小児用肺炎球菌ワクチン(13 価) 不活化ワクチン 定期接種 予防する病気 小児の肺炎球菌感染症(細菌性髄膜炎、肺炎など) 2013 年 11 月から従来の 7 価ワクチン(PCV7 :7 種類の肺炎球菌に予防効果があるワクチン) が 13 価ワクチン(PCV13:13 種類の肺炎球菌に予防効果があるワクチン)に切り替わりました。 接種時期と接種回数 生後 2 か月から接種できます。 標準的なスケジュールでは 4 週間隔で 3 回、生後 12~15 か月齢に 4 回目を接種します。 初回の接種月齢・年齢によって接種間隔・回数が異なります。下表をご覧ください。 初回接種の月齢・年齢 接種回数 生後 2 か月~6 か月 4回 接種スケジュール 1 回目から 4 週以上の間隔で 2 回目・3 回目接種 (定期接種では 13 か月未満までに接種) 4 回目:3 回目から 60 日以上の間隔をあけて 生後 12 か月~15 か月に接種 生後 7 か月~11 か月 3回 1 回目から 4 週以上の間隔で 2 回目接種 3 回目:2 回目から 60 日以上の間隔をあけて 1 歳代(生後 12 か月~15 か月)に接種 1歳 2回 1 回目から 60 日以上の間隔で 2 回目接種 2~5 歳 1回 1 回のみ接種 6 歳以上 接種不可 おすすめの受け方 細菌性髄膜炎はかかったこどもの半数以上が 0 歳の赤ちゃんです。病気が重いだけでなく早期診断 が難しく、抗生物質(抗菌剤)が効かない菌も多いので、必ず生後 2 か月からヒブワクチンと同 時接種で受けましょう。3 か月からはこれに加えて、四種混合(三種混合)ワクチンも同時に接種で きます。0 歳児が接種するワクチンは種類・回数が多いので、スタートダッシュが肝心です。生後 2 か月 のお誕生にワクチン接種をスタートしましょう。おそくとも 6 か月までにしっかりと免疫をつけましょう。生後 6 か月以降の赤ちゃんに、肺炎球菌による細菌性髄膜炎が増えてきます。それまでに必要な免疫を つけておくために、生後 2 か月から初回の 3 回を 6 か月までに受けるようにしましょう。また、1 歳代 (生後 12~15 か月)に追加接種を受けませんと、効果が長続きしません。小児用肺炎球菌ワク チンは WHO(世界保健機関)が最重要ワクチンの一つとして、すべての国で、定期接種にすべきだ と勧告しているものです。日本では、2013 年度から定期接種になりました。 スケジュールを立てる時のポイント 病気が重いだけでなく、早期診断が難しいうえに抗生物質(抗菌薬)が効かないこともあります。生 後 6 か月以降からかかる赤ちゃんが増えますので、『生後 2 か月のお誕生日』がきたらすぐに接種し ます。ヒブ、ロタウイルス、B 型肝炎ワクチンなどとの同時接種がおすすめです。生後 2 か月でヒブ・ロ タウイルス・B 型肝炎ワクチンと同時接種で開始して、3 か月からはこれら 3 つのワクチンに四種混合ワ クチン(または三種混合とポリオ)を加えて 4 種類(または 5 種類)の同時接種がおすすめです。遅 くとも 6 か月までに最初の 3 回接種が終わると早く抗体(免疫)ができるので、より望ましいです。 ワクチンの効果と安全性 小児肺炎球菌ワクチンは世界の約 100 カ国以上で承認され、すでに 50 カ国で定期接種に導入さ れているワクチンですので、安全性と効果は実証済みです。ヒブワクチンと同時接種をすることで、細菌 性髄膜炎予防に非常に有効です。接種後に、受けた子どもの約 10%に 38 度以上の熱が出ます。 ほとんどは何もしないでも 1 日で治まりますが、顔色や機嫌が悪い場合は受診してください。また接種し たところが赤くなったり、しこりができたりすることもあります。 2013 年 11 月までに小児用肺炎球菌ワクチンの接種を完了している方へ (補助的追加接種について) すでに従来の小児用肺炎球菌の 7 価ワクチンの接種が完了している場合に、さらに 13 価ワクチンを 1 回接種することで、新たに 6 種類の肺炎球菌に予防効果があります。接種スケジュールは、7 価ワクチ ンの最終接種から 8 週以上あけて 13 価ワクチンを 1 回接種します。ただし、任意接種となるため接 種費用は自己負担です。 同時接種について 早く免疫をつけて、危険な病気からこどもを確実に守るために同時接種は欠かすことのできないもので す。同時接種が安全であることは、世界の何億以上のこどもたちが受けてきていることからも、世界の常 識であり、日本でも確認されています。接種年齢になっていれば、何本でも受けられます。米国では、 生後 2 か月の時は 6 種類も受けています。 小児用肺炎球菌ワクチンの高齢者への予防効果 小児用肺炎球菌ワクチン「プレベナー13」は、こどもの肺炎球菌感染症の予防だけでなく、間接的な 効果として、高齢者の肺炎球菌感染症予防に効果的なことがわかっています。多くのこどもに「プレベナ ー13」を接種すると、肺炎球菌感染症の感染機会が減少し、結果的に高齢者の重い肺炎球菌感 染症(主に肺炎)が減ります。 そのために、WHO もこどもでのプレベナーの接種率を上げることを推 奨しています。また、2014 年 6 月から 65 歳以上の高齢者が「プレベナー13」を接種できるようになり ました。 注意:従来の高齢者の肺炎球菌ワクチン(ニューモバックス NP)と、この小児用肺炎球菌ワクチン (プレベナー13:PCV13)とは全く違うものです。2014 年 10 月から定期接種となるのは、「ニュー モバックス NP」です。 NPO 法人 VPD を知って、子どもを守ろうの会 ホームページから(一部改変)
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