ワクチンについて

✚ワクチンについて✚
猫ちゃん編
猫ちゃんのワクチンも通常は年に 1 回接種が基本ですが、ワンちゃんと同様に移行抗体の影響を受けま
すので、子猫の初めてのワクチンは2~3回の追加接種が必要です。
【猫ウイルス性鼻気管炎】
ヘルペスウイルスによる感染症で俗に「猫カゼ」などとも呼ばれています。
くしゃみ、鼻水、よだれ、咳、重度の結膜炎、目やになどの症状が見られます。
40℃以上の高熱を出したり、食欲も無くなっていきます。
生後6ヶ月未満の子猫などは、病気の進行が早く、死亡する危険性も高い。
また、症状が表れなくても、猫の体の抵抗力が衰えた時に発病する事もある。
感染経路:飛沫感染(くしゃみ・鼻水)・接触感染(食器や衣服)・排泄物からも感染する
治療:インターフェロンや抗生物質による治療。鼻水・涙・よだれはこまめにふき取る
※治療を中途半端で止めてしまうと、体内にウイルスを持ったままだったり、慢性の鼻炎になってしま
う恐れもあるので、完治するまで治療を続ける事が大切です。
予防:ワクチン接種が有効
人の手を介してからも感染するのでねこちゃんを触った後は手洗い・消毒をする
感染ねこの使った食器・トイレは塩素系の漂白剤で消毒をする
【猫カリシウイルス感染症】
感染初期は猫ウイルス性鼻気管炎と似た症状が出ますが、病気が進行すると舌や口の周囲に口内炎や潰
瘍ができたりします。時には急性の肺炎を起こして死亡することもあります。
感染経路:ほとんどが感染猫との接触感染ですが、空気感染や手、衣服、食器などの事もあります。
1 度この病気にかかり回復した猫には、
体内に免疫ができるのでほとんど再発することはありませんが、
完治していないとウイルスが体内に残り、他の猫の感染源にもなってしまいます。
治療:インターフェロンや抗生物質などによる治療。
肺炎などがこじれると、治療が難しくなるので早めに治療を受けましょう。
予防:ワクチン接種が有効
感染ねこの使った食器・トイレ等は塩素系の漂白剤で消毒する
【猫汎白血球減少症】
パルボウイルスによる感染症で、血液の成分の一種で主に免疫を担当する白血球が極端に少なくなる病
気です。
40℃前後の高熱、嘔吐、食欲がなくなり、下痢が始まると血便になり脱水症状で衰弱してきます。
体力の無い子猫などは 1 日で死亡することもある怖い病気です。
妊娠中の母猫が感染した場合には、死産や流産が多く、もし出産できても子猫に先天的な異常が残って
しまう事があります。
感染経路:感染猫との接触や、便・尿や吐物で汚染されたものと接触することで感染します。
ウイルスは猫の体の外に出ても長時間生きる(乾燥状態にあっても、1 年以上も生存する程抵抗性が強
い)ので、人間の服や靴などの間接感染もあるので、完全室内飼いの場合も感染の可能性がある。
治療:ウィルスを殺滅する薬はないので、インターフェロンや抗生剤・点滴などの治療
予防:ワクチン接種が有効
多頭飼いの場合病気を他のねこちゃんに移さないように厳重に隔離しましょう
環境中でチリやホコリに混じりウイルスが長期存在するので、便等の取扱いにも注意。
【猫白血病ウイルス感染症】
レトロウイルスが病原体の病気で、白血病やリンパ腫などの血液のガン、貧血、流産などを起こします。
特に貧血状態には注意が必要で、リンパ肉腫、腎臓病、慢性口内炎、貧血、白血球減少症、流産などを
引き起こす場合があります。
そして、病気に対する抵抗力が弱まるため病気や傷が治りにくい、下痢がつづく、歯ぐきが白い、痩せ
た、元気がない等の症状がある場合はこの病気の可能性もあります。
別の様々な病気も併発しやすくなります。
感染してから発症までの期間が大変長く、その間は見かけ上健康に見えますが、ウイルスを唾液中に排
泄し、他の猫ちゃんへ病気を移してしまう危険があります。
発症した場合は50~70%が感染後2~5年以内に死亡してしまいます
感染経路:感染猫の唾液、涙、尿、便、血液、乳汁に含まれるウイルスによります。
ケンカなど咬み傷、グルーミングや食器共有、感染した母猫などからの感染が多い。
胎盤感染(妊娠中の母から子へ)の場合は、流産、死産することが多く、生まれても育つことが少ない。
感染力は弱く、1~2度、感染猫の唾液が付いたぐらいでは感染しないともいわれている
治療:ウィルスを殺滅する薬はありませんが、猫白血病ウイルスを持っているキャリアで、発病しても
症状が落ち着いていれば現在出ている症状を改善することにより、延命も可能になります。
インターフェロン治療でウイルスを弱め、猫の免疫力を高めます。
激しい細菌感染には、抗生物質の投与、白血病やリンパ腫が発症した場合は抗ガン剤を使用します
予防:ワクチン接種が有効です
ただし、他の猫と接触することがない場合はワクチン接種は必要ありません。
同居猫がいる場合は、感染猫との接触を避ける(ケンカ防止のために去勢・避妊手術をうけておく)
定期健診を必ず受け、何か変化があればすぐに病院へ連絡する
【猫免疫不全症症候群】
通称「猫エイズ」とも呼ばれる病気です。
FIV(Feline immunodeficiency virus = ネコ免疫不全ウイルス)に感染する事により、ネコおよびネ
コ属の哺乳類(トラなど)が引き起こす諸症状を指します。
初期ではほとんど無症状なので感染に気がつかないことが多く、感染猫が他の病気(カゼや猫白血病な
ど他の感染症)で受診して検査で、感染がわかる場合が多い。
名前の通り「免疫」機能が「不全」状態になってしまうため、通常であれば何ら問題ない細菌やウイル
ス等で非常に重い症状を出してしまったり、腫瘍細胞の増殖を抑えられなかったりした結果死に至る病
気です。
免疫系に影響するため病気や怪我が治りにくい、体重の減少、下痢、肺炎、リンパの腫れ、がんなど様々
な症状がみられます
ほか約50%に口内炎や歯肉炎など口腔疾患がみられ、貧血、慢性の鼻炎や腸炎、結膜炎なども多く、
まれに、皮膚疾患、膀胱炎、外耳炎、神経疾患などもあります
感染経路:ウイルスは唾液に多く含まれるため、感染猫とのケンカによる咬み傷から感染します。
母猫がエイズキャリアでも感染する子猫は少なく、もし母親や同居猫がエイズキャリアで他の猫とのグ
ルーミングや、食器、トイレを一緒に使っても感染しにくいといわれています。
治療:無症状の場合は治療は必要ありません
症状により適切な治療をします。インターフェロン治療でウイルスを弱め、猫の免疫力を高めることを
行うことも有効です。
ストレスの少ない生活をさせ、十分な栄養を与える
予防:ワクチン接種が有効
(2008 年に猫免疫不全ウイルス感染症のワクチンが日本でも発売になりました)
完全室内飼いへ変更し、すでに感染している猫との接触をさせない
ケンカ防止のために去勢・避妊手術を受ける
✰当院では・・・
3 種混合ワクチン
【猫ウイルス性鼻気管炎】
【猫カリシウイルス感染症】
【猫汎白血球減少症】
6 種混合ワクチン
【猫ウイルス性鼻気管炎】
【猫カリシウイルス感染症】[3 種類]
【猫汎白血球減少症】
【猫白血病ウイルス感染症
猫エイズ予防注射
【猫免疫不全症症候群】
・初めての年には3回接種し、次の年から1年に1回接種を行います。
・・・を予防できるワクチンを接種することができます。