カンゾウタケ栽培技術の開発

■ カンゾウタケ栽培技術の開発
■ スギ先端枯れの進行とその原因
■ 竹林の拡大防止と駆除方法あれこれ
■ 話題のアメリカカンザイシロアリ
■ 原木きのこ栽培の植菌体験
■ ミニ・ニュース
このきのこは食べられるでしょうか?詳しく知り
たい方は2∼3ページをお読み下さい。
近年里山では竹林の拡大が問題となっています。
(5ページ)
神社やお寺に生育しているスギの先端が枯
れているのをよく見かけます。当センター
が調査しました。(4ページ)
今話題の恐ろしいシロアリです。(6ページ)
─1─
研究ノート
カンゾウタケ栽培技術の開発
森林資源課 山原 美奈
1.はじめに
きのこ類は食物繊維、ビタミンB類、ビタミンD2
などの栄養素を豊富に含む低カロリー食品です。抗
腫瘍作用、抗酸化作用などの機能性もあることから、
きのこ産業は大きな市場を形成しています。しかし
ブナシメジ、マイタケなどのメジャーなきのこは大
企業間の競争により価格が低迷して、小規模なきの
こ生産者は厳しい状況に置かれています。そこで新
規栽培きのことして、奈良県にも自生するカンゾウ
タケの栽培技術研究を行いました。カンゾウタケは
独特の風味がある美味なきのこで、抗腫瘍作用など
図1 優良菌株選抜試験の様子
機能性にも期待がもてます。
2.カンゾウタケ用培地の開発
他機関の研究で原木栽培は不向きなことがわかっ
ていたため、菌床栽培について研究を行いました。
野生のカンゾウタケは広葉樹に生えますが、試験の
結果、培地には広葉樹のオガコだけでなくスギオガ
コを混ぜた方が、収量が多くなることがわかりまし
た。フスマ、小麦粉、押し麦、ライ麦、コットンハ
ル(綿実殻)など様々な栄養材を試したところ、コー
ンブラン(トウモロコシ糠)が好成績でした。
3.優良菌株選抜試験
きのこは他の野菜と同様、菌株(品種)によって、
収量や形状が大きく異なります。そこで野生のカン
ゾウタケを多数採集し、菌を分離して栽培試験を行
図2 子実体の形状
(上段 左:NFh−2、右:NFh−7、下段 左:NFh−11、
右:NFh−1
2 このように菌株によって色や形状が異なる)
ったところ、芽きりの早い菌株と遅い菌株、きのこ
が朱色系の菌株と紫系の菌株、肉厚の菌株と肉薄の
菌株など様々な形質が見られました。2
2菌株につ
長めです。培養室や発生室のランニングコストをお
いて比較した結果、収量が多く形状が美しい菌株が
さえるために、栽培期間の短縮を検討しました。そ
2菌株見つかりました(図1、2)。
の結果、培地に鉄(食品添加物用)を添加すること
以上、培地の開発と優良菌株の選抜によって、そ
によって、培養終了時点での菌廻りが濃くなり、発
れまでの研究では1㎏の培地に対して10∼60gだ
生処理から収穫までの期間が短縮されることがわか
った収量が、200g以上になりました(図3)。
りました。また、鉄を添加すると収量も増加するこ
とがわかりました。
4.栽培期間の短縮
収量面では実用的なレベルに達したものの、栽培
5.料理法の検討
期間が4か月程度と、瓶を用いた菌床栽培としては
カンゾウタケは、欧米では生のままスライスして
─2─
焼きすぎると黒くなる、酸味があるなど特殊な性質
(g)
があるため、どのような料理に合うかを検討しまし
た(図4)。その結果、チーズによく合いグラタン、
ピザなどに使えることや、甘辛い炒め煮など和風に
も合うことがわかりました。またドレッシングやケ
チャップ、ぽん酢など酸味のある調味料を用いると、
カンゾウタケの酸っぱさが突出せず、幅広い料理に
使えると考えられました。
6.おわりに
平成1
9年度に開催された「きのこ効能説明会」
参加者に、カンゾウタケのピザと刺身を試食してい
ただきました。その結果、どちらかの料理で「おい
図3 菌株ごとの平均収量
85
0mlきのこ栽培瓶使用。培地5
50g詰め。
図中縦線は標準誤差を示す。
しい」と答えた人が8
0%にのぼり、味や食感の点
では、一般に受け入れられると考えられました。ま
た、野生のカンゾウタケは、昨シーズンのインター
サラダに入れるなどして食べられています。さっと
ネットオークションでも高値で落札されており、取
加熱することによりコリコリした食感が出る反面、
り組む価値のあるきのこだと考えられます。
図4 カンゾウタケを使った料理
─3─
試験研究だより
スギ先端枯れの進行とその原因
みどりの保全課 米田 吉宏
1.はじめに
る水が増加するので、結果として樹木が水不足にな
社寺を訪れると、先端の枯れている大きなスギの
ります。このように水ストレスと言っても、その原
木をみかけることがあります(図1)。落雷や病虫害
因としては様々な理由が考えられます。
の痕跡がみられないにもかかわらず、スギの先端が
4.先端枯れの原因は?
枯れる現象は1980年代後半、関東地方で問題となり
今回調査した結果、直径が大きいほど、標高が低
ました。その後、北陸や近畿・瀬戸内地方でも同様
く、降水量が少なく、土壌pHが低いほど、そして
の枯れがみられることが報告されています。私たち
根元の踏み固めの程度が大きいほど、先端枯れが生
は奈良県の状況を明らかにするために1
989年から
じやすいことが明らかになりました。直径の大きな
1
992年にかけて129地点366本のスギを調査し、県内
木に先端枯れが多いのは、老齢木になるほど樹勢が
でも先端枯れがみられることを確認しました。その
衰えることを反映したものと思われます。スギは本
後2007年までに2度の調査を実施し、先端枯れの推
来多雨地域に生育する樹木ですので、近年の高温少
移を追跡してきました。今回はこれらの調査結果を
雨といった気象条件は水ストレスを引き起こす原因
もとに、
「スギ先端枯れの進行状況」と「先端枯れを
になります。現に県内においては、気温が高く、降
引き起こす要因」についてお話しします。
水量の少ない奈良盆地に先端枯れが集中していま
2.スギ先端枯れは進行しているのか?
す。また、土壌pHの低い場所、根元の踏み固めが
調査した129地点のうち、先端枯れがみられた地
みられる場所では、通常よりも根の生育が悪くなり
点 は、第 1 回 調 査 で は37%、第 2 回 調 査 で は
がちです。その結果、根からの吸水力が低下し、水
5
0%、第3回調査では57%と増加していました。
ストレスが生じやすくなると考えられます。
本数割合でみると、第1回調査では18%、第2回調
5.おわりに
査では30%、第3回調査では34%のスギに先端枯
このように、先端枯れには樹木の成熟度、降水量
れがみられました。また、第1回調査で先端枯れの
などの環境条件および各樹木固有の立地条件が影響
みられた樹木の多くは、時間の経過とともに枯れ下
することが判りました。成熟度や環境条件は私たち
がりが大きくなっていることも判りました。これら
が制御することは困難ですが、個々の樹木の立地条
の結果が示すように、奈良県においてはスギ先端枯
件を整えてやることは可能です。例えば「樹木周囲
れが進行しつつあることが明らかになりました。
には立ち入らないようにする」、既に土壌が踏み固
3.水ストレス説とは?
められている場合には「耕うんや施肥を行う」など
先端枯れの原因には、色々な仮説があります。関
の対策が考えられます。神社に生育しているスギの
東地方でスギ先端枯れが問題となったときには、酸
大木が、少しでも長い間立派にそびえ立っていられ
性雨との関連が指摘されました。しかし、その後の
るよう、立地環境の整備に努力したいものです。
実験結果から通常観測されるレベルの降雨pHでは
樹木への直接被害が生じる可能性は低いと考えられ
ています。そして現在、スギ先端枯れは水ストレス
によって生じるという説が有力です。健全に生育し
ている樹木では、根から吸い上げられた水は、幹や
枝を通り、葉まで運ばれます。しかし、何らかの原
因でこの水の流れが悪くなった場合、先端部の枝葉
がしおれて枯れてしまうという訳です。例えば、カ
ミキリムシが幹に孔をあけると、その上方で水スト
レスが生じます。また、雨の降らない日が続くと、
根から吸い上げる水が減少する一方、葉から蒸発す
─4─
図1 先端部が枯死したスギ大径木
試験研究だより
竹林の拡大防止と駆除方法あれこれ
森林資源課 宮崎 祐子
1.はじめに
きますので、これも随時刈り払います。鹿児島県で
近年、管理が放棄された竹林が隣接地に拡大した
は再生竹を逐一刈り払うよりも、冬に初回皆伐を行
結果、竹藪と化して景観や生態系を乱す現象が県内
い、その後の夏に再び皆伐を行うほうが竹に大きな
でも多数見られ、各地域で問題になっています。竹
ダメージを与えることが出来るとして紹介していま
は地下茎によるクローン繁殖で増殖するため、多少
す。いずれにせよ、一度の皆伐では竹は駆除でき
生育に適さないような条件の土地であっても地下茎
ず、複数回の伐採作業が必要です。
を介して栄養分が送られるため増殖能力が高く、一
・薬剤処理:一部の除草剤は、竹に処理することで
旦竹林化すると駆除は困難です。竹の地下茎は地中
竹の地上部および地下茎を枯死させる効果がありま
30∼40㎝程度の深さに存在しており、その先端は尖
す。使用の際は竹に使用してもよい製品かどうか、
った形状をしていて地中をうまく進めるようになっ
また使用方法についてラベルをよく確認した上で使
ています。ここでは竹林の拡大を防止するため、ま
用しましょう。
た竹林を駆除するための方法について、いくつかご
4.おわりに
紹介します。
竹に翻弄されないためには、先手の対策を打つこ
2.拡大防止方法
とが重要です。地下茎は普段は目に見えませんが、
・溝切り:侵入して欲しくない土地の周囲に溝を掘
侵入の前線では、竹の地上部が出ている部分から2
って、竹の地下茎の侵入防止を試みる方法です。し
m程度先までが伸びている可能性があります。竹と
かし、深さ5
0∼60㎝程度、幅50㎝程度の溝であれば
いう生物の特徴を良く知り、適切な対策を考えまし
地下茎が溝を乗り越えたり、そのまま溝の壁を貫通
ょう。
したりします(図1)。また溝切りには重機が必要
奈良県では、手入れがされずに荒廃した里山林
(広
であるため、労力がかかる割には効果が薄い方法と
葉樹林・竹林)を、県民参加の森づくりとして整備
言えるかもしれません。
を行うことにより、里山林の景観や機能の回復を図
・埋設資材:上に挙げたような溝に、トタン波板な
る里山林機能回復整備事業を進めています。お住ま
どの地下茎が貫通しない素材を埋設して地下茎の侵入
いの地域にも事業対象となった竹林があるかもしれ
防止を試みる方法です。施工の際、波板は地上部に10
ません。この事業の詳細については、奈良県森林整
∼20㎝程度出しておきます。溝の底を固めておかない
備課又は最寄りの農林振興事務所までお問い合わせ
と埋設資材の下を潜って侵入する可能性があります
ください。
し、資材の継ぎ目からも侵入する可能性がありますの
で注意が必要です。
・タケノコ蹴飛ばし:「竹」に成長してしまう前、
つまり「タケノコ」のうちに蹴飛ばしてタケノコの
成長を止めてしまう方法です。いったん成長してし
まうと、どうしてもノコギリ等を使った作業にな
り、道具や人手がかかります。タケノコの出る春先
にこまめに見回り、タケノコを蹴飛ばして回るのは
手間かもしれませんが実は最も労力の要らない効果
的な方法と言えるでしょう。
3.駆除方法
・伐採繰り返し:竹の伐採は、竹が成長しきって光
合成で栄養分の蓄積をし始める前に行うのがよいと
されています。伐採後、ササ状の細い再生竹が出て
─5─
図1 溝の壁を貫通した地下茎(赤点線内)
トピックス
話題のアメリカカンザイシロアリ
木材利用課 増田勝則
1.はじめに
液状の水がないと生存できず、湿った木材を食べる
今年1月、テレビでアメリカカンザイシロアリの
か、近くにある水場から水を運ぶ必要があります。
被害が紹介され、当センターにもこのシロアリに関
乾材シロアリにとって木材は、餌と家を兼ねたもの
する質問等が寄せられました。去年8月の本誌96
です。そこで、食べつくす前に、集団内の一部に羽
号に続き、このトピックスでは、日本に広く生息す
アリ(図1)が発生し、次の木材に移ります。
るヤマトシロアリとイエシロアリ(以降在来種と呼
3.どんな樹種を食べるのか
びます)の話をする予定でしたが、今回は話題性を
どんな生物にも食べ物の好き嫌いがあります。例
重視し、アメリカカンザイシロアリ(以降アメリカ
えば、在来種はアカマツやベイマツは好きですが、
カンザイと呼びます)について、情報提供したいと
スギやヒノキはあまり好みません。アメリカカンザ
思います。
イについては、京都大学生存圏研究所の吉村先生ら
2.乾材シロアリとは
が、国産と外材、1
0種について、複数の実験結果を
在来種はその生態的特徴から、地下シロアリと呼
総合すると、以下の通りだったと報告されていま
ばれます。地下を移動し、地面から離れたエサまで
す。好きな順に、スプルース>ヒノキ>ベイツガ>
は土や砂を材料にして蟻道と呼ばれるトンネル状の
アカマツ>ゴムノキ>ベイマツ>ベイスギ>スギ>
道を作ります。一方、アメリカカンザイは乾材シロ
カラマツ>ブナで、在来種との違いが明らかです。
アリと呼ばれる一群に属します。乾材シロアリは地
4.被害を早く見つけるには
下には住まず、木材中に住み、蟻道はつくりません。
最も早く被害を確認するには、日中に飛んできた
アメリカカンザイの故郷は北アメリカのワシントン
羽アリか、その落とした羽(図2)を見つけることで
州からカリフォルニア半島にかけての太平洋沿岸地
すが、これに気づくのは難しいでしょう。次は、食
域です。同地から持ち込まれた家具や、梱包材に潜
害の初期に排出される木粉に、さらには、図3に示
み、日本に侵入したようです。現在、山形、宮城か
す小さなフンに気づくことです。ただしこのフンは
ら沖縄県まで広く不連続に、被害が報告されていま
材内部に溜まってきたものを出すので、すでに材内
す。奈良県ではまだ報告はありませんが、当県を囲
部は食害が進んだ後です。それでも初期に見つけれ
む各府県ではすでに被害報告があります。乾材シロ
ば、被害は最小限で食い止められます。家の床や、
アリの大きな特徴は、木材繊維の結合水しかないよ
軒下の地面に注意を払うようにしてください。食害
うな乾燥材で生存可能なことです。一方、在来種は
の進行は、イエシロアリなどに比べ緩やかです。
図1 羽アリ
図2 羽(黒っぽく虹色光沢を有する)
図3 フン(長さ約1㎜ の俵型)
(左)図6
働きアリ
(図中の1目
盛りは1㎜)
(左) 図4
羽アリ腹部
(右)図5
羽脱落後
─6─
トピックス
原木きのこ栽培の植菌体験
森林資源課 小畠 靖
1.はじめに
きのこと言えば、秋の味覚としてのイメージが強
いですが、シイタケは春と秋に旬を迎えます。また
1∼2月の厳冬期にゆっくりと成長したシイタケ
は、寒子(かんこ)と呼ばれ、しっかりとした肉質
と濃縮されたおいしさが特徴です。そして、この季
節はきのこの種菌を原木に植える時期でもありま
す。昔から、植菌の適期は「梅の開花から桜が散る
まで」と言われています。ここでは、県内で行われ
たきのこの植菌体験や講習会について報告します。
2.成型種菌(形成菌)を使ったシイタケの植菌
図2 ヒノキ原木へのナメコとハナビラタケの植菌
奈良市富雄南小学校では、毎年2月上旬に、3
年生がシイタケの植菌体験をおこなっています。こ
技術研修会が催されました。ここでは、ヒノキの間
の行事は、小学校の近隣で原木シイタケの農園を営
伐材にナメコとハナビラタケの植菌をおこないまし
まれている樋口喜三さんの全面的協力により、今回
た(図2)。通常、ナメコの原木栽培では、ナラ類や
で8年目を迎えました。ここでは、種菌としてフタ
サクラなどが原木として使用されます。他県での研
付きの成型菌を使用しました。大勢の児童が植菌を
究により、きのこの収量は広葉樹に比べて少なくな
行う場合でも、金槌などの道具がいらず、ドリルで
るものの、ヒノキでも栽培できることがわかってき
穴を開けた原木に手で成型菌を押し込むことで簡単
ました。そこで、現在山林で放置されている間伐材
に植菌作業ができます。また、この菌を使うと、菌
の利用法の一つとして、ナメコの植菌を試みまし
を植えたその年の秋からシイタケが発生します(図
た。一方、ハナビラタケは野生では、カラマツやア
1)。菌を植えたほだ木は校庭の桜の木の下に置き、
カマツの切り株に発生するきのこです。ビン栽培で
児童たちみんなで管理しています。秋には自分たち
つくられたものが市場流通していますが、原木栽培
で育てたシイタケを味わうことができると思います。
の事例はあまり報告されていません。そこで、県内
で収集したハナビラタケ野生菌株を用いて種駒を作
成し、ヒノキ間伐材に植菌しました。野生のハナビ
ラタケは夏から秋にかけて、他の食用きのこよりも
早い時期にきのこを発生します。発生時期の異なる
複数のきのこを組み合わせることで、長い期間きの
この収穫を楽しむことが、ハナビラタケの原木栽培
を試す目的でもあります。
4.おわりに
きのこの原木栽培は、
「森の恵み」を体験する絶
好の機会です。放置され、管理されなくなった林で
も、
「そろそろきのこが生える頃」と思えば、自然
図1 シイタケ成型菌の植菌
と足を運ぶ気になるのではないでしょうか。身近に
3.ヒノキ間伐材を使ったきのこ栽培
ある森林と木を利用して、きのこ栽培にチャレンジ
2月28日に東部農林振興事務所主催のきのこ栽培
してみてはいかがでしょうか。
─7─
ミニ・ニュース
◎木材利用課 柳川主任研究員と森林資源課 宮崎主任研究員に学位が授与されました
柳川靖夫主任研究員は「繊維材料との複合化による木質軸材料の性能向上」というテーマで1月23日に京
都大学から博士(農学)の学位が授与されました。
宮崎祐子主任研究員は「多年生植物の大量開花時における繁殖特性と繁殖器官への資源分配」というテー
マで3月25日に北海道大学から博士(環境科学)の学位が授与されました。
◎第59回日本木材学会大会
標記大会が3月15日
(日)
∼17日
(火)
に松本市で開催され、当センターから下記の研究発表が行われました。
中田欣作:各種のダボを用いたスギ厚板の2面せん断性能
柳川靖夫・林 知行(森林総研)
:高強度繊維と金物とを併用した軸組接合部の強化(Ⅱ)
◎第56回日本生態学会大会
標記大会が3月17日
(火)
∼21日
(土)
に岩手県立大学で開催され、当センターから下記の研究発表が行われまし
た。また、下記の研究発表はポスター賞の「生態系管理・生態学教育」分野で優秀賞を受賞しました。
宮崎祐子・三橋弘宗(兵庫県立人と自然の博物館)・大澤剛士(神戸大・院):竹林拡大のリスク評価
◎第120回日本森林学会大会
標記大会が3月26日
(木)
∼28日
(土)
に京都大学で開催され、当センターから下記の研究発表が行われました。
米田吉宏・木南正美・松嶋 博:春日山原始林におけるナンキンハゼの発芽・定着に環境条件が及ぼす影響
◎日本菌学会第53回大会
標記大会が5月22日
(金)
∼24日
(日)
に鳥取大学で開催され、当センターから下記の研究発表が行われます。
小畠 靖・長澤栄史(菌蕈研)・松本晃幸(鳥大):日本産サンゴハリタケ属の分類
◎当センターの組織が4月1日から一部変わりました
みどりの保全課が廃止され、企画調整課が企画課に変わりました。それに伴い、みどりの環境保全係は森
林環境係として森林資源課へ、みどりの環境普及係は普及係として、企画課にそれぞれ編入しました。
◎3月31日をもって下記の職員が退職しました
和田 博(副所長)、衣田雅人(総括研究員)、宮崎祐子(主任研究員)
編集 後 記
◆今年の冬、当センターの交流室と総務課は、木炭を使って暖を取りました。当センターでは、樹木を伐採
したとき、その伐採木は当センターの炭窯で焼いています。しかし、これまで焼いた木炭は、イベント時の
来訪者に配るだけで、ほとんど使用していませんでした。今年の冬は、毎日朝早く来た人が炭をおこし、お
こした炭を火鉢に入れておきます。昼休みに交流室で、炭が燃焼している炎を見ていると、ほのぼのとした
気持ちになり、心が和みました。林野庁によると平成1
8年の我が国の木炭生産量は3
2,
671トンですが、昭
和32年には2,
168,
000トンもあったそうです。木炭はカーボンニュートラルであるため、地球環境に優しい
エネルギーです。また、事故や災害時に電気やガスが使えなくなった場合には、有効なエネルギーとなりま
す。そのため、我が国の製炭技術は重要な技術であり、いつまでも後世に引き継ぐべき技術の1つだと思います。
「奈良県森林技術センターだより」第98号 平成21年4月1日発行
発行 奈良県森林技術センター 編集 奈良県森林技術センター 企画課
〒635−0133 奈良県高市郡高取町吉備1 TEL 0744−52−2380 FAX 0744−52−4400
URL http://www.nararinshi.pref.nara.jp E-mail [email protected]
─8─