《1》IDF常設委員会等関連

《1》IDF常設委員会等関連
1.IDF分析ウィーク2014
開催期間:2014 年 5 月 15 日~5 月 20 日
開催場所:ベルリン(ドイツ)
出 席 者:竹内 幸成(㈱明治)
戸塚 新一(雪印メグミルク㈱)
小田巻 俊孝(森永乳業㈱)
1.1 IDF 分析ウィーク 2014(理化学1)
出席報告者:竹内
幸成(㈱明治)
ドイツ国、
ベルリン市内にて 2014 年 5 月 15~20 日に開催された IDF/ISO 分析ウィーク
2014 に、雪印メグミルク㈱戸塚氏、森永乳業㈱小田巻氏、藤崎氏とともに出席致しました
ので、担当した会議内容について以下の通りご報告申し上げます。
記
【1】出席した会議
(1)成分分析法常設委員会(SCAMC)に関わる会議
①個別プロジェクトに関わる前段の会議(オブザーバーとして参加)
・活動中の項目(C11, C13, C14, C19, C20, C21, C25 全 7 項目)
・検討中の項目(C12, C23, C27, C29, C31, C32, C33 全7項目)
②SCAMC 本会議(オブザーバーとして参加)
(2)統計・自動化常設委員会(SCSA)に関わる会議
①SCSA 本会議(オブザーバーとして参加)
(3)シンポジウム(演題5~7が報告担当)
【2】成分分析法常設委員会(SCAMC) (前段の会議を含む)
議長
: Steve Holroyd (NZ)
副議長 : Philippe Trossat (FR)
1.歓迎の挨拶、出席者の紹介、協議事項の選択と議事録署名者の任命
議長は IDF の独占禁止法に関する声明およびここで行われる全ての議題は同時に
ISO/TC34/SC5 の議題となる事を読み上げた後、個々の情報の改訂用に名簿を回覧した。
議案書が採択され、書記には副議長が任命された。また、二名の新メンバーの紹介が行わ
れた。
2.前回の議事録の確認
2013 年にオランダ国ロッテルダム市で行われた前回の SCAMC の議事録を確認した。
3.その他の IDF 委員会や国際組織への連絡と重要事項の照会
リエーゾンメンバーは会議での補足説明を行う。
①AOAC SPIFAN プロジェクトに関して IDF, ISO, 及び AOAC の間で直近で話し合われた
1
協議事項
IDF, ISO,及び AOAC は協力して現在の標準を発展・改訂していくことに同意した。
実際に AOAC から SPIFAN プロジェクトとして現在進行中の案件 2 題についての説明がさ
れた。
a. 調製乳・流動食におけるアミノ酸、カロテノイド、塩化物、フッ化物に対するスタンダ
ード法(ドラフト案)に対するパブリックコメントの受付に関して。コメント受付は 2014
年 4 月 23 日~5 月 23 日の1か月間。
b. 調製乳・流動食におけるビオチン、フラクトオリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、ミネラル類、
微量元素、ビタミン K 分析法(AOAC 公定法)の募集開始に関して。分析法、バリデーシ
ョンデータの提出は 2014 年 6 月 30 日まで。
②各種ビタミン分析に関する ISO/ TC34/WG14 の動き
現在、ビタミン A, E, D, B12, K、ミネラル類、アミノ酸、カロテノイドに関して SPIFAN
プロジェクトにて進行中。今後はビタミン C, B1, B2, B6, ビオチン、パントテン酸、イノ
シトール、カルニチン、ヌクレオチドを対象とする予定。
③改質を検出するためのたんぱく質の定量
中国の法規制が変わったので、プロジェクトの進行はしないとのこと。
【補足】元々このプロジェクトは新興国の市場を念頭に置いたものであったが、2014 年 4
月 1 日から施行された中国の規制で、①外国製粉ミルクの中国語表示は中国に輸入される
前に缶に直接印刷しなければならない。②外国製粉ミルクを大袋の状態で輸入し、中国国
内で個包装して販売してはならない。③関連ライセンスを取得していない海外メーカーが
製造した粉ミルクを輸入してはならない。と厳格さが増したため、外国メーカーが異種混
入有無を検証する必要がなくなることや、そもそも販売体制から見直さなければならない
ことがプロジェクト停止の原因と思われる。
④ISO 16634 part1&2; デュマ燃焼法による総窒素量の測定と、粗たんぱく質含量の算出の
改訂に関する TC34CAG(Chair’s Advissory Group)会議推奨事項に対する IDF 推奨事項の
経過報告
投票結果の説明があり、賛成/反対の投票数自体では賛成となるがコメント数が非常に
多かったため IDF としては結論を先送りにするとのことであった。
⑤チーズにおけるナトリウムの定量法、およびチーズの製造と熟成における塩分の重要性
に関する IDF の総説について
チーズにおける塩化ナトリウムの定量について、塩素を測定する利点は安価であり、操
作が簡便で正確かつ再現性が良いことであるが、塩化ナトリウムに由来しない塩素も同時
に測定してしまうことが問題である。一方ナトリウムを定量する場合は装置を含めたコス
ト、時間が高いことと塩素と比較して定量性に優れていないことが問題である。
EU ではナトリウムで管理しているが、今後は塩素のデータもとっていくことが提案され
た。
4.活動状況の報告 (個別プロジェクトに関わる前段の会議内容を含む)
プロジェクト C11
Milk products and infant formula – Direct determination of labeled fatty acids.
乳製品・乳児用調製乳―誘導体化脂肪酸の直接測定
12 検体(6 検体は乳製品うち 1 検体はチーズ、6 検体は調製乳)を 18 の研究室で分析
した結果を SCSA S01 に提出し、その経過報告が行われた。全ての試料は 2 連で行われ
かつ定量パラメーターは 46 項目になるので、データ数としては 12×18×2×46 = 19,872
のデータとなった。
ただしすべてのパラメーターで統計処理できるデータが確保できたわ
けではなく、1 社でいくつかの脂肪酸において値が大きく外れていた。SCSA は結論を出
2
さず、直ちに統計的に評価可能なデータ・パラメーターに絞って再度 SCSA に提出する
ことになった。CS の結果を Standard にアップし、AOAC/ SPIFAN と結果を共有する。
プロジェクト C13
ISO8968|IDF20: 2001. Milk - Determination of nitrogen content (revision) Part4:
Determination of non-protein-nitrogen content (revision) Part5: Determination of
protein-nitrogen content.
乳―窒素含量の測定(改訂)
パート 4 : 非蛋白態窒素の測定(改訂) パート 5 : 蛋白態窒素の測定
プロジェクト C14 と同時に扱われ、C13 に関してはほとんど議論されることがなかっ
た。ドラフト案並びに質問票が提示された。2つのパートを1つにまとめるだけなので、
さらなる検討は不要で、次のステップに進むことが確認された。ロシアから「窒素重量分
率測定(ケルダール法)
」を参照法として追加できないか提案があった。しかし、IDF と
ISO の参照法に対する考え方の違いからルーチン法のみにしたいため提案は却下された。
プロジェクト C14
ISO17997|IDF29: 2002 Milk - Determination of casein nitrogen content (revision by
merging Part1; Indirect & Part2; Direct determination of casein-nitrogen content
(revision).
乳―カゼイン窒素含量の測定
パート 1(間接法)とパート 2(直説法)の統合による改訂
いずれの方法も試料溶液をカゼインの等電点である pH4.6 に調整するために緩衝液が
用いられる。ここで試料中のタンパク質含量を 3%, 5%, 7%, 9%へと変化させた場合、た
んぱく質濃度が高くなるにつれて緩衝液の能力が不足するために pH は徐々に高い値を
示すようになる(pH4.6(3%たんぱく質)→pH5.17(9%たんぱく質))
。pH が高い状態で測
定を継続した場合、カゼインの沈殿が完了する前に測定することになるので、正確とは言
えない結果になることが懸念される。特にκ-カゼインが沈殿せず、ろ液に移行していた。
緩衝液の濃度をさらに濃くした場合は塩類の析出が懸念されるため、緩衝液の量を増やす
ことが pH4.6 に調整するうえで重要であると結論付けた。
次のステップ: PL はドラフト案を完成させると共に共同研究を開始することになった。
プロジェクト C17
ISO15151|IDF229. Milk and milk products – Determination of calcium, copper, iron,
magnesium, manganese, phosphorus, potassium, sodium and zinc contents by using
inductive coupled plasma atomic emission spectrometric method(ICP-AES).
乳・乳製品―ICP-AES による Ca, Cu, Fe, Mg, Mn, P, K, Na, Zn の測定
SPIFAN プロジェクトと共同で試験所間比較試験(CS)の準備に取り掛かることが確
認された。PL は 6 月 30 日までにドラフト案を作成し、今年中にシングルラボでの予備
検討を終え、2015 年には共同研究を実施する。牛乳やチーズについては既にドイツでの
共同研究を行っているので調製乳に関して行う。
プロジェクト C19
Determination of BHBA and acetone content by continuous flow analyzer.
連続フローアナライザーによるβ-Hydroxybutyric acid (BHBA)とアセトン含量の測
定
試験所間比較試験(CS)の参加希望試験所は前回から増えなかったが、送付試料(アセ
トン)の安定性の問題があるため、試験所数はこのままで CS を進めることになった。他
社の装置も使用できるように 2 社のフローアナライザー(米国製とフランス製)を用い
て CS を行う。PL はドラフト案を完成させる。CS の参加国はオランダ、カナダ、フラ
3
ンス、ニュージーランド、+1 か国(聞き逃しました)。
プロジェクト C20
Cream - Determination of fat content – Acido-butyrometric method and laboratory
glassware.
クリーム ―脂肪含量の測定― Acido-butyrometric 法(酸分解ゲルベル法)と実験用ガ
ラス器具
PL はドラフト案およびコメント結果について報告した。昨年の分析ウィークで決定さ
れた内容がそのままドラフト案に反映されており、特に反対意見などはなかった。
次のステップ: PL はドラフト案を提出し、CS を 2014 年 10 月から 2015 年 1 月の間に行
う。
プロジェクト C21
Milk – Determination of fat content – Acido-butyrometric method and laboratory
glassware.
乳 ―脂肪含量の測定― Acido-butyrometric 法(酸分解ゲルベル法)と実験用ガラス器
具
PL はドラフト案およびコメント結果について報告した。また、フランス及び他国(ス
ペイン、イタリア、オランダ、イスラエル、スイス)の乳について、それぞれゲルベル法
にて測定した結果についてレーゼゴットリーブ法で測定したデータと比較した結果につ
いて報告された。
・フランスの乳と他国の乳との脂肪含量平均の偏り
Mean of bias
-0.005 g/100g
Mean of milk of France
-0.010 g/100g
Mean of foreign countries
-0.004 g/100g
・3 種類のピペットを用いて測定した脂肪含量平均の偏り
Mean of 10.75ml pipet
-0.019 g/100g
Mean of 10.77ml pipet
-0.021 g/100g
Mean of 11.00ml pipet
-0.016 g/100g
各国の乳による脂肪含量の顕著な違いはなく、また用いるピペットによる顕著な違いも
認められなかった。ピペットは 10.75mL を使用すること決められた。この結果を受けて
5 か所の研究機関で 2014 年 10 月から 2015 年 1 月の間に CS を行うことになった。CS
に際して ISO からは NZ の研究所を加えるよう要望された。
プロジェクト C25
Definition of propionic acid in cheese by gas chromatography
ガスクロマトグラフィーによるチーズ中のプロピオン酸の定量
ガスクロマトグラフィー法、
イオン交換クロマトグラフィー法ともにドラフト案が提示
された。2014 年の 7 月までに共同研究メンバーを確定し、2015 年の初めまでに統計の
WG に結果を提出する。8 か所の研究室で共同研究を行う。昨年度の要望でプロピオン酸
だけでなく他の有機酸も測定できないかとの要望があったが、ドラフト案で提出された分
析例ではプロピオン酸のみ測定していることが示され、要望は却下された。分析に用いる
カラムの例を提示してほしいとの要望もあった。
5.検討中の活動項目 (個別プロジェクトに関わる前段の会議内容を含む)
プロジェクト C12
Raw milk – Quantitative determination of individual proteins
4
生乳―個別タンパク質の定量分析法
2種類の分析法について、それぞれの結果報告がされた。たんぱく質をトリプシンで
ペプチドに分解し、その検出を LC-MS で実施する分析法(Protein digestion method)
では、この方法でκ-カゼインやラクトフェリンの濃度は直線的に定量できるし、定性も
ウェスタンブロットで確認することができる。合成する標準品の純度、溶解性、含まれ
ている塩分量が今後議論する部分とのこと。
試料を脱脂して清浄剤を加えるだけの前処理後、LC-MS 分析を行い各ピークの exact
mass をデータベースから検索して個々のたんぱく質の同定と定量を行う分析法(Protein
non-digestion method)では、LC で用いる C5 カラムによるコンタミ有無の確認やたん
ぱく質濃度を 0~8.5%まで広げて分析を行った。結果の再現性は良好であった。
次のステップ: 科学レビューでの LC/MS 法の発行を待ち、2014 年末までに、技術使用
を作成するため IDF/New Work Item(NWI)への提案をしていく。聞き漏らしがあったの
で議事録で確認するが、異なる方法なので別のプロジェクトとして活動すべきとの意見
が出たり、そもそも2つの分析法を同時に議論する必要性があるのかという意見も聞か
れた。結論は要確認。
プロジェクト C22
Milk and milk products – Determination of total sugars – HPLC method
乳・乳製品―HPLC 法による総糖質の測定
新しく PL となった Eurofin(分析会社;オランダ)が新規課題として乳製品中の個別
糖質(グルコース、スクロース、フルクトース、ガラクトース、ラクトース、マルトース、
ラクチュロース)を測定することを提案した。乳製品の対象は乳(低糖乳も含む)、粉乳、
チーズ、ホエイ粉、調製乳、デザート、ヨーグルトになる。現在、シングルラボでのバリ
デーションが終了しているが、
ガラクトオリゴ糖が分析結果に影響を及ぼすことが分かっ
ている。分析方法は試料を水で抽出・洗浄後、高性能陰イオン交換クロマト-パルス検出
器(HPAEC-PAD)にて検出する方法で、モノ-, ジ-サッカライドの分離も行うことが可
能とのこと。
次のステップ:新規活動項目として承認を得るための投票を行う。
プロジェクト C23
ISO17678|IDF202 Milk fat – Determination of foreign fats by GLC analysis of
triglycerides (Reference method)
乳脂肪―トリグリセライドの GLC による異種脂肪の測定(参照法)適用範囲の改訂
チーズを試料とした場合の脂肪酸組成を測定した文献並びにアジア産牛乳を調査した
論文が提示された。論文が提示されたことで、試料の対象をチーズにも拡大することと、
アジア産の牛乳は除外する方向で ISO17678/IDF202 は修正される。
プロジェクト C26
Method for the determination of milk adulteration with whey
乳清による乳の改質を測定する方法
マイクロチップ電気泳動によるカゼインと乳清たんぱく質の比率から、乳の改質を測
定する方法について、テスト結果のプレゼンが行われた。次の提案としてより簡便な色
素結合法や近赤外を利用した方法についてテストを継続する。
プロジェクト C27
Dried milk – Determination of titratable acidity – transfer of IDF methods into joint
IDF/ISO standards (routine method ISO 6092:80 and reference method ISO 6091/
IDF86).
5
ISO6091/IDF86 の改訂 ―滴定酸度の測定および適用範囲の生乳への拡張
脱脂粉乳、脂肪 9%のバターミルクパウダーの終点はそれぞれ pH8.31~8.40、8.41~
8.45。これに対して生乳をフェノールフタレインを用いて測定した場合、終点は 8.7~8.8
と高い数値であった。このためフェノールフタレインではなく、自動滴定にて酸度を求め
るべきと結論づけた。当初の予定通り改訂を行うことが決定した。
プロジェクト C29
Dye binding methods for protein determination.
色素結合による蛋白質測定法
PL が降りたままなので、このプロジェクトは中止。
プロジェクト C31
Determination of whey protein to casein ratio
乳清タンパク質/カゼイン比の測定
中国の規制変更のため進行させる必要がなくなり、このプロジェクトは中止。
プロジェクト C32
Existence of several related standards for the determination of fat in various dairy
matrices.
様々な酪農物における脂肪の測定において現存する規格類の概観
脂肪測定に関して、現在同じ原理(レーゼゴットリーブ法)であるにも関わらず、以下
に示す通り 8 個の異なる IDF standard が存在している。
・ミルク(ISO1211/IDF1)、粉乳、バターミルクパウダー(ISO1736/IDF9)、クリーム
(ISO2450/IDF16)、ホエイチーズ(ISO1854/IDF59)、乳ベースの調製粉乳(液、粉)
(ISO8381/IDF23 )、 乳 ベ ー ス の ア イ ス ク リ ー ム 、 ア イ ス ク リ ー ム ミ ッ ク ス
(ISO7328/IDF116)、練乳(ISO1737/IDF13)、液状の脱脂乳、ホエイ、バターミルク
(ISO7208/IDF22)
・これらの Standard を1つにまとめるのが目的。乳、粉乳はすでにデータが取れている
ので、クリームで共同研究を実施したい。予定は以下の通り。
・IDF で投票を行い、承認されれば ISO での投票に回す(2014 年 9 月)。
・ISO での投票でも承認されれば、2015 年の初めにはクリームで共同研究を行う。
同じくチーズ、プロセスチーズ、カゼイン、カゼイネートで同様に同じ原理(SBR 法)
で脂肪測定があり、これも同じく 1 本化する。スケジュールはほぼ同じだが、こちらは
共同研究を行わず、DIS ドラフトとして 2015 年に提出する。
プロジェクト C33
Determination of individual proteins by LC-MS method.
LC-MS 法によるたんぱく質の個別定量法
進展がないためキャンセル。ほとんど議論されなかった。
プロジェクト C34
HPLC Determination of organic acids in dairy products.
HPLC による乳製品中の有機酸の測定
C25 で議論済み。ほとんど議論されなかった。
6.新規活動項目
Determination of urea in milk by continuous flow analyzer.
連続フローアナライザーによる乳中の尿素の定量
乳中の尿素定量法は既に ISO14637/ IDF195 にて酵素法として存在するが、今回提案
6
された方法は連続フローアナライザーを用いての定量で、プロジェクト C19 と同じ PL
から提案された。既にドラフト案は作成済みで、今後投票が行われる予定。
ガラクトオリゴ糖(GOS)、フルコトオリゴ糖(FOS)とヨウ素の分析法の進展が提案され、
GOS、FOS に一人が興味を持った。ただ、精度要求レベルが決まらないと回答できないと
のことであった。
7.刊行物
議事次第に記載された通り。
8.IDF/ISO 国際規格レビュー2014
SCAMC に関連する見直し対象は7項目。このうち6項目は 2014 年 7 月 15 日に見直し
を開始し、残り 1 項目は 2014 年 10 月 15 日に見直しを開始する。
9.連絡機会の確認
10.他の議題
11.SCAMC の活動目的、優先レビュー
12.会議での決定、活動レビュー
13.次回会議:2015 04/12-17 Belgium(Namur)
14.終了
【3】統計・自動化常設委員会(SCSA)
議長
: Silvia Orlandini (IT)
副議長 : 空席
1.歓迎の挨拶、出席者の紹介、協議事項の選択と議事録署名者の任命
議長は IDF の独占禁止法に関する声明およびここで行われる全ての議題は同時に
ISO/TC34/SC5 の議題となる事を読み上げた後、個々の情報の改訂用に名簿を回覧した。
2.前回の議事録の確認
2013 年にオランダ国ロッテルダム市で行われた前回の SCSA の議事録を確認した。
3.活動状況の報告
プロジェクト S01
Statistics of analytical data – Interlaboratory Study Results of other MAS project
groups.
分析データの統計 – 他の MAS プロジェクトグループの試験所間試験結果
SCSA での個別の議論は以下の通り
SCAMC – C11 – labeled fatty acid
SCSA に予備データ(AMC 側とは温度差がある表現)が提出された。データはおおむね
良好な結果だったが、1社のデータでいくつかの脂肪酸において値が大きく外れていたり、
C4 など分析に不向きな成分も存在していた。PL が説明した内容は個々のデータのバラつ
きについてその原因などを説明しており、本来議論すべき室内再現性や試験所間再現性に
7
ついての報告とはかけ離れた内容であった。SCSA としては結論を出さず、直ちに統計的に
評価可能なデータ・パラメーターに絞って再度提出することになった。CS の結果を
Standard にアップし、AOAC/ SPIFAN と結果を共有する。
SCAMDM – D06 – LAB by flow cytometry
ヨーグルトについてフローサイトメトリーによる菌数測定を実施。120tests(10samples
×2individual sample×2replic×3ECM protocol)を実施し、cfu との差がないことを確認し
た。最終的には 1,800tests(15labs)で実施した。今回は生菌の結果のみだったので、死菌で
のデータ6月中に提出し、その時点で最終判断を行う予定。
SCAMPAI – P05 – alkaline phosphatase in cheese
2013 年 11 月にハードタイプ 3 種類、セミハード 1 種類を、2014 年 3 月にソフトタイプ
3 種類、セミハード 1 種類を評価した。14 の試験室で行ったが、そのうち2つの labo では
repeatability がないためこれらを除外して評価した。
Repeatability は 10%程度、Reproducibility は 30%程度と、labo 間での差が大きかった。
データ自体は完全な形で提出されたので、SCSA は次のステップ IDF/ISO の投票に移る予
定。
その他特記事項として、今後試験所間試験が予定されているプロジェクトとして、C14, C19,
C20, C21, C25 が予定されているとのこと。
プロジェクト S02
Statistics of analytical data – Statistical sampling plans liaison with TC69/ CCMAS
分析データの統計 – 統計的サンプリング計画(TC69/ CCMAS との照会)
CODEX の分析サンプリング部会(CCMAS)は、国際貿易におけるサンプリング及び試
験の運用に関する原則について見直し行った。これには原則案の解説部分も含まれてお
り、いくつかの例が提示された。
プロジェクト S03
New applications of IR spectrometry – General Information for publication
赤外吸収スペクトルの新しい応用 – 出版に向けた一般情報
優先して取り組むべき課題として以下3項目についてそれぞれ報告がされた。
S03a スペクトルの標準化に関する文書化
目的はスタンダード作成ではなく論文の提出である。論文作成メンバーを募集、7 月ま
でに今準備できるものを整理し、9 月までにドラフトを作成したいとのこと。その後年内
には論文を完成させる予定。
ISO9622/ IDF141 との整合性を考慮すべきとの意見が出された。
S03b 新規パラメーターを用いた品質評価の実践
ターゲットを定めた手法について説明がされた。ターゲット物質は脂質、たんぱく質、
遊離脂肪酸、ケトン体、ミネラル、カードの硬さ等である。情報量が多く難しいので、
もっと実践的に使用できる提案が必要との意見があった。また、適切なキャリブレーシ
ョンの必要があるため、クオリティコントロールの手法を整理することになった。これ
とは別に、ノンターゲットの解析手法についても紹介された。これはピーク全体を多変
量として捉え変化を追っていくというものだが、研究レベルでのものであった。PG メン
バーは9月の終わりまでに意見を PL に返答することになった。
S03c コミュニケーション
ルーチン的に研究室で使用している FT-IR パラメーターの正確な情報に関する質問票
8
を準備し、9月の終わりには質問票を配布する。次のステップへ移行するために質問票
のマネージメントサポートが必要とのこと。
プロジェクト S04
ISO16140, ISO17043 & ISO22117. Food products – Statistics of analytical data of
microbiological methods (method validation & proficiency testing).
食品 – 微生物試験法の分析データの統計(方法のバリデーションと熟練度試験)
EN ISO 16140 の改訂 - 食品微生物的方法のバリデーション
生乳中の総菌数測定法(ISO16297)の特異なケースと見なすことができるため、参照
法として要求すべきでないとの評価であった。続く ISO/TC34/SC9 の WG3 による投票
においても受け入れられないとのことであった。
プロジェクト S09
Reference system for somatic cell counting
体細胞測定のための参照システム
EU JRC/IRMM の正式な確認がされ、2014 年~2016 年の間に標準物質の生産に関する
研究を行うことが確認された。試験所の中から技能評価のモデル及び外部精度管理手順
のモデルを作成した出版作業は進行中である。
プロジェクト S10
Milk and Milk Products – Method for Automated Sampling.
乳及び乳製品 – 自動サンプリングの方法
目的は集乳および乳処理工場で乳・乳製品のオートメーション化されたサンプリング
手法に関するガイドラインを制定することである。PL は PG および SCSA にドラフト案
を提出しており本会議で承認を受けた。
次のステップ;7 月末~9 月までにドラフト案を ISO NWIP に提出し、承認を受ける。
プロジェクト S11
Revision of standard ISO21187|IDF196 Milk – Quantitative determination of
bacteriological quality – Guidance for establishing and verifying a conversion
relationship between routine method results and anchor method results.
乳 – 微生物学的品質の定量的測定 – 日常試験法結果と最終確定法結果との変換関係を
設定し検証するためのガイドライン
原乳中の総菌数を定量する方法の改訂に向けて、どの項目を修正するべきかの意見が
話し合われた。Scope に関しては、前回では原乳に限定すべきとの結論であったが、何故
かまた殺菌された後のミルク等も含めた全般的なミルクを対象にすべきとのことであっ
た。影響を与える要因についても見直された。参加者には6月中にコメントの〆切、2015
年 1 月中に統計に関するコメント〆切が確認された。
4.検討中の活動項目
活動項目ではないが、このタイミングで ISO から以下の通り提案がなされた。
ISO から ISO スタンダードにおける参照法の条文に関して。ISO における参照法とは専
門家やその委員による同意によって国際的に認識された分析方法のことを指すとのこと。
ある分析に対してスタンダード法が存在するとして、別の測定方法が直ちに参照法になる
訳ではないと説明されていた。私的な感想になるが、IDF と ISO との間で参照法の定義が
未だ定まっていないだけでなく、同じ成分を分析する方法を定めた場合においても、IDF
では枝番を付けたり参照法にするなど比較的分析項目毎で関連付けるのに対し、ISO では
分析法が違えば別番号を用いるべきとの見解の相違があり、この溝がなかなか埋まらない
ところでお互い苦労しているように見受けられた。
9
5.新規活動
Guidelines for use of in-line infrared spectrometry
In-line での IR スペクトル使用のためのガイドライン
In-line での IR スペクトルに関する紹介がされた。
6.発行物
議事次第に記載された通り。
7.IDF/ISO スタンダード法の見直し(2014 年)
SCSA に関連する見直し対象は3項目。
いずれも 2014 年 10 月 15 日に見直しを開始する。
8.コミュニケーション活動の検討/課題整理
9.他の活動
10.SCSA での目的と現状の総括(付録)
11.会議での決定事項と行動内容の確認
12.副議長の選出。関係する委員会委員の確定。
13.次回会議:2015 04/12-17 Belgium(Namur)
14.閉会
10
【4】シンポジウム報告
演題 5~7
RefSysSCC - 体細胞計測のリファレンスシステム( Reference Systemu for Somatic Cell
Counting )を構築するための IDF/ISO と ICAR とのジョイントプロジェクト
演題5:リファレンスシステムとは?なぜそれを必要とするのか?
Harrie van den Bijgaart (IDF/ISO/ICAR)
乳製品の輸出入が拡大している世界市場で、分析はその結果の同等性が要求されるよう
になり、かつ細心の注意を払うべき課題となっている。体細胞数の計測(乳房健康状態を示
すために使用される)は世界的に最も頻繁に行なわれたテストのうちの 1 つだが、データの
トレーサビリティー、頑強性に関して十分とは言えない。ISO13366/ IDF148-1 では参照法
が、ISO13366-2/ IDF148-2 ではルーチン法がいずれも IDF standard として発行されてい
る。体細胞数を計測することは法律面だけでなく乳価と関連し、乳組成および乳質に影響
し、農場経営にも大きな影響及ぼすため、信頼できる参照システムを構築することは、よ
り良い分析結果の同等性に到達するために、すべての利用できるデータを結合する分析戦
略である。
演題6:RefSysSCC プロジェクトの直近情報 - 誰が?何を?いつ?
Silvia Orlandini (IDF/ISO/ICAR)
2009 年に開始されたこのプロジェクトは、重要な進展が既に進んでおり、プロジェクト
グループメンバーは、広範囲にわたる酪農投資家と専門家から構成されている。このこと
は世界的な酪農団体とコミュニケーション(正確な情報を世界的に広める)を円滑にする
ことを助けている。実際に世界 35 か国、214 の研究室がプロジェクトに参加しており、2103
年度は 141 件の回答があった。分析の実行に関しておよそ 400 人の酪農投資家から情報を
集めるためにいくつかの世界的な調査がされた。演者は「回答者がプロジェクトに対する
ものすごい熱意を感じられた励みになった」とコメントした。回答が得られた後、データ
は計算モデルにて解析されるだけでなく、テストした研究所の実力を評価することも行わ
れる。
演題7:研究室の分析能力を評価し、比較するための新しい統計ツールの意義
Thomas Berger(IDF/ISO) and Werner Luginbuhl(ChemStat)
体細胞数計測において標準化されたルーチン法があるが、国際的に同意されてない解析
システムでこれらのデータを解釈することは問題がある。比較可能な体細胞データを世界
的に共有するための新しい統計ツールが必要であった。ChemStat 社によって新たな統計ソ
フトが開発され、これによって試験室間試験から比較可能な値に生データを変換すること
ができ、各試料の品質を比較評価すると同時に各研究室の技能も評価することが可能とな
る。現在このソフトを評価するための中立機関を探しているとのこと。
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1.2 IDF 分析ウィーク 2014(理化学2)
出席報告者:戸塚 新一(雪印メグミルク㈱)
ドイツ国、
ベルリン市にて 2014 年 5 月 15~20 日に開催された IDF/ISO 分析ウィーク 2014 に、
㈱明治 竹内氏、森永乳業㈱ 小田巻氏、藤崎氏とともに出席致しましたので、担当した会議内
容について下記の通りご報告申し上げます。
記
【1】出席した会議
◇ 加工助剤・指標分析法(SCAMPAI)に関わる会議
① 個別プロジェクトに関わる会議(オブザーバーとして参加)
・活動中の項目(P06, P08, P13, P18 全 4 項目)
・検討中の項目(P09, P15, P17, P05 全 4 項目)
② SCAMPAI 本会議(オブザーバーとして参加)
◇ 食品添加物・汚染物質常設委員会(SCAMAC)に関わる会議
① 個別プロジェクトに関わる会議(オブザーバーとして参加)
・活動中の項目(A04, A05, A10 全 3 項目)
・検討中の項目(A12, A14 全 2 項目)
② SCAMAC 本会議(オブザーバーとして参加)
◇ IDF/ISO シンポジウム -分析は健全な牛や乳製品に何を貢献できるか?-
【2】加工助剤・指標分析法常設委員会(SCAMPAI)
関連
1.活動状況の報告(個別プロジェクトに関わる前段の会議内容を含む)
① プロジェクト P06
ISO 11816 | IDF 155-2. 乳および乳製品-アルカリフォスファターゼ活性の測定-パート 2:
チーズにおける蛍光法
まず、統計・自動化常設委員会(SCSA)の PG S01 で、2 段階で構成された試験所間共同研究
(1 回目:2013 年 11 月、2 回目:2014 年 3 月)の実施結果について、PL から報告があった。
1 回目の試料はハードチーズ 2 種+セミハードチーズ、2 回目の試料はソフトチーズ 3 種とセ
ミハードチーズ 1 種でそれぞれチーズの外側をサンプルとして調製している。また、1 回目の参
加試験所は 14 試験所(13 カ国)
、2 回目の参加試験所は 15 試験所(12 カ国)であった。
1 回目の試験でアブノーマルな結果が 1 試験所あり、2 回目では、2 試験所がコクラン検定で
外れ(ソフトチーズ)
、アブノーマルな結果が 3 試験所あったが、都合 7 サンプルで結果は RSDR
で 24~36%であった。
その後、PG P06 にて規格原案について下記の議論がなされた。
・10.1~10.3(RSDr、RSDR)についてはコメントを求めるため、今後回覧する。
・サンプリングは基本的に IDF 50 に従っているが、今回ハードチーズのサンプリング方法を
変更したため、本規格で規定する。
結果、最終規格草案作成に向け、このまま進めていくこととなった。
② プロジェクト P08
低温殺菌のトレーサー -他の品種における低温殺菌のための酵素指標-
M Nicolas 氏(フランス)から乳牛由来の試料(pasteurized milk、high pasteurized milk、
organic high pasteurized milk)の 3 試料について 2 条件・n=3 で実施した予備試験の結果が
提示されたが、PL(FDA)から PG の会議の直前に出席できない旨の通知メールを議長が受信し、
本件は、議論ができない状況であった。本プロジェクトはコスト面を考慮しても FDA とコラボ
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で実施することが重要であり、今後、議長が FDA とコンタクトを取り、どうしていくかを明確
にしていく。
③ プロジェクト P13
チーズ中のフォスファターゼ活性に関するデータの収集
PL から、non-coagulated milk などから製造したチーズのフォスファターゼ活性データが紹
介されたが、レンネットにキモシン由来と微生物由来があり、適切な乳も少なく、安定しない
ため、進めるのが難しく、どこに焦点をあてるべきかで議論となった。
以下議論の内容である。
・ Bovine’s (Cow’s)milk の微生物レンネットから始めるか?
・ 季節や coagulate 時間も考慮に入れなければいけない。
・ coagulation の定義をもう一度整理すべき。
各国(日本を含む)からのチーズ送付をお願いする前に内々(DE、US)で実行可能なレベル
で連携して調整し、新 PL で進めることとなった。
④ プロジェクト P18
ISO/TS 17996 | IDF/RM 205 の(微小な)改訂. チーズ - 定転置速度での単軸圧縮法による
レオロジー特性の測定
PL は共同研究者を求めているがまだ決まっていない(欠席)
。引き続き議長がコンタクトを取
り、確認していく。
2. 検討中の活動項目 (個別プロジェクトに関わる前段の会議内容を含む)
① プロジェクト P09
微生物由来で再活性化された、残留するフォスファターゼの確定方法
再活性化されたフォスファターゼの実験データや学術的知見の編集
昨年の AW でアルカリフォスファターゼのデータ取得を当面の目標としたが、PL からまだ手を
つけていない旨話があった。
② プロジェクト P15
低凝固乳の特性と定義
昨年の AW で PG の継続が確認され、PL がまだ決まっていなかったが、現在、まだ PL は決まっ
ておらず、来年より進めていく。
③ プロジェクト P17
牛アルカリフォスファターゼ標準物質の作製
プロジェクトはまだ進んでいないが、冒頭、PL からバリデーションの参加試験所を募り、2
カ国から挙手があった。その後、サンプルの種類、ネガティブコントロールなどについて、条
件を統一すべきとの意見があった。また、高純度ホスファターゼのコストや NWI でやるべきか
などについての懸念の意見があった。
また、DE より、特にエメンタールチーズについて、チーズの種類などの条件にかかわらず出
来るようにしたいとの要望があった。
今後は DE が原乳からエメンタールを作製し、条件を一定にして検証実験をするところから始
める。
④ プロジェクト P05
ISO 11816-1 | IDF 155-1. 乳および乳製品 -アルカリフォスファターゼ活性の測定-
パート 1:乳および乳ベース飲料における蛍光法
本法のクリームへの適用範囲拡張について、その測定精度に関する資料を提示予定であった
が、断片的な予備試験結果が提示されたのみで、今回は提示がなかった。
PL から、今後、どういう形で提示をしていくかと、適用範囲(クリームの種類)について、
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液状クリームを対象としていたが、その調製液も追加するならば、大きな変更となる。
今後は PL を変更し、NWI として実施していく。データについて、コメントを求めるため、今
後回覧する。
3.その他
・ 議長(J. Page 氏)
、副議長(C. Egger 氏)が再選出された。
・ アルカリフォスファターゼ(P06 関係?)は IDF ブリテンとして出版する方向で進める。
【3】食品添加物・汚染物質常設委員会(SCAMAC) 関連
1.他の IDF 委員会や国際組織への連絡と重要事項の照会
AOAC SPIFAN project (Stakeholders Panel on Infant Formula and Adult Nutritionals) に
関連して IDF、ISO、及び AOAC の間で直近で話し合われた協議事項
AOAC メンバーより、SPIFAN プロジェクトの概要、今までの流れ、直近の課題について下記
の通り説明があった。
・現在、ビタミン・ミネラルなど十数項目を対象とした育粉、流動食を対象とした SMPR
(Standard Method Performance Required)が既に発行され、ビオチン・フルクトオリゴ
糖・ガラクトオリゴ糖などの数項目が発行に向け検討中である。
・今回、塩化物イオンとフッ化物イオンについて濃度範囲を調整した SMPR 案を提示するが、
まだ調整が必要である。
・今後の SMPR の発行にあたり、それぞれの項目についてどの SC と連携していくかについて、
いくつかのビタミンについて、SCAMAC と連携すべきと考える。
→(SCAMAC 側より)課題として整理していく。
2.活動状況の報告(個別プロジェクトに関わる前段の会議内容を含む)
① プロジェクト A4
ISO 27105 | IDF 216. チーズ-HPLC によるリゾチームの定量及び LC/MS による確認
試験所間共同研究の簡単な説明の後、その結果を踏まえた規格草案(2014/5/7 版)について、
草案に対する各国および事務局からのコメントについて規格へ反映された部分について個別に
確認がなされた。
その結果、コメントの確認において反対意見などは無く、他のコメントも無かったため、7 月
を目処に IDF ブリテンを出すとともに、最終規格草案に向け、前に進めていくこととなった。
(手続きには時間がかかるので注意が必要)
② プロジェクト A05
ISO/TS 15495 | IDF/RM 230. 乳、乳製品および調製粉乳-LC-MS/MS によるメラミンおよびシア
ヌル酸定量法のガイドライン
本件は、CEN プロジェクトとの共同研究で進めることとなっているが、現在プロジェクトリー
ダーがいないため、進捗していない。今後は CEN の動向次第である。
③ プロジェクト A10
乳-残留動物用医薬品スクリーニング法のバリデーションのためのガイドライン
CRL 文書の修正原案(Ver.4 2014/5/8 版)について多数の議論がなされた。
EU では定性・定量(それぞれスクリーニングと確認試験あり)はバリデーションの要求事項
として縛られているため、今回、PL(EU)からそのうち定量部分を EU 以外のレギュレーション
に載せる方向でリクエストされた。しかしながら、他国は必ずしもレギュレーションに縛られ
ておらず、今回の定量部分の修正案に関してもまだ検討事項が多く、3 時間議論を延長したが、
平行線であった。平行線となった内容は下記の通りである。
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・ マトリックス(原乳?殺菌乳?UHT 乳?クリーム+ホエー蛋白などの調製乳?)
・ 検査方法(メーカーによってキットの試薬・操作法・仕様・説明書書式に違い)
・ 検出限界、カットオフレベル、スクリーニングにおけるネガコンのターゲット濃度(目的
に対し十分低いこと)
・ バリデートの範囲(メソッドの種類などで変動)
今後、上記に加え、スクリーニングかそうでないか、許容限度、繰り返し数、試料の殺菌の
度合いなどについてワーキンググループで議論していく。そのためのドラフト案へのコメント
を近々に求める。
最後にネスレ社の方から、各国の基準を踏まえ、17 カ国で対象抗生物質別に処理時間、レベ
ルなどについて現状を調査した結果が説明された。
3. 検討中の活動項目 (個別プロジェクトに関わる前段の会議内容を含む)
プロジェクト A12
アフラトキシン M1 の定量-既存法の修正
最初に IDF 190(TLC 分析)対する時代遅れではという懸念や LC-MS/MS の有用性について確
認をすべきという質問がメンバーからあった。
その上で、PL から IDF 171 の変更案(事前配布なし)について議論がなされた。基準設定に
ついては、数値の妥当性と各国のレギュレーションが異なるので難しいとの意見が出された。
また、アフラトキシン M1 を溶解する溶剤(アセトニトリル)や文言の変更について変更案が提
示された。今後、変更案をメンバーに回覧してコメントを求める。
今後の変更案を前に進めるためのプロジェクトチームメンバーが確認された後、今後に向け
た回覧方法、共同研究の必要性、CEN とのやりとりなどが課題としてあげられた。
プロジェクト A14
ISO 8260 | IDF 130:2008 の再検討-有機塩素系農薬および PCB の定量
本プロジェクトは SPIFAN の SMPR を視野にいれ、今後は新規活動項目として進めていく。
4. その他
・ 清瀧兼司氏、下川由紀子氏が新メンバーとして承認された。
・ 更に検討が必要な活動項目として、AOAC からビタミン K2 の定量について報告を予定して
いたが、説明がなく、削除することとなった。
・ 新議長(V. Gaudin 氏)
、新副議長(?)が選出された。
・ SCAMAC の目的について、改定案(箇条書き部分を対象の分析法のみとし、全体の表現方
法を変更)が提示され、承認された。
【4】 IDF/ISO シンポジウム -分析は健全な牛や乳製品に何を貢献できるか?-
5 月 17 日(土)に開催されたシンポジウム 7 題のうち、講演 1 と講演 4 について報告する。
講演1
今日の乳分析の役割 -IDF の見通し- Jaap Evers 氏(IDF, NZ)
IDF は 1963 年より ISO と連携して乳・乳製品の分析とサンプリング(MAS)のスタンダード開
発に関わってきている。2001 年からは ISO/IDF の共同出版ができるようになっている。
今後の分析スタンダードは、乳の要求、食の安全、食事、消費者の要求と情報提供に応えな
ければならない。また、最近用いているキーワードとして「sustainability(持続の可能性)」
があり、その見極めも重要になっている。
今後 ISO/IDF が成功していくためには、CCMAS の影響を考慮に入れていかなければならず、特
に下記部分に影響する。
・ ISO/IDF 法
・ その他の技術情報(測定の不確かさ、サンプリング不確かさ、国際的な食品貿易における
サンプリングと試験技術)
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また、ISO/IDF はいくつかのチャレンジが必要である。IDF は農場での検査についても視野に
入れ、すでに成功しているが、最近は各国の機関(AOAC、CEN、FAO、UN、ICAR、USP など)とも
連携している。
結論として、例えば動物の健康など、乳業界にとって必須なものがいくつかあるが、分析の
維持も必須である。
講演4
≪演者変更≫
遺伝子データ解析の重要性(仮) Dörte Döpfer 氏(Wisconsin Univ., US)
何とか機器で病気を治せないか?その場合、どのような解析技術を用いるべきか?という発
想から我々の研究は始まっている。遺伝子データを解析し、病気の予見に有用である数学的モ
デルを構築してきた。
≪EHEC(腸管出血性大腸菌;宮崎医大 大岡先生)の遺伝子データからの解析を例示≫
本研究は、遺伝子データを用い、リスク因子分析と比較したパターンを認識させることで、
病気の診断に有効である。
仮訳の全文は会員頁を参照してください。
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