外国語活動指導案 好きなものを伝え合おう 日時 平成年10月22日(木)5校時 場所 3年1組教室 学年 第3学年1組 男子14名 女子12名 計36名 指導者 ALT 石崎秀子 Allan Antonio 1 単元について 【単元観】 本単元では,積極的に「好きなもの」につ いて尋ねたり答えたりしながら,相手を意識 してコミュニケーションを図ることに重点を おいている。 ここでは,お互いに「好きなもの」につい て尋ねたり,答えたりする表現“what~do you like?”を学習する。この表現は特定の物事 に対して好きか嫌いかのみを尋ねる前単元で 学習した“Do you like~?”よりも幅のある尋ね 方であり,児童のコミュニケーションの幅も 広がると考えられる。本単元の第3時に先生 の好みを聞いて,Tシャツを作る活動を行 う。この活動では,先生に尋ね,それを理解 してTシャツに描くことが必要になるため積 極的なコミュニケーションを図ることができ ると考える。 【児童観】 本学級の児童は,外国語活動が好きで相 手を意識しながら話していると答えている 児童が 92%と,外国語活動の時間を楽し みにしている反面,30%の児童が進んで話 しかけたり,大きな声で話したりできない と答えている。他教科においても同様であ るが,一部の児童は活発に発言することが できるが,聞く・話す活動に苦手意識をも っている児童が多い。 本学級の児童は,2年生で色と形につい て学習している。77%の児童が5色以上の 色について答えることができるが,形につ いては 70%の児童が0~1 個の単語しか答 えることができず形の単語の定着度は低い 実態がある。 【指導観】 指導に当たっては「好きなものを聞いたり答えたりすることに慣れて,先生の好きなTシ ャツを作ろう」というゴールを児童に伝え,目的を持たせながら学習を進めるようにする。 単元全体において,一人で話すことに自信がもてない児童が多いため,グループやペアの学 習を組んでいきたい。ペアで尋ねたり答えたりする練習をすることにより,お互いに学習内 容を確認し合うことができる。また,本時では,先生に好きな色や形を尋ね,それをTシャ ツに描きこみ,グループのみんなで1枚のTシャツを作る活動や,完成したTシャツを紹介 し合う場面でグループ学習になることで安心して伝え合うことができるだろう。コミュニケ ーションを図る楽しさの点からも学習形態の工夫は有効であると考える。この活動を通し て,「英語を使ってやりとりするのはおもしろい」という達成感を感じ,コミュニケーショ ンすることに対して自信をもたせたい。 61 2 単元の目標 ○ 好きなものについて,積極的に尋ねたり答えたりしようとする。 ○ 色や形を表す言葉や What ~ do you like?の尋ねる表現に慣れ親しむ。 ○ 色や形の表現の仕方を知り,日本語との発音との違いに気付く。 3 単元の内容 主としてコミュニケーションに関すること 主として言語や文化に関すること ○好きなものについて,積極的に尋ねたり ○英語と日本語の色や形の言い方の違いに 答えたりすること。 表 現 気付くこと。 What color do you like? What shape do you like? I like~. 主な語彙 red, blue, green, yellow, brown, pink, purple, light blue, orange star, triangle, heart, circle, diamond 4 単元の評価規準 コミュニケーションへの 関 心 ・ 意 欲 ・ 態 度 外国語への慣れ親しみ 言語や文化に関する気付き 好きなものについて,積 色や形を表す言い方や好 色や形を表す言い方を知 極的に尋ねたり答えたりし きなものは何かを尋ねた り,日本語と英語の発音の ている。 り,答えたりする表現に慣 違いについて気付いてい れ親しんでいる。 る。 5 指導と評価の計画(全3時間) 時 目標・活動 評 コ 慣 気 単元のゴールを理解し,好 1 価 評価規準 ・色や形を表す言い方を きな色や形の言い方を知る。 ○ 知り,日本語と英語の 評価方法 発言 行動観察 発音の違いについて気 付いている。 好きな色や形を尋ねる言い ・色や形を表す言い方や 方に慣れる。 好きなものは何かを尋 2 ○ 発言 行動観察 ねたり,答えたりする 表現に慣れ親しんでい 3 ( 本 時 ) る。 ・好きなものについて, 積極的に尋ねたり答え たりしている。 先生に好きな物について積 極的に尋ねる。 ○ 62 発言 行動観察 6 学習の系統 第1学年 学 年 「色であそぼ 目 う」 標 ・ I like~. 主 な g 第2学年 第3学年 第4学年 第5学年 第6学年 「すきな野菜」 「すきなおや つ」 Do you like ~?Yes. No I like~. 「好きなものを 伝え合おう」 What ~ do you like? I like ~ . 「食事を注文し よう」 What would you like? I'd like a ~. 「私の好きなも の(こと)」 What's your favorite ~ ? My favorite ~ is ~. 「ミュージカル をつくろう」 My Favorite thing is ~. Because ~. 中学校 第1学年 (SUNSHINE ENGLISH COURSE1【開隆堂】) 学 年 目 標 課 PROGRAM1 小学校英語から中学校英語への移行をスムーズに行うとともに,慣れ親しんでいる表現を 使って,教室で使う英語を確認し合う。 課名 主な言語材料 Stand up. /Sit down. /Open your books. Page ( ). / Close your books. / Repeat after me. / 〇Classroom English ・教室で使う英語に慣れよう How are you? / What day is it today? / What the date? 7 本時の目標 オリジナルのTシャツ作りをしながら,好きな色や形を尋ねたり答えたりする。 8 目指す児童の姿 【概ね満足する状況】 ○ 相手に好きな色や形を尋ねたり答えたりしている。 ・英語を使って相手の好きな色や形を尋ねている。 ・相手の答えたことをもとに,Tシャツに形を描いている。 【十分満足する状況】 ○ 積極的に相手に好きな色や形を尋ね,返答がしやすくなるような工夫をしている。 ・相手に視線を向けたり,表情を豊かにしたりして質問や応答をしている。 ・相手に分かりやすく伝わるように,アイコンタトや明瞭に話すことを意識して自信 を持って堂々と話している。 ・相手の答えたことが分からない時に聞き返している。 63 9 本時の展開 ・指導上の留意点 指導者の活動 学習過程 児童の活動 HRT 挨 拶 導 入 展 開 1 展 開 2 展 開 3 ( 振 り 返 る ) ま と め る 挨 拶 ○あいさつをする。 ○歌を歌う。 “Hello Song” ALT Let’s start English. Let’s sing a song. ◎評価規準 <評価方法> Hello. How are you? How’s the wearter today? What day is it? What is the date? ○復習をする。 Let’s practice. ・カードを提示して ・ 発 音 が 難 し い ・色 ・児童と一緒に発声す リードする。 単語を丁寧に ・形 る 指導する。 ○めあてを確認す る。 先生の好きな色や形でいっぱいのオリジナルTシャツを作ろう。 ○ペアで好きな色 や形を聞いたり答 えたりする。 Let’s practice. ○グループで先生 に尋ねてTシャツ の前面に好きな 色と形をかきこん でいく。 ○Tシャツの背面に 好きな色と形をか きこんでいく。 Listening to teacher’s demonstration. Hello. Let’s start the game. What color do you like? I like yellow. What shape do you like? I like star. OK. Yellow star. Tシャツにかきこ む。 See you. Let’s start fashion show. ○グループごとにT シャツを発表す る。 Make pairs. Open the textbook to page 45. ○今日の授業でが んばっていた人 や感想を発表す る。 Let’s write and review. ○あいさつをする。 Thank you. Let’s finish English. Thank you. See you. 64 ・色と形の言い方 と“What ~ do you like? ” の 言い方を繰り 返し聞かせて 表現に慣れさ せる。 ・デモンストレーシ ョンを行うこと で,児童に活動 の見通しを持た せる。 ◎外国語を使い, 尋ねたり答えた りして,相手と積 極的に関わろう としている。 <行動観察> ・がんばったこ とや友達の様 子,授業の感 想などを振り 返りカードに 記入させる。 See you. 10 板書計画 10/22 GOAL 先生の好きな色や形でいっぱいのオリジナルTシャツを作ろう。 What color do you like? I like ~. red orange pink blue purple brown light blue 補助資料 yellow green 11 補助資料 活動を通して児童が作成したTシャツ 使用表現の文字の見せ方 65 What shape do you like? star heart triangle circle diamond square 12 考察 (1)「英語の生活化」及び「豊かな伝え合い」を図るための視点 英語の生活化を図るために,「Hi,friends!(lesson5)」のコンテンツを土 台にしながら単元を進め,適用場面をできるだけリアルな場に設定しようと考え 授業を構成した。そのため,できるだけリアルなコミュニケーション場面になる ように実際の T シャツを使用し,オリジナルのTシャツ作りを行った。 グループでデザイナーになり,先生のためにTシャツをデザインしてあげるとい う場面設定を行い,そのために,先生から好きな色と形を聞き取るという相手意 識を持たせる。モデル(先生)が好きだといった色と形を確実に聞き取り,その 要求に合わせてデザインをするという目的意識を持たせた。 やり取り場面においては,グループ活動と個別活動の状況を使い分けさせ,児 童の発話量を確保するとともに,個々の責任を持たせるよう心がけた。(効果的 な発話順や席配置も意識し場を設定)本時では,やりとりの相手(モデル)を研 修参加教員にして,児童への支援をしながら活動を進め,児童の達成感や相手意 識をより強めようと考えた。 (2)指導者の英語運用 効果的な TT を意識し,全体指導の中では HRT と ALT の児童への働きかけを明確 にするとともに,グループ活動では双方の立場から個別指導を積極的に行った。 言葉に慣れ親しませる際には,単なる繰り返しにならないよう,ゲーム感覚を持 たせたり,練習のポイントを明確にしたりする等の工夫をした。また,完成した Tシャツのファッションショーではモデルの教員に英語で感想を言ってもらうこ とで,より児童の達成感を高めるように工夫した。また,教室英語の使用を活性 化させるために,細案を立て,必ず使いたいものは発音練習をし,英語を積極的 に使うように心がけた。 (3)授業実践の成果と課題 「先生の好きなTシャツをつくろう」というゴールを児童に伝え,「What color do you like?」「What shape do you like? 」という2つの英語を使いながらの具体 的共同作業は,児童の発話意欲を高めることに大変効果があった。また,本物の Tシャツにデザインするという活動は,児童の目的意識を高めるのに有効であり, 色や形,好きなものは何かを聞いたり答えたりする表現に慣れ親しむことができ た。モデルのファションショーでは,モデルの先生の褒める言葉にも児童は満足 し活動に対しての満足感や達成感を味わうことができた。 グループで活動し,モデルが教員であった今回の学習においては有効であった Tシャツを作るという活動も,モデルの教員が十分確保できない等の活動形態に 合わせて柔軟に教具や場面を変更することも必要である。(ペアで自分の旗をデ ザインする。お店の場面設定にする。インタビューにする。等) (4)授業の様子 HRT と ALT の児童への働きかけ モデルの教員とグループでのTシャツ作り 66
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