≪平25年10月の菜園管理≫ JA小松市ふれあい園芸相談 10月の菜園管理 ◇◆◇ 今月のポイント ◇◆◇ ○ 秋・冬野菜類の追肥 秋の訪れとともに気温の低下が早くなります。適期に追肥を施用 し生育の遅れがないようにしましょう。 ○ タマネギの植え付け 苗の大きさと植え付け時期が重要です。 ○ イチゴの植え付け 多肥に弱いので、ゆっくり効く肥料や有機肥料中心の栽培をしま しょう。 ○ 秋植え球根の植え付け ◇◆◇ - 甘柿と渋柿 - ◆◇◆◇◆◇◆◇ カキには、成熟すると樹上でかたいうちに渋味が抜ける甘ガキと、完全に柔らかくなる まで渋いままの渋ガキがあります。 甘ガキには、種ができたときだけ果肉に“ごま”ができて渋味が抜ける不完全甘ガキと、 種の有無に関係なく渋味が抜ける完全甘ガキがあります。 渋ガキにも種ができると種のまわりだけ“ごま”ができ、その狭い範囲の渋味が抜ける 不完全渋ガキと、種の有無に関係なく渋ガキとなり“ごま”がない完全渋ガキがあります。 - 品 種 - ・不完全甘ガキ:西村早生、禅寺丸など ・完全甘ガキ :早秋、太秋、次郎、富有など ・不完全渋ガキ:平核無、会津見不知、富士(蜂屋、百目)など ・完全渋ガキ :西条、愛宕、市田柿など ◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇ -1- ≪平25年10月の菜園管理≫ 1 10月の主な作業ごよみ ・凡例(○:は種、△:移植、◎:定植、●:追肥(g/㎡)、■:収穫、▲:各種作業) 野 菜 名 10 月 11 月 ポ イ ン ト 【秋冬野菜など】 キャベツ ●② ■■■■■■■■■■ 追肥②(止肥):結球始め. (年内どり) 追肥 収穫 結球開始までに大きな外葉をつくる. ブロッコリー ■■■■■■■■■■■■■■■■■ カリフラワー 収穫遅れのないように. 脇芽の収穫も楽しみましょう. レタス ■■■■■ 収穫 ハクサイ ●②(最後)■■■■■■■ 追肥②(最後):結球始め. 追肥 ニンジン ダイコン ●③ ■■■■■■■■■ ●③ ■■■■■■■■■■■ は種後40日 小カブ ③:発芽後70日ころ(肥大最盛期). 肥大してからの速効性の多量追肥は裂 根の原因になる.ス入り前に収穫. ●① ●② ■■■■■■■■■■ 追肥①:は種後14日. 追肥②:①の10日後. 大カブ ●② ●③ (かぶら寿司用) は種後40日 エンドウ(絹莢) ■■■■■■■■ (夏まき) ●③ ラッカセイ ▲ ■■■■■■■ 55日 下をまねきます. 霜が降りるまで収穫できます. ●④ ■■■■■ 茎や葉が黄色く色づいてきたら収穫し 試し掘り ネギ ます.不十分な乾燥はカビのもとです. ●▲ ●▲ 追肥・土寄せは30~40日ごとに. 追肥・土寄せ 追肥・土寄せ 土寄せは葉の分け目の下まで. ジャガイモ(秋) ヤマノイモ類 ■■ 掘り取りは、翌春の3月ころまで可能 収穫 です. ■■■■■■■■ながいも類 葉が黄色に黄変してから収穫する.早 じねんじょ■■■■■■ サツマイモ 収穫間近の追肥は内部の変色等品質低 い収穫は“する”とアクがでやすい. ■■■■■■■■ 掘り取り予定の7日前につるを切ると イモの薄皮が剥けにくくなります. サトイモ ■■■■■■■■■■■■■■■■■ 冬期の地温が6℃以下にならなけれ ば、畑での越冬も可能です. ショウガ ■■■■■■■■ アスパラガス ※施肥量等は、 9月の菜園管理 霜が降りるまでに収穫しましょう. ▲ ~ 茎葉の60~80%が黄色くなったら 茎刈り 地際から刈り取り畑から出します. や別冊「野菜の施肥例」も参考にして下さい。 -2- ≪平25年10月の菜園管理≫ ・凡例(○:は種、△:移植、◎:定植、●:追肥(g/㎡)、■:収穫、▲:各種作業) 野 菜 名 10 月 11 月 ポ イ ン ト 【越冬野菜など】 イチゴ ~ ◎定植 ●① ●②▲ ②回目の追肥後、ワリフや寒冷しゃな 本葉5~6枚 追肥 追肥・防寒 どで寒害から守りましょう. キャベツ ◎ ~ ◎ ●① 追肥①:定植後10~14日. (5~6月どり) 定植 大きな苗で越冬すると"とう"が立つ. ラッキョ 追肥 ●② タマネギ 追肥②:A801を40g. ◎ ~ ◎ 苗選びが大きなポイントです.大きな 苗はとうが上がりやすいので注意. ニンニク ~◎ ▲ (収穫は6月) フキ 植付けが早いと雪害で茎葉が傷み.遅 除けつ(芽を1つに) いと生育が劣ります. ●① 追肥①:A801(60g). 追肥②:3月下旬. エンドウ ○ ~ ○ ~12/15 ソラマメ ○ ~ ○ ○ ~ ○ ダイコン を少し土から出すと発芽がよくなる. 秋まき品種は日本種(角たね)が基本 2/下~3月どり クキタチナ ので石灰はやや多めに. 種のお歯黒(黒い部分)を下にして種 ◎ ~ ◎(直まきも可能) ホウレンソウ 連作注意(5~6年).酸性土に弱い です.耐寒性が重要. ~○ 収穫は間引きしながら. ~○ ●① ●② 越冬後はあまり太らないので、太らせ 3~4月どり てから越冬させましょう. 【家庭果樹など】 ウメ、カキ、モモ ●~ 基肥:BM有機果樹専用肥料など. ミカンなど 基肥 幼木ほど量は少なめに. 【花類など】 キンセンカ、ヤグルマソウな ◎ ~ ◎ ど 球根類(チューリップ、ス ◎ ~ イセン、ヒヤシンス)など 植付け 6~7月咲き菊 ◎~◎ ◎ 脇芽の植え付け ※施肥量等は、 9月の菜園管理 や別冊「野菜の施肥例」も参考にして下さい。 -3- ≪平25年10月の菜園管理≫ 2 野菜の管理 (1)タマネギ ア 植え付け期 10月下旬~11月上旬。 植え付けが遅くなると根の発育が悪くなり越冬率が低下します。 イ 植え付け間隔 条間 20~24㎝ 株間 12㎝ 12 ← ← 22 22 22 12 肩幅90㎝の平うね うね幅120㎝ → → ※ 条間や株間によりタマネギの肥大が異なります。狭くなると小さなタマネギ になり、広くなると大きくなります。好みに応じて変更しましょう。 ウ 施肥例(g/㎡) 肥 料 名 基 肥 ・秀菜又はA801 200 (固形30号の場合) (160) ・S604 - (A801の場合) - ・発酵鶏ふん 300 ・苦土石灰 150 ・たい肥 2000 追肥①(2月) - - 30~40 (60~80) - - - 追肥②(3月) - - 30~40 (60~80) - - - エ 苗の大きさの目安 ・茎の太さ 5~7mm。 ・長さ 25cm。 植え付け後、茎の直径が1㎝以上の大きな苗で越冬すると翌春ネギ坊主が上がる ことがあります。そのためには、できるだけ基準より太い苗を植えないようにしま しょう。また、基準の苗であっても、秋が暖かい年であれば生育が進んで太い苗と なりネギ坊主が上がることがあります。 なお、細い苗は寒さや積雪のため消えることがありますので注意して下さい。 オ 植え方 根を傷めないように2㎝程度の深さで植えます。 (2)キャベツ 結球開始までに大きな外葉を作りましょう。大きな外葉が球を肥大させます。結球 が始まってからの遅い追肥は肥大につながらず肥料の無駄になります。 -4- ≪平25年10月の菜園管理≫ (3)ニンジンの追肥(最終) ・本葉10枚ころ。ただし、収穫の30~40日前まで。 ・うね間にA801を30g/㎡。 ※根の肥大が盛んになる発芽後70日ころに最終追肥をします。 遅い追肥は、根が割れたり二次肥大の原因となるので収穫予定の30~40日前に 打ち切りましょう。 (4)ダイコンの追肥(最終) 根が肥大してからの速効性肥料の多量追肥は、裂根の原因となります。 裂根防止のため、最終追肥は収穫予定の15日前までとしましょう。 (5)ネギの追肥と土寄せ ネギが太くなってから追肥と土寄せをしましょう。太くなる前の早い土寄せは、そ の後のネギの生育が遅れる要因となります。 10月以降の追肥と土寄せは、30~50日間隔です。 1回あたり(A801:30g/㎡)。 最終土寄せ後、土寄せした部分が白くなるのに要する期間の目安は次のとおりです。 計画的に追肥と土寄せを行い白い部分が多いネギを収穫しましょう。 【軟白に要する期間】・10月:30日間 ・11月:40日〃 ・12月:50日〃 (6)イチゴ ア 品種と植え付け時期 宝交早生(ほうこうわせ)、9月下旬~10月上旬 イ 施肥について イチゴは肥料濃度障害をおこしやすく多肥に極めて弱いため、有機質に富んだ土 づくりが必要です。速効性の肥料はさけ、緩効性(ゆっくり効く)や有機質主体の 肥料を使いましょう。 ・施肥例(㎡あたり) 基肥=IB化成S1号(10-10-10):80g サンフルーツ(9-8-9):60g、OKボーンまたは熔燐:25g 苦土石灰:120g、たい肥:2㎏ 追肥=1回目(10/下)サンフルーツ:20g 2回目(11/中) 〃 :20g 3回目( 2/中) 〃 :20g ※IB化成S1号の代替として、花などに使用する直径1㎝程度の白っぽい大粒 のゆっくり効く肥料(成分:10-10-10)があります。 ウ 植え方 苗の大きさは、本葉5~6枚の苗を選びましょう。 間隔は、うね幅120㎝、株間25㎝の二条千鳥植え(交互)とします。 苗は、クラウン(株元のふくらんだ部分)を埋め込まないよう浅植えとします。 -5- ≪平25年10月の菜園管理≫ このとき、苗は親株側がうねの内側を向くように植えると、イチゴの果実が通路側 になるため収穫が楽になります。 なお、イチゴは細かい根が多く植え傷みしやすいので、肥料は10日前に施用し 土となじませ根を乾かさないように注意して植えましょう。 エ 芽かき・古葉かき 寒害防止の被覆までに、頂芽を残し他の脇芽を取りましょう。また、その際傷ん だ葉や枯れた葉もかき取りましょう。 (7)ラッカセイ ア 収穫の仕方 10月中~下旬、茎や葉が黄色く色づいて下の葉が枯れてきたら収穫します。収 穫が遅れると莢が落ちますので適期に行いましょう。乾燥が不十分な場合は、カビ が発生しますので軒下など雨の当たらないところで十分乾燥しましょう。 イ 美味しい“ゆで落花生”の作り方 (ア)材料 掘りたての生の落花生(莢つき)…1㎏ 食塩…50~60g(水の3%程度)、水…2ℓ (イ)作り方 ①落花生をよく洗います。 ②深めのなべに水と食塩を入れ混ぜてから落花生を入れます。 ③落花生が浮いてこないよう落し蓋をして強火にかけ50~60分ほどゆでます。 ④ゆであがったら、そのまま粗熱がとれるまで60分ほど置きます。 ⑤これでできあがりです。莢をむいていただきましょう。 ⑥残りは冷凍可能なビニール袋で冷凍保存しましょう。 (8)病害虫防除 家庭菜園で使う薬剤は、必要最小限に止め必要な時に正しく使いましょう。 ○ハクサイなどの「葉を食害して孔をあける虫」 ・アオムシ状(5~50㎜)-モンシロチョウ、ヨトウガ、ハスモンヨトウ コナガ、カブラハバチ類 → オルトラン水和剤、アファーム乳剤、コテツフロアブルなど ○エンドウ、ソラマメなどの「は種した種などを食害する虫」 ・タネバエの防除 → カルホス粉剤(エンドウ:は種時に使用) アドマイヤー1粒剤(ソラマメのアブラムシと同時防除:は種時に使用) ○Zボルドー(殺菌剤)使用上の注意点(主に秋野菜について) Zボルドーは、細菌性の病害を主とした予防剤で「野菜類」全般に使用できる便 利な殺菌剤ですが、野菜の種類によってはまれに薬害がでることがあります。 ・ダイコンの幼苗期散布。 ・キャベツやハクサイ、レタスなど結球野菜は結球してからの散布。 ・ブロッコリーやカリフラワーの花らいができてからの散布。 ・カブに対する散布など。 -6- ≪平25年10月の菜園管理≫ 3 キクの管理 (1)6~7月咲の植え付け時期 10月上旬。 (2)植え方 脇芽(冬至芽)を利用します。 ※8~9月咲きの植え付けは、来春4月中~下旬ころです。 4 花類の管理 (1)球根類の植え付け ・春の花壇を飾る秋植え球根の植え付け期です。 ・主な球根:クロッカス、チューリップ、スイセン、ヒアシンス、ムスカリなど ・深さ:球根の高さの2~3倍の深さにします。 ・間隔:球根2~4個あけます。 ・肥料(㎡あたり) ○植え付け2週間前:苦土石灰120g、たい肥2000gを施用し深く耕します。 ○ 〃 1週間前:ゆっくり効く化成肥料(固形30号:10-10-10)を 50~100g施用し耕します。 ※球根を次の年も利用する場合は、2割程度増量します。 ↑ 深 さ ↓ 球 根 (2)洋ラン(シンビジウム) ・今月は直射日光や雨が当たる戸外におき、11月から日の当たる室内に入れましょ う。 ・9月まで朝晩たっぷりやっていた水も、今月は徐々に少なくしましょう。 ・肥料は、上旬に液肥(1000~2000倍)を1回与え以降は無肥料とします。 ・なお、植え替えは4月下旬~5月上旬ころが適期です。 (JA小松市園芸課:宮野清治) -7-
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