アルコールと肝臓

アルコールと肝臓
全国健康保険協会船員保険部ホームページからの転載記事です
気温の上昇とともに、ビールが美味しい季節がやって来ました。適量のお酒は、
昔から百薬の長と言われ、善玉コレステロールを増やしたり、ストレス解消や人
間関係の潤滑油、疲れを癒すなど良い効果があります。しかし飲み過ぎは体に
悪影響を及ぼします。適量を心がけて、アルコールと上手にお付き合いしていき
ましょう。
お酒を飲むと、体内に入ったアルコールは約20%が胃、残りの80%が小腸で吸収され、血
液によって全身に運ばれる途中に、肝臓で分解されます。アルコールを分解する酵素が多
ければ、お酒に強いということです。この分解酵素は生まれつきの個人差があり、たくさん飲
んで鍛えればお酒に強くなれるわけではありません。
❖ お酒の1単位
アルコール摂取量の基準とされるお酒の1単位とは、純アルコール量にして20gです。
ビール
中瓶1本
日本酒
1合
焼酎
0.6合
チュウハイ(7%)
350ml
ウイスキー
ワイン
シングル2杯、ダブル1杯
1/3本
体重60kgの人が1単位のお酒を30分以内に飲んだ場合、アルコールを分解するには3~4時
間かかります。これには個人差があり、お酒に弱い体質の人はもっと長い時間がかかりま
す。また、女性は男性に比べて体・肝臓の大きさが小さいため、適量も男性より少なめという
ことになります。
●肝臓は「沈黙の臓器」と呼ばれ、病気の自覚症状があらわれにくいため、常習的に飲酒を
している人は、体に異常を感じなくても定期的に検査を受けるようにしましょう。
●空腹時にお酒を飲むと、アルコールが胃を素通りして小腸に流れ込むので、急速に吸収
され、悪酔いの原因になります。食事やおつまみを食べながら飲むようにしましょう。
●油料理・塩分の多いおつまみは避け、タンパク質、カロリーの低い野菜などに変えること
も有効です。
●できれば週に2日は休肝日をつくり、肝臓をいたわってあげましょう。 出典
全国健康保険協会ホームページ:季節の健康情報
(平成24年7月)