No.124 Entech 7032AQ

アプリケーションノート No. 124
Entech 7032AQ-Lを用いた水素の分析
キーワード : ⽔素, ループ計量, 自動サンプル導入, 窒素キャリアー
Entech 7032AQ-L
7032AQ-L ループオートサンプラーは21個のサンプルを自動
でガスクロマトグラフへ導入することが可能な装置です。1mL
のサンプルループが標準で装備されており、ガスサンプルの計
量を⾏い⼤気圧平衡の後、ガスクロマトグラフへ導入します。
サンプルラインはSiloniteTMコートにより不活性処理が施されて
おり、サンプルの吸着が抑えられ、テフロンなどの材質では透
過ロスが起きるサンプルにも適用できます。さらに、サンプル
導入ラインは、窒素ガスによるバックフラッシュ機能があり、
キャリーオーバーを最小限に抑えることができます。
ループオートサンプラーには最⼤21個のサンプルが取り付け
可能です。一般的なガスバックに加えて、弊社より販売してお
りますあらゆるサイズのMiniCanTM, Bottle-VacTM Glassキャニ
スターも取り付けが可能です。また、計量に用いるサンプル
ループは、50, 125, 250μLの低ボリュームから、0.5, 1, 2, 5mLま
で用意されており、分析サンプルの検出感度に合わせてお選び
いただけます。
サマリー
全てのサンプルパスをSiloniteTMコートにより不活性処理したループオートサンプラーによるループインジェクションにて、⽔
素の標準ガスを分析しました。一般的に⽔素ガス分析にはキャリアーガスとしてアルゴンを用いますが、今回は窒素を用いま
した。サンプルバッグに1Lの窒素を充填し、そこに⽔素ボンベ(G1グレード)から採取した⽔素ガスを0.1, 0.2, 0.5, 1, 2, 5, 10mLず
つ添加し、100, 200, 500, 1000, 2000, 5000, 10000ppm(v/v)の標準サンプルを調整しました。この標準ガスを用いて7点検量線を
作成しました。検量線の相関係数はR2=0.999と極めて良好な結果が得られております。Fig.1に500ppm(v/v)濃度の⽔素の分析例
を示します。検出器にはTCDを用いましたが、酸素との分離も確認できています。また、検量線の最下点である100ppm(v/v)濃
度における⽔素ピークのシグナル/ノイズ比=9と十分に検出可能なレベルでした(Fig.2)。100ppm(v/v)濃度の標準ガスを用いて
n=6回の繰り返し再現性を確認しました。 ⽔素ピークの面積値の相対標準偏差RSD%=4.7であり、ループインジェクションにて
精度の⾼い導入が⾏われたことが確認できております。今回測定に用いましたループオートサンプラーおよびガスクロマトグ
ラフの条件をTable1に示します。
Response
-670000
-675000
-680000
-685000
-690000
-695000
-700000
-705000
-710000
-715000
-720000
-725000
Time
Hydrogen
1.287
4.0E+07
R² = 0.9993
3.0E+07
Hydrogen
2.0E+07
1.0E+07
0.0E+00
0
2000
4000
6000
8000
10000
Oxygen
0.50
1.00
1.50
2.00
2.50
3.00
3.50
4.00
4.50
Fig.1 500ppm(v/v)濃度の⽔素の分析例
5.00
5.50
6.00
6.50
1.287
Hydrogen
S/N = 9
Time
1.00
1.20
1.40
1.60
データ
面積値
リテンションタイム
n=1
n=2
n=3
n=4
n=5
n=6
189077
209730
202750
202017
192037
185906
1.287
1.286
1.286
1.286
1.285
1.286
平均
196919.5
1.286
標準偏差
9281
0
相対標準偏差
4.7
0.05
Fig.2 100ppm(v/v)濃度の⽔素のクロマトグラムと繰り返し再現性精度(n=6)
Table 1
ループオートサンプラーおよびガスクロマトグラフの条件
Entech 7032AQ-L ループオートサンプラー
ループサイズ
: 1mL
(導入量)
各部温度
: Sample Plate = 70℃, Valve = 100℃, GC Transfer Line = 90℃
Agilent 7890 GC
GCカラム
: CP-Molsieve 25m x 0.53mm i.d. x 50μm
GCオーブン
: 60℃ (Isothermal 7min)
キャリアガス
: N2 (Refine N2 99.9995%)
注入口
: Split/Splitless注入口
注入口温度
: 200℃
注入口圧⼒
: 6psi (4.48mL/min at 60℃)
スプリット比
: 1:4 (Split Injection Optionを用いて注入口でSplitを実施)
検出器
: TCD
検出器温度
: 200℃
検出器ガス
: Reference 15mL/min, Makeup 5mL/min (Neg ON)
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