七つ星 「心で見なくちゃものごとはよく見えない」

★ 七つ星 ★
★学校教育目標 輝く笑顔
誇れる学校
★平成26年 7月 1日 さいたま市立七里中学校学校だより 第 7月号
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「心で見なくちゃものごとはよく見えない」
校長
長 島 庸 夫
今年も中庭のB棟窓際に、ゴーヤと朝顔を植えています。毎日係りの生徒たちが水やりを欠かさずしてく
れています。お蔭で背丈以上に蔓が伸びゴーヤには黄色い花が付き始めました。
さて、6月29日はある作家の誕生日でした。「心で見なくちゃものごとはよく見えない」は、その作家
の作品中の言葉です。その作家の名はアントワーヌ・ド・サン=テグジュペリ、作品名は"Le Petit Prince"、
邦題「星の王子さま」です。
いさか
この作品の中で主人公の『王子さま』は一生懸命に世話をしていた1本のバラと 諍 いを起こして、彼の星
から旅に出てしまいます。6つの星を巡り7つ目に地球にたどり着きますが、『王子さま』は地球でたくさ
ん咲いているバラを見て、世界に一つだけと思っていた大切にしてきたバラは、実は何千何万というありふ
れたバラの一つにしか過ぎないということを知ります。そして、『王子さま』は大切に世話をしてきたバラ
には価値がないんだ、と嘆き悲しみます。しかし、一生懸命世話をした『王子さま』のバラは、他のたくさ
んのバラとは比べ物にならないほど大切な1本のバラであることを気づかせてくれたのは、絆を結ぶことの
大切さを教えてくれたキツネでした。かけがえのない友となったキツネとの別れの時、キツネはおみやげに
秘密をおしえてあげる、と言いもう一度、たくさんのバラの花を『王子さま』と見に行きます。かけがえの
ない友を得た王子さまは花たちにいいます。「あんたたち、ぼくのバラの花とは、まるっきりちがうよ。そ
れじゃ、ただ咲いているだけじゃないか。だあれも、あんたたちとは仲よくしなかったし、あんたたちのほ
うでも、だれとも仲よくしなかったんだからね。ぼくがはじめて出くわした自分のキツネとおんなじさ。あ
のキツネは、はじめ、十万ものキツネとおんなじだった。だけど、いまじゃ、もう、ぼくの友だちになって
るんだから、この世に一ぴきしかいないキツネなんだよ。」そしてキツネが言いました。
「じゃ秘密を言うよ。簡単なことなんだ。心で見なくちゃものごとはよく見えない。肝心なことは目では見
えないんだ。」「肝心なことは目では見えない」と、王子様は、忘れないために繰り返しました。 「君がバ
ラのために費やした時間の分だけ、バラは君にとって大事なんだ」「ボクがバラのために費やした時間の分
だけ、バラは…」 と、王子様は、忘れないために繰り返しました。
6月は、生徒にとって、体育大会や学校行事を通してよりよい人間関係を築き、自分や集団を成長させる
大切な月でした。『王子さま』が最後に、『花の言うことなんて、ぼくは聞いちゃいなかったんだ。言葉じ
ゃなくて、してくれたことで、あの花を見るべきだった。あの花はぼくをいい香りで包んでくれたし、ぼく
の星を明るくしてくれたんだ。』と気づいたように、七里中の一人ひとりが、大切なものを心で感じ取って
お互いの良さを認め合えると、6月のいじめ撲滅月間の取組みがなお素晴らしいものになると思います。
いよいよ7月です。7月は、1学期を振り返り、何が身に付いたのか、何ができるようになったのか、不
十分なものは何か、さらに何に努力しなければならないか、1学期の終業にあたり明らかにしておくことが
大切です。そして、その成果と課題をもとに夏休みの設計をし、目標達成や課題解決に向け、自分を律しな
がら主体的・計画的に過ごしてほしいと思います。ご家庭におかれましても、この夏休みが子どもにとって
有意義なものになるよう、規則正しい生活を心掛けさせるとともに、家族のコミュニケーションを深め、目
標に向けてのやる気を喚起させられるよう、お子様へのご指導をよろしくお願いいたします。
2学期の始業式に、生徒のたくましく成長した姿と自信と誇りに満ちた輝く笑顔が見られることを期待し
ています。