ): ブックサイズおよびブロックサイズのデ
バイスでのみ可能。 シャーシタイプのデバイスでは不可
能
2
通信
• PROFINET アドレスは、パラメータを介して書くことが
できます (例: プロジェクトをオフラインで完全に生成す
る場合)。
• SINAMICS S PROFINET モジュールのシェアドデバイ
ス: CU320-2 PN、CU310-2 PN
3
非常退避 (ESR = 拡張遅延および退避)
x
x
4
TM41: パルスエンコーダエミュレーションの丸み付け (ギア
x
x
x
-
x
x
x
x
比: エンコーダとしてのレゾルバも)
5
サーボ制御およびアイソクロナス運転のための更なるパル
ス周波数 (3.2 / 5.33 / 6.4 kHz)
6
シャーシ: より高速のサーボ制御のための 125 μs の電流コ
ントローラ (最大約 700 Hz 出力周波数)
7
故障の伝搬
表 A- 16
新機能、ファームウェア 4.5
番号 SW 機能
サー
ボ
ベクト
ル
1
新しいコンポーネントのサポート CU310-2
x
x
2
新しいコンポーネントのサポート、TM150
x
x
3
新しいコンポーネントのサポート S120M
x
-
942
HW コンポーネン
ト
付録 A1 参照
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
付録
A.2 SW 機能の可用性
番号 SW 機能
4
サー
ボ
最大パルス周波数 32 kHz (電流コントローラサイクル
ベクト
ル
x
-
HW コンポーネン
ト
31.25usec) の高周波数スピンドルのサポート
5
PROFINET: PROFIenergy プロファイルのサポート
x
x
6
PROFINET: シェアドデバイスの向上した使い勝手
x
x
7
PROFINET: 調整可能な最短送信サイクル 250 μs
x
x
8
PROFINET: CU310-2 PN、CU320-2 PN および CBE20 付
x
x
き CU320-2x でのバンプレスなメディア冗長
9
CBE20 を介した EtherNet/IP 通信
x
x
10
SINAMICS リンク: 調整可能な最小送信クロック 0.5 ms
x
x
11
POWER ON なしの SINAMICS リンク接続のパラメータ設
x
x
定
12
書き込み保護
x
x
13
ノウハウ保護
x
x
14
PEM エンコーダなし
x
x
15
電流コントローラサイクルからのパルス周波数の結合解除
最大 n = 0 rpm
x
シャーシのパワーユニットにのみ有効
16
電源装置用のプロセスデータワード数を送信および受信方
x
x
x
x
向の最大 10 ワードへ拡張
Safety Integrated 機能
17
端子および PROFIsafe を介した CU310-2 セーフティ機能
x
x
18
速度リミットおよび PROFIsafe または TM54F なしの安全
x
x
回転方向の恒久的有効化
19
Safely-Limited Position (SLP)
x
x
20
PROFIsafe を介した安全制限位置の伝送
x
x
21
多様に調整可能な SLS リミット
x
x
22
新しい PROFIdrive テレグラム 31、901、902
x
x
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
943
付録
A.3 SINAMICS S120 Combi の機能
A.3
SINAMICS S120 Combi の機能
SINAMICS S120 Combi は、このファンクションマニュアルに記載されている以下の機
能をサポートしています: このリストに記載されていない機能は、SINAMICS S120
Combi では使用できません。
表 A- 17
機能範囲、SINAMICS S120 Combi
SW 機能
電源装置
スマート電源装置
ラインコンタクタ制御
サーボ制御
速度コントローラ
速度設定値フィルタ
速度コントローラ補正
トルク制御モード
トルク設定値の制限
電流コントローラ
電流設定値フィルタ
電子モータモデルに関する注記
診断用 V/f 制御
電流および速度コントローラの最適化
エンコーダなし運転
磁極位置検出
Vdc 制御
Dynamic Servo Control (DSC)
固定端への移動
垂直軸
944
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
付録
A.3 SINAMICS S120 Combi の機能
SW 機能
基本機能
基準パラメータ/スケーリング
OFF3 トルクリミット
簡易ブレーキ制御
ランタイム (運転時間カウンタ)
コンポーネントステータス表示
軸のパーキングおよびエンコーダのパーキング
ファームウェアの更新: STARTER でのファームウェアおよびプ
ロジェクトの更新、ダウングレードロック
Safety Integrated 基本機能
Safe Torque Off (STO)
Safe Stop 1 (SS1、時間制御)
Safe Brake Control (SBC)
Safety Integrated 拡張機能:
Safe Stop 1 (SS1、時間制御および加速制御)
Safe Stop 2 (SS2)
Safe Operating Stop (SOS)
Safely Limited Speed (SLS)
Safe Speed Monitor (SSM)
Safe Acceleration Monitor (SAM)
通信 PROFIBUS DP/PROFINET IO
トポロジー
SINAMICS S120 Combi のために定められた DRIVE-CLiQ トポロジー規則 機器は常に
同じ原則に準拠して接続しなければなりません。
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
945
付録
A.3 SINAMICS S120 Combi の機能
システムクロック
以下のためのサンプリング時間:
●
電流コントローラ
●
速度コントローラおよび
●
磁束コントローラ
は、恒久的に 125 μs に設定されています。 パルス周波数は、恒久的に 4 kHz に設定さ
れています。 つまり、最大スピンドル速度 24000 rpm に到達する場合がある、という
ことです。
使用可能なモータ
946
●
同期モータ: 1FT6、1FT7、1FK7、1FW3
●
インダクションモータ: 1PH7、1PH4、1PL6、1PH8
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
付録
A.4 SINAMICS S120 機能
A.4
SINAMICS S120 機能
SINAMICS S120M は、SINAMICS S120 ブックサイズファミリーの分散型仕様です。
SINAMICS S120M は、このファンクションマニュアルに記載されている以下の機能を
サポートしています。
注記
可用性
SINAMICS S120M コンポーネントは、2012 年第 4 四半期からご利用いただけます。
該当するシステムでの使用のための S120M のリリース情報は、PRODIS を通じて通知
されます。
ハードウェア
SINAMICS S120M システムは以下のユニットで構成されます:
●
S120M (1FK7 同期モータと内蔵パワーモジュールおよび変更された DQI エンコー
ダ)
●
アダプタモジュール 600 (AM600)
●
ハイブリッドケーブル (接続システム)
●
DRIVE-CLiQ 拡張 (DQE)
●
ハイブリットキャビネットブッシング (HCB)
分散型 SINAMICS S120M ドライブテクノロジーの機能性
●
24 V 制御回路電源は、外部電源または制御電源モジュール (CSM) から給電されま
す。
●
モジュラー構造の SINAMICS S120 システムからのラインモジュール (ALM、BLM
または SLM) の使用。
●
それぞれのアダプタモジュール 600 (AM600) は、分散型 S120M ドライブのケーブ
ルを開きます。
●
AM600 は、ハイブリッドケーブルで DC リンク、補助電圧および DRIVE-CLiQ に
給電します。
●
AM600 から始まる分散型ケーブルの合計最大許容長は 100 m です。
●
利用可能な電源という意味では、必要とされるだけの多くの AM600 が使用可能で
す。
●
使用可能なコントロールユニットという意味では、必要とされるだけの多くの
DRIVE-CLiQ 拡張が使用可能です。
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
947
付録
A.4 SINAMICS S120 機能
●
AM600 および DRIVE-CLiQ 拡張は、DRIVE-CLiQ トポロジーでは表示されません。
●
セントラルのコントロールユニットは、制限されたドライブ数のみを制御すること
ができます。 複数の S120 ドライブが共通ライン上で運転される場合、追加のコン
トロールユニットが必要とされ、閉ループ制御信号が DRIVE-CLiQ を介してライン
に給電されなければなりません。 この目的のために、追加の DRIVE-CLiQ ケーブル
に給電するための DRIVE-CLiQ 拡張が使用可能です。
●
コントロールユニットまたはコントローラとして、多軸コントロールユニット
SINAMICS/SIMOTION/SINUMERIK システムの多軸コントロールユニットが使用で
きます (CU320-2、D4xx-2、CX32-2、NCUxx、NXxx)。
●
ファームウェアおよびパラメータ設定は、DRIVE-CLiQ を介して更新されます。
ኘዐእ዆ወነዐኺዙኪዐእ
ኬኁኳ዇አኦ኎ዙኳወ9'&孫┸榊䄟'5,9(&/L4
'5,9(&/L4
60
60
60
60
6+
60
6+
6+
6+
$0
60
6+
6+
$/06/0%/0
6,027,216,180(5,.ነዐእዊዙወዃከአእ
6,027,216,180(5,.ነዐእዊዙወዃከአእ
6,7239
⒕㟲⨚ነዐኺዙኪዐእ㘴倩√
'5,9(&/L4([WHQVLRQ
'5,9(&/L4,3,3
60
ኜዙኼኪዙኜ
60
6+
6+
60
6+
+\EULG&DELQHW%XVKLQJ
図 A-1
S120M トポロジーの原則
注記
SINAMICS S120 と異なる機能性
• S120M は、サーボ制御専用にリリースされました。
• パルス周波数は、恒久的に 4 kHz に設定されています。
948
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
付録
A.4 SINAMICS S120 機能
S120M セーフティコンセプト
●
セーフティ機能 (基本機能と拡張機能) は、PROFIsafe または TM54F で制御するこ
とができます。
インターフェース
●
アダプタモジュール 600
– X1: ハイブリッドコネクタ
– X21: 運転状態の端子箱
– X24: 外部 24 V 用の端子台
– X210: DRIVE-CLiQ インターフェース
●
S120M
– X1/X2: ハイブリッドコネクタ
– X3: アクチュエータとセンサを S120M に接続 (2 x 双方向、センサ電源と電気的
に前縁されたデジタル入/出力)
– X4: 外部的に保持ブレーキを開放するための接続 (オプション)
– LED: 運転状態の表示
●
DRIVE-CLiQ 拡張
– X1 (IN): ハイブリッドコネクタ
– X2(OUT): ハイブリッドコネクタ
●
ハイブリットキャビネットブッシング
– DRIVE-CLiQ 接続
– ハイブリッドコネクタ接続
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
949
付録
A.5 略称一覧
A.5
950
略称一覧
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
付録
A.5 略称一覧
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
951
付録
A.5 略称一覧
952
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
付録
A.5 略称一覧
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
953
付録
A.5 略称一覧
954
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
付録
A.5 略称一覧
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
955
付録
A.5 略称一覧
956
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
付録
A.5 略称一覧
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
957
付録
A.5 略称一覧
958
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
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ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
959
ドライブシステムに関する基礎知識
960
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
インデックス
D
2
DC ブレーカ, 445
2 チャンネルブレーキ制御, 533
DC ブレーキ, 281
2 つのコントローラを備えた PROFINET, 772
OFF1/3, 283
パラメータを介した設定, 281
パラメータを介した無効化, 282
3
パラメータを介した有効化, 281
3 巻線変圧器, 445
故障応答として, 282
前提条件, 281
A
ASCII コード
ライセンス, 914
速度スレッシホールドへの応答としての設定, 283
速度スレッシホールドへの応答としての有効
化, 283
DCC 軸ワインダ, 816
DCP 点滅, 751
DDS 切り替え
B
BICO テクノロジー
それは何ですか?, 838
接続信号, 839
BICO テクノロジーを使用した接続, 839
BICO テクノロジーを使用した接続信号, 839
BICO テクノロジ
コンバータ, 843
固定値, 843
BOP20
コントロールワード、ドライブ, 867
C
Combi, 944
負荷ギア位置トラッキングあり, 383
DME20, 813
dn/dt 監視:未処理の速度値をフリーズ, 309
DRIVE-CLiQ
自立運転, 894
配線規則, 874
非常モード, 894
DRIVE-CLiQ エンコーダ, 409
DRIVE-CLiQ ハブ
DMC20, 813
DSC
アンチワインドアップ, 129
Dynamic Servo Control
最大ドライブ数, 130
Dynamic Servo Control, 129
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
961
索引
E
I
EP 端子
IEC61000-2-4 規格, 25
サンプリング時間, 538
EPOS, 396
IO supervisor, 742
IO コントローラ, 742
Safety Integrated 機能を使用したフライング原点セ IO デバイス, 742
ット, 423
IRT, 754
RT との比較, 756
ジョグ, 438
トラバースタスクを拒否, 426, 437
IRT, 754
トラバースブロック, 424
IRT, 754
フライング原点セット, 414
IRT による PROFINET IO, 743
リミット, 401
IT セキュリティ, 571
安全な原点セット, 421
機械的システム, 399
中間ストップ, 426, 437
直接設定値入力 (MDI), 434
K
kT 推定器
サーボ, 371
保持ブレーキに対する起動, 405
ESR
ESR 開始, 473
L
セーフティ通信エラー, 477
LU
テレグラム拡張, 478
回生運転, 476
概要, 471
前提条件, 472
退避, 475
停止, 475
長さ単位, 373
LU 例, 374
N
NVRAM, 854
適していないモータ, 477
複数軸, 477
O
OFF 信号後の DC ブレーキ
F
設定, 283
FAULT_CODE, 643
有効化, 283
OFF3
トルクリミット, 295
G
GSD
GSD ファイル, 711
962
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
索引
P
IRT, 755
PN Gate
アドレス, 744
開発キット, 770
PROFINET インターフェース, 750
前提条件, 770
伝送された機能, 768
PN Gate, 768
PROFIBUS, 701
GSD ファイル, 711, 738
PROFIBUS でのモーションコントロール, 673
R
RT
IRT との比較, 756
RT クラス
アップデートサイクル, 758
VIK-NAMUR, 712
設定, 756
アドレスの設定, 710
インターフェースモード, 587
サインオブライフ, 722, 766
スレーブ・スレーブ間通信, 723
送信サイクル, 758
RT による PROFINET IO, 743
デバイスの識別, 712, 740
S
テレグラム, 580
S120 Combi, 944
マスタクラス 1 および 2, 702
Safe Brake Control
終端抵抗, 712
PROFIBUS アドレススイッチ, 710
SBC, 532
Safe Stop 1
PROFIBUS スレーブ/スレーブ間通信, 445
OFF3 を伴う (基本機能), 528
PROFIBUS でのモーションコントロール, 673
OFF3 を伴わない (基本機能), 530
PROFIBUSの電文構造, 704
SS1, 528
PROFIdrive, 571
コントローラ、スーパバイザ、ドライブユニッ
基本機能, 528
ト, 572
デバイスクラス, 571
テレグラム, 580
パラメータの読み出し, 694
パラメータを書き込み, 697
PROFIenergy, 783
PROFIenergy コマンド, 785
認証検定合格証, 783
PROFINET
データ伝送, 746
接続チャンネル, 748
PROFINET IO, 741
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
時間制御, 528
Safe Torque Off
STO, 524
基本機能, 524
Safety Integrated, 519
コンポーネントの交換, 543
パスワード, 521
試運転, 541
標準的な試運転, 542
Safety Integrated のパスワード, 521
Safety Integrated 基本機能
停止応答, 549
963
索引
SBC
グループを形成, 504
Safe Brake Control, 532
センサ故障, 506
アクセプタンステスト, 564
温度センサタイプ, 502
基本機能, 532
TM31, 498
SERVO (サーボ)
TM41, 334
エンコーダなし運転, 104
SIMOTION モード, 335
自動コントローラ設定, 102
SINAMICS モード, 336
SINAMICS S120 Combi, 944
ゼロマークエミュレーション, 337
SINAMICS リンク
原点セットモード, 337
コンフィグレーション, 789
バスサイクル, 788
前提条件, 786
伝送時間, 788
U
U/f 制御, 241
Vdc 制御, 250
同期サイクル, 788
サーボ制御, 98
有効化, 793
例, 794
SMC30
周波数設定値, 349
SS1
OFF3 を伴う (基本機能), 528
OFF3 を伴わない (基本機能), 530
Safe Stop 1, 528
Safe Stop 1 (基本機能), 528
アクセプタンステスト (基本機能), 562
基本機能, 528
STO
Safe Torque Off (基本機能), 524
基本機能, 524
STOP A, 549
STOP F, 550
STOP 機械リミット, 404
V
V/f 制御
スリップ補正, 248
Vdc 制御
U/f 制御, 250
サーボ, 125
ベクトル n/m 制御, 184
Vdc_max コントローラ
ベクトル n/m 制御, 186
Vdc_min コントローラ
サーボ, 126
ベクトル n/m 制御, 185
ベクトル U/f 制御, 252
VECTOR (ベクトル)
トルク制御, 179
VSM
T
TM120, 499
TM150
964
LED による定数測定, 223
ベクトルドライブ, 222
試運転, 223
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
索引
VSM10, 25
エンコーダインターフェース, 647
基準マーク検索, 650
速度サーチ, 651
W
WARN_CODE, 643
エンコーダダーティ信号, 305
エンコーダトラック監視, 308
エンコーダなし運転
SERVO (サーボ), 104
あ
アクセスレベル, 827
アクセプタンステスト
エンコーダの調整, 212
微調整, 214
SBC (基本機能), 564
エンコーダ範囲, 326
SS1 (基本機能), 562
エンコーダ評価, 306
STO (基本機能), 561
アクティブ電源装置閉ループ制御, 23, 28
アドレス
PROFIBUS アドレスの設定, 710
インターネット上のライセンスマネージャ, 912
アナログ出力
エンコーダ評価の拡張, 315
お
オープンな速度実績値, 177
オブジェクト番号の設定, 693
信号処理, 854
特徴, 854
アナログ設定値
通信, 446
アナログ入力
CU310-2, 852
信号処理, 852
特徴, 852
か
カムコントローラ, 391
き
キネティックバッファリング, 36, 184, 250
Vdc 制御, 125
アプリケーションクラス, 574
アンチワインドアップ
DSC, 129
こ
コネクタ, 839
コントローラ設定、自動
い
インダクションモータ
DC ブレーキ, 281
え
エンコーダ
外部, 132
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
SERVO (サーボ), 102
コンポーネントの交換
例, 868
さ
サーボ
965
索引
EPOS, 438
Vdc 制御, 125
ジョグ, 57
サーボ制御, 73
U/f 制御, 98
シングルターンエンコーダ, 326
トルク制御運転, 81
トルク設定値, 84
ベクトル制御との比較, 73, 154
固定端への移動, 134
最適化, 102
設定値チャンネルを有効化, 51
速度コントローラ, 76
電流コントローラ, 89
特徴, 73, 154
サーボ電流コントローラ
す
スイッチ「入」禁止, 627
スイッチオフ信号経路のテスト, 522
スタンダードテレグラム, 580
ステップアップ係数, 27
スマート電源装置閉ループ制御, 35
スリップ補正, 248
スレーブ・スレーブ間通信
GSD, 738
電流およびトルクリミット, 89
HW Config の設定, 728
電流コントローラ補正, 89
PROFIBUS, 723
閉ループ電流制御, 89
STARTER の設定, 734
サインフィルタ, 266
故障, 741
サブライセンス, 910
サンプリング時間, 897
せ
セーフティログブック, 558
し
シェアドデバイス, 772
システムのサンプリング時間, 897
CU31/CU32, 902
DCC, 901
ゼロマークのエッジ評価, 311
ゼロマーク許容範囲, 309
ゼロ速を評価するための測定時間, 316
セントラルプローブ
例, 672
EPOS, 902
U/f 制御, 899
サーボ制御, 898
そ
ベクトル制御, 899
ソフトウェアリミットスイッチ, 403
混在運転, 900
システムランタイム, 300
ジャークリミット, 404
シャーシ
パワーユニット, 351
た
ダイナミック設定値制限, 129
ダウングレードロック, 348
ジョグ, 57
966
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
索引
ち
テレグラム 111
POS_ZSW1, 639
チップ温度, 352
POS_ZSW2, 640
テレグラム 220
て
ZSW2_BM, 629
ディレーティング機能, 351
データクロスチェック, 517
データセット
エンコーダデータセット (EDS), 831
コマンドデータセット (CDS), 828
ドライブデータセット (DDS), 829
モータデータセット (MDS), 832
データバックアップ
NVRAM, 854
データロガー, 304
データ伝送
PROFINET, 746
テクノロジーコントローラ, 354
テクノロジーファンクション
摩擦特性, 295
デジタル出力
テレグラム 371
STW1, 591
テレグラム内のオブジェクトのシーケンス, 703, 747
と
トポロジー、補助ドライブでの並列接続, 469
ドライブオブジェクト, 837
トラバースタスク
拒否, 426, 437
トラバースブロック, 424
ドループ, 176
トルクプリコントロール, 819
トルクリミット, 182
OFF3, 295
ダイナミック, 820
信号処理, 848
双方向, 849
特徴, 848
デジタル入力
トルク制御, 179
拡張, 370
トルク制御運転, 81
機能しない場合, 847
トルク設定値, 84
信号処理, 847
トレース可能, 140
双方向, 849
特徴, 847
デバイスの識別, 712, 740
デバイス名, 745
テレグラム
オブジェクトのシーケンス, 703, 747
スタンダード, 580
ユーザ定義の, 583
レイアウト, 585
製造メーカ固有の, 581
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
の
ノウハウ保護
コピー保護, 920
コントロールユニットを交換, 923
パスワードセキュリティ, 917
パスワード確認, 919
メモリカードのデータセキュリティ, 919
ロックされた機能, 918
概要, 917
967
索引
実行可能な機能, 918
拡張ブレーキ制御, 360
絶対ノウハウ保護, 921
拡張監視機能, 358
変更可能なパラメータ, 919
閉ループ位置制御, 372
フィルタ
オン/オフテスト, 540
フライング原点セット
は
バイネクタ, 838
バイパス
ベクトル, 227
はじめに, 3
バッファ保護
シャーシ, 49
パラメータ
カテゴリー, 825
タイプ, 825
パラメータ設定
BOP を使用, 857
パルス/方向インターフェース, 349
パルス周波数, 352
EPOS, 414
フリーテレグラム, 583
プリコントロール
速度, 172
ブレーキ制御
ベーシック, 297
拡張, 360
プローブ
MT_DIAG, 659, 667
MT_STW, 659
MT_ZSW, 659
セントラル, 672
プローブ評価, 142
パルス周波数ワブリング, 270
パワーモジュール
3 以上のエッジ, 145
ディレーティング, 351
パワーユニット
ハンドシェイク, 142
過負荷, 352
タイムクリティカルなデータ伝送, 144
ハンドシェイクなし, 145
ハンドシェイク付き, 144
例, 149
ひ
ヒートシンク温度, 352
プロセスデータ, 585
プロセスデータ、コントロールワード
A_DIGITAL, 578, 588, 589, 661
CU_STW1, 590, 660
ふ
E_STW1, 590, 612
ファンクション
サーボ制御, 73
ファンクションブロック
DCC 軸ワインダ, 817
ファンクションモジュール, 353
テクノロジーコントローラ, 354
ブレーキモジュール, 366
拡張トルク制御, 370
968
E_STW1_BM, 590
G1_STW, 578, 588
G2_STW, 578, 588, 651
G3_STW, 578, 588
Gn_STW, 648
M_ADD, 589, 590
M_LIM, 590
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
索引
MDI_ACC, 589, 610
MTx_ZS_F, 618
MDI_DEC, 610
MTx_ZS_S, 618
MDI_MOD, 589, 590, 611
POS_ZSW, 619, 637
MDI_TARPOS, 610
POS_ZSW1, 619
MDI_VELOCITY, 610
POS_ZSW2, 619
MDIDEC, 589
XIST_A, 617
MDITARPOS, 589
ZSW1, 616, 620
MDIVELOCITY, 589
ZSW1_BM, 619
MT_STW, 578, 589, 662
POS_STW, 589, 606
ZSW2, 616, 625
プロセスデータ、実績値
E_DIGITAL, 617
POS_STW1, 590
G1_XIST1, 616, 654
POS_STW2, 590
G1_XIST2, 616, 655
SATZANW, 589, 605
G2_XIST1, 616, 657
STW1, 578, 588, 591
G2_XIST2, 616, 657
STW1 (位置決めモード), 593
G3_XIST1, 616
STW1_BM, 590
G3_XIST2, 617
STW2, 578, 588, 596
IAIST_GLATT, 617
STW2_BM, 590
ITIST_GLATT, 617
オーバーライド, 590, 610
プロセスデータ、ステータスワード
MIST_GLATT, 617
AIST_GLATT, 617
NACT_A, 616, 631
AKTSATZ, 617
NACT_B, 616, 631
CU_ZSW1, 663
NIST_A_GLATT, 617
E_DIGITAL, 665
E_ZSW1, 619, 644
PIST_GLATT, 617
プロセスデータ、設定値
KPC, 578, 589, 603
E_ZSW1_BM, 619
MOMRED, 578, 589, 604
G1_ZSW, 616
NSET_A, 602
G2_ZSW, 616, 657
NSET_B, 602
G3_ZSW, 616
NSOLL_A, 578, 588
Gn_ZSW, 652
NSOLL_B, 578, 588
MELD_NAMUR, 636
XERR, 578, 589, 603
MELDW, 617, 633
MSOLL_GLATT, 617
MT_ZSW, 617, 666
へ
MT1_ZS_F, 618
ベーシックラインモジュール
MT1_ZS_S, 618
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
Vdc_max コントローラ, 43, 187, 254, 462
969
索引
並列接続, 460
ベーシック電源装置 開ループ制御, 41
ベクトル
トルクリミット, 182
め
メイン / 補助設定値, 61
メディア冗長性, 753
バイパス, 227
モータデータ定数測定, 192
も
永久磁石式同期モータ, 209
モータ
回転定数測定, 192
2 巻線システム, 466
モータモジュール
速度コントローラ補正, 168
ベクトルドライブ
電圧検出モジュール, 222
ベクトル制御
ディレーティング, 351
並列接続, 455, 465
モータ温度監視, 488
サーボ制御との比較, 73, 154
CU310-2, 507
自動再起動, 272
CUA31/32, 507
速度エンコーダなし, 157
DRIVE-CLiQ 付きモータ, 508
速度コントローラ付き, 165
SMC, 495
速度実績値フィルタ, 189
SMC10, 495
電流設定値フィルタ, 188
SMC20, 495
特徴, 73, 154
ベクトル閉ループ制御 エンコーダレス
トルク設定値, 158
SMC30, 495
SME120/125, 496
TM120, 499
TM150, 501
ほ
TM31, 498
ホットプラグ
センサモジュール, 494
DRIVE-CLiQ, 814
パワーモジュール, 507
モータモジュール, 506
モータ熱モデル, 488
ま
マスタ/スレーブ電源装置
VDC リンク制御帯域, 449
この機能の有効化, 450
トポロジー, 444
ファンクションダイアグラム, 448
ファンクションモジュールの説明, 447
電流分配係数, 449
動作原理, 442
モータ熱モデル 1, 489
モータ熱モデル 2, 490
温度センサの評価, 509
増設 I/O モジュール, 497
断線、短絡, 509
モータ切り替え, 806
モータ定数測定, 193
モジュラーマシンコンセプト, 263
マルチターンエンコーダ, 326
970
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
索引
ら
制動抵抗器の計算, 279
ライセンス, 910
設定, 278
ASCII コード, 914
ライセンスキー, 912
ライセンスマネージャ, 910
ライセンス証明書, 910
ラインコンタクタ制御, 47
ランプファンクションジェネレータ
スケーリング, 69
ランプファンクションジェネレータ、拡張, 66
有効化, 278
例, 279
拡張トルク制御, 370
慣性モーメント, 819
監視、許容帯域、パルス数, 314
監視サイクル, 517
監視機能
拡張, 358
簡易位置決め, 396
原点セット, 407
り
基準マーク検索, 650
リアルタイム通信, 743
リミット
トルク設定値, 84
リングトポロジー, 753
Scalance, 753
基準モデル, 172
基準変数
無効化/保護, 259
基本機能
SBC, 532
SS1, 528
STO, 524
機能
わ
ワインダアプリケーション, 816
サーボ制御用 V/f 制御, 98
ジョグ, 57
漢字
位置コントローラ, 390
監視機能, 391
位置トラッキング, 328, 383
測定ギアボックス, 326
負荷ギア, 378
位置決め監視, 391
運転温度, 352
運転時間カウンタ, 300
固定速度設定値, 53
固定端への移動, 134
電動ポテンショメータ, 54
規格, 515
許容エンコーダ監視, 306
強制点検エラー検出
基本機能, 522
決定性, 743
原点セット
簡易位置決め, 407
応答時間, 535
外部制動抵抗器
固定設定値, 53
例, 278
外部電機子短絡ブレーキ
固定端への移動, 134
故障とアラーム
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
固定速度設定値, 53
971
索引
BICO 接続, 845
伝送, 845
伝播, 845
故障応答の設定, 284
故障時のパルス数補正, 313
効果の最適化
ベクトル, 200
最小速度, 65
最大加速, 402
無効化, 917
有効化, 915
冗長性
パワーユニット, 226
診断機能
サーボ制御用 V/f 制御, 98
制御可能なドライブ数
注記, 897
制動抵抗器
ブレーキモジュールの有効化スレッシホール
最大減速, 402
ド, 291
最大速度, 402
制動抵抗器接続部, 291
産業用セキュリティ, 571
指令, 515
試運転
Safety Integrated, 541
磁極位置検出
製造メーカ固有のテレグラム, 581
切り替え
固定速度設定値, 53
設定値ソース, 53
設定値チャンネル
サーボ, 117
サーボアンプ, 51
ベクトル, 216
ジョグ, 57
磁極位置補正, 312
自動エンコーダ調整
ベクトル, 214
自動再起動, 272
自立運転, 894
軸
吊り下げ/垂直, 139
軸ワインダ, 816
軸番号の設定, 693
実績値
並列のエンコーダ, 376
実績値取得
インデックス付き, 376
周囲温度, 352
周波数設定値
スキップ周波数帯域, 64
メイン / 補助設定値, 61
ランプファンクションジェネレータ、拡張, 66
回転方向制限, 63
拡張, 52
固定速度設定値, 53
設定値の修正, 61
設定値リミット, 64
電動ポテンショメータ, 54
方向反転, 63
設定値の修正, 61
絶対値エンコーダ
調整, 409
絶対値エンコーダの調整, 377
SMC30, 349
出力電流
双方向の入/出力
パワーユニット, 352
書き込み保護
増設 I/O モジュール 41
概要, 915
972
リソース共有, 850
SIMOTION モード, 335
SINAMICS モード, 336
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
索引
TM41, 334
ゼロマーク同期, 340
リミット周波数, 342
故障信号を出力, 335
試運転, 343
例, 343
測定ギアボックス, 328
速度コントローラ, 166
リミット, 77
基準モデル, 172
速度コントローラプリコントロール, 172
速度コントローラ補正, 79
速度依存 Kp_n/Tn_n 補正, 168
速度設定値フィルタ, 77
特徴, 76
任意の Kp_n-/Tn_n 補正, 168
速度サーチ, 218, 651
速度リミット
ドループ, 176
速度実績値のスライド平均化, 316
速度実績値の平均値を生成するための電流コントロー
ラサイクル, 316
STOP A, 549
STOP F, 550
停止定数測定
モータ定数測定, 193
伝播, 845
電圧ピークリミッタ付き dv/dt フィルタ, 267
電圧ピークリミッタ付き dv/dt フィルタコンパク
ト, 268
電圧ブースト
サーボ, 101
ベクトル, 244
電圧検出モジュール, 25
電源および DC リンク定数測定ルーチン, 450
電源装置
12 パルス, 459
ベーシック電源装置, 41
マスタ/スレーブ, 450
予備充電, 459
電源装置コンセプト, 458
電源投入禁止, 621, 624
電子銘板, 872
電動ポテンショメータ, 54
速度実績値フィルタ, 189
電流コントローラ (ベクトル)
単位の切り替え, 257
中間ストップ
電流設定値, 449
EPOS, 426, 437
張力コントローラ, 820
調整
絶対値エンコーダ, 409
調整可能なハードウェアフィルタ, 310
直接設定値入力 (MDI), 434
追従誤差監視
ダイナミック, 391
通信
PROFIBUS を介して, 701
PROFIdrive について, 571
停止応答
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
電流コントローラ補正, 190
電流設定値フィルタ, 188
サーボ, 91
電流分配係数, 449
同期 (ベクトル制御), 221
同期ドメイン, 757
同期モータ
永久磁石式、ベクトル, 209
内部電機子短絡, 527
内部電機子短絡ブレーキ
設定, 277
無効化, 277
有効化, 277
973
索引
入/出力
概要, 846
配線規則
DRIVE-CLiQ, 874
非同期パルス周波数, 237
不揮発性メモリ, 854
負荷ギア, 383
部分的トポロジーによるランプアップ, 263
並列接続
ベーシックラインモジュール, 460
モータモジュール, 455, 465
閉ループ位置制御, 372
方向反転, 271
摩擦特性
テクノロジーファンクション, 295
未処理の速度値をフリーズ, 309
銘板、制御回路, 872
予備充電コンタクタ
シャーシ, 49
例
PROFIBUSの電文構造, 704
974
ドライブ機能
機能マニュアル, (FH1), 01/2012, 6SL3074-2AB00-0TP5
Siemens AG
Industry Sector
Drive Technologies
Motion Control Systems
P.O. 3180
91050 ERLANGEN
GERMANY
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