3Dの基本3

例題 5.3
下図ように例題 5.2 の 3D モデルを透視図・平面図・南立面図・東立面図を同一画面にレイアウトして,印刷せ
よ.
解
ワークスペース:[AutoCAD クラシック]
①初期設定
[図面を開く]→[3D-CORBUSIER(前回のファイル)]
[モデル]タブをクリックし,[表示]→[3D ビュー(3)]→[南東等角図]
[表示]→[表示スタイル]→[2D ワイヤーフレーム]
画層[waku](紫;インデックスカラー 6)を新規作成し,現在の画層にする.
コマンド: SAVEAS{3D-DOMINO}
[レイアウト 2]タブをクリックする.([ページ設定管理] ダイアログボックスが現れ
ない場合は,タブを右クリックし,メニューから[ページ設定管理]を選択する.)
[新規作成]→[ページ設定-レイアウト 2]ダイアログボックスの[レイアウト設定]で
「プリンタ/プロッタ」欄の名前を印刷させたいプリンタに設定し,用紙サイ
ズを「A4」にして[OK]をクリックする.
自動的に現れたレイアウトは,ここでは使わないので消しておく.
コマンド: ERASE{図面枠(紫)を指示}
コマンド: UNITS{精度を「0」(少数点以下なし)とする}
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コマンド: ZOOM{A}←
図面全体を表示.
②ビューポートの作成
コマンド: MVIEW{4, (10,190),(277,10)}←
4 つのビューポートを
作成することによって,それぞれの中にモデル空間の図形が
投影される.
ステータスバーの[ペーパー]の部分をダブルクリックする.表示が [モ
デル]に変わると同時に,どれか 1 つのビューポートの枠が太く
なる.このビューポートはアクティブであるという.任意のビューポー
トをアクティブにするには,マウスポインタ
を各々の領域に移動さ
せてクリックすればよい.
③透視図の作成
右上のビューポートをアクティブにする.
コマンド: DVIEW{ALL,[Enter],CA,0,-50,D,30000,Z,
40,h,X}
←
パース(2 点透視図)の描画
コマンド: UCSICON{OF}
←
UCS アイコンを非表示にする(以下適
宜使用する).
[表示]→[全再作図]
←
各ビューポートに物体を再作図する.
透視図が中央からずれる場合は,[リアルタイム画面移動]によっ
て中央に移動させる.
④平面図の作成
左上のビューポートをアクティブにする.
コマンド: UCS{W}
コマンド: PLAN{[Enter]}
←
←
ワールド座標系にする.
平面図に設定する.
コマンド: DIMSTYLE{寸法スタイルを設定する(各図参照)}
コマンド: OSNAP{端点,中点,交点,垂線にチェックマークを入れる}
寸法を描くために,画層[sunpo1](赤)を新規作成し,
これを現在の画層にする.次に,各部分の寸法値・寸法線
を記入していく(DIMLINEAR コマンド;前出の平面図の寸法を
参照).
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⑤南立面図(正面図)の作成
左下のビューポートをアクティブにする.南立面図(正面図)の寸法を記入す
るために,画層[sunpo2](赤)を新規作成し,これを現在の画層にする.
平面図のための寸法が 3 次元空間に記入されているので,このビューポート
では画層[sunpo1]をフリーズする.[画層コントロール]ボックスで,[sunpo1]の[現在
のビューポートでフリーズまたはフリーズ解除]ボタンをクリックすると黄色から灰色に
変わり,ビューポート内の寸法線などは表示しなくなる.他の
ビューポートでは表示されたままである.
コマンド: UCS{3,OSNAP モードで床の正面の端部 3 点を利用し
て正面図に対するユーザー座標を作成する}
コマンド: UCS{S,front}
←
正面図に対するユーザー座標の名
前(front)を登録する.
コマンド: PLAN{[Enter]} ←
南立面図(正面図)に設定す
る(ユーザー座標 front に対する PLAN すなわち,平面図とい
う意味で,ワールド座標では正面図に相当する).
平面図と同様に前出の図面を参照して,各部分の寸法値
・寸法線を記入していく(DIMLINEAR コマンド).
⑥東立面図(側面図)の作成
右下のビューポートをアクティブにする.東立面図(側面図)の寸法を記入するために,画層[sunpo3](赤)を新規作成し,
これを現在の画層にする.平面図および正面図のための寸法が 3 次元空間に記入されているので,このビューポートでは
画層[sunpo1]および[sunpo2]をフリーズする.
コマンド: UCS{R,rhs}
←
コマンド: PLAN{[Enter]}
前回の例題演習時に登録した東立面図(右側面)に対するユーザー座標(rhs)が呼び出される.
←
東立面図(側面図)に設定する.
平面図・南立面図と同様に前出の図面を参照して,各部分の寸法値・寸法線を記入していく(DIMLINEAR コマンド).
なお,画層[sunpo2]および画層[sunpo3]を順次作成していったので,左上のビューポートでは画層[sunpo2]および画層
[sunpo3]をフリーズし,さらに左下のビューポートでは画層[sunpo3]をフリーズしておく.
⑦図面の調整
各ビューポートの縮尺を正確にするために,[ビューポート]ツールバー(標準ツールバー上で右クリックしてでてくるメニューから,[ビューポ
ート]を選択する)で,尺度を指定する(1:150).
右上のビューポート(透視図)は平面図・正面図および側面図のための寸法が 3 次元に記入されているので,このビュー
ポートをアクティブにして,画層[sunpo1],[sunpo2]および[sunpo3]をフリーズしておく.
⑧図面名の作成(画層[0])
現在の画層を[0]にするとともに,ステータスバーの[モデル]の部分をダブルクリックする.表示が[ペーパー]に変わる.
コマンド: DDSTYLE{ビッグフォントを参照して適用しておく(フォントファイルは@マークのないものを選択すること)}
コマンド: TEXT{各図面の下部を指示,3,[Enter],南立面図または平面図または東立面図または透視図と記入,[Enter],
[Enter]}
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文字の位置は,記入した後に MOVE コマンドで適切な位置に移動すればよい.
次に,図面枠および表題として問 3.2 の「A4 枠.dwg」あるいは例題1の「A4-10.dwg」(尺度を 0.1 倍する)を利
用して DDINSERT(ブロック挿入)する.このとき,[属性編集] ダイアログボックスで文字を記入する.もし,そのまま取り込
んだ場合には,挿入したブロック図形を指示して EXPLODE(分解)した後,表題欄の日付等を修正する(完成例を参照).
最後に,東立面図と表題が重ならないように[リアルタイム画面移動] を使って,東立面図を移動させる.
⑧印刷
これで完成であるが,印刷に際して以下の 2 点を注意しよう.
第1は,ビューポート枠の線を印刷させたくない場合の処理方法である.これには 2 通りの方法がある.すなわち,①画
層[waku]を非表示にする,あるいは
②コマンド: PROPERTIES{ビューポート枠を指示,[プロパティ]ダイアログボックスで[画層]の
下三角ボタンをクリックする,[DEFPOINTS]を選択する}のようにする.
画層の[DEFPOINTS]は,寸法線等を記入したときにシステムによって自動的に作られるもので,その画層に描かれた図
形等は画面には表示されるけれども印刷されないものである.
したがって,印刷させるべき図形を[DEFPOINTS]の画層に無意識に描いてしまうと,印刷できないことに困惑する
ことになるので注意を要する.
第 2 に陰線処理の出力(印刷時)の仕方である。陰線処理をさせた印刷結果を得るには,
①コマンド: MVIEW{H,ON,陰線処理させたいビューポートの枠を指示},あるいは
②陰線処理させたいビューポートの枠を指
示して,右クリックをしたときにでてくる[シェーディング印刷]で[隠線処理]にチェックをしておく.ただし,AutoCAD2007 では,
レイアウト画面上で隠線処理してあれば,表示どおりに隠線処理された印刷結果が得られるようである.
さて,最後に[印刷プレビュー]でよく確認して印刷をする.
問5.6
図のような 3D モデルを作成せよ(立面のデザインは任意).次に,DVIEW コマンドによって,2 点透視図(パース)
を描画せよ.さらに,[レイアウト画面]にパース,平面図,正面図および側面図を 4 つのビューポートに表示させて印刷
せよ.寸法:6000×10000×9000~6000[mm]
3D モデルと 2 点透視図(パース)例
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