トヨタ併売車の競争に負けない企業力を すべてのことに「拘る」継続性、専門性を持て! ネッツトヨタ札幌 西島 悟社長 「今のクルマ販売は、メーカー間の競争というより、オールトヨタでの競い合いの状況になっていますね」という西島社長に業 界や会社の現況などを聞いた。 西島社長は現在、トヨタ自動車販売店協会(ト販協)北海道支部長に就任している。 「ト販協は北海道のトヨタのシエアを高めることが大きな役割。今年1月から4月までの新車シェアは47・9%(全国を1・5ポイ ント上回る)でしたが、できれば50%を確保し、往年のトヨタ王国復活を遂げたいですね。その活動の一環として、メーカーと一 緒にトヨタファンを増やす目的の『オールトヨタドライブ王国』というイベントを毎年開催しています。今年は7月30、31日の2日 間、アクセスサッポロで開催の予定です」とトヨタ車のシェアアップに日夜努力している」 「今、トヨタ販売店の中で競争が激化していると感じています。それだけに当社としては売り負けない企業力をつけることが 大事です。 扱い車種はハイブリッド車を主体に年々、併売車が増えてきていますが、当社が生き残るにはまず、専売車種のヴィッツの 増販が肝要です。そのためには、既納客をしっかり守り、新規客を増やしていくという戦略です。ヴィッツにもハイブリッドが登 場の予定(発売日は未定)ですが、北海道市場にはハイブリッド4WDがぜひ必要ですので、近い将来の登場に期待していま す」 「トヨタチャネルの差別化、個性化という点では、ネッツ店設立の販売コンセプトであった『店頭販売のNetz店』から、当社は 『攻め(特に法人客)と守り(店頭販売と顧客管理)のNetz店』へと販売手法を進化させ、市場の変化に対応していきたいと考 えています。 当社は来年12月に創立50周年を迎えます。企業力をステップアップしなければなりません。お客様から信頼され、選ばれる ためには、従業員一人ひとりが、CSRやコンプライアンスを始めとした社会のルールを遵守することが基本です」 「私は最近、『すべてのことに「拘る」継続性、専門性を持て』と唱えています。たとえ、小さなことでも、個として、店として拘 り、その波及効果をねらう。こういう会社のカタチ(社風)ができれば優秀な人材確保が可能となります。 社員教育は人間教育でもありますので、OJTで育成することが基本です。全社員が自ら考え、自ら行動し、自ら成長し続けら れる人を目指し、個人力を磨いて、人間力を高めて頂きたいと思います」 「現在、ディーラーはエンジニアの人材確保が課題となっています。トヨタのサービス工場はテクノショップとして進化しており、 クルマ好きな人なら誰でも入社歓迎です。クルマの整備を通して技術とお客様とのコミュニケーションの仕方を学び、人間とし て成長する。将来は営業部門の管理職に登用も可能です。先ずはチャレンジ魂が必要です。 当社はそのような若者と一緒に仕事をし、会社を発展させたいと考えています。 なお、今年度の設備投資は、東苗穂店を移転し『プラザかりき275』としてこの6月15日にオープン予定です」 西島社長は平成24年6月に社長に就任、12月に創立45周年を迎え、社員の意識改革、社風の変革、そして本社屋竣工、社 史、社内報の発行と鋭意、経営改革に取り組んできた。それから5年後の平成29年12月に創立50周年を迎える。 会社を「さらに、強く、前に」という息吹を感じさせる西島社長のリーダーシップと経営力に大いに期待したい。 「STYLE BOOK」で社員に夢と情熱を 「社員の心、絆をガッチリ」でチャレンジ! ホンダカーズ北海道 手塚 完二社長 新車販売を始め、躍進著しいホンダカーズ北海道。 陣頭指揮を執る手塚社長に会社成長の方策などを聞いた。 昨年度の実績について 「当社の昨年度の新車販売は、5H受託販売を含めると9千614台(前年比92.0%)と、目標の1万台達成に迫る実績でした。 また、最重要施策『守り、増やす活動』については、前年度末より2千500台のお客さまを増やすことができ、管理内ユーザー 台数の目標7万5千台を達成しました。 一方、事業実績では、売上高267億円、営業利益7・76億円で、前年度より減収増益でしたが、営業利益では過去最高を達 成しました」 今年度の目標と将来について 「今年度は、新車販売1万台を目標にしています。営業利益は8億円に再チャレンジします。将来は売上高300億円、営業利 益率4%、営業利益12億円の会社にしたいと考えています。そのためには、管理内ユーザー台数8万台が不可欠と思います」 企業の永続的な存在の具体策は 「『企業の永続的な存在は、顧客数の拡大にあり』と常に社内で話をしています。つまり、顧客減少傾向は、地域社会から存 在を期待されない企業であるということです。ですから、当社では『まかせチャオ』『残価設定クレジット』『JAF』『自動車保険』な どを重要施策と位置付け、獲得拡大に取り組んでいます。また、車検、定期点検実施率向上など、サービス商品の販売を通じ ユーザーの拡大を図ることも重要と考えています」 「重要施策項目のなかでも自動車任意保険は絆商品です。仮に、他社から代替を獲得したとしても、任意保険が切り替えら れていなかった場合は、相手に付け入る隙(すき)を与えることになります。逆に、万が一他社代替になってしまった場合に保 険だけでもお付き合いを残していれば、定期接触の機会が発生します。そういった意味でも新規獲得と継続率向上に努めて います」 「さらに、『JAF』の新規会員入会と継続会員の維持は、当社のオリジナルサービス『緊急サポートセンター』と併せ、特段、取 り組みに力を入れています。当社の強さを発揮できる施策だからです」 このほど「STYLE BOOK(Honda Cars北海道の流儀)」という小冊子をつくりました 「この小冊子は社員手帳といえるもので、企業として組織を運営していく中で最も大切なものは働く人々の『心』です。社会人 として、人間としての考え方や行動という心の持ち方を共有し、努力することが大切です。社員や家族が幸せな人生を歩んで いくためのバイブルとして制作しました。その内容はHONDAの基本理念、会社の企業理念、基本姿勢、自己啓発・能力の向 上などから構成されています」 「当社は平成23年1月に旭川の販社と合併し、(株)ホンダ四輪販売北海道という商号になりました。以降、当社の経営は、 売上高、営業利益、新車販売台数などで過去最高の実績を積み上げてきました。また、バリューチェーンの各部門でも全国の ホンダ販社でトップクラスに数えられるほどの会社に成長しています。 これらの実績を踏まえ、今後さらに会社が成長して行くためには、会社の風土、企業文化を進化させ、社員で共有していくこ とが大事と考え『STYLE BOOK』を制作しました」 手塚社長が信望する本田宗一郎の言葉「企業で失われてしまったもの、それは夢の力により活力を引き出すこと、未来へ向 けて社員に希望を持たせ、情熱を持って実践させることが経営者の姿勢である」を手塚社長は、この「STYLE BOOK」でカタチ にした。魂を入れた。これからのホンダカーズ北海道の一層の躍進が期待される。 道南圏と道北圏の観光ゾーン連携で北海道観光の魅力を高めよ 札幌レンタカー協会 佐藤 譲会長 北海道地区レンタカー協会連合会の会長も兼ねている佐藤会長に協会の最近の活動状況について聞いた。 北海道新幹線が今年3月26日に開通したが、二次交通としてのレンタカーの利用状況は 「レンタカーは新函館北斗駅前に7社出店していますが、開業1ヶ月間の営業状況は、天候的な問題もありましたが、期待通 りの需要がありませんでした。(それほど新幹線効果は起きていません)やはり北海道新幹線の乗車率が20%台では限界が あります。首都圏に加え、東北や青函間の需要を増やすことが今後の課題です。需要喚起策として、新幹線運賃の価格戦略 や旅行代理店の多様な企画、営業努力も必要かと思います。二次交通手段としてレンタカーの他、バス、タクシー、列車など の選択肢がありますので、お客さんは道内各地へ足を伸ばして欲しいですね。北海道はこれから観光シーズンになりますの で、北海道新幹線を利用して観光を楽しむ旅行客が増えるものとレンタカー業界でも期待をしています」 「私は、北海道新幹線が開通する前の昨年11月に、北陸新幹線(東京~金澤間)に乗り視察をしてきましたが、座敷はほぼ 満員の状態でいかに日本人は観光好きかが読み取れました。それで、北海道新幹線の現在の乗車状況を見て、1年でも早く 札幌までの延伸が望まれますが、早急に道北圏の観光ゾーンを整備して道南圏との連携を図り、北海道観光の魅力を高める 必要があるのではないかと思っています」 「北海道新幹線開業記念として、新幹線&レンタカーを利用してスタンプラリーに参加すると、北海道特産品などが抽選でも らえるキャンペーンを今年の6月30日まで実施しています。現在、新幹線の乗客数が少ないこともあり、賞品が当たる確率は 高いようですので、この機会にぜひチャレンジをしてみて下さい」 協会の最近の活動について 「北海道地区レンタカー協会連合会は、このほど、北海道及び道警本部と災害時の車両提供で協定を締結しました。協定 は災害時に救援物資の輸送を担う車両を、道や市町村及び道警に優先的に貸与するものです」 最近のレンタカー事業者数と車両数はどうですか 「道内でレンタカー事業申請が年間80件位あります。個人事業のレンタカーが増えている傾向です。運輸支局別レンタカー事 業者数・車両数は別表の通りですが、乗用車の3年前比で、事業者数は47%、車両者数は14%増えています。一方マイクロ バスでは事業者数、車両数あまり大きな変化はありません」 社長を務めている日本レンタカー北海道の動きは 「札幌市内に新しい営業所、札幌大通西営業所(TEL 011-233-0919)が6月14日(火)オープンします。場所は札幌市中央 区南1条西10丁目4です。オープン記念として、一般料金より20%OFFとなります(6/14~7/13)」 これから本格的な観光シーズンを迎え、レンタカー各社の受注競争は激化しそうだ。札幌地区を始めとする北海道地区レン タカー協会の事務方の最高責任者を務める佐藤会長のリーダーシップに期待したい。
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