Q自分は調べられても構わないし 尋ねられても良いことだけを答えればよいのでは? 地域で 差別につながる 身元調査は お断りします A ○○さんのことを 教えていただきたい のですが 自分は調べられても構わな いと自信があったとしても、人 は必ずしも、正しく評価してくれている とは限りません。 自分はテキパキ動きが速いから行 動力があると自信満々でも、人の評価 は千差万別です。例えば行動力のある こ と が、裏 を 返 せ ば 落 ち 着 きの な い せっかちな性格と判断されることもあ ります。 また、声が大きくて元気であることが、一方ではうるさい声だと思っている人 もいるかもしれません。 しかし、声が大きいという特徴をいかし、声楽家を生業と する人もいるかもしれません。 このように、自分が良いと思っていることが悪いことであったり、当たり前だ と思っていることがそうでなかったりと、思い込みや偏見で、あなたも失敗した 経験はありませんか。 そして、差別につながる身元調査は人の人生をも左右します。 尋ねることも、答えることもやめましょう。 尋ねたいことがあれば、直接、自分自身で確かめれば良いのです。 人から人への間接的なうわさ話ほど、当てにならないものはありません。 Q学歴や思想など、本人に責任があることは調べてもいいのでは? A 本人に責任があってもなくても、本人の知らないところで調べること そのものが、プライバシーの侵害です。 では「プライバシー」とは何でしょう? ●他人の干渉を許さない、各個人の私生活上の自由。[広辞苑第五版] ●個人的な日常生活や社会行動を他人に興味本位に見られたり干渉されたりす ること無く、安心して過ごすことが出来る自由。[三省堂 新明解国語辞典] とあり、安心して幸せに過ごせる権利とは、人間が人間として生きてゆくための 生まれながらにもっている不可欠な権利であり 「人権」なのです。 5 Q企業側からいうと、雇い主なのだから なんでも聞いて良いのでは? 企業・事業所で A 家族構成を 教えてください 生まれは どこですか? 下記のように就 職差別につながる 項目は聞く必要も、答える 必要もありません。 そもそも企業が人を採 用する際は公正かつ公平な 面接官 評価の一つとして筆記試験 就職に 関係ないんじゃ ないかな? や実技試験が行われます。 そして、その人の仕事に 対する気持ちや、人柄、会話 力など、ほんの一部である でしょうが、その人自身を知るための面接があります。 また、人は経験と発見、学ぶことから変わります。 企業は、社員を採用すれば社会人として素晴らしい人間形成のための職場教 育・研修を積極的に行う責任があるのです。 これは、現在のCSR (企業の社会的責 任)の取り組みにもつながり、人権尊重、環境保全など最も重要な観点です。 〈就職差別につながるとされる14項目〉 ❶戸籍謄(抄)本の提出 ❷社用紙(事業所独自の応募書類)の使用 ❸身元(家庭)調査 ❹家族の職業、家族の続柄、家族の健康 ❺家族の地位、学歴、収入 ❻家族の資産 ❼住居状況(部屋数、間取り) ❽宗教 ❾支持政党 生活信条 尊敬する人物 思想 本籍、生まれ育った場所、自宅までの道順 生活環境に関する作文(生いたち、私の家族、父・母を語るなど) (厚生労働省徳島労働局ホームページから) 上記の項目に対して 「聞かない」 「答えない」 「書かない」 「提出しない」 6 Qインターネットでも、みんなで調べあっているから良いのでは? インターネットで 特定の地区や人物を 誹謗中傷したら ダメなのに ○○地区には 近寄るな A みんながしているから・・・と、 このような差別的な書き込みに無意識に 加担したり、聞き流すことにも問題があります。今、パソコンが普及し多く の人々がインターネットを使うようになったことにともない、 インターネット上の 掲示板において、同和地区またはその住民や出身者、外国人、障がい者、ハンセン 病元患者、女性、子ども等々、人が人を憎悪と侮蔑、予断と偏見をもって誹謗・中傷 する、極めてみじめで悪質な差別書き込みがおこっています。 今、わたしたちの社会では、インターネットが急速に普及し、家庭・職場・学校の パソコンや、携帯電話などが大変身近なものになってきています。 今までは考えられなかった、 大量の情報をやり取りすることが可能となり、 また、 個人が不特定多数の人々に向かって自由に意見を発信できるようになりました。 しかし、 このようなインターネット上における差別書き込みなど、人権侵害行為 を許さないためにも、一人ひとりの次のような行動が大切です。 ❶インターネット掲示板の差別書き込みを許さないという世論を高め、全国 的な機運とうねりをつくること。 ❷人権侵害にかかわる書き込みに対して削除要請を強く求めていくこと。 ❸差別書き込みに対して勇気をもって反論する輪を広げること。 7 ! 考えてみよう ! 話してみよう う! 行動でしめそ “親として”の前に「人間」として “婚約者として”の前に「人間」として 大切なこと 平成25(2013)年3月の太宰府市同和問題実態調査報告書では「あなたは 結婚や就職のときに、その相手方などの「身元調査」をすることについて、ど のように考えていますか」の問いに対して、 「 やめた方がよい」と答えた人は 1,428人中50.3%(前回52.3%)、 「絶対にやめるべきだ」と答えた人は12. 7%(前回16.0%)。 「やむを得ないことだ」と答えた人は29.3%(前回26.1%)、 「 当然必要な ことだ」と答えた人は5.1%(前回4.6%)とあり人数にすると約490人の人 が「 身 元 調 査 」を する こ と に 肯 定 的 な 考 えを 持って いて、前 回 の 平 成 1 3 (2001)年度の調査から増えています。 しかし、身元調査は、その人の能力や可能性、夢や希望よりも、生まれや出 身地、家族のことなど、本人にはどうすることもできないことを判断材料に し、その人を評価し、優劣をつけることであり、間違っています。 一人でもこのような差別をする人、差別で悲しむ人がいる限り同和問題は 解決したとは言えません。 本市では、昭和62(1987)年度から「身元調査」をなくしていく取り組みの 一つに、 7月の福岡県同和問題啓発強調月間に合わせ、市内のいくつかの行 政区に市役所職員が出向き、同和問題啓発冊子の世帯配付と「身元調査」に 関する聞き取り (アンケート)調査を継続して行ってきました。現在は、アン ケート方式から対話方式へ変えて世帯訪問活動を続けています。 しかし、今 回の実態調査では逆の結果であったことから、原点にたち返り、そもそも 「身元調査」とは何か、また同和問題の解決は国の責務であり、私たち国民一 人ひとりの課題であることを読者のみなさんに考えていただきたく、あらゆ る場面を設定してのQ&Aとしました。 これからの「身元調査をなくす」あなた自身の行動のヒントになればと考 えます。 8
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