■応募団体名・応募個人名 マニフェスト賞(首長)_西宮市長_今村岳司 ■取り組み概要 今村岳司の取り組みは、2014 年 4 月におこなわれた兵庫県西宮市長選挙を契機に、有権者 が政策本位で投票行動を決定するマニフェスト選挙を実現し、市民の手に西宮を取り戻すた めに実行され、現在も継続中である。 今村は「有権者がこれまで政治に関心を持てなかったのは、政治家が有権者の期待に応える ような政治を行ってこなかったからだ」という前提に立つことからはじめた。 有権者が本当に知りたい情報とは、自分たちが住んでいる西宮市の課題や、それを解決する ための政策であると考え、チラシを徹底的に配布し、政策説明会を市内全域で行うこととした。 2013 年1月末から、西宮市の約 21 万世帯全戸へ、政策や理念をまとめた B4 サイズのチラシ 配布(ポスティング)を開始した。2013 年 4 月からは、各号で政策課題を丁寧に記載したチラシ を、ほぼ月に1回のペースでポスティング。チラシは全16種類を作成し、街頭での配布枚数も 合わせると 300 万枚を超えた。 2013 年 11 月 28 日には市長選挙への立候補を正式に表明。マニフェストを発表し、32 ページ からなる冊子をホームページに公開した。マニフェストの作成にあたっては、市議会議員 4 期 の経験をもとに、配布したチラシを読んで寄せられた市民からの意見や提案、チラシの配布と 平行して実施した「今村の貸し出し=出張市政相談」において寄せられた意見や提案も盛り 込んだ。中でも、医療や保育の分野については専門家からの情報提供が相次ぎ、今村一人 では絶対に創りあげることができない最先端の政策を織り込むことができた。冊子は当初 1 万 冊を用意していたが、後述する説明会での反響が大きく「売り切れ」となり、最終的には 2 万冊 を配付した。 2014 年 1 月からは市内全域でのマニフェスト説明会を開始。市内を2周しての 40 回開催を予 定していたが、回を重ねるごとに反響があり、追加開催の要望が殺到。約3ヶ月間で 60 回の説 明会を開催した。 2014 年 4 月 20 日、自民党・民主党・公明党が推薦した 2 期目を目指す現職を破り、今村岳司 新市長が誕生した。政治家が政治を諦めず、有権者を信じて政策を訴えれば必ず応えてくれ るという大きな手応えを感じることができた。 市長就任後の所信表明は、マニフェストにもとづいて行った。ホームページにおいて、所信表 明の全文を公開するとともに、該当箇所のマニフェストへのリンクを掲載することで、今村は市 民と創りあげたマニフェストを柱に、西宮市政に取り組むことを宣言した。 就任と同時にマニフェストの進捗管理もスタート。毎日ブログで全ての市長日程の公開と併せ て、議会においての取り組みや市政運営の様子、マニフェストで掲げた政策の進捗を公開し 続けている。10 月には就任後初の市政報告会の開催を予定しており、報告会は今後も定期 的に実行していく。市民に引き続き市政への関心を持ってもらえるよう発信を続け、マニフェス ト・サイクルを確立する所存である。(1,183 字) ■特に力を入れた点、取り組みのポイント 今回の取り組みにあたって「なにが有権者にウケるか、票になるか」ではなく、「なにを伝えなけ ればいけないか」を考え抜いた。住民の意識やニーズに阿るのではなく、政治家として、西宮 でどのような政策が論点であるべきかをこちらから提示することを重視し、住民に伝えるべきこ とはなにか、本来あるべき政治の姿とはなにかを伝え、市政を自分たちの手に取り戻すことを 訴えた。 そうした考えから、チラシには、単なる政策の羅列ではなく、今村岳司の政治哲学(政治とはな にか、地方自治とはなにか、西宮に必要な政治とはなにか)と、いまある課題の背景と解決策 としての政策を中心に紙面を割いた。 政策については、市議会議員15年の経験から財源等を考慮し、市長就任後すぐに実行可能 でありかつ実行するべきものを中心にしている。 マンガやイラストはなく文字が非常に多いチラシに対し、政治家や政治関係者からは「文字だ らけのチラシなど誰も読まない」という嘲笑も受けたが、実際はチラシを配布するごとにメール や FAX での問い合わせは増え、チラシで告知した「今村の貸し出し=出張市政相談」やマニ フェスト説明会にも多くの市民が参加した。 マニフェスト説明会については、今村は特定の政党や団体からの支援を受けなかったため、 組織的な動員は一切なかった。それでも各会場にこれまでお会いしたこともない、しかしチラ シを読んでくれていた多くの市民が駆けつけた。 マニフェスト冊子のホームページ公開にあたっては、データ容量の重い PDF 形式での掲載で はなく、課題ごとにページを作成し、誰でもアクセスができるよう配慮した。 チラシ原稿やマニフェスト冊子の執筆とデザインは、全て今村自身が行った。ポスティングでの 配布のしやすさ、駅頭での受け取ってもらいやすさを考え、手に取って読みたくなるデザイン、 文字が多くても読む気になるデザインを心がけた。 選挙戦においては、「投票してもらう」「支援していただく」というへりくだった態度は最後まで見 せない。あくまで「政治を変えるのは住民の投票なのだから自分たちの投票で変えよう」と呼び かける態度を貫いた。 街頭での選挙運動については、西宮は住宅都市であり、子育て世代も多いことから選挙カー 走行中はマイクを一切使わず、街頭演説も住宅地やマンション前では行わなかった。街頭演 説は駅前や商業施設といった「もともと騒がしく開けている場所」に限って行い、名前の連呼は せず、政策と理念「政治は有権者の一票で変えることができる」ということを訴えた。 ■参考 URL http://xdl.jp/#syoshinhyomei_anc http://xdl.jp/manifesto_old.html ■添付ファイル マニフェスト(西宮市長).pdf
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