位置・方向・ラベルを活用する空間アルバム - CSIS

E09
Research Abstracts on Spatial Information Science
CSIS DAYS 2005
位置・方向・ラベルを活用する空間アルバムソフトウェア
- PhotoField 藤田 秀之,有川 正俊
東京大学 空間情報科学研究センター
連絡先: <[email protected]> Web: <http://www.s-it.org/photofield/>
(1) 動機:
動機: 携帯電話に搭載される例も含めてデジカメ
が普及し,多くの人々が日常的に写真を撮影して
います.デジタル写真は Web や電子メールにより
流通し,私たちには大量の写真を共有する環境が
あります.私たちは実世界の特定の場所で,興味
を持った対象を,意図を持って撮影します.写真は
空間的な関心のサンプリングだといえます.このよう
な観点から写真を空間的に整理するアルバムソフ
ト“PhotoField”を開発しています.
(2) アプローチ:
アプローチ:
・ 写真を,どこからどこを撮影したのかを示す矢印
アイコンとして地図上に表現します.
・ 写真上と地図上に対象を示すテキストラベルを
配置します.
次のような写真の選択機能を提供します.
・ 地図上での選択: 地図上の矢印アイコンを選
択することで,写真を選択します.
・ ラベルによる選択: ラベルのリスト,地図上や写
真上に配置されたラベルを選択することで同じ
ラベルを持つ複数の写真を選択します.
地図上での選択機能では,複数の矢印アイコンの
空間的な関係を利用できます.例えば,同じ位置
から別の方向を撮影した写真を選んだり,同じ対
象を別の方向から撮影した写真を選んだり,経路
沿いの写真を次々と選ぶといったことができます.
ラベルによる選択機能では,例えば「古本」→「神
保町」→「カレー」というように次々と連想的に写真
を選ぶことができます.
(3) 意義:
意義: 写真を矢印として扱うことで,方向や対象ま
での距離に,方向性や動きやスケールを反映する
ことができます.ラベルは写真の主題を明示し,こ
れをテキスト空間にマッピングします.写真を実空
間とテキスト空間とにマッピングすることで,両者の
連携に基づくデータ相補発展や視覚化の手法を
検討しています.矢印アイコンは,写真を撮影した
ときの視線にあたります.写真の集合は視線の場を
つくります.本研究の目標のひとつに,視線の場を
活用した情報アクセスがあります.力学場としての
視線の場における“引力”を利用したナビゲーショ
ンや,視線の交差を契機とするコミュニケーション
の発生等を想定しています.
(4) その他
その 他: 本研究は,文部科学省科学研究費補助
金(特定領域研究「情報学」)「分散位置情報サー
ビスと空間コンテンツ融合に関する研究」(代表:有
川正俊)の支援を受けています.本ソフトウェアは
WEB で公開しています.
図 1: PhotoField のコンテンツ例 「浅草橋空地調査(市原健司/東京大学)」 (背景地図提供:株式会社ゼンリン)
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