基礎実験 A 第5章 A-1.円柱の体積の測定 1. 目的 10 円硬貨の直径と縁の部分の厚さを測定し、縁の部分の厚さを高さと見立てた仮想的な円柱の体 積を求める。合わせて、ノギスとマイクロメーターの使い方を習得する。 2. 用具 10 円玉、ノギス、マイクロメーター 3. 実験方法 (1) 直径の測定 ノギスを用い、10 円硬貨の直径を、測定部位をそれぞれ変えて 10 回測定する。測定の読みは 副尺を使い 1/10、又は 1/20mm(使用するノギスにより異なる)まで行う。得られた値から平 均値と誤差を求める。 (2) 高さの測定 マイクロメーターを用い、10 円硬貨の縁の部分の厚さを、測定部位を変えて、10 回測定する。 測定の読みは 1/1000mm まで読み取る。得られた値から、平均値と誤差を求める。 (3) 体積の計算 図1のように、円柱の直径を d、高さを h とすれば、体積 V は ⎛ d ⎞2 V = π ⎜ ⎟ h ⎝ 2 ⎠ (1) で、これに d と h の平均値を代入して体積が求まる。 € 4. レポートの内容 (1) d,h の 10 回の測定データと平均値 d, h および誤差 σ d , σ h (2) V とその誤差 σ V を求め、最終結果 V = V ± σ V を示す。体積の誤差を求める時は誤差伝播の式を 用いること。 € € € € € d h 図1 5.参考例 直径と高さの計測 d (mm) 1 15.21 3.191 2 15.18 3.194 3 15.19 3.201 4 15.23 3.202 5 15.20 3.197 6 15.22 3.196 7 15.18 3.199 8 15.19 3.198 9 15.16 3.203 10 15.21 3.202 平均 15.20 3.198 1 n d = ∑ di = 15.197 n i=1 [ mm] , d = d ± σ d = 15.20 ± 0.02 € € € € h (mm) [ mm] 1 n h = ∑ hi = 3.1983 € [ mm] , n i=1 h = h ± σ h = 3.198 ± 0.004 ∑ (di − d) σd = 2 n ( n − 1) = 0.021… [ mm] ←(有効数字に注意!) ∑ (hi − h) σh = n ( n − 1) 2 = 0.0038… [ mm] [ mm] 体積の計算 € ⎛ d ⎞2 ⎛ 15.197 ⎞2 V = π ⎜ ⎟ h = π × ⎜ ⎟ × 3.1983 = 580.129 ⎝ 2 ⎠ ⎝ 2 ⎠ [mm ] 3 誤差の伝播 € ⎛ σ V ⎞2 ⎛ σ d ⎞2 ⎛ σ h ⎞2 ⎛ 0.021108187 ⎞2 ⎛ 0.00388873 ⎞2 −6 = 4 + = 4 × ⎜ ⎟ ⎜ ⎟ ⎜ ⎟ ⎜ ⎟ + ⎜ ⎟ = 9.19531× 10 ⎝ V ⎠ ⎝ d ⎠ ⎝ h ⎠ ⎝ 15.197 ⎠ ⎝ 3.1983 ⎠ ∴ σ V = 0.003032377 × 580.1293079 = 1.759 € € [mm ] 3 従って、 V = V ± σ V = ( 5.80 ± 0.02) ×10 2 [mm ] 3 ←(有効桁の減少に注意!) 注意:数字は適当です。書き方のみ参考にしてください。 €
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