マールブルグ病(マールブルグ出血熱) マールブルグウイルスの感染環(感染サイクル) 自然宿主(?) ? ?(血液,体液,糞尿あるいはそれらの汚染物 との接触・吸入) サル,その他? 血液,体液による濃厚接触 ヒト 血液,体液による濃厚接触 ヒト 4 ラッサ熱 ラッサウイルスの感染環 マストミス 血液,体液,糞尿あるいはそれらの汚染物 との接触・吸入 ヒト 血液,体液による濃厚接触 ヒト 5 ロタウイルス下痢症 ロタウイルスの感染経路 糞便を介した ヒト 経口感染 ヒト ◆小児仮性コレラ,白痢,白色便性下痢症,冬季乳幼児 下痢症と呼ばれていた ◆1973年 を検出 十二指腸生検材料内に電子顕微鏡にてウイルス ◆小腸上皮細胞に感染破壊し,吸収面積と吸収能力の減少 にて下痢 ◆急性期便中1gに 1010 粒子存在 ◆開発途上国では低栄養のため乳幼児死亡の大きな原因6 伝染性紅斑(第5病) ヒトパルボウイルスの感染経路 ヒト 飛沫感染 接触感染 ヒト ◆小児の流行性発疹性疾患 ◆5-9歳,次いで0-4 歳に多い ◆不顕性感染,非定型例が多く,臨床像は多彩 ◆成人では不顕性感染,非典型例が多いとされるが, 発生の詳細は不明, ◆非定型例では風疹との鑑別が困難 ◆1983年になり,ヒトパルボウイルスB19 が原因であること が判明 7 エボラ出血熱 エボラウイルスの感染環 自然宿主(?) ? ?(血液,体液,糞尿あるいはそれらの汚染物 との接触・吸入) サル,その他? 血液,体液による濃厚接触 ヒト 血液,体液による濃厚接触 ヒト 8 腎症候性出血熱 ハンタウイルスの感染環 ネズミ (セスジネズミ,ドブネズミ, ヤチネズミ,シカヌズミ) 血液,体液,糞尿あるいはそれらの汚染物 との接触・吸入 ヒト なし ヒト 9 リフトバレー熱 リフトバレーウイルスの感染環 家畜 (ウシ,ヤギ,ヒツジ 等) イエカ(Culex) 組織・血液 との接触 刺咬(散発的発生) ヒト まれ? 血液,体液による濃厚接触? ヒト 10 成人T細胞白血病 ヒトT細胞白血病ウイルス 感染経路 ヒト 経母乳/ ヒト 経血液感染 ◆ウイルスは幼少時に母乳を介して 感染し,宿主はウイルスキャリアとなる ◆成人T細胞白血病はキャリアに5-10%の頻度で発症,2年 以内に死亡 ◆全国にキャリアは100万人,成人T細胞白血病発症数は年間 約700例 ◆治療法は芳しくない ◆成人T細胞白血病の予防は,ウイルスの感染予防が最善 ◆感染予防は①母乳の凍結融解,②加熱処理(56℃,30分), 11 ③人工乳により可能 ヒト免疫不全症候群 ヒト免疫不全ウイルス 感染経路 ヒト 経精液/ ヒト 経血液感染 ◆20世紀初頭,チンパンジーのサル免疫 不全ウイルス(SIV)がヒトに感染 ◆60-70年代中央アフリカにて「スリム病」として風土病的存在 ◆70年代半ば中央アフリカで始まったと推定される流行は,80 年代に入ってエイズ:AIDSとしてカリブ海,欧米,ラテンアメ リカ諸国で,ついで80年代末から90年代始めには南・東南アジ ア諸国,90年代半ばに入ると東欧・中国等の諸国に拡大 ◆主に体液(血漿,精液,組織液,リンパ液,脳脊髄液,浸出液 等)中のウイルスとの接触によりヒトからヒトへの感染が成立 ◆日本(6月27日現在):累積HIV感染者 6128,AIDS患者 3038 ◆世界(03年末推定):累積感染者 約7,000万,死者 2,000万以上 12 クリミア・コンゴ出血熱 クリミア・コンゴ出血熱ウイルスの感染環 野生,家畜哺乳動物 (ウシ,ヤギ,ヒツジ等) マダニ 組織・血液 との接触 経卵感染 刺咬 ヒト 血液,体液による濃厚接触 ヒト 13 ヒトヘルペスウイルス 6,7,8型 感染経路 接触・飛沫・ ヒト 飛沫核感染 ヒト 垂直伝播:母(妊婦)から子(胎児)へ 出生前(子宮内):サイトメガロウイルス,水痘帯状疱疹ウイルス 出生時(産道):単純ヘルペスウイルスー1,ー2,サイトメガロウイルス 出生後 母乳:サイトメガロウイルス 唾液:EBウイルス,サイトメガロウイルス,ヒトヘルペス ウイルスー6,ヒトヘルペスウイルスー7 水疱:単純ヘルペスウイルスー1,ー2,水痘帯状疱疹ウイルス 水平伝播:ヒトからヒトへ 接触感染 :単純ヘルペスウイルスー1,ー2 飛沫感染 :ヘルペスウイルス,EBウイルス,サイトメガロウイルス ヒトヘルペスウイルスー6,ヒトヘルペスウイルスー7 ヒトヘルペスウイルスー8? 14 飛沫核感染 :水痘帯状疱疹ウイルス E 型肝炎 E 型肝炎ウイルス 感染経路 ヒト・家畜・野生動物 糞便,生 肉・生レ バー喫食 ヒト・家畜・野生動物 を介した 経口感染 ◆雨期あるいは洪水によりウイルス含有糞便が飲料用上 水を汚染することが主な原因(発展途上国) ◆最近はシカ生肉,イノシシ生レバ−の喫食にてE型肝炎 発症例あり(日本) 15 C型肝炎 C型肝炎ウイルス感染経路 HCV肝炎患者の輸血歴30-50% 肝癌Ptの70-80%はHCV(+),そのうちの30-40%に輸血歴 ◆経血液 輸血 経静脈的薬物乱用 血液透析 ヒト 入れ墨 針治療 観血的医療行為 以上は,risk factorsとなる ◆母児感染は 7.3-14%(平均9.4%) ◆性的接触はまれ 血液を介 した感染 ヒト 16 ベネズエラ出血熱 グアナリトウイルスの感染環 ネズミ (Sigmodon alstoni) 血液,体液,糞尿あるいはそれらの汚染物 との接触・吸入 ヒト まれ? 血液,体液による濃厚接触? ヒト 17 ハンタウイルス肺症候群 ハンタウイルスの感染環 ネズミ (シカネズミ,コットン ラット等) 血液,体液,糞尿あるいはそれらの汚染物 との接触・吸入 ヒト 北米ではヒトーヒト感染例はなし アルゼンチンでは2症例の報告あり ヒト 18 トリインフルエンザウイルス の感染環 水禽(カモ等の渡り鳥) 低病原性 高病原性変異 死 家禽(ニワトリ,アヒル,七面鳥等) ヒト病原性獲得, 日常的,密接な感染鳥への接触 ヒト まれ(2003年オランダ,2004年ベト ヒト ナムで家族内感染の可能性) 19 ヘンドラ/ニパウイルスの感染環 オオコウモリ ? 血液,体液,唾液,糞尿あるいは それらの汚染物との接触・吸入? ブタ,ウマ 血液,体液,唾液,糞尿あるいは それらの汚染物との接触・吸入? ヒト 否定的 ヒト 20 ウエストナイル熱・脳炎 ウエストナイルウイルスの感染環 イエカ(Culex) ヤブカ(Aedes) トリ(カケス,ムクドリ,スズメ, カラス,ツグミ,ハト等) 刺咬 ヒト,ウマ(終末宿主) 血液,体液による濃厚接触:輸血,臓器移植,母乳 (ウイルス血症が低レベルのため,吸血カによる 媒介は起こらない) ヒト 21 重症急性呼吸器症候群 SARS コロナウイルスの感染環 不明の野生動物 ? ◆ウイルスの発祥 は中国広東省で あるとの推測 気道分泌液,体液,糞尿あるいは それらの汚染物との接触・吸入? ハクビシン,タヌキ ◆中国南部では生 きた野生動物が 食用として市場 で売買 気道分泌液,体液,糞尿あるいは それらの汚染物との接触・吸入? ヒト 気道分泌液,体液,糞尿あるいは それらの汚染物との接触・吸入 ヒト ◆ヒトと野生動物 間での,野生動 物間での極めて 密接な接触が生 じうる 22
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