コンビニおにぎり進出で、 昆布食文化を全国発信

 ﹁ 年 前、 大 手 コ ン ビ ニ エ
ンスストアが福井に進出する
にぎり﹄を生産。 月下旬に
関西圏の大手コンビニエンス
とき、北陸特有の﹃とろろ昆
す。
は北陸地方でも販売されま
ストアで発売され、
月から
ヤマトタカハシ株式会社
コンビニおにぎり進出で、
昆布食文化を全国発信
コンビニおにぎり参入で
急伸する米飯市場へ進出
コンビニおにぎりは、ごは
ん と 海 苔 を フ ィ ル ム で 隔 て、
食べる直前に海苔を巻くこと
布﹄のおにぎりを作りたいと
いうことから弊社との取引が
始 ま り ま し た。 そ の 流 れ で、
なかで敦賀特産の手削り﹃お
販売形態で扱えないかと依頼
ぎりのフィルムの海苔と同じ
昨 年、﹃ 昆 布 シ ー ト ﹄ を お に
できます。同社は、自社の﹃昆
ぼろ昆布﹄を量産できるよう、
﹁そもそも﹃昆布シート﹄は、
年ほど前、昆布職人が減る
布シート﹄を用い、海苔の代
を受けました﹂。
た。木材をカンナで削る作業
に似た特許技術で、ブロック
状に固めた昆布を厚さ ㎜ に
枚重ねてシート
メーカーや寿司屋でした。し
販売ルートは、主に大手米菓
氏。 従 来、﹃ 昆 布 シ ー ト ﹄ の
でした。生産を担当する奥田
シート﹄のフィルム包装作業
り、難関となったのが﹃昆布
﹃昆布シート﹄を使ったコ
ンビニおにぎり生産にあた
削り出し、
かし、年々市場が減少してい
氏は、試行錯誤の日々をこう
状にしています﹂と語る木原
るため、急伸するコンビニお
振り返ります。
格的な参入に取り組んでいま
なりインパクトがあると思い
陸特有の昆布食文化を、全国
す。
行い操作を習得。繊細な湿度
に広げていきたいですね﹂
社開発のオリジナル商品とい
ます﹂と胸を張る木原氏。そ
懸念も抱いています。
﹁心配し
管理に対応できるよう、工場
ているのが、北陸以外の消費
う強みを伸ばしていきたい﹂
の一方で、食文化の違いには
者の方が、海苔と同じパリパ
と語る木原氏。奥田氏も、﹁﹃昆
内に新しい空調機も取り付け
﹁ 今 は、 水 分 値 も 高 い ま ま
フィルムに入れられるように
リ感があると思い込んで食べ
月、
﹃昆布シート﹄を送
り 込 む 供 給 装 置 を 完 成 さ せ、
なり、割れの心配もなくなり
布シート﹄は、〝昆布の王様〟
年
わらかさや水分量などが全然
既存の包装機と連動させて生
られること﹂と語る奥田さん。
が、おぼろ昆布と海苔ではや
違います。既存の機械にかか
ました﹂現在、 台の機械を
と呼ばれる道南白口浜産の真
産 ラ イ ン を 作 り 上 げ ま し た。
昆布を使っています。高い品
るよう﹃昆布シート﹄を半乾
地元ではお馴染みのしっとり
設置し、細かく改良しながら
した昆布の風味も、全国では
生産を行っています。
質と安定供給の実現は、他に
機械の導入前には、海苔の包
新食感となり、受け入れられ
関東圏での発売も予定され
る﹃昆布おにぎり﹄が、新し
は真似できないもの﹂と言葉
度は相当伸びるはず。この機
いコンビニおにぎりの定番に
る か が 課 題 に な り ま す。
﹁た
会に﹃昆布シート﹄をスタン
なる日はそう遠くないかもし
を続けます。
﹁海苔の真っ黒なおにぎり
が多いコンビニの棚に、白と
ダード化し、恵方巻きなど幅
用 で、
﹃昆布シート﹄の認知
黒のコントラストが美しい
2台の包装機で、1日6万枚の生産が可能。スタッフが一枚
一枚フィルムを目視して、割れなどを最終チェックします。
れません。
全国初のコンビニおにぎり専用おぼろフィルム原
料送り込み装置。
『昆布シート』が割れることなく、
スムーズに流れていきます。
広い製品に波及させたい。北
﹃おぼろ昆布おにぎり﹄で
北陸の昆布食文化を発信
2
﹃昆布おにぎり﹄が並ぶと、か
だ、コンビニおにぎりへの採
装機を使用している食品会社
写真右側が、
『昆布シート』を使ったコンビニおにぎり用フィルム包装。左側の大判サイズは、既存商品の『す
し巻昆布』
。木目のような昆布独特の模様も、北陸地域以外では新鮮に受け取られるようです。
ました。
木原 一成 氏
燥したところ、粉々に割れた
同社は、国内唯一の﹃昆布
シ ー ト ﹄ 製 造 メ ー カ ー。﹁ 自
﹁弊社は、﹃昆布シート﹄を
コンビニおにぎり専用のフィ
にぎりの米飯市場に着目。本
風味を生かし、割れもない
﹃昆布シート﹄供給機開発
機械化を模索して生まれまし
で新鮮な食感を楽しむことが
5
り、風味が飛んだりした。そ
同社は機械メーカーと共
に、専用機を開発・製造。昨
0.02
の協力を得て、 週間研修を
装を行う機械の工程は基本的
9
10
こ で、
﹃昆布シート﹄専用の
1
7
に海苔のおにぎりと同じです
2
奥田 秀史 氏
ヤマトタカハシ株式会社
http://konbukan.co.jp
所 在 地:敦賀市坂の下小河田3−1
電話番号:0770−20−1000
代 表 者:高橋 一夫 氏
資 本 金:5,040万円
事業内容:昆布卸売り・昆布加工品などの製造販売 他
40
わりに昆布を巻いた﹃昆布お
昆布独特の節状の部分が混入していないか、工程の途中
に独自に開発した『厚みセンサー』を取り付け、品質管
理を徹底しています。(青白く見える箇所)
包装ができる機械を開発する
経緯を、メーカー営業部部長の木原一成氏と生産部部長の奥田秀史氏に伺いました。
商品はどのようなプロセスで完成
されていくのか。
企業によるアイデアの創出から新
商品誕生までの開発ストーリーを
紹介します。
の『昆布おにぎり』を生産。北陸から関西・関東へ昆布食文化の全国発信を進める
ルムに包装した状態で納品し
ンスストアからの要請で、自社オリジナルの『昆布シート』を使ったフィルム包装
ことになりました﹂
種昆布製品メーカーと幅広い取引を行っています。今年9月には、大手コンビニエ
ないといけない。フィルム包
マトタカハシ株式会社は伝統ある昆布の加工品製造を手がけ、全国の乾物問屋や各
完成への
道のり
北前船の交易があった江戸時代から続く、 敦賀の昆布加工業。創業65年を迎えるヤ
13
vol.9
vol.9
14
Vol.9