豊産マシナリー株式会社

マルチオリフィスミキサー内蔵バルブスタンド
混合度波形
豊産マシナリー株式会社
トヨサンマシナリーは、この度 マルチオリフィスミキサーと、濃 度 別 混 合 度 を光 技 術 を
利 用 して数 値 化 し、ロールに対 する油 の最 大 付 着 効 率 を求 める、オンラインデジタル
油 圧 延 システムを開 発 しました。
【OHRO】のポイント
1.混 合 度 の数 値 化
2.最 適 付 着 効 率
1.概
要
3.阻 害 要 因 の早 期 発 見
4.コストダウン
2.油 と水 の混 合
油圧延の効果は、濃度と混合度(油と
(マルチオリフィスタイプインジェクションミキサー)
水の混ざり具合の程度)に大きく影響
イ ン ジ ェ ク シ ョ ン ミ キ サ ー は FIG.1 に 示 す 如 く 、
さ れ ま す 。最 適 な 混 合 度 を 求 め る 為 に 、
オリフィスと拡散室から成立っており、油圧延
先ずマルチオリフィスミキサーで混合
システムの中で水と油を混合する最も重要な機
度を調整し、水溶液に光を当てて透過
器の一つであります。オリフィス径を小さくす
線数を数値化する光学的技術を用いて
るとよく混合され、逆にオリフィス径を大きく
濃度別透過線数を求め、ロールに対す
すると、水と油は分離した状態でノズルヘッダ
る油の付着量の関係を求めます。
ーに流れ込みます。板巾に応じて両サイドのノ
その結果から最大付着効率が達成出来
ズ ル を 「 巾 広 」「 ミ ド ル 」「 巾 狭 」 と 、 ス プ レ ー
る混合度をオンラインで制御します。
を停止させた場合は水量が変わり、その結果、
本システムは、マルチオリフィスとデ
油と水の混ざり具合が変わり、ロールに対する
ジタルセンサーからなるハイブリット
油の付着が変わります。
システムです。
今回開発したオンラインデジタルシステムはマ
ルチオリフィスとのコンビネーションで油の最
大付着効率を求めることが出来ます。
FIG.1
拡散室
1
3.特 徴 と原 理
FIG.2
混 合 度 測
FIG.2 に 光 技 術 を 用 い た オ ン ラ イ ン デ ジ タ
ルシステムの基本原理を示します。
まず水と油の混合度は、光の透過線数で表
わし、濃度が高くよく混ざっておれば、光
を透しにくく、濃度が低くまざりが少ない
場合は、数値は大きくなります。
濃度は、油の粒子に反射する光を利用し、
数値化します。角形セルにサンプルエマル
ジョンを採取し、濃度と混合度を同時に測
定 し ま す 。 FIG.1 に 示 す ノ ズ ル ヘ ッ ダ ー か
らスプレーされるエマルジョンを、角形セ
ル で 採 取 し 、 ポ ー タ ブ ル キ ッ ト の D・ D KIT
Ⅱに て 数 値 化 し 、 濃 度 別 透 過 線 数 表 を 作 成
し ま す ( TABLE1 に 示 す )
同時に各ノズル毎にテストプレート
( 100mm□ ) を 設 け 、 ス プ レ ー を 吹 き つ け 、
それぞれの油付着量を測定します。
各プレートの付着量に、大きなバラツキが
あると、混ざりが悪い為で、その場合は、
マルチオリフィスミキサーのオリフィス
を小さくします。
セ ル
濃度測定
投 光 受
原 理
しかし、小さくしすぎると各ノズルの付着量
のバラツキはなくなりますが、付着量が少な
く な り ま す 。こ の バ ラ ン ス の よ い 値 は 、TABLE1
に 示 し ま す 。±5% の 値 を 、適 正 範 囲 と し ま す 。
この値は、濃度や油種によって、それぞれ異
なります。水温が高いと混ざりすぎて数値が
小 さ く な り 、付 着 量 が 少 な く な り ま す 。TABLE1
のそれぞれの値を最大付着値とし、最少の油
消費量で、バラツキの少ない最大付着量を数
値で求めることが出来ます。
濃度別透過線数表
濃度
TABLE 1
:
(0.1%)
濃度 :
(0.3%)
濃度 :
(0.5%)
濃度 :
(0.8%)
濃度 :
(1.0%)
4.目
的
混 合 度 は 、同 じ 濃 度 で も 水 温 や 水 の 硬 度 に よ っ て
異 な り 、ま た 、サ ン プ ル 採 取 後 、時 間 の 経 過 と 共
に 分 離 し て 測 定 不 能 に な り 、オ ン ラ イ ン で 混 合 度
を 測 定 し 、数 値 で 定 量 化 す る こ と が 、本 オ ン ラ イ
ンデジタルシステムの目的であります。
また、鋼板のスリップや噛込み不良の原因にな
る 、オ フ ロ ー リ ン グ 時 の キ ャ リ ヤ ー 水 中 の 、微 量
の 油 の 混 入 も オ ン ラ イ ン セ ン サ ー が 検 出 、事 故 を
未然に防ぎます。
油圧延システムは、従来、圧下の低減率
によって、その効果が判定されて来まし
た。低減率の多寡は、長年濃度の高低に
よってのみ制御されて来ましたが、近年
多くの研究と経験を経て、水と油の混ざ
り具合、即ち混合度が圧下の低減率のみ
ならず、板の形状や品質に大きく影響す
ることが判明し、混合度の測定が重要な
問題となりました。
2
FIG.3
厚 さ 39 ㎜ 超 薄 型 コ ン バ イ ン ド ヘ ッ ダ ー
3 ゾーンの巾 切 (巾 狭 ・ミドル・幅 広 )
水 巻 スプレー内 蔵 500L/MIN
油 圧 延 ・水 巻 各 スプレーノズルが
一 つおきに並 ぶ
超 薄 型 コンバインドヘッダー
NEVI SYSTEM
OHRO 回路図
構
成
オンラインデジタルシステムは、大 別 して①マルチオリフィスミキサー内 蔵 バルブスタンド、②オンラインデジ
タルユニット、③ダイレクトセンサー、④D・D KITⅡ、⑤潤 滑 油 供 給 ユニットから成 り立 っております。
適 切 な油 圧 延 を阻 害 する要 因 パート
以 下 の阻 害 要 因 は、全 て鋼 板 の品 質 や重 大 事 故 に繋 がるもので、オンラインデジタルシステムは、こ
れらの阻 害 要 因 を、数 値 もしくは画 像 でキャッチ出 来 る優 れものです。
1.ノズル詰 り
2.ノズルの劣 化
3.上 下 ロール濃 度 のアンバランス
4.上 下 ロール混 合 度 のアンバランス
5.メータリングポンプの劣 化
6.水 圧 の変 化 による水 量 の変 化
7.5・6 の変 化 による濃 度 ・混 合 度
の変 化
8.弁 不 良 によるスプレー濃 度
の変 化
9.3方 弁 不 良 によるスプレー側 への
油 の混 入 (オフローリング時 )
10.パイプの狭 窄
11.水 切 シールの不 良
12.水 温 の変 化 による付 着 量 の変 化
13.巾 切 り弁 の切 換 え不 良
代理店
豊 産 マシナリー株 式 会 社
〒290-0036 千葉県市原市松ヶ島西 1-1-19
TEL 0436-25-6411 FAX 0436-25-6414
URL http://www.toyo-sun.com/
3
100108A
従来の油圧延システムの盲点
1.
濃度管理の一辺倒
2. 圧下力の低減一辺倒
3. 水質・水量管理の無視
4.
油種への過剰な期待
5. 巾切りの無視
6. 油消費量への関心が薄い
7.
水切シールの重要性無視
N
介
紹介
ご紹
のご
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VII シ
EV
NE
A.
FIG1 に示すように、各種パラメータ及び適正基準混合度波形を画面上に表示し、混合度の波形を基準とし、この基
準波形からはみ出した実波形が表れた場合、適切な油圧延を阻害する要因の中から、その原因が何であるかを、コ
ンピューターで処理し、画像で異常信号を発生するシステムです。
FIG 1
正常時
B.
FIG2 は、基準波形から実波形がはみ出した画像です。(A)の画像は、実線が適正基準混合度波形から左へはみ出
しておりますが、これは何らかの原因で、水と油が混ざり過ぎて、光の透過線数が小さく、付着量が少なくなっている
ことが判ります。
(B)の波形は(A)とは逆に、水量が、ノズル詰りが原因で少なくなったり、水温が低くなって水と油
の混ざりが悪くなっていることを表しております。 油の付着量のバラツキが懸念されます。 (C)はオフローリングの
時に、水のみスプレーする筈が、油が水中に混入していることを表しております。 次に、入って来る鋼板のスリップ
が、懸念されます。
FIG 2
異常時 ①
C.
FIG3 は、巾切りや 3 方弁の作動不良を例に掲げたもので、巾切りをしている筈の弁から漏れを生じたり、開になった
ままだと水の流量が増加し、混合度が変化し、水と油が混ざり過ぎて(A)のように実波形が標準波形から左へはみ出
します。(B)は、3 方弁には正常に電気符号が出ているにも関わらず、波形が乱れる場合は、3 方弁が正常に作動して
いないと言う、アラーム信号が出ます。
FIG 3
異常時 ②
D.
FIG4 は、水切シールの不良が疑われる例です。圧下力の低減波形以外は正常である場合、水切シールから常時、
クーラント水が漏れていると、低減率が少なくなり、画像のような波形となります。即ち、本来波線までの低減がある筈
のものが、実線になる場合を言います。
FIG 4
異常時 ③
注: NEVI システムとは、NAVIGATOR(ナビゲーター)の N、EVALUATE(評価する)の E、VISUAL(目で見える)の V、I は(INDICATOR)の I を
綴ったもので、ある一定幅をもった混合度の波形を利用し、これをナビゲーターとし、この幅からはみ出した場合、実線を目で見える形で
これを評価する表示器をもったシステムを意味します。
E. 適正な油圧延を阻害する要因パートⅡの一例
a. ノズル詰り
※ヘッダー全体流量の 0.8%の減少で、混合度数値が 200 の変化を、読み取る事ができる。
FIG 5
b. ノズルの劣化
※ヘッダー全体流量の 1.6%の増加で、混合度数値が 200 の変化を、読み取る事ができる。こmこ