中国全国中⼩会社株式譲渡市 場(新三板)の概要 2015年9⽉20⽇ 新三板の沿⾰ 旧三板市場 新三板市場の起動 2001 年7 ⽉16 ⽇より、旧三板 市場(正式名:株式譲渡 代⾏システム)が発⾜しました。 旧STAQ、NET システム で取引されていた⾮流通 法⼈株の売買のプラット フォーム及び上場廃⽌銘 柄の受け⽫となっていま した。 2006年1⽉23⽇、中関村科 技パークの⾮上場株式有限 公司の株価提出・譲渡シス テム(即ち、新三板)が発 ⾜しました。 旧三板市場では、新規株式公開 (IPO)や資⾦調達機能がないこ とから、ハイテク会社、⾼成⻑の 新興会社による資⾦調達の場を提 供するために、また、中国資本市 場多層化の観点から、新三板市場 を設⽴しました。 新興産業に対する中国政府の⽀援政策: 2010 年10 ⽉の「戦略的新興産業の育成・発展加速に関する国 務院の決定」によると、今後中国は経済・社会の持続的安定成⻑ の促進を⽬的に、知識・技術集約型で資源消耗が少なく、潜在成 ⻑⼒が⾼い7⼤産業を戦略的新興産業と位置付け、積極的な育 成・発展を図る⽅針です。7⼤戦略的新興産業とは、①省エネ・環 境保護、②新世代情報技術、③バイオ、④ハイエンド装置製造、 ⑤新エネルギー、⑥新素材、⑦新エネルギー⾃動⾞です。 投資資⾦の調達については、財政投資、銀⾏融資、資本市場で の資⾦調達、ベンチャーキャピタル投資などが列挙されており、 特に、新三板市場が果たすべき役割は⼤きいです。 新三板市場の拡充 2012年8⽉3⽇、新三板が上 海張江、武漢東湖、天津濱海 ⾼新区まで拡⼤されました。 2012年、新三板が4 つの国家級のハイテ クパークまで拡⼤さ れました。 2013年1⽉6⽇、全国中⼩会 社株式譲渡システム(即ち、 NEEQ)有限責任公司が正式 的に設⽴しました。 2013年6⽉29⽇、NEEQが中 国全⼟をカバーすることを明 確にされました。 また、2013年2⽉から12⽉末 にかけて、⼀連の業務規則の 公布や改訂が⾏われました。 2014年8⽉25⽇、マーケット メイカー⽅式が正式に発⾜し ました。 2013年より、新三板 は中国全国の本⼟に へ拡⼤しました。 2014年、マーケット メイカー⽅式が発⾜ しました。 2 2 新三板への登録メリット 資⾦調達ルート の開拓 株式インセン ティブの実施 政府財政⽀援 の取得 証券取引所へ の上場の加速 会社知名度の 向上 新三板登録のメ リット 会社ガバナン スの規範化 株式流動性の 向上 会社価値の発 ⾒ 3 3 中国の資本市場における新三板の位置付け メインボード(上海証券取引所・深圳証券取引 所) 取 引 所 市 場 中⼩会社板・創業板(深圳証券取引所) 全国中⼩会社株式譲渡システム(新三板、 NEEQ) 地域財産所有権取引所 店 頭 市 場 4 4 新三板の関与主体 登録会社 投資主体 • 上場していない会社。 法⼈投資家 • 申請会社が以下の新三板登録基準 を満たし、且つ新三板登録に係る ⼿続を履⾏したうえで、合法的伝 統会社、新興会社、外資会社(外 商独資会社以外)は、いずれも新 三板登録を申請することができる。 • 登録資本⾦500万⼈⺠元以上の 法⼈機構 • 払込資本⾦500万⼈⺠元以上の パートナーシップ会社 登録会社 投資者 新三板の登録基準 • • 法により設⽴され、且つ2年以上存 続している株式会社であること。 有限責任会社が全体として株式会 社に組織変更した場合には、存続 期間は有限責任会社の設⽴⽇から 起算します。 会社のコーポレートガバナンスが 健全で、会社運営が規範化されて いること。 • 株主権利が明確で、株式発⾏と譲 渡公司が法律法規に違反しなかっ たこと。 • • 主幹事証券会社の推薦を経て、且 つ継続的な監督・指導を受けるこ と。 全国中⼩会社株式譲渡システム有 • 時価で500万⼈⺠元以上の証券 類資産を有する個⼈ • 2年以上の証券投資経験を有す る個⼈⼜は会計、⾦融、投資、 財務経済等関連する専⾨背景或 いはトレーニング経験を有する 個⼈ 主幹事証券会社 監督管理機構 業務が明確で、継続経営能⼒を有 すること。 • ⾃然⼈投資家 その他投資家 • 監督管理機構 • 全国中⼩会社株式譲渡システム有限責任公 司 • 証監会(株式会社の株主は200⼈を超過し ない場合、証監会の認可が免除される) 集合信託計画、証券投資ファン ド、銀⾏理財商品、証券会社資 産管理計画、及び⾦融機構⼜は 関連する監督管理機構が認可し ているその他⾦融商品等資産 5 5 新三板の登録条件とメインバード・中⼩板・創業板の上場条件との⽐較 項⽬ 新三板 創業板 メインバード・中⼩板 経営年数 2年以上 3年以上 3年以上 主要業務 業務が明確 直近2年、主要業務には重⼤な変化がな し 直近3年、主要業務には重⼤な変化が なし 利益獲得能⼒ 継続的な経営能⼒を有する こと • • 資産要求 要求なし 直近2年連続して利益を計上し、そ の累計純利益が1, 000万を下回ら ず、且つ継続的に増加している。 もしくは直近1年で利益を計上し、 且つ純利益が500万を下回らず、 直近1年の営業収⼊が5, 000万元 を下回らず、直近2年の営業収⼊増 加率がともに30%をしたまわらな い。 直近の1年の純資産額は2, 000万元を 下回らない。 • • • • 直近3年連続して利益を計上し、 且つ 3年間 の純利 益が累 計で 3,000万元を下回らない。 直近3 年の営 業キャ ッシュ ・フ ローの累計が5, 000万元を超える。 もしくは、累計の営業収⼊が3億 元を超える。 直近年度末無形資産(⼟地使⽤権、 ⽔域養殖権、採鉱権を除く)が、 純資産に占める割合が20% を超 えない。 直近年度末の無形資産が純資産に 占める割合が20%を超えない。 ガバナンス 会社のコーポレートガバナ ンスが健全で、会社運営が 規範化されていること。 健全なガバナンス機構を有すること、 法律に則って、株主⼤会、董事会、監 事会及び独⽴董事、董事会秘書、監査 委員会制度を設けること。 健全なガバナンス機構を有すること、 法律に則って、株主⼤会、董事会、監 事会及び独⽴董事、董事会秘書、監査 委員会制度を設けること。 取引⽅式 相対取引⽅式、マーケット メイク⽅式、オークション ⽅式 オークション⽅式、⼤⼝取引 オークション⽅式、⼤⼝取引 6 6 新三板の登録⼿続における各当事者 新三板 (NEEQ) 登録確認 主幹事証券 会社 株式会社への転換、 (「改制」と略称、 注) 規範確率への協⼒ 登録会社 評価 監査 評価⼠ 内部審査 資料作成 主幹事証券 会社 法律 弁護⼠ 会計⼠ 注:『公司法』の第96条は「有限責任会社を株式会社に組織変更する場合、換算した実際に払込まれた資本総額は会社の純 資産額を上回ってなりません。株式会社への組織変更を⾏う際、株主による出資が全額でなければなりません(登録資本⾦ 7 =払込資本⾦)。 会社の純資産は払込資本⾦を下回った場合、株主が決議したうえで、(1)減資、(2)プレミアムによる増資⼜は(3)贈 7 新三板のロッドマップ 作業時間 フェーズ ディスカッション、 キックオフ 規範定⽴、申請材料 の作成、内部審査 申告、批准 株式登記、登録 作業内容 実施者 第三者機構の確定、第三 者機構の作業開始 会社・各第三者機構 ⽅案、スケジュールに関 するディスカッション 会社・主幹事証券会社 各第三者機構による デューディリジェンス調 査 各第三者機構 監査報告書の作成 会計⼠ 株式会社の設⽴ 会社・主幹事証券会社 新三板への登録に関する 董事会、株主⼤会の決議 会社 新三板における公開譲渡 説明書、デューディリ ジェンス調査報告書 会社・主幹事証券会社 その他申請⽂書 会社・各第三者機構 各種説明書、報告、承諾 への署名及び捺印 会社・各第三者機構 法律意⾒書 弁護⼠ 証券会社の内部審査 主幹事証券会社 新三板への推薦届出資料 の提出 会社・主幹事証券会社 新三板からのフィード バック意⾒に対する回答 会社・主幹事証券会社 新三板への届出 会社・主幹事証券会社 株式の集中登記 会社・主幹事証券会社 201X年T+1, T+2⽉ 201X年T+3〜 T+4⽉ 201X年T+5〜 T+6⽉ 8 8 新三板の割当増資制度 割当増資制度のポイント: 割当増資のプロセス • 新三板に登録すると同時に第三者割当 増資を⾏うことが可能である。 株主は200⼈を 超えた場合 董事会決議 株主⼤会決議 株主は200⼈を 超えない場合 公開譲渡 証監会への認 可申請 新規発⾏株 式の登記 増資額の払込、 験資 NEEQシステム への登録 • 以下の場合、証監会への認可申請が不 要である。 Ø第三者割当増資後の株主が200⼈を超 えない場合 Ø12ヵ⽉以内に株式発⾏による資⾦調 達の累計規模が会社の純資産の20% 未満の場合 • 登録会社が、第三者割当増資に関する ⼀回発⾏認可を得たうえで、数回に分 けて発⾏することができる。 Ø認可⽇から3ヵ⽉以内に株式発⾏総数 の50%以上を発⾏し、残りの部⾨は 12ヵ⽉以内に発⾏する。 9 新三板の第三者割当増資の発⾏対象 会社株主 会社の董事、監事、⾼級管理職 中核となる職員 董事会の候補者推薦 候補者の公⽰ 監事会の意⾒表明 株主⼤会の審議許可 1度の第三 者割当増資 で新たに増 える株主は 35⼈以下 とされる。 適格投資家(第5⾴を参照のこ と) 10 新三板の取引制度 マーケットメイク⽅ 式 マーケットメイク⽅式 は、取引所より資格を 得たマーケットメイ カー(値付け業者、証 券会社)が常時「売り 気配」と「買い気配」 を提⽰し、最良気配を 出しているマーケット メイカーの間で相対取 引を⾏う。オークショ ン⽅式のように投資家 と投資家が市場内で直 接売買をすることはな く、全ての取引はマー ケットメイカーとの間 で⾏われる。 相対取引⽅式 オークション⽅式 いわゆる取引所を 介さずに、⾦融機 関など当事者同⼠ が、売り⼿と買い ⼿となり、相対 (⼀対⼀)で交渉 し、値段、数量、 決済⽅法などの売 買内容を決定する 取引⽅法である。 オークション⽅式が、 買い⼿と売り⼿の注 ⽂のうち条件の合う ものを市場内で連続 して約定させていく ⽅式である。 11 外資の「新三板」 外商投資企業は「新三板」上場を申請する ことができる。但し、まず外商投資株式会 社に切り替え、かつ商務主管部⾨の許可を 得なければならない。基本ロードマップは 中国企業と同じ。 2013年5⽉8⽇、展唐通信科技(上海)有限 公司は、上海市商務委員会の「市商務委に よる展唐通信科技(上海)有限公司の外商投 資株式会社への切り替えに同意することに 対する 返答」 を受け 取り 、展唐 通信 科技 (上海)有限公司の外商投資株式会社への切 り替え並びに「展唐通信科技(上海)株式会 社」への名称変更が認められた。そして展 唐通信科技(上海)株式会社は初めて「新三 板」に上場する外商投資企業となった。 外資「新三板」の留意点 発起⼈ 『公司法』のほかに、少な くとも1つの外資株主が必 要 投資産業 『 外 商 投資 産 業指 導 ⽬ 録 (2015改定版)』に準じる こと 資本⾦ 『公司法』に準じること、 3000万元以上になる必要 なし 外資株の⽐率 25%以上になる必要なし 12
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